JP6393156B2 - 形状測定装置、及び形状測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、形状測定装置、及び形状測定装置における形状測定方法に関する。
従来、倣いプローブを用いて被測定物の形状を測定する形状測定装置が知られている。このような形状測定装置において、倣いプローブによる円測定等を行うと、機械直交座標の象限切り替え時(各軸の運動方向反転時)に、突起状に形成された運動誤差(象限突起)が発生し、これによる測定誤差が発生する。
これに対して、このような象限突起による測定誤差の発生を補正する形状測定装置が提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
特許文献1に記載の装置は、スケール部からスライダ先端までの周波数伝達特性を考慮した補正用フィルタを用い、象限突起による測定誤差を補正している。また、特許文献2に記載の装置は、スケール部からプローブ先端球までの周波数伝達特性を考慮した補正用フィルタを用い、さらに、特許文献3に記載の装置は、スケール部からプローブ先端球までの周波数伝達特性の逆特性を考慮した補正用フィルタを用いて、象限突起による測定誤差を補正している。
特開2007−315897号公報 特開2014−66693号公報 特開2014−98610号公報
ところで、上記の特許文献2〜3では、事前に倣いプローブに対応した補正係数を有する補正用フィルタを用いることで、象限突起による測定誤差を補正している。このため、倣いプローブのスタイラスを交換した場合では、補正用フィルタによる補正効果が十分に得られないという課題があり、十分な補正効果を得るために操作者が交換したスタイラスを装着する倣いプローブに対応した補正係数を入れ直す必要がある等の煩雑な作業が伴うという課題があった。
本発明は、測定誤差を補正する補正用フィルタを容易に設定可能で、かつ、高精度な形状測定が可能な形状測定装置、及び形状測定方法を提供することを目的とする。
本発明の形状測定装置は、被測定物に接触する先端球を先端に有するスタイラス、及び前記スタイラスが装着されたプローブ本体を有する倣いプローブと、前記倣いプローブを支持し、移動可能に設けられたスライダと、前記スライダの移動量を検出するスケール部と、前記倣いプローブの前記先端球の、前記倣いプローブ及び前記スライダの支持部に対する変位量を検出する先端球変位検出部と、前記スケール部により検出された前記移動量、前記先端球変位検出部により検出された前記変位量、及び測定誤差を補正する補正用フィルタに基づいて測定値を算出する演算部と、を備え、前記演算部は、校正基準体の測定により前記スケール部で検出された前記移動量及び前記先端球変位検出部で検出された前記変位量を用いて、前記変位量を前記スケール部における座標系に関連付ける補正行列の対角成分を算出し、当該対角成分から前記補正用フィルタにおける補正係数を算出して前記補正用フィルタを設定する補正用フィルタ設定手段を有することを特徴とする。
本発明では、スタイラスがプローブ本体に装着された倣いプローブを用いて校正基準体の測定(倣いプローブの校正処理)を行う。そして、補正用フィルタ設定手段は、その校正処理により得られるスケール部の検出値(スライダの移動量)と、先端球変位検出部の検出値(先端球の変位量)とに基づいて、補正行列の対角成分を算出して、当該対角成分から象限突起による測定誤差を補正するための補正係数を算出して補正用フィルタを設定する。
そして、被測定物の測定時では、例えばスケール部からプローブ先端球までの周波数伝達特性の逆特性に基づく補正用フィルタを用いる場合では、先端球変位検出部の検出値に対して設定された補正用フィルタを適用して補正し、補正された検出値と、スケール部からの検出値とを加算して測定値を得る。また、例えばスケール部からプローブ先端球までの周波数伝達特性に基づく補正用フィルタを用いる場合では、スケール部の検出値に対して設定された補正用フィルタを適用して補正し、補正された検出値と、先端球変位検出部からの検出値とを加算して測定値を得る。
このような構成により、倣いプローブのスタイラスが交換された場合でも、交換されたスタイラスの長さ等の条件に応じた最適な補正係数を含む補正用フィルタを容易に設定することができる。すなわち、操作者が交換したスタイラスを装着した倣いプローブに対応した補正係数を入力し直す必要がなく、かつ、倣いプローブに応じた最適な補正係数により高精度な形状測定を実施することができる。
本発明の形状測定装置において、前記補正用フィルタ設定手段は、前記倣いプローブに対する前記補正行列の対角成分と、前記倣いプローブに対する前記補正係数との関係を示す係数算出用関数又はテーブルデータを用い、前記補正用フィルタにおける補正係数を算出することが好ましい。
本発明では、補正用フィルタ設定手段は、倣いプローブに対する補正行列の対角成分と、倣いプローブに対する補正係数との関係を示した係数算出用関数又はテーブルデータに基づいて、補正用フィルタにおける補正係数(形状測定装置に装着された倣いプローブに対応した補正係数)を算出する。
このような係数算出用関数を用いることで、倣いプローブのプローブ本体にどのようなスタイラスが装着された場合でも、倣いプローブの校正処理を行い、補正行列の対角成分を算出することで、倣いプローブに対応した適切な補正係数を容易に算出することができ、処理の高速化を図ることができる。
本発明の形状測定装置において、前記演算部は、複数種のスタイラスを前記プローブ本体に順次装着して前記校正基準体を測定することで算出された各倣いプローブに対する前記補正行列の対角成分と、前記各倣いプローブのそれぞれに対する前記補正用フィルタの補正係数とに基づいて、前記係数算出用関数又はテーブルデータを生成する関数生成手段を備えることが好ましい。
