JP6394121B2 - エステル化合物ならびにそれを含む潤滑油および潤滑油基油 - Google Patents

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本発明は、種々のカルボン酸・カルボン酸エステルから、温和な反応条件下で容易に合成でき、粘度指数・耐熱性・色数に優れたヒンダードポリオールエステル化合物ならびにそれを含む潤滑油および潤滑油基油に関する。
ポリオールエステル・エステル系合成油は粘度特性・熱安定性・酸化安定性・潤滑性・揮発性・低温特性などの様々な物性が鉱油に比べてバランスよく優れているために、高機能性が必要な潤滑分野に広く利用されている合成油である(非特許文献1)。その中でもヒンダードポリオールエステルはエステルカルボニル基のβ位に水素を持たないことから擬環状中間体を経由する低活性型の低温分解反応が起こらず、従来のエステル系合成油の欠点である熱安定性・酸化安定性に優れ、耐熱性用途の潤滑剤に広く利用されてきた。
しかしながら、ジェットエンジン油・自動車エンジン油・空気圧縮機油・難燃性作動油など様々な分野で、近年の高性能化・使用環境の苛酷化・長寿命化などの要求によりさらに熱安定性・酸化安定性に優れた潤滑油が望まれ、また低温特性が要求される分野でも、オゾン層破壊といった環境からの要請により新たな特性を持つ冷凍機油が求められるなど、種々の分野でさらなる特性に優れたポリオールエステルの開発が望まれ、検討が行われてきた。
例えば耐熱用途の分野では、さらなる耐熱性の向上のために、ヒンダードカルボン酸とヒンダードポリオールのエステルが検討されてきた。耐熱性、粘度指数を改良したものとして、特許文献1に3級カルボン酸と多価アルコールの組み合わせが例示されている。特に、酸化安定性をあげるためには、よりヒンダードなカルボン酸とヒンダードアルコールの組み合わせが望ましいが、ヒンダードカルボン酸とヒンダードアルコールの組み合わせのエステル化反応は困難であることが知られている(特許文献2)。そのため、アルコールに酸塩化物を反応させる方法が一般によく使われている。また、酸塩化物を使わない場合は、触媒存在下反応温度を非常に高温にしなければならなかった。
一方、粘度指数という点からみると、粘度指数の高い潤滑油が一般に望まれている(特許文献3)。粘度指数は、JIS K 2283により100℃と40℃の動粘度から計算される値であり、粘度指数が大きいほど、100℃と40℃間での動粘度差が小さいことを意味する。一般に粘度が大きくなると摩擦力が大きくなり機械効率が低下するのに対し、粘度が低くなりすぎると十分な潤滑性が得られず焼き付けが起こることが知られている。すなわち粘度指数が高いということは、より広範囲な温度範囲で潤滑油として使用可能であることを意味しており、潤滑油にとって重要な特性であるが、十分高い粘度指数を潤滑油基油のみで得ることは困難な場合も多く、多くの用途で粘度指数向上剤が使用されているなど、さらに粘度特性に優れた潤滑油基油の開発が広く望まれている。
通常、潤滑油基油の粘度特性の改良はエステル部、すなわちカルボン酸及びその誘導体によってなされている。というのも、一般に広く使用されているヒンダードポリオールは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールにほぼ限られているためであり、これらの要求に適用可能な新たなヒンダードポリオールエステルを与えるポリオール骨格が広く望まれていた。
特許第3894983号公報 特表2009−501142号公報 特開2012−219243
平野二郎、油化学 、1980、vol.29、no.9、 p.627-635
上記の様に、ジネオペンチルグリコールとアルキルカルボン酸からなるエステルを実際に合成し同定して、潤滑油用途としての物性を詳細に調べた例はなく、その性能は未知であった。
これらの背景をもとに、本発明では、様々なヒンダードカルボン酸・カルボン酸エステルと温和な条件化で反応し、粘度指数・酸化安定性・色数に優れるヒンダードポリオールとそのエステルを提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討をした結果、ジネオペンチルグリコールを用いることにより、反応性に優れるとともに、粘度指数・酸化安定性・色数に優れるエステルが得られることを見出し本発明に至ったものである。即ち本発明は以下の通りである。
[1]
一般式(1)で示されるエステル化合物。
式中、R、Rはそれぞれが独立に炭素数1〜20の直鎖飽和アルキル基、分岐飽和アルキル基、直鎖不飽和アルキル基および分岐不飽和アルキル基から選ばれ、R3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
[2]
式(1)中、RとRがそれぞれ独立に、炭素数4〜15の2級または3級アルキル基である[1]記載のエステル化合物。
[3]
式(1)中RとRが等しく、炭素数4〜10のアルキル基である[1]または[2]記載のエステル化合物。
[4]
式(1)中RとRが等しく、炭素数4〜10の2級アルキル基または3級アルキル基である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のエステル化合物。
[5]
[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のエステル化合物を含む潤滑油。
[6]
[1]1乃至[4]のいずれか一つに記載のエステル化合物を含む潤滑油基油。
