JP6385820B2 - ディーゼル機関 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル機関に係わり、詳しくは植物油の中でも常温で流動性のないものとして知られているパームステアリンの如き高流動点植物油でも、燃料油として使用することが出来るディーゼル機関に関するものである。
油ヤシから採取されるパーム油は、大豆油を抜き植物油(油脂類)の中で一番の生産量を有する。油ヤシの絞りたての粗油(Crude Palm Oil)の精製(例えば、融点の差を利用した分別)が行われ、精製した液体部分のRBD(Refined, Bleached and Deodorized)パームオレイン、固体部分のRBDパームステアリンが生み出されている。
ここで言うステアリンとオレインは、ステアリン酸とオレイン酸を指すものでなく、固体状のものをステアリン、液体状のものをオレインと称する業界固有の用語として定着したものである。JAS規格では、パームステアリンは60℃において清澄なもの、パームオレインは40℃において清澄なものとされている。
かかる植物油のなかでもパームステアリンに代表される高流動点植物油は、一般的に軽油やA重油と比較して分子量が3倍以上で蒸発温度が高く、ディーゼル機関の燃料に用いる場合、燃焼室温度が低い場合は完全燃焼しにくい燃料である。また、原料植物および産地の違いにより含有する脂肪酸の混合比率が異なることで流動点温度が大幅に変化し、高い温度でも急激に凝固するもの等もある。不飽和脂肪酸を多く含む植物油では加熱による酸化劣化進行が速く、また一般的には油温10℃上昇で酸化劣化速度は倍になると言われている。さらに、植物油の熱伝導率は水に比べて約1/4であり、均一に加熱するのも難しい。
植物油を用いたエンジンの燃料供給装置としては、下記特許文献1が挙げられるが、A重油、灯油、及び軽油から選ばれた流動性の高く耐熱性の低流動点油燃料と混合して供給するのを前提とするものであり、前記パームステアリンの如き高流動点植物油を単独でエンジンに供給することは出来ないものである。
現在多用されている高粘度のディーゼル燃料油としてはC重油やHPPがある。下記特許文献2〜7に例示するように、C重油等の高粘度燃料油を使用するディーゼル機関の燃料供給装置については多くの提案が種々の技術的観点からなされている。
しかし、これらのC重油等の高粘度燃料油は、燃料油を加熱・保温することで容易に移送が可能な粘度に低下し移送・供給が可能となり、またC重油の場合には各種の規格によって燃料としての性状が規定されていることおよび管理温度幅が広いため、タンク等への貯蔵に関しては概略のタンク内油温管理で実用上問題はない。また、C重油は、ニュートン流体でありその取扱が簡単である。
したがって、C重油やHPPを対象とした従来のディーゼル機関の燃料油供給装置では、非ニュートン流体の特性を示す前記パームステアリンの如き高流動点植物油を単独でエンジンに供給出来るものではない。
特許第4966828号公報 特許第2710363号公報 実公昭58−34280号公報 特公昭60−47470号公報 実開昭59−126168号公報 実開昭58−134671号公報 特開2002−310027号公報
精製パームステアリン (RBDPS)の場合は約50〜55℃以下の温度で凝固し流動性がなくなり、燃料噴霧最適温度は80〜85℃( 約12cSt)である。一般的なC重油( 180cSt at50℃) のセットリングタンク温度60℃、燃料噴霧最適温度125℃( 約12cSt)に比較して、パームステアリンは、可なり高い温度で凝固するにもかかわらず、凝固開始温度と燃料噴霧最適温度の差が30℃と僅差である。すなわち、一般的なC重油のセットリングタンク温度と燃料噴霧最適温度の差65℃と比べ温度差が半分であり、その取り扱いが難しいことがわかる。
また、外気温度が低下する冬季などに機関運転中に燃料油配管システムにおいて局部的な温度低下部分があるとその部分で植物油の粘度増大や凝固が生じ燃料移送・供給が困難となり機関が停止してしまうことになる。また、そのような植物油で運転中に機関が緊急停止した場合には、燃料油配管内にそのような植物油が残存した状態で機関が停止するため、この状態で機関が常温まで温度低下した場合機関を再起動するためには燃料油配管システム全体を約60℃以上に加温するかまたはクリーニングしなければ次の起動が不可能になり、再起動までに長時間を要することとなる。
