JP6394352B2 - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特にこのような画像形成装置に搭載されるベルト加熱方式あるいはフィルム加熱方式の定着装置に関するものである。
画像形成装置では、画像情報に基づいて像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像を紙やOHPシート等の記録材上に転写し、トナー像を担持した記録材を定着装置の定着ニップ部に通して熱と圧力により記録材上にトナー像を定着する。
従来の定着装置に広く採用されてきた熱ローラ方式は、ローラの熱容量が大きく、必要とするエネルギーが多大で、時間的にロスがあった。そのため、省エネを実現するため、熱容量の比較的小さな定着ベルトや、更に熱容量の小さな耐熱性フィルムを用いる構成が様々な形で提案されている。その一例として、固定された発熱層(抵抗発熱体)を定着ニップ部の範囲のベルトやフィルムの内周面に当接させて、ベルト/フィルムを素早く昇温させるものがある。そして、非通紙部の過昇温を抑制する目的で、発熱層付近にベルト/フィルムの幅方向(長手方向)で均熱化するための均熱部材(金属板)を配する構成も知られている(例えば特許文献1)。
しかしながら、このような均熱部材を導入する構成では、均熱部材を導入することにより定着装置全体の熱容量が増し、ウォームアップ時間が長くなり、また定着装置の消費電力量が増加するという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑み、非通紙部の過昇温対策として発熱層付近に均熱部材を配するベルト加熱方式やフィルム加熱方式の定着装置において、ウォームアップ時間及び消費電力量を改善することを課題とする。
上記課題は、未定着画像に接触して回転するベルト状定着部材と、該ベルト状定着部材とで定着ニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト状定着部材を加熱するヒータ部材と、前記ベルト状定着部材の長手方向の均熱化のために前記ヒータ部材に接して配される伝熱部材とを有する定着装置において、前記ヒータ部材が、ガラス又はセラミックから形成され用紙搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の基材と、該基材の表面に該基材の長手方向に延びるように形成された発熱体とから構成され、前記定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が前記押圧部材の側に突き出ており、前記発熱体が前記基材の定着ニップ部の側に設けられたことによって解決される。
本発明によれば、定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が押圧部材の側に突き出ているので、ニップ部での圧力分布を上流側よりも下流側で高くでき、トナーの温度が高く変形し易い下流側で高い圧力をかけ、トナー変形量を大きくして光沢度や定着強度の高い良好な画像を得ることができる。また下流側で高い圧力をかけることにより、ブリスタによる画像表面の荒れ等の異常画像を抑制することもでき、安定して良好な画像を提供することができる。
これに伴って、定着装置の設定温度を従来のものより低下させてもトナーを用紙に定着させることができる。したがって設定温度の低下に伴い、伝熱部材の導入により悪化したウォームアップ時間及び消費電力量を、改善することができる。
また、ヒータ部材と伝熱部材から成る加熱パッドの構成のみで非通紙部の過昇温対策とウォームアップ時間、消費電力量の改善を行うことができるため、少ないコストで、且つ簡便な構成で多くの効果を挙げることができる。定着ニップ部に加える総加重を変化させずに圧力分布のみを変更させて効果を得るため、定着ニップ部を形成する部材の材料や寸法を殆ど変更する必要がなく、大変簡便である。
