JP6391596B2 - プロペンの不均一系触媒反応による酸化のプロセスガスからのアクロレインの分離方法 - Google Patents

プロペンの不均一系触媒反応による酸化のプロセスガスからのアクロレインの分離方法 Download PDF

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Description

現在の技術水準による空気酸素を用いるプロペンの不均一系触媒反応による酸化は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,D.Arntz他,オンライン版 2007年4月15日,第1巻,Wiley−VCH−VerlagおよびKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,W.G.Etzhorn,オンライン版 2009年12月18日,第1巻,John Wiley and Sons Inc.中に包括的に記載されている。
その際に、プロペンは、管束反応器中に取り付けられた触媒上で、高められた温度(300〜400℃)および弱く高められた圧力の際に酸化される。供給原料ガスには、プロペンおよび空気の他に、しばしば蒸気および別の不活性ガスも混入され、供給原料ガス組成で爆発限界の外に留めることができる。反応熱は、たいてい、管束反応器の外被空間を通して循環される液状塩溶融物によって導出される。適当な触媒として、例えばPCT出願WO 2008/046843またはWO 2008/104432中に記載された、基礎原料としてモリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケルおよびさらなる促進剤を含有する、数多くの異なる混合酸化物系が記載される。多数の特許明細書から、達成しうるアクロレイン収率を高める、多種多様な、さらなる混合酸化物系が公知である。その際に、非担持触媒(例えば、タブレットまたは中空円筒体として)ならびに担持触媒(例えば、シェル型触媒)が使用される。全ての反応系は、酸化反応の際に目的生成物のアクロレインの他に、多種多様なさらなる副生成物が形成される点で共通している(とりわけ、アクリル酸、酢酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アリルアルコール、CO、CO2)。
アクロレインをさらなる合成反応のための原料として使用しうるために、このアクロレインは、前記反応混合物から分離されかつ精製されなければならない。そのために、原則的な取り組み方は、同様に上記引用文献に示されている。最初に反応ガスを冷却することができ、次に、この反応ガスから高沸点画分および水を分離することができる。高沸点物を含んで生じる排水は、通常、熱的に廃棄される。しかし、別の廃棄方法も提案されてよい。こうして予め精製されたプロセスガス流から、さらにアクロレインが洗浄除去される(吸収される)。それというのも、希釈および低い沸騰温度に基づく凝縮は、全く不経済であるからである。得られた収着物質溶液から、アクロレインおよびなお存在する低沸点物が留去される。アクロレインを取り除いた収着液は、さらに再びアクロレインの吸収に使用されうる。収着液として、通常、水が使用されるか、または水と有機溶剤との混合物が使用される。
必要な場合には、アクロレインは、さらに、低沸点物の分離のために、なおさらに蒸留されうる。挙げられた引用文献および多数のさらなる引用文献から、アクロレインが簡単に重合するかまたはアクリル酸、ホルムアルデヒドもしくはアリルアルコールが簡単に重合することは、公知である。したがって、重合傾向を減らすために、後処理部において安定剤が添加されるか、またはアクロレインそれ自体に安定剤が添加される。そのために、例えばヒドロキノンが適していることが判明したが、しかし、数多くの別の安定剤系も記載されている。安定剤を添加しても、後処理部における重合を100%阻止することはできない。殊に、収着液からアクロレインを分離する際に熱負荷によって、常に僅かにオリゴマーが形成され、このオリゴマーは、時間と共に収着液中で富化されかつポリマーを形成させ、このポリマーは、さらに他方で、清浄化を必要とする生産装置の汚染を引き起こす。
ドイツ連邦共和国特許第2263496号明細書には、プロペンの接触気相酸化により生じるアクロレイン含有およびアクリル酸含有のガス混合物を、アクリル酸の抽出分離のために、水と有機液体との混合物である洗浄液に導通させる、アクリル酸およびアクロレインの製造法が記載されている。その際に生じる高沸点のアクリル酸含有の水溶液/有機溶液は、底部相として分離される。高沸点の有機抽出剤として、殊に2−エチルヘキサノールが使用される。アクリル酸は、複数の後処理工程において、蒸留により水溶液/有機溶液と分離される。そのために、最初に水が留去され、アクリル酸が、残留する有機液体から留去され、次に、この有機液体が洗浄液として再使用される。この方法の欠点は、比較的大量の溶剤が使用されかつ循環して運搬されなければならず、費用のかかるプロセスにおいて再取得されなければならないことにあり、このことは、相当なエネルギー費用ならびに殊に溶剤とアクリル酸との反応によって生じる、さらなる汚染物質のさらなる源であることを意味する。