さらに、このような特性を有する植物油をディーゼル機関の燃料として使用するためには、必要最低限の加熱で均一に加熱し酸化劣化を抑制し移送・供給を行い、加熱不足による粘度増大や局部的な温度低下による凝固の防止および過熱による酸化劣化や重合による樹脂化を防止する必要がある。
また、DSS(Daily start and stop) 使用機関の場合には、夜間に機関を停止することになるが翌朝機関を再稼働するので、夜間機関が停止状態であっても植物油タンク系統の加熱・保温は継続して行い、冷却による植物油の凝固を防止する必要がある。
以上まとめると、パームステアリンに代表される高流動点植物油の場合には、流動点と適正噴射温度との温度差が少ないために燃料供給系における植物油の温度管理が微妙であり、過熱による重合固化および加熱不足による凝固による問題があり、これ等の点に関しての解決を図る必要がある。
本発明は、以上説明した背景技術における種々の課題に鑑みてなされたものであり、パームステアリンに代表される高流動点植物油であっても問題なく単独で使用できるディーゼル機関を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段を、本発明の各請求項の記載に基づいて説明する。また、課題を解決するための手段を構成する各構成要件の定義についても必要に応じて説明を行う。これらの定義は「発明を実施するための形態」における用語の定義と同一である。なお、課題を解決するための手段の説明では、便宜上「発明を実施するための形態」において各構成を示す参照符合を用いたが、これは本発明の技術的範囲を実施形態の内容に限定することを意味するものではない。本項の後に説明する「効果」における参照符合の使用も同趣旨である。
請求項1に記載されたディーゼル機関は、
燃料循環タンク(1)から供給ポンプ(2)を経てディーゼル機関(3)の燃料噴射ポンプ(18)に常温で流動性のない高流動点植物油を供給する供給路と、余剰の該高流動点植物油を当該燃料循環タンクに戻す戻り路と、を有するディーゼル機関燃料供給循環路(4)と、
前記供給路及び前記戻り路に設けられ、前記ディーゼル機関燃料供給循環路の高圧ガスによるパージ洗浄の際に、燃料循環タンクとの経路を閉とし、ドレン路にパージした高流動点植物油を導くドレン切換弁(a1及びb1,a2及びb2)と、
前記供給路及び前記戻り路において前記ドレン切換弁に関して機関側系統にある燃料油循環主管端部(19)に設けられた高圧気体供給接続口(21)又は高圧気体供給路(20)と、
を備えたことを特徴としている。
ドレン切換弁は、図面に示す実施形態においては、切換弁a1及びb1や、切換弁a2及びb2といった弁の組合せで構成しているが、切換弁a1及びb1の組み合わせによる機能を単一の弁で発揮する三方弁を前記ディーゼル機関燃料供給循環路(4)の供給路(4a)及び戻り路(復路)(4b)にそれぞれに設けるようにしてもよい。なお、高圧ガスとしては、空気、窒素ガス等が使用できる。
請求項2に記載されたディーゼル機関は、請求項1記載のディーゼル機関において、
ドレンタンク(26)に到る下り勾配を付した燃料油ドレン主管(22)と、
ディーゼル機関(3)のそれぞれの燃料噴射弁(24)に設けられ、当該燃料噴射弁から排出される燃料ドレンを流下させる下り勾配を付し、接続端部に開閉弁(23)を設けて前記燃料油ドレン主管(22)に接続する燃料ドレン支管(25)と、
前記燃料油ドレン主管の端部に設けられた高圧気体供給接続口(27)又は高圧気体供給路(28)と、
を備えたことを特徴とする。
燃料噴射弁(24)のドレンとは、燃料噴射弁の針弁と本体(ノズル、又は燃料噴射用の細孔が形成されて針弁を摺動自在に収容する弁箱若しくは筐体)との摺動面からリークした燃料のケースと、針弁と本体の摺動面からリークした燃料を導く燃料戻り油路を本体に形成し、これをディーゼル機関燃料供給循環路(4b)に戻して再び燃料噴射弁に供給する場合の戻り油であるケースとがある。前者のケースでは、リークした燃料を集めて燃料ドレン支管(25)に供給するように構成し、後者の場合は燃料戻り油路をディーゼル機関燃料供給循環路に接続する代わりに燃料ドレン支管(25)に接続すればよい。
請求項3に記載されたディーゼル機関は、請求項2記載のディーゼル機関において、