更に、ヒータ部材の基材が熱伝導率及や容量の小さいガラス又はセラミックから構成されるので、金属を基材として用いるよりも基材への伝熱によるロスが少なく、定着ニップ部への伝熱効率が高くなる。この点を、ニップ出口側を高面圧にする構成と併せることで、ウォームアップ時間や消費電力量を改善する一層大きな効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置であるモノクロプリンタの構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を示す概略断面図である。 ヒータ部材の詳細断面である。 ヒータ部材の平面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置における定着ニップ部の圧力分布を示すグラフである。 ウォームアップ時における定着ベルト表面の温度変化を示すグラフである。 定着装置での通紙時における、非通紙部のベルト表面温度を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置を示す概略断面図である。 図8に係る定着装置での定着ニップ部の圧力分布を説明するグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る定着装置を示す概略断面図である。 図10に係る定着装置での定着ニップ部の圧力分布を説明するグラフである。
図1に、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのモノクロプリンタを示し、これに基づいて説明するが、当然ながら、本発明は、公知のカラー画像形成装置についても同様に適用可能なものである。モノクロプリンタには、既知のように、像担持体としての感光体8の周囲に画像を形成するのに必要な所定の装置、例えば、帯電手段、露光手段、現像手段等が設けられている。即ち、帯電手段としての帯電ローラ18、露光手段を構成するミラー20、現像手段としての現像ローラ22aを備えた現像装置22、転写装置10、クリーニングブレード24aを備えたクリーニング装置24等が配置されている。そして、帯電ローラ18と現像装置22の間において、ミラー20を介して感光体8上の露光部26に露光光Lbが照射され、走査されるようになっている。また、プリンタの下部には、給紙手段4が配され、画像形成部への用紙搬送路の途中にはレジストローラ対6が、用紙搬送路の終わりには定着ベルト28とヒータ部材56と加圧ローラ30を主構成部材とする定着装置12が設けられている。
給紙手段4は、記録材としての用紙Pが積載状態で収容される給紙トレイ14や、給紙トレイ14に収容された用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して送り出す給紙コロ16等を有している。給紙コロ16によって送り出された用紙Pはレジストローラ対6で一旦停止される。そして、姿勢ずれを矯正された後、感光体8の回転に同期するタイミングで、即ち、感光体8上に形成されたトナー像の先端と用紙Pの搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングでレジストローラ対6により転写部位Nへ送られる。
本プリンタにおける画像形成動作は従来と同様に行われる。即ち、感光体8が回転を始めると、感光体8の表面が帯電ローラ18により均一に帯電され、画像情報に基づいて露光光Lbが露光部26に照射、走査されて作成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体8の回転により現像装置22の対向位置へ移動し、ここでトナーが供給されて可視像化され、トナー像が形成される。感光体8上に形成されたトナー像は、所定のタイミングで転写部位Nに進入してきた用紙P上に転写装置10の転写バイアス印加により転写される。未定着画像たるトナー像を担持した用紙Pは定着装置12へ向けて搬送され、定着装置12で定着された後、機外の排紙トレイへ排出・スタックされる。転写部位Nで転写されずに感光体8上に残った残留トナーは、感光体8の回転に伴ってクリーニング装置24に至り、このクリーニング装置24を通過する間にクリーニングブレード24aにより掻き落とされて清掃される。その後、感光体8上の残留電位が既知の除電手段により除去され、次の作像工程に備えられる。
