JP6393156B2 - 形状測定装置、及び形状測定方法 - Google Patents
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Description
これに対して、このような象限突起による測定誤差の発生を補正する形状測定装置が提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
そして、被測定物の測定時では、例えばスケール部からプローブ先端球までの周波数伝達特性の逆特性に基づく補正用フィルタを用いる場合では、先端球変位検出部の検出値に対して設定された補正用フィルタを適用して補正し、補正された検出値と、スケール部からの検出値とを加算して測定値を得る。また、例えばスケール部からプローブ先端球までの周波数伝達特性に基づく補正用フィルタを用いる場合では、スケール部の検出値に対して設定された補正用フィルタを適用して補正し、補正された検出値と、先端球変位検出部からの検出値とを加算して測定値を得る。
このような構成により、倣いプローブのスタイラスが交換された場合でも、交換されたスタイラスの長さ等の条件に応じた最適な補正係数を含む補正用フィルタを容易に設定することができる。すなわち、操作者が交換したスタイラスを装着した倣いプローブに対応した補正係数を入力し直す必要がなく、かつ、倣いプローブに応じた最適な補正係数により高精度な形状測定を実施することができる。
このような係数算出用関数を用いることで、倣いプローブのプローブ本体にどのようなスタイラスが装着された場合でも、倣いプローブの校正処理を行い、補正行列の対角成分を算出することで、倣いプローブに対応した適切な補正係数を容易に算出することができ、処理の高速化を図ることができる。
本発明では、関数生成手段により、係数算出用関数又はテーブルデータを生成する。すなわち、形状測定装置において、複数種のスタイラスをプローブ本体に順次装着して倣いプローブの校正処理(校正基準体の測定)を実施し、関数生成手段は、この校正処理により得られる各倣いプローブのそれぞれに対する補正行列の対角成分と、各倣いプローブのそれぞれに対する補正係数とに基づいて、係数算出用関数を算出する。又は、関数生成手段は、各倣いプローブのそれぞれに対する補正行列の対角成分と、各倣いプローブのそれぞれに対する補正係数とを関連付けたテーブルデータを生成する。
このような構成により、例えば測定環境の変化や倣いプローブの経年変化等の測定条件の変化が生じた場合でも、現在の測定条件に対して最適な係数算出用関数又はテーブルデータを生成することができる。したがって、補正用フィルタ設定手段は、当該係数算出用関数又はテーブルデータを用いて、高精度な形状測定を実施可能な補正係数を算出することができる。
補正用フィルタは、例えば、特開2014−66693号公報等に示されるように、零点の角周波数、極の角周波数、零点の減衰率、及び極の減衰率の補正係数と、ラプラス演算子とを用いて算出することができる。なお、零点とは、補正用フィルタが0となる時のラプラス演算子の値を指し、極とは、補正用フィルタが∞となる時のラプラス演算子の値を指す。ここで、本発明では、補正用フィルタ設定手段は、これらの補正係数のうち、少なくとも零点の角周波数を算出する。零点の角周波数は、他の補正係数に比べて、測定誤差の補正に与える影響が大きいので、少なくとも零点の角周波数を算出することで、適正な補正用フィルタを設定することができる。
図1は、本発明に係る一実施形態の形状測定装置100の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、形状測定装置100の概略構成を示すブロック図である。
形状測定装置100は、図1に示すように、三次元測定機1及びコンピュータ2を含んで構成される。三次元測定機1及びコンピュータ2は、例えばケーブル3を介して接続されている。なお、三次元測定機1及びコンピュータ2の間に、例えばモーションコントローラ等の別の装置を介してもよく、ケーブル3に替えて、無線通信等により通信可能に接続されていてもよい。
三次元測定機1は、例えば図1に示すように構成されており、除震台10の上には、定盤11が、その上面(ベース面)が水平面(図1のXY平面)と一致するように設置される。定盤11のX方向の一端の上には、Y方向に延びるY軸駆動機構14が設置されている。Y軸駆動機構14上には、ビーム支持体12aが立設されている。これにより、Y軸駆動機構14は、ビーム支持体12aをY方向に駆動する。定盤11のX方向の他端の上には、ビーム支持体12bが立設されている。ビーム支持体12bの下端は、エアーベアリングによってY軸方向に移動可能に支持されている。X軸方向に延びるビーム13は、ビーム支持体12a及び12bにより両端のそれぞれが支持され、かつ、垂直方向(Z軸方向)に延びるコラム15を支持する。また、ビーム13には、コラム15をX軸方向に沿って移動させるX軸駆動機構(図示略)が設けられている。コラム15には、スライダ16がコラム15に沿ってZ軸方向に移動可能に設けられ、スライダ16をZ軸方向に移動させるZ軸駆動機構(図示略)が設けられている。スライダ16の下端には、倣いプローブ17が装着されている。
