JP6388665B2 - 水素発生電極 - Google Patents

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Description

本発明は、光により電解水溶液から水素を発生させる水素発生電極に関し、特に、水素の発生量に相当する光電流値が高く、かつ長時間にわたり安定して水素を発生させることができる水素発生電極に関する。
従来、再生可能なエネルギーである太陽光エネルギーを利用する形態の1つとして、太陽電池に使用される光電変換材料を用いて、この光電変換材料で得られる起電力を利用して、電解水溶液を分解して酸素と水素を製造する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、集電極上に、p型半導体、n型半導体、反応助触媒が、この順で積層された構造の光水分解用電極が記載されている。この光水分解用電極を水中に保持し、太陽光等の光を照射することにより、水を分解して水素を製造することができる。
特開2012−46385号公報
特許文献1の光水分解用電極は、太陽光等の光を受けて、水を分解して水素を製造することができるが、現状では、更なる水素の発生量の増加が望まれている。すなわち、水素の発生量に相当する光電流値の更なる向上が求められている。また、連続して水素を発生させた場合、水素の発生量が低下することがあり、長時間にわたり安定して水素を発生させることも要求されている。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、水素の発生量に相当する光電流値が高く、かつ長時間にわたり安定して水素を発生させることができる水素発生電極を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、光を用いて電解水溶液から水素を発生させる水素発生電極であって、導電層と、導電層上に設けられたpn接合を有する無機半導体層と、無機半導体層上に形成された金属層と、金属層の表面に担持された助触媒とを有し、助触媒側から光が入射されることを特徴とする水素発生電極を提供するものである。
金属層は4族以上の遷移金属で構成されることが好ましい。また、金属層は単層構造または多層構造であることが好ましい。金属層は厚みが8nm以下であることが好ましい。
また、例えば、無機半導体層はCIGS(Copper indium gallium selenide)化合物半導体を含む。また、例えば、無機半導体層はCZTS(Copper zinc tin sulfide)化合物半導体を含む。また、例えば、無機半導体層はCGSe化合物半導体を含む。例えば、4族以上の遷移金属は、Ti、Zr、Mo、TaおよびWである。
本発明によれば、水素の発生量に相当する光電流値が高く、かつ長時間にわたり安定して水素を発生させることができる。
(a)は、本発明の実施形態の水素発生電極の構成を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の実施形態の水素発生電極の他の構成を示す模式的断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態の水素発生電極の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の水素発生電極を詳細に説明する。本発明は、以下に説明する水素発生電極の実施形態に限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
図1(a)は、本発明の実施形態の水素発生電極の構成を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の実施形態の水素発生電極の他の構成を示す模式的断面図である。
図1(a)に示す水素発生電極10は、光Lを用いて電解水溶液AQから水素を発生させるものである。
水素発生電極10は、絶縁基板12の表面12a上に、導電層14と、p型半導体層16と、n型半導体層18と、金属層20と、助触媒22とが、この順で積層されている。p型半導体層16とn型半導体層18とで無機半導体層19が構成される。助触媒22側から光Lが入射される。
水素発生電極10は、例えば、光Lが透過可能な構成の容器30内に配置される。容器30内には、水素発生電極10が完全に浸漬するように電解水溶液AQが入れられる。例えば、水素発生電極10を作用極とし、参照電極(図示せず)にAg/AgCl電極を用い、対極(図示せず)に白金ワイヤーを用い、これらをポテンショスタットに接続した3電極系の構成とする。この状態で、水素発生電極10の電位を参照電極に対して制御し、かつ助触媒22側から光Lを照射することにより、電解水溶液AQが分解されて水素が発生する。なお、水素発生電極10を用いた水素を発生させるシステムは、特に限定されるものではない。例えば、酸素発生電極と接続して、共に電解水溶液AQ内に浸漬して、助触媒22側から光Lを照射して、水素を発生させるようにしてもよい。
