JP6396791B2 - 粉粒体散布装置及び粉粒体の散布方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、垂直乃至傾斜状に保持された管路と、管路の下端に所定の微小隙間を以って対向して置かれた底板を有する流動部と、管路と底板それぞれの部材に取り付けた振動手段と、振動手段の振動数、振幅を制御する振動・演算制御部を備えた粉粒体の定量供給装置が記載されている。
また本出願人も先に、連続搬送される基材上に粉粒体を散布する方法であって、粉粒体を一時貯留する供給部から粉粒体をスクリューフィーダで連続的に切り出し、切り出した粉粒体を落下させて振動搬送部で受け取り、該振動搬送部が備える振動体の振動で粉粒体を分散させながら搬送し、振動搬送部の散布口から粉粒体を基材上に連続散布する粉粒体の散布方法や装置を提案している(特許文献2参照)。
また、特許文献3には、ホッパー及びホッパーの下方に配されたフィーダを備え、固形食品等の固形原料を、ホッパーの下端部とフィーダの上面部との隙間から排出して下流に供給する固形原料供給ホッパー装置が記載されており、その装置においては、ホッパーの下端部前面に配したスットパに設けた袋部に流体を供給及び排出することによって、スットパを伸展及び屈曲させ、それにより、ホッパーの下端部とフィーダとの間に固形原料が詰まるブリッジ現象を容易に解消できる。
特許文献1の装置によれば、管路と底板との間の微小隙間から粉粒体が定量排出されるが、粉粒体が放射状に排出されるため、連続搬送される基材にその幅方向に亘って均一に粉粒体を散布させることは困難である。また、特許文献1の装置における振動手段は、振動手段を振動又は停止させることにより、微小隙間からの粉粒体の排出又は停止を制御するものである。
特許文献2の装置によれば、連続搬送される基材の幅方向に粉粒体を均一に分散させるできる。しかし、スクリューフィーダの脈動や振動搬送部上での粉粒体の重なりにより定量性の精度が低下する。
特許文献3の技術は、ホッパーの下端部とフィーダとの間に固形原料が詰まるブリッジ現象を解消する技術である。また、フィーダとして、直進振動フィーダを用いることが記載されているが、振動により、連続搬送される基材にその幅方向に亘って均一に粉粒体を散布させることは何ら開示されていない。
本発明は、前記の粉粒体散布装置を用いて、粉粒体を、連続搬送される基材上に散布する、粉粒体の散布方法を提供するものである。
図1には、本発明の粉粒体散布装置の好ましい実施形態が示されている。
図1に示す粉粒体散布装置1は、粉粒体3を、連続搬送される基材4上に連続して散布可能な装置である。粉粒体散布装置1は、粉粒体3を内部に一時的に貯蔵可能なホッパー2を備え、ホッパー2から排出させた粉粒体3を、ベルトコンベア5、搬送ロール等の公知の搬送装置により連続搬送される基材4上に散布するように配置されている。
本実施形態における粉粒体移動手段14は、水平面Hに対して傾斜した傾斜面14であり、トラフとも呼ばれる板状部材15の上面を形成している。板状部材15は、ホッパー2の底部壁22に固定されている。
振動体16としては、ピエゾ素子とも呼ばれる圧電素子を用いたものが好ましく用いられる。圧電素子を用いた振動体としては、例えば、圧電セラミックス、積層圧電アクチュエーター等を用いることができる。
振動体16は、ゲート部11に対して、主として粉粒体3の排出方向Aに沿う方向の振動を付与できるものが好ましい。本実施形態における排出方向Aは、傾斜面14の上側から傾斜下端14dに向かう方向である。
なお、ゲート部11の前壁21への固定方法及び板状部材15の底部壁22への固定方法としては、それぞれ、任意の方法を採用でき、例えば、ボルト、ナット等の締結具、溶接、接着剤等が挙げられる。
このようにして、粉粒体3は、基材4上に、基材4の幅方向Yに均一に分散した状態で散布される。
