JP6050508B2 - 異相ポリプロピレン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な異相ポリプロピレン組成物(HECO)、そのような異相ポリプロピレン組成物(HECO)の製造方法、また、そのような異相ポリプロピレン組成物(HECO)を有する物品、及び成形物を製造するためのその使用を対象とする。
今日、ポリプロピレンは、包装材料並びにバンパー、ドアパネル、ダッシュボード又はドア被覆材といった自動車部品の分野等、多くの用途に最適なポリマーである。特に、異相プロピレンコポリマーは、剛直性と優れた衝撃挙動とを兼ね備えており、好適である。異相プロピレンコポリマーは、周知であり、ポリプロピレンホモポリマー又はランダムポリプロピレンコポリマーのいずれかの中に弾性ポリマーが分散したマトリクスを有する。よって、ポリプロピレンマトリクスは、マトリクス部分とは別に(細かく)分散された内包物を含み、当該内包物は、エラストマーを含んでいる。内包物という用語は、マトリクスと内包物とが異相プロピレンコポリマー内で異なる相を形成しており、当該内包物を、例えば電子顕微鏡や走査型力顕微鏡などの高解像度顕微鏡により観察できることを指す。
市場に出回っている異相プロピレンコポリマーは、非常に優れた剛性と衝撃性のバランスを実現しているものの、諸特性のバランスを特定の最終用途に合わせたポリマーを提供することが常に求められている。例えば、自動車産業等の多くの用途では、ポリマー素材には、高いポリマー組成物の伸び率を保ちつつ、非常に優れた剛性と衝撃挙動のバランスを有することが求められている。ポリプロピレンの利用において、通常、剛性/衝撃性バランスを犠牲にせずに伸び率を増加させることは困難である。
よって、本発明の目的は、バランスのとれた剛性及び衝撃挙動と共に、高い伸び率(高い破断時引張ひずみとして表される)を兼ね備えたポリマー組成物を提供することである。特に、本発明は、高い破断時引張ひずみ、高い剛性(曲げ弾性率)及び衝撃挙動(ノッチ付きIzod、23℃)を有するポリマー組成物を提供することを目的とする。
上記及びその他の目的は、本発明の主題によって解決される。本発明の異相ポリプロピレン組成物の有利な実施形態は、対応する従属請求項に定義されている。
本発明の具体的な知見は、破断時引張ひずみが異なる2種の異相プロピレンコポリマーを有する異相ポリプロピレン組成物(HECO)を提供することである。
本発明の第1の側面によれば、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間である異相ポリプロピレン組成物(HECO)であって、前記異相ポリプロピレン組成物(HECO)が、
(a) ポリプロピレンマトリクス(PM1)及び前記マトリクス(PM1)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)を有する、異相プロピレンコポリマー(HPP1)と、
(b) ISO16152(23℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して10重量%から35重量%の間であり、ポリプロピレンマトリクス(PM2)及び前記マトリクス(PM2)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)を有する、異相プロピレンコポリマー(HPP2)と、
を有し、
(i) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみ値が、前記異相プロピレンコポリマー(HPP2)よりも低く、
(ii) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)の量は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して75.0重量%から99.0重量%の範囲内であり、
(iii) 異相プロピレンコポリマー(HPP2)の量は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して1.0重量%から25.0重量%の範囲内である、
前記異相ポリプロピレン組成物(HECO)が提供される。
異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の重量は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の重量の全量に対する値である。
驚くべきことに、本発明に係る組成物は、非常にバランスのとれた剛性及び衝撃挙動と、高い破断時引張ひずみとを兼ね備えることが見出された。驚くべきことに、本発明者らは、異相プロピレンコポリマー(HPP1)に、請求項に記載されるような幾分高い低温キシレン可溶(XCS)画分及び異相プロピレンコポリマー(HPP1)よりも高い破断時引張ひずみ値を持つ異相プロピレンコポリマー(HPP2)を請求項に記載されるような量で組み合わせることにより、異相プロピレンコポリマー(HPP1)単体と比較して、破断時引張ひずみ値が予期できないほど高いポリマー組成物が得られることを見出した。従って、これもまた予期できないことだが、請求項1に記載されるような所望のメルトフローレートMFRの範囲内において、非常に有利な剛性/衝撃バランスを実現することができる。このような諸特性のバランスは、成形用途、例えば移動体用途、好ましくは乗物、好ましくは車や部品等、バランスのとれた特性の組み合わせが特に望まれる分野おいて特に望ましい。
本発明に係る種々のポリマーは、それらについて用いられる語句(HPP1、HPP2、PM1、PM2、EP1及びEP2)からも明らかなように、互いに(化学的に)相違するものでなければならない。例えば、ポリプロピレンマトリクス(PM1)及びポリプロピレンマトリクス(PM2)は、結晶性又は準結晶性のポリマーであり、低温キシレンに不溶であるか、又はある程度、即ち5重量%又はそれ未満が可溶である一方、弾性プロピレンコポリマー(EP1又はEP2)は、主に非結晶性であり、低温キシレンに可溶であるか、又は易溶、即ち弾性プロピレンコポリマー(EP1又はEP2)の少なくとも80重量%が低温キシレンに可溶である。さらに、弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、弾性プロピレンコポリマー(EP2)と化学的に相違するものであってよい。実施形態の1つでは、弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、プロピレン含有量が、弾性プロピレンコポリマー(EP2)と異なる。好ましい実施形態の1つでは、ポリプロピレンマトリクス(PM1)は、例えばコモノマー含有量及び/又はメルトフローレートが、ポリプロピレンマトリクス(PM2)と異なる。好ましくは、ポリプロピレンマトリクス(PM1)は、流動性、即ちメルトフローレートが、ポリプロピレンマトリクス(PM2)と異なる。
「異相」という表現は、弾性コポリマーがマトリクス中に(細かく)分散していることを指す。言い換えれば、弾性プロピレンコポリマーは、マトリクス中に内包物を形成している。よって、マトリクスには、マトリクス部分とは別の(細かく)分散された内包物が含まれ、当該内包物には、弾性プロピレンコポリマーが含まれる。本発明において、用語「内包物」は、好ましくは、マトリクスと内包物が、異相プロピレンコポリマー中で異なる相を形成することを指すものとし、当該内包物を、例えば電子顕微鏡や走査型力顕微鏡などの高解像度顕微鏡により観察することができるものとする。
本発明の他の側面によれば、前記異相ポリプロピレン組成物(HECO)の製造方法が提供され、当該方法は、
a) 押出機中で、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を、異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加物と混合する工程と、
b) 押出成形品を形成するため、又は得られた押出混合物をさらなる成形工程に導入して射出成形品又はブロー成形品、好ましくは射出成形品を形成するために、押出機中の得られた異相プロピレンコポリマー(HPP1)、異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加物の混合物を押し出す工程と、
を有する。
押出成形品は、最終用途物品であっても、又は(好ましくは)前記異相ポリプロピレン組成物(HECO)のペレットであってもよい。
成形品、好ましくは射出成形品は、成形用途、好ましくは移動体用途、より好ましくは乗物の部品、いっそう好ましくは車の部品、最も好ましくは車の内装部品のためのものである。
異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、少なくとも1つの反応器を有する少なくとも1つの反応器系にてポリプロピレンマトリクス(PM1)を生成し、前記ポリプロピレンマトリクス(PM1)を少なくとも1つの反応器を有する次の反応器系に移し、そこでポリプロピレンマトリクス(PM1)の存在下、弾性プロピレンコポリマー(EP1)を生成することによって得られ、及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、少なくとも1つの反応器を有する少なくとも1つの反応器系でポリプロピレンマトリクス(PM2)を生成し、前記ポリプロピレンマトリクス(PM2)を少なくとも1つの反応器を有する次の反応器系に移し、そこでポリプロピレンマトリクス(PM2)の存在下、弾性プロピレンコポリマー(EP2)を生成することによって得られることが好ましい。
本発明のさらなる側面は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を有する物品を対象とする。本発明のなおさらなる側面は、成形品、好ましくは射出成形品又はブロー成形品の製造のための、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の使用を対象とする。
以下において、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)の好ましい実施形態又は技術的詳細について言及する場合、それらの好ましい実施形態又は技術的詳細は、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)の製造方法、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を有する本発明の物品、及び成形品の製造のための本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)の使用にも言及するものと解される。例えば、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)について、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、好ましくは10g/10分から35g/10分の間であるとされる場合、本発明の方法により得られる異相ポリプロピレン組成物(HECO)又は本発明の物品及び本発明の使用における異相ポリプロピレン組成物(HECO)もまた、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、好ましくは10g/10分から35g/10分の間である。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、ポリプロピレンマトリクス(PM1)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)及び/又はポリプロピレンマトリクス(PM2)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、プロピレンモノマー単位と、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、好ましくはエチレンから選択されるコモノマー単位とを有する。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、a) 異相ポリプロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して10重量%から35重量%の間、好ましくは12重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から25重量%の間であり、及び/又はb) 異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して14重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から28重量%の間である。
本発明のさらなる他の好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、a) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間、好ましくは12g/10分から30g/10分の間、最も好ましくは15g/10分から25g/10分の間であり、及び/又はb) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンであるコモノマーの含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から15重量%の間、最も好ましくは5重量%から10重量%の間であり、及び/又はc) ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、≦50%、より好ましくは≦45%、さらにより好ましくは10%から45%の間、いっそうより好ましくは10%から40%の間である。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、a) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から25g/10分の間、好ましくは5g/10分から20g/10分の間、最も好ましくは8g/10分から15g/10分の間であり、及び/又はb) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンであるコモノマーの含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、及び/又はc) ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、少なくとも150%、より好ましくは少なくとも180%、もっとも好ましくは200%から400%の間である。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、a) 異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全重量に対して、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を80重量%から98重量%と、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を2重量%から20重量%有するか、又はb) 異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全重量に対して、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を85重量%から97重量%と、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を3重量%から15重量%有する。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の破断時引張ひずみは、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の破断時引張ひずみと、値にして100%を超えて、より好ましくは値にして130%を超えて、さらにより好ましくは値にして150%を超えて、いっそうより好ましくは値にして180%を超えて相違し、当該差異は、以下の式により算出され、
