JP5368349B2 - プロピレン系樹脂組成物およびこれらから得られる成形体 - Google Patents
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Description
[2]室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)5〜50重量%と室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)50重量%以上95重量%以下から構成される(ただし、DsolとDinsolとの合計量は100重量%である)、
[3]Dsolの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が7.0以上、20以下、
[4]Dsolのエチレン含有量が、(A−1)の場合は25モル%以上、35モル%以下、(A−2)の場合は40モル%以上、60モル%以下、
[5]Dsolの極限粘度[η]が、(A−1)の場合は5.0dl/g以上、10dl/g以下、(A−2)の場合は1.8dl/g以上、3.5dl/g以下、
[6]Dinsolの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以上、20以下、かつZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比であるMz/Mwが6.0以上、20以下、
[7]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が95%以上、
[8]Dsolにおいて、下式(i)で定義されるCSDの値が1.0以上〜2.0以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)の少なくとも一方は、下記要件[9]をさらに満たすことが好ましい。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
[プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)]
前記プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)は、プロピレン系ブロック共重合体(A―1)95〜5重量%とプロピレン系ブロック共重合体(A−2)5〜95重量%とからなる(ただし、(A−1)および(A−2)の合計は100重量%である)ことを特徴としている。
[2]室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)5重量%以上、50重量%以下、と室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)50重量%以上、95重量%以下とから構成される(ただし、DsolとDinsolの合計量は100重量%である)、
[3]Dsolの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以上、20以下、
[4]Dsolのエチレン含有量が、(A−1)の場合は25mol%以上、35mol%以下、(A−2)の場合は40mol%以上、60mol%以下、
[5]Dsolの[η]が、(A−1)の場合は5.0dl/g以上、10dl/g以下、(A−2)の場合は1.8dl/g以上、3.5dl/g以下、
[6]Dinsolの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以上、20以下、かつMz/Mwが6.0以上、20以下、
[7]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が95%以上、
[8]Dsolにおいて、下記式(i)で定義されるCSDの値が1.0以上、2.0以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の、ASTM D1238Eに準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は、20g/10分以上、150g/10分以下であり、好ましくは25g/10分以上、120g/10分以下であり、更に好ましくは30g/10分以上、100g/10分以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の、室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)と室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)としては、Dsolが5重量%以上、50重量%以下、Dinsolが50重量%以上、95重量%以下(ただし、DsolとDinsolの合計量は100重量%である)であり、好ましくはDsolが7重量%、40重量%以下、Dinsolが60重量%以上〜93重量%以下、更に好ましくはDsolが10重量%以上、35重量%以下、Dinsolが65重量%以上〜90重量%以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の、Dsolの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は7.0以上、20以下であり、好ましくは、Mw/Mnが7.0以上、15以下、更に好ましくは7.0以上、10以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)の、Dsolのエチレン含有量は25mol%以上、35mol%以下であり、好ましくは25mol%以上、34mol%以下、更に好ましくは25mol%以上、33mol%以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)の、Dsolの極限粘度[η]は5.0dl/g以上、10dl/g以下であり、好ましくは6.0dl/g以上、10dl/g以下、更に好ましくは7.0dl/g以上、10dl/g以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の、Dinsolの分子量分布(Mw/Mn)は7.0以上であり、好ましくは8.0以上、更に好ましくは9.0以上であり、また上記Mw/Mnは20以下である。Dinsolでは上記Mw/Mnであることに加えさらに、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比であるMz/Mwが6.0以上であり、好ましくは7.0以上、更に好ましくは8.0以上であり、また上記Mz/Mwは20以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の、Dinsolのペンダット分率(mmmm)が95%以上、好ましくは96%以上、更に好ましくは97%以上である。
Dinsolのmmmmが上記%よりも低いと、プロピレン系樹脂組成物の剛性が低下する為、好ましくない。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の、Dsolにおいて、下記式(i)で定義されるCSDの値が1.0以上、2.0以下、好ましくは1.0以上、1.8以下である。
式(i)において、CSDとはプロピレン−エチレン共重合体のプロピレンおよびエチレンの共重合性を表す指標として使用することができる。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)の少なくとも一方の、DsolのGPC−IR測定において、GPC曲線の面積分率で高分子量側5%における溶出成分のエチレン含有量(C2(H5))(モル%)と高分子量側から50%における溶出成分のエチレン含有量(C2(H50))(モル%)の差(Δ(C2))(下記式(ii))は好ましくは1.5mol%以下、より好ましくは、1.0mol%以下である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の少なくとも一方は、固体状チタン触媒成分(I)と、周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物(II)と、必要に応じて電子供与体(III)とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に重合して得られたものであることが好ましく、前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)の両方が、該触媒の存在下に重合して得られたものであることがより好ましい。以下、オレフィン重合用触媒に係る各成分について詳細に説明する。