アクロレインプロセスからの副生成物のできるだけ効率的な分離と共に、さらに、熱通過量の劣化またはプラント処理量の劣化をまねくであろう、装置(例えば、塔、塔取付け物、熱交換器)内および管路内での形成されるポリマー副産物の堆積を阻止することが必要とされる。このことは、実際に、原則的に、ドイツ連邦共和国特許第2263496号明細書に記載の方法で行なわれるのと同様に、殊に急冷段階で水/溶剤混合物を洗浄液として使用することによって行なわれてもよい。しかし、その際にとりわけ、前記プラント処理量の精製および再循環のために特別な費用が掛かることは、欠点である。
それに比べて、WO 2010044990 A1には、アクリル酸を回収する目的で、抽出剤としての液化されたC3ガスのプロピレンおよび/またはプロパンを用いてアクロレインプロセスの排水からアクリル酸を抽出により分離する方法が記載されている。この方法は、溶剤をアクリル酸含有抽出液と簡単に蒸留により分離することを可能にし、このことは、比較的高沸点の抽出剤に比べて利点を示す。
最後に、WO 2001096271には、有機溶剤(C8〜C20アルカンまたはアルケン)中へのプロピレン/プロパンの吸収から始めてプロピレン/プロパンを引き続き、例えば蒸留により(請求項4)吸収剤と分離する(請求項1、3)ことにより、アクロレインを製造することが開示されている。連行された吸収剤は、その後に水でプロピレン/プロパン流から洗浄除去される。水/有機溶剤から得られた混合物は、双方の相を別々にプロセス中で再使用するために、相分離によって精製される(第59頁、第1行〜第60頁第8行)。
製造プロセスの経済性については、一般に、必要とされる精製の停止状態の間の運転時間ができるだけ長く、ならびに連続運転におけるエネルギー消費量ができるだけ低いことが、特に重要なことである。
例えば、WO 2008/104432またはWO 2008/046843中に記載された、改善された触媒の使用により、そうこうする間にアクロレインプロセスにおけるアクリル酸の割合をさらに減少させることに成功し、その結果、ドイツ連邦共和国特許第2263496号明細書の記載に従って、アクリル酸を分離するために大量の溶剤の使用を伴う方法は、経済的に魅力がさらに少なくなった。
したがって、本発明には、後処理部中で有機溶剤を添加してプラントの運転時間の向上を可能にし、その際に公知のプロセスの欠点が回避され、ならびに殊に塔内での気泡形成の抑制および存在するプラントにおける処理量の向上を可能にし、ならびに同時に使用された溶剤のできるだけ簡単で安価な後処理および再循環を可能にする、プロペンの不均一系触媒反応による酸化のプロセスガスからアクロレインを分離する方法を提供するという課題が課された。
発明の説明
本発明によれば、次の工程
A)1つの反応工程において、希釈ガスの存在下に不均一系触媒上で空気を用いてプロペンを気相酸化してアクロレイン含有ガス流(プロセスガス)を製造する工程、
B)水およびほとんど水溶性ではない有機溶剤を含有する有機相の存在下に副生成物を分離するために、底部と中央部と頭部とからなる急冷段階において、A)からのアクロレイン含有ガス流を捕集する工程、
C)有機相を含有するアクロレイン水溶液および不凝縮ガス流を取得するために、水およびほとんど水溶性ではない有機溶剤を含有する有機相の存在下に、底部と中央部と頭部とからなる吸収段階において、急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流を捕集する工程、
C1)反応段階A)へ希釈ガスとしてのC)からの不凝縮ガス流を少なくとも部分的に返送する工程、
D)蒸留工程において、C)からの有機相を含有するアクロレイン水溶液からアクロレインを蒸留により分離する工程を実施し、
その際に、アクロレインを取り除いた、残留する有機相を含有する水溶液が蒸留工程D)から排出され、その結果、有機相IIが形成され、この有機相IIは、所属する水性画分IIと分離され(相分離部II)、有機相IIは、急冷段階B)の底部中に搬入され、この底部から有機相IIは、蒸留および/またはストリッピングによって水性画分と一緒に頭部を介して分離され、その結果、有機相Iが形成され、この有機相は、所属する水性画分Iと分離され(相分離部I)、かつ吸収段階C)の底部中に搬入される、アクロレインを製造するための連続的方法を提供することによって、技術水準の欠点を克服することに成功する。