次に、図2に基づき、本発明の実施形態に係る定着装置の構成を説明する。定着装置12は、可撓性の耐熱性フィルムである無端の定着ベルト(ベルト状定着部材;以下、単に定着ベルトという)28と、その外周面に当接する押圧部材である加圧ローラ30と、ヒータ部材56とを有する。ヒータ部材56は、定着ベルト28の軸方向(長手方向)の均熱化のための伝熱部材50と共に、加圧ローラ30とで定着ニップ部SNを形成するニップ形成部材の機能を果たしており、加熱パッドとも称される。伝熱部材50、ヒータ部材56、及びこれを保持するヒータホルダ57は装置側板に接続されたステー(支持部材)に支持され、加圧ローラ30により圧力を受けるこれらの部材の撓みが防止され、長手方向で均一なニップ幅が得られるようになっている。伝熱部材50と定着ベルト28の内周面との間に、低摩擦シートを介在させていてもよい。
また、定着ニップ部SN下流側であってヒータ部材56の上流側に、定着ベルト28の表面温度を検知する第1サーミスタ34が設けられ、ヒータ部材56自体の温度を検知する第2サーミスタ36がヒータホルダ57に設けられている。これらサーミスタの検知情報に基づいて、ヒータ部材56に電力を供給する電源40を制御する加熱制御手段42が備えられている。加熱制御手段42は、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータを意味し、ON/OFF制御やPIV制御等で定着ベルト28の表面温度が所定値になるように電力供給量が決められる。電源40から抵抗発熱体56aに電力を供給することで抵抗発熱体56aが温度上昇する。そして、ヒータ部材56の表面側に組み付けられ加熱される伝熱部材50に対して、定着ベルト28が、その内周面で接触摺動するので、ベルト温度が上昇し、定着ニップ部SNに搬送される用紙上の未定着画像を加熱して定着することができるのである。
定着ベルト28は、外径30mm、厚み10〜70μmのニッケル製基材と、この基材表面に被覆された弾性層と、更にその表面に形成された離型層を有している。基材に求められる特性として、機械的強度、柔軟性、定着温度における使用に耐え得る耐熱性等があげられる。ベルト基材はニッケルに限られず、SUS等、他の金属やポリイミド(PI)、PAI、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂等の耐熱樹脂材料で形成されていてもよい。弾性層は光沢ムラのない均一な画像を得るために、ベルト表面に柔軟性を与える目的で備えられ、ゴム硬度5〜50°(JIS-A)、厚み50〜150μmである。また定着温度における耐熱性から、材質としてはシリコーンゴムやフロロシリコーンゴム等が用いられる。耐久性を高めて離型性を確保する離型層は、PFA、PTFE、PEP等のフッ素系樹脂若しくはこれら樹脂の混合物で形成され、5〜50μm厚、好ましくは10〜30μm厚で設けられ、離型性と柔軟性を両立させている。必要に応じて、各層間にプライマー層を設けてもよく、また基材の内面に摺動時の耐久性を向上させる層を設けてもよい。
加圧ローラ30は、外径が30〜40mm程度であり、金属円筒の芯金30aと、この芯金30aの表面に形成された断熱性の高い弾性層30bと、その表面に形成された離型層30cとを有している。弾性層30bはシリコーンゴムで形成され、その厚みは0.3〜5mm程度、硬度20〜50°(Asker硬度)程度で構成されている。内部に気泡を有するスポンジ状のゴムでもよく、耐熱性が高いため、ウォームアップ時間(設定温度に到達するまでの時間)や消費電力量に対して有利である。離型層30cは、厚みが10〜100μm程度のフッ素樹脂(PFA又はPTFE)で形成されている。加圧ローラ30は既知のように、付勢手段によって定着ベルト28を介して伝熱部材50やヒータ部材56に圧接されている。加圧ローラ30は、画像形成装置に設けられたモータ等の駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され、回転する。この加圧ローラ30により定着ベルト28が連れ回り回転する。
ヒータ部材56は、定着ベルト28の軸方向に延びる長尺状の基材の表面に抵抗発熱体を形成させた板状の発熱体であり、定着ニップ部の側の基材表面に設けられた抵抗発熱体はサーマルヘッドやセラミックヒータ等である。抵抗発熱体を定着ニップ部の側に設けることで定着ニップ部への伝熱効率を高くできる。接触式の抵抗発熱体を用いることで、ニップ部の加圧機構と同時に加熱機構を備えることとなり、簡便な構成にすることができる。また非接触式(例えば輻射加熱)に比べて電力を熱に変換し定着ベルトに伝える効率が高く、ウォームアップ時間や消費電力量の観点でも有利である。
