JP6394240B2 - 繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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本発明は、繊維強化プラスチックの製造方法に関し、特に板厚の大きい繊維強化プラスチックの製造方法に関する。
生産性に優れた繊維強化プラスチック(iber einforced lastics:FRP)の成形方法として、ドライの強化繊維布帛からなる基材積層体を成形型内に配置し、マトリックス樹脂を型内に注入し強化繊維基材積層体内に含浸させ、樹脂を硬化させた後、成形品を脱型させる、いわゆるRTM成形方法が知られている。そして、比較的大型の成形品や肉厚の成形品を製造する場合には、効率のよい成形方法として、先に強化繊維基材積層体(例えば、複数枚の強化繊維基材)を所定形状に賦形して、FRPの成形前躯体である強化繊維基材積層体のプリフォームを作製し、そのプリフォームを成形型内に配置して、マトリックス樹脂を型内に注入し、基材に含浸した樹脂を硬化させる成形方法が採用されることが多い。
このようなRTM成形では、成形型を熱媒、電気ヒーターなどによって加熱し、含浸させた樹脂の硬化を促進させることができ、硬化温度を上昇させることでより短時間に成形体を得ることができる。
ところが、一般的なRTM成形方法では、特に板厚が大きい成形体を得ようとした場合に、成形型の厚み方向の中央部分においてマトリックス樹脂の硬化反応によって発生する熱が蓄積されて、硬化反応が過剰に進行してしまうため、成形体が着色して表面意匠性が低下し、さらにその部分の力学物性も低下してしまう問題が発生していた。
そこで、成形型を金属製として成形を行い、積層体表面から成形型への熱伝達を促すことで、硬化反応によって発生する過剰な熱を除去する方法が試みられている(特許文献1)。
また、強化繊維積層体内部に熱伝導率の高い材料を加えることで、強化繊維積層体内部の熱伝導を速やかに行う方法が知られている。例えば、特許文献2にはピッチ系炭素繊維からなる短繊維を含有させて熱伝導性を改善した炭素繊維強化複合材料が開示されている。
特開2004−58650号公報 特開2008−189866号公報
しかしながら、特許文献1に開示された金属型を用いる方法では、硬化時間が10分以内の短時間の成形を行う場合、硬化反応によって発生する単位時間あたりの熱量が成形型へ伝達される単位時間あたりの熱量を上回るため、硬化反応によって発生する熱を十分に除去することができなかった。
また、特許文献2に開示された方法では、特に大型の成形体を得る場合に、硬化反応によって発生する熱を十分に除去することができず、表面意匠性や力学物性の低下を防ぐことができなかった。これは、複合材料の内部の熱伝導性は高まっても、複合材料と型との熱伝導性は向上しないため、硬化反応によって発生する熱を十分に除去できなかったものと推測される。
したがって、従来のRTM成形方法では、たとえ強化繊維積層体を熱伝導率の良い積層構成としたところで、キャビティ内部で発生する過剰な熱を強化繊維積層体表面から成形型への熱伝達により十分に除去できず、表面意匠性や力学物性の高い成形体を得るためには、硬化温度を低下させ、かつ、硬化時間を長くする他なかった。
本発明の課題は、上記のような従来技術の現状に鑑み、RTM成形方法を用いてFRPを製造するに際し、成形型の厚み方向の中央部分においてマトリックス樹脂の硬化反応によって発生する熱を効率的に除去することである。それにより、板厚の大きい成形体であっても、および/または短時間で成形を行っても、表面意匠性が高く、かつ力学物性の高い成形体を得ることができる。
本発明者らは、このような知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、強化繊維積層体の内部に伝熱中間層を配設し、これを強化繊維積層体端面からキャビティ外へ延在させることで、キャビティ内部で発生する熱を効率よく除去できることを見出した。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法は、前記した課題を解決するために以下の構成を採るものである。すなわち、
(1)強化繊維基材を積層した強化繊維基材積層体を成形型のキャビティ内に配置し、前記成形型を閉じた後、樹脂を前記強化繊維基材積層体に含浸、硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法であって、前記強化繊維基材積層体は伝熱延在部を有する伝熱中間層を一層以上含み、前記伝熱延在部は前記キャビティ外に延設され、前記伝熱中間層は前記強化繊維基材の熱伝導率以上の熱伝導率を持つ、金属基材、セラミック基材、または繊維基材からなることを特徴とする、繊維強化プラスチックの製造方法。