本発明では、関数生成手段により、係数算出用関数又はテーブルデータを生成する。すなわち、形状測定装置において、複数種のスタイラスをプローブ本体に順次装着して倣いプローブの校正処理(校正基準体の測定)を実施し、関数生成手段は、この校正処理により得られる各倣いプローブのそれぞれに対する補正行列の対角成分と、各倣いプローブのそれぞれに対する補正係数とに基づいて、係数算出用関数を算出する。又は、関数生成手段は、各倣いプローブのそれぞれに対する補正行列の対角成分と、各倣いプローブのそれぞれに対する補正係数とを関連付けたテーブルデータを生成する。
このような構成により、例えば測定環境の変化や倣いプローブの経年変化等の測定条件の変化が生じた場合でも、現在の測定条件に対して最適な係数算出用関数又はテーブルデータを生成することができる。したがって、補正用フィルタ設定手段は、当該係数算出用関数又はテーブルデータを用いて、高精度な形状測定を実施可能な補正係数を算出することができる。
本発明の形状測定装置において、前記補正用フィルタは、前記補正係数として、零点の角周波数、極の角周波数、零点の減衰率、及び極の減衰率を含み、前記補正用フィルタ設定手段は、少なくとも前記零点の角周波数を算出することが好ましい。
補正用フィルタは、例えば、特開2014−66693号公報等に示されるように、零点の角周波数、極の角周波数、零点の減衰率、及び極の減衰率の補正係数と、ラプラス演算子とを用いて算出することができる。なお、零点とは、補正用フィルタが0となる時のラプラス演算子の値を指し、極とは、補正用フィルタが∞となる時のラプラス演算子の値を指す。ここで、本発明では、補正用フィルタ設定手段は、これらの補正係数のうち、少なくとも零点の角周波数を算出する。零点の角周波数は、他の補正係数に比べて、測定誤差の補正に与える影響が大きいので、少なくとも零点の角周波数を算出することで、適正な補正用フィルタを設定することができる。
本発明の形状測定方法は、被測定物に接触する先端球を先端に有するスタイラス、及び前記スタイラスが装着されたプローブ本体を有する倣いプローブと、前記倣いプローブを支持し、移動可能に設けられたスライダと、前記スライダの移動量を検出するスケール部と、前記倣いプローブの前記先端球の、前記倣いプローブ及び前記スライダの支持部に対する変位量を検出する先端球変位検出部と、を備えた形状測定装置の形状測定方法であって、校正基準体の測定により前記スケール部で検出された前記移動量及び前記先端球変位検出部で検出された前記変位量を用いて、前記変位量を前記スケール部における座標系に関連付ける補正行列の対角成分を算出し、当該対角成分から補正係数を算出して補正用フィルタを設定し、設定された前記補正用フィルタと、前記スケール部により検出された前記移動量と、前記先端球変位検出部により検出された前記変位量と、に基づいて測定値を算出することを特徴とすることを特徴とする。
本発明では、上記発明と同様、倣いプローブの校正処理により得られた補正行列の対角成分に基づいて、補正用フィルタの補正係数を設定する。したがって、例えば倣いプローブのスタイラスが交換される度に、操作者が補正係数を手入力する必要等がなくなり、容易に適切な補正用フィルタを設定することができる。また、交換したスタイラス(倣いプローブ)に対応した補正用フィルタを用いて測定値を算出することで、高精度な測定値を得ることができる。
本発明は、倣いプローブに対応した補正用フィルタを容易に設定でき、当該補正用フィルタを用いることで高精度な形状測定を実施可能な形状測定装置、及び形状測定方法を提供することができる。
本発明に係る一実施形態の形状測定装置の構成を模式的に示す斜視図。 本実施形態の形状測定装置の概略構成を示すブロック図。 本実施形態における測定値算出手段及びその周辺機器の制御ブロック図。 本実施形態の係数算出用関数の導出方法を示すフローチャート。 本実施形態の補正行列の対角成分の算出処理を示すフローチャート。 本実施形態の補正行列の対角成分の算出処理における一点測定処理の概略を説明する図。 本実施形態における補正行列の対角成分と、零点の角周波数との関係を示した係数算出用関数を示す図。 本実施形態における補正行列の対角成分と、零点の減衰率との関係を示した係数算出用関数を示す図。 本実施形態の補正用フィルタの設定処理を示すフローチャート。 本実施形態におけるリングゲージの測定結果の一例を示す図。 従来の補正用フィルタを用いてリングゲージを測定した際の測定結果の一例を示す図。
以下、本発明に係る一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の形状測定装置100の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、形状測定装置100の概略構成を示すブロック図である。
形状測定装置100は、図1に示すように、三次元測定機1及びコンピュータ2を含んで構成される。三次元測定機1及びコンピュータ2は、例えばケーブル3を介して接続されている。なお、三次元測定機1及びコンピュータ2の間に、例えばモーションコントローラ等の別の装置を介してもよく、ケーブル3に替えて、無線通信等により通信可能に接続されていてもよい。
(三次元測定機の構成)
三次元測定機1は、例えば図1に示すように構成されており、除震台10の上には、定盤11が、その上面(ベース面)が水平面(図1のXY平面)と一致するように設置される。定盤11のX方向の一端の上には、Y方向に延びるY軸駆動機構14が設置されている。Y軸駆動機構14上には、ビーム支持体12aが立設されている。これにより、Y軸駆動機構14は、ビーム支持体12aをY方向に駆動する。定盤11のX方向の他端の上には、ビーム支持体12bが立設されている。ビーム支持体12bの下端は、エアーベアリングによってY軸方向に移動可能に支持されている。X軸方向に延びるビーム13は、ビーム支持体12a及び12bにより両端のそれぞれが支持され、かつ、垂直方向(Z軸方向)に延びるコラム15を支持する。また、ビーム13には、コラム15をX軸方向に沿って移動させるX軸駆動機構(図示略)が設けられている。コラム15には、スライダ16がコラム15に沿ってZ軸方向に移動可能に設けられ、スライダ16をZ軸方向に移動させるZ軸駆動機構(図示略)が設けられている。スライダ16の下端には、倣いプローブ17が装着されている。