[7]
一般式(2)で示されるジオールと、一般式(3)および(4)のカルボン酸との脱水縮合反応により、一般式(1)で示されるエステル化合物を得るエステル化合物の製造方法。
COOH (3)
COOH (4)
ただし、一般式(2)中で、R3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれ、一般式(3)および(4)式中でR、Rはそれぞれが独立に炭素数1〜20の直鎖飽和アルキル基、分岐飽和アルキル基、直鎖不飽和アルキル基および分岐不飽和アルキル基から選ばれる。
一般式(1)中、R〜R4は上記の通り。
[8]
脱水縮合反応での触媒が、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸、スルホン酸基を含有する固体酸触媒、塩酸、リン酸、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、ジオクチルスズオキシドおよびジブチルスズオキシドから選ばれる少なくとも一つである[7]記載のエステル化合物の製造方法
[9]
一般式(2)で示されるジオールと、一般式(5)および(6)のカルボン酸エステルとのエステル交換反応により、一般式(1)で示されるエステル化合物を得るエステル化合物の製造方法
COOR (5)
COOR (6)
一般式(2)中で、R3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれ、一般式(5)および(6)中でR、Rはそれぞれが独立に炭素数1〜20の直鎖飽和アルキル基、分岐飽和アルキル基、直鎖不飽和アルキル基および分岐不飽和アルキル基から選ばれ、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜4の飽和直鎖または飽和分岐アルキル基をあらわす。
一般式(1)中、R〜R4は上記の通りである。
[10]
エステル交換反応での触媒が硫酸、p−トルエンスルホン酸、チタン酸エステル、アセチルアセトン亜鉛、ジブチルスズオキシド、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびナトリウムメトキシドから選ばれる少なくとも1つである[9]記載のエステル化合物の製造方法。
[11]
式(1)中RとRがそれぞれ独立に、炭素数4〜15の2級または3級アルキル基である[7]または[9]記載のエステル化合物の製造方法
[12]
式(1)中RとRが等しく、炭素数4〜15の2級アルキル基または3級アルキル基である[7]または[9]記載のエステル化合物の製造方法。
[13]
式(1)中RとRが等しく、炭素数4〜10の2級アルキル基または3級アルキル基である[7]または[9]記載のエステル化合物の製造方法。
本発明のポリオールを用いることにより、様々なポリオールエステルが簡便に合成可能となり、かつ得られたポリオールエステルは色数が小さく、粘度指数・耐酸化性に優れていることから様々な分野に応用可能であり、本発明の工業的意義は大きいと考えられる。
実施例1で得たジピバリン酸 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルのH−NMRチャート 実施例2で得たビス(2−エチルへキサン酸) 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルのH−NMRチャート 実施例3で得たビス(3,5,5−トリメチルへキサン酸) 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルのH−NMRチャート 比較例1で得たジピバリン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルのH−NMRチャート 比較例2で得たビス(2−エチルへキサン酸) 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルのH−NMRチャート 比較例3で得たビス(3,5,5−トリメチルへキサン酸) 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルのH−NMRチャート
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のエステル化合物は一般式(1)で表される。
式中、R、Rはそれぞれが独立に炭素数1〜20の直鎖飽和アルキル基、分岐飽和アルキル基、直鎖不飽和アルキル基および分岐不飽和アルキル基から選ばれ、
3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
一般式(1)中、RとRがそれぞれ独立に、炭素数4〜15の2級または3級アルキル基であると好ましい。
また、一般式(1)中RとRが等しく、炭素数4〜10のアルキル基であるとより好ましい。
さらに、一般式(1)中RとRが等しく、炭素数4〜10の2級アルキル基または3級アルキル基であると一層好ましい。
一般式(1)中でR3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜3の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれるのが好ましい。
この一般式(1)で表される化合物は、式(2)に示すジオールとカルボン酸の脱水縮合反応もしくは、カルボン酸エステルとのエステル交換反応によって合成される。
