JP6397415B2 - 無機バインダーに基づく鋳型材料混合物並びに金属鋳造用鋳型及びコアの製造方法 - Google Patents

無機バインダーに基づく鋳型材料混合物並びに金属鋳造用鋳型及びコアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1の耐火性鋳型基材と、無機バインダーと、添加剤としての粒子状非晶質二酸化ケイ素からなる金属鋳造用鋳型及びコアの製造用の無機バインダーに基づく鋳型材料混合物に関する。また、本発明は、前記鋳型材料混合物を用いた鋳型及びコアの製造方法にも関する。
従来技術
鋳型は、主に、製造される鋳物の反転形状を表す鋳型本体、或いは鋳型本体とコアとから構成されている。これらのコア及び鋳型本体は、石英砂等の耐火性材料と、鋳型から除去した後の鋳造品に適度な機械的強度を付与する好適なバインダーとからなる。耐火性鋳型基材は、好適な鋳型のキャビティの形状に充填され、そこで圧縮されうるように、好ましくは易流動状態である。バインダーは、鋳型が所望の機械的安定性を達成しうるように、鋳型基材の粒子間に強固な接着を形成する。
鋳造において、鋳型は鋳物の外壁を形成し、コアは、鋳物内部の空洞の形成に用いられる。鋳型とコアが同一の材料で製造されている必要は必ずしもない。例えば、チル鋳造において、鋳物の外周部は、金属製の永久鋳型を用いて成形される。組成の異なる鋳型混合物から、異なる方法を用いて製造された鋳型とコアを組み合わせて用いることも可能である。以下、単純化のために「鋳型」という用語のみを用いる場合、当該記述は、同一の鋳型混合物を用いて、同一の方法により製造されたコアに対しても同様に適用される。
鋳型は、それぞれ、冷間法及び熱間法のいずれかによって硬化することができる有機及び無機バインダーのいずれを用いて製造してもよい。
冷間法とは、基本的には成形型を加熱せずに、通常は室温で、或いは必要な場合には反応を起こすために適当な温度で実行される方法に用いられる名称である。例えば、硬化は、硬化しようとする鋳型材料混合物中にガスを通し、その際に化学反応を起こすことにより行われる。熱間法において、加熱した成形型により、成形後の鋳型材料混合物を適当な高温に加熱し、バインダー中の溶媒を除去し、かつ/又はバインダーを硬化させるための化学反応を開始させる。
その技術的特徴により、有機バインダーは、現在の市場において大きな経済的優位性を有している。しかし、組成に関係なく、それらは鋳造中に分解し、相当量のベンゼン、トルエン、キシレン等の有害物質を排出するという欠点を有している。更に、有機バインダーを用いた鋳造では、通常、悪臭や煙による被害が生じる。系によっては、コアの製造及び/又は保存中にも、有害排出物が発生するおそれがある。バインダーの進歩により、近年、排出物は徐々に減少しているが、有機バインダーを用いる限り、完全に回避することはできない。この様な理由から、近年、再び無機バインダーの改善並びにそれを用いて製造される鋳型及びコアの製品の品質の改善のための研究開発が再び盛んになっている。
無機バインダー、特に水ガラス系のものは、古くから知られている。それらは、1950年代から1960年代にかけて最も広く用いられていたが、最新の有機バインダーの出現により、急速に優位性を失った。水ガラスの硬化には、3種類の異なる方法を用いることができる。
−CO、空気又はそれら2種類の組み合わせ等のガスの透過、
−エステル等の液体又は固体の硬化剤の添加剤の添加、
−ホットボックス法又はマイクロ波処理等の熱硬化
CO硬化法は、例えば、特許文献1に記載されており、COを添加せずに加熱空気を用いた硬化法は、例えば、非特許文献1に記載されている。空気による洗浄処理を伴うCO硬化法の更なる進歩については、特許文献2に開示されている。エステル硬化法は、例えば、特許文献3により知られている(いわゆるノーベイク法)。
水ガラスの熱硬化法は、例えば、特許文献4及び特許文献5において議論されており、後者においては、強度を増大させるために、鋳型材料混合物に粒子状合成非晶質SiOを添加している。
他の公知の無機バインダーは、リン酸及び/又はケイ酸とリン酸の組み合わせに基づくものであり、硬化は上述の方法と同様の方法によって行うことができる。この点に関しては、例として、下記の文献を挙げることができる:特許文献6(リン酸バインダー、熱硬化)、特許文献7(ケイ酸/リン酸バインダー、熱硬化)、特許文献8(ケイ酸/リン酸バインダー、CO硬化)及び特許文献9(ケイ酸/リン酸バインダー、エステル硬化)。
引用している特許及び特許出願である特許文献5及び特許文献2において、非晶質シリカをそれぞれの鋳型材料混合物に添加することが示唆されている。SiOには、鋳造の後等の熱にさらされた後に、コアが破損しやすくなるという課題がある。特許文献5及び特許文献2において、合成粒子状シリカが強度に顕著な増大をもたらすことが詳細に説明されている。
特許文献10には、鋳型材料、水酸化ナトリウム、アルカリケイ酸塩系バインダー及び添加剤からなる鋳型材料混合物に添加される非晶質球状SiOにおいて、SiOが2種類の粒子サイズで存在すべきであることが示唆されている。このような手段により、良好な流動性、高い曲げ強度及び高い硬化速度が得られる。
英国特許第634817号明細書 ドイツ特許出願公開第102012103705.1号明細書 英国特許第1029057号明細書 米国特許第4226277号明細書 欧州特許第1802409号明細書 米国特許第5641015号明細書 米国特許第6139619号明細書 米国特許第2895838号明細書 米国特許第6299677号明細書 欧州特許第2014392号明細書
H.Polzin、W.Tilch及びT.Kooyers著、Giesserei−Praxis誌2006年6月号、p.171
本発明の目標は、無機バインダーの性質を更に向上させ、より幅広く利用可能なものにすると共に、現在主流となっている有機バインダーのよりよい代替品とすることにある。
特に、更に改善された強度及び/又は改善された硬さに基づいてより複雑な形状を有するコアの製造を可能にし、或いは単純なコア形状の場合には、バインダーの量を低減し、かつ/又は硬化時間の短縮を可能にする鋳型材料混合物を提供することが望ましい。
この目標は、独立請求項に記載の特徴を有する鋳型材料混合物により達成される。有利な更なる進歩は、従属請求項の本質的事項を形成するが、それらについては以下において説明する。
驚くべきことに、非晶質二酸化ケイ素の中で、バインダーへの添加物としての効果という観点において明らかに他のものと異なる種類のものが存在することが見出された。添加された添加物が、ZrSiOの熱分解によりZrO及びSiOを生成後、ZrOをほぼ完全に、或いは部分的に除去することにより製造された粒子状非晶質SiOである場合、同一の反応条件下で同量を添加すると、強度において驚くほど大きな改善が見られ、かつ/又は欧州特許第1802409号明細書に記載の他の製造方法における非晶質SiOを用いた場合よりもコアの重量が大きい。同一の外部寸法を有するコアにおけるコア重量の増大は、鋳型材料が緊密に充填されていることを示すガス透過率の減少を伴うものである。
上述の方法によって製造される粒子状非晶質SiOは、「合成非晶質SiO」としても知られている。粒子状非晶質SiOは、製造時に従うパラメータと共に、或いは代わりにそれを用いて特定することもできる。
本発明に係る鋳型材料混合物は、少なくとも、