TSaB[HPP2]−TSaB[HPP1]
式中、
TSaB[HPP2]は、ISO527−2に準じて測定される異相プロピレンコポリマー(HPP2)の破断時引張ひずみ値であり、
TSaB[HPP1]は、ISO527−2に準じて測定される異相プロピレンコポリマー(HPP1)の破断時引張ひずみ値である。
本発明のさらに他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、a) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間、好ましくは12g/10分から30g/10分の間、最も好ましくは15g/10分から25g/10分の間であり、及び/又はb) ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、10重量%から35重量%の間、好ましくは14重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から28重量%の間であり、及び/又はc) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンであるコモノマーの含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、及び/又はd) ISO178に準じて測定される曲げ弾性率が、少なくとも1200MPa、好ましくは1200MPaから1800MPaの間、最も好ましくは1300MPaから1600MPaの間であり、及び/又はe) ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは60%から150%の間である。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、α核を形成しており、好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、α核を形成している。従って、好ましい実施形態の1つでは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、α核を形成している。好ましくは、α−核形成は、BNTテクノロジーを用いて、即ちビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマーにより行われる。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、少なくとも1種のUV光安定化剤、好ましくは少なくとも1種のヒンダードアミン光安定化剤を有する。
本発明のさらに他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、少なくとも1種のUV安定化剤を、異相ポリプロピレン組成物(HECO)全重量に対して0.1重量%から0.5重量%の間、好ましくは0.1重量%から0.3重量%の間有する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
好ましくは、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ポリマー成分として、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)のみを有する。より正確には、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ポリマー成分として、好ましくはポリプロピレンマトリクス(PM1)、弾性プロピレンコポリマー(EP1)、ポリプロピレンマトリクス(PM2)及び弾性プロピレンコポリマー(EP2)のみを有する。言い換えれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、さらに添加剤を含みうるが、好ましい実施形態では、他のポリマーを、異相ポリプロピレン組成物(HECO)全重量に対して5重量%を超えて、より好ましくは2重量%を超えて、さらにより好ましくは2重量%を超えて含まない。そのような低量で存在しうる付加的なポリマーの1つは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する各異相プロピレンコポリマー(HPP1及び/又はHPP2)の製造において得られる副反応物であるポリエチレンである。したがって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ポリマー成分として、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、弾性プロピレンコポリマー(EP1)、ポリプロピレンマトリクス(PM2)及び弾性プロピレンコポリマー(EP2)並びに本段落に記載する量の任意のポリエチレンのみを含むことが好ましい。
本発明の要件の1つとして、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、メルトフローレートが所望の値であることを特徴とする。好ましくは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、12g/10分から30g/10分の間、最も好ましくは15g/10分から25g/10分の間である。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、好ましくは剛性が高い、即ちISO178に準じて測定される曲げ弾性率が少なくとも1200MPa、好ましくは1200MPaから1800MPaの間であることを特徴とする。例えば、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ISO178に準じて測定される曲げ弾性率が1300MPaから1600MPaの間であることを特徴とする。
加えて又はあるいは、衝撃強度も幾分高いことが好ましい。よって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ISO180(1A;23℃)に準じて測定されるノッチ付きIzod衝撃強度が、少なくとも5kJ/m、より好ましくは少なくとも6.5kJ/mであることを特徴とすることが好ましい。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ISO180(1A;23℃)に準じて測定されるノッチ付きIzod衝撃強度が、5kJ/mから15kJ/mの範囲内、好ましくは6.5kJ/mから12kJ/mの範囲内であることを好ましくは特徴とする。
加えて又はあるいは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%であることを好ましくは特徴とする。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、50%から150%の間、例えば60%から100%であることを好ましくは特徴とする。
好ましくは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)中のプロピレン含有量は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して80重量%から95重量%の間、好ましくは82重量%から95重量%の間、最も好ましくは85重量%から92重量%の間である。残る部分は、弾性プロピレンコポリマー(EP1)及び弾性プロピレンコポリマー(EP2)について定義されるコモノマーにより構成される。したがって、コモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは7重量%から15重量%の間である。
よって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、プロピレン以外にコモノマーも有することが好ましい。好ましくは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、プロピレン以外に、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンを有する。
例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、プロピレン以外に、エチレン由来の単位を有する。
本異相ポリプロピレン組成物(HECO)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、弾性プロピレンコポリマー(EP1)及び(EP2)の量に大きく依存するが、これは、これらのポリマーが低温キシレンに完全に可溶又はほぼ完全に可溶であるのに対し、残りのポリマー成分、即ちポリプロピレン組成物のポリプロピレンマトリクス(PM1)及び(PM2)は、低温キシレンにほとんど不溶であるためである。したがって、ISO16152(25℃)に準じて測定される異相ポリプロピレン組成物(HECO)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して10重量%から35重量%の間、好ましくは14重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から28重量%の間である。
よって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して(好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して)5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して(好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して)10重量%から35重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間であることが好ましい。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して10重量%から35重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、12g/10分から30g/10分の間である。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して10重量%から35重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、15g/10分から25g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して14重量%から30重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間である。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して14重量%から30重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、12g/10分から30g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して14重量%から30重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、15g/10分から25g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して15重量%から28重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間である。
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して15重量%から28重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、12g/10分から30g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、コモノマー含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して15重量%から28重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、15g/10分から25g/10分の間である。
本異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して75重量%から99重量%の間有し、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して1重量%から25重量%の間有することが更に好ましい。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の重量を合わせた全量に対して、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を80重量%から98重量%の間有し、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を2重量%から20重量%の間有する。あるいは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の重量を合わせた全量に対して、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を85重量%から97重量%の間有し、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を3重量%から15重量%の間有する。