ヒータ部材56は、図3に示すように、例えばガラス等の低熱伝導率の基材56bの上に酸化ルテニウム系の抵抗発熱体56aを印刷して焼成し、その上にオーバーコート(OC)層56cを更に形成する構成である。定着ベルト28側に位置するOC層56cもガラス等で形成されているが、基材56bより薄く、基材側への伝熱よりもOC層側へ伝熱し易いため、定着ベルト28の加熱効率が向上する。なお基材等はセラミック等で形成することもできる。金属のような高熱伝導率材料を基材に用いるよりも、抵抗発熱体から基材への伝熱によるロスが小さくニップ部への伝熱効率が高くなり、より少ない電力量で定着ベルト28を加熱できる。また、ガラスやセラミックは熱的に安定であり、加熱した際に定着ニップ部に圧力を加えても疲労破壊し難い。特にガラスは加工が容易であるため、ガラスの加工によりニップ出口側を高面圧にする構成を低コストで実現することも可能である。
定着ベルト28の軸方向に延びるヒータ部材56は、図4に示すように、その長手方向、したがって用紙搬送方向と直交する方向に、長尺状の抵抗発熱体56aを延在させており、これに共通配線Wcomと個別配線W〜Wとが接続されている。第1の通電電極を構成する共通配線Wcomと、第2の通電電極を構成する個別配線W〜Wとは、抵抗発熱体56aに対して櫛歯状の導電部を形成しており、その結果、抵抗発熱体56aは複数の加熱領域(H〜H)を有することになる。端部の加熱領域H、Hは、最大通紙サイズの両端部をカバーするように対応して配設されている。そして各加熱領域は、個別配線W〜WをON/OFFすることで、個別に独立して加熱制御可能であり、用紙サイズや画像に応じて適切に加熱を行い、消費電力量を改善することができる。そのため、定着ベルト28の表面温度を検知する第1サーミスタ34やヒータ部材56の温度を検知する第2サーミスタ36は、各加熱領域に対応して配置されている。それらの検知情報や、更には通紙サイズ情報を加味して、加熱制御手段42によって各加熱領域が温度制御され、ヒータ部材の加熱割合を変化させる。通紙サイズ情報にも応じて加熱制御することで、非通紙域の温度が高くなりすぎる事態が回避され、非通紙域の過昇温による部材の破損や画像品質の低下を抑制できる。実際には、非通紙域に対応する部位で電力供給を完全に停止(オフ)してもよいが、極端に温度が下がり過ぎると、次の画像領域での定着温度への立ち上がりに間に合わないことがある。このため、画像領域に対応する第1の目標温度よりも低いが室温よりは所定値以上である第2の目標温度に定着ベルトを保つように温度制御され、非通紙域に対応する部位へも給電は行われる。
各加熱領域に櫛歯状の導電部が配されることによって、各加熱領域は複数の発熱部を有することとなり、例えば加熱領域Hでは櫛歯状電極によって10個の発熱部が形成され、該領域Hを加熱する。各加熱領域を共通配線で接続すると共に櫛歯状導電部で区分けすることで、同じ長さのヒータ部材56の各加熱領域、各発熱部を狭くすることができ、加熱時の温度ムラを抑制できる。特にヒータ部材長手方向端部の加熱領域H、Hでは、他の加熱領域H〜Hよりも櫛歯状電極の間隔が狭いことで区分けされた発熱部も狭くなっており、長手方向での単位長さ当たりの発熱量が高くなっている。本構成では、各加熱領域の加熱制御を個別に行うが、長手方向中心から左右対称な位置にある加熱領域(HとH、HとH)が同時にON/OFF可能なように構成することもでき、これにより加熱制御に必要なスイッチ素子の数を低減することができる。
図4の構成例では加熱領域を5つに分けているが、より多く、例えば9分割して、未定着画像を形成するトナーを一層局所的に加熱して、基材側への伝熱ロスを減らすこともできるし、逆に3分割等、少なくすることも可能である。加熱領域を分割させたことと、熱伝導率の低いガラス等を基材として用いることとで、定着ベルトを効率よく加熱することができる。
上記の構成例では、ヒータ部材の抵抗発熱体の形状を工夫することで単位長さ当たりの発熱密度を調整し、端部の温度低下を防止することが可能である。特に端部の発熱体だけでは端部からの熱逃げに対応できない問題にも複数の発熱部によって任意長さの端部領域の発熱密度を上げることができ、必要な発熱量が確保可能である。上記の構成例ではヒータ部材が櫛歯状の導電部を有しており、単位長さの当たりの発熱量が高い発熱部は、発熱量が低い発熱部よりも前記櫛歯の間隔が狭く形成されている。間隔が狭く抵抗が小さいため、同じ電源電圧が印加されると電流がより多く流れ、発熱量が増える。ちなみに、この図では端部の加熱領域で発熱密度を揃えている。