一般式(2)中、RおよびR4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
一般式(2)に記載のジオールは、一般式(3)のアセタールを水素化還元することによって得ることができる。
一般式(3)中、RおよびR4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
また一般式(3)に記載のアセタールは、式(4)に記載のように、2,2−ジアルキル−3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドと2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールのアセタール化により得ることができる。
一般式(4)中、RおよびR4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
脱水縮合反応に利用可能なカルボン酸は飽和、不飽和1級カルボン酸、2級カルボン酸、3級カルボン酸いずれでもよく、飽和直鎖1級カルボン酸の例としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル、ベヘン酸、トリコシル酸およびリグノセリン酸などがあげられる。より好ましくは、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸およびラウリン酸があげられる。
また、分岐1級カルボン酸、2級カルボン酸はこれら飽和直鎖1級カルボン酸の構造異性体が包含される。例えば分岐1級アルコールの例としては、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、3−メチル吉草酸、4−メチル吉草酸、5−メチルヘキサン酸、4−メチルオクタン酸、4−エチルオクタン酸および4−メチルノナン酸などが上げられる。より好ましくは、3,5,5−トリメチルヘキサン酸があげられる。2級アルコールの例としては、2−メチルペンタン酸、2−エチルペンタン酸、2−プロピルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘプタン酸、2−メチルオクタン酸、2−エチルオクタン酸、2,4−ジメチルオクタン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−メチルヘキサデカン酸、2−デシルドデカン酸、2−ヘキサデシルオクタデカン酸、イソミリスチン酸およびイソステアリン酸などがあげられる。より好ましくは、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘプタン酸および2−プロピルヘプタン酸が、さらに好ましくは、2−エチルヘキサン酸、2−エチルヘプタン酸および2−プロピルヘプタン酸があげられる。
不飽和1級カルボン酸の例としてはα−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモγ−リノレン酸、アラキドン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、パウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸およびネルボン酸などがあげられる。
3級カルボン酸の例としては、上記した飽和直鎖1級カルボン酸の構造異性体が包含され、例えば、ピバリン酸、2,2−ジイソプロピルプロピオン酸、2,2−ジメチル酪酸、2−メチル−2−エチル酪酸、2−エチル−2,3,3−トリメチル酪酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−メチル−2−エチルペンタン酸、2,2,3,3−テトラメチルペンタン酸、2,2,3,4−テトラメチルペンタン酸、2,2,4,4−テトラメチルペンタン酸、2,2−ジメチルへキサン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2,2−ジメチルノナン酸、2,2−ジメチルデカン酸、2,2−ジメチルウンデカン酸、2,2−ジメチルドデカン酸、2,2−ジメチルトリデカン酸、2−メチル−2−エチルドデカン酸、2,2−ジメチルペンタデカン酸、2−メチル−2−エチルテトラデカン酸、2,2−ジエチルトリデカン酸、2−メチル−2−エチルオクタデカン酸、2,2−ジエチルヘプタデカン酸および2,2−ジエチルノナデカン酸などがあげられる。
またカルボン酸として0.9当量以下のジカルボン酸を添加してもよい。ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸などがあげられる。
また、これらのカルボン酸を一種類用いてもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
ジネオペンチルグリコールとカルボン酸の脱水縮合反応は、通常100−250℃で行われる。反応時間は反応のスケールや温度によっても変わるが 1−20時間で行われる。圧力は常圧もしくは減圧で行われ、減圧の場合、通常0.1−80kPaで行われる。