異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、特に、ポリプロピレンマトリクス(PM1)及び当該マトリクス(PM1)に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP1)と、ポリプロピレンマトリクス(PM2)及び当該マトリクス(PM2)に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP2)とにより定義される。
したがって、ここにすべての成分をより詳細に規定する。
したがって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、プロピレン以外にコモノマーも有する。好ましくは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、プロピレン以外に、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンを有する。したがって、本発明において、異相プロピレンコポリマー(HPP1)という用語は、
(a) プロピレン
及び
(b) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン
由来の単位を有する、好ましくはのみからなるポリプロピレンであると解される。
よって、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP1)、即ち異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、特にエチレン及び/又はC〜Cα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセンなどのコモノマーを有する。好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを有し、特に当該モノマーからなる。より好ましくは、本発明の異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、(プロピレン以外に)エチレン及び/又は1−ブテン由来の単位を有する。好ましい実施形態では、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、プロピレン及びエチレン由来の単位のみを有する。さらにより好ましくは、弾性プロピレンコポリマー(EP1)のみが、エチレンコモノマーを含む。
ポリプロピレンマトリクス(PM1)は、好ましくはランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)又はポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)であり、後者が特に好ましい。
したがって、ポリプロピレンマトリクス(PM1)のコモノマー含有量は、3.0重量%又はそれ未満、さらにより好ましくは2.0重量%又はそれ未満、いっそうより好ましくは1.0重量%以下、さらにいっそうより好ましくは0.5重量%以下、例えば0.2重量%以下である。
上記のように、ポリプロピレンマトリクス(PM1)は、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)である。
本発明を通して用いられる、ポリプロピレンホモポリマー、又はポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM1)又は(PM2)という表現は、実質的にプロピレン単位からなる、即ちプロピレン単位が99.5重量%以上又は99.8重量%以上であるポリプロピレンに関するものである。好ましい実施形態では、ポリプロピレンホモポリマー中にプロピレン単位のみが検出可能である。
ポリプロピレンマトリクス(PM1)がランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)である場合、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)は、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、特にエチレン及び又はC〜Cα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセンなどのプロピレンと共重合可能なモノマーを有することが好ましい。好ましくは、本発明に係るランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと重合可能なモノマーを有し、特当該モノマーからなる。より具体的には、本発明のランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)は、(プロピレン以外に)エチレン及び/又は1−ブテン由来の単位を有する。好ましい実施形態では、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)は、エチレン及びプロピレン由来の単位のみを有する。
加えて、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)は、コモノマー含有量が、好ましくは0.5重量%から3.0重量%の範囲内、より好ましくは0.5重量%より多く2.0重量%までの範囲内、さらにより好ましくは0.5重量%から1.0重量%の範囲内である。
用語「ランダム」は、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM1)又はランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)のコモノマーが、当該プロピレンコポリマー中にランダムに分散していることを指す。ランダムという用語は、IUPAC(ポリマー科学の基礎用語集、IUPAC recommendations、1996)に準じて解される。
弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、好ましくはエチレン−プロピレンゴム(EPR)である一方、弾性プロピレンコポリマー(EP1)が分散しているマトリクスは、ポリプロピレンマトリクス(PM1)であり、最も好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)である。
異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、コモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して好ましくは5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から15重量%の間、最も好ましくは5重量%から10重量%の間である。
異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)のISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して好ましくは10重量%から35重量%の間、好ましくは12重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から25重量%の間である。
加えて又はあるいは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間、好ましくは12g/10分から30g/10分の間である。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、15g/10分から25g/10分の間である。
よって、本発明の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、
(a) コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から15重量%の間、より好ましくは5重量%から10重量%の間であり、
及び/又は
(b) ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して10重量%から35重量%の間、好ましくは12重量%から30重量%の間、より好ましくは15重量%から25重量%の間であり、
及び/又は
(C) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間、好ましくは12g/10分から30g/10分の間、より好ましくは15g/10分から25g/10分の間である。
加えて又はあるいは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、≦50%又は≦45%、さらにより好ましくは10%から45%の間、いっそうより好ましくは10%から40%の間である。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、10%から40%の間である。
異相プロピレンコポリマー(HPP1)を構成するポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、どちらかと言えば控え目である。したがって、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、好ましくは5重量%又はそれ未満、より好ましくは4.5重量%又はそれ未満、いっそう好ましくは0.5重量%から5重量%の範囲内である。例えば、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、0.5重量%から4重量%の範囲内、好ましくは1重量%から4重量%の範囲内、より好ましくは1重量%から3重量%の範囲内、最も好ましくは1から2重量%の範囲内である。重量パーセントは、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)の全重量に対する値である。
さらに、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を構成するポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)は、メルトフローレートが幾分高い。したがって、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から100g/10分の範囲内、好ましくは20g/10分から80g/10分の範囲内、最も好ましくは30g/10分から60g/10分の範囲内であることが好ましい。
弾性プロピレンコポリマー(EP1)に用いられるコモノマーについては、異相プロピレンコポリマー(HPP1)について述べた情報が参照される。したがって、弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、プロピレンと重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、特にエチレン及び/又はC〜Cα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを有する。好ましくは、弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを有し、特に当該モノマーからなる。より具体的には、弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、(プロピレン以外に)エチレン及び/又は1−ブテン由来の単位を有する。よって、特に好ましい実施形態では、弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、プロピレン及びエチレン由来の単位のみを有する。
よって、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、プロピレンモノマー単位と、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンから選択されるコモノマー単位とを有することが好ましい。例えば、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)は、プロピレンモノマー単位と、エチレンコモノマー単位とを有し、好ましくはこれらの単位のみからなる。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、弾性プロピレンコポリマー(EP1)を、ポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)及び弾性プロピレンコポリマー(EP1)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全量に対して10重量%から35重量%の間、より好ましくは12重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から25重量%の間有する。
弾性プロピレンコポリマー(EP1)の特性は、主に、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成するポリプロピレンマトリクス(PM1)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分に影響を及ぼす。よって、本発明において、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)の低温キシレン可溶画分は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)の弾性プロピレンコポリマー(EP1)とみなされる。
したがって、本発明の重要な要件の1つは、弾性プロピレンコポリマー(EP1)の重量平均分子量が幾分高いことである。重量平均分子量の高さは、固有粘度(IV)の高さに反映される。よって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、ISO1628−1(135℃、デカリン中)に準じて測定される固有粘度(IV)が、2dl/g以上、より好ましくは2.4dl/g以上、即ち2.5dl/g、いっそうより好ましくは2.4dl/gから5dl/g、即ち2.5dl/gから5dl/gの範囲内、例えば2.4dl/gから4dl/g、即ち2.5dl/gから4dl/gの範囲内であることが好ましい。
弾性プロピレンコポリマー(EP1)中のコモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量は、比較的低い。したがって、好ましい実施形態では、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を構成する弾性プロピレンコポリマー(EP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分のコモノマー含有量、より好ましくはエチレン含有量は、45重量%未満、より好ましくは40重量%未満、さらにより好ましくは25重量%から45重量%、例えば30重量%から40重量%の範囲内である。