前記固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、およびハロゲンおと下記式(1)で特定される環状エステル化合物(a)および下記式(2)で特定される環状エステル化合物(b)とを含む。
前記環状エステル化合物(a)は、複数のカルボン酸エステル基を有し、下記式(1)で表される。
環状骨格中の炭素原子間結合は、すべてが単結合であることが好ましいが、環状骨格中の、Ca−Ca結合およびR3がRである場合のCa−Cb結合以外の、いずれかの単結合は、二重結合に置き換えられていてもよい。すなわち、環状骨格中の、C−Cb結合、R3がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
また複数個あるRは、カルボン酸エステル基、アシル基、ケトン基などのカルボニル構造含有基であってもよく、これらの置換基には、炭素原子数1〜20の炭化水素基1個以上を含んでいることが好ましい。
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
5−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
5−メチルシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
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3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
3,4−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
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3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
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3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−ヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−6−ペンチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−メチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
5−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
5−メチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−ヘキシルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,5−ジヘキシルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−5−ペンチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−メチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
5−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
5−メチルシクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,4−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−ヘキシルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,7−ジヘキシルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−7−ペンチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−メチルシクロオクタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−メチルシクロデカン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ビニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジシクロヘキシルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
テトラシクロドデカン−2,3−ジカルボン酸ジイソブチル
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3,6−ジヘキシル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−ヘキシル−6−ペンチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
などが挙げられる。
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアセテート、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジブタネート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジオールアセテート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジブタネート、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジベンゾエート、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジトルエート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジベンゾエート、
3−メチル−6−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジトルエート、
等も好ましい例として挙げることができる。
上記式(1−4)〜(1−6)において、環状骨格中の単結合(ただしCa−Ca結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
前記環状エステル化合物(a)としては、特には下記式(1a)で表わされる化合物が好ましい。
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−5−エチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−5−エチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−5−エチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−5−n−プロピルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,5−ジエチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5−ジエチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,5−ジエチルシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,7−ジメチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−7−エチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−7−エチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−7−エチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−7−n−プロピルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,7−ジエチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7−ジエチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,7−ジエチルシクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
などが挙げられる。