倣いプローブ17は、スライダ16に装着されるプローブ本体17cと、プローブ本体17cに対して着脱可能に取り付けられるスタイラス17bとを備える。スタイラス17bの先端には、例えば球状の先端球17aが設けられている。
コンピュータ2は、三次元測定機1を駆動制御して必要な測定値を取り込むと共に、被測定物31の表面性状算出に必要な演算処理を実行する。コンピュータ2は、図2に示すように、コンピュータ本体21、キーボード22、マウス23、CRT24及びプリンタ25等を有する。キーボード22、マウス23、CRT24及びプリンタ25については、それぞれ一般的なものを用いることが可能であるので、詳細については説明を省略する。
記憶部211には、三次元測定機1を駆動させる表面性状測定プログラム、及びその測定により検出された検出値、被測定物31の設計値などが記憶されている。
演算部212は、記憶部211に記憶されたプログラムを読み込み、実行することで、三次元測定機1の駆動を制御する。
具体的には、演算部212は、図2に示すように、モード設定手段213、測定指令手段214、関数生成手段215、補正用フィルタ設定手段216、及び測定値算出手段217として機能する。
モード設定手段213は、補正係数を求めるための係数算出用関数を生成するための関数設定モード、倣いプローブ17の校正処理を行う校正モード、及び測定対象の測定を実施する本測定モードを切り替える。
測定指令手段214は、三次元測定機1を制御して、各モードに対応した測定を実施する。
関数生成手段215は、関数設定モードにおける先端球変位量及びスライダ移動量に基づいて、補正係数を算出するための係数算出用関数を設定する。
補正用フィルタ設定手段216は、校正モードにおける先端球変位量及びスライダ移動量と、係数算出用関数に基づいて、補正係数を算出し、補正用フィルタを設定する。
測定値算出手段217は、本測定モードにおいて、スケール部19bにより検出されたスライダ移動量と、先端球変位検出部19aにより検出された先端球変位量とに基づいて、測定値を算出する。具体的には、測定値算出手段217は、補正用フィルタ217a及び加算器217bを備える。これらの補正用フィルタ217a及び加算器217bについての詳細な説明は後述する。
また、演算部212は、キーボード22やマウス23から入力された操作者の指示情報に基づいて、各種処理により算出された測定値を、I/F(インタフェース)を介してプリンタ25に出力する。さらに、演算部212は、CRT25を制御して測定結果等を表示出力させる。
さらに、演算部212は、外部の図示しないCADシステム等から、被測定物31のCADデータを取得する。
次に、上述したような形状測定装置100による形状測定方法について、図面に基づいて説明する。
図3は、演算部212における測定値算出手段217、及びその周辺機器の制御ブロック図である。
図3に示すように、測定値算出手段217は、補正用フィルタ217a及び加算器217bを有する。そして、測定値算出手段217は、本測定モードにおいて、スケール部19bにより検出されたスライダ移動量Dsをそのまま加算器217bに入力し、先端球変位検出部19aにより検出された先端球変位量Dbを補正用フィルタ217aに入力して、測定空間中の先端球17aの誤差が補正された補正済み先端球変位量Db_cに補正したうえで、加算器217bに入力する。そして、加算器217bは、スライダ移動量Dsと、補正済み先端球変位量Db_cとを加算した測定値MVを出力する。
本実施形態では、補正用フィルタ設定手段216により、式(1)における零点の角周波数ωZ、及び零点の減衰率ζZが設定される。また、極の角周波数ωPは、零点の角周波数ωZを定数倍した値(ωP=K・ωZ、ただしKは定数)を用い、極の減衰率ζPは固定値を用いる。以降、零点の角周波数ωZ、及び零点の減衰率ζZの算出方法について具体的に説明する。
本実施形態の形状測定装置100では、補正係数(零点の角周波数ωZ、零点の減衰率ζZ-)を設定するために、まず、関数生成手段215により、補正係数を設定するための係数算出用関数を算出する。
図4は、形状測定装置100の形状測定方法における係数算出用関数の導出方法を示すフローチャートである。
係数算出用関数を導出する場合、演算部212のモード設定手段213は、形状測定装置100の動作モードを関数設定モードに設定する(ステップS1)。