異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、プロピレン以外にコモノマーも有する。好ましくは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、プロピレン以外に、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンを有する。したがって、本発明において、異相プロピレンコポリマー(HPP2)という用語は、
(a) プロピレン
及び
(b) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン
由来の単位を有する、好ましくはこれらの単位からなるポリプロピレンであると解される。
よって、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP2)、即ち異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、特にエチレン及び/又はC〜Cα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを有する。好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを有し、特に当該モノマーからなる。より具体的には、本発明の異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、(プロピレン以外に)エチレン及び/又は1−ブテン由来の単位を有する。好ましい実施形態によれば、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、エチレン及びプロピレン由来の単位のみを有する。いっそうより好ましくは、弾性プロピレンコポリマー(EP2)のみがエチレンコモノマーを含む。
ポリプロピレンマトリクス(PM2)は、好ましくはランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)又はポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)であり、後者が特に好ましい。
したがって、ポリプロピレンマトリクス(PM2)のコモノマー含有量は、3.0重量%又はそれ未満、さらにより好ましくは2.0重量%又はそれ未満、いっそうより好ましくは1.0重量%以下、さらにいっそうより好ましくは0.5重量%以下、例えば0.2重量%以下である。
上記のように、ポリプロピレンマトリクス(PM2)は、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)である。
ホモポリマーの定義については、上述の情報が参照される。
ポリプロピレンマトリクス(PM2)がランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)である場合、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)は、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、特にエチレン及び又はC〜Cα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセンなどのプロピレンと共重合可能なモノマーを有することが好ましい。好ましくは、本発明に係るランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを有し、特に当該モノマーからなる。より具体的には、本発明のランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)は、(プロピレン以外に)エチレン及び/又は1−ブテン由来の単位を有する。好ましい実施形態では、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)は、エチレン及びプロピレン由来の単位のみを有する。
加えて、ランダムポリプロピレンコポリマーマトリクス(R−PPM2)は、コモノマー含有量が、0.5重量%から3.0重量%の範囲内、より好ましくは0.5重量%から2.0重量%の範囲内、さらにより好ましくは0.5重量%から1.0重量%の範囲内であることが好ましい。
弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、好ましくはエチレン−プロピレンゴム(EPR)である一方、当該弾性プロピレンコポリマー(EP2)が分散しているマトリクスは、ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM2)である。
異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、好ましくはコモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%の間であることが好ましい。
本発明の具体的な要件の1つは、異相プロピレンコポリマー(HPP2)のISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)全重量に対して10重量%から35重量%の間であることである。したがって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)のISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して好ましくは10重量%から35重量%の間、好ましくは14重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から28重量%の間である。
加えて又はあるいは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から25g/10分の間、好ましくは5g/10分から20g/10分の間である。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)のSO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)は8g/10分から15g/10分以下(又は未満)の間である。
好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)よりも
(a) 低温キシレン可溶(XCS)画分が高く、好ましくは少なくとも3重量%高く、より好ましくは少なくとも5重量%高く、
及び/又は
(b) メルトフローレートMFR(230℃)が低く、好ましくは少なくとも5g/10分低く、より好ましくは少なくとも8g/10分低い。
加えて又はあるいは、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが少なくとも150%又は少なくとも180%である。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、200%から400%の間、より好ましくは200%から300%の間である。
本発明の好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の破断時引張ひずみは、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の破断時引張ひずみと、値にして100%を超えて、より好ましくは値にして130%を超えて、いっそうより好ましくは値にして150%を超えて、さらにより好ましくは値にして180%を超えて相違し、当該相違は以下の式により算出される。
TSaB[HPP2]−TSaB[HPP1]
式中、
TSaB[HPP2]は、ISO527−2に準じて測定される異相プロピレンコポリマー(HPP2)の破断時引張ひずみ値であり、
TSaB[HPP1]は、ISO527−2に準じて測定される異相プロピレンコポリマー(HPP1)の破断時引張ひずみ値である。
本発明の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して10重量%から35重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から25g/10分の間である。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して10重量%から35重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から20g/10分の間である。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して10重量%から35重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、8g/10分から15g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して14重量%から30重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から25g/10分の間である。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して14重量%から30重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から20g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して14重量%から30重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、8g/10分から15g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して15重量%から28重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から25g/10分の間である。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して15重量%から28重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から20g/10分の間である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、コモノマー含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間、好ましくは5重量%から18重量%の間、最も好ましくは8重量%から15重量%以下(又は未満)の間であり、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して15重量%から28重量%の間であり、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、8g/10分から15g/10分の間である。
異相プロピレンコポリマー(HPP2)を構成するポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、どちらかと言えば控え目である。したがって、ポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、好ましくは5重量%又はそれ未満、より好ましくは4.5重量%又はそれ未満、いっそう好ましくは0.5重量%から5重量%の範囲内である。例えば、ポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、0.5重量%から4重量%の範囲内、好ましくは1重量%から4重量%の範囲内、より好ましくは1重量%から3重量%の範囲内、最も好ましくは1重量%から2重量%の範囲内である。重量パーセントは、ポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)の全重量に対する値である。
さらに、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を構成するポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)は、メルトフローレートがどちらかと言えば控え目である。したがって、ポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、5g/10分から80g/10分の範囲内、好ましくは10g/10分から60g/10分の範囲内、最も好ましくは20g/10分から50g/10分の範囲内であることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、ポリプロピレンマトリクス(PM2)のメルトフローレートMFR(230℃)は、ポリプロピレンマトリクス(PM1)のメルトフローレートMFR(230℃)と異なる。より好ましくは、ポリプロピレンマトリクス(PM1)のメルトフローレートMFR(230℃)は、ポリプロピレンマトリクス(PM2)のメルトフローレートMFR(230℃)よりも、好ましくは少なくとも5g/10分高い。
異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)のさらなる必須成分は、ポリプロピレンマトリクス(PM2)中、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)である。
弾性プロピレンコポリマー(EP2)に用いられるコモノマーについては、異相プロピレンコポリマー(HPP2)について述べた情報が参照される。よって、弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、プロピレンと共重合可能なモノマー、例えばエチレン及び/又はC〜C12α−オレフィン、特にエチレン及び/又はC〜Cα−オレフィン、例えば1−ブテン及び/又は1−ヘキセン等のコモノマーを有する。好ましくは、弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンからなる群からのプロピレンと共重合可能なモノマーを有し、特に当該モノマーからなる。より具体的には、弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、(プロピレン以外に)エチレン及び/又は1−ブテン由来の単位を有する。よって、特に好ましい実施形態によれば、弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、プロピレン及びエチレン由来の単位のみを有する。