ヒータ部材56の抵抗発熱体56aと定着ベルト28、したがって定着ニップ部SNの間に配される伝熱部材50は、銅やアルミ等の高熱伝導材料から形成される。ヒータ部材56と伝熱部材50は、熱伝導グリスや熱伝導シート等を用いて密着性を向上させてもよい。密着性の向上によって、ヒータ部材の裏面側(定着ベルトと反対側)よりも表面側への伝熱性が高まり、ベルト加熱を確実にするとともに、ヒータ長手方向の伝熱性を向上させ均熱性を確保できる。またヒータ部材56の抵抗発熱体56aと伝熱部材50は絶縁層を介在させていて、抵抗発熱体56aに投入される電力で伝熱部材50に電流が流れないようになっている。
そして伝熱部材50は、図2で分かるように、定着ニップ部SNの用紙入口側に対して出口側の方が厚くなっている。これにより定着ニップ部SNにおける伝熱部材50の押圧力は用紙入口側よりも出口側の方が大きくなる。厚みを調整するという簡便な構成で定着ニップ部の圧力分布を変えることができ、コストを抑えることができる。定着ニップ部SNの圧力(面圧)分布を図5に示す。曲線aは伝熱部材50の厚さが均一である従来の構成であり、ニップ部の中央の圧力が大きくなっている。これに対し曲線bは本実施形態における構成であり、定着ニップ部の入口側(用紙搬送上流側)よりも出口側(用紙搬送下流側)に圧力の高い領域がずれている。定着装置の動作でも、後述するように、伝熱部材50がこのような構成をとることで定着装置の設定温度を下げてもトナーを用紙に定着させることができ、伝熱部材の採用により悪化したウォームアップ時間及び消費電力量を改善することができる。ちなみに、定着ニップ部SNにおける押圧力を用紙入口側よりも出口側の方で大きくするには、加熱パッドが用紙出口側で突き出る構成になっていればよいので、ヒータ部材の基材56bの用紙出口側が入口側より加圧ローラ側に出ている構成としてもよい。そのような構成であれば、伝熱部材50の厚みを均一にしたままでも圧力分布を変えることができる。
また、ヒータ部材56はヒータホルダ57によって、その裏面側から保持されている。ヒータホルダ57への熱伝導ができる限り少なくなるよう、ヒータホルダ57はヒータ部材56の裏面全面に接触せず、部分接触にとどまるように形作られており、LCP等の耐熱性樹脂であって熱伝導率の低い材料が用いられている。
図6に、定着装置のウォームアップ時における定着ベルト表面の温度変化について、本実施形態と従来例を比較したものを示す。定着ベルト表面の設定温度を170℃として制御加熱した。曲線aは伝熱部材50の厚さが均一である従来の構成(加熱パッドの厚さが均一)によるものであり、ウォームアップ時間が10秒である。これに対し曲線bは本実施形態に係る構成によるもので、ニップ出口側での面圧を高くしたことにより良好な画像が得られるため、設定温度を165℃と従来の構成に対し5℃低減させることができる。これにしたがってウォームアップ時間を8秒、と従来の構成に対し2秒短くすることができた。一方、曲線cは従来の構成(a)に対し伝熱部材を除いた構成によるもので、ニップ部の熱容量の低下に伴って温度上昇速度が速くなっているが、ウォームアップ時間は8秒であって。本実施形態における構成(b)は、これと同程度にすることが可能であった。
一方で、図7に、定着装置の通紙時における、非通紙部のベルト表面温度を示す。図6と同様、曲線aは伝熱部材50の厚さが均一である従来の構成によるものであり、ベルト表面温度は210℃まで上昇する。曲線bは本実施形態に係る構成によるもので、ベルト表面温度は205℃と従来の構成(a)と同等以下の温度である。曲線cは従来の構成(a)に対し伝熱部材を除いた構成によるもので、非通紙部から伝熱部材を介した通紙部への熱の移動が無くなっている分、ベルト表面温度は230℃と過剰に高くなった。
以上から、本実施形態では、ウォームアップ時間を、従来の伝熱部材を用いない構成(c)と同程度に低減させることができ、且つ非通紙部のベルト表面温度の過昇温を従来の伝熱部材を用いた構成(a)と同等以上に抑制することができた。またウォームアップ時間の短縮に伴って、消費電力量も低減させることができる。