ほとんど水溶性ではない有機溶剤とは、殊に水への溶解度がそのつど20℃で、20g/l以下、特に6.0g/l以下、特に有利に2.0g/l以下を有する有機溶剤であると解釈される。
塔の形の急冷段階B)を実施する場合には、頭部の下端部に、とりわけ捕集底が設置されており、この捕集底上に相分離器Iへの有機相/水相の搬出量が存在し(図1参照)、その結果、こうして生じた底部中間体から特に良好に液体を搬出することができる。
工程C1)において、不凝縮ガス流(凝縮不可能なプロセスガス)に補充して、または、不凝縮ガス流(凝縮不可能なプロセスガス)の代わりに、さらなる不活性ガス、例えば窒素または水蒸気または燃焼装置からの酸素貧有排ガスが希釈ガスとして使用されてもよい。
本発明による方法は、殊に有機溶剤の添加およびそれによって形成される、後処理部中での有機相によって、汚染物質を形成する潜在的なポリマーの分離およびそれにともなって、前記プラントの運転時間の上昇を可能にし、その際に同時に、使用される溶剤を内部で循環させかつ蒸留により精製することを可能にし、その際にさらなる装置的費用は、必要とされない。また、前記系中での発泡傾向は、殊に蒸留段階において減少される。したがって、この方法は、全体的に前記プラントの運転時間の上昇および出発物質流または生成物流の処理量の上昇を可能にする。
その際に、ほとんど水溶性ではない有機溶剤が、有機相の補充のために、当該方法の適当な箇所で持続的または断続的に導入される方法は、好ましい。こうして、殊に有機相の含量を一定に保持することおよびそれによって安定した運転形式が可能になる。
さらに、有機溶剤が吸収段階の底部中および/または蒸留段階の底部中に導入されることは、特に好ましい。吸収段階の底部中への搬入によって、殊に、吸収段階の主要な機能、工程B)による急冷ガスからのアクロレインの分離は、少なくとも損なわれる。そのために、有機溶剤がとりわけ吸収段階への有機相の供給流中に混入されるかまたは前記位置の下方で別々に導入される。蒸留段階の底部中へ溶剤が搬入される場合には、前記手段によって、蒸留段階の頭部中への溶剤または有機相の滲出、ひいては生成物のアクロレイン中への溶剤または有機相の滲出は、防止される。
とりわけ、150〜230℃、特に有利に170〜190℃の常圧での沸点を有する有機溶剤が特に使用される。それによって、殊に、急冷段階でのストリッピングおよび蒸留による、底部から頭部への溶剤の搬出は、保証されている。ここで、ストリッピングガスとして、殊にプロセスガスが利用される。
特に有利には、大工業的にも十分な量で使用される、分枝鎖状C6〜C10アルコールまたは非分枝鎖状の開鎖状C6〜C10アルコール、殊に2−エチルヘキサノールが使用される。アルコールは、プロセス中に生じる物質、例えばアクリル酸と反応してアクリル酸エステルを形成し、すなわち、2−エチルヘキサノールの場合には、2−エチルヘキシルアクリレートとなるか、または酢酸と反応して2−エチルヘキシルアセテートとなりかつホルムアルデヒドと反応して2−エチルヘキシルホルマールおよび2−エチルヘキシルジホルマールとなるので、これらのプロセス生成物は、溶剤と一緒になって、本発明により使用される有機相の成分となり、これに関連して、前記有機相は、溶剤マトリックス(LM)とも呼称される。このことは、本発明による方法においてはむしろ有利であり、それというのも、さらに有利には、溶剤マトリックスは、形成されたオリゴマーおよびさらなる有機副生成物のために良好な収容能を有し、このことは、挙げられたアルコールから形成される有機相を用いる特別な場合である。
さらに、本発明による方法の場合、反応段階A中に搬入されるプロペン量に対して、有機溶剤が0.05〜1質量%、特に0.1〜0.5質量%補充され、とりわけ有機相の不変の含量が維持される程度に有機溶剤が補充されることは、好ましい。このことは、有機相、殊に相分離部、殊に公知の分析法による相分離部IIの出発流中の有機相の含量を測定することによって、検査されかつ相応して後調整されうる。それによって、本発明による方法の特に好ましい安定した運転形式および溶剤消費量の最小化が可能になる。
さらに、本発明による方法の場合も、200〜280℃、殊に220〜250℃の温度を有する、A)からのアクロレイン含有ガス流が相応する工程B)の底部中に到達することは、好ましい。そのために、プロセスガスは、急冷段階における冷却水必要量を低下させるために、既に反応段階Aの後冷却器中で相応して冷却される。それにもかかわらず、比較的高い温度は、副生成物の形成を強めるであろう。それによって、反応段階A)と後続の急冷段階B)との組合せの、エネルギー的に最適化されかつ最大のアクロレイン選択率に関連して最適化された運転形式が可能になる。
さらに、本発明による方法の場合、急冷段階Bにおいて、1.2〜1.8バール(絶対圧力)の頭部中の圧力で、別々の有機相が急冷段階Bの底部中に存在しない程度に、底部温度が60〜90℃に調節されることは、好ましい。それによって、プロセス中に必要される有機相の底部搬出量が防止され、ならびに有機相の揮発性画分が本発明により急冷段階Bの底部中に輸送されることが保証される。