共沸溶媒を使用しても使用しなくてもよく、使用する場合は適切な沸点を持つ溶媒が選ばれ、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、デカリン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンがあげられ、好ましくは、トルエン、キシレンであり、使用するジオールに対して、溶媒量は0.5−30質量倍であり、1−10質量倍が好ましい。また溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。
また、触媒を使用しても使用しなくても良く、触媒を使用する場合には0.01−4質量%が好ましい。触媒として、通常の有機酸、無機酸、ルイス酸が使用でき、また該有機酸にはアルカンスルホン酸、アリールスルホン酸が含まれる。
各触媒を例示すると、アルカンスルホン酸としてはメタンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸が上げられ、アリールスルホン酸としてはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸が上げられ、無機酸としては、硫酸、塩酸およびリン酸が上げられ、ルイス酸としてはチタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、ジオクチルスズオキシドおよびジブチルスズオキシドなどが例として上げられる。また、触媒は上記から選ばれる2種以上を混合して用いることもできる。
特にp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸などのPKa2以下であるスルホン酸触媒の場合に反応加速が顕著である。
一方、ジネオペンチルグリコールとカルボン酸のモル比は1.0:2.0〜4.0、好ましくは1.0:2.0〜3.0である。特に、p−トルエンスルホン酸などを触媒として用いる場合に、カルボン酸量を減らして反応することができる。
エステル交換反応に利用できるカルボン酸エステルは、飽和1級カルボン酸エステル、不飽和1級カルボン酸エステル、2級カルボン酸エステル、3級カルボン酸エステルいずれでもよい。飽和1級カルボン酸エステルの例としては、カプロン酸メチル、エナント酸メチル、カプリル酸メチル、ベラルゴン酸メチル、カプリン酸メチル、ウンデシル酸メチル、ラウリン酸メチル、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸メチル、ノナデシル酸メチル、アラキジン酸メチル、ヘンイコシルメチル、ベヘン酸メチル、トリコシル酸メチルおよびリグノセリン酸メチルなどがあげられる。より好ましくは、カプロン酸メチル、エナント酸メチル、カプリル酸メチル、ベラルゴン酸メチル、カプリン酸メチル、ウンデシル酸メチルおよびラウリン酸メチルがあげられる。飽和2級、3級カルボン酸エステルは上記した飽和1級カルボン酸エステルの構造異性体があげられる。
また、不飽和1級カルボン酸エステルとしては、α−リノレン酸メチル、ステアリドン酸メチル、エイコサペンタン酸メチル、ドコサペンタエン酸メチル、リノール酸メチル、γ−リノレン酸メチル、ジホモγ−リノレン酸メチル、アラキドン酸メチル、パルミトレイン酸メチル、バクセン酸メチル、パウリン酸メチル、オレイン酸メチル、エライジン酸メチル、エルカ酸メチルおよびネルボン酸メチルなどがあげられる。
ジネオペンチルグリコールとカルボン酸エステルとのエステル交換反応は、通常100−250℃で、生成するアルコールを反応系から取り除きながら行われる。反応時間は反応のスケールや温度によっても変わるが1−20時間で行われる。圧力は常圧もしくは減圧で行われ、減圧の場合、通常0.1−80kPaで行われる。エステル交換反応に利用される触媒は硫酸、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒、チタン酸エステル、酢酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛およびジブチルスズオキシドなどのルイス酸触媒、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒いずれでも良い。また、触媒の使用量は0.1−4質量%が好ましい。
一般式(2)のアルコールを用いることにより、様々なカルボン酸との脱水縮合反応や様々なカルボン酸エステルとのエステル交換反応がネオペンチルグリコールを用いる場合に比べて速やかに、温和な条件で進行し、高収率で、かつ粘度指数・色数に優れたヒンダードポリオールエステルを得ることができる。
本発明のポリオールエステルは、通常用いられる、耐加重添加剤、油性剤、酸化防止剤、清浄分散剤、消泡剤、防錆剤、抗乳化剤、流動点降下剤、および粘度指数向上剤等から選ばれる少なくとも一つの各種添加剤を必要に応じて配合することが可能である。
また、その性能を低下させない範囲で必要に応じて、他の潤滑油基油、例えば、鉱物油、ポリαオレフィン、ポリブテン、アルキルベンゼン、動植物油、有機酸エステル、ポリビニルエーテル、ポリフェニルエーテルおよびアルキルフェニルエーテルなどから選ばれる少なくとも一つを配合して使用することも可能である。
本発明のポリオールエステルを基油として、グリース、冷凍機油、絶縁油、油圧作動油、ギヤ作動システム用潤滑油、切削・研削加工油、変速機用潤滑油、風力発電用増速機油、内燃機関用潤滑油(エンジン油)、発電タービン用潤滑油、圧縮機用潤滑油、軸受け用潤滑油等の用途に使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