ここで、電解水溶液AQとは、例えば、HOを主成分とする液体であり、蒸留水であってもよく、水を溶媒とし溶質を含む水溶液であってもよい。水の場合、例えば、電解質を含む水溶液である電解液であってもよく、冷却塔等で用いられる冷却水であってもよい。電解液の場合、例えば、電解質を含む水溶液であり、例えば、強アルカリ(KOH)、ポリマー電解質(ナフィオン(登録商標))、0.1MのHSOを含む電解液、0.1M硫酸ナトリウム電解液、0.1Mリン酸カリウム緩衝液等である。
次に、水素発生電極10の各部について説明する。
絶縁基板12は、水素発生電極10を支持するものであり、電気絶縁性を有するもので構成される。絶縁基板12は、特に限定されるものではないが、例えば、ソーダライムガラス基板(以下、SLG基板という)またはセラミックス基板を用いることができる。また、絶縁基板12には、金属基板上に絶縁層が形成されたものを用いることができる。ここで、金属基板としては、Al基板またはSUS(Steel Use Stainless)基板等の金属基板、またはAlと、例えば、SUS等の他の金属との複合材料からなる複合、Al基板等の複合金属基板が利用可能である。なお、複合金属基板も金属基板の一種であり、金属基板および複合金属基板をまとめて、単に金属基板ともいう。さらには、絶縁基板12としては、Al基板等の表面を陽極酸化して形成された絶縁層を有する絶縁膜付金属基板を用いることもできる。絶縁基板12は、フレキシブルなものであっても、そうでなくてもよい。なお、上述のもの以外に、絶縁基板12として、例えば、高歪点ガラスおよび無アルカリガラス等のガラス板、またはポリイミド材を用いることもできる。
絶縁基板12の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、20〜20000μm程度あればよく、100〜10000μmが好ましく、1000〜5000μmがより好ましい。なお、p型半導体層16に、CIGS化合物半導体を含むものを用いる場合には、絶縁基板12側に、アルカリイオン(例えば、ナトリウム(Na)イオン:Na)を供給するものがあると、光電変換効率が向上するので、絶縁基板12の表面12aにアルカリイオンを供給するアルカリ供給層を設けておくことが好ましい。なお、SLG基板の場合には、アルカリ供給層は不要である。
導電層14は、絶縁基板12の表面12aに形成され、無機半導体層19に電圧を印加するものである。導電層14は、導電性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、Mo、CrおよびW等の金属、またはこれらを組み合わせたものにより構成される。この導電層14は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。この中で、導電層14は、Moで構成することが好ましい。導電層14の膜厚は、一般的に、その厚みが800nm程度であるが、導電層14は厚みが400nm〜1μmであることが好ましい。
無機半導体層19は、起電力を発生するものである。無機半導体層19では、p型半導体層16とn型半導体層18との界面でpn接合が形成される。p型半導体層16が導電層14上に形成されている。
無機半導体層19は、n型半導体層18を透過して到達した光Lを吸収して、p側に正孔を、n側に電子を生じさせる層である。p型半導体層16は光電変換機能を有する。p型半導体層16では、pn接合でキャリアとして生じた正孔をp型半導体層16から導電層14側に移動させ、pn接合でキャリアとして生じた電子をn型半導体層18から金属層20側に移動させる。p型半導体層16の膜厚は、好ましくは0.5〜3.0μmであり、1.0〜2.0μmが特に好ましい。
p型半導体層16は、例えば、カルコパイライト結晶構造を有するCIGS化合物半導体またはCuZnSnS等のCZTS化合物半導体で構成されるのが好ましい。CIGS化合物半導体層は、Cu(In,Ga)Se(CIGS)のみならず、CuInSe(CIS)、CuGaSe(CGS)等で構成してもよい。
なお、CIGS層の形成方法としては、1)多源蒸着法、2)セレン化法、3)スパッタ法、4)ハイブリッドスパッタ法、および5)メカノケミカルプロセス法等が知られている。