(2)前記伝熱延在部が前記キャビティ外の型表面に接触している、前記(1)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(3)前記伝熱延在部が前記成形型の外にまで延設されている、前記(1)または(2)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(4)前記伝熱延在部が前記成形型よりも低い温度の部材と接触している、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(5)前記強化繊維基材積層体の厚み(T)に対する前記伝熱延在部の厚み(T)の比(T/T)が0.01以上0.2以下である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(6)前記強化繊維基材積層体の厚みが5mm以上100mm以上である部分を有する、前記(5)に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(7)前記樹脂の反応熱が100J/g以上1000J/g以下である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(8)前記樹脂が、エポキシ当量が50以上220以下のエポキシ樹脂である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(9)前記樹脂を前記キャビティへの樹脂注入完了後、10秒から360秒で硬化させる、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(10)前記強化繊維基材を構成する強化繊維が炭素繊維である、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法を用いて製造された、繊維強化プラスチック成形体。
本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法によれば、マトリックス樹脂の硬化反応により発生する熱を効率的に除去することができる。それにより、板厚の大きい繊維強化プラスチックであっても、高い表面意匠性と優れた力学物性をもって成形することが可能となる。また、従来のRTM成形方法では板厚の大きい繊維強化プラスチックに採用することができなかった、硬化時間の短いマトリックス樹脂も採用することができるため、優れた生産性をもって所望の繊維強化プラスチックを製造することができる。
本発明の第一の実施態様に係るRTM成形装置の概略図である。 本発明の第一の実施態様に係る強化繊維基材積層体の概略断面図である。 本発明の第一の実施態様に係る、肉厚部と薄肉部を有する強化繊維基材積層体の概略断面図である。 本発明の第二の実施態様に係る強化繊維基材積層体の概略断面図である。 本発明の第三の実施態様に係るRTM成形装置の概略図である。 本発明の第三の実施態様に係る、伝熱延在部冷却機構が成形型外に配置された場合のRTM成形装置の概略図である。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は図面に記載された発明に限定されるものではない。
図1は本発明の第一の実施態様に係るRTM成形装置の概略図である。
本発明に用いられる成形装置の一態様は、一対の型A1011、型B1012からなる成形型101、樹脂注入ライン103、真空吸引ライン104、および図示されないプレス機構から構成される。型A1011、型B1012はそれぞれ図示されない温度調節機構に接続されており、それぞれの型の加熱および/または冷却を行うことができる。なお、成形型101を構成する型A1011、型B1012はそれぞれ分割されていてもよく、さらに中子型を挿入して成形することもできる。
成形型101の材質は、樹脂注入時にキャビティ内の樹脂圧力に耐えられれば特に限定されず、例えば、鋳鉄、構造用炭素鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、ニッケル電鋳、繊維強化プラスチック等が挙げられる。これらのうち、熱伝導率に優れ、かつ耐久性に優れる点で好ましいのは構造用炭素鋼である。
本発明に係るRTM成形装置において、型A1011、型B1012の間の空間には、
1)強化繊維基材積層体108が配置される、キャビティ102、
2)キャビティ102と樹脂注入ライン103とをつなぐ、樹脂注入口1031、
3)キャビティ102と真空吸引ライン104とをつなぐ、真空吸引口1041
の3つが含まれる。このキャビティ102に配置される強化繊維基材を積層した強化繊維基材積層体108は、強化繊維基材を積層した強化繊維層1081、および、キャビティ102の外の樹脂注入口1031、および/または、真空吸引口1041へ延在する伝熱延在部1083を有する伝熱中間層1082から構成される。なお、本発明において「キャビティ」とは、成形型内に形成される空間のうち、伝熱延在部を除く強化繊維基材積層体が占める空間を表す。また、「延在」とは、伝熱中間層を除く強化繊維基材積層体の端面の外側に存在することを表す。後述の「延設」とは、前記伝熱延在部をキャビティの外に配置することを表す。
樹脂注入ライン103は、一方は樹脂注入口1031と樹脂注入バルブ1032を介して接続され、別の一方は樹脂注入機構105(例えば、樹脂注入機や加圧機構を有する樹脂タンク)に接続される。他方、真空吸引ライン104は、一方は真空吸引口1041と真空吸引バルブ1042を介して接続され、別の一方は、真空ポンプ106に接続された真空トラップ107に接続される。
強化繊維基材積層体108が配置されるキャビティ102は、型A1011および型B1012の間に設置されたシール機構109でシールされる。なお、シール機構109は少なくとも1つの型に設置されればよく、2つ以上設置することもできる。