−耐火性の鋳型基材と、
−好ましくは、水ガラス、リン酸塩又はそれら2種の混合物に基づく無機バインダーと、
−ZrO及びSiOを生成するZrSiOの熱分解により得られる粒子状非晶質SiOからなる添加剤と、
を含んでいる。
本発明において用いられる粒子状非晶質SiOの走査型電子顕微鏡像である。 シリコン/フェロシリコンの製造時に製造され、本発明によらない非晶質SiOの走査型電子顕微鏡像である。 吸気ポート用コアの形状を有する試験片である。
鋳型材料混合物の製造に用いられる一般的な手順は、まず耐火性の鋳型基材混合物を取り、バインダー及び添加剤を、撹拌しながら同時に又は順次添加するというものである。もちろん、まず成分の全て又は一部を同時に又は別々に添加してもよく、添加中又は添加後に撹拌してもよい。好ましくは、バインダーは添加剤の前に添加される。鋳型基材中にバインダー及び添加剤が均一に分布していることが確実になるまで撹拌を行う。
次いで、鋳型基材を所定の形状に成形する。この工程において、慣用されている成形法が用いられる。例えば、コア用の射出成形機を用いて、圧縮空気により、鋳型材料混合物を成形型に鋳込んでもよい。他に可能な方法としては、鋳型材料混合物を、ミキサーから成形型中に自由流動させ、そこで、振盪、スタンピング又は圧縮により圧縮する方法がある。
本発明の一実施の形態において、鋳型材料混合物の硬化は、高温の成形型により硬化を行うホットボックス法を用いて行われる。高温の成形型は、好ましくは120℃、特に好ましくは120℃〜250℃の温度を有している。この方法において、好ましくは、鋳型材料混合物中にガス(CO又はCO濃度を高めた空気)を通過させ、この場合において、ガスは、好ましくは、欧州特許第1802409号明細書に記載のように、100〜180℃、特に好ましくは120〜150℃の温度を有している。上述の方法(ホットボックス法)は、好ましくは、コア用の射出成形機内で行われる。
これとは別に、硬化は、(ドイツ特許出願公開第102012103705号明細書に記載のように)CO、CO/ガス(空気等)混合物又はCO及びガス/ガス(空気等)混合物を、冷たい成形型中、又はそこに含まれる鋳型材料混合物中を連続して通過させることにより行うことができ、この場合において、「冷たい」という用語は、100℃未満、好ましくは50℃未満、特に室温(例えば、23℃)を表す。成形型中又は鋳型材料混合物中を透過させるガス又はガス混合物は、好ましくは、わずかに、例えば120℃、好ましくは100℃、特に好ましくは80℃の温度にまで加熱されていてもよい。
最後に、上述の2つの方法の代替法として、成形前に、鋳型材料混合物に、硬化反応を起こす液体又は固体の硬化剤を混合してもよい。
耐火性の鋳型基材(以下、単に「鋳型基材」と称する。)として用いることができる通常の材料を、鋳型の製造に用いることができる。好適な材料は、例えば、石英、ジルコニア又はクロミア砂、オリビン、バーミキュライト、ボーキサイト及び耐火粘土である。この方法において、新しい砂のみを用いることは必ずしも必要ない。資源の保全及び廃棄コストの回避のためには、再生された古い砂を可能な限り多くの割合で用いることが有利である。
例えば、好適な砂については、国際公開第2008/101688号(米国出願公開第2010/173767号明細書)に記載されている。洗浄及び乾燥により得られる再生材料もまた好適である。機械処理のみにより得られる再生材料を用いることもできる。一般に、再生材料は、鋳型基材の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%までを構成していてもよい。
一般に、鋳型基材の平均粒径は、100μm〜600μm、好ましくは120〜550μm、特に好ましくは150〜500μmである。粒径は、例えば、DIN66165(第2部)に準拠する篩分けにより決定できる。
更に、ガラスビーズ、ガラス粒子、「Cerabeads」若しくは「Carboaccucast」等の名称で知られる球状セラミック鋳型基材又はケイ酸アルミニウム微小中空ビーズ(いわゆるマイクロスフェア)等の合成鋳型材料を、鋳型基材として、具体的には、通常の鋳型基材への添加剤としてだけでなく、専用の鋳型基材としても用いることができる。そのようなケイ酸アルミニウム中空微粒子は、例えば、ノルダーシュテットのOmega Minerals Germany社より、「Omega−Spheres」の商品名で市販されている。対応する製品は、PQ社(米国)から、「Extendospheres」の商品名で市販されているものも入手可能である。
アルミニウムを用いた鋳造実験より、合成鋳型基材、例えば、ガラスビーズ、ガラス粒子又はマイクロスフェアを用いた場合、鋳造後に金属表面に付着して残る鋳物砂の量は、純粋な石英砂を用いた場合よりも少なかった。したがって、合成鋳型基材を用いると、鋳物の表面をより平滑に製造でき、ブラスティングによる面倒な後処理が不要になるか、少なくとも大幅に低減できる。
鋳型基材の全てが合成鋳型基材から作られる必要は必ずしもない。合成鋳型基材の好ましい割合は、それぞれの場合において、耐火性の鋳型基材の全体量に対し、少なくとも約3重量%、好ましくは少なくとも約5重量%、特に好ましくは少なくとも約10重量%、更に好ましくは少なくとも約15重量%、更に好ましくは少なくとも約20重量%である。
追加の成分として、本発明に係る鋳型材料混合物は、例えば、水ガラス系のもの等の無機バインダーを含んでいる。この場合において、用いられる水ガラスは、鋳型材料混合物においてバインダーとして従来から用いられていたもの等の通常の水ガラスであってよい。
これらの水ガラスは、水に溶解したアルカリのケイ酸塩を含んでおり、ガラス状のケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムを水に溶解することにより製造できる。
水ガラスは、好ましくは、1.6〜4.0、特に2.0以上3.5未満のSiO/MOモル比を有しており、ここで、Mは、リチウム、ナトリウム又はカリウムを表す。バインダーは、上述のアルカリイオンの2種以上を含む水ガラスに基づくものであってもよく、例えば、ドイツ特許出願公開第2652421号明細書(英国特許第1532847号明細書)に記載の、リチウム処理された水ガラスであってもよい。更に、水ガラスは、ホウ素、アルミニウム等の多価イオンを含んでいてもよい(対応する製品は、例えば、欧州特許出願公開第2305603号明細書(国際公開第2011/042132号)に記載されている。)。
水ガラスの固形分は、25〜65重量%、好ましくは30〜60重量%である。固形分とは、水ガラス中に含まれるSiO及びMOの量を意味する。
用途及び所望の強度レベルに応じて、それぞれの場合において、鋳型基材に対して、0.5重量%〜5重量%、好ましくは0.75重量%〜4重量%、特に好ましくは1重量%〜3.5重量%の水ガラス系バインダーが用いられる。記載されている重量%は、上述の固形分を有し、希釈剤を含む水ガラスに対する値である。
水ガラス系バインダーの代わりに、例えば米国特許第5,641,015号明細書に記載の水溶性リン酸ガラス及び/又はホウ酸ガラスを用いてもよい。
好ましいリン酸ガラスは、少なくとも200g/L、好ましくは少なくとも800g/Lの水への溶解度を有し、30〜80モル%のP、20〜70モル%のLiO、NaO又はKO、0〜30モル%のCaO、MgO又はZnO及び0〜15モル%のAl、Fe又はBを含んでいる。特に好ましい組成は、58〜72重量%のP、28〜42重量%のNaO及び0〜16重量%のCaOである。リン酸陰イオンは、好ましくはリン酸ガラス中に鎖状構造で存在する。