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル
がさらに好ましい。これらの化合物はDiels Alder反応を利用して製造できる。
環状エステル化合物(b)は、複数のカルボン酸エステル基を有し、下記式(2)で表される。
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロオクタン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
シクロデカン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−プロピル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
3−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
3−シクロペンテン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
3−シクロペンテン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
4−シクロヘプテン−1,2−ジカルボン酸ジデシル、
4−シクロヘプテン−1,3−ジカルボン酸ジエチル、
4−シクロヘプテン−1,3−ジカルボン酸ジイソブチル、
5−シクロオクテン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、
6−シクロデセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル
などが挙げられる。
シクロヘキサン−1,2−ジアセテート、
シクロヘキサン−1,2−ジブタネート、
シクロヘキサン−1,2−ジベンゾエート、
シクロヘキサン−1,2−ジトルエート、
なども好ましい例として挙げることができる。
トランス純度が51%未満であると広分子量分布化の効果、活性、立体特異性等が不充分となることがある。また、トランス純度が79%を超えると広分子量分布化の効果が不充分となることがある。すなわち、トランス純度が上記の範囲内であれば、得られる重合体の分子量分布を広げる効果と、触媒の活性や得られる重合体の高い立体規則性とを高いレベルで両立する上で有利なことが多い。
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジヘプチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル
などが挙げられる。
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
がさらに好ましい。その理由は、触媒性能だけでなく、これらの化合物がDiels Alder反応を利用して比較的安価に製造できる点にある。
環状エステル化合物(a)と環状エステル化合物(b)との組合せモル比(環状エステル化合物(a)/(環状エステル化合物(a)+環状エステル化合物(b))×100(mol%))は10mol%以上であることが好ましい。更に好ましくは、30mol%以上、特に好ましくは40mol%以上、特により好ましくは50mol%である。好ましい上限値は99mol%、好ましくは90mol%。より好ましくは85mol%、特に好ましくは80mol%である。
環状炭化水素構造は、イス型、舟型など多彩な立体構造を形成することが知られている。さらに、環状構造に置換基を有すると、取りうる立体構造のバリエーションはさらに増大する。また、環状エステル化合物の環状骨格を形成する炭素原子のうちの、エステル基(COOR1基)が結合した炭素原子とエステル基(COOR1基)が結合した他の炭素原子との間の結合が単結合であれば、取りうる立体構造のバリエーションが広がる。この多彩な立体構造を取りうることが、固体状チタン触媒成分(I)上に多彩な活性種を形成することに繋がる。その結果、固体状チタン触媒成分(I)を用いてオレフィンの重合を行うと、多様な分子量のオレフィン重合体を一度に製造することができる、即ち分子量分布の広いプロピレン系ブロック共重合体を製造することができる。
本発明で使用する固体状チタン触媒成分(I)の調製に用いられるマグネシウム化合物として具体的には、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などの公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
チタン化合物としては、例えば一般式;
Ti(OR)gX4-g
(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(O−n−C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(O−isoC4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O−n−C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(OC4H9)4、Ti(O−2−エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタンなどを挙げることができる。
上記のようなマグネシウム化合物およびチタン化合物としては、例えば前記特許文献1、特許文献2などに詳細に記載されている化合物も挙げることができる。
上記の固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物の形成に用いられる触媒成分(c)としては、室温〜300℃程度の温度範囲で上記のマグネシウム化合物を可溶化できる公知の化合物が好ましく、例えばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸およびこれらの混合物などが好ましい。これらの化合物としては、例えば前記特許文献1や特許文献2に詳細に記載されている化合物を挙げることができる。
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、2−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノールのような脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールのような脂環族アルコール;
ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール;
n−ブチルセルソルブなどのアルコキシ基を有する脂肪族アルコールなどを挙げることができる。
アルデヒドとしては、カプリックアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒドなどの炭素原子数7以上のアルデヒド類を挙げることができる。
上記の触媒成分(c)としては、上記のアルコール類が好ましく、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、デカノールなどが好ましい。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)は、さらに、芳香族カルボン酸エステルおよび/または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「触媒成分(d)」ともいう。)を含んでいてもよい。本発明の固体状チタン触媒成分(I)が触媒成分(d)を含んでいると触媒活性を向上させたり、立体規則性を高めたり、分子量分布をより広げることができる場合がある。
上記のような2個以上のエーテル結合を有する具体的な化合物としては、
2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−クミル−1,3−ジメトキシプロパン
等の1置換ジアルコキシプロパン類、
2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、
2,2−ジ−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン
等の2置換ジアルコキシプロパン類
2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジメトキシブタン、
2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエトキシブタン、
2,3−ジイソプロピル−1,4−ジエトキシブタン
2,4−ジフェニル−1,5−ジメトキシペンタン、
2,5−ジフェニル−1,5−ジメトキシヘキサン、
2,4−ジイソプロピル−1,5−ジメトキシペンタン、
2,4−ジイソブチル−1,5−ジメトキシペンタン、