前記のシール機構109を構成するシール部材109aは、シール溝109bを実質的に全て充填するように配置される。シール部材109aには、O−リングや弾性体からなる公知のシール材料を用いることができ、例えば、特開2005−199634号公報で開示されるような、シール材料を用いることができる。より具体的には、バイトン(登録商標)、フッ素ゴム、NBR(ニトリルゴム)、シリコンゴム、ハイバロン、EPT(エチレンプロピレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、ウレタンゴム、天然ゴムなどのゴム材料や、テフロン(登録商標)材料、紙、コルク、あるいはバイトンスポンジ、シリコンスポンジ、ネオスポンジ(登録商標)、ウレタンスポンジ等のスポンジ類が挙げられる。
ここで、本発明に係るRTM成形装置を用いて繊維強化プラスチックを得る方法の一例を説明する。
強化繊維基材積層体108を配置した後、成形型101が閉じられた状態で、真空吸引バルブ1042を開放してキャビティ102内の空気を排出し、圧力を低下させる。この際、キャビティ102内の圧力は、0.5kPa以下にすることが好ましい。
次に、真空吸引バルブ1042を閉鎖する。この状態で樹脂注入機構105からマトリックス樹脂となる樹脂を送液する。この際、樹脂を予め加熱しておくことが好ましく、樹脂の粘度が100mPa・s以下となる温度に加熱することがさらに好ましい。
このマトリックス樹脂となる樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の硬化時に発熱を伴う熱硬化性樹脂を用いることができる。
続いて、樹脂注入バルブ1032を開放する。送液された樹脂は、樹脂注入口1031からキャビティ102内に注入され、強化繊維基材積層体108に含浸される。
前記樹脂が強化繊維基材積層体108に含浸し、樹脂が真空吸引ライン104に達した時点で真空吸引バルブ1042を閉鎖する。その後、所定の時間経過がした後に樹脂注入バルブ1032を閉鎖し、キャビティ102内への樹脂注入を終了する。
強化繊維基材積層体108に樹脂が含浸し、樹脂の硬化反応が開始すると、強化繊維基材積層体108内で発生する反応熱の一部が、伝熱中間層1082の伝熱延在部1083を介してキャビティ102外へ放出され、樹脂の硬化反応の過剰な進行を抑制する。このとき、特に樹脂の硬化反応によって発生する熱が大きい場合、すなわち樹脂の反応熱が100J/gを超える場合、および/または、樹脂がエポキシ樹脂の場合においては、エポキシ当量が220以下の場合であっても、反応熱によって蓄熱した樹脂と伝熱延在部との間の温度差を推進力として、効率的に強化繊維基材積層体内の熱をキャビティ外へ放出することができる。ここで、樹脂の反応熱の上限に特に限定はないが、本発明の構成を用いたとしても樹脂が暴走する場合があるため1000J/g以下が好ましく、配置する伝熱延在部の数を少なく出来るため600J/g以下がより好ましく、500J/g以下がさらに好ましい。また、エポキシ当量の下限に特に限定はないが、樹脂の靱性低下の観点からは50以上が好ましく、80以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。さらには、硬化時間が短い樹脂を用いる場合、すなわち、キャビティ102への樹脂注入完了後、10秒から360秒で硬化が完了するような場合に、本発明が好適に用いられる。より好ましくは、10秒から150秒で硬化が完了するような場合、さらに好ましくは10秒から90秒で硬化が完了するような場合に特に好適に用いられる。このような、いわゆる速硬化性の樹脂であっても、本発明によれば、効率的に強化繊維基材積層体内の熱をキャビティ外へ放出することができる。
樹脂硬化が完了すると、キャビティ102と同等形状の繊維強化プラスチックが得られる。ここで、成形型101を開き、前記の繊維強化プラスチックを脱型する。
次に、図2に本発明の第一の実施態様に係る強化繊維基材積層体の概略断面図を示す。
前述したように、本発明における強化繊維基材を積層した強化繊維基材積層体21は、強化繊維基材を積層した強化繊維層22および伝熱中間層23からなり、伝熱中間層23は、成形型のキャビティ外へ延在する伝熱延在部24を有する。なお、図2には強化繊維層22の全域に伝熱中間層23が配置された例を示しているが、所望の繊維強化プラスチックが図3に示すように、板厚の異なる肉厚部31と薄肉部32を含む場合には、伝熱中間層23を肉厚部31にのみ配置することもできる。
強化繊維層22は、本発明においては、少なくとも1層の強化繊維基材を含む、繊維強化プラスチックの主たる構造を形成する部分を指す。従って、強化繊維層には、強化繊維基材以外に、インサート部材や部品が組み込まれていてもよい。