よって、ポリプロピレンマトリクス(PM2)中、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、プロピレンモノマー単位と、エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンから選択されるコモノマー単位とを有することが好ましい。例えば、ポリプロピレンマトリクス(PM2)中、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、プロピレンモノマー単位と、エチレンコモノマー単位とを有する。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、弾性プロピレンコポリマー(EP2)を、ポリプロピレンマトリクス(PM2)及び弾性プロピレンコポリマー(EP2)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全量に対して10重量%から35重量%の間、より好ましくは14重量%から30重量%の間、最も好ましくは15重量%から28重量%の間有する。
弾性プロピレンコポリマー(EP2)の特性は、主に、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成するポリプロピレンマトリクス(PM2)、好ましくはポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分に影響を及ぼす。よって、本発明において、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の低温キシレン可溶画分は、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の弾性プロピレンコポリマー(EP2)とみなされる。
したがって、本発明の重要な要件の1つは、弾性プロピレンコポリマー(EP2)の重量平均分子量が幾分高いことである。重量平均分子量の高さは、固有粘度(IV)の高さに反映される。よって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、ISO1628−1(135℃、デカリン中)に準じて測定される固有粘度(IV)が、2dl/g以上、より好ましくは2.4dl/g以上、即ち2.5dl/g、いっそうより好ましくは2.4dl/gから5dl/g、即ち2.5dl/gから5dl/gの範囲内、例えば2.4dl/gから4dl/g、即ち2.5dl/gから4dl/gの範囲内であることが好ましい。
弾性プロピレンコポリマー(EP2)中のコモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量は、比較的低い。したがって、好ましい実施形態では、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を構成する弾性プロピレンコポリマー(EP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分のコモノマー含有量、より好ましくはエチレン含有量は、45重量%未満、より好ましくは40重量%未満、さらにより好ましくは25重量%から45重量%、例えば30重量%から40重量%の範囲内である。
本発明において定義する異相ポリプロピレン組成物(HECO)を構成する異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、それぞれ、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)のそれぞれの全重量に対して最大5重量%、例えば3.5重量%以下の添加剤、例えば核形成剤(NA)、酸捕捉剤(AS)及び酸化防止剤並びにスリップ剤、無機充填剤(F)及びUV光安定化剤等を有しうる。
したがって、本発明において定義する異相ポリプロピレン組成物(HECO)もまた、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して最大5重量%、例えば3.5重量%以下の添加剤、例えば核形成剤(NA)、酸捕捉剤(SA)及び酸化防止剤並びにスリップ剤、無機充填剤(F)及びUV光安定化剤等を有しうる。
好ましくは、無機充填剤(F)は、雲母、硅灰石、カオリナイト、スメクタイト、モンモリロナイト及びタルクからなる群から選択される。最も好ましい無機充填剤(F)は、タルクである。
好ましい酸捕捉剤(AS)は、ステアリン酸Caである。
本組成物中には、酸化防止剤(AO)、好ましくはフェノール系酸化防止剤及び/又はリン系酸化防止剤が含まれていてもよい。
より好ましくは、フェノール系酸化防止剤は、以下からなる群から選択される:
ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシペンチル)プロピオネート(CAS no.6683−19−8;1178g/mol)、
オクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(CAS no.2082−79−3;531g/mol)、
ビス(3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)酪酸) グリコールエステル(CAS no.32509−66−3;794g/mol)、
3,3’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−N,N’−ヘキサメチレンジプロピオンアミド(CAS no.23128−74−7;637g/mol)、
3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(beta−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CAS no.90498−90−1;741g/mol)、
1,6−ヘキサンジイル−ビス(3,5−ビス(1,1ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼン)プロパノエート)(CAS no.35074−77−2;639g/mol)、
トリエチレングリコール−ビス−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル) プロピオネート(CAS no.36443−68−2;587 g/mol)、
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のC13〜C15直鎖及び分岐アルキルエステル混合物(CAS no.171090−93−0;485g/mol)及び
ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−,C7〜C9分岐及び直鎖アルキルエステル(CAS no.125643−61−0;399g/mol)。
最も好ましいフェノール系酸化防止剤は、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) プロピオネート(CAS no.6683−19−8;1178g/mol)である。
好ましいリン系酸化防止剤は、以下からなる群から選択される:
トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(CAS no.31570−04−4;647g/mol)、
テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト(CAS no.38613−77−3;991g/mol)、
ビス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト(CAS no.26741−53−7;604g/mol)、
ジ−ステアリル−ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト(CAS no.3806−34−6;M733g/mol)、
トリス−ノニルフェニル ホスファイト(CAS no.26523−78−4;689g/mol)、
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト(CAS no.80693−00−1;633g/mol)、
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル) オクチル−ホスファイト(CAS no.126050−54−2;583g/mol)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン(CAS no.68958−97−4;1831g/mol)、
4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル) ホスファイト(CAS no.13003−12−8;1240g/mol)、
ビス−(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(CAS no.154862−43−8;852g/mol)、
ビス(2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル)亜リン酸 エチルエステル(CAS no.145650−60−8;514g/mol)、
2,2’,2”−ニトリロトリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト)(CAS no.80410−33−9;1465g/mol)、
2,4,6−トリス(tert−ブチル)フェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト(CAS no. 161717−32−4, 450g/mol)、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フルオロホスホナイト(CAS no.118337−09−0;487g/mol)、
6−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン(CAS no.203255−81−6;660g/mol)、
テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスファイト(CAS no.147192−62−9;1092g/mol)及び
1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ジメチルプロパン(CAS no.80326−98−3;440.5g/mol)。
最も好ましいリン系酸化防止剤は、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(CAS no.31570−04−4;647g/mol)である。
本発明の好ましい実施形態の1つによれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、最終製品の耐候性を高めるために、少なくとも1種のUV光安定化剤、好ましくは少なくとも1種のヒンダードアミン光安定化剤を有する。このようなヒンダードアミン光安定化剤(HALS)は、公知である。例えば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、少なくとも1種のUV光安定化剤を、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して0.1重量%から0.5重量%の間、好ましくは0.1重量%から0.3重量%の間有する。
好ましくは、このようなヒンダードアミン光安定化剤は、2,6−アルキル−ピペリジン誘導体、特に2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン誘導体である。
したがって、ヒンダードアミン光安定化剤は、好ましくは以下からなる群から選択される:
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) セバシネート(CAS no.52829−07−9;481g/mol)、
ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) セバシネート(CAS no.41556−26−7;509g/mol)、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン テトラカルボキシレート(CAS no.64022−61−3;792g/mol)、
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン テトラカルボキシレート(CAS no.91788−83−9;847g/mol)、
1,2,3−トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−4−トリデシルブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート(CAS no.84696−72−0;900g/mol)、
1,2,3−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−4−トリデシルブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート(CAS no.84696−71−9;900g/mol)、
N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ヘキサメチレンアミン(CAS no.124172−53−8;450g/mol)、
ポリ((6−((1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)−1,6−ヘキサンジイル((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))(CAS no.71878−19−8)、
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,NN’”−1,2−エタンジイルビス[N−[3−[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]プロピル]−N’,N”−ジブチル−N’,N”−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−(CAS no.106990−43−6;2286g/mol)及び
ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル) セバシネート(CAS no.129757−67−1;737g/mol)。