倣いプローブ17は、スライダ16に装着されるプローブ本体17cと、プローブ本体17cに対して着脱可能に取り付けられるスタイラス17bとを備える。スタイラス17bの先端には、例えば球状の先端球17aが設けられている。
先端球17aは、定盤11上に載せられた被測定物31に接触し、その基準位置(中立位置)から所定の押し込み量だけ押し込まれる。倣いプローブ17(プローブ本体17c)に内蔵された先端球変位検出部19aは、押し込み量(X,Y,Z軸の各軸方向)、すなわち、先端球17aのXYZ座標値(基準位置からの変位量)を検出し、コンピュータ2に出力する。
また、図2に示すように、三次元測定機1は、XYZ軸駆動部18及びスケール部19bを有する。XYZ軸駆動部18は、倣いプローブ17をXYZ軸方向に駆動する。スケール部19bは、XYZ軸方向の移動に伴って、スライダ16の各軸方向の移動パルス(スライダ16の移動量)を出力する。
スケール部19bは、X軸スケール部19bx、Y軸スケール部19by及びZ軸スケール部19bzを有する。X軸スケール部19bxは、ビーム13に配置され、コラム15のX軸方向変位を検出する。Y軸スケール部19byは、Y軸駆動機構14の近傍に配置され、ビーム支持体12aのY軸方向変位を検出する。Z軸スケール部19bzは、コラム15に配置され、スライダ16のZ軸方向変位を検出する。検出されたスライダ16の変位情報(スケール部19bから出力されるXYZ軸のそれぞれの移動量)は、先端球変位検出部19aにより検出されたXYZ座標値とともに、コンピュータ2に出力される。なお、スケール部19bは、スケール部19bと先端球17aの基準位置との間に相対変位が発生していない時の先端球17aの基準位置を出力するように調整されている。
(コンピュータの構成)
コンピュータ2は、三次元測定機1を駆動制御して必要な測定値を取り込むと共に、被測定物31の表面性状算出に必要な演算処理を実行する。コンピュータ2は、図2に示すように、コンピュータ本体21、キーボード22、マウス23、CRT24及びプリンタ25等を有する。キーボード22、マウス23、CRT24及びプリンタ25については、それぞれ一般的なものを用いることが可能であるので、詳細については説明を省略する。
コンピュータ本体21は、主として、例えばHDD、半導体メモリ等により構成される記憶部211、及びCPU等により構成される演算部212を有する。
記憶部211には、三次元測定機1を駆動させる表面性状測定プログラム、及びその測定により検出された検出値、被測定物31の設計値などが記憶されている。
演算部212は、記憶部211に記憶されたプログラムを読み込み、実行することで、三次元測定機1の駆動を制御する。
具体的には、演算部212は、図2に示すように、モード設定手段213、測定指令手段214、関数生成手段215、補正用フィルタ設定手段216、及び測定値算出手段217として機能する。
モード設定手段213は、補正係数を求めるための係数算出用関数を生成するための関数設定モード、倣いプローブ17の校正処理を行う校正モード、及び測定対象の測定を実施する本測定モードを切り替える。
測定指令手段214は、三次元測定機1を制御して、各モードに対応した測定を実施する。
関数生成手段215は、関数設定モードにおける先端球変位量及びスライダ移動量に基づいて、補正係数を算出するための係数算出用関数を設定する。
補正用フィルタ設定手段216は、校正モードにおける先端球変位量及びスライダ移動量と、係数算出用関数に基づいて、補正係数を算出し、補正用フィルタを設定する。
測定値算出手段217は、本測定モードにおいて、スケール部19bにより検出されたスライダ移動量と、先端球変位検出部19aにより検出された先端球変位量とに基づいて、測定値を算出する。具体的には、測定値算出手段217は、補正用フィルタ217a及び加算器217bを備える。これらの補正用フィルタ217a及び加算器217bについての詳細な説明は後述する。
また、演算部212は、キーボード22及びマウス23からI/F(インタフェース)を介して入力されたオペレータの指示情報を受け付ける。さらに、演算部212は、検出した先端球変位情報及びスライダ変位情報を取り込む。そして、演算部212は、これらの入力情報、オペレータの指示情報及び記憶部211に格納されたプログラムに基づいて、XYZ軸駆動部18によるスライダ16の移動、及び被測定物31の測定値の解析、測定値の補正処理等の各種の処理を実行する。
また、演算部212は、キーボード22やマウス23から入力された操作者の指示情報に基づいて、各種処理により算出された測定値を、I/F(インタフェース)を介してプリンタ25に出力する。さらに、演算部212は、CRT25を制御して測定結果等を表示出力させる。
さらに、演算部212は、外部の図示しないCADシステム等から、被測定物31のCADデータを取得する。
[形状測定装置による形状測定方法]
次に、上述したような形状測定装置100による形状測定方法について、図面に基づいて説明する。
図3は、演算部212における測定値算出手段217、及びその周辺機器の制御ブロック図である。