リン酸ガラスは、通常、約15〜65重量%、好ましくは約25〜60重量%の水溶液として用いられる。しかし、リン酸ガラスと水とを別々に鋳型基材に加えてもよく、この場合において、リン酸ガラスの少なくとも一部が、鋳型混合物の製造中に水に溶解する。
リン酸ガラス溶液の通常の添加量は、それぞれの場合において、鋳型基材に対して、0.5重量%〜15重量%、好ましくは0.75重量%〜12重量%、特に好ましくは1重量%〜10重量%である。それぞれの場合における含量の記載は、上述の固形分を有し、希釈剤を含むリン酸ガラス溶液に基づく値である。
いわゆるノーベイク法による硬化の場合、鋳型材料混合物は、好ましくは、混合物に熱を加えたりガスを透過させたりすることなく混合物を固化させる硬化剤も含んでいる。これらの硬化剤は、液体であっても固体であってもよく、本質的に、有機物であっても無機物であってもよい。
好適な有機硬化剤は、例えば、炭酸プロピレン等のカルボン酸エステル、ジ酢酸エチレングリコール、モノ酢酸、ジ酢酸及びトリ酢酸グリセロールエステル等の炭素数1〜8のモノカルボン酸と1価、2価又は3価アルコールとのエステル、及びγ−ブチロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状エステル等である。エステルは、互いに混合した状態で用いてもよい。
水ガラス系バインダー用の好適な有機硬化剤は、例えば、Lithopix P26 (Zschimmer and Schwarz社及びChemische Fabriken社製のリン酸アルミニウム)又はFabutit748(Chemische Fabrik Budenheim KG社製のリン酸アルミニウム)のようなリン酸塩である。
硬化剤とバインダーとの配合比は、例えば、加工時間及び/又は鋳型材料混合物の放置時間等の所望の性質に応じて変化する。有利には、硬化剤の比率(バインダー、水ガラスの場合には、溶媒中に含まれるケイ酸塩溶液又は他のバインダーの全重量に対する硬化剤の重量比)は、それぞれの場合において、バインダーに対し、5重量%以上、好ましくは8重量%以上、特に好ましくは10重量%以上である。上限は、バインダーに対し25重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。
鋳型材料混合物は、ZrO及びSiOを生成するZrSiOの熱分解処理により生成する、化学合成された粒子状の非晶質SiOを少量含んでいる。
対応する製品は、例えば、Possehl Erzkontor社、Doral Fused Materials社,Cofermin Rohstoffe社及びTAM Ceramics社から市販されている(ZrSiO処理品)。
驚くべきことに、本方法により化学的に合成された粒子状非晶質SiOを用いると、添加量及び反応条件が同一であると仮定した場合、シリコン又はフェロシリコンの製造、SiClの火炎加水分解又は沈殿反応等の他の製造方法により得られる非晶質SiOを用いる場合よりも、より高強度で、かつ/又はコア重量がより大きなコアが得られることが見出された。したがって、本発明に係る鋳型材料混合物においては、流動性が改善されており、そのため、同一圧力でより広範囲に圧縮することができる。
この方法により、従来よりも複雑な形状を有し、かつ/又は壁の厚さが小さなコアを製造できるため、いずれについても、鋳型材料混合物の使用特性に対し有利な効果を有している。一方、強度に対する要求の小さい単純な形状のコアの場合、バインダーの含有量を減少させることにより、方法の経済性を向上させることができる。鋳型材料混合物の圧縮性が向上すると、鋳型材料混合物中の粒子が、従来技術よりも緊密に結合して存在することにより、コアの表面の空孔が減少し、鋳物の表面粗さが減少するという他の利点を伴うこととなる。
この理論に束縛されることなく、本発明者は、優れた流動性は、本発明において用いられている粒子状非晶質SiOが、他の製造方法により製造された非晶質SiOよりも凝集する傾向が低く、強い剪断力が作用しない条件下でもより多くの1次粒子が存在するという事実によるものであると推測している。図1において、本発明に係るSiOにおいて、比較例に係る組成物(図2)よりも、個別の粒子がより多く存在していることがわかる。図2において、個々の球体が高度に癒着し、1次粒子に分割することができない大きな凝集体になっていることが確認できる。更に、2つの図は、本発明に係るSiOの1次粒子が、従来技術に係るものよりも幅広い粒子サイズの分布を有していることを示しており、これが、流動性の向上に寄与していると思われる。
粒子サイズは、動的光散乱装置Horiba LA950により決定され、スルーザレンズ検出器(TLD)を備えたFEI社製超高解像度走査型電子顕微鏡Nova NanoSem 230を用いて、走査型電子顕微鏡写真を撮影した。SEM測定のために、試料を蒸留水に分散し、銅片で被覆されたアルミニウム製ホルダーに加え、水を蒸発させた。このようにして、1次粒子の形状について、0.01μmオーダーまで可視化することができる。
製造方法に起因して、ZrSiOの処理により得られる非晶質SiOは、ジルコニウム化合物、特にZrOをなお含んでいる場合がある。ジルコニウムの含有量は、ZrO換算で、通常約12重量%未満、好ましくは約10重量%未満、特に好ましくは約8重量%未満、更に好ましくは約5重量%未満であり、一方、0.01重量%よりも多く、0.1重量%よりも多く、更には0.2重量%よりも多い。
更に、例えば、Fe、Al、P、HfO、TiO、CaO、NaO及びKOを、約8重量%未満、好ましくは約5重量%未満、特に好ましくは約3重量%未満の合計量で用いてもよい。
本発明に係る粒子状非晶質SiOの水分含量は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、特に好ましくは2重量%未満である。具体的には、非晶質SiOは、自由流動性の乾燥粉末として用いられる。粉末は、自由流動性であり、自重で注入するのに適している。
粒子状非晶質SiOの平均粒子サイズは、好ましくは、0.05μm〜10μm、特に0.1μm〜5μm、特に好ましくは0.1μm〜2μmであり、1次粒子が0.01μm〜約5μmの直径を有することがSEMにより確認された。測定は、Horiba LA950を用いて、動的光散乱法により行った。
粒子状非晶質二酸化ケイ素は、有利には、300μm未満の、好ましくは200μm未満の、特に好ましくは100μm未満の平均粒子サイズを有している。平均粒子サイズは、篩分析により決定することができる。メッシュ幅125μm(120メッシュ)の篩を1度通過させた場合の粒子状非晶質SiOの篩残渣は、好ましくは、10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、最も特に好ましくは2重量%以下である。
篩残渣は、DIN66165(第2部)に記載の機械的篩法を用い、篩の補助としてチェーンリングを更に用いて測定する。
本発明において用いられる粒子状非晶質SiOの、メッシュサイズ45μm(325メッシュ)の篩を1回通過後の残渣が、約10重量%以下、特に好ましくは約5重量%以下、最も特に好ましくは約2重量%以下である場合、有利であることが確認されている(DIN ISO 3310に準拠の篩)。