2,4−ジイソアミル−1,5−ジメトキシペンタン
等のジアルコキシアルカン類、
2−メチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシプロパン、
2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン
等のトリアルコキシアルカン類、
2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソプロピル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソブチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン、
2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシ4−シクロヘキセン
等のジアルコキシシクロアルカン
等を例示することができる。
上記の環状エステル化合物(a)および(b)、触媒成分(c)、ならびに触媒成分(d)は、当業者間では電子供与体と呼ばれる成分に属すると考えても差し支えない。上記の電子供与体成分は、触媒の高い活性を維持したまま、得られる重合体の立体規則性を高める効果や、得られる共重合体の組成分布を制御する効果や、触媒粒子の粒形や粒径を制御する凝集剤効果などを示すことが知られている。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)において、ハロゲン/チタン(原子比)(すなわち、ハロゲン原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2〜100、好ましくは4〜90であることが望ましく、
環状エステル化合物(a)/チタン(モル比)(すなわち、環状エステル化合物(a)のモル数/チタン原子のモル数)および環状エステル化合物(b)/チタン(モル比)(すなわち、環状エステル化合物(b)のモル数/チタン原子のモル数)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10であることが望ましく、
触媒成分(c)は、触媒成分(c)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましい。
また、前述した環状エステル化合物(a)および(b)以外に含まれても良い成分、例えば触媒成分(c)および触媒成分(d)の含有量は、環状エステル化合物(a)および(b)100重量%に対して好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
有機金属化合物触媒成分(II)としては、周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物が挙げられる。具体的には、第13族金属を含む化合物、例えば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物などを用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物触媒成分(II)として具体的には、前記EP585869A1等の公知の文献に記載された有機金属化合物触媒成分を好ましい例として挙げることができる。
また、本発明のオレフィン重合用触媒は、上記の有機金属化合物触媒成分(II)と共に、必要に応じて電子供与体(III)を含んでいてもよい。電子供与体(III)として好ましくは、有機ケイ素化合物が挙げられる。この有機ケイ素化合物としては、例えば下記一般式(4)で表される化合物を例示できる。
RnSi(OR’)4-n ・・・(4)
(式中、RおよびR’は炭化水素基であり、nは0<n<4の整数である。)
Si(ORa)3(NRbRc) ・・・(5)
式(5)中、Raは、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、好ましくは、炭素原子数1〜6の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられ、特に好ましくは炭素原子数2〜6の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
ジメチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリエトキシシラン、
ジメチルアミノトリメトキシシラン、
ジエチルアミノトリメトキシシラン、
ジエチルアミノトリn−プロポキシシラン、
ジ−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、
メチル−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、
t−ブチルアミノトリエトキシシラン、
エチル−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、
エチル−iso−プロピルアミノトリエトキシシラン、
メチルエチルアミノトリエトキシシラン
が挙げられる。
RNSi(ORa)3 ・・・(6)
式(6)中、RNは、環状アミノ基であり、この環状アミノ基として、例えば、パーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ基、オクタメチレンイミノ基等が挙げられる。Raは、式(5)で定義したものと同様のものが挙げられる。上記式(6)で表される化合物として具体的には、
(パーヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、
(パーヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、
(1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、
(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、
オクタメチレンイミノトリエトキシシラン
等が挙げられる。
また、電子供与体(III)として他に有用な化合物としては、前記触媒成分(d)として定義した、芳香族カルボン酸エステルおよび/または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物(ポリエーテル化合物)も好ましい例として挙げられる。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)は、前記要件[1]〜[8]および好ましくは要件[9]を満たす限り製造方法が限定されるものではない。
予備重合における前記固体状チタン触媒成分(I)の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常約0.001〜200ミリモル、好ましくは約0.01〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲とすることが望ましい。
この場合、用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;
あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
予備重合の際の温度は、通常−20〜+100℃であり、好ましくは−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+40℃の範囲である。
本発明において本重合(polymerization)は、プロピレン重合体成分を製造する工程およびプロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程に分けられる。
本発明者らの知見に拠れば、本発明のプロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)を構成する室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)は、主としてプロピレン重合体成分から構成される。
したがって、本発明のプロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)は、次の製造方法によって製造が可能となる。
次の二つの重合工程(重合工程1および重合工程2)を連続的に実施することによって、要件[1]〜要件[8]および好ましくは要件[9]を満たすプロピレン系ブロック共重合体(A1)および(A2)を製造する方法(以下、この方法を「直重法」と呼ぶ)。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物にはエラストマー(B)が含まれていてもよい。前記エラストマー(B)としては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B−a)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B−b)、水素添加ブロック共重合体(B−c)、その他弾性重合体、およびこれらの混合物などが挙げられる。