その際に、急冷段階Bで凝縮された液体の部分量を導出しかつ相応する冷却後に急冷段階Bの下部の三分の一に再び供給すること(下部のポンプ循環)により、急冷段階Bの底部温度が調節されることは、特に好ましい。殊に、外側の熱交換器による一様の装入および温度調節がこうして可能になる。
その際に、凝縮された液体の導出された部分流から、前記方法による部分流が排出されることは、特に好ましい。それによって、アクリル酸およびさらなる副生成物、殊に有機相II中に含まれる、有機相IIと共にストリッピングされない高沸点副生成物および形成される反応水は、急冷段階の底部から排出されかつ前記方法から排出される。それによって、塔の底部中での一定の液面高さならびに副生成物の十分に一定の割合が達成される。
同様に、本発明による方法の場合、急冷段階Bの頭部中に存在する凝縮物の部分流が導出され、とりわけ20℃未満に冷却され、急冷段階Bの頭部に再び供給され、それによって急冷段階Bの中央部から流入するアクロレイン含有ガス流が冷却され、絶えずさらなる凝縮物が製造され、この凝縮物が還流として急冷段階の中央部に返送されること(上部のポンプ循環)は、好ましい。このことは、水相および有機相または溶剤の凝縮のために、殊に外部の熱交換器を介して、均一な装入および温度調節を可能にする。
同様に、本発明による方法の場合、急冷段階Bの頭頂部からの凝縮物の部分流が相分離部Iに供給されることは、好ましい。それによって、有機相Iのインサイチュー(in−situ)での分離は、前記方法における即座の再使用のために、極めて簡単で効率的に可能である。
また、本発明による方法の場合、相分離部Iを8〜60℃、特に10〜50℃、特に有利に12〜40℃の温度で実施することは、好ましい。それによって、殊に、存在する溶剤を用いて最小の損失量で有機相の最適な分離が達成される。
本発明によれば、さらに、相分離部Iを0.5〜20分、特に1〜10分の滞留時間で実施する方法は、好ましい。また、前記条件は、存在する溶剤を用いて最小の損失量で有機相を最適に分離することに貢献する。
本発明によれば、相分離部Iからの水性画分Iを少なくとも部分的に、急冷段階Bからの製造された凝縮物の還流に供給する方法も好ましい。それによって、吸収段階へのアクリル酸の出現は、防止され、急冷塔の中央部中でのLMの富化は、減少される。
本発明によれば、さらに、蒸留段階Dから搬出された、アクロレインを取り除いた、有機相を含有する水溶液(収着溶液)を、部分的に直接に吸収段階Cの頭部に返送しかつ相分離部IIの残りの部分を供給する方法は、好ましい。
その際に、蒸留部からの収着溶液は、直ちにインサイチュー(in−situ)で実際に損失量なしに利用され、ならびに廃棄流の全体量は最小化される。この運転形式によって、相分離部IIでの滞留時間は、有機相の最適な分離が可能になるように調節されうる。
その際に、本発明により運転される相分離器IIの最適な機能のために、十分長い滞留時間の他に、適当な温度を選択することは、決定的に重要である。したがって、相分離部IIを10〜90℃、特に15〜60℃、特に有利に20〜40℃の温度で実施する方法は、好ましい。それによって、所定の粘度の際に最小の損失量で有機相と存在する溶剤とを最適に分離することは、保証される。
本発明によれば、相分離部IIを0.5〜20分、特に1〜10分の滞留時間で実施する方法も好ましい。このことは、同様に、本方法の経済性を損なうことなく、最小の損失量で有機相と存在する溶剤とを最適に分離することに貢献する。
本発明によれば、急冷段階B)中に搬入される有機相IIの量が、反応段階A)中に搬入される、プロペンの全体量に対して、0.1〜3質量%、特に0.2〜1質量%である方法は、さらに好ましい。このことは、さらに導入される物質流による最小の負荷の際に有機相の作用の最適な展開が保証される。
本発明によれば、相分離部IIからの水性画分IIを、部分的に吸収段階C)、特に吸収段階の頭部に返送し、かつ特に水性画分IIのさらなる部分流を本方法から排出する方法も好ましい。それによって、プロセス水は、直ちに実際に損失量なしに利用され、ならびに廃棄流の全体量は、最小化される。前記排出によって、本方法における液体の全体量は、(残留液)制御され、かつ水相中での副生成物の富化は、阻止される。
本発明によれば、さらに、収着溶液中の有機相の含量が0.1〜5質量%、特に0.2〜3質量%である方法は、好ましい。それによって、溶剤含有有機相の含量は、分離可能な有機相IIが形成される程度に高い。
本発明によれば、また、収着溶液を5〜18℃、特に6〜12℃の温度で1.1〜1.7バールの吸収段階C)の頭部での圧力で吸収段階C)中に導入する方法は、好ましい。このことは、急冷ガス流からのアクロレインの十分な吸収を保証する。