その他のCIGS層の形成方法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、およびスプレー法(ウェット成膜法)等が挙げられる。例えば、スクリーン印刷法(ウェット成膜法)またはスプレー法(ウェット成膜法)等で、11族元素、13族元素、および16族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、16族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施する等により、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
n型半導体層18は、上述のようにp型半導体層16との界面でpn接合を形成するものである。また、n型半導体層18は、入射した光Lをp型半導体層16に到達させるため、光Lが透過するものである。
n型半導体層18は、例えば、CdS、ZnS,Zn(S,O)、および/またはZn(S,O,OH)、SnS,Sn(S,O)、および/またはSn(S,O,OH)、InS,In(S,O)、および/またはIn(S,O,OH)等の、Cd,Zn,Sn,Inからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属硫化物を含むもので形成される。n型半導体層18の膜厚は、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。n型半導体層18の形成には、例えば、化学浴析出法(以下、CBD法という)が用いられる。
なお、n型半導体層18上に、例えば、窓層を設けてもよい。この窓層は、例えば、厚み10nm程度のZnO層で構成される。
金属層20は、無機半導体層19上、すなわち、n型半導体層18の表面18aに形成されている。
金属層20は、4族以上の遷移金属で構成することが好ましい。4族以上の遷移金属としては、例えば、Ti、Zr、Mo、TaおよびWが挙げられる。
なお、金属層20は、厚みtが厚すぎると、無機半導体層19への入射光量が小さくなるため、好ましくない。そこで、金属層20は、厚みtが8nm以下であることが好ましく、より好ましくは6nm以下である。金属層20の下限は、上述の機能を発揮することができ、かつ製造上可能な厚みである。
金属層20は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、および電子ビーム蒸着法等で形成することができる。
金属層20の表面20aに助触媒22が形成されている。助触媒22は、一面に形成されるものであっても、例えば、点在するように、島状に形成されたものであってもよい。
助触媒22は、例えば、Pt、Pd、Ni、Au、Ag、Ru、Cu、Co、Rh、Ir、Mn等により構成される単体、およびそれらを組み合わせた合金、ならびにその酸化物、例えば、NiOxおよびRuOで形成することができる。また、助触媒22のサイズは、特に限定されるものではなく、0.5nm〜1μmであり、高さが数nm程度であることが好ましい。なお、助触媒22の形成方法は、特に限定されるものではなく、塗布焼成法、光電着法、真空蒸着法、スパッタ法、含浸法等により形成することができる。
金属層20は、無機半導体層19へ光Lを入射させつつ、例えば、CdS等で形成されるn型半導体層18の表層に導電性を付与するものである。無機半導体層19で生成したキャリア、図1(a)の水素発生電極10では電子が、金属層20により助触媒22側に容易に移動できる。
金属層20がない場合、助触媒22と接していないn型半導体層18の表層部分では生成キャリアが表面18aに平行な方向(以下、単に横方向という)に移動がしづらく、横方向で近接する助触媒22へキャリア(電子)が移動しづらい。これに対して、金属層20を設けることで、金属層20に流れ込んだキャリア(電子)が近接する助触媒22に容易に移動することができる。これにより、生成された電子のうち、助触媒22に移動する電子の量を多くすることができ、水素の発生量に相当する光電流値を高くすることができる。
また、助触媒22は金属等で構成されるものであり、n型半導体層18よりも金属層20の方が助触媒22と安定して接合することができ、密着性を高めることができる。これにより、水素発生電極10では、安定した水素の発生が可能となり、結果として、長時間にわたり安定して水素を発生させることができる。
図1(a)に示す水素発生電極10では金属層20は、単層構造であるが、これに限定されるものではなく、多層構造であってもよい。具体的には、図1(b)に示す水素発生電極10aに示すように2層構造の金属層24であってもよい。金属層24は、n型半導体層18側に設けられた第1の金属層26と、その上に設けられた第2の金属層28とを有する。金属層24は上述の金属層20と同じ機能を有する。