X(YX)n ・・・(x)
(XY)n ・・・(y)
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物の構成成分であるフィラー(E)とは、タルク、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック等の無機フィラーと、木粉、セルロース、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、ジュード繊維、米粉、澱粉、コーンスターチ等の有機フィラーとに大別される。
(タルク)
タルクは、含水ケイ酸マグネシウムを粉砕したものである。含水ケイ酸マグネシウムの結晶構造は、パイロフィライト型三層構造であり、タルクはこの構造が積み重なったものである。タルクとして、より好ましくは、含水ケイ酸マグネシウムの結晶を単位層程度にまで微粉砕した平板状のものである。
硫酸マグネシウム繊維を用いた場合、その平均繊維長として、好ましくは5μm以上、50μm以下であり、より好ましくは10μm以上、30μm以下である。また、硫酸マグネシウム繊維の平均繊維径として、好ましくは0.3μm以上、2μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上、1μm以下である。製品としては、宇部興産(株)「モスハイジ」などが挙げられる。
ガラス繊維としては、Eガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)および耐アルカリガラスなどのガラスを溶融紡糸してフィラメント状の繊維にしたものを挙げることができる。該ガラス繊維は1mm以下の短繊維、1mm以上の長繊維の形態で組成物中に含まれる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物で使用される炭素繊維は、繊維径が2μmより大きく15μm以下であり、好ましくは3μm以上、12μm以下、より好ましくは4μm以上、10μm以下である。繊維径が2μm以下の場合、繊維の剛性が著しく低下し、15μmを超えると、繊維のアスペクト比(長さ(L)と太さ(D)の比:L/D)が低下してしまうため、剛性や耐熱性などの十分な補強効率が得られず好ましくない。ここで繊維径は、繊維を繊維方向に垂直に裁断し、その断面を顕微鏡観察して直径を計測し、100本以上の繊維の直径の数平均を算出することにより求めることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物で使用される炭素繊維としては、上述の形状を満たせば、特に制限なく、従来公知の炭素繊維が使用できる。炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリルを原料としたPAN系炭素繊維や、ピッチを原料としたピッチ系炭素繊維などを例示する事ができる。これらの炭素繊維は、繊維原糸を所望の長さに裁断した、所謂チョップドカーボンファイバーとして用いることができ、又必要に応じて、各種サイジング剤を用いて収束処理されたものであっても良い。収束処理に用いるサイジング剤は、ポリプロピレン樹脂との溶融混練において融解する必要があるため、200℃以下で溶融するものであることが好ましい。
木粉としては、木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にしたものなどが使用可能であり、その平均粒径は通常1μm以上、200μm以下、好ましくは10μm以上、150μm以下である。平均粒径が1μm未満のものは、取り扱いが困難であるうえに、特に木質系充填剤の配合量が多い場合は、樹脂への分散が悪いと、製造される木質樹脂発泡成形体に機械強度の低下が発生する。また、200μmより大きいと、成形品の均質性、平面性、機械的強度が低下する。
セルロースは、セルロース繊維と結晶セルロースが好適に使用される。
セルロース繊維は、純度が高い繊維であるのが好ましく、例えば、α−セルロース含量が80重量%以上の繊維であるのが好ましい。セルロース繊維などの有機繊維としては、平均繊維径0.1μm以上、1000μm以下および平均繊維長0.01mm以上、5mm以下を有する繊維が使用できる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有していてもよい。以下に本発明のプロピレン系樹脂組成物が含み得る他の成分について記載する。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、プロピレン系ブロック共重合体(A)以外のプロピレン系重合体(A’)を含有していてもよい。このようなプロピレン系重合体(A’)とは、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンおよび他のα−オレフィンの共重合体、プロピレンとエチレンおよび他のα−オレフィンのブロック共重合体である。前述のα−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができる。これらの中でも1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンのα−オレフィンを好ましく用いることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、剛性、耐熱性、成形性改良の必要に応じて結晶核剤を添加しても良い。
本発明で用いられる安定剤は、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、塩化吸収剤、充填剤、結晶核剤、軟化剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等の公知の安定剤を制限無く用いることができる。例えば公知のフェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、無機酸化物などが挙げられる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上記プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)と必要に応じて、エラストマー(B)、フィラー(E)および上述した他の成分を包含している。本発明に係るプロピレン系樹脂組成物におけるプロピレン系ブロック共重合体混合物(A)、エラストマー(B)およびフィラー(E)の含有量は、それぞれ以下のとおりである。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、o−ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により、100℃から135℃の温度範囲にて溶出した成分の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(分子量分布:Mw/Mn)が、6.0以上、16以下であることが好ましく、7.0以上16以下であることがより好ましい。Mw/MnおよびMz/Mwが上記範囲にあると、プロピレン系樹脂組成物から、フローマークが非常に少ない射出成形品を得ることができる。これは、Mw/MnおよびMz/Mwが上記範囲に存在した結果、高分子量プロピレン重合体成分により、プロピレン系樹脂組成物の高溶融弾性化、特に溶融樹脂の金型への転写に相当する低剪断速度領域での高溶融弾性化が図ることができ、射出成形金型内での流動先端が安定化した結果、フローマークが非常に改良できたものと推察している。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、各種成形体に適用することができる。プロピレン系樹脂組成物からなる成形体としては、射出成形体、発泡成形体、射出発泡成形体、押出成形体、ブロー成形体、真空・圧空成形体、カレンダー成形体、延伸フィルム、インフレーションフィルムなどが挙げられ、特に射出成形体に好適に使用できる。以下、射出成形体について詳細に説明する。
前記射出成形体は剛性と低温耐衝撃性とのバランスに優れ、さらにフローマーク、ブツ等の不具合が無い等、成形体外観が良好である。したがって、前記射出成形体は用途が限定されることはないが、特にバンパー、サイドモール、フェンダー、アンダーカバー等の自動車外装部品、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラー等の自動車内装部品、エンジンルーム周辺部品、その他自動車部品、家電部品、食品容器、飲料容器、医療容器、コンテナ等に好適に使用することができる。本発明の射出成形体の成形条件は、従来公知の条件を制限無く採用することができる。