本発明による方法の場合、急冷段階、吸収段階および/または蒸留段階は、そのつど特に塔の形で実施されている。その際の利点は、とりわけ、簡単に方法を実施すること、規則充填物または棚段の取付けが変えられること、およびそれとともに、前記プロセスのさまざまな制限条件、例えば流量、分離段数等へ適合させることである。その際に、とりわけ、一般に使われている規則充填塔、不規則充填塔または棚段塔、例えば泡鐘塔もしくは多孔板塔が重要である。
本発明による方法は、公知方法に比べて極めて少ない溶剤量の使用を可能にし、この溶剤量は、存在するアクロレインプラント中に組み入れて多大なさらなる装置的費用またはエネルギー消費なしに回収され、かつ処理量およびプラント使用可能性に対して、さらなる既に挙げられたプラスの効果をもって再使用される。このことは、大工業的プロセスの際に経済的視点ならびに生態学的視点から重要なことである。
本発明による方法の実施態様を示す略図。 実施例1(図1)に記載の方法とは異なる、相分離器Iおよび相分離器IIは、取り付けられておらず、かつ方法に溶剤は供給されない、比較例1における実施態様を示す略図。 実施例1(図1)に記載の方法とは異なる、相分離器Iおよび相分離器IIは、取り付けられておらず、かつ方法に吸収段階の底部中への溶剤は供給されない、比較例2における実施態様を示す略図。 実施例1(図1)に記載の方法とは異なる、相分離器IIが、取り付けられており、かつ方法に吸収段階の底部中への溶剤が供給される、比較例3における実施態様を示す略図。
実施例の説明
実施例につき本発明を詳説するために、本発明による方法の実施態様を示す図1を引き合いに出す。
技術水準に相応して、最初にプロペンを蒸発させ、ガス状プロペン(3)を空気(1)、蒸気(2)および循環ガス(19、凝縮不可能なプロセスガス=再循環されるプロセス排ガス)と混合し、混合物を管束反応器(工程Aに相当する)に供給する。さらに、前記管束反応器中で、適当な触媒上でプロペンは反応してアクロレインおよびさらなる副生成物となる(反応)。
反応器の下方から離れるプロセスガス(4、反応ガス)から、最初に第1の塔(棚段および規則充填物を備え、さらに急冷塔と呼称され、工程Bに相当する)中で高沸点物を取り除く。そのために、最初に前記塔の下部で、特に220〜250℃で生じるプロセスガスの冷却を、冷却循環路を用いて行なう。次に、前記塔の中央部において、高沸点物、殊にアクリル酸の十分な貧化が行なわれる。前記急冷塔の上部における冷却循環路中で、前記塔の中央部から上向きに進むプロセスガスのさらなる冷却が行なわれ、その際に、飽和ガス流から液体が凝縮され、この液体は、還流として前記塔の中央部に返送される。
さらに、技術水準に相応して、急冷塔の頭部から流出するプロセスガスからのアクロレインは、後続の塔(構造化された規則充填物を備え、さらに吸収塔と呼称され、工程Cに相当する)中で吸収される。そのために、前記プロセスガスを底部範囲内の吸収塔に供給し、かつ頭部の方から収着溶液で洗浄し、その際に、この収着溶液は、アクロレインで負荷される。アクロレインをできるだけ取り除いたプロセスガスは、排ガス(12)としてプラントを離れ、かつ部分的に循環ガス(19、希釈ガス、再循環されたプロセス排ガス)として、反応器の供給原料混合物の不活性化のために返送される。
さらに、技術水準に相応して、アクロレインで負荷された収着液は、吸収塔(工程Cに相当する)の底部から取り出され、かつ例えば、蒸留塔(棚段塔、脱着塔とも呼称される、工程Dに相当する)の中央部に供給される。前記中央部で収着溶液からのアクロレインは、蒸留により分離される。前記塔のストリッピング部中で、収着溶液からできるだけアクロレインを取り除き、次に吸収塔に返送し(10)、その際に、収着溶液には、なお僅かに脱イオン水(11)が添加される。前記塔の濃縮部中で、アクロレインを共沸点近くになるまで濃縮し、流出するアクロレイン蒸気流を噴射式凝縮器(23)中で、循環路内で循環される冷却されたアクロレインによって凝縮し、凝縮物に安定剤(13)を添加する。安定剤として、たいていヒドロキノンが使用されるか、そうでなければ別の適当な安定剤が使用される。分離に必要とされる還流を前記塔に返送し、取得されたアクロレインをアクロレイン貯蔵庫に供給する(14)。
さらに、これまで本質的な点で技術水準に相応する前記後処理プロセスは、本発明によれば、急冷塔の頭部循環路中の2個の相分離器IおよびIIの周りで、収着溶液(10)を吸収塔に返送することで補充され、後処理プロセスの運転形式は、さらなる記載に相応して本発明により変更される。
通常、収着液として使用される水には、ほとんど水中で可溶性ではなく、水との混合の際に有機相を形成し、かつとりわけ150〜230℃、特に170〜190℃の沸点を有する、有機溶剤が添加される。さらに、有利に、溶剤は、形成されたオリゴマーおよびさらなる有機副生成物のために良好な収容能も有するべきであった。2−エチルヘキサノールまたはそれによって形成される有機相は、前記目的のために特に好適であることが証明された。有機溶剤を補充するために、この有機溶剤は、例えば、吸収段階Cの下部中に搬入される(5)。