図8に、本発明の第2の実施形態を示す。上記第1の実施形態と比べて、加熱パッドの構成が相違する。抵抗発熱体56a及び基材56bは伝熱部材50を介さずに定着ベルト28と接触している。抵抗発熱体56aで定着ベルト28を直接加熱することで加熱効率を高めることができる。抵抗発熱体56aと伝熱部材50との間には、第1の実施形態と同様に、絶縁層が設けられている。伝熱部材50は、抵抗発熱体56a及び基材56bよりも定着ニップ部SNの用紙搬送下流側の抵抗発熱体56a/基材56bの側面に設けられている。このような位置であっても、伝熱部材50は加熱パッドの長手方向の均熱化を実現でき、連続通紙時の定着ベルト28の非通紙部の過昇温を抑制することができる。また、加熱パッドの定着ベルト28と接触する面において、用紙搬送下流側に位置する伝熱部材50の方が加圧ローラ側に突き出た形状となっている。図8の例では、加熱パッドの定着ベルト28と接触する面が、基材56bの領域で一定で抵抗発熱体56aの領域で漸次加圧ローラ側に突き出て、抵抗発熱体56aの領域で最も加圧ローラ側に突き出ている。定着ベルト28の摺動時にベルト内周面が損なわれないように、接触端部が滑らかな丸みを帯びているのがよい。
加熱パッドが以上のような構成であることにより、圧力分布は図9の曲線cに示すようになり、従来構成(曲線a)に比べてニップ部の用紙搬送下流側の圧力が高い。したがって本実施形態では第1の実施形態と同様にニップ部下流側で高い圧力がかかり、光沢度や定着強度の高い良好な画像を得ることができ、定着装置の設定温度を下げてウォームアップ時間や消費電力量を改善することができる。なお、図8のような構成に代えて、伝熱部材50を定着ベルト28の反対側の基材56bの表面に配し、基材56b/抵抗発熱体56aの定着ベルト28と接触する面を、用紙搬送下流側が加圧ローラ側に突き出る形状とすることも可能である。
図10aに、本発明の第3の実施形態を示す。上記第1の実施形態と比べて、加熱パッドの構成が相違する。加熱パッドの伝熱部材50の厚さが概ね一定であるが、その定着ベルト28に面した表面の用紙搬送方向下流側に突起部材(突起)51が設けられている。突起部材51は定着ベルト28の軸方向に延びている。突起部材51は、銅線のような細線を伝熱部材50に接着させて形成することができるが、伝熱部材50を塑性加工することにより成形してもよく、例えば図10bのように、平板である伝熱部材50をプレス絞り加工により突起部を成形してもよい。突起部材51によって定着ニップ部の圧力分布を調整でき、コスト的にも構造的にも好ましい。また本実施形態では突起部材を1つとしているが、2つ以上設けるようにしてもよい。
加熱パッドが以上のような構成となっていることにより、圧力分布は図11の曲線dに示すようになり、突起部材51の存在するニップ部下流側にて局所的に高い圧力となる。それゆえ、従来構成(曲線a)に比べてニップ部の用紙搬送方向下流側の圧力が高い。したがって本実施形態では第1の実施形態と同様にニップ部下流側で高い圧力がかかり、光沢度や定着強度の高い良好な画像を得ることができ、定着装置の設定温度を下げてウォームアップ時間や消費電力量を改善することができる。
28 定着ベルト
30 加圧ローラ
50 伝熱部材
56 ヒータ部材
56a 発熱体
56b 基材
56c オーバーコート層
57 ヒータホルダ
特許第3376160号公報

Claims (6)

  1. 未定着画像に接触して回転するベルト状定着部材と、該ベルト状定着部材とで定着ニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト状定着部材を加熱するヒータ部材と、前記ベルト状定着部材の長手方向の均熱化のために前記ヒータ部材に接して配される伝熱部材とを有する定着装置において、
    前記ヒータ部材が、ガラス又はセラミックから形成され用紙搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の基材と、該基材の表面に該基材の長手方向に延びるように形成された発熱体とから構成され、前記定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が前記押圧部材の側に突き出ており、前記発熱体が前記基材の定着ニップ部の側に設けられたことを特徴とする定着装置。
  2. 未定着画像に接触して回転するベルト状定着部材と、該ベルト状定着部材とで定着ニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト状定着部材を加熱するヒータ部材と、前記ベルト状定着部材の長手方向の均熱化のために前記ヒータ部材に接して配される伝熱部材とを有する定着装置において、