そして、関数設定モードでは、関数生成手段215は、倣いプローブ17のスタイラスの種類を示す変数iを初期化(i=1)する(ステップS2)。なお、関数設定モードでは、倣いプローブ17のプローブ本体17cに対して、例えば、長さ、太さ、材質、先端球のサイズ等が異なる複数種類(n種類)のスタイラス17bを順次装着し、各スタイラス17bを装着した際の先端球変位量及びスライダ移動量に基づいて、係数算出用関数を求める。従って、変数iは、1≦i≦nを満たす整数となる。
ステップS2の後、プローブ本体17cに対して変数iに対応したスタイラス17bを装着する(ステップS3)。
一般に、測定値の形状測定装置100における測定において、スケール部19bにより検出されるスライダ移動量DsのXYZ軸の各移動量を(xs,ys,zs)、先端球変位検出部19aにより検出される先端球変位量DbのXYZ軸の各変位量を(xb,yb,zb)とすると、測定値は、式(2)に示すように、各軸の移動量及び変位量の加算値により算出される。
図5は、ステップS4の補正行列の対角成分の算出方法を示すフローチャートである。図6は、一点接触測定の実施を示す図である。
本実施形態のステップS4では、測定指令手段214は、例えば、定盤11上に設置された図1に示されるような基準球60に対して、先端球17aが僅かに触れるようなタッチ測定を実施させる。これにより、基準球60の中心座標を求める(ステップS11)。
次に、測定指令手段214は、先端球17aを基準球60に1点で点接触させた状態で行う測定(以降、一点接触測定と称す)を、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向から実施する(ステップS12)。
ステップS12では、先端球17aがY軸、Z軸方向に変位しないように、倣いプローブ17の2軸を固定する。なお、1軸方向への移動を許容し、他の2軸方向への移動規制を行う構成としては、公知であり、例えば特許第2628523号等の技術を用いることができる。
また、測定指令手段214は、上記の一点接触測定を、Y軸及びZ軸についても同様に実施する。
上記ステップS12では、先端球17aが他軸方向に変位しないように、倣いプローブ17の2軸を固定した状態で1軸方向に移動させている。このため、移動が規制された2軸方向に対して、スケール部19b及び先端球変位検出部19aの検出値は「零」になる。また、移動が許容された1軸方向の変位に関しては、基準球60に先端球17aが1点で接触している状態で検出値の取得を行っているため、三次元測定機1におけるスケール部19bによる検出値と、補正行列による座標変換後の先端球変位検出部19aによる検出値とは、絶対値が等しく、符号が反転するはずである。つまり、例えばX軸方向に対して、三次元測定機検出値とプローブ検出値は、式(4)を満たす。なお、Y軸、Z軸方向に関しても同様である。
このステップS5では、関数生成手段215は、例えば、特開2007−315897号公報に示される方法を用いて、補正係数を算出する。
そして、測定指令手段214は、XYZ軸駆動部18に指令を出力し、Y軸駆動機構14によりスライダ16をY軸方向へ移動させ、倣いプローブ17の先端球17aがワークのXZ面に所定量押し込まれる(先端球17aがY軸方向に所定量シフトする)ように、先端球17aをワークに接触させる。その後、測定指令手段214は、三次元測定機1のスライダ16が所定時間Y軸方向に往復運動するようにY軸駆動機構14に指令を与える。この時、先端球変位検出部19aから出力される各軸方向への移動量と、スケール部19bから出力される各軸方向への変位量の振幅及び位相とをそれぞれ記録する。なお、この往復運動に際しては、通常は正弦波状に往復運動をさせることが好ましい。
次に同様の方法で、異なる往復運動の時間(往復の周期、 あるいは往復の周波数)で、それぞれのスライダ移動量と、先端球変位量の振幅及び位相とを記録する。
このようにして求めた各周期(各周波数)における振幅と位相との情報から、Y軸スケール部19byから先端球17aまでの周波数伝達特性の推定値(周波数伝達関数)を求め、分母と分子を入れ替えることにより、推定値G1(s)の補正係数を求めることができる。
なお、X軸、Z軸についても同様であり、測定指令手段214は、XYZ軸駆動部18に指令を出力して、X軸駆動機構、Z軸駆動機構を同様に駆動させることで、各軸方向の伝達関数を求めることができる。
また、この伝達関数は、例えば三次元測定機1のビーム支持体12a、12bの位置(例えば図1において手前側か中央部か奥側か)に応じて異なる場合がある。
このような場合は、スライダ16のX、Y、Z軸方向の所定位置ごとに伝達関数を求めておき、スライダ16のX、Y、Z軸方向位置に対応する伝達関数を用いることによって、補正用フィルタ217aの精度をより高くすることができる。