好ましい実施形態の1つによれば、ヒンダードアミン光安定化剤は、Cyasorb3808(n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンソエート及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸のエステルの混合物(主にステアリン酸、サプライヤー:Cytec))、Sabostab UV94[ポリ((6−((1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)−1,6−ヘキサンジイル((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)、CAS−no.71878−19−8、サプライヤー:BASF)、Chimassorb944[ポリ((6−((1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)−1,6−ヘキサンジイル((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)、CAS−no.71878−19−8、サプライヤー:BASF)、及びそれらの混合物であり、より好ましくは、ヒンダードアミン光安定化剤は、Sabostab UV94及び/又はChimassorb944である。
核形成剤(NA)を用いる場合、好ましくはα−核形成剤である。より好ましくは、本発明は、β−核形成剤を含まない。本発明によれば、核形成剤(NA)は、無機充填剤(F)とは異なる核形成剤と解される。したがって、核形成剤(NA)は、好ましくは、以下からなる群から選択される:
(i) モノカルボン酸及びポリカルボン酸の塩、例えばナトリウムベンゾエート又はアルミニウムtert−ブチルベンゾエート、及び
(ii) ジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)及びメチルジベンジリデンソルビトール、エチルジベンジリデンソルビトール又はジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4 ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)等のC〜C−アルキル−置換ジベンジリデンソルビトール誘導体、又は1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール等の置換ノニトール−誘導体、及び
(iii) リン酸ジエステルの塩、例えば、ナトリウム2,2’−メチレンビス(4,6,−ジ−tert−ブチルフェニル) ホスファート又はアルミニウム−ヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファート]、及び
(iv) ビニルシクロアルカンポリマー及びビニルアルカンポリマー(上記のもの)、及び
(v) これらの混合物。
このような添加剤は、概して市販されており、例えば「Plastic Additives Handbook」(第5版、2001年、Hans Zweifel)に記載されている。
最も好ましくは、α−核形成剤(NA)は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)の一部(即ち、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の一部)を構成する。したがって、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)(即ち、異相ポリプロピレン組成物(HECO))のα−核形成剤(NA)含有量は、好ましくは最大5.0重量%である。好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)(即ち、異相ポリプロピレン組成物(HECO))は、α−核形成剤を3000ppm以下、より好ましくは1ppmから2000ppm含有しており、特に、当該α−核形成剤は、ジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)、ジベンジリデンソルビトール誘導体、好ましくはジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4 ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、又は1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール等の置換ノニトール誘導体、ビニルシクロアルカンポリマー、ビニルアルカンポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい実施形態によれば、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)(即ち、異相ポリプロピレン組成物(HECO))は、α−核形成剤として、ビニルシクロヘキサン(VCH)等のビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマーを含有する。好ましくは、この実施形態では、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ビニルシクロヘキサン(VCH)等のビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)を含有する。好ましくは、ビニルシクロアルカンは、ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーであり、BNTテクノロジーにより異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)(即ち、異相ポリプロピレン組成物(HECO))へと導入される。
より好ましくは、この好ましい実施形態では、異相プロピレンコポリマー(HPP1)中のビニルシクロヘキサン(VCH)等のビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーの量は、500ppm以下、より好ましくは1ppmから200ppm、最も好ましくは5ppmから100ppmであり、異相プロピレンコポリマー(HPP2)中のビニルシクロヘキサン(VCH)等のビニルシクロアルカンポリマー及び/又はビニルアルカンポリマー、より好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーの量は、500ppm以下、より好ましくは1ppmから200ppm、最も好ましくは5ppmから100ppmである。したがって、異相ポリプロピレン組成物(HECO)には、500ppm以下、より好ましくは1ppmから200ppm、最も好ましくは5ppmから100ppm含有されることが好ましい。
BNTテクノロジーについては、国際出願WO99/24478、WO99/24479、特にWO00/68315が参照される。この技術によれば、触媒系、好ましくはチーグラーナッタプロ触媒の改質を、当該触媒系の存在下、特に特別なチーグラーナッタプロ触媒、外部ドナー及び助触媒を有する触媒系の存在下、ビニル化合物を重合させることにより行うことができる。ここで、当該ビニル化合物は以下の式により表される。
CH=CH−CHR
式中、R及びRは、一緒に5又は6員の飽和、不飽和又は芳香族性の環を形成するか、又は独立に1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、改質された触媒は、本発明に係る異相ポリプロピレン組成物、即ち異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)、最も好ましくは異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の製造に用いられる。重合したビニル化合物は、α−核形成剤として作用する。触媒の改質工程における固体触媒成分に対するビニル化合物の重量比は、好ましくは最大5(5:1)、好ましくは最大3(3:1)、最も好ましくは0.5(1:2)から2(2:1)である。最も好ましいビニル化合物は、ビニルシクロヘキサン(VCH)である。
好ましいスリップ剤は、例えば脂肪酸アミドである。好ましくは、当該脂肪酸の炭素数は、好ましくはC10からC25炭素原子の範囲内である。
特に好適なのは、シス−13−ドコセン酸アミド(CAS no.112−84−5;337.6g/mol)及び/又はシス−9−オクタデセンアミド(CAS no.301−02−0;281.5g/mol)である。
本発明の他の側面によれば、異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加剤と押出機中で混合し、得られた押出機中の異相プロピレンコポリマー(HPP1)、異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加剤の混合物を押し出すことによって製造される。本発明における用語「混合」とは、少なくとも2種の異なる既存の材料、即ち異相プロピレンコポリマー(HPP1)、異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加剤から、混合物を得る動作を言う。
本組成物の各成分を混合するには、即ち異相プロピレンコポリマー(HPP1)を異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加剤と混合するには、従来の配合装置又は混合装置、例えばバンバリーミキサー、2ローラーラバーミル、Bussコニーダー又は2軸押出機を用いることができる。通常、押出機からはペレット状のポリマー材料が回収される。次いで、このペレットを好ましくはさらに加工、例えば射出成形して、本組成物の物品や製品を作成する。
本異相ポリプロピレン組成物(HECO)の製造に用いる成分は、全て既知である。したがって、それらの製造もまた周知である。例えば、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、好ましくはそれぞれ別個に公知の連続重合法、即ち多段法により製造される。ここで、これらのマトリクス(ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM1)及びポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM2))は、それぞれ別個に少なくとも1つのスラリー反応器で製造され、続けて弾性コポリマー(弾性プロピレンコポリマー(EP1)及び弾性プロピレンコポリマー(EP2))が、それぞれ別個に少なくとも1つ、即ち1つ又は2つのガス相反応器で製造される。
より正確には、異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM1)を少なくとも1つの反応器を有する少なくとも1つの反応器系で製造し、当該ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM1)を少なくとも1つの反応器を有する次の反応器系へと移し、そこでポリプロピレンホモポリマーマトリクス(PM1)の存在下、弾性プロピレンコポリマー(EP1)を製造することにより得られる。
加えて又はあるいは、異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ポリプロピレンマトリクス(PM2)を少なくとも1つの反応器を有する少なくとも1つの反応器系で製造し、当該ポリプロピレンマトリクス(PM2)を少なくとも1つの反応器を有する次の反応器系へと移し、そこでポリプロピレンマトリクス(PM2)の存在下、弾性プロピレンコポリマー(EP2)を製造することにより得られる。
よって、各重合系は、1つ又はそれ以上の従来の撹拌型スラリー反応器及び/又は1つ又はそれ以上のガス相反応器を有しうる。好ましくは、ループ及びガス相反応器からなる群から用いる反応器が選択され、特に、本方法では少なくとも1つのループ反応器と少なくとも1つのガス相反応器が用いられる。各方式の反応器を数個用いてもよく、例えば、1つのループ反応器と2つ又は3つのガス相反応器、あるいは2つのループ反応器と1つ又は2つのガス相反応器を直列に用いることも可能である。
用語「連続重合法」は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)が、直列に接続された少なくとも2つ、例えば3つ又は4つの重合反応器でそれぞれ製造されることを指す。したがって、本方法は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)のそれぞれに対して、少なくとも第1反応器(R1)及び第2反応器(R2)、より好ましくは第1反応器(R1)、第2反応器(R2)、第3反応器(R3)及び第4反応器(R4)を有する。用語「重合反応器」は、主重合反応が起こることを指すものとする。よって、本プロセスが4つの重合反応器からなるとする場合、この定義は、プロセス全体に、例えばプレ重合反応器におけるプレ重合工程が含まれる可能性を除外するものではない。用語「からなる」は、主たる重合反応器について限定する表現にすぎない。
好ましくは、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)の製造方法は、チーグラーナッタプロ触媒、外部ドナー及び助触媒を有する下記の選択された触媒系によるプレ重合をも有する。
好ましい実施形態によれば、プレ重合は、液体プロピレン中におけるバルクスラリー重合として行われる。即ち、液相は、主にプロピレンと、そこに溶解した少量の他の反応物及び任意の不活性成分とを有する。
プレ重合反応は、一般に0℃から50℃、好ましくは10℃から45℃、より好ましくは15℃から40℃の温度にて行われる。
プレ重合反応器内の圧力は、重要ではないが、反応混合物を液相に維持するのに十分な高さでなければならない。よって、圧力は、20barから100bar、例えば30barから70barであってよい。
触媒の各成分は、好ましくはすべてプレ重合工程に導入される。しかし、固体触媒成分(i)と助触媒成分(ii)を別個に供給できる場合は、助触媒の一部のみをプレ重合段階に導入し、残りの部分を続く重合段階に導入することも可能である。この場合、プレ重合段階には、そこで十分な重合反応が起こる量の助触媒を導入する必要がある。
プレ重合段階に、他の成分を添加することも可能である。よって、公知であるように、プレ重合段階に水素を添加して、プレポリマーの分子量を制御してもよい。また、帯電防止添加剤を用いて、粒子同士又は粒子が反応器の壁に付着するのを防止してもよい。
プレ重合の条件及び反応パラメータの正確な制御は、当業者の技能の範疇である。
スラリー反応器は、例えば連続式又は単純バッチ式の撹拌槽反応器又はループ反応器等、いかなる反応器であってもよく、バルク又はスラリーにて運転されて、ポリマーが粒子状に形成される。「バルク」は、少なくともモノマーを60重量%有する反応媒中での重合を意味する。好ましい実施形態によれば、スラリー反応器は、バルクループ反応器を有する。
「ガス相反応器」は、あらゆる機械混合式又は流動床式反応器を意味する。好ましくは、ガス相反応器は、ガス速度が少なくとも0.2m/秒の機械的に撹拌される流動床式反応器を有する。
本発明の異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)の製造方法についての特に好ましい実施形態は、1つのループ反応器と1つ又は2つのガス相反応器との組み合わせ、あるいは2つのループ反応器と1つ又は2つのガス相反応器との組み合わせのいずれかを有する方法により重合を行うことを有する。