前記溶剤のさらなる目的、すなわち汚染物質を形成する潜在的なポリマーを分離するというさらなる目的を考慮するために、溶剤マトリックスは、精製されなければならない。そのために、吸収塔(工程C)に返送された収着溶液6の部分流6から、相分離器IIを用いて有機相II(LM II)は、分離される。その際に、運転は、10℃〜90℃の範囲内で維持され、特に適したやり方では、15℃〜60℃の温度範囲である。それに応じて、相分離器IIは、WT1として符号で示された熱交換器の後方でプロセスに接続されている。WT1において、エネルギー再循環の最適化のために、脱着塔の底部からの熱い収着液は、吸収塔の底部からの冷たい負荷された収着液で冷却され、かつ負荷された収着液は、脱着塔中への侵入前に予熱される。
有機相を含む溶剤は、収着液の部分流から分離されうるが、しかし、再循環される収着液は、全体的に相分離器IIに導通されてもよい。完全に溢流される相分離器IIの容積と導通される液体の体積流量とから、相分離器II中の滞留時間(VWZ)は、もたらされる。十分に良好な分離は、0.5〜20分の滞留時間、特に有利に1〜10分のVWZで達成され、かつこの分離は、相応して調節される。
さらに、分離された有機相II(LM II)は、急冷塔(工程B)中の底部循環路の上底上に導かれる(7)。その際に、相分離器IIから取り出された量は、相分離器II中で生じるLM IIよりも幾らか多い液体が取り出され、かつそれによって相分離器II中での境界層の形成が阻止される程度に計量される。このことは、好ましいことが判明した。それというのも、境界層上には、ますますポリマーが形成されるからである。
さらに、急冷塔の底部循環路に供給される有機相II(7、LM II)から、熱いプロセスガスによって、揮発性の溶剤マトリックス画分がそれ以外の高沸点物とは対照的にストリッピングされる。それというのも、LM IIは、第2の相を形成するからである(水蒸気蒸留の原理)。上部の(頭部を含む)冷却循環路中で、比較的低い温度でLM IIは大部分が、残りの凝縮物と凝縮され、さらに上部の冷却循環路(8)中に存在する相分離器Iを介して冷却循環路から分離される。分離された有機相I(LM I)は、吸収塔(工程C)の底部中に返送される(9)。相分離器Iのための運転パラメータは、VWZに関連して、相分離器IIのための運転パラメータに等しいが、しかし、使用温度は、比較的低く調節されてよい。それというのも、留去されたLM Iは、相分離器IIからの高沸点物で負荷されたLM IIよりも低い粘度を有するからである。
この運転形式は、広い範囲内で自由に調節可能な溶剤流を、図示された閉鎖された循環路中で脱着塔(工程 D)の熱い部分に、比較的大きな溶剤損失量を生じることなく、導くことを可能にする。調節可能な量は、とりわけ急冷塔中での蒸留容量によって限定されている。LMの含量は、供給された新しい溶剤量およびLMの損失量に相応して排水(15、16)および排ガス(18)とともに生じる。LM含量は、少なくとも、有機相(LMを含む)が形成され、収着溶液中の高すぎるLM濃度が任意に吸収塔中の分離効果を劣化させる程度に高くなければならなかった。例示的に好ましくは、収着溶液中のLM含量は、0.1〜5質量%、有利に0.2〜3質量%である。
溶剤によって収容された汚染物質は、急冷塔の底部中に残留し、かつ排水と一緒に燃焼される。その際に、アクリル酸含有排水(16)中で汚染物質が良好に十分に可溶性であり、かつ変動する発熱量によって引き続く燃焼プロセスを損ないうる、別々の有機相が生じないことは、有利である。前記プロセスのさらなる明らかな利点は、方法を前提とする装置が利用されかつ外部の溶剤の後処理部のためのさらなる装置を必要としないことである。溶剤の消費量は、排ガス中、および排水中の比較的少ない溶剤損失量だけを補充しなければならない限りでは、減少される。
前記プロセスの実施のさらなる利点は、吸収塔への収着液の供給前および急冷塔への上部の冷却循環流からの供給前または急冷塔の還流からの供給前に、前記塔中のこれらの箇所で規則充填物(実施例の記載と同様)が使用されうる限り、溶剤含量が低下されていることである。このことは、所定の装置の寸法の際に塔取付け物としての棚段の利用の場合よりも高い処理量を可能にしうる。
比較例1〜3の試験の説明
比較例を上記の実施例と同様に実施したが、しかし、次の点が異なる:
図2:実施例1(図1)に記載の方法とは異なり、比較例1においては、相分離器Iおよび相分離器IIは、取り付けられておらず、かつこの方法には溶剤は供給されない。