本発明に用いられる強化繊維基材には、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、CNT(カーボンナノチューブ)等の無機繊維、あるいはアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維などの有機繊維からなる繊維を、単独または組み合わせて構成される強化繊維基材を用いることができる。また、強化繊維基材の形態は、平織や綾織、朱子織といった織り組織を有する織物に限らず、ノンクリンプファブリックや多軸基材、ストランドを一方向に揃えたUD(ni irection)材料、マット材料やニット材料、編紐も用いることができる。さらに、インサート部材や部品の例としては、金属シートや金属メッシュ、金属棒などや、ボルト、ナット、ヒンジといった継ぎ手部品、ハニカムコアや樹脂フォーム材、木質コアなどが挙げられるが、製品に必要な特性を発現できればよく、これらに限定されない。
次に、伝熱中間層23は、本発明においては、強化繊維層22を構成する強化繊維基材の熱伝導率以上の熱伝導率を持つ、金属基材、セラミック基材、または繊維基材から構成される層を指す。ここで、伝熱中間層23に繊維基材を用いた層を以下、層Xと略記する。層Xは、さらに前記強化繊維層22を構成する強化繊維基材の繊維体積含有率(以下、Vと略記する。)以上のVを持つことが好ましい。
また、強化繊維層22を構成する強化繊維基材の熱伝導率以上の熱伝導率を持っていれば、前記のインサート部材や部品を、そのまま伝熱中間層として用いることも可能である。すなわち、前記伝熱中間層の熱伝導率をλとし、強化繊維層22を構成する強化繊維基材の熱伝導率をλとすると、その熱伝導率比(λ/λ)は、1以上であり、好ましくは3以上であり、さらに好ましくは10以上とすることで、キャビティ外部への熱放出を効率よく行うことができる。一方で、熱伝導率比の上限に特に限定はないが、熱伝導率に非常に優れる材料は一般的にダイヤモンドやCNT等のように割れやこぼれが生じて取り扱い性が悪いため、この観点からは熱伝導率比(λ/λ)は3000以下が好ましい。取り扱い性の観点からは、塑性変形が容易で形状に沿いやすくかつ強度に優れた金属や強化繊維を用いることが出来るため、熱伝導率(λ/λ)が100以下であればより好ましく、50以下であればさらに好ましい。
伝熱中間層23の基材としては、前記の熱伝導率の規定を満たし、樹脂の硬化を阻害しないものであれば、特に限定されるものではなく、前記基材に用いられる素材が金属であれば、例えば、アルミニウム、銅、チタン、鉛、鉄、およびこれらの合金等が挙げられる。これらのうち、熱伝導率に優れる点で好ましいのはアルミニウムや銅およびこれらの合金である。また、前記基材に用いられる素材がセラミックであれば、例えば、炭化珪素や窒化アルミニウム、サファイヤ、アルミナ、窒化珪素、サーメット、イットリア等が挙げられる。これらのうち、熱伝導率に優れる点で好ましいのは炭化珪素や窒化アルミニウムである。また、金属基材やセラミック基材の形態としては、シート状やメッシュ状、不織布状のもの等が挙げられる。これらのうち、樹脂流動を阻害しない点で好ましいのはメッシュや不織布である。
一方、伝熱中間層23に層Xを用いる場合には、繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、CNT等の無機繊維、あるいはアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、PBO繊維などの有機繊維からなる繊維を、単独または組み合わせて構成される基材を用いることができる。これらのうち、熱伝導率に優れる点で好ましいのは炭素繊維や金属繊維であり、より好ましいのは、ピッチ系炭素繊維や銅系金属繊維である。層Xの形態としては、平織や綾織、朱子織といった織り組織を有する織物に限らず、ノンクリンプファブリックや多軸基材、ストランドを一方向に揃えたUD材料、マット材料やニット材料、編紐、メッシュ、不織布、ストランドのみの配置も用いることができるが、FRP内部の熱を効率良く伝達できる点で、織物やUD材料等の連続繊維からなる基材が好ましい。
また、伝熱中間層23に層Xを用いる場合において、伝熱中間層23のVは、成形型を閉じた時点で、強化繊維層22のV以上となることが好ましい。伝熱中間層のVを大きくすることで、単位断面積あたりの熱の伝達量が大きくなるとともに、前記積層体の強化繊維基材との接触面積が増加することができる。さらに、強化繊維基材積層体21全体のVを変化させずに、蓄熱しやすい強化繊維基材積層体内部の熱を効率よく放熱することができる。
の他に層Xの熱伝導率を高める要素として、層Xを構成する強化繊維の繊維方向が挙げられる。繊維に直行する方向よりも繊維に沿った方向の方が良好な熱伝導率を示すことから、特に長繊維を用いる場合には、より多くの繊維が強化繊維基材積層体の中心部からキャビティ外に向かう方向に配されていることが好ましい。例えば、強化繊維基材積層体が円形状である場合には、層Xを構成する強化繊維は円の中心から放射線状に配されていることが好ましい。
伝熱延在部24は、成形型のキャビティ外まで延設されていればよく、その場合、キャビティ外の型表面に接触していることがより好ましい。さらに、伝熱延在部24が成形型の外まで延設されていることがより好ましい。このようにすることで、成形型のキャビティ外への放熱を効率よく行うことができる。
伝熱延在部24は、強化繊維層22を取り囲むように外周全てに設置することもできるが、伝熱延在部24が設置されることで樹脂含浸が妨げられる場所には、部分的に伝熱延在部24を設置しないこともできる。