走査型電子顕微鏡像により、粒子状非晶質SiOの1次粒子(凝集せず、粒子間成長せず、融合していない粒子)の2次粒子(凝集し、粒子間成長し、かつ/又は融合した微粒子で、(明瞭な)球状をしていない粒子を含む。)に対する比率を測定できる。これらの像は、スルーレンズ検出器(TLD)を装備したFEI社製の走査型電子顕微鏡である超高感度型Nova NanoSem 230により得られる。
測定のために、試料を蒸留水に分散し、銅のバンドが接着されたアルミニウム製ホルダーに加え、水を蒸発させた。このようにして、1次粒子の形態の詳細について、0.01μmオーダーまで可視化することができる。
このようにして、粒子状非晶質SiOの1次粒子の2次粒子に対する比率は、互いに独立して以下のように有利に特徴付けられる。
a)全粒子数に対し、粒子の20%以上、好ましくは40%超、特に好ましくは60%超、最も特に好ましくは80%超の粒子が、ほぼ球状の1次粒子で存在し、それぞれの場合において、特に上述の限界値を有し、直径4μm未満、特に好ましくは2μm未満の球状の1次粒子の形態で存在する。
b)全粒子の合計体積に対し、粒子の体積20%超、好ましくは40体積%超、特に好ましくは60体積%超、最も特に好ましくは80体積%超の粒子が、ほぼ球状の1次粒子で存在し、それぞれの場合において、特に上述の限界値を有し、直径4μm未満、特に好ましくは2μm未満の球状の1次粒子の形態で存在する。個々の粒子のそれぞれの体積及び全粒子の合計体積の計算は、個々の粒子が球対称を有するという仮定の下、個々の粒子についてSEM撮影像により測定された直径を用いて行う。
c)全粒子の合計表面積に対し、粒子の20面積%超、好ましくは40面積%超、特に好ましくは60面積%超、最も特に好ましくは80面積%超の粒子が、ほぼ球状の1次粒子で存在し、それぞれの場合において、特に上述の限界値を有し、直径4μm未満、特に好ましくは2μm未満の球状の1次粒子の形態で存在する。
図1及び2に示すもの等の複数のSEM像の統計的評価により、比率を決定するが、この場合において、隣接する球状の(融合した)1次粒子のそれぞれの輪郭が識別できない場合に、凝集/粒子間成長/融合していると分類されるだけである。個々の粒子の輪郭が(そのように)認識できる重なり合った粒子の場合、写真の2次元性により、画像から実際の分類が不可能である場合でも、1次粒子であるとの分類がなされる。表面積の測定においては、視認可能な粒子の面積のみが評価され、全体に寄与する。
更に、本発明において用いられる粒子状非晶質SiOの比表面積は、DIN66131に準拠したガス吸着法(BET法、窒素)により測定できる。BET比表面積と圧縮性との間には、何らかの相関が存在するらしいことがわかった。本発明において用いられる好適な粒子状非晶質SiOは、35m/g以下、好ましくは20m/g以下、特に好ましくは17m/g以下、最も特に好ましくは15m/gのBETを有している。下限は、1m/g以上、好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上、最も特に好ましくは4m/g以上である。
意図される用途及び所望の強度レベルによるが、それぞれの場合において、鋳型基材に対し、0.1重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜1.8重量%、特に好ましくは0.1重量%〜1.5重量%の粒子状非晶質SiOが用いられる。
本発明において用いられる粒子状非晶質SiOに対する無機バインダーの比率は、広い範囲で変化させることができる。これにより、コアの初期硬度、すなわち、成形型から除去した直後の強度を、最終強度に殆ど影響を与えることなく大幅に変化させる機会を与える。これは、特に、軽金属鋳造において大きな関心事である。一方、製造直後に問題なくコアを輸送し又はそれらを組み合わせて完全なコアパケットを製造するためには、初期強度が高いことが望ましく、一方、鋳造後にコアを破壊する際の問題を回避するためには、最終強度は高すぎない方がよい。
バインダーの重量(存在しうる全ての希釈剤又は溶媒を含む)に対し、粒子状非晶質SiOは、好ましくは2重量%〜60重量%、特に好ましくは3重量%〜55重量%、最も特に好ましくは4重量%〜50重量%の割合で存在する。中でも、請求項の用語による「粒子状非晶質SiO」に対応する、合成的に製造された(粒子状)非晶質SiOは、具体的には水分含量5重量%未満、好ましくは3重量%未満、特には2重量%未満の粉末として用いられる(カール・フィッシャー法により測定された水分含量)。これとは独立に、(400℃における)強熱減量は、好ましくは6重量%未満、5重量%未満、更には4重量%未満である。
本発明において用いられる粒子状非晶質SiOは、バインダーの添加前若しくは添加後又はバインダーとの混合物として耐火性の材料に直接添加してもよい。好ましくは、本発明において用いられる粒子状非晶質SiOは、乾燥物として、かつバインダーの添加後に、粉末として、耐火性の材料に添加される。
本発明の他の実施の形態によると、まず、SiOと、水酸化ナトリウム等のアルカリ水酸化物水溶液と、必要に応じてバインダー又はバインダーの一部との予備混合物を調製し、次いで、耐火性の鋳型基材に混合する。予備混合物に用いられず、まだ利用可能なバインダー又はバインダーの一部は、予備混合物の添加の前若しくは後又は予備混合物と一緒に鋳型基材に添加してもよい。
他の実施の形態によると、粒子状非晶質SiOに加え、本発明に係るものではないが、欧州特許第1802409号明細書に記載の合成粒子状非晶質SiOを、例えば、1:1未満、の比率で用いることができる。
粒子状非晶質SiOの効果が「減衰する」場合、本発明に係るSiOと本発明によらないものとの混合物が有利である場合がある。本発明に係る粒子状非晶質SiOと、本発明によらないものとを鋳型材料混合物に添加することにより、鋳造鋳型の強度及び/又は圧縮性を系統的に調整できる。
他の実施の形態において、水ガラス系の無機バインダーの場合、本発明に係る鋳型材料混合物は、リン含有化合物を含んでいてもよい。そのような添加剤により、鋳型の非常に壁の薄い部位のコアの熱安定性を向上できるため、鋳型の非常に壁の薄い部位及び、特にコアの場合について好ましい。これは、鋳造後に液体金属が傾斜表面に接触し、そこで、高い溶湯静圧により強い腐食作用を及ぼす場合又は鋳型の特に壁の薄い部位の変形を起こすおそれがある場合には、特に有用である。
本方法において、好適なリン化合物は、本発明に係る鋳型材料混合物の処理時間に、殆ど/又は全く影響を与えない。この一例は、ヘキサメタリン酸ナトリウムである。他の好適な例及び添加量は、国際公開第2008/46653号に詳述されており、そのため、これも本出願の開示に組み込まれる。
本発明に係る鋳型材料混合物は、従来品よりも流動性が改善されているが、必要により、例えば、非常に狭い流路を有する成形型に完全に充填するために、層状の潤滑剤を添加することにより、更に増大できる。本発明の有利な実施の形態によると、本発明に係る鋳型材料混合物は、少量の層状の潤滑剤、具体的にはグラファイト又はMoOを含んでいる。添加される層状の潤滑剤、特にグラファイトの量は、好ましくは、鋳型基材に対し、0.05重量%〜1重量%である。
層状の潤滑剤の代わりに、界面活性物質、具体的には界面活性剤を用いてもよく、それらは、同様に鋳型材料混合物の流動性を更に向上させる。