ディーゼル機関(3)の燃料噴射弁(24)からの前記ドレン支管(25)と、前記燃料油ドレン主管(22)とには、加熱手段が沿わされていることを特徴とする。
加熱手段としては、スチームトレース、電気ヒータ等が利用可能である。
請求項1記載のディーゼル機関によれば、次のような効果が得られる。
ディーゼル機関(3)が重故障停止した場合、ドレン切換弁a1及びa2を閉とし、ドレン切換弁b1及びb2を開として、機関の燃料油主管端部(19)に設置された高圧気体供給接続口(21)又は高圧気体供給路(20)に、圧縮ガス( 窒素N2 等) ボンベを接続して、その減圧弁を開とすることにより、当該圧縮ガスで機関側燃料油配管内の植物油をドレンとして確実に排出することができる。
請求項2記載のディーゼル機関によれば、次のような効果が得られる。
運転中に緊急停止等により、前記燃料油ドレン主管(22)の端部に設けられた高圧気体供給接続口(27)又は高圧気体供給路(28)から高圧ガスによるパージ洗浄を行う場合には、燃料ドレン支管(25)に設けられた開閉弁(23)を閉とした後に、前記燃料油ドレン主管(22)の端部から高圧ガスを供給してパージ洗浄を行う。前記燃料ドレン支管(25)は、ディーゼル機関(3)の近傍にあり機関の熱によりドレンが冷却されて閉塞することはない。これも高流動点植物油の温度が低下しないうちに有効に植物油を排出出来る燃料油配管システムである。
請求項3記載のディーゼル機関によれば、次のような効果が得られる。
ディーゼル機関(3)の燃料噴射弁(24)からの前記ドレン支管(25)と、前記燃料油ドレン主管(22)には、加熱手段が沿わされているので、上述した高圧ガスによるパージ洗浄の際には、高流動点植物油を温度が低下しないうちに確実に高圧ガスによって排出することができる。
以上説明したように、本願発明が対象とする植物油は、高分子量の飽和脂肪酸が主成分であり、常温で凝固してしまう。このような植物油をディーゼル機関の燃料油として使用する場合、着火性はA重油等に比べて良好であるが、分子量が大きく蒸発温度が高いため燃え切り期間が長くなる傾向にある。このような燃料油を完全燃焼させ機関の汚れを防止し良好な機関性能の維持により経済性を改善するためには、機関が充分に暖機された状態で植物油に切替えて運転する必要がある。そのため、A重油またはBDFのような常温でも低粘度で燃焼性のよい燃料で機関を始動し、約50%負荷程度まではそれらの燃料で運転を行い充分に機関が暖機されてから植物油に切替えて運転を行うことが好ましい。また、常温で凝固してしまう植物油の場合には、燃料配管に部分的に低温部分が発生すると植物油の凝固による燃料閉塞が発生する。さらに通常、機関が緊急停止した場合には燃料油配管内の残存植物油を排出しないと再起動が困難となるが、上述したように本願発明のような構成を採用することにより、植物油が管内で凝固して閉塞を起こさないようにすることができるなどの対応が容易に可能となり、実質的にCO2 排出ゼロのカーボンフリー運転(発電に用いた場合にはカーボンフリー発電)が可能となる。
本発明の実施形態の全体構成図の半部を示す図である。 本発明の実施形態の全体構成図の他の半部を示す図である。 分図(a),(b)は本発明の実施形態においてメンテナンス等の目的で各種機器の取付に用いられているバイパス配管の取付状態を示す図であり、分図(a)は斜視図であり、分図(b)はその側面図である。分図(c),(d)は本発明の実施形態とは異なるバイパス配管の取付状態を示す図であり、分図(c)は斜視図であり、分図(d)はその側面図である。 本発明の実施形態におけるディーゼル機関燃料供給循環路の一部を構成する機関内部の燃料油循環主管端部に設けられた高圧気体供給接続口等を示す図であり、分図(a)は平面図、分図(b)は正面図、分図(c)は分図(b)の切断線Aにおける断面図である。 本発明の実施形態における燃料噴射弁に接続されたドレン配管系を示す図である。 本発明の実施形態における高流動点植物油循環路の高流動点植物油タンクへの戻り路の終端が、分岐して当該高流動点植物油タンク内で複数開口していることを示す横断面図(上分図)及び縦断面図(下分図)である。
1.実施形態の概要の説明
実施形態の概要を図1及び図2を参照して説明する。
なお、図1と図2は、拡大した単一の構成図を2つに分割して示す組図であり、以下の説明において参照する際にはいずれか一方の図に現れている場合であっても、「図1及び図2に示すように」等と表現するものとする。