なお、図1(b)に示す水素発生電極10aにおいて、図1(a)に示す水素発生電極10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
金属層の24が多層構造である場合、光Lの入射光量を考慮すると、第1の金属層26と第2の金属層28の合計の厚みtが8nm以下であることが好ましく、より好ましくは6nm以下である。金属層24の合計の厚みtが厚すぎると、上述の金属層20と同じく無機半導体層19への入射光量が小さくなるため、好ましくない。金属層24も、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、および電子ビーム蒸着法等で形成することができる。
第1の金属層26と第2の金属層28も、上述の金属層20と同じく、4族以上の遷移金属で構成することが好ましい。4族以上の遷移金属は、例えば、Ti、Zr、Mo、TaまたはWである。
n型半導体層18の表面18a上の第1の金属層26をTiで構成し、第2の金属層28をMoで構成することで、水素の発生量と水素発生の長期安定性が得られるため好ましい。
次に、水素発生電極10の製造方法について説明する。
図2(a)〜(e)は本発明の実施形態の水素発生電極の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。
まず、例えば、絶縁基板12となるソーダライムガラス基板を用意する。
次に、図2(a)に示すように、絶縁基板12の表面12aに導電層14となる、例えば、Mo膜等をスパッタ法により形成する。
次に、図2(b)に示すように、導電層14上に、p型半導体層16として、例えば、CIGS膜を形成する。このCIGS膜は、前述のいずれか成膜方法により形成される。
次に、図2(c)に示すように、p型半導体層16の表面16aにn型半導体層18となる、例えば、CdS層をCBD法により形成する。これにより、無機半導体層19が形成される。
次に、図2(d)に示すように、n型半導体層18の表面18aに、例えば、スパッタ法を用いて、単層の金属層20を形成する。
次に、図2(e)に示すように、金属層20の表面20aに、水素生成用の助触媒22として、例えば、光電着法を用いてPt助触媒を担持させる。これにより、水素発生電極10が形成される。
金属層24が多層構造の図1(b)に示す水素発生電極10aの製造方法は、図1(a)に示す水素発生電極10の製造方法に比して、金属層24の形成方法が異なる点以外は、図2(a)〜(c)、(e)に示す水素発生電極10の製造方法と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
図1(b)に示す水素発生電極10aの製造方法では、金属層24を形成する際、まず、n型半導体層18の表面18aに、例えば、スパッタ法を用いて第1の金属層26を形成する。次に、例えば、スパッタ法を用いて、第1の金属層26上に第2の金属層28を形成する。この金属層24の第2の金属層28の表面28aに、上述のように助触媒22を形成する。
図1(b)に示す水素発生電極10aも、例えば、水素発生電極10aを作用極とし、参照電極(図示せず)にAg/AgCl電極を用い、対極(図示せず)に白金ワイヤーを用い、これらをポテンショスタットに接続した3電極系の構成とすることにより、上述の図1(a)に示す水素発生電極10と同様にして水素を発生させることができる。さらには、例えば、酸素発生電極と接続して、水素発生電極10aと共に電解水溶液AQ内に浸漬して、助触媒22側から光Lを照射して、水素を発生させることもできる。
上述のように、図1(a)に示す水素発生電極10では金属層20を設けることで、図1(b)に示す水素発生電極10aでは金属層24を設けることで、上述のように無機半導体層19で生成された電子を助触媒22側に容易に移動させることができる。これにより、キャリアとして生成された電子のうち、助触媒22に移動する電子の量を多くすることができ、水素の発生量に相当する光電流値を高くすることができる。さらには金属層20、24により、上述のように助触媒22との密着性を高めることができるため、安定した水素の発生が可能となり、長時間にわたり安定して水素を発生させることができる。