図3に示すように、測定値算出手段217は、補正用フィルタ217a及び加算器217bを有する。そして、測定値算出手段217は、本測定モードにおいて、スケール部19bにより検出されたスライダ移動量Dsをそのまま加算器217bに入力し、先端球変位検出部19aにより検出された先端球変位量Dbを補正用フィルタ217aに入力して、測定空間中の先端球17aの誤差が補正された補正済み先端球変位量Db_cに補正したうえで、加算器217bに入力する。そして、加算器217bは、スライダ移動量Dsと、補正済み先端球変位量Db_cとを加算した測定値MVを出力する。
ここで、補正用フィルタ217aは、先端球変位量Dbに、スケール部19bから先端球17aまでの周波数伝達特性の逆特性に近似して設定された推定値G1(s)を補正値として用いる。推定値G1(s)は、例えば、以下に示す式(1)により示される。
Figure 0006393156
ただし、式(1)において、ωは零点の角周波数、ωは極の角周波数、ζは零点の減衰率、ζは極の減衰率、sはラプラス演算子である。ここで、零点とは、推定値G1(s)が0となるときのsの値であり、極とは推定値G1(s)が∞になるときのsの値である。
本実施形態では、補正用フィルタ設定手段216により、式(1)における零点の角周波数ω、及び零点の減衰率ζが設定される。また、極の角周波数ωは、零点の角周波数ωを定数倍した値(ω=K・ω、ただしKは定数)を用い、極の減衰率ζは固定値を用いる。以降、零点の角周波数ω、及び零点の減衰率ζの算出方法について具体的に説明する。
(係数算出用関数の算出)
本実施形態の形状測定装置100では、補正係数(零点の角周波数ω、零点の減衰率ζZ-)を設定するために、まず、関数生成手段215により、補正係数を設定するための係数算出用関数を算出する。
図4は、形状測定装置100の形状測定方法における係数算出用関数の導出方法を示すフローチャートである。
係数算出用関数を導出する場合、演算部212のモード設定手段213は、形状測定装置100の動作モードを関数設定モードに設定する(ステップS1)。
そして、関数設定モードでは、関数生成手段215は、倣いプローブ17のスタイラスの種類を示す変数iを初期化(i=1)する(ステップS2)。なお、関数設定モードでは、倣いプローブ17のプローブ本体17cに対して、例えば、長さ、太さ、材質、先端球のサイズ等が異なる複数種類(n種類)のスタイラス17bを順次装着し、各スタイラス17bを装着した際の先端球変位量及びスライダ移動量に基づいて、係数算出用関数を求める。従って、変数iは、1≦i≦nを満たす整数となる。
ステップS2の後、プローブ本体17cに対して変数iに対応したスタイラス17bを装着する(ステップS3)。
そして、関数生成手段215は、倣いプローブ17の校正処理を実施して、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出する(ステップS4)。
一般に、測定値の形状測定装置100における測定において、スケール部19bにより検出されるスライダ移動量DsのXYZ軸の各移動量を(x,y,z)、先端球変位検出部19aにより検出される先端球変位量DbのXYZ軸の各変位量を(x,y,z)とすると、測定値は、式(2)に示すように、各軸の移動量及び変位量の加算値により算出される。
Figure 0006393156
これに対して、三次元測定機1のスケール部19bの座標系(マシン座標系)と、先端球変位検出部19aの座標系(プローブ座標系)とが一致していない場合、誤差が発生する。このような座標系の不一致による誤差は、下記式(3)に示す補正行列を用いて、プローブ座標系の各値(x,y,z)を座標変換する(先端球変位検出部19aにより検出された先端球変位量をスケール部19bにおける座標系に関連付ける)ことにより低減することが可能である。
Figure 0006393156
Figure 0006393156
ここで、補正行列の対角成分の算出方法の一例として、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、ステップS4の補正行列の対角成分の算出方法を示すフローチャートである。図6は、一点接触測定の実施を示す図である。
本実施形態のステップS4では、測定指令手段214は、例えば、定盤11上に設置された図1に示されるような基準球60に対して、先端球17aが僅かに触れるようなタッチ測定を実施させる。これにより、基準球60の中心座標を求める(ステップS11)。
次に、測定指令手段214は、先端球17aを基準球60に1点で点接触させた状態で行う測定(以降、一点接触測定と称す)を、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向から実施する(ステップS12)。
このステップS12の説明として、X軸に対する一点接触測定を例示して説明する。
ステップS12では、先端球17aがY軸、Z軸方向に変位しないように、倣いプローブ17の2軸を固定する。なお、1軸方向への移動を許容し、他の2軸方向への移動規制を行う構成としては、公知であり、例えば特許第2628523号等の技術を用いることができる。
次に、図6に示すように、基準球60の表面における法線方向から、倣いプローブ17の先端球17aを基準球60の表面に1点で接触させるように、法線方向に移動させる。この場合、先端球17aを、基準球60の近接位置から基準球60に近づくように移動させる。このとき、基準球60に先端球17aが接触した後において、先端球変位検出部19aの検出値が所定値に達するまで移動させ、先端球変位検出部19aとスケール部19bとから出力される検出値(先端球変位量及びスライダ移動量)をそれぞれ取得し続ける。
そして、先端球変位検出部19aの検出値が所定値に達した後、先端球17aの移動を反転させる。その後、先端球17aが基準球60から離れるまで先端球17aを法線方向に移動させる。この反転後も、先端球変位検出部19aとスケール部19bとから出力される検出値を取得し続ける。つまり、先端球17aが基準球60に接触してから離れるまで、先端球変位検出部19aとスケール部19bとから出力される検出値をそれぞれ取得し続ける。