好ましい多段法は、Borealisにより開発されたBorstar(登録商標)テクノロジーとして知られる方法などのスラリー−ガス相法である。これに関しては、EP0887379A1、WO92/12182、WO2004/000899、WO2004/111095、WO99/24478、WO99/24479及びWO00/68315が参照される。これらは、ここに本明細書の一部を構成するものとして援用される。
好ましくは、本発明に係る異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、以下に詳述するような特別な外部ドナーを組み合わせた特別なチーグラーナッタプロ触媒を用いて、好ましくはBorstar(登録商標)−PP法により製造される。
したがって、好ましい多段法の1つは、
− 例えば以下に詳述するような、特別なチーグラーナッタプロ触媒(i)、外部ドナー(iii)及び助触媒(ii)を有する選択された触媒系の存在下、第1スラリー反応器及び同一の重合条件を用いる任意の第2スラリー反応器にて、ポリプロピレンマトリクスを製造する工程と、
− スラリー反応器における生成物を、少なくとも1つの第1ガス相反応器、例えば1つのガス相反応器又は直列に接続された第1及び第2ガス相反応器に移す工程と、
− 前記少なくとも第1ガス相反応器において、前記ポリプロピレンマトリクスの存在下、且つ前記触媒系の存在下、弾性コポリマーを製造する工程と、
− さらなる加工のためにポリマー生成物を回収する工程と、
を有しうる。
上記の好ましいスラリー−ガス相法に関し、そのプロセス条件については以下のように概説することができる。
温度は好ましくは40℃から110℃、好ましくは50℃から100℃の間、特に60℃から90℃の間であり、圧力は20barから80bar、好ましくは30barから60barの範囲内であり、分子量を制御するために周知の方法にて任意で水素が加えられる。
次いで、好ましくはループ反応器で行われたスラリー重合による反応生成物は、次のガス相反応器へと送られる。温度は、好ましくは50℃から130℃、より好ましくは60℃から100℃の範囲内であり、圧力は、5barから50bar、好ましくは8barから35barの範囲内であり、ここでも分子量を制御するために周知の方法にて任意で水素が加えられる。
平均滞留時間は、上記に特定した反応器のゾーンによって様々である。実施形態の1つによれば、スラリー反応器、例えばループ反応器での平均滞留時間は、0.5時間から5時間、例えば0.5時間から2時間の範囲内であり、一方、ガス相反応器での平均滞留時間は、一般に1時間から8時間となるであろう。
必要に応じて、重合は、スラリー反応器、好ましくはループ反応器にて、及び/又はガス相反応器の凝縮モードとして、公知の方法により超臨界状態で行ってもよい。
本発明によれば、異相ポリプロピレンは、上記のように、低級アルコールとフタル酸エステルのエステル交換反応生成物を含むチーグラーナッタプロ触媒を成分(i)として有する触媒系の存在下、好ましくは多段重合法により得られる。
本発明において用いられるプロ触媒は、
a) MgCl及びC〜Cアルコールをスプレー結晶化又はエマルジョン固体化した付加物を、TiClと反応させ、
b) 工程a)の生成物を、前記C〜Cアルコールと式(I)のフタル酸ジアルキルのエステル交換が起こって内部ドナーが形成されるような条件下で、式(I)のフタル酸ジアルキルと反応させ、
Figure 0006050508
(式中、R1’及びR2’は、独立に少なくともCアルキルである。)
c) 工程b)の生成物を洗浄するか、又は
d) 任意で工程c)の生成物をさらなるTiClと反応させる
ことにより製造される。
プロ触媒は、例えば特許出願WO87/07620、WO92/19653、WO92/19658及びEP0491566に規定されるようにして製造する。これらの文書の記載内容は、ここに本明細書の一部を構成するものとして援用される。
まず、式MgCl*nROH(式中、Rはメチル又はエチルであり、nは1〜6である。)で表されるMgClとC〜Cアルコールの付加物を形成する。アルコールとしては、好ましくはエタノールが用いられる。
当該付加物(まず溶融し、次いでスプレー結晶化又はエマルジョン固化したもの)を、触媒担体して用いる。
次の工程では、式MgCl*nROH(式中、Rはメチル又はエチル、好ましくはエチルであり、nは1〜6である。)のスプレー結晶化又はエマルジョン固化した付加物を、TiClと接触させてチタン化担体を形成し、その後、
− 前記チタン化担体に、
(i) R1’及びR2’が、独立に少なくともCアルキル、例えば少なくともCアルキルである式(I)のフタル酸ジアルキル、
又は好ましくは
(ii) R1’及びR2’が、同一の少なくともCアルキル、例えば少なくともCアルキルである式(I)のフタル酸ジアルキル、
又はより好ましくは
フタル酸プロピルヘキシル(PrHP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)及びフタル酸ジトリデシル(DTDP)から選択される式(I)のフタル酸ジアルキル、さらにより好ましくは、フタル酸ジオクチル(DOP)、例えばフタル酸ジイソオクチル又はフタル酸ジエチルヘキシル、特にフタル酸ジエチルヘキシルである式(I)のフタル酸ジアルキル、
を加えて第1生成物を形成する工程と、
− 前記第1生成物を、好適なエステル交換反応条件、即ち100℃を超える温度、好ましくは100℃から150℃、より好ましくは130℃から150℃の間の温度に供して、前記メタノール又はエタノールを、式(I)の前記フタル酸ジアルキルのエステル基とエステル交換反応させて、内部ドナーである式(II)のフタル酸ジアルキルを少なくとも80モル%、より好ましくは90モル%、最も好ましくは95モル%形成する工程と、
Figure 0006050508
(式中、R及びRは、メチル又はエチル、好ましくはエチルである。)
− 前記エステル交換生成物を、プロ触媒組成物(成分(i))として回収する工程を行う。
好ましい実施形態によれば、式MgCl*nROH(式中、Rはメチル又はエチルであり、nは1から6である。)の付加物は、例えばWO87/07620に記載されるように、これを溶融し、次いで溶融物を、好ましくは冷却された溶媒又は冷却されたガス中にガス注入することで、形態的に有利な形状に結晶化される。
この結晶化した付加物は、好ましくは触媒担体として用いられ、WO92/19658及びWO92/19653に記載されるように、本発明に有用なプロ触媒へと反応する。
触媒残渣を抽出により除去すると、エステルのアルコール由来の基が変換された、チタン化された担体及び内部ドナーの付加物が得られる。
チタンは、十分な量が担体上に残されていれば、プロ触媒の活性元素として作用する。
そうでなければ、十分なチタン濃度及びそれによる活性を得るために、上記の処理の後にチタン化を繰返す。
好ましくは、本発明に用いられるプロ触媒は、チタンを最大で2.5重量%、好ましくは最大で2.2重量%、より好ましくは最大で2.0重量%含む。また、そのドナー含有量は、好ましくは4重量%から12重量%の間、より好ましくは6重量%から10重量%の間である。
より好ましくは、本発明に用いられるプロ触媒は、アルコールとしてエタノールを、また、式(I)のフタル酸ジアルキルとしてフタル酸ジオクチル(DOP)を用いて、内部ドナー化合物としてフタル酸ジエチル(DEP)を生成させることにより製造されている。
さらにより好ましくは、本発明に用いられる触媒は、BorealisのBC−1触媒(WO99/24479に開示されるように、WO92/19653に従って製造される;特に、WO92/19658に従い、式(I)のフタル酸ジアルキルとしてフタル酸ジオクチルを用いて製造される)、又はGraceより市販のPolytrack8502触媒である。
本発明に係る異相ポリプロピレンの製造に用いられる触媒系は、好ましくは、特別なチーグラーナッタプロ触媒に加えて、成分(ii)として有機金属助触媒を有する。
したがって、助触媒を、トリエチルアルミニウム(TEA)等のトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロリド及びアルキルアルミニウムセスキクロリドからなる群から選択することが好ましい。
触媒系に用いる成分(iii)は、式(IIIa)又は(IIIb)により表される外部ドナーである。式(IIIa)は以下のように定義される。
Si(OCH (IIIa)
式中、Rは炭素原子数3〜12の分岐アルキル基、好ましくは炭素原子数3〜6の分岐アルキル基、又は炭素原子数4〜12のシクロアルキル、好ましくは炭素原子数5〜8のシクロアルキルを表す。
は、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、tert.−ブチル、tert.−アミル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル及びシクロペンチルからなる群から選択されることが特に好ましい。
式(IIIb)は、以下のように定義される。
Si(OCHCH(NR) (IIIb)
式中、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。
及びRは、炭素原子数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数1〜12の分岐状脂肪族炭化水素基及び炭素原子数1〜12の環状脂肪族炭化水素基からなる群から独立に選択される。R及びRは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、オクチル、デカニル、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、tert.−ブチル、tert.−アミル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル及びシクロヘプチルからなる群から独立に選択されることが特に好ましい。
より好ましくは、R及びRは同一であり、さらにより好ましくは、R及びRはどちらもエチル基である。
より好ましくは、外部ドナーは、ジエチルアミノトリエトシキシラン[Si(OCHCH(N(CHCH)]、ジシクロペンチルジメトキシシラン[Si(OCH(シクロペンチル)]、ジイソプロピルジメトキシシラン[Si(OCH(CH(CH]及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、外部ドナーは、ジシクロペンチルジメトキシシラン[Si(OCH(シクロペンチル)]である。
上記のように、必要に応じて、最も好ましくは、チーグラーナッタプロ触媒は、特別なチーグラーナッタプロ触媒(成分(i))、外部ドナー(成分(iii))及び任意の助触媒(成分(ii))を有する触媒系の存在下、ビニル化合物を重合することにより改質される。ここで、当該ビニル化合物は、以下の式により表される:
CH=CH−CHR
式中、R及びRは、一緒に5又は6員の飽和、不飽和又は芳香族性の環を形成するか、又は独立に1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。触媒の改質工程における固体触媒成分に対するビニル化合物の重量比は、好ましくは最大5(5:1)、好ましくは最大3(3:1)、最も好ましくは0.5(1:2)から2(2:1)である。最も好ましいビニル化合物は、ビニルシクロヘキサン(VCH)である。
このようにして改質された触媒を異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)の製造に用いて、当該ポリマーのα核形成を行う(BNTテクノロジー)。
触媒の改質については、国際出願WO99/24478及びWO99/24479、そして特にWO00/68315が参照され、これらは、触媒の改質に係る反応条件及び重合反応について、ここに本明細書の一部を構成するものとして援用される。
本組成物の各成分を混合するには、従来の配合装置又は混合装置、例えばバンバリーミキサー、2ローラーラバーミル、Bussコニーダー又は2軸押出し機を用いることができる。最も好ましくは、ペレット状のポリマー素材が押出機から回収される。次いで、このペレットをさらに加工、例えば射出成形して、本組成物の物品又は製品を作成する。
本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、好ましくは物品の製造に用いられる。したがって、本発明は、さらなる側面では、本異相ポリプロピレン組成物(HECO)を有する物品に関する。好ましくは、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、物品、例えば射出成形品又はブロー成形品等の成形品の製造に用いられる。さらに、本発明は、移動体用途、好ましくは乗物の部品、いっそう好ましくは車の部品、最も好ましくは車の内装部品としての成形品、好ましくは射出成形品又はブロー成形品、より好ましくは射出成形品の製造のための、本異相ポリプロピレン組成物(HECO)の使用を対象としている。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
A.測定方法
MFR(230℃)は、ISO1133(230℃、2.16kg荷重)に準じて測定する。
FTIRスペクトル法によるコモノマー含有量の定量
コモノマー含有量を、定量13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル法を用いて周知の方法により較正した基本的な帰属を行った後、定量フーリエ変換赤外線分光法(FTIR)により求める。薄いフィルムを100μm〜500μm厚にプレスし、透過法によりスペクトルを記録する。
具体的には、ポリプロピレン−コエチレンコポリマーのエチレン含有量を、720cm−1〜722cm−1及び730cm−1〜733cm−1に表れる定量バンドのベースライン補正ピーク面積を用いて求める。具体的には、ポリプロピレンコポリマーのブテン又はヘキセン含有量を、1377cm−1〜1379cm−1に表れる定量バンドのベースライン補正ピーク面積を用いて求める。定量結果は、フィルム厚を参照して求められる。
低温キシレン可溶分(XCS、重量%):低温キシレン可溶分(XCS)の含有量は、ISO16152;第1版;2005年07月01日に準じて25℃で求める。
固有粘度は、DIN ISO1628/1、1999年10月(デカリン中、135℃)に準じて測定する。
溶融温度T、結晶化温度Tは、5mg〜10mgの試料を用い、Mettler TA820示差走査熱量計(DSC)により測定する。結晶化及び溶融曲線は、どちらも30℃から225℃の間を10℃/分で冷却及び加熱走査することにより得た。溶融及び結晶化温度は、吸熱及び発熱ピークとして得られた。
溶融及び結晶化エンタルピー(Hm及びHc)もまた、ISO11357−3に準じたDSC法により測定した。
引張強度;破断時引張ひずみは、EN ISO1873−2(ドッグボーン型、4mm厚)に記載されるような射出成形試料を用い、ISO527−2(クロスヘッド速度=50mm/分、23℃)に準じて測定する。