なお、以下に説明する実施形態の各構成要件の名称と、請求の範囲に記載された各発明の各構成要件の名称とは必ずしも一致していない場合があるが、これは同一の構成要件をより抽象的な技術的思想の部分として見た場合と、より具体的な機械的装置の部品等として見た場合に生じる単なる表現上の差異に過ぎず、両名称が実質的に異なるものを表しているものではなく、対応する構成要件には可及的に同一の符合を付すものとする。
この実施形態では、先述した課題を解決することを目的としており、常温で流動性のない植物油を使用した場合でも燃料油配管システムに局部的な温度低下部分が生じず、常温で流動性のない植物油での運転中に機関が緊急停止した場合でも燃料油配管システム内で植物油が凝固して閉塞を起こさないようにすることができる燃料油配管システム又はディーゼル機関を提供することを目的としている。
以上のような理由から、植物油を使用するディーゼル機関3又はその燃料油配管システムとしては、植物油ストレージタンク7から燃料油切替え弁50までのストレージタンク側燃料油配管系統9(高流動点植物油循環路9)と、ディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)の2系統に分離し、それぞれの配管系統で燃料油の滞留部分が生じない完全な循環システムとして燃料配管システム全体を均一な温度に保つことができる。特に、ディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)に関しては、機関停止前にA重油またはBDF(バイオディーゼルフューエル) 等の低粘度油への切り替運転を行い機関停止時にディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)系統内での燃料油の凝固を防止する。ストレージタンク側配管系統9に関しては、機関停止時にも移送ポンプ8を運転し燃料切替え弁50の直近に設置した調圧弁15から全量バイパスする形で運転を継続し配管系統全体を均一な温度状態に保つことができる。
このような高流動点植物油をニート使用する(混ぜないでそのままストレートに使用する)ディーゼル機関3では、燃焼性の良好なA重油またはBDF(バイオディーゼルフューエル) 等の低粘度油で機関を始動し機関が充分に暖機される負荷状態( 約50%負荷) に達してから植物油に切替えて運転し、不完全燃焼による燃焼残渣の発生を抑制するシステムを採用し、機関停止前には次の始動を容易にするために、一定負荷(約50%負荷)でA重油またはBDF等の低粘度油に切替えて運転し、燃料配管系統内を完全に低粘度油に置換し次の機関始動に備える。
本実施形態は、植物油タンク7内の油温管理に関しては、燃料の長時間加熱貯留による酸化劣化の促進や過熱による重合促進により樹脂化することを防止するため、及び植物油の流動点が異なっても移送に支障のない粘度を保てるようにするため、粘度計測手段11の検出結果に基づいて制御される加熱手段12により植物油の温度を適正に制御して必要最低限の加熱を維持する方法を採用し、さらに移送ポンプ8を常時運転することによりタンク7への戻り油による撹拌効果で熱伝達を改善し、タンク内温度を一層均一に保持する方法を採用した。
機関緊急停止時のディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)からの植物油排出に関しては、図1及び図2中のドレン切換弁a1,a2を閉とすることで、機関側系統と補機器側系統の2系統に分離し、次にドレン切換弁b1,b2を開き、機関側系統の燃料油循環主管端部19に高圧ガスボンベ(N2 または空気) のホース(高圧気体供給路20)を接続し、高圧ガスで機関側のディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)に残存する植物油を排出し配管内で植物油が凝固してしまうことを防止する。