また、測定指令手段214は、上記の一点接触測定を、Y軸及びZ軸についても同様に実施する。
この後、関数生成手段215は、先端球変位検出部19aから出力される検出値(先端球変位量)とスケール部19bから出力される検出値(スライダ移動量)とに基づく補正行列の対角成分A11,A22,A33の算出処理を実施する(ステップS13)。
上記ステップS12では、先端球17aが他軸方向に変位しないように、倣いプローブ17の2軸を固定した状態で1軸方向に移動させている。このため、移動が規制された2軸方向に対して、スケール部19b及び先端球変位検出部19aの検出値は「零」になる。また、移動が許容された1軸方向の変位に関しては、基準球60に先端球17aが1点で接触している状態で検出値の取得を行っているため、三次元測定機1におけるスケール部19bによる検出値と、補正行列による座標変換後の先端球変位検出部19aによる検出値とは、絶対値が等しく、符号が反転するはずである。つまり、例えばX軸方向に対して、三次元測定機検出値とプローブ検出値は、式(4)を満たす。なお、Y軸、Z軸方向に関しても同様である。
Figure 0006393156
Figure 0006393156
Figure 0006393156
ステップS13では、関数生成手段215は、上記式(4)に最小二乗法等を適用して直線近似を行う。これにより、補正行列の対角成分A11が容易に算出される。同様の方法で、Y軸、Z軸方向に対して実施した一点接触測定の検出値に基づいて、対角成分A22,A33を算出することができる。
図4に戻り、ステップS4の後、関数生成手段215は、倣いプローブ17に対する補正用フィルタ217aの補正係数を推定する(ステップS5)。
このステップS5では、関数生成手段215は、例えば、特開2007−315897号公報に示される方法を用いて、補正係数を算出する。
つまり、定盤11にゲージブロック等のXY平面、YZ平面、及びZX平面が規定されたワーク(基準体)を、XY平面、YZ平面、及びZX平面の各面が、三次元測定機1のX,Y,Z軸方向と一致するように設置する。
そして、測定指令手段214は、XYZ軸駆動部18に指令を出力し、Y軸駆動機構14によりスライダ16をY軸方向へ移動させ、倣いプローブ17の先端球17aがワークのXZ面に所定量押し込まれる(先端球17aがY軸方向に所定量シフトする)ように、先端球17aをワークに接触させる。その後、測定指令手段214は、三次元測定機1のスライダ16が所定時間Y軸方向に往復運動するようにY軸駆動機構14に指令を与える。この時、先端球変位検出部19aから出力される各軸方向への移動量と、スケール部19bから出力される各軸方向への変位量の振幅及び位相とをそれぞれ記録する。なお、この往復運動に際しては、通常は正弦波状に往復運動をさせることが好ましい。
次に同様の方法で、異なる往復運動の時間(往復の周期、 あるいは往復の周波数)で、それぞれのスライダ移動量と、先端球変位量の振幅及び位相とを記録する。
このようにして求めた各周期(各周波数)における振幅と位相との情報から、Y軸スケール部19byから先端球17aまでの周波数伝達特性の推定値(周波数伝達関数)を求め、分母と分子を入れ替えることにより、推定値G1(s)の補正係数を求めることができる。
なお、X軸、Z軸についても同様であり、測定指令手段214は、XYZ軸駆動部18に指令を出力して、X軸駆動機構、Z軸駆動機構を同様に駆動させることで、各軸方向の伝達関数を求めることができる。
ここで、Y軸スケール部19byから先端球17aまでの周波数伝達特性と、X軸スケール部19bxから先端球17aまでの周波数伝達特性と、Z軸スケール部19bzから先端球17aまでの周波数伝達特性とは、それぞれ特性が必ずしも一致しないので、伝達関数としては通常異なるものとなる。
また、この伝達関数は、例えば三次元測定機1のビーム支持体12a、12bの位置(例えば図1において手前側か中央部か奥側か)に応じて異なる場合がある。
このような場合は、スライダ16のX、Y、Z軸方向の所定位置ごとに伝達関数を求めておき、スライダ16のX、Y、Z軸方向位置に対応する伝達関数を用いることによって、補正用フィルタ217aの精度をより高くすることができる。
さらに、上記の補正用フィルタ217aの算出方法では、Y軸駆動機構14に往復指令を与えた際には、先端球変位検出部19aの出力はY軸成分のみが出力され、他の軸(X、Z軸)の成分には変化が生じないことを前提としているが、実際にはY軸のみに往復指令を与えても、X、Z軸成分に変化が現れることがある。つまり、ビーム支持体12a、12bをY軸方向(図1の手前/奥行き方向)に振動させた場合、倣いプローブ17の先端球17aにX軸方向あるいはZ軸方向の振動が生じる場合がある。このような異軸方向の振動が生じる場合、その成分に基づく伝達関数を求めておき、補正用フィルタ217aによって先端球17aの変位の推定をより正確に行うことができる。なお、異軸成分を求める際には、例えば、倣いプローブ17の先端球17aがワークのY軸方向に所定量押し込まれるように接触させるのみではなく、X軸方向、Z軸方向においても先端球17aを拘束することが好ましい。例えば、X、Y、Z軸方向への自由度がなく、各軸の回転方向には自由度のある回転継手などを用いて先端球17aを定盤11に固定しても良い。
上記ステップS5の後、関数生成手段215は、変数iがnであるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、「No」と判定された場合は、変数iに1を加算し(ステップS7:i=i+1)、ステップS3に戻り、異なる種類のスタイラス17bをプローブ本体17cに装着する。