反応の分析はガスクロマトグラフィーによって行った。ガスクロマトグラフィーはAgilent Technologies社製6850を使用した。カラムはJ&W社製HP−1を使用した。カラム温度は100℃にて5分保持したのち10℃/分にて275℃まで昇温したのち20分間保持した。Injection温度は270℃、DetectorにはTCDを用い、290℃で使用した。キャリアガスにはヘリウムを使用した。
生成物の同定はH−NMRスペクトルによって行った。測定には日本電子社製JNM−ECA500を使用し、溶媒はCDClとし、内部標準にテトラメチルシランを用いた。
合成例1
2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オールの合成

2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)131.3gと、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール136.0gと、ベンゼン705gと、粒状ナフィオン(商品名「NR−50」、シグマアルドリッチ社製)3.0gと、を2リットルの丸底フラスコに収容し、常圧下で生成する水をベンゼンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系外へ抜き出して、水の留出が止まるまで反応させた。これを濾過したのちに濃縮及び冷却することにより再結晶させて、2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オールの結晶を得た。
アセタールの水素添加に使用する触媒は以下のように合成した。
担体調製
金属成分の担体として用いた酸化ジルコニウムを下記の方法で調製した。
酸化ジルコニウム(ZrO)換算で25質量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液505gに、撹拌しながら28%アンモニア水15.5gを滴下することにより白色沈殿物を得た。これを濾過し、イオン交換水で洗浄した後に、110℃、10時間乾燥して含水酸化ジルコニウムを得た。これを磁製坩堝に収容し、電気炉を用いて空気中で400℃、3時間の焼成処理を行った後、メノウ乳鉢で粉砕して粉末状酸化ジルコニウム(以下、「担体A」と表記する。)を得た。担体AのBET比表面積(窒素吸着法により測定。)は102.7m/gであった。
触媒調製
パラジウムを特定金属成分とする触媒を下記の方法で調製した。
50gの担体Aに0.66質量%塩化パラジウム−0.44質量%塩化ナトリウム水溶液を添加し、担体上に金属成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加して吸着した金属成分を瞬時に還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥することにより1.0質量%パラジウム担持酸化ジルコニウム触媒(以下、「触媒A」と表記する。)を調製した。
合成例2
4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオールの合成
500mLのSUS製反応器内に、触媒A3.0g、2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オール60.0g、及び1,4−ジオキサン240gを入れ、反応器内を窒素ガスで置換した。その後、反応器内に水素ガスを8.5MPa充填し、反応温度である230℃へ昇温して水素圧を13MPaに保ちながら5時間反応させた。その後に冷却して反応器の内容物をろ過して触媒を分離した後に、再結晶精製をすることにより目的物を得た。
実施例1
ジピバリン酸 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルの合成の合成
4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオール(20.09g,106mmol)とピバリン酸(24.78g,243mmol,2.3eq)のm−キシレン(20.27g)溶液に、室温でp−トルエンスルホン酸1水和物(598.9mg,3.14mmol,3mol%)を加えた。その後窒素下で内温が150−160℃になるように加熱し、m−キシレンとの共沸により水を系内より除去した。10時間加熱後冷却し、5%水酸化カリウム水溶液で洗浄後、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。残ったカルボン酸を減圧下で留去し、36.3g、収率96%で目的物を得た。APHAは33であった。また、反応の経時変化をGCで追跡した。
H−NMR
δ(ppm):0.92(s,12H,4XC ),1.21(s,18H,2XC(C ),3.15(s,4H,2XOC ),3.86(s,4H,2XC OCO)
実施例2
ビス(2−エチルへキサン酸) 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルの合成