これらの化合物の好適な例は、例えば、国際公開第2009/056320号(米国出願公開第2010/0326620号明細書)に記載されている。具体的には、硫酸基又はスルホン酸基を有する界面活性剤が挙げられる。他の好適な例及びそれぞれの添加量が詳述されており、そのため、これも本出願の開示に組み込まれる。
上述の成分以外に、本発明に係る鋳型材料混合物は、他の添加剤を含んでいてもよい。例えば、コアの成形型からの取り出しを容易にするために、離型剤を添加してもよい。好適な離型剤は、例えば、ステアリン酸カルシウム、脂肪酸エステル、ろう、天然樹脂又は特殊なアルキド樹脂を含んでいてもよい。これらの離型剤は、バインダーに可溶で、特に低温で長期間保存後も分離しない限りは、バインダー成分中に存在していてもよいが、添加剤の一部又は別個の成分として、鋳型材料混合物に添加されるものであってもよい。
鋳造面を改善するために、有機添加剤を添加してもよい。好適な有機添加剤は、例えば、ノボラック等のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールA−エポキシ樹脂、ビスフェノールF−エポキシ樹脂、エポキシ化ノボラック等のエポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール又はポリグリセロール等のポリオール、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン及び/又はプロピレン等のオレフィンと、酢酸ビニル又はスチレン等の他のコモノマー及び/又はブタジエン等のジエンモノマーとのコポリマー、ポリアミド−6、ポリアミド−12又はポリアミド−6,6等のポリアミド、バルサム樹脂等の天然樹脂、パルミチン酸セチルなどの脂肪酸エステル、エチレンジアミンビスステアラミド等の脂肪酸アミド、2価又は3価金属のステアリン酸塩又はオレイン酸塩等の金属せっけん又はデキストリン等の炭水化物である。炭水化物、具体的にはデキストリンが特に好適である。好適な炭水化物は、国際公開第2008/046651号に記載されている。有機添加剤は、純粋な物質として、及び種々の他の有機及び/又は無機化合物との混合物としてのいずれでも用いることができる。
有機添加剤は、それぞれの場合において、鋳型材料に対し、好ましくは0.01〜1.5重量%、特に好ましくは0.05重量%〜1.3重量%、最も特に好ましくは0.1重量%〜1重量%添加される。
更に、高湿度及び/又は水系の鋳型コーティング剤に対するコアの耐久性を向上させるために、本発明に係る鋳型材料混合物にシランを添加してもよい。更に好ましい実施形態によると、本発明に係る鋳型材料混合物は、少なくとも1種のシランを含んでいる。好適なシランは、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、ヒドロキシシラン及びウレイドシランである。好適なシランの例は、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−ウレイドプロピル−トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル−トリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)−トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン及びそれらのトリエトキシ類縁体化合物である。上述のシラン、特にアミノシランは、予め加水分解されていてもよい。通常、バインダーに対し約0.1重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%が用いられる。
他の好適な添加剤は、カリウムメチルシリコネート等のアルカリ金属シリコネートであり、バインダーに対し、約0.5重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、特に好ましくは約1重量%〜約5重量%を用いることができる。
鋳型材料混合物が有機添加剤を含む場合、基本的には混合物の製造工程のどの時点で混合物に添加してもよい。添加は、バルクで行ってもよく、溶液の形態で行ってもよい。
水溶性の有機添加剤は、水溶液の形態で用いてもよい。有機添加剤がバインダーに可溶で、その中で数ヶ月にわたり分解せず安定に保存可能であれば、それらをバインダーに溶解し、鋳型材料混合物にバインダーと一緒に添加してもよい。水不溶性の添加剤は、分散剤又はペーストの形態で用いることができる。分散剤又はペーストは、好ましくは、液体媒体として水を含んでいる。
鋳型材料混合物が、シラン及び/又はアルカリメチルシリコネートを含んでいる場合、それらは通常、予めバインダーに含ませることにより添加される。しかし、それらを別個の成分として鋳型材料に添加してもよい。
無機添加剤は、本発明に係る鋳型材料混合物の性質に有利な効果をもたらしうる。例えば、AFS Transactions,第88巻,pp.601−608(1980年)及び/又は第89巻,pp.47−54(1981年)に記載の炭酸塩は、保存中のコアの耐湿性を向上させ、国際公開第2008/046653号(カナダ出願公開第2666760号明細書)に記載のリン化合物は、水ガラス系のバインダーを用いた場合におけるコアの耐熱性を向上させる。
水ガラス系バインダーの成分としてのアルカリホウ酸塩は,例えば欧州特許第0111398号明細書に記載されている。
鋳造面を改善するために好適なBaSO系無機添加剤は、ドイツ出願公開第102012104934.3号明細書に記載されており、上述の有機添加剤の全部又は一部の代替物として鋳型材料混合物に添加できる。
個々の添加剤等の詳細は、ドイツ出願公開第102012104934.3号明細書に詳述されており、そのため、これも本出願の開示に組み込まれる。
本発明に係る鋳型材料により高い強度が達成されるが、これらの鋳型材料混合物により製造されるコアの使用は、特にアルミニウムの鋳造において、鋳造後の崩壊性が良好である。しかし、本発明に係る鋳型材料混合物より製造されるコアは、軽金属の鋳造にのみ限定されるものではない。鋳型は、金属の鋳造全般に好適である。そのような金属としては、例えば、真鍮及び青銅等の非鉄金属及び鉄系金属が挙げられる。
以下の実施例において、これらに限定されることなく、本発明をより詳細に説明する。
1.熱間硬化
1.1. 実験1:添加した粒子状非晶質SiOの種類に応じた強度及びコア重量
1.1.1 鋳型混合物の調製
1.1.1.1 SiOを添加しない場合
ホバートミキサー(HSM10型)のボウルに石英砂を加えた。撹拌しながらバインダーを添加し、それぞれの場合、砂と共に1分間激しく混合した。用いた砂、バインダーの種類及びそれぞれの量を表1に示す。
1.1.1.2 SiOを添加する場合
鋳型材料混合物にバインダーを添加後に、粒子状非晶質SiOを添加することを除き、1.1.1.1の手順により、同様に1分間混合した。粒子状非晶質SiOの種類及び添加量を表1に示す。
表1(実験1)鋳型材料混合物の組成
Figure 0006397415
1.1.1.2 SiOを添加する場合
1.1.2 試験片の作成