以下の実施例において、プロピレン系ブロック共重合体およびプロピレン系樹脂組成物の物性は下記の方法によって測定した。
ASTM D1238Eに準拠し、2.16kg荷重で測定した。測定温度は230℃とした。
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
ガラス製の測定容器にプロピレン系ブロック共重合体約3g(10-4gの単位まで測定した。また、この重量を、下式においてb(g)と表した。)、デカン500ml、およびデカンに可溶な耐熱安定剤を少量装入し、窒素雰囲気下、スターラーで攪拌しながら2時間で150℃に昇温してプロピレン系ブロック共重合体を溶解させ、150℃で2時間保持した後、8時間かけて23℃まで徐冷した。得られたプロピレン系ブロック共重合体の析出物を含む液を、磐田ガラス社製25G−4規格のグラスフィルターで減圧ろ過した。ろ液の100mlを採取し、これを減圧乾燥してデカン可溶成分の一部を得、この重量を10-4gの単位まで測定した(この重量を、下式においてa(g)と表した)。この操作の後、デカン可溶成分量を下記式によって決定した。
室温n−デカン可溶成分(Dsol)含有率=100×(500×a)/(100×b)
室温n−デカン不溶成分(Dinsol)含有率=100−100×(500×a)/(100×b)
液体クロマトグラフ:Waters製 ALC/GPC 150−C plus型 (示唆屈折計検出器一体型)
カラム:東ソー株式会社製 GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続した。
移動相媒体:o−ジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
測定温度:140℃
検量線の作成方法:標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度:0.10%(w/w)
サンプル溶液量:500μl
の条件で測定し、得られたクロマトグラムを公知の方法によって解析することでMw/Mn値およびMz/Mw値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたペンタド分率(mmmm,%)は、プロピレン重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペクトルは、日本電子製EX−400の装置を用い、TMSを基準とし、温度130℃、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
Dsol中のエチレンに由来する骨格濃度を測定するために、サンプル20〜30mgを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(2:1)溶液0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C−NMR)を行った。プロピレン、エチレンの定量はダイアッド連鎖分布より求めた。プロピレン−エチレン共重合体の場合、PP=Sαα、EP=Sαγ+Sαβ、EE=1/2(Sβδ+Sδδ)+1/4Sγδを用い、以下の計算式により求めた。
エチレン(モル%)=(1/2EP+EE)×100/[(PP+1/2EP)+(1/2EP+EE)
なお本実施例における、Dsolのエチレン量単位は、重量%に換算して標記した。
また、Dsolにおいて、CSDは、下式(i)に従って算出した。
出光興産(株)製GPC−FTIR装置を用いて、エチレン含有量を以下のようにして算出した。
高温高速GPC装置はMillipore/Waters社モデル150Cを使用し、展開溶媒は精製し安定剤等を添加したトリクロロベンゼン(TCB)を使用した。分離カラムは昭和電工非水系GPCカラム(Shodex UT−806L(2本))を使用し、カラム分離後の溶出液はGPC装置から145℃に温度制御したトランスファーチューブにより同温度に制御したFTIR用液体フローセルに導いた。そして、ニコレー社Magna560FTIRで赤外スペクトルを測定し、SEC−FTIR解析ソフト(ニコレー社製)を用いて、2955cm-1のC−CH3伸縮振動と2920cm-1のCH2伸縮振動とを解析することにより、エチレン含有量を算出した。なお、分子量150万以上の成分の含有量は、当該GPC測定により算出した。
GPCカラム:Shodex UT−806L(2本)
溶媒:TCB(温度:145℃、流速1.0ml/min)
分子量換算:汎用較正法(PP換算)
(FT−IR測定条件)
検出器 :MGNA−IR560(ニコレー社製)
注入濃度 : 0.3w/v%
注入量 : 750μl
各温度でのo−ジクロロベンゼンに可溶な成分の分析は、クロス分別クロマトグラフ測定(CFC)で行った。CFCは組成分別を行う温度上昇溶離分別(TREF)部と、分子量分別を行うGPC部とを備えた下記装置を用いて、下記条件で測定し、各温度での量を算出した。
測定装置:CFC T−150A型、三菱油化(株)製、
カラム:Shodex AT−806MS(×3本)
溶解液:o−ジクロロベンゼン
流速:1.0ml/min
試料濃度:0.3wt%/vol%(0.1% BHT入り)
注入量:0.5ml
溶解性:完全溶解
検出器:赤外吸光検出法、3.42μ(2924cm-1)、NaCl板
溶出温度:0〜135℃、28フラクション
0、10、20、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、94、97、100、103、106、109、112、115、118、121、124、127、135(℃)
曲げ弾性率(FM:〔MPa〕)は、JIS K7171に従って、下記の条件で測定した。
<測定条件>
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
シャルピー衝撃試験(〔kJ/m2〕)は、JIS K7111に従って、下記の条件で測定した。
<試験条件>
温度:23℃、−30℃
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
ノッチは機械加工
加熱変形温度(HDT:〔℃〕)は、JIS K7191に従って、下記の条件で測定した。
<測定条件>
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
荷重:0.45MPa
射出成形品のフローマークは、長さ350mm、幅100mm、厚み3mmの平板が成形可能で中央部(50mm)にゲートを持つ射出成形金型を用いた(図1)。ここで、ゲートからフローマークが発生した面積を目視で評価した。なお、本試験では、フローマークを判定しやすくする為、プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、黒着色マスターバッチ2重量部をドライブレンドして、射出成形を行った。
射出成形機:品番 SE220HDZ、住友重機工業(株)製
シリンダー温度:210℃
金型温度:40℃
射出時間(一次充填時間):3秒
保圧時間:10秒
成形品形状:図1に示す
フローマーク評価:10点満点(フローマーク未発生)、0点(全面にフローマーク発生)
長さ350mm、幅100mm、厚み3mmの平板が成形可能で幅100mmの中央部(50mm)にゲートを持つ射出成形金型を用いた(図2)。ゲートから流動方向直下25mmの位置にその点を中心とする直径45mm、厚み3mmの樹脂の流動を妨げる堰を設けた。ウェルド長さは上記金型を用いて射出成形をしたとき、堰以降に発生するウェルドを目視によりウェルドが判別できなくなるまでの長さを測定し、求めた。なお、ウェルドを判定しやすくする為、プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、黒着色マスターバッチ2重量部をドライブレンドして、射出成形を行った。
<試験片射出成形条件>
射出成形機:品番 SE220HDZ、住友重機工業(株)製
シリンダー温度:210℃
金型温度:40℃
射出時間(一次充填時間):3秒
保圧時間:10秒
成形品形状:図2に示す