ステップS6において、「Yes」と判定された場合、関数生成手段215は、ステップS4により算出された補正行列の対角成分と、ステップS5により算出されたフィルタの補正係数との関係を示す関数を生成する(ステップS8)。
図7及び図8は、X軸方向に対する補正係数と、補正行列の対角成分A11との関係を示す関数を示す図である。なお、図7及び図8において、白丸は、係数算出用関数を用いるために用いたn種のスタイラス17bをプローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対応している。
図7に示すように、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対して算出された、補正行列の対角成分A11と、X軸方向に対して算出された零点の角周波数ωとに基づいて、対角成分A11に対する補正係数ω(零点の角周波数)の関係を近似した関数を導き出す。
具体的には、関数生成手段215は、下記式(5)に示される対角成分A11に対する補正係数ωの近似関数を導き出す。
Figure 0006393156
Figure 0006393156
また、同様に、図8に示すように、関数生成手段215は、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対して算出された、補正行列の対角成分A11と、X軸方向に対して算出された零点の減衰率ζとに基づいて、対角成分A11に対する補正係数ζ(零点の減衰率)の関係を近似した関数を導き出す。
具体的には、関数生成手段215は、下記式(6)に示される対角成分A11に対する補正係数ζの近似関数を導き出す。
Figure 0006393156
Figure 0006393156
なお、上記図7、図8、式(5)及び式(6)は、X軸方向に対する補正係数であるが、Y軸方向及びZ軸方向に対しても同様に、係数算出用関数を導出する。Y軸方向に対しては、補正行列の対角成分A22と、Y軸方向に対して推定された補正係数(零点の角周波数,零点の減衰率)を用いて、係数算出用関数を算出する。また、Z軸方向に対しては、補正行列の対角成分A33と、Z軸方向に対して推定された補正係数(零点の角周波数,零点の減衰率)を用いて、係数算出用関数を算出する。
(補正用フィルタの設定)
次に、形状測定装置100における補正用フィルタの設定方法について、図面に基づいて説明する。
図9は、形状測定装置100の形状測定方法における補正用フィルタの設定処理を示すフローチャートである。
形状測定装置100による形状測定では、まず、モード設定手段213は、形状測定装置100の動作モードを校正モードに設定する(ステップS21)。
この校正モードでは、補正用フィルタ設定手段216は、倣いプローブ17の校正処理を実施し、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出する(ステップS22)。このステップS22は、上述したステップS4と同様の処理であり、具体的には、図5に示されるステップS11からステップS13の処理を実施することで、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出する。
次に、補正用フィルタ設定手段216は、ステップS8により生成された係数算出用関数に基づいて、ステップS22で算出された補正行列の対角成分の係数(A11,A22,A33)に対応した補正係数(零点の角周波数ω及び零点の減衰率ζ)をX軸、Y軸、Z軸のそれぞれに対して算出する(ステップS23)。なお、極の角周波数ωp、及び極の減衰率ζに関しては、補正用フィルタ217aにより増幅された検出値の高周波ノイズ成分を低減するための係数であるため、簡素な演算式により求めてもよく、定数を用いてもよい。本実施形態では、上述のように、極の角周波数ωとしては、零点の角周波数ωを定数倍した値を用い、極の減衰率ζとしては、所定の固定値(定数)を用いる。
そして、補正用フィルタ設定手段216は、上述した式(1)に、ステップS23で算出された補正係数ω、ζを入力して、補正用フィルタの推定値(補正値)G1(s)を設定する(ステップS24)。
本実施形態では、ステップS4により用いた複数種(n種)のスタイラス17b以外のスタイラスをプローブ本体17cに装着した場合でも、係数算出用関数を用いて適切な補正係数により補正用フィルタを設定することができる。図10は、係数算出用関数の導出により用いたスタイラス17b以外のスタイラス17bを用い、本実施形態により算出された補正用フィルタの補正値G1(s)を適用して、リングゲージを測定した測定結果を示す図である。一方、図11は、従来の補正用フィルタを用いてスタイラス17bを交換した際(補正係数が、交換されたスタイラスに対応していない場合)に測定されたリングゲージの測定結果を示す図である。
図11に示すように、従来では、変更されたスタイラス17bに対応した補正用フィルタを用いていないため、象限突起による測定誤差を十分に低減できていない。これに対して、図10に示すように、本実施形態では、交換されたスタイラス17bに対して、係数算出用関数を用いて補正用フィルタの補正係数を導き出し、当該補正係数を用いた補正用フィルタを用いて測定を実施するため、象限突起による測定誤差が低減された高精度な測定結果が得られる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の形状測定装置100は、スタイラス17bが交換された際に、倣いプローブ17の校正処理を実施する。そして、補正用フィルタ設定手段216は、校正処理によりスケール部19bで検出されたスライダ移動量Dsと、先端球変位検出部19aで検出された先端球変位量Dbとに基づいて補正行列の対角成分を算出し、補正行列の対角成分に基づいて、象限突起による測定誤差を補正するための補正係数を算出して、その補正係数を用いた補正用フィルタを設定する。