図7に示すように、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着した際の各倣いプローブ17に対して算出された、補正行列の対角成分A11と、X軸方向に対して算出された零点の角周波数ωZとに基づいて、対角成分A11に対する補正係数ωZ(零点の角周波数)の関係を近似した関数を導き出す。
具体的には、関数生成手段215は、下記式(5)に示される対角成分A11に対する補正係数ωZの近似関数を導き出す。
具体的には、関数生成手段215は、下記式(6)に示される対角成分A11に対する補正係数ζZの近似関数を導き出す。
次に、形状測定装置100における補正用フィルタの設定方法について、図面に基づいて説明する。
図9は、形状測定装置100の形状測定方法における補正用フィルタの設定処理を示すフローチャートである。
形状測定装置100による形状測定では、まず、モード設定手段213は、形状測定装置100の動作モードを校正モードに設定する(ステップS21)。
この校正モードでは、補正用フィルタ設定手段216は、倣いプローブ17の校正処理を実施し、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出する(ステップS22)。このステップS22は、上述したステップS4と同様の処理であり、具体的には、図5に示されるステップS11からステップS13の処理を実施することで、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出する。
そして、補正用フィルタ設定手段216は、上述した式(1)に、ステップS23で算出された補正係数ωZ、ζZを入力して、補正用フィルタの推定値(補正値)G1(s)を設定する(ステップS24)。
図11に示すように、従来では、変更されたスタイラス17bに対応した補正用フィルタを用いていないため、象限突起による測定誤差を十分に低減できていない。これに対して、図10に示すように、本実施形態では、交換されたスタイラス17bに対して、係数算出用関数を用いて補正用フィルタの補正係数を導き出し、当該補正係数を用いた補正用フィルタを用いて測定を実施するため、象限突起による測定誤差が低減された高精度な測定結果が得られる。
本実施形態の形状測定装置100は、スタイラス17bが交換された際に、倣いプローブ17の校正処理を実施する。そして、補正用フィルタ設定手段216は、校正処理によりスケール部19bで検出されたスライダ移動量Dsと、先端球変位検出部19aで検出された先端球変位量Dbとに基づいて補正行列の対角成分を算出し、補正行列の対角成分に基づいて、象限突起による測定誤差を補正するための補正係数を算出して、その補正係数を用いた補正用フィルタを設定する。
このため、倣いプローブ17のスタイラス17bが交換された場合でも、交換されたスタイラス17bの長さ等の条件に応じた補正係数を操作者が設定入力することなく、容易に、補正用フィルタを設定することができる。また、スタイラス17bに対応した補正用フィルタの補正値が設定されるので、図10及び図11を比較すると分かるように、象限突起による測定誤差を低減した高精度な形状測定を実施することができる。
このような係数算出用関数を用いることで、プローブ本体17cにどのようなスタイラス17bが装着された場合でも、当該装着されたスタイラス17bを有する倣いプローブ17の校正処理を行って補正行列の対角成分を算出することで、容易に適切な補正係数を算出することができる。これにより、スタイラス17bに種類によらず、高精度な形状測定を実施でき、かつ、補正用フィルタの設定のための処理負荷も軽減できるので、処理の高速化を図ることができる。
係数算出用関数としては、例えば工場出荷時等において、予め記憶部211に記憶しておくことも考えられるが、測定環境の変化や、三次元測定機1の経年変化による周波数伝達関数の変化により、補正行列の対角成分に対する補正係数の値が変化する場合がある。これに対して、本実施形態では、上記のように、関数生成手段215により、係数算出用関数を算出することができる。すなわち、上記のように、周波数伝達関数が変化した場合でも、係数算出用関数を更新することで、倣いプローブ17に対する適正な補正係数及び補正用フィルタを設定することができ、測定精度の低下を抑制できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、補正用フィルタとして、スケール部19bから先端球17aまでの周波数伝達特性の逆特性に基づいた補正用フィルタを用いて、先端球変位検出部19aからの先端球変位量を補正したが、これに限定されない。例えば、スケール部19bから先端球17aまでの周波数伝達特性に基づいた補正用フィルタを用いて、スケール部19bからの移動量を補正し、補正した移動量と先端球変位量とを加算して測定値を得てもよい。