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製(TKホモミクサーM型))を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名レオドールSP−S20(花王(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いでこの懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n−ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分(α−1)の組成はチタン3.2質量%、マグネシウム17質量%、塩素57質量%、3,6−ジメチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル10.6質量%、シクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル8.9質量%およびエチルアルコール残基0.6質量%であった。
次に窒素で置換した内容積200ミリリットルの攪拌機付きの三つ口フラスコに、脱水したヘキサンを加え、トリエチルアルミニウム0.75ミリモル、さらに上記の固体状チタン触媒成分(α−1)の懸濁液をチタン原子換算で0.25ミリモル投入、全量を50ミリリットルとした。これを攪拌下、20℃を維持して60分間プロピレンを所定量吸収させた。その後、残留プロピレンを窒素で置換して、ヘキサンを用いて充分洗浄を行い、予備重合触媒成分を得た(3g−PP/g−固体状チタン触媒成分)。
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素7.0NLを加えた後、トリエチルアルミニウムを0.5ミリモル、ジエチルアミノトリエトキシシランを0.1ミリモル、および固体状チタン触媒成分(α−1)の予備重合触媒成分をチタン原子換算で0.0035ミリモルを60℃で加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で20分重合(プロピレンバルク重合)した後、降温させながらプロピレンをパージした。その後窒素置換を数回繰り返した。そして、水素0.01NLを加えた後、エチレン/(エチレン+プロピレン)=34モル%のガス比とし、全圧1.0MPaで気相重合を行った。ゴム量(Dsol)が約12%に達するまで重合した。反応終了後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。更に得られた重合体粒子を室温で一晩、減圧乾燥してプロピレン系ブロック共重合体(H−1)を得た。得られた重合体の物性は、MFR=80g/10分、室温n−デカン可溶な部分(Dsol)は11.7重量%、Dsolのエチレン含量は30モル%、Dsolの[η]は7.3dl/gであった。
気相重合時の条件を水素0.07NL、エチレン/(エチレン+プロピレン)=57モル%のガス比、全圧0.4MPaとした以外は、製造例1と同様に重合した。得られた重合体粒子は、室温で一晩、減圧乾燥してプロピレン系ブロック共重合体(H−2)を得た。得られた重合体の物性は、MFR=93g/10分、室温n−デカン可溶な部分(Dsol)は12.0重量%、Dsolのエチレン含量は52モル%、Dsolの[η] は2.4dl/gであった。
気相重合時の条件を水素0.02NL、エチレン/(エチレン+プロピレン)=40モル%のガス比、全圧0.7MPaとした以外は、製造例1と同様に重合した。得られた重合体粒子は、室温で一晩、減圧乾燥してプロピレン系ブロック共重合体(H−3)を得た。得られた重合体の物性は、MFR=85g/10分、室温n−デカン可溶な部分(Dsol)は12.2重量%、Dsolのエチレン含量は38モル%、Dsolの[η] は5.0dl/gであった。
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製(TKホモミクサーM型))を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名レオドールSP−S20(花王(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いでこの懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n−ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分(α−2)の組成はチタン2.5質量%、マグネシウム19質量%、塩素58質量%、ジイソブチルフタレート6.5質量%およびエチルアルコール残基0.2質量%であった。
次に窒素で置換した内容積200ミリリットルの攪拌機付きの三つ口フラスコに、脱水したヘキサンを加え、トリエチルアルミニウム0.75ミリモル、さらに上記の固体状チタン触媒成分(α−2)の懸濁液をチタン原子換算で0.25ミリモル投入、全量を50ミリリットルとした。これを攪拌下、20℃を維持して60分間プロピレンを所定量吸収させた。その後、残留プロピレンを窒素で置換して、ヘキサンを用いて充分洗浄を行い、予備重合触媒成分を得た(3g−PP/g−固体状チタン触媒成分)。
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素5.0NLを加えた後、トリエチルアルミニウムを0.5ミリモル、ジエチルアミノトリエトキシシランを0.1ミリモル、および固体状チタン触媒成分(α−2)の予備重合触媒成分をチタン原子換算で0.0035ミリモルを60℃で加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で20分重合した後、降温させながらプロピレンをパージした。その後窒素置換を数回繰り返した。そして、水素0.04NLを加えた後、エチレン/(エチレン+プロピレン)=43モル%のガス比とし、全圧0.4MPaで気相重合を行った。ゴム量(Dsol)が約12%に達するまで重合した。反応終了後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。更に得られた重合体粒子を室温で一晩、減圧乾燥してプロピレン系ブロック共重合体(A’−4)を得た。得られた重合体の物性は、MFR=95g/10分、室温n−デカン可溶な部分(Dsol)は11.8重量%、Dsolのエチレン含量は40モル%、Dsolの[η]は2.5dl/gであった。
製造例1で製造されたプロピレン系ブロック共重合体(H−1)(プロピレン系ブロック共重合体(A1)に相当)と製造例2で製造されたプロピレン系ブロック共重合体(H−2)(プロピレン系ブロック共重合体(A2)に相当)とを50対50の重量比で混合したプロピレン系ブロック共重合体混合物(A)60重量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(タフマーA1050(三井化学(株)商標)20重量部、タルク(ホワイトフィラー5000PJ(商標)、松村産業(株)製)20量部、耐熱安定剤IRGANOX1010(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、耐熱安定剤IRGAFOS168(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、耐熱安定剤IRGANOX1076(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、二軸押出機にて溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調製し、射出成形機にてこのプロピレン系樹脂組成物から試験片(小型試験片、フローマーク外観評価用試験片、ウェルド外観評価用試験片)を作製した。得られた試験片(成形品)の機械物性および外観を表2に示す。
同方向二軸混練機:品番 NR2−36、ナカタニ機械(株)製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:200rpm
フィーダー回転数:400rpm
ホッパー内に窒素フロー有り
<JIS小型試験片/射出成形条件>
射出成形機:品番 EC40、東芝機械(株)製
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒(一次充填時間:1秒)
冷却時間 : 15秒