図3:実施例1(図1)に記載の方法とは異なり、比較例2においては、相分離器Iおよび相分離器IIは、取り付けられておらず、かつこの方法には吸収段階の底部中への溶剤は供給されない。この溶剤は、収着液中である程度富化されかつ収着循環路からのプロセス排水と一緒に(流れ15)当該プロセスからの汚染された有機相として除去されかつ熱的に廃棄される。
図4:実施例1(図1)に記載の方法とは異なり、比較例3において、相分離器IIが、取り付けられており、かつこの方法には吸収段階の底部中への溶剤が供給される。実施例1と同様に運転される相分離器IIから取り出された有機相II(LM II)は、2段階の真空蒸留に供給される。第1の段階において、低沸点物が分離され、第2の段階において、LMの蒸留可能な画分が高沸点物によって留去される。この画分は、新しい溶剤(流れ5)と一緒に再び吸収段階の底部中に返送される。
実施例/比較例において使用される方法の見解は、第1表中にまとめられている。
Figure 0006391596
Figure 0006391596
実施例/比較例の結果
記載された実施例/比較例を、図1〜4中に示されたプラントに相応して、そのつどプラント中で実施した。その際に、記載された結果は、本質的に記載されたパラメーターによって定められている。
図1 本発明によるプロセス。プラントの運転は、清浄化が必要とされるまで1年を超える。特別な溶剤の消費量は、使用されたプロペン量に対して、新しい溶剤約0.2質量%である。
比較例1〜3:
図2 この場合、調節可能な最大のプラント負荷量(すなわち、Pe供給量)は、実施例1からのプラント負荷量の約80%に制限されていることが明らかになる。比較的高い負荷量の場合、プラントの運転挙動は、蒸留部における気泡形成によって不安定になる。さらに、前記の比較的低い負荷量の場合でさえ、既に最大3ヶ月後に蒸留段階の底部の清浄化が必要となることが観察される(ポリマー堆積物の形成)。溶剤の消費なし。
図3 この場合、生産の減少は、蒸留部における気泡形成のためにもはや不要ではなく、かつ生産プラントの清浄化の時間間隔は、6ヶ月にまで延長されることが明らかになる。その際に、新しい溶剤の消費量は、使用されるプロペン量に対して、溶剤0.4質量%以上である。
図4 この場合、プラントの運転は、実施例1と同様に可能になるが、しかし、新しい溶剤の消費量は、使用されたプロペン量に対して、溶剤0.4質量%以上であることが明らかになる。真空蒸留プラントの投資額は、本質的に相分離器Iの投資額よりも高く、かつ運転は、蒸留残留物のタール様コンシステンシーのために故障し易い。
1 空気(乾燥)、 2 蒸気、 3 プロペン、 4 プロセスガス、 5 2−エチルヘキサノール、外部の後処理部からの留出液、 6 収着溶液、 7 相分離器IIからの有機相、 8 冷却循環路、 9 相分離器Iからの有機相、 10 収着溶液、 11 脱イオン水、 12 吸収段階からの出口での圧力、 13 安定剤(アクロレイン中の10%ヒドロキノン)、 14 アクロレイン、 15 収着物質循環路からの排水、 16 急冷段階からの排水、 17 相分離器IIから外部の後処理部への有機相、 18 燃焼部へのプロセス排ガス、 19 再循環されたプロセス排ガス、 20 急冷塔の底部の温度、 21 急冷塔の頭部の圧力、 22 急冷塔の頭部循環路中の温度、 23 噴射式凝縮器、 WT1 熱交換器1

Claims (23)

  1. アクロレインを製造するための連続的方法であって、次の工程
    A) 1つの反応器A)において、希釈ガスの存在下に不均一系触媒で空気を用いてプロペンを気相酸化する工程、
    B) 水と、水への溶解度が20℃で20g/l以下である有機溶剤を含有する有機相の存在下に副生成物を分離するために、底部と中央部と頭部とからなる急冷塔B)において、A)からのアクロレイン含有ガス流を捕集する工程、
    C) 有機相を含有するアクロレイン水溶液および不凝縮ガス流を取得するために、水と前記有機溶剤を含有する有機相の存在下に、底部と中央部と頭部とからなる吸収塔C)において、急冷B)からのアクロレイン含有ガス流を捕集する工程、
    C1) 反応A)へ希釈ガスとしてのC)からの不凝縮ガス流を少なくとも部分的に返送する工程、
    D) 蒸留塔D)において、C)からの有機相を含有するアクロレイン水溶液からアクロレインを蒸留により分離する工程を実施し、
    その際に、アクロレインを取り除いた、残留する有機相を含有する水溶液が蒸留D)から排出され、その結果、有機相IIが形成され、この有機相IIは、所属する水性画分IIと分離され(相分離部II)、有機相IIは、急冷B)の底部中に搬入され、この底部から有機相IIは、蒸留および/またはストリッピングによって水性画分と一緒に頭部を介して分離され、その結果、有機相Iが形成され、この有機相は、所属する水性画分Iと分離され(相分離部I)、かつ吸収C)の底部中に搬入される、前記方法。