なお、強化繊維基材積層体21の厚み(T)に対する伝熱延在部24の厚み(T)の比(T/T)は、0.01〜0.2であることが好ましく、0.05〜0.2であることがより好ましい。
前記Tが小さければ前記伝熱延在部24の表面積が大きくなるため、熱伝達を効率よく行うことができる。また、伝熱延在部24を後加工により伝熱延在部を取り除く場合があるが、(T/T)を0.2以下とすることで、短時間で、かつ、工具の摩耗も少なく後加工を行える。しかし、(T/T)が0.01を下回ると、前記積層体を前記キャビティ102内に配置する際に損傷する場合や、前記伝熱中間層からの熱伝達が不十分になる。
本発明の製造方法は特に、強化繊維基材積層体21の厚み(T)が5mm以上の繊維強化プラスチックの製造に用いることが好適である。成形体の板厚が大きい場合であっても、規定の厚みの伝熱延在部を設けることで、効率的に放熱を行うことができる。板厚の上限に特に限定はないが、強化繊維基材積層体の厚みが大きい場合は伝熱延在部の配置が複雑になるため強化繊維基材積層体の厚みは100mm以下が好ましく、伝熱中間層の数を少なく出来るため50mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。
さらに、図4に本発明の第二の実施態様に係る強化繊維基材積層体の概略断面図を示す。
本実施形態では、伝熱中間層42が強化繊維基材積層体41の最下層と最上層を除く層の複数の層に配置している。伝熱中間層42を複数配置することで、特に強化繊維基材積層体の厚みが大きい場合に、強化繊維基材積層体内部の熱を効率よく放熱することができるため、好ましい。さらに、樹脂を含浸・硬化して得られる繊維強化プラスチックの力学物性を向上させるため、伝熱中間層42を強化繊維基材積層体41の板厚方向に略一定間隔で配置することがより好ましい。
次に、図5に本発明の第三の実施態様に係るRTM成形装置の概略図を示す。
本実施態様に係るRTM成形装置においては、第一の実施態様に係るRTM成形装置に加えて、伝熱延在部冷却機構510を有するものである。
伝熱延在部冷却機構510は、伝熱延在部5083と接触し、伝熱中間層5082を冷却することで、強化繊維基材積層体508内で発生する反応熱の一部を除去するものであり、これによって強化繊維基材積層体508内の蓄熱をより効果的に抑制することができる。
また、伝熱延在部冷却機構510は、伝熱延在部5083の位置にあわせ、任意の位置に配置することができ、例えば、図5に例示するように、成形型501内に配置したり、図6に例示するように、成形型601の外に配置したりすることもできる。なお、伝熱延在部冷却機構を成形型601の外に配置した場合は、成形型601の気密性を高めるために、樹脂注入口6031および真空吸引口6041を成形型601上部や下部に配置することが好ましい。
さらに、伝熱延在部冷却機構510が成形型501内に配置される場合には、伝熱延在部冷却機構510の周囲に断熱材を配置することがすることが好ましい。このようにすることで、伝熱延在部冷却機構510の冷却効果を、成形型からの熱によって失うこともなく、逆に成形型の他の部分を冷却してしまうことも抑制することができる。
以下に、本発明について、実施例を用いて、より具体的に説明する。
(1) RTM成形装置
図1に示す構成のRTM成形装置を準備した。本発明の実施例および比較例においては、縦100mm、横100mmのキャビティ102を形成する一対の型A1011、型B1012からなる成形型101を用いた。前記キャビティの深さは、キャビティ内に任意の厚みのスペーサーを挿入することで調整した。また、キャビティ102の周囲の型間の距離は、型間にスペーサーを挿入することで調整した。なお、上下型間にスペーサーを挿入した場合であっても、シール部材109aの厚みを調整して、キャビティ内部のシール性を保った。
なお、本実施例、比較例ともに、成形型101の温度を123℃としてRTM成形を行った。
(2) 強化繊維基材
強化繊維基材には、東レ(株)製炭素繊維織物(織組織:平織、織物目付:330g/m、強化繊維:T700S−12K)を用意した。この基材を以降、基材Aと称する。これを、縦88mm、横96mmに裁断して使用した。キャビティの大きさに対して、基材の大きさを小さくしているのは、成形後の取り出しを容易とするためのものである。
(3) 伝熱中間層
本発明の実施例に係る伝熱中間層には、以下に示す基材B1から基材B4を、縦88mm、横150mmに裁断したものを使用した。
基材B1:
炭素繊維織物(東レ(株)製、織組織:平織、織物目付:330g/m、強化繊維:T700S−12K、固着材付(6g/m))
基材B2:
炭素繊維織物(東レ(株)製、織組織:平織、織物目付:330g/m、強化繊維:T700S−12K、固着材付(6g/m))の端部以外の縦糸を抜き取って、キャビティから延在させる方向の横糸のみ残したものを2層重ねたもの。
基材B3:
炭素繊維(東レ(株)製、織組織:平織、織物目付:315g/m、強化繊維:M40J−6K、固着材付(6g/m))
基材B4:
銅製メッシュ(線径:0.22mm、メッシュ:40、目付:1000g/m)。
また、比較例に係る中間層には、以下に示す基材C1から基材C2を、それぞれ、縦88mm、横150mmに裁断したもの(基材C1A、基材C2A)と縦88mm、横30mmに裁断したもの(基材C1B、基材C2B)を用意した。