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)を、プロピレン系ブロック共重合体(H−1)とプロピレン系ブロック共重合体(H−2)との重量比が25対75の混合物とした以外は同様にプロピレン系樹脂組成物および試験片の作製を行った。得られた試験片(成形品)の機械物性および外観を表2に示す。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)を、プロピレン系ブロック共重合体(H−1)全量とした以外は同様にプロピレン系樹脂組成物および試験片の作製を行った。得られた試験片(成形品)の機械物性および外観を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)を、プロピレン系ブロック共重合体(H−2)全量とした以外は同様にプロピレン系樹脂組成物および試験片の作製を行った。得られた試験片(成形品)の機械物性および外観を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)を、プロピレン系ブロック共重合体(H−3)全量とした以外は同様にプロピレン系樹脂組成物および試験片の作製を行った。得られた試験片(成形品)の機械物性および外観を表3に示す。なお、比較例3は、実施例1に相当するプロピレン系ブロック共重合体混合物(A)が有するDsolのエチレン含有量およびDsolの極限粘度を有するプロピレン系ブロック共重合体を直接重合によって得たものである。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体混合物(A)を、プロピレン系ブロック共重合体(H−4)全量とした以外は同様にプロピレン系樹脂組成物および試験片の作製を行った。得られた試験片(成形品)の機械物性および外観を表3に示す。
Claims (14)
- プロピレン系ブロック共重合体(A―1)95重量%以下、5重量%以上とプロピレン系ブロック共重合体(A−2)5重量%以上、95重量%以下とからなるプロピレン系ブロック共重合体混合物(A)(ただし、(A−1)および(A−2)の合計は100重量%である)40重量部以上、100重量部以下、
エラストマー(B)0重量部以上、35重量部以下、および
フィラー(E)0重量部以上、40重量部以下を含有しており(ただし、(A)、(B)、および(E)の合計は100重量部である)、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A−1)と(A−2)とが、プロピレン重合体成分を製造する工程およびプロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程を含む製造方法によって得られ、かつ下記の要件[1]〜[8]を同時に満たす、プロピレン系樹脂組成物。
[1]ASTM D1238Eに準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が、(A−1)の場合は、80g/10分以上150g/10分以下、(A−2)の場合は、93g/10分以上150g/10分以下、
[2]室温n−デカンに可溶な部分(Dsol)5重量%以上、50重量%以下と室温n−デカンに不溶な部分(Dinsol)50重量%以上、95重量%以下から構成される(ただし、DsolとDinsolとの合計量は100重量%である)、
[3]Dsolの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が7.0以上、20以下、
[4]Dsolのエチレン含有量が、(A−1)の場合は25モル%以上、35モル%以下、(A−2)の場合は40モル%以上、60モル%以下、
[5]Dsolの極限粘度[η]が、(A−1)の場合は5.0dl/g以上、10dl/g以下、(A−2)の場合は1.8dl/g以上、3.5dl/g以下、
[6]Dinsolの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以上、20以下、かつZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比であるMz/Mwが6.0以上、20以下、
[7]Dinsolのペンタド分率(mmmm)が95%以上、
[8]Dsolにおいて、下式(i)で定義されるCSDの値が1.0以上2.0以下である。
- 前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)の少なくとも一方の製造方法において、プロピレン重合体成分を製造する工程を前段で行い、プロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程を後段で行うことを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記プロピレン重合体成分を製造する工程が、2槽以上の直列した重合槽で行われ、各槽で生成されるプロピレン重合体の極限粘度[η]が4dl/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記プロピレン−エチレン共重合体ゴムを製造する工程が、1槽の重合槽で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記プロピレン系ブロック共重合体(A1)および前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)の少なくとも一方が、チタン、マグネシウム、およびハロゲンと下記式(1)で特定される環状エステル化合物(a)および下記式(2)で特定される環状エステル化合物(b)とを含む固体状チタン触媒成分(I)と、
周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物(II)と、
必要に応じて電子供与体(III)とを含むオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンを含有するオレフィンを重合して得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
R2およびR3はそれぞれ独立にCOOR1またはRであり、R2およびR3のうち少なくとも1つはCOOR1である。環状骨格中の単結合(C−Cb結合、R3がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合))は、二重結合に置き換えられていてもよい。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に、二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
R4およびR5はそれぞれ独立にCOOR1または水素原子であり、R4およびR5のうち少なくとも1つはCOOR1である。R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。環状骨格中の単結合(C−Cb結合、R5がCOOR1である場合のCa−Cb結合、およびC−C結合(nが6〜10の場合))は、二重結合に置き換えられていてもよい。 - 前記式(1)および/または(2)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべてが単結合であることを特徴とする請求項6に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記式(1)および/または(2)において、n=6であることを特徴とする請求項6に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記環状エステル化合物(a)が下記式(1a)であり、前記環状エステル化合物(b)が下記式(2a)であることを特徴とする請求項6に記載のプロピレン系樹脂組成物。
環状骨格中の単結合(C−C結合(nが6〜10の場合)、Ca−C結合およびCb−C結合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
R1は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の1価の炭化水素基である。環状骨格中の単結合(C−C結合(nが6〜10の場合)、Ca−C結合およびCb−C結合)は、二重結合に置き換えられていてもよい。 - 前記式(1a)および(2a)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべてが単結合であることを特徴とする請求項9に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記式(1a)および(2a)において、n=6であることを特徴とする請求項9に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- o−ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により、100℃から135℃の温度範囲にて溶出した成分の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6.0以上16以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を含んでなる成形体。
- 射出成形によって得られた自動車部品であることを特徴とする請求項13に記載の成形体。
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