この場合でも、上記実施形態と同様の手法により、複数種のスタイラス17bを順次プローブ本体17cに装着して倣いプローブ17の校正処理を実施することで、各倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を算出し、当該各倣いプローブ17に対する補正係数をそれぞれ推定した上で、これらの補正行列の対角成分及び補正係数から係数算出用関数を導出することができる。また、同様の手法にて、倣いプローブ17の校正処理を実施することで、プローブ本体17cに装着されたスタイラス17bやプローブ本体17cの特性に応じた倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分を求め、当該対角成分に対応する補正係数を係数算出用関数から算出して、補正用フィルタを設定することができる。
さらに、上記実施形態において、関数生成手段215は、係数算出用関数を生成する例を示したが、例えば、複数種のスタイラス17bをプローブ本体17cに順次装着することで得られる、各倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分と、当該各倣いプローブ17に対する補正係数とを関連付けたルックアップテーブルデータを生成して記憶部211に記憶してもよい。また、上記のように、関数生成手段215が設けられない場合では、工場出荷時において、予めルックアップテーブルデータを記憶部211に記憶しておいてもよい。ルックアップテーブルを用いて補正係数を算出する場合において、倣いプローブ17に対する補正行列の対角成分がルックアップテーブルデータ中にない場合、補正用フィルタ設定手段216は、例えば内挿等により補正係数を推算してもよい。
Claims (5)
- 被測定物に接触する先端球を先端に有するスタイラス、及び前記スタイラスが装着されたプローブ本体を有する倣いプローブと、
前記倣いプローブを支持し、移動可能に設けられたスライダと、
前記スライダの移動量を検出するスケール部と、
前記倣いプローブの前記先端球の、前記倣いプローブ及び前記スライダの支持部に対する変位量を検出する先端球変位検出部と、
前記スケール部により検出された前記移動量、前記先端球変位検出部により検出された前記変位量、及び測定誤差を補正する補正用フィルタに基づいて測定値を算出する演算部と、を備え、
前記演算部は、
校正基準体の測定により前記スケール部で検出された前記移動量及び前記先端球変位検出部で検出された前記変位量を用いて、前記変位量を前記スケール部における座標系に関連付ける補正行列の対角成分を算出し、当該対角成分から前記補正用フィルタにおける補正係数を算出して前記補正用フィルタを設定する補正用フィルタ設定手段を有する
ことを特徴とする形状測定装置。 - 請求項1に記載の形状測定装置において、
前記補正用フィルタ設定手段は、前記倣いプローブに対する前記補正行列の対角成分と、前記倣いプローブに対する前記補正係数との関係を示す係数算出用関数又はテーブルデータを用い、前記補正用フィルタにおける補正係数を算出する
ことを特徴とする形状測定装置。 - 請求項2に記載の形状測定装置において、
前記演算部は、複数種のスタイラスを前記プローブ本体に順次装着して前記校正基準体を測定することで算出された各倣いプローブに対する前記補正行列の対角成分と、前記各倣いプローブのそれぞれに対する前記補正用フィルタの補正係数とに基づいて、前記係数算出用関数又はテーブルデータを生成する関数生成手段を備える
ことを特徴とする形状測定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の形状測定装置において、
前記補正用フィルタは、前記補正係数として、零点の角周波数、極の角周波数、零点の減衰率、及び極の減衰率を含み、
前記補正用フィルタ設定手段は、少なくとも前記零点の角周波数を算出する
ことを特徴とする形状測定装置。 - 被測定物に接触する先端球を先端に有するスタイラス、及び前記スタイラスが装着されたプローブ本体を有する倣いプローブと、
前記倣いプローブを支持し、移動可能に設けられたスライダと、
前記スライダの移動量を検出するスケール部と、
前記倣いプローブの前記先端球の、前記倣いプローブ及び前記スライダの支持部に対する変位量を検出する先端球変位検出部と、を備えた形状測定装置の形状測定方法であって、
校正基準体の測定により前記スケール部で検出された前記移動量及び前記先端球変位検出部で検出された前記変位量を用いて、前記変位量を前記スケール部における座標系に関連付ける補正行列の対角成分を算出し、当該対角成分から補正係数を算出して補正用フィルタを設定し、
設定された前記補正用フィルタと、前記スケール部により検出された前記移動量と、前記先端球変位検出部により検出された前記変位量と、に基づいて測定値を算出する
ことを特徴とする形状測定方法。
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