基材C1:
耐炎糸不織布(旭化成株式会社製ラスタン(登録商標)TOP8300、基材の形態:フェルト状不織布、織物目付:300g/m
基材C2:
ガラス繊維織物(日東紡株式会社製、織組織:平織、織物目付:328g/m
表1に各基材の熱伝導率と基材Aに対する熱伝導率の比(λ/λ)を示す。
Figure 0006394240
(4)マトリックス樹脂
マトリックス樹脂として、2液性エポキシ樹脂(主剤:Momentive社製、エポキシ当量:189.0、硬化剤:東レ株式会社製、酸無水物系硬化剤)を用いた。なお、この樹脂の硬化反応における反応熱は、335J/gである。この樹脂の特性として、反応時の温度が過度に上昇した場合には、主剤のみが硬化反応を起こすことにより、得られる成形体のマトリックス樹脂部分が通常と異なり、赤色に変化する。従って、得られる成形体の色を指標として、暴走反応の有無を判断することができる。
本実施例および比較例に使用した樹脂は、主剤中または硬化剤中に残存する気泡を除去するため、脱泡処理を行ったものを使用した。本実施例および比較例においては、所定量の主剤、硬化剤を真空条件下で主剤を70℃、硬化剤を40℃に加温した状態で、24時間撹拌して行った。
(実施例1)
キャビティ102内に基材Aを6層配置した後、その上に伝熱中間層として基材B1を1層配置し、成形中の温度が測定できるよう、基材B1上に熱電対を配置した。続いて、基材B1をさらに1層配置し、その上に基材Aを6層配置した。この時、図2に示されるように、伝熱中間層23である基材B1の端部が、強化繊維基材積層体21の端部から25mm延設されることで、伝熱延在部24を構成していた。また、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、伝熱延在部24の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する伝熱延在部24の厚みの比(T/T)は0.17であった。
この状態で、成形型101を閉じ、樹脂注入バルブ1032を閉じ、真空吸引バルブ1042を開いて、キャビティ102の内部を真空状態にした。このときのキャビティ102内の圧力は、0.3kPaであった。続いて、真空吸引バルブ1042を開き、樹脂注入機構105より樹脂注入口1031を介してキャビティ内へ樹脂を注入した。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度は、前記の熱電対によって162℃まで上昇したことが確認できた。
樹脂注入開始から5分後に成形型101を開き、成形体を取り出した。得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。さらに、ボイドやピットなどの外観不良も見られなかった。また、成形体を切断し、その切断面を観察したところ、赤色に変化している部分はなく、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。
(実施例2)
伝熱中間層として基材B2を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本実施例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、伝熱延在部24の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する伝熱延在部24の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大157℃までに留まった。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。さらに、ボイドやピットなどの外観不良も見られなかった。また、成形体を切断し、その切断面を観察したところ、赤色に変化している部分はなく、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。
(実施例3)
伝熱中間層として基材B3を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本実施例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、伝熱延在部24の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する伝熱延在部24の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大155℃までに留まった。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。さらに、ボイドやピットなどの外観不良も見られなかった。また、成形体を切断し、その切断面を観察したところ、赤色に変化している部分はなく、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。
(実施例4)