    前記ヒータ部材が、ガラス又はセラミックから形成され用紙搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の基材と、該基材の表面に該基材の長手方向に延びるように形成された発熱体とから構成され、前記定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が前記押圧部材の側に突き出ており、
    前記伝熱部材が前記発熱体と前記定着ニップ部の間に配され、その厚みが用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側で大きいことを特徴とする定着装置
  3. 未定着画像に接触して回転するベルト状定着部材と、該ベルト状定着部材とで定着ニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト状定着部材を加熱するヒータ部材と、前記ベルト状定着部材の長手方向の均熱化のために前記ヒータ部材に接して配される伝熱部材とを有する定着装置において、
    前記ヒータ部材が、ガラス又はセラミックから形成され用紙搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の基材と、該基材の表面に該基材の長手方向に延びるように形成された発熱体とから構成され、前記定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が前記押圧部材の側に突き出ており、
    前記伝熱部材が前記ヒータ部材の用紙搬送下流側に配されることを特徴とする定着装置
  4. 未定着画像に接触して回転するベルト状定着部材と、該ベルト状定着部材とで定着ニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト状定着部材を加熱するヒータ部材と、前記ベルト状定着部材の長手方向の均熱化のために前記ヒータ部材に接して配される伝熱部材とを有する定着装置において、
    前記ヒータ部材が、ガラス又はセラミックから形成され用紙搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の基材と、該基材の表面に該基材の長手方向に延びるように形成された発熱体とから構成され、前記定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が前記押圧部材の側に突き出ており、
    前記伝熱部材が前記発熱体と前記定着ニップ部の間に配され、その定着ニップ部に面する面の用紙搬送下流側に、1つ以上の突起を設けたことを特徴とする定着装置
  5. 未定着画像に接触して回転するベルト状定着部材と、該ベルト状定着部材とで定着ニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト状定着部材を加熱するヒータ部材と、前記ベルト状定着部材の長手方向の均熱化のために前記ヒータ部材に接して配される伝熱部材とを有する定着装置において、
    前記ヒータ部材が、ガラス又はセラミックから形成され用紙搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の基材と、該基材の表面に該基材の長手方向に延びるように形成された発熱体とから構成され、前記定着ニップ部の用紙搬送上流側よりも用紙搬送下流側の方が前記押圧部材の側に突き出ており、
    前記ヒータ部材が前記発熱体に接続する第1の通電電極と第2の通電電極を備え、前記発熱体が、用紙搬送方向と直交する方向に分割され且つそれぞれ長手方向に延びる複数の加熱領域を有し、前記第1の通電電極は前記複数の加熱領域に対する共通配線から構成され、前記第2の通電電極は各加熱領域に対する個別配線から構成され、各加熱領域は長手方向に複数の発熱部を有することを特徴とする定着装置
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の定着装置を有する画像形成装置。
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