  2. 記有機溶剤を、有機相の補充のために、当該方法の適当な箇所で持続的または断続的に導入することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記有機溶剤を吸収塔C)の底部中および/または蒸留塔D)の底部中に導入することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 150〜230℃の常圧での沸点を有する有機溶剤を使用することを特徴とする、請求項2または3記載の方法。
  5. 前記有機溶剤として、分枝鎖状C6〜C10アルコールまたは非分枝鎖状の開鎖状C6〜C10アルコールを使用することを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 前記有機溶剤として、2−エチルヘキサノールを使用することを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 反応中に搬入されるプロペン量に対して、有機溶剤を0.05〜1質量%補充することを特徴とする、請求項2または3記載の方法。
  8. 200〜280℃の温度を有する、A)からのアクロレイン含有ガス流は、相応する急冷塔B)の底部中に到達することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記急冷において、1.2〜1.8バールの頭部中の圧力で、底部温度を、別々の有機相が急冷の底部中に存在しない程度に60〜90℃に調節することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記急冷で凝縮された液体の部分流を導出しかつ相応する冷却後に急冷の下部の三分の一に再び供給すること(下部のポンプ循環)により、急冷の底部温度を調節することを特徴とする、請求項記載の方法。
  11. 前記の凝縮された液体の導出された部分流からの部分流を、前記方法から排出することを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. 前記急冷の頭部中に存在する凝縮物の部分流を導出し、急の頭部に再び供給し、それによって急冷の中央部から流入するアクロレイン含有ガス流を冷却し、絶えずさらなる凝縮物を製造し、この凝縮物を還流として急冷塔B)の中央部に返送すること(上部のポンプ循環)を特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記凝縮物の部分流を相分離部Iに供給することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. 前記相分離部Iを8〜60℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記相分離部Iを0.5〜20分の滞留時間で実施することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記相分離部Iからの水性画分Iを少なくとも部分的に、製造された凝縮物の還流に供給することを特徴とする、請求項12から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 蒸留から搬出された、アクロレインを取り除いた、有機相を含有する水溶液(収着溶液)を、部分的に直接に吸収の頭部に返送し、かつ相分離部II残りの部分を供給することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記相分離部IIを10〜90℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記相分離部IIを0.5〜20分の滞留時間で実施することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 急冷B)中に搬入される有機相IIの量は、反応A)中に搬入される、プロペンの全体量に対して、0.1〜3質量%であることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記相分離部IIからの水性画分IIを、部分的に吸収)に返送し、かつ水性画分IIのさらなる部分流を本方法から排出することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 着溶液中の有機相の含量は、0.1〜5質量%であることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記収着溶液を5〜18℃の温度で1.1〜1.7バールの吸収C)の頭部での圧力で吸収C)中に導入することを特徴とする、請求項17または22記載の方法。
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