伝熱中間層として基材B4を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本実施例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、伝熱延在部24の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する伝熱延在部24の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大155℃までに留まった。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。さらに、ボイドやピットなどの外観不良も見られなかった。また、成形体を切断し、その切断面を観察したところ、赤色に変化している部分はなく、過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。
(比較例1)
伝熱中間層として基材B1を用いる代わりに比較中間層として基材Aを用い、伝熱中間層を設けなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本比較例において、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、比較延在部の厚み(Tとする)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する比較延在部の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大177℃まで上昇した。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、表面には過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。しかしながら、ボイドやピットなどの外観不良があり、成形体を切断してその切断面を観察したところ、特に成形体の中央部分が赤色に変化していて、過剰に硬化反応が進んだことを確認した。
(比較例2)
伝熱中間層として基材B1を用いる代わりに比較中間層として基材C1Aを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本比較例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、比較延在部の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する比較延在部の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大180℃まで上昇した。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は一部赤色に変化している部分が見られ、部分的に、過剰に硬化反応が進んだ部分があることを確認した。さらに、ボイドやピットなどの外観不良があり、成形体を切断してその切断面を観察したところ、特に成形体の中央部分が赤色に変化していて、過剰に硬化反応が進んだことを確認した。
(比較例3)
伝熱中間層として基材B1を用いる代わりに比較中間層として基材C2Aを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本比較例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、比較延在部の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する比較延在部の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大175℃まで上昇した。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、表面には過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。しかしながら、ボイドやピットなどの外観不良があり、成形体を切断してその切断面を観察したところ、特に成形体の中央部分が赤色に変化していて、過剰に硬化反応が進んだことを確認した。
(比較例4)
伝熱中間層として基材B1を用いる代わりに比較中間層として基材C1Bを用い、伝熱中間層を設けなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本比較例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、比較延在部の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する比較延在部の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大176℃まで上昇した。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、表面には過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。しかしながら、ボイドやピットなどの外観不良があり、成形体を切断してその切断面を観察したところ、特に成形体の中央部分が赤色に変化していて、過剰に硬化反応が進んだことを確認した。
(比較例5)