4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオール(20.00g,105mmol)と2−エチルヘキサン酸(31.86g,219mmol,2.1eq)のm−キシレン(20.48g)溶液に、室温でp−トルエンスルホン酸1水和物(604.8mg,3.18mmol,3mol%)を加えた。その後窒素下で内温が160−170℃になるように加熱し、m−キシレンとの共沸により水を系内より除去した。7.5時間加熱後冷却し、5%水酸化カリウムで洗浄後、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。酸を減圧下で留去し、43.7g、収率94%で目的物を得た。また、反応の経時変化をGCで追跡した。
H−NMR
δ(ppm):0.86−0.91(m,12H,2XC CH+2XC CH),0.92(s,12H,4XC ),1.20−1.35(m,8H,2XCH ),1.42−1.66(m,8H,2XCOCH(C CH)C CH),2.23−2.31(m,2H,2XOCOC),3.14(s,4H,2XOC C),3.87(s,4H,2XC OCO)

実施例3
ビス(3,5,5−トリメチルへキサン酸) 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルの合成
4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオール(20.0g,105mmol)と3,5,5−トリメチルヘキサン酸(34.98g,221mmol,2.1eq)のトルエン(20.0g)溶液に、室温でp−トルエンスルホン酸1水和物(601.1mg,3.16mmol,3mol%)を加えた。その後窒素下で内温が135℃になるように加熱し、トルエンとの共沸により水を系内より除去した。7.5時間加熱後冷却し、5%水酸化カリウムで洗浄後、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。酸を減圧下で留去し、収量47.29g,収率96%で目的物を得た。APHAは7であった。
H−NMR
δ(ppm):0.91(s,18H,2XC(C ),0.92(s,12H,4XC ),0.98(d,6H,J=6.6Hz,2XC CH),1.12(dd,2H,J=6.2,14.1Hz,2XC C(CHの1H),1.25(dd,2H,J=4.3,14.1Hz,2XC C(CHの1H),2.00−2.08(m,2H,2XCCH),2.13(dd,2H,J=8.3,14.2Hz,2XOCOC の1H),2.32(dd,2H,J=5.7,14.2Hz,2XOCOC の1H),3.14(s,4H,2XOC ),3.85(d,2H,J=10.8Hz,2XC OCOの1H),3.89(d,2H,J=10.8Hz,2XC OCOの1H)
実施例4
ジオクタン酸 4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジイルの生成速度の追跡
4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオール(25.03g,131.4mmol)とオクタン酸メチル(52.05g,329mmol,2.5eq)の混合溶液に、室温でオルトチタン酸テトライソプロポキシド(383.7mg,1.35mmol,1mol%)を加えた。その後窒素下で140〜145℃に加熱し、反応の経時変化をGCで追跡した。
比較例1
ジピバリン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルの合成
実施例1の4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオールにかえて2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールを用い、実施例1と同条件で反応を行い、m−キシレンとの共沸により水を系内より除去した。14時間加熱後冷却したところ、GC分析でジエステルが59.6Area%であった。5%水酸化カリウムで洗浄後、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。酸を減圧下で留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーでモノエステル等と分離精製することにより、目的物を得た。
H−NMR
δ(ppm):0.99(s,6H,2XC ),1.21(s,18H,2XC(C ),3.88(s,4H,2XC OCO)

比較例2
ビス(2−エチルへキサン酸) 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルの合成
実施例2の4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオールにかえて2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールを用い、実施例2と同条件で反応を行い、m−キシレンとの共沸により水を系内より除去した。9時間加熱後、GC分析でジエステルが60.8Area%であったので、その後200℃に昇温して15時間加熱後冷却し5%水酸化カリウムで洗浄後、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。酸を減圧下で留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、目的物を得た。
H−NMR