また、図1(a)に示す水素発生電極10および図1(b)に示す水素発生電極10aは、いずれも光Lにより電解水溶液AQを水素と酸素に分解する人工光合成モジュールに用いることができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の水素発生電極について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の水素発生電極の効果について詳細に説明する。
本実施例においては、本発明の効果を確認するために、以下に示す実施例1〜3および比較例1、2の水素発生電極を作製した。
実施例1〜3および比較例1、2の水素発生電極について、ABPE(Applied bias photon-to-current efficiency)(%)を測定し、その最大値を求めた。その結果を下記表1に示す。なお、ABPE(%)は、疑似太陽光を水素発生電極に照射し、ポテンショスタットを用いた3電極系にて測定した。ABPE(%)の測定条件を以下に示す。
光源:ソーラーシミュレーター(AM1.5G) 三永電機製作所製 XES−70S1
電解液:0.5M NaSO+0.25M NaHPO+0.25M NaHPO pH7.0
電気化学測定置:ポテンショスタット 北斗電工製 HZ−7000
参照電極:Ag/AgCl電極
対極:白金ワイヤー
作用極:水素発生電極
実施例1〜3および比較例1、2の水素発生電極について安定性を求めた。その結果を下記表1に示す。
安定性は、保持電位を0.3VRHEとして、駆動開始時の光電流値と駆動1時間後の光電流値の比率で表される値である。比率は、駆動1時間後の光電流値/駆動開始時の光電流値で求められる。なお、比率の値が大きい程、水素を安定して発生させることができる。
実施例1〜3および比較例1、2の水素発生電極について、さらに、ABPE(%)と安定性を加味して、下記判定基準にて総合的に評価した。その結果を下記表1に示す。
評価の判定基準は、ABPE(%)の値が比較例1以上であり、かつ上述の比率が0.5以上であるものを「A」とし、それ以外のものを「B」とした。すなわち、ABPE(%)の値が比較例1未満、または比率が0.5未満であるものが「B」と判定される。
以下、実施例1〜3および比較例1、2の水素発生電極について説明する。
(実施例1)
実施例1の水素発生電極は、図1(b)に示す水素発生電極10aと同じ構成である。各部の構成は以下の通りである。実施例1の水素発生電極は、導電層に導線を接続した後、露出している部分をエポキシ樹脂で覆って絶縁した。
<水素発生電極の構成>
絶縁基板:ソーダライムガラス、1mm厚
導電層:Mo、500nm厚
無機半導体層
p型半導体層:CIGS、1500nm厚
n型半導体層:CdS、50nm厚
金属層
Mo膜、3nm厚(助触媒側)
Ti膜、3nm厚(n型半導体層側)
助触媒:Pt(光電着法)
(実施例2)
実施例2の水素発生電極は、図1(a)に示す水素発生電極10と同じ構成である。実施例2の水素発生電極は、実施例1に比して、金属層が厚み3nmのMo膜の単層膜である点、以外は実施例1と同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。
(実施例3)
実施例3の水素発生電極は、図1(a)に示す水素発生電極10と同じ構成である。実施例3の水素発生電極は、実施例1に比して、金属層が厚み3nmのTi膜の単層膜である点、以外は実施例1と同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。
(比較例1)
比較例1は、実施例1に比して、金属層が形成されていない点以外は実施例1と同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。比較例1では、金属層がないので、下記表1の「金属層の構成」の欄および「金属層の膜厚」の欄には「−」と記した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1に比して、金属層に代えて、厚み5nmの結晶性のITO膜を形成した点以外は実施例1と同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。比較例2では、結晶性のITO膜を形成したので、下記表1の「金属層の構成」の欄には「結晶ITO」と記した。
なお、実施例2、3および比較例1、2において、水素発生電極の製造方法およびABPE(%)の測定方法、安定性の算出方法は、実施例1と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
Figure 0006388665
実施例1〜3は、いずれもABPEの最大値(%)が高く、かつ安定性も良好であった。実施例1のように金属層をMo膜とTi膜の2層構造にすることで、ABPEの最大値(%)と安定性の両方においてバランス良く高い値が得られた。