曲げ弾性率は、ISO294−1:1996に準じて作製した80x10x4mmの射出成形試料について、ISO178に準じた3点曲げにより求める。
ノッチ付きIzod衝撃強度は、EN ISO1873−2(80x10x4mm)に記載されるような射出成形試料を用い、ISO180/1Aに準じて23℃にて求める。
HDTは、ISO75−2に準じて0.45MPaにて求める。
B.実施例
全てのポリマーを、プレ重合反応器、1つのスラリーループ反応器及び2つのガス相反応器を備えたBorstarのパイロットプラントにて製造した。異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の重合プロセスには、触媒として、1.9重量%のTi−チーグラーナッタ触媒に加えて、表1に記載する量のEP591224(Borealis AG)に記載されるトリエチルアルミニウム(TEAL)を助触媒として、またジシクロペンチルジメトキシシラン(Dドナー)をドナーとして用いた。重合に先立ち、EP1028984及びEP1183307に記載されるように、触媒をビニルシクロヘキサン(VCH)でプレ重合した。この製造における触媒に対するVCHの重量比は、1:1とした。
ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)及び弾性プロピレンコポリマー(EP1)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP1)、また、ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)及び弾性プロピレンコポリマー(EP2)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP2)の製造を、以下の表1に記載する。得られたHPP1及びHPP2中のポリVCHの最終含有量は、200ppm以下であった。
Figure 0006050508
表2に、異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の組成を要約する。これらは混合されて本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)となる。
Figure 0006050508
添加物は、従来の市販品である。
ステアリン酸カルシウムは、Faci SpAの市販品「CaSt DW Veg」である。
Irganox 1010は、Ciba Specialty Chemicalsより市販の酸化防止剤である。
Irgafos 168は、Ciba Specialty Chemicalsより市販の酸化防止剤である。
GMS95は、Daniscoの市販品「Dimodan HP−PEL」である。
タルクは、IMI Fabiより市販のタルク「Talc HM2」である。
表3に、異相プロピレンコポリマー(HPP1)配合物と異相プロピレンコポリマー(HPP2)配合物の配合表を要約する。
Figure 0006050508
Cyasorb 3808は、Cytecより市販のUV安定化剤である。
本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)の特性プロファイルを、HPP1配合物及びHPP2配合物と比較して表4a及び表4bに要約する。
Figure 0006050508
Figure 0006050508
HPP1配合物と比較して、本発明の異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、破断時引張ひずみ(又は破断時伸び)が明らかに優れている。また、ノッチ付き衝撃強度もさらに向上している。

Claims (15)

  1. ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が10g/10分から35g/10分の間である異相ポリプロピレン組成物(HECO)であって、前記異相ポリプロピレン組成物(HECO)は、
    (a) ポリプロピレンマトリクス(PM1)及び前記マトリクス(PM1)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP1)と、
    (b) ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して10重量%から35重量%の間であり、ポリプロピレンマトリクス(PM2)及び前記マトリクス(PM2)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)を有する異相プロピレンコポリマー(HPP2)と、
    を有し、
    (i) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみ値が50%未満であり、異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみ値が少なくとも150%であり
    (ii) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)の量は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)と異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して75.0重量%から99.0重量%の範囲内であり、
    (iii) 異相プロピレンコポリマー(HPP2)の量は、異相プロピレンコポリマー(HPP1)と異相プロピレンコポリマー(HPP2)を合わせた全量に対して1.0重量%から25.0重量%の範囲内であり、
    (iv) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR (230℃)が15g/10分から35g/10分の間であり、異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR (230℃)が5g/10分以上15g/10分未満であり、
    (v) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)の低温キシレン可溶(XCS)画分及び異相プロピレンコポリマー(HPP2)の低温キシレン可溶(XCS)画分は、ISO1628−1(135℃、デカリン中)に準じて測定される2.4dl/gから4dl/gの範囲の固有粘度(IV)を有する
    異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  2. (a) ポリプロピレンマトリクス(PM1)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP1)及び/又は、ポリプロピレンマトリクス(PM2)中に分散した弾性プロピレンコポリマー(EP2)は、プロピレンモノマー単位と、エチレン及び/又は 〜C 12 α−オレフィンから選択されるコモノマー単位とを有し、
    及び/又は、
    (b) ポリプロピレンマトリクス(PM1)は、ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP1)であり、及び/又はポリプロピレンマトリクス(PM2)は、ポリプロピレンホモポリマーマトリクス(H−MPP2)である、
    請求項1に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  3. (a) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)は、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して10重量%から35重量%の間であり、
    及び/又は
    (b) 異相プロピレンコポリマー(HPP2)は、ISO16152(25℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して14重量%から30重量%の間である、
    請求項1又は2に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  4. 異相プロピレンコポリマー(HPP1)が、特徴(a)から(c)の少なくとも1つを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO):
    (a) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、15g/10分から25g/10分の間であること、
    (b) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンであるコモノマーの含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の全重量に対して5重量%から20重量%の間であること
    (c) ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、10%から40%の間であること
  5. 異相プロピレンコポリマー(HPP2)が、特徴(a)から(c)の少なくとも1つを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO):
    (a) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、8g/10分から15g/10分未満の間であること、
    (b) エチレン及び/又はC〜C12α−オレフィンであるコモノマーの含有量が、異相プロピレンコポリマー(HPP2)の全重量に対して5重量%から20重量%の間であること、
    (c) ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、200%から400%の間であること
  6. 異相ポリプロピレン組成物(HECO)が、
    (a) 異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を80重量%から98重量%、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を2重量%から20重量%有し、
    又は、
    (b) 異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して、異相プロピレンコポリマー(HPP1)を85重量%から97重量%、異相プロピレンコポリマー(HPP2)を3重量%から15重量%有する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  7. 異相プロピレンコポリマー(HPP2)の破断時引張ひずみ値が、異相プロピレンコポリマー(HPP1)の破断時引張ひずみ値と、値にして130%を超えて相違し、当該差異は、以下の式により算出され、
    TSaB[HPP2]−TSaB[HPP1]
    式中、
    TSaB[HPP2]は、ISO527−2に準じて測定される異相プロピレンコポリマー(HPP2)の破断時引張ひずみ値であり、
    TSaB[HPP1]は、ISO527−2に準じて測定される異相プロピレンコポリマー(HPP1)の破断時引張ひずみ値である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  8. 異相ポリプロピレン組成物(HECO)が、特徴(a)から(e)の少なくとも1つ又はそれ以上の任意の組み合わせを有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO):
    (a) ISO1133に準じて測定されるメルトフローレートMFR(230℃)が、10g/10分から35g/10分の間であること
    (b) ISO16152(23℃)に準じて測定される低温キシレン可溶(XCS)画分が、10重量%から35重量%の間であること
    (c) エチレン及び/又はC 〜C 12 α−オレフィンであるコモノマーの含有量が、異相ポリプロピレン組成物(HECO)の全重量に対して5重量%から20重量%の間であること
    (d) ISO178に準じて測定される曲げ弾性率が、少なくとも1200MPaであること
    (e) ISO527−2に準じて測定される破断時引張ひずみが、少なくとも40%であること
  9. 異相プロピレンコポリマー(HPP1)及び/又は異相プロピレンコポリマー(HPP2)が、α核形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  10. 前記α核形成が、ビニルシクロアルカンのポリマー及び/又はビニルアルカンのポリマーを用いて行われる、請求項9に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  11. 異相ポリプロピレン組成物(HECO)が、少なくとも1種のUV光安定化剤を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)。
  12. (a) 異相プロピレンコポリマー(HPP1)を、異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加剤と、押出機で混合する工程、及び
    (b) 押し出し成形品を形成するため、又は得られた押し出し混合物をさらなる成形工程に導入して、射出成形品又はブロー成形品を形成するために、得られた押出機中の異相プロピレンコポリマー(HPP1)、異相プロピレンコポリマー(HPP2)及び任意の添加剤の混合物を押し出す工程、とを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)の製造方法。
  13. 異相プロピレンコポリマー(HPP1)が、少なくとも1つの反応器を有する少なくとも1つの反応器系でポリプロピレンマトリクス(PM1)を製造し、前記ポリプロピレンマトリクス(PM1)を少なくとも1つの反応器を有する次の反応器系に移し、そこでポリプロピレンマトリクス(PM1)の存在下、弾性プロピレンコポリマー(EP1)を製造することによって得られ、及び/又は、異相プロピレンコポリマー(HPP2)が、少なくとも1つの反応器を有する少なくとも1つの反応器系でポリプロピレンマトリクス(PM2)を製造し、前記ポリプロピレンマトリクス(PM2)を少なくとも1つの反応器を有する次の反応器系に移し、そこでポリプロピレンマトリクス(PM2)の存在下、弾性プロピレンコポリマー(EP2)を製造することによって得られる、
    請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)を有する物品であって、ペレット又は成形品である、物品。
  15. 成形品の製造のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の異相ポリプロピレン組成物(HECO)の使用。
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