なお、本実施形態における傾斜面14は、傾斜面14をその法線方向から視て矩形状であり、図2に示すように、基材4の流れ方向Xにおいては、粉粒体3の落下開始点となる傾斜下端14dに向かって下降するように傾斜しているが、図3に示すように、基材4の幅方向Yにおいては傾斜していない。そのため、粉粒体3は、隙間13から排出された際の均一に分散した状態を維持しつつ傾斜面14上を移動し、基材4上に、幅方向Yに均一に分散した状態に散布される。
粉粒体3のサイズとの関係で言えば、隙間13の寸法W(図4)は、粉粒体3の最大粒子径の1倍以上3倍以下であることが好ましく、最大粒子径の1倍超2倍以下であることが更に好ましい。
隙間13の寸法Wを、粉粒体3の最大粒子径の1倍以上とすることで、散布動作中に粉粒体3が隙間13に詰まることを防止できる。また、隙間13の幅Wを、最大粒子径の3倍以下とすることで、粉粒体3が多重に重なり合って排出されることを抑制でき、基材4の幅方向Yにおける散布量の均一性及び基材4の流れ方向Yにおける散布量の均一性を共に向上させることができる。隙間13の寸法Wは、粉粒体3の排出方向Aにおける最小寸法である。また、隙間13の寸法Wは、幅方向Yにおける粉粒体3の重なり方の違いによる幅方向Yの均一性低下抑制のために、隙間13の長手方向の全長に渡って、均一である必要がある。均一とは、幅方向Yにおける寸法Wの最大値と最小値の差が、好ましくは最大粒子径以下、より好ましくは0.5×最大粒子径以下である。
<最大粒子径の測定方法>
本明細書においては、粒子径分布の測定を動的光散乱法を用いて行う。装置としては、例えば、HORIBA社製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA950V2を使用することができる。
斯かる観点から、ゲート部11の振動数は、粉粒体の物性(粒径、かさ密度、流動性など)により異なるが、100Hz以上1kHz以下であることが更に好ましく、振幅は、粉粒体の排出方向A及びその垂直方向Bのいずれについても粉粒体3の最大粒子径の1/1000倍以上1倍以下であること更が好ましい。ゲート部11の振動は、ゲート部11の隙間に近接する部位における振動を計測し、本実施形態においてはゲート部11の下端部11dの振動を計測する。
他方、傾斜面14の傾きθは、傾斜面14上での粉粒体の滞留を防止する観点から、マイナス安息角以上であることが好ましく、0°以上であることがより好ましい。
安息角は、JIS R 9301−1−2に規定されるアルミナ粉体の安息角の測定法に準拠して測定される。
また、振動体16による振動が、該ゲート部11に対して垂直方向又は傾いて付与されることが好ましい。振動体16による振動が、ゲート部11に対して垂直方向又は傾いて付与されるとは、図4に示すように、振動体16の主たる振動方向bの、粉粒体の排出方向Aに対する角度が、時計回りをブラス方向とした際、−90°より大きく、90°より小さいことを意味する。特に、−45°〜45°の方向に振動を加えることが、振動方向bの排出方向A方向成分がA方向に対して垂直な成分より大きくなることで排出方向に振動が優位に伝わり、粉粒体の均一な排出に寄与する観点から好ましい。
斯かる構成を有することで、粉粒体が隙間13から排出方向Aに効率よく排出可能となっている。
シート状の基材上に粉粒体を散布する場合の一例としては、被酸化性金属の粒子、電解質及び水を含む発熱シートを製造する際に、連続搬送される繊維シートからなるシート状の基材上に、高吸水性ポリマーの粒子、金属粒子、固形の塩等の一つ又は2以上を散布する場合等が挙げられる。
例えば、図1に示す粉粒体散布装置は、粉粒体の散布部10を基材4の搬送方向Xにおける1箇所に有するものであったが、本発明の粉粒体散布装置は、そのような粉粒体の散布部を、基材4の搬送方向Xにおける2箇所以上に有するものであっても良い。散布部を複数個設けることで、散布される粉粒体の量を増加させることが可能となる。さらに異なる散布部から粉粒体を排出することで、誤差伝搬の確率論から排出される粉粒体の量の振れが低減可能となる。例えば、1つの排出部における粉粒体の量と振れをM±mとする。このとき2つの排出部から排出される粉粒体の量と振れは、2M±√2mとなり、粉粒体の量は2倍に増加させることが可能であり、かつ振れは2倍ではなく√2倍となり振れを低減させることが可能となっている。