このため、倣いプローブ17のスタイラス17bが交換された場合でも、交換されたスタイラス17bの長さ等の条件に応じた補正係数を操作者が設定入力することなく、容易に、補正用フィルタを設定することができる。また、スタイラス17bに対応した補正用フィルタの補正値が設定されるので、図10及び図11を比較すると分かるように、象限突起による測定誤差を低減した高精度な形状測定を実施することができる。
本実施形態では、補正用フィルタ設定手段216は、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分と、当該各倣いプローブ17に対するそれぞれの補正係数との関係を示した係数算出用関数に基づいて、補正用フィルタに用いる補正係数(形状測定時に用いる倣いプローブ17に対応する補正係数)を算出する。
このような係数算出用関数を用いることで、プローブ本体17cにどのようなスタイラス17bが装着された場合でも、当該装着されたスタイラス17bを有する倣いプローブ17の校正処理を行って補正行列の対角成分を算出することで、容易に適切な補正係数を算出することができる。これにより、スタイラス17bに種類によらず、高精度な形状測定を実施でき、かつ、補正用フィルタの設定のための処理負荷も軽減できるので、処理の高速化を図ることができる。
本実施形態では、関数生成手段215は、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分と、当該各倣いプローブ17に対する補正用フィルタの補正係数との関係を示した係数算出用関数を算出する。
係数算出用関数としては、例えば工場出荷時等において、予め記憶部211に記憶しておくことも考えられるが、測定環境の変化や、三次元測定機1の経年変化による周波数伝達関数の変化により、補正行列の対角成分に対する補正係数の値が変化する場合がある。これに対して、本実施形態では、上記のように、関数生成手段215により、係数算出用関数を算出することができる。すなわち、上記のように、周波数伝達関数が変化した場合でも、係数算出用関数を更新することで、倣いプローブ17に対する適正な補正係数及び補正用フィルタを設定することができ、測定精度の低下を抑制できる。
本実施形態では、補正用フィルタ設定手段216は、式(1)における零点の角周波数ω、及び零点の減衰率ζを算出する。極の角周波数ω及び極の減衰率ζは、補正用フィルタにより増幅されたノイズ成分を除去するための係数であり、簡単な演算や定数を用いた場合でも、十分な測定精度を維持できる。したがって、それ以外の補正係数ωを算出し、極の角周波数ω及び極の減衰率ζに簡単な演算や定数を用いることで、例えば全ての補正係数を補正行列の対角成分から算出する場合に比べて、処理の高速化を図ることができる。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、補正用フィルタとして、スケール部19bから先端球17aまでの周波数伝達特性の逆特性に基づいた補正用フィルタを用いて、先端球変位検出部19aからの先端球変位量を補正したが、これに限定されない。例えば、スケール部19bから先端球17aまでの周波数伝達特性に基づいた補正用フィルタを用いて、スケール部19bからの移動量を補正し、補正した移動量と先端球変位量とを加算して測定値を得てもよい。この場合でも、上記実施形態と同様の手法により、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着して倣いプローブ17の校正処理を実施することで、各倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出し、当該各倣いプローブ17に対する補正係数をそれぞれ推定した上で、これらの補正行列の対角成分及び補正係数から係数算出用関数を導出することができる。また、同様の手法にて、倣いプローブ17の校正処理を実施することで、プローブ本体17cに装着されたスタイラス17bやプローブ本体17cの特性に応じた倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を求め、当該対角成分に対応する補正係数を係数算出用関数から算出して、補正用フィルタを設定することができる。
上記実施形態では、関数生成手段215により係数算出用関数を生成する構成を例示したが、関数生成手段215が設けられなくてもよい。この場合、例えば、三次元測定機1の工場出荷時に予め係数算出用関数を算出して記憶部211に記憶しておけばよい。
さらに、上記実施形態において、関数生成手段215は、係数算出用関数を生成する例を示したが、例えば、複数種のスタイラス17bをプローブ本体17cに順次装着することで得られる、各倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分と、当該各倣いプローブ17に対する補正係数とを関連付けたルックアップテーブルデータを生成して記憶部211に記憶してもよい。また、上記のように、関数生成手段215が設けられない場合では、工場出荷時において、予めルックアップテーブルデータを記憶部211に記憶しておいてもよい。ルックアップテーブルを用いて補正係数を算出する場合において、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分がルックアップテーブルデータ中にない場合、補正用フィルタ設定手段216は、例えば内挿等により補正係数を推算してもよい。