伝熱中間層として基材B1を用いる代わりに比較中間層として基材C2Bを用い、伝熱中間層を設けなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で成形を行った。本比較例においても、強化繊維基材積層体21の厚み(T)は6mm、比較延在部の厚み(T)は1mmであり、強化繊維基材積層体21の厚みに対する比較延在部の厚みの比(T/T)は0.17であった。
樹脂注入後、キャビティ内の積層体の温度を測定したところ、温度の上昇は最大173℃まで上昇した。
得られた成形体の外観を観察したところ、成形体表面の樹脂は透明であり、表面には過剰に硬化反応が進んだ部分がないことを確認した。しかしながら、ボイドやピットなどの外観不良があり、成形体を切断してその切断面を観察したところ、特に成形体の中央部分が赤色に変化していて、過剰に硬化反応が進んだことを確認した。
表2に実施例1〜4、および、比較例1〜5の結果をまとめる。
Figure 0006394240
本発明に係る繊維強化プラスチックの製造方法は、特に、過剰な硬化反応が進行しやすい、板厚が大きな成形体の製造に好適であり、例えば、航空機、自動車、船舶等の輸送機器における一次構造部材、二次構造部材、外装部品、内装部品もしくはそれらの部品等に好適である。
101 成形型
1011 型A
1012 型B
102 キャビティ
103 樹脂注入ライン
1031 樹脂注入口
1032 樹脂注入バルブ
104 真空吸引ライン
1041 真空吸引口
1042 真空吸引バルブ
105 樹脂注入機構
106 真空ポンプ
107 真空トラップ
108 強化繊維基材積層体
1081 強化繊維層
1082 伝熱中間層
1083 伝熱延在部
109 シール機構
109a シール部材
109b シール溝
21 強化繊維基材積層体
22 強化繊維層
23 伝熱中間層
24 伝熱延在部
31 肉厚部
32 薄肉部
41 強化繊維基材積層体
42 伝熱中間層
43 伝熱延在部
501、601 成形型
5011、6011 型A
5012、6012 型B
502、602 キャビティ
503、603 樹脂注入ライン
5031、6031 樹脂注入口
5032、6032 樹脂注入バルブ
504、604 真空吸引ライン
5041、6041 真空吸引口
5042、6042 真空吸引バルブ
505、605 樹脂注入機構
506、606 真空ポンプ
507、607 真空トラップ
508、608 強化繊維基材積層体
5081、6081 強化繊維層
5082、6082 伝熱中間層
5083、6083 伝熱延在部
509、609 シール機構
509a、609a シール部材
509b、609b シール溝
510、610 伝熱延在部冷却機構

Claims (10)

  1. 強化繊維基材を積層した強化繊維基材積層体を成形型のキャビティ内に配置し、前記成形型を閉じた後、樹脂を前記強化繊維基材積層体に含浸、硬化させる繊維強化プラスチックの製造方法であって、前記強化繊維基材積層体は伝熱延在部を有する伝熱中間層を一層以上含み、前記伝熱延在部は前記キャビティ外に延設され、かつ前記伝熱延在部が前記キャビティ外の型表面に接触しており、前記伝熱中間層は前記強化繊維基材の熱伝導率以上の熱伝導率を持つ、金属基材、セラミック基材、または繊維基材からなることを特徴とする、繊維強化プラスチックの製造方法。
  2. 前記伝熱中間層の基材の形態が、メッシュまたは不織布である、請求項1に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  3. 前記伝熱延在部が前記成形型の外にまで延設されている、請求項1または2に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. 前記伝熱延在部が前記成形型よりも低い温度の部材と接触している、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. 前記強化繊維基材積層体の厚み(T1)に対する前記伝熱延在部の厚み(T2)の比(T2/T1)が0.01以上0.2以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  6. 前記強化繊維基材積層体の厚みが5mm以上100mm以下である部分を有する、請求項5に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  7. 前記樹脂の反応熱が100J/g以上1000J/g以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  8. 前記樹脂が、エポキシ当量が50以上220以下のエポキシ樹脂である、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  9. 前記樹脂を前記キャビティへの樹脂注入完了後、10秒から360秒で硬化させる、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  10. 前記強化繊維基材を構成する強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
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