一方、比較例1は、金属層が形成されておらず、ABPEの最大値(%)が実施例1〜3に比して小さく、かつ、安定性も悪い。比較例2は、金属層に代えて、実施例1と同程度の厚みの結晶性のITO膜を形成したものであるが、ABPEの最大値(%)が比較例1と同程度と低く、しかも安定性が比較例1よりも悪い。
(実施例4:Pt/Mo/Ti/CdS/ZnSe:Cu(In,Ga)Se電極の作製および評価)
スパッタ法によりMoコート(500nm厚)したソーダライムガラス(甲子光学工業社製、フロートガラス)を基板材料として用い、i)多源蒸着法によるZnSe:Cu(In,Ga)Se薄膜の形成、ii)化学浴堆積(Chemical Bath Deposition:以下CBDと省略する。)法によるCdS層の形成、iii)スパッタ法によるMo/Ti層の形成、iv)真空蒸着法によるPtの担持という3つのプロセスを経て、Pt/Mo/Ti/CdS/ZnSe:Cu(In,Ga)Se電極を作製した。以下、各プロセスについて詳述する。
i)多源蒸着法によるZnSe:Cu(In,Ga)Se薄膜の形成
原料であるGa、In、Cu、Se、Zn{Gaショット(6N:フルウチ化学社製)、Inショット(6N:フルウチ化学社製)、Cuショット(6N:フルウチ化学社製)、Seショット(6N:朝日メタル社製)、Znショット(6N:朝日メタル社製)}をそれぞれ個別の熱分解窒化ホウ素(Pyrolitic Boron Nitride:以下PBN)製のルツボに入れ、<10−5Paの圧力に保たれた真空容器中において原料を独立に加熱、蒸発させ、適度な温度(はじめ5分間350℃、他35分間450℃)に制御した基板材料上に堆積させることにより、ZnSe:Cu(In,Ga)Se薄膜(p型半導体層、1500nm厚)を得た。原料供給量は各原料の堆積速度を水晶振動子膜厚計(ULVAC社製、CRTM−6000)を用いて計測し、各ルツボの温度により制御した。各原料の堆積速度はCu:0.042nm/s、Ga:0.014nm/s、In:0.048nm/s、Zn:0.35〜0.40nm/s、Se:1nm/sとした。
ii)CBD法によるCdS層の形成
Cd源である酢酸カドミウム二水和物(関東化学社製、98.0%)、S源であるチオ尿素(関東化学社製、98.0%)を用い、オイルバス中においてガラス製のビーカーに蒸留水50ml、アンモニア水50ml(和光純薬社製、特級、28質量%)、酢酸カドミウム二水和物0.666gを入れてCBD溶液を得た。得られたCBD溶液に、上記多源蒸着法によって調製したZnSe:Cu(In,Ga)Se薄膜を浸漬し、続いて速やかにチオ尿素を2.855gを加え、室温の状態から60℃のウォーターバスに入れ、14分間処理することにより、CdS層(n型半導体層、50nm厚)を形成した。
iii)スパッタ法によるMo/Ti層の形成
Mo膜、3nm厚(助触媒側)
Ti膜、3nm厚(n型半導体層側)
iv)真空蒸着法によるPtの担持
真空蒸着装置(アルバック機工、VWR−400M)を用いて、Ptを2〜3nm蒸着した。
上記で作製した電極を用いて、実施例1と同様に、ABPE(%)の測定、安定性の評価を実施したところ、実施例1の同等以上であった。
10 水素発生電極
12 絶縁基板
14 導電層
16 p型半導体層
18 n型半導体層
19 無機半導体層
20、24 金属層
22 助触媒
24 第1の金属層
26 第2の金属層
30 容器
AQ 電解水溶液

Claims (5)

  1. 光を用いて電解水溶液から水素を発生させる水素発生電極であって、
    導電層と、
    前記導電層上に設けられたpn接合を有する無機半導体層と、
    前記無機半導体層上に形成された金属層と、
    前記金属層の表面に担持された助触媒とを有し、
    前記金属層は、前記無機半導体層上に設けられた第1の金属層と、前記第1の金属層上に設けられた第2の金属層とを有し、前記第1の金属層はTiで構成され、前記第2の金属層はMoで構成されており、
    前記助触媒側から前記光が入射されることを特徴とする水素発生電極。
  2. 前記金属層は厚みが8nm以下である請求項に記載の水素発生電極。
  3. 前記無機半導体層はCIGS化合物半導体を含む請求項1または2に記載の水素発生電極。
  4. 前記無機半導体層はCZTS化合物半導体を含む請求項1または2に記載の水素発生電極。
  5. 前記無機半導体層はCGSe化合物半導体を含む請求項1または2に記載の水素発生電極。
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