また、粉粒体散布装置に、粉粒体の散布部10を複数設ける場合、複数の散布部10は、基材4の流れ方向Xに沿って直列に配置しても良いし、基材4の幅方向Yに並べて配置しても良い。
図1〜図4に示す粉粒体散布装置により、下記の各粉粒体を、下記の各条件にて散布した。散布は、120秒間連続して行い、その散布動作中には、振動体により、ゲート部に連続して同一振幅及び同一振動数の振動を付与した。ゲート部の下端部11dの振動は、振幅10μm、振動数300Hzであった。
粉粒体1:高吸収性ポリマーの粒子(最大粒子径1.0mm)
(条件1)隙間13の幅W:1.5mm、傾斜面14の傾斜角θ:28°
(条件2)隙間13の幅W:1.4mm、傾斜面14の傾斜角θ:25°
粉粒体2:塩(NaCl)の固形粒子(最大粒子径1.0mm)
(条件3)隙間13の幅W:2.3mm、傾斜面14の傾斜角θ:15°
(条件4)隙間13の幅W:2.3mm、傾斜面14の傾斜角θ:10°
粉粒体1の安息角:41°
粉粒体2の安息角:35°
また、図9に示す2値化画像を、左右方向に4分割し、その各領域中に含まれる黒色部分の画素数を求めた。図10に、各領域ごとに、全体画素数に対する割合を示した。図10の横軸は、各領域1〜4を示し、各領域の番号は、図9の左右方向の最も左側の領域から最も右側の領域に向かって順に1,2,3,4としてある。
また、全体画素数に対する割合は、各領域中の黒色部分の画素数N1の、全領域中の黒色部分の画素数の合計NTに対する割合(N1/NT)である。
2 ホッパー
3 粉粒体
4 基材
5 ベルトコンベア
10 散布部
11 ゲート部
11d ゲート部の下端部(隙間に近接する部分)
13 隙間
14 傾斜面(粉粒体移動手段)
14d 傾斜下端
14A〜14C 粉粒体移動手段
15 板状部材
16 振動体
Claims (7)
- 粉粒体を内部に一時的に貯蔵可能なホッパーを備え、該ホッパーから排出させた粉粒体を、連続搬送される基材上に散布可能な粉粒体散布装置であって、
前記ホッパーの下部にゲート部を備え、該ゲート部の下側には、該ゲート部との間に、前記粉粒体の排出口として機能する隙間を形成する粉粒体移動手段を備えており、
前記ゲート部に、前記粉粒体の散布時に、前記隙間に近接する部分が連続して振動するようにする振動体を備えており、
前記ゲート部の振動は、振動数が100Hz以上1kHz以下であり、振幅が、前記粉粒体の排出方向及びその垂直方向のいずれについても前記粉粒体の最大粒子径以下である、粉粒体散布装置。 - 前記ゲート部に付与する振動の振幅及び振動数の少なくとも一方を変化させることにより前記隙間から排出される前記粉粒体の散布量を調整可能である、請求項1に記載の粉粒体散布装置。
- 前記隙間は、前記粉粒体の最大粒子径の1倍以上3倍以下である、請求項1又は2に記載の粉粒体散布装置。
- 前記粉粒体移動手段が、水平面に対して傾斜した傾斜面であり、該傾斜面の傾きが、前記粉粒体の安息角よりも小さい、請求項1〜3の何れか1項に記載の粉粒体散布装置。
- 前記ゲート部は、鉛直方向に対して水平方向に傾いており、前記振動体による振動が、該ゲート部に対して垂直方向又は傾いて付与される、請求項1〜4の何れか1項に記載の粉粒体散布装置。
- 前記ホッパーの粉粒体の排出口を2つ以上備えている、請求項1〜5の何れか1項に記載の粉粒体散布装置。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の粉粒体散布装置を用いて、粉粒体を、連続搬送される基材上に散布する、粉粒体の散布方法。
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