鋳型材料混合物の試験のために、150mm×22.36mm×22.36mmの寸法の直方体の試験片(いわゆるゲオルグ・フィッシャー試験片)を作成した。鋳型材料混合物の一部を、Roeperwerk−Giessereimaschinen社(ドイツ、フィールゼン)製のH2.5 Hot Box コア射出成形機の保存容器に移し、成形型を180℃に加熱した。残りの鋳型材料混合物は、乾燥から保護し、大気中のCOとの早期反応を防ぐため、注意深く密封した容器中で、コア射出成形機に充填するまでの間保存した。
圧縮空気(5bar)を用いて、保存容器から成形型に鋳型材料を導入した。加熱した成形型中で混合物を硬化するための放置時間は35秒間である。硬化工程を加速するために、最後の20秒間、成形型に加熱空気(2bar、成形型への導入時において100℃)を通した。成形型を開き、試験片を取り出した。コア重量を測定するための試験片は、同様の方法を用いて作成した。
1.1.3 試験片の試験
1.1.3.1 強度試験
曲げ強度の測定のために、3点曲げ装置を装着したゲオルグ・フィッシャー強度試験器に試験片を設置し、試験片の破壊に必要な力を測定した。
曲げ強度は、下記の手順に従って測定した。
取り出しから10秒後(熱間強度)
取り出しから約1時間後(冷間強度)
結果を表2に示す。
1.1.3.2 コア重量の測定
冷間強度の測定前に、ゲオルグ・フィッシャー試験片の重量を、実験室用天秤を用い、0.1gの精度で測定した。結果を表2に示す。
表2(実験1)曲げ強度及びコア重量
Figure 0006397415
結果:
表2から明らかなように、合成的に製造された粒子状非晶質SiOの製造方法は、コアの特性に明確な効果を及ぼす。無機バインダーと本発明に係るSiO2を用いて製造されたコアは、本発明によらないSiOを含むコアよりも高い強度及び高いコア重量を有している。
実施例1.5及び1.6は、有利な効果が、本発明に係る、ZrSiOの処理により得られる粒子状非晶質SiO中に存在するZrOによるものではないことを示している。
1.2. 実験2:合成的に製造された粒子状非晶質SiOの種類、砂及び射出圧に応じた鋳型材料混合物の流動性
1.2.1. 鋳型材料混合物の調製
1.1.1と同様に、鋳型材料混合物を調製した。組成を表3に示す。
表3(実験2)曲げ強度及びコア重量
Figure 0006397415
1.2.2 試験片の作成
合成的に製造された粒子状非晶質SiOの、鋳型材料混合物の流動性に及ぼす効果をより詳細に検討するために、鋳造作業で用いられ、ゲオルグ・フィッシャー試験片よりも大きく、複雑な形状(図3参照)を有する、いわゆる吸気ポート用コアを作成した。
予備試験の結果は、より複雑な形状を有する実際のコアを試験片として用いる場合における本実験の予測値が、より単純な形状を有するゲオルグ・フィッシャー流動性試験(S.Hasse,Giesserei−Lexikon,Fachverlag Schiele und Schoen)の結果よりも大きいことを示している。粒子形状の異なる3種類の異なる砂を鋳型基材として用いた。
鋳型材料混合物を、Roeperwerk−Giessereimaschinen社(ドイツ、フィールゼン)製のL6.5 コア射出成形機の保存容器に移し、成形型を180℃に加熱し、圧縮空気を用いて、保存容器から成形型に鋳型材料を導入した。本方法で用いた圧力を表4に示す。
加熱した成形型中で混合物を硬化するための放置時間は35秒間であった。硬化工程を加速するために、最後の20秒間、成形型に加熱空気(2bar、成形型への導入時において150℃)を通した。
成形型を開き、試験片を取り出した。
1.2.3 コア重量の測定
冷却後、実験室用天秤で0.1gの精度でコア重量を測定した。結果を表4に示す。
表4(実験2)種々の鋳型材料混合物のコア重量
Figure 0006397415
結果:
表4は、製造工程で使用されるコアに基づいて、本発明に係る鋳型材料混合物の流動性が、従来品よりも向上していることを示している。有利な効果は、砂の種類及び射出圧とは無関係である。
本発明に係るSiOに界面活性剤を更に添加すると、それほど顕著ではないものの、他の製造方法により得られた非晶質SiOを用いる場合よりも流動性の改善が見られた。
2.加熱しない成形型内でのガスによる硬化
2.1. 実験3:添加した粒子状物質SiOの種類に応じた強度及びコア重量
2.1.1. 鋳型材料混合物の調製
1.1.1と同様に、鋳型材料混合物を調製した。組成を表5に示す。
表5(実験3)鋳型材料混合物の組成
Figure 0006397415
2.1.2 試験片の作成
2.1.1 において調製した鋳型材料混合物の一部を、Roeperwerk−Giessereimaschinen社(ドイツ、フィールゼン)製のH1 コア射出成形機の保存容器に移した。残りの鋳型材料混合物は、乾燥から保護し、大気中のCOとの早期反応を防ぐため、注意深く密封した容器中で、コア射出成形機に充填するまでの間保存した。
圧縮空気(4bar)を用いて、保存容器から、直径50mm、高さ40mmの円形のコアの形成用の2つの溝を有する、加熱していない成形型に鋳型材料を射出した。
2.1.2.1. COと空気との組み合わせによる硬化
硬化のために、まず、鋳型材料混合物を充填した成形型にCOを、6秒間、COの流速2L/分で通し、次いで4barの圧縮空気を、鋳型材料混合物を充填した成形型に通した。2種類のガスの温度は、成形型への導入時において約23℃であった。
2.1.2.2. COによる硬化
硬化のために、鋳型材料混合物を充填した成形型に、COを、流速4L/分で通した。COの温度は、成形型への導入時において約23℃であった。
COによるガス処理時間を表7に示す。
表6(実験3)COと空気との組み合わせによる硬化後の圧縮強度及びコア重量
Figure 0006397415
表7(実験3)高温大気湿度下で保存し、COと空気との組み合わせによる硬化後の圧縮強度
Figure 0006397415
2.1.2.3. 空気による硬化
硬化のために、2barの空気を、鋳型材料混合物を充填した成形型に通した。空気の温度は、成形型への導入時において約22℃〜約25℃であった。
空気によるガス処理時間を表8に示す。
表8(実験3)圧縮強度
Figure 0006397415
2.1.3 試験片の試験
硬化後、試験片を成形型から取り出し、その直後、すなわち取り出し後15秒以内に、Zwick万能試験機(モデルZ010)を用いて、それらの圧縮強度を測定した。更に、試験片の圧縮強度は、24時間後にも測定を行い、いくつかの例については、調整室で3日間及び6日間保存後にも測定を行った。調整室(Rubarth Apparatus社)を用いることにより、一定の保存条件を確保した。
別記しない限り、温度を23℃、相対湿度を50%に設定した。表に示した数値は、それぞれの場合について8個のコアの平均値である。コア作成中の鋳型材料混合物の圧縮性を確認するために、COと空気との組み合わせによる硬化の場合、コアボックスから取り出して24時間後にコア重量を測定した。重量測定は、実験室用天秤を用い、0.1gの精度で行った。
強度試験及びコア重量の測定結果を、後者については実施したもののみについて、表6及び表7(COと空気との組み合わせによる硬化)、表8(COによる硬化)及び表9(空気による硬化)に示す。
表9(実験3)空気による硬化の場合における圧縮強度
Figure 0006397415
結果:
表6〜9から明らかなように、従来品に対する粒子状非晶質SiOの優れた特性は、熱間硬化(表2)の場合に限定されず、COと空気との組み合わせを用いた鋳型材料混合物の硬化、COを用いた鋳型材料混合物の硬化、空気を用いた鋳型材料混合物の硬化においても観測された。
3.冷間硬化
3.1.実験4:添加した粒子状物質SiOの種類に依存する強度及びコア重量
3.1.1 鋳型混合物の調製
3.1.1.1 SiOを添加しない場合
ホバートミキサー(HSM10型)のボウルにQuarzwerke Frechen社製の石英砂を加えた。撹拌しながら、まず硬化剤を、次いでバインダーを添加し、それぞれの場合、砂と共に1分間激しく撹拌した。
硬化剤及びバインダーのそれぞれの添加量及び種類えお個々の実験で示す。
3.1.1.2.SiOを添加する場合
鋳型材料混合物にバインダーを添加後に、粒子状非晶質SiOを添加し同様に1分間混合したことを除き、3.1.1の手順に従った。粒子状非晶質SiOの添加量及び種類を個々の実験に示す。
3.1.2 試験片の作成
試験片の作成に用いた鋳型材料混合物の組成を、重量部(PBW)単位で表10に示す。
鋳型材料混合物の試験のために、220mm×22.36mm×22.36mmの寸法の直方体の試験片(いわゆるゲオルグ・フィッシャー試験片)を作成した。3.1.1により調製した混合物の一部を、8本の溝を有する成形型に手作業で導入し、手動プレートで押圧することにより圧縮した。
処理時間(PT)、すなわち、鋳型材料混合物を困難なく圧縮するのに必要な時間は、視認により測定した。処理時間を超過したことは、鋳型材料混合物が自由に流動しなくなり、巻き上がってしわの寄った薄片状になった際に確認できる。個々の混合物の処理時間を表10に示す。
剥離時間(ST)、すなわち、その時間を経過すると鋳型材料混合物が固化し、その時点で成形型から取り出すことができる時間を測定するために、個々の混合物の第2の一部を、高さ100mm、直径100mmの円形鋳型に手で充填し、同様に手動プレートで圧縮した。次いで、ゲオルグ・フィッシャー表面硬さ試験機を用いて、圧縮した鋳型材料混合物の表面硬さを、所定の時間間隔で試験した。試験球がコアの表面に侵入しなくなった直後の時点が、剥離時間に到達した時点である。個々の混合物の剥離時間を表10に示す。
表10(実験4)鋳型材料混合物の組成
Figure 0006397415
3.1.3 試験片の試験
3.1.3.1 強度試験
曲げ強度の測定のために、3点曲げ装置を装着したゲオルグ・フィッシャー強度試験器に試験片を設置し、試験片の破壊に必要な力を測定した。
曲げ強度は、下記の手順に従って測定した。
作成から4時間後
作成から24時間後
結果を表10に示す。
3.1.3.2 コア重量の測定
強度の測定前に、ゲオルグ・フィッシャー試験片の重量を、実験室用天秤を用い、0.1gの精度で測定した。結果を表10に示す。
結果:
表11は、粒子状非晶質SiOの添加が、強度及びコア重量に関して、エステル混合物(実施例4.1〜4.6)及びリン酸エステル系硬化剤(実施例4.7〜4.11)を用いた冷間硬化において、従来品よりも有利な効果を有することを示している。
表11(実験4)曲げ強度及びコア重量
Figure 0006397415
(付記)
(付記1)
−耐火性の鋳型基材と、
−無機バインダーと、
−ZrO 及びSiO を生成するZrSiO の熱分解により得られる粒子状非晶質SiO と、
を少なくとも含む、金属加工用の鋳型及びコアの製造用の鋳型材料混合物。
(付記2)
前記粒子状非晶質SiO が、1m /g以上35m /g以下、好ましくは17m /g以下、特に好ましくは15m /g以下のBETを有する付記1に記載の鋳型材料混合物。
(付記3)
動的光散乱法により決定される、前記鋳型材料混合物中の前記粒子状非晶質SiO の平均粒子サイズ(直径)が、0.05μm〜10μm、特に0.1μm〜5μm、特に好ましくは0.1μm〜2μmである付記1又は2に記載の鋳型材料混合物。
(付記4)
前記鋳型材料混合物が、前記鋳型基材に対して、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%であるとともに、これと独立して、前記バインダーの重量に対して2〜60重量%、特に好ましくは4〜50重量%である前記粒子状非晶質SiO を含有し、前記バインダーの固形分が、25〜65重量%、好ましくは30〜60重量%である付記1〜3のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記5)
前記粒子状非晶質SiO の水分含量が10重量%未満、特に5重量%未満、特に好ましくは2重量%未満であり、それと独立して、特に粉末として用いられる付記1〜4のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記6)
前記鋳型材料混合物が、最大1重量%、好ましくは最大0.2重量%の有機化合物を含んでいる付記1から5のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記7)
前記無機バインダーが、少なくとも水溶性リン酸ガラス、水溶性ホウ酸ガラス及び/又は水ガラス、特に、SiO /M Oのモル比が1.6〜4.0、特には2.0以上3.5未満である水ガラスであって、Mがリチウム、ナトリウム及び/又はカリウムである、水ガラス、である付記1から6のいずれか1つに記載の鋳型材料組成物。
(付記8)
前記鋳型材料混合物が、前記鋳型基材に対し0.5〜5重量%の水ガラス、好ましくは1〜3.5重量%の水ガラスを含有し、当該水ガラスの固形分が25〜65重量%、好ましくは30〜60重量%である付記1から7のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記9)
前記鋳型材料混合物が、界面活性剤、好ましくはアニオン性界面活性剤、特に硫酸基又はスルホン酸基を有するものであって、具体的には、硫酸オレイル、硫酸ミリスチル、硫酸ラウリル、硫酸デシル、硫酸オクチル、硫酸2−エチルヘキシル、硫酸2−エチルオクチル、硫酸2−エチルデシル、硫酸パルミトレイル、硫酸リノリル、リン酸ヘキシル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸カプリル、リン酸ラウリル、リン酸ミリスチル、リン酸パルミチル、リン酸パルミトレイル、リン酸オレイル、リン酸ステアリル、ポリ−(1,2−エタンジイル)フェノールヒドロキシリン酸塩、リン酸ポリ−(1,2−エタンジイル)ステアリル、及びリン酸ポリ−(1,2−エタンジイル)オレイルの群から選択される1又は複数を追加的に含有する付記1から8のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記10)
前記鋳型材料混合物中に存在する前記界面活性剤の割合が、前記耐火性の鋳型基材の重量に対し、0.001〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.2重量%である付記9に記載の鋳型材料混合物。
(付記11)
前記鋳型材料混合物が、グラファイトを、好ましくは、前記耐火性の鋳型基材の重量に対し、0.05〜1重量%、特に0.05〜0.5重量%含有する付記1から10のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記12)