δ(ppm):0.86−0.91(m,12H,2XC CH+2XC CH),0.99(s,6H,2XC ),1.20−1.35(m,8H,2XCH ),1.42−1.66(m,8H,2XCOCH(C CH)C CH),2.25−2.32(m,2H,2XOCOCH),3.894(s,2H,2XC OCOの1H),3.896(s,2H,2XC OCOの1H)

比較例3
ビス(3,5,5−トリメチルへキサン酸) 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルの合成
実施例3の4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオールにかえて2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールを用い、実施例3と同様の条件で反応を行い、トルエンとの共沸により水を系内より除去した。5時間加熱後冷却し、5%水酸化カリウムで洗浄後、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。酸を減圧下で留去し、目的物を得た。
H−NMR
δ(ppm):0.91,(s,18H,2XC(C ),0.98(s,6H,2XC ),0.98(d,6H,J=6.6Hz,2XC CH),1.13(dd,2H,J=6.3,14.0Hz,2XC C(CHの1H),1.24(dd,2H,J=4.0,14.0Hz,2XC C(CHの1H),1.99−2.08(m,2H,2XCCH),2.14(dd,2H,J=8.3,14.5Hz,2XOCOC の1H),2.33(dd,2H,J=5.7,14.5Hz,2XOCOC の1H),3.861(d,1H,J=10.9Hz,C OCO),3.866(d,1H,J=10.9Hz,C OCO),3.899(d,1H,J=10.9Hz,C OCO),3.905(d,1H,J=10.9Hz,C OCO)
比較例4
ジオクタン酸 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイルの生成速度の追跡
実施例4の4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオールにかえて2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールを用い、実施例4と同様の条件で反応を行い、反応の経時変化をGCで追跡した。
実施例5及び比較例5

実施例1及び比較例1のジピバリン酸エステル生成速度をガスクロマトグラフィーにより追跡し、10時間後のジエステルのGC面積比の比較を行った。なお、ジエステルの面積比は
100X(ジエステルの面積)/(ジエステルの面積+モノエステルの面積+ジオールの面積)
より求めた。
実施例6及び比較例6
実施例2及び比較例2のビス(2−エチルへキサン酸)エステル生成速度をガスクロマトグラフィーにより追跡し、6時間後のジエステルのGC面積比の比較を行った。なお、ジエステルの面積比は
100X(ジエステルの面積)/(ジエステルの面積+モノエステルの面積+ジオールの面積)
より求めた。
表1、2の比較例5、6に示すように、汎用的に用いられる2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(ネオペンチルグリコール)と3級・2級カルボン酸との酸触媒を用いる脱水縮合反応では、10時間後、6時間後もジエステルは56%, 56%のGC面積比であったのに対して、驚くべきことに、実施例1、2の4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオール(ジネオペンチルグリコール)では、非常に温和な条件で反応が完全に進行した。
実施例7及び比較例7
実施例4及び比較例4のエステル交換反応におけるジオクタン酸エステル生成速度をガスクロマトグラフィーにより追跡し、11.5時間後のジエステルのGC面積比の比較を行った。なお、ジエステルの面積比は
100X(ジエステルの面積)/(ジエステルの面積+モノエステルの面積+ジオールの面積)
より求めた。
表3に示すように、エステル合成によく利用されるオルトチタン酸テトライソプロポキシドを用いるエステル交換反応では、汎用的に用いられる2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(ネオペンチルグリコール)とカルボン酸エステルとの反応は比較例7のように全くジエステル体が生成しないのに対して、驚くべきことに、実施例7に示すように、4−オキサ−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−1,7−ジオール(ジネオペンチルグリコール)では、非常に温和な条件で反応が進行した。
このように、ジネオペンチルグリコールはネオペンチルグリコールに比べて、酸触媒脱水縮合化反応やLewis酸触媒エステル交換反応において極めて温和な条件でエステル化反応が進行し、合成困難なヒンダードエステルも容易に合成できることがわかった。
得られたエステルについて動粘度を測定し、粘度指数を求めた。
動粘度:ウベローデ粘度計を用い、JIS K2283に従い動粘度を求めた。
粘度指数:40℃、100℃動粘度からJIS K2283に従い求めた。
実施例8及び比較例8
実施例2及び比較例2で得られた2−エチルヘキサン酸のジエステルについて動粘度を測定し、粘度指数を求めた。