上記実施形態では、補正用フィルタ設定手段216は、補正係数として、零点の角周波数ω、零点の減衰率ζを算出する例を示したが、これに限定されない。補正係数としては、少なくとも零点の角周波数ωが算出されていれば、象限突起による測定誤差を従来に比べて十分低減することができる。また、補正係数として、3つ以上の係数に対する係数算出用関数を用いて、3つ以上の係数を算出してもよい。例えば、零点の角周波数ω、零点の減衰率ζ、極の角周波数ω、及び極の減衰率ζのそれぞれの係数算出用関数を用い、これらの4つの補正係数をそれぞれ算出してもよい。この場合、さらに高精度な形状測定を実施することができる。
上記実施形態において、関数生成手段215は、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対する補正行列、及び補正係数を求めて、係数算出用関数を算出したが、さらに、プローブ本体17cを順次変更し、各倣いプローブ17に対する補正行列及び補正係数を求め、係数算出用関数を算出してもよい。形状測定装置100において、プローブ本体17cを交換する場合、同一仕様のプローブ本体17cを用いることが一般的であるが、製造段階において、同一仕様であっても、各プローブ本体17cで個体差が生じる場合がある。上記のように、プローブ本体17cの変更に伴う係数算出用関数を求めておくことで、当該個体差による影響をも低減することができる。また、プローブ本体17cとして、異なる周波数伝達特性のプローブ本体17cと交換する場合では、複数種のプローブ本体17cを順次変更して、各倣いプローブ17に対する補正行列及び補正係数を求め、係数算出用関数を算出してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
本発明は、被測定物の形状を倣いプローブを用いて測定する形状測定装置に適用できる。
1…三次元測定機、2…コンピュータ、12a…ビーム支持体、12b…ビーム支持体、13…ビーム、14…Y軸駆動機構、15…コラム、16…スライダ、17…倣いプローブ、17a…先端球、17b…スタイラス、17c…プローブ本体、18…XYZ軸駆動部、19a…先端球変位検出部、19b…スケール部、19bx…X軸スケール部、19by…Y軸スケール部、19bz…Z軸スケール部、31…被測定物、60…基準球、100…形状測定装置、211…記憶部、212…演算部、213…モード設定手段、214…測定指令手段、215…関数生成手段、216…補正用フィルタ設定手段、217…測定値算出手段、217a…補正用フィルタ、217b…加算器、Db…先端球変位量。

Claims (5)

  1. 被測定物に接触する先端球を先端に有するスタイラス、及び前記スタイラスが装着されたプローブ本体を有する倣いプローブと、
    前記倣いプローブを支持し、移動可能に設けられたスライダと、
    前記スライダの移動量を検出するスケール部と、
    前記倣いプローブの前記先端球の、前記倣いプローブ及び前記スライダの支持部に対する変位量を検出する先端球変位検出部と、
    前記スケール部により検出された前記移動量、前記先端球変位検出部により検出された前記変位量、及び測定誤差を補正する補正用フィルタに基づいて測定値を算出する演算部と、を備え、
    前記演算部は、
    校正基準体の測定により前記スケール部で検出された前記移動量及び前記先端球変位検出部で検出された前記変位量を用いて、前記変位量を前記スケール部における座標系に関連付ける補正行列の対角成分を算出し、当該対角成分から前記補正用フィルタにおける補正係数を算出して前記補正用フィルタを設定する補正用フィルタ設定手段を有する
    ことを特徴とする形状測定装置。
  2. 請求項1に記載の形状測定装置において、
    前記補正用フィルタ設定手段は、前記倣いプローブに対する前記補正行列の対角成分と、前記倣いプローブに対する前記補正係数との関係を示す係数算出用関数又はテーブルデータを用い、前記補正用フィルタにおける補正係数を算出する
    ことを特徴とする形状測定装置。
  3. 請求項2に記載の形状測定装置において、
    前記演算部は、複数種のスタイラスを前記プローブ本体に順次装着して前記校正基準体を測定することで算出された各倣いプローブに対する前記補正行列の対角成分と、前記各倣いプローブのそれぞれに対する前記補正用フィルタの補正係数とに基づいて、前記係数算出用関数又はテーブルデータを生成する関数生成手段を備える
    ことを特徴とする形状測定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の形状測定装置において、
    前記補正用フィルタは、前記補正係数として、零点の角周波数、極の角周波数、零点の減衰率、及び極の減衰率を含み、
    前記補正用フィルタ設定手段は、少なくとも前記零点の角周波数を算出する
    ことを特徴とする形状測定装置。
  5. 被測定物に接触する先端球を先端に有するスタイラス、及び前記スタイラスが装着されたプローブ本体を有する倣いプローブと、
    前記倣いプローブを支持し、移動可能に設けられたスライダと、
    前記スライダの移動量を検出するスケール部と、
    前記倣いプローブの前記先端球の、前記倣いプローブ及び前記スライダの支持部に対する変位量を検出する先端球変位検出部と、を備えた形状測定装置の形状測定方法であって、
    校正基準体の測定により前記スケール部で検出された前記移動量及び前記先端球変位検出部で検出された前記変位量を用いて、前記変位量を前記スケール部における座標系に関連付ける補正行列の対角成分を算出し、当該対角成分から補正係数を算出して補正用フィルタを設定し、
    設定された前記補正用フィルタと、前記スケール部により検出された前記移動量と、前記先端球変位検出部により検出された前記変位量と、に基づいて測定値を算出する
    ことを特徴とする形状測定方法。
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