前記鋳型材料混合物が、少なくとも1のリン含有化合物を、好ましくは、前記耐火性の鋳型基材の重量に対し、0.05〜1.0重量%、特に好ましくは、0.1〜0.5重量%含有する付記1から11のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記13)
前記粒子状非晶質SiO が、粉末、好ましくは無水の粉末、必要に応じて大気中の水分に起因する以外の水分を含まない粉末として用いられる付記1から12のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記14)
硬化剤、特に少なくとも1のエステル又はリン酸化合物が前記鋳型材料混合物に添加されている付記1から13のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物。
(付記15)
−付記1から14のいずれか1つに記載の前記鋳型材料混合物を調製することと、
−前記鋳型材料混合物を鋳型に鋳込むことと、
−前記鋳型材料混合物を硬化させることと、
を含む鋳型又はコアの製造方法。
(付記16)
前記鋳型材料混合物が、射出成形機を用いて圧縮空気により前記鋳型に導入され、前記鋳型が成形型であり、該成形型に1又は複数のガス、特にCO を通過させる付記15に記載の方法。
(付記17)
前記鋳型材料混合物を、100℃以上の温度に5分間未満曝露して硬化させる付記15又は16に記載の方法。
(付記18)
粒子状非晶質SiO を用い、特に、180℃以上で、220mm×22.36mm×22.36mmのゲオルグ・フィッシャー試験片の形状に熱間硬化させた鋳型材料混合物が、前記粒子状非晶質SiO の代わりに、Elkem社製のMicrosilica 971を用いた以外は同一の鋳型材料混合物を用い、同一条件下で、同様に製造した220mm×22.36mm×22.36mmのゲオルグ・フィッシャー試験片に対し、コア重量が、1%、好ましくは1.5%、特に好ましくは2.0%、更に好ましくは2.5%、最も好ましくは3.0%増大する付記15から17のいずれか1つに記載の方法。
(付記19)
付記15から18のいずれか1つに記載の方法により得られる鋳型又はコア。
(付記20)
好ましくは中空状マイクロスフェア、特にケイ酸アルミニウム中空状マイクロスフェア及び/又はボロシリケート中空状マイクロスフェアを含有するアルミニウム鋳造における付記1から14のいずれか1つに記載の鋳型材料混合物の使用。

Claims (19)

  1. −耐火性の鋳型基材と、
    −無機バインダーと、
    −ZrO及びSiOを生成するZrSiOの熱分解により得られる粒子状非晶質SiOと、
    を少なくとも含み、
    前記粒子状非晶質SiOは、ジルコニウム化合物を含有し、1m/g以上35m/g以下のBET比表面積を有しており、
    前記粒子状非晶質SiO中のZrの含有量は、前記ジルコニウム化合物をZrOとして計算すると、前記粒子状非晶質SiOの全量の0.01重量%よりも多く、12重量%よりも少ない、
    金属加工用の鋳型又はコアの製造用の鋳型材料混合物。
  2. 前記粒子状非晶質SiOが、1m/g以上17m/g以下のBET比表面積を有する請求項1に記載の鋳型材料混合物。
  3. 動的光散乱法により決定される、前記鋳型材料混合物中の前記粒子状非晶質SiOの平均粒子サイズ(直径)が、0.05μm〜10μmである請求項1又は2に記載の鋳型材料混合物。
  4. 前記鋳型材料混合物が、前記鋳型基材に対して、0.1〜2重量%であるとともに、これと独立して、前記バインダーの重量に対して2〜60重量%である前記粒子状非晶質SiOを含有し、前記バインダーの固形分が、25〜65重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  5. 前記粒子状非晶質SiOの水分含量が10重量%未満であり、それと独立して、粉末として用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  6. 前記鋳型材料混合物が、最大1重量%の有機化合物を含んでいる請求項1から5のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  7. 前記無機バインダーが、少なくとも水溶性リン酸ガラス、水溶性ホウ酸ガラス及び/又は水ガラスである請求項1から6のいずれか1項に記載の鋳型材料組成物。
  8. 前記鋳型材料混合物が、前記鋳型基材に対し0.5〜5重量%の水ガラスを含有し、当該水ガラスの固形分が25〜65重量%である請求項1から7のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  9. 前記鋳型材料混合物が、界面活性剤を追加的に含有する請求項1から8のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  10. 前記鋳型材料混合物中に存在する前記界面活性剤の割合が、前記耐火性の鋳型基材の重量に対し、0.001〜1重量%である請求項9に記載の鋳型材料混合物。
  11. 前記鋳型材料混合物が、グラファイトを含有する請求項1から10のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  12. 前記鋳型材料混合物が、少なくとも1のリン含有化合物を含有する請求項1から11のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  13. 前記粒子状非晶質SiOが、粉末として用いられる請求項1から12のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  14. 硬化剤が前記鋳型材料混合物に添加されている請求項1から13のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物。
  15. −請求項1から14のいずれか1項記載の前記鋳型材料混合物を調製することと、
    −前記鋳型材料混合物を鋳型に鋳込むことと、
    −前記鋳型材料混合物を硬化させることと、
    を含む鋳型又はコアの製造方法。
  16. 前記鋳型材料混合物が、射出成形機を用いて圧縮空気により前記鋳型に導入され、前記鋳型が成形型であり、該成形型に1又は複数のガスを通過させる請求項15に記載の方法。
  17. 前記鋳型材料混合物を、100℃以上の温度に5分間未満曝露して硬化させる請求項15又は16に記載の方法。
  18. 粒子状非晶質SiOを用い、180℃以上で、220mm×22.36mm×22.36mmのゲオルグ・フィッシャー試験片の形状に熱間硬化させた鋳型材料混合物が、前記粒子状非晶質SiOの代わりに、Elkem社製のMicrosilica 971を用いた以外は同一の鋳型材料混合物を用い、同一条件下で、同様に製造した220mm×22.36mm×22.36mmのゲオルグ・フィッシャー試験片に対し、コア重量が、1%増大する請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. ルミニウム鋳造における請求項1から14のいずれか1項に記載の鋳型材料混合物の使用であって、
    前記鋳型材料混合物が中空状マイクロスフェアを含有する、使用。
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