2級カルボン酸である、2―エチルヘキサン酸とのエステルでは、表4に示すようにネオペンチルグリコールに比べ、ジネオペンチルグリコールで粘度指数に改善が見られた。
実施例9及び比較例9
実施例3及び比較例3で得られた3,3,5−トリメチルへキサン酸のジエステルについて動粘度を測定し、粘度指数を求めた。
1級カルボン酸である、3,3,5−トリメチルへキサン酸とのエステルでは、表5に示すようにネオペンチルグリコールに比べ、ジネオペンチルグリコールで粘度指数に改善が見られた。
実施例10及び比較例10
実施例1で得られたピバリン酸のジエステルについて動粘度を測定し、粘度指数を求めた。また、比較例1で得られたピバリン酸のジエステルについて動粘度を測定した。
ネオペンチルグリコールのジピバリン酸エステルは100℃の動粘度が2cSt以下となり、粘度指数を求めることができなかった。
そこで別の評価を行った。JISK2283には動粘度と温度の関係式

loglogZ=A−Blog(273.15+t)

の式が成り立つと記載されている。
A:切片を表す数値、B:勾配を表す数値、t:温度、Z:動粘度+補正値

勾配を表す定数であるBが小さいほど、温度に対する粘度変化が小さいことを示すものであり、そこでこの定数Bを求めて比較した。その結果、表6に示すように、実施例10の方が比較例10よりも定数Bが小さくなり、優れた粘度特性を示すことがわかった。
このように、ジネオペンチルグリコールの種々のカルボン酸エステルにおいて、汎用のネオペンチルグリコールに比べて粘度指数が大きくなっており、改善が見られた。
本発明のポリオールと様々なカルボン酸・カルボン酸エステルより合成されるエステル化合物は、グリース、冷凍機油、絶縁油、油圧作動油、ギヤ作動システム用潤滑油、切削・研削加工油、変速機用潤滑油、風力発電用増速機油、内燃機関用潤滑油(エンジン油)、発電タービン用潤滑油、圧縮機用潤滑油および軸受け用潤滑油などの幅広い用途に使用することができる。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で示されるエステル化合物。
    式中、R1、R2同じ基であり、かつ、炭素数5〜10の2級アルキル基であり、
    3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
  2. 前記R 1 、R 2 は、2−エチルへキサン酸に由来する、請求項1に記載のエステル化合物。
  3. 請求項1または2に記載のエステル化合物を含む潤滑油。
  4. 請求項1または2に記載のエステル化合物を含む潤滑油基油。
  5. 一般式(2)で示されるジオールと、一般式(3)および/または(4)のカルボン酸との脱水縮合反応により、一般式(1)で示されるエステル化合物を得るエステル化合物の製造方法。
    1COOH (3)
    2COOH (4)
    ただし、一般式(2)中で、R3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれ、一般式(3)および(4)式中でR1、R2同じ基であり、かつ、炭素数5〜10の2級アルキル基である。
    式中、R 1 、R 2 は同じ基であり、かつ、炭素数5〜10の2級アルキル基であり、
    3 、R 4 はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
  6. 脱水縮合反応での触媒が、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸、スルホン酸基を含有する固体酸触媒、塩酸、リン酸、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、ジオクチルスズオキシドおよびジブチルスズオキシドから選ばれる少なくとも一つである請求項5に記載のエステル化合物の製造方法
  7. 一般式(2)で示されるジオールと、一般式(5)および/または(6)のカルボン酸エステルとのエステル交換反応により、一般式(1)で示されるエステル化合物を得るエステル化合物の製造方法
    1COOR5 (5)
    2COOR6 (6)
    一般式(2)中で、R3、R4はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれ、一般式(5)および(6)中でR1、R2同じ基であり、かつ、炭素数5〜10の2級アルキル基であり、R5およびR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4の飽和直鎖または飽和分岐アルキル基をあらわす。
    式中、R 1 、R 2 は同じ基であり、かつ、炭素数5〜10の2級アルキル基であり、
    3 、R 4 はそれぞれが独立に炭素数1〜6の直鎖アルキル基および分岐アルキル基から選ばれる。
  8. エステル交換反応での触媒が硫酸、p−トルエンスルホン酸、チタン酸エステル、アセチルアセトン亜鉛、ジブチルスズオキシド、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびナトリウムメトキシドから選ばれる少なくとも1つである請求項7に記載のエステル化合物の製造方法。
  9. 前記R 1 、R 2 は、2−エチルへキサン酸に由来する、請求項5〜8のいずれか1項に記載のエステル化合物の製造方法。

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