この際、機関のターニングが可能な場合には、エアランニング( 圧縮空気による機関のターニング) が容易に行えるように、図示しないシリンダヘッドに取付けられた自動排出弁(機関のシリンダ内と連通する空気排出口に設けられた自動開閉制御自在の弁)を開としてエアランニングを行いながらシリンダ外に植物油の排出を行うことにより燃料噴射ポンプ18の内に残存していた植物油の排出も可能となる方法を採用した。また、補機器側のディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)からの植物油排出に関しては、ディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)に設けられたドレン開閉弁を開とすることにより、当該ディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)の機器側燃料油配管で最も高い位置にある燃料循環タンク1上部の自動排気弁37を真空破壊弁として作動させて、ヘッド圧により排出する。
ディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)からの燃料油ドレンに関しては、洗浄に用いた蒸気等が混入した燃料油用のドレンタンク26とは別の蒸気等が混入しない燃料油用のドレンタンク30に回収し、ドレンタンク30の液面制御によりディーゼル機関燃料供給循環路4(4a,4b)の燃料循環タンク1の上流側に又は直接燃料循環タンク1に戻すことにより燃料として再利用する方式を採用し取扱いの容易化と廃棄物の削減を図った。
常温で流動性のない植物油は一般的に、着火性はA重油等に比べて良好であるが分子量が大きく蒸発温度が高いため燃え切り期間が長いため、完全燃焼させて機関の汚れを防止し、良好な機関性能を維持し経済性を改善するためには、機関をA重油またはBDF等で運転し充分に暖機されてから植物油に切替えて運転する。
機関停止時には50%負荷程度でA重油やBDF(バイオディーゼルフューエル) に切替え運転を行い、燃料油配管内に常温で流動性のない植物油等を残さないようにして次の機関起動を容易とする。
また、本実施形態は、機関が常温で流動性のない植物油で運転中に緊急停止した場合、植物油の温度が低下しないうちに有効に植物油を排出出来る燃料油配管システムを備えている。
2.実施形態の詳細な説明(第1)
上に説明した実施形態の概要についての理解を前提として、実施形態の各部の主要な構成及び主要な作用効果等について図1及び図2を参照して通説する。
実施形態に係るディーゼル機関の燃料油供給装置は、ディーゼル機関3に供給する燃料油を貯め、かつ燃料混合器としても機能する200〜400リットル程度の燃料タンクとして、燃料循環タンク1を備えている。この燃料循環タンク1から供給ポンプ2を経てディーゼル機関3に燃料油を供給し、余剰の該燃料油を当該燃料循環タンク1に戻すディーゼル機関燃料供給循環路4は、ディーゼル機関3の各燃料噴射ポンプ18に燃料を供給する燃料油循環主管を含んで構成されている。燃料循環タンク1もディーゼル機関燃料供給循環路4の構成の一部である。つまり、このディーゼル機関燃料供給循環路4は、供給路(往路)4aと戻り路(復路)4bから構成されており、燃料循環タンク1に貯えられた燃料油を供給路4a及びこれに設けられた供給ポンプ2によってディーゼル機関3に供給し、ディーゼル機関3で消費しきれなかった余剰の該燃料油は、戻り路4bで当該燃料循環タンク1に戻すことができる。
ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4aには、燃料加熱手段16が設けられており、高流動点植物油を噴霧に適した動粘度となるように加熱してディーゼル機関燃料供給循環路4に循環させることができる。具体的には、実施形態では蒸気ラインヒータを図示しているが、この他、電気ラインヒータや低流動点油タンク内に設けた電気ヒータ、スチームヒータでもよい。
ディーゼル機関燃料供給循環路4には、燃料供給ポンプ2のサクション側の管路にスタティックミキサー29が介装されている。この設置位置は一例であり、例えばポンプ出口のディスチャジ側管路に設けてもよい。このスタティックミキサー29は、駆動部や回転部分の無いミキサーで、管路中に固定されたエレメントにより、そこを流れる流体を分割・転換・反転等させて、混合・ミキシングを行うものであって、ディーゼル機関燃料供給循環路4を流動する高流動点植物油に対してさらに撹拌を加えることができるので、流動状態にすることでさらに粘度が下がる非ニュートン流体である高流動点植物油の粘度をさらに低くし、ディーゼル機関3に供給するために必要な粘度を一層得やすくすることができる。また、機関の起動時および停止時における供給燃料油の切り替えに際し、動粘度の異なる燃料油が混ざって供給されるが、この混合油を均一に混合することにより均一な燃焼を確保することができる。
ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4aには、ディーゼル機関3の燃料噴射ポンプ18の入口側に近接して、循環する高流動点植物油の粘度を計測する粘度計測手段(粘度センサ)56が設けられている。また、ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4aには、供給ポンプ2の下流側に、加熱手段16が設けられている。そして、粘度計測手段56には、粘度制御手段(粘度コントローラ)57が接続されている。この粘度制御手段57は、粘度計測手段56が検出した高流動点植物油の粘度データに基づいて加熱手段16を制御し、供給路4a内の高流動点植物油を適宜加熱して所定の粘度に維持することができる。
ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路4bには、温度調節器によって制御される冷却器55が設けられている。冷却器55は、昇温したディーゼル機関3からの戻り油を冷却することにより動粘度を一定に管理し、供給ポンプ2の軸受けや燃料噴射ポンプ18のプランジャーの固着を防止する。
このように、本実施形態では、ディーゼル機関3に供給する高流動点植物油の噴霧を支障なく行なわせるため、燃料加熱手段16を、粘度計測手段(粘度センサ)56及び粘度制御手段(粘度コントローラ)57で制御するとともに、温度調節器により制御される冷却器55で燃料噴射ポンプ18による圧縮により必要以上に高温となった機関からの戻り油を冷却することにより、適切な燃料油の粘度管理を実現して燃料の動粘度を一定に維持している。このため、供給ポンプ2の軸受けや燃料噴射ポンプ18のプランジャーの固着は確実に防止され、高流動点植物油および低流動点油によるディーゼル機関3の運転を支障なく実行することができる。
この燃料油供給装置は、燃料循環タンク1に燃料を供給する第1のタンクとして低流動点油を貯蔵する低流動点油タンク5を備えている。この低流動点油タンク5は、高所に設けられていると共に、低流動点油タンク5と燃料循環タンク1とは、低流動点油供給路6によって接続されている。その低流動点油供給路6中途に設けられた三方弁50の切替えにより必要に応じて燃料循環タンク1に低流動点油を自然流下(gravity flow)で供給することができる。この低流動点油供給路6には、高流動点植物油の凝固開始温度を超える高い温度の低流動点油を燃料循環タンク1に供給するため、燃料加熱手段17が設けられている。実施形態では、燃料加熱手段17は、低流動点油タンク5に接続されている循環配管6aの中途に設けられているが、低流動点油タンク5の内外に設けてもよく、また低流動点油供給路6に設けてもよい。
この燃料油供給装置は、燃料循環タンク1に燃料を供給する第2のタンクとして常温で流動性のない高流動点植物油を貯蔵する高流動点植物油タンク7を備えている。この高流動点植物油タンク7と燃料循環タンク1は、供給路10を有する高流動点植物油循環路9によって接続されている。すなわち、高流動点植物油循環路9の分岐部14から分岐した供給路10は、低流動点油供給路6が一つのポートに接続した前記三方弁50の他のポートに接続しており、前記三方弁50の切替えにより必要に応じて高流動点植物油と前記低流動点油とを択一的に燃料循環タンク1に供給することができるようになっている。従って、この実施形態では、前記三方弁50から燃料循環タンク1に至る管路は、供給路10と前記低流動点油供給路6とを兼ねており、流量積算計(積算流量と瞬時流量とを表示する流量計)FQと逆止弁59とが設けられている。
前記三方弁50を使用しない場合は、前記供給路10と前記低流動点油供給路6とを独立してそれぞれ燃料循環タンク1に接続し、各供給路6、10にそれぞれ開閉弁を設けて、燃料循環タンク1に択一的に開閉を切り替えるようにしてもよい。
高流動点植物油循環路9は、前記分岐部14の上流側が高流動点植物油の供給路9bであり、分岐部14の下流側が高流動点植物油の戻り路9aとなっている。高流動点植物油循環路9の供給路9bの上流側には、2基の循環ポンプ8が並列に設けられている。この循環ポンプ8により、高流動点植物油タンク7から高流動点植物油を送り出し、少なくともその一部を前記三方弁50及び供給路10を経て前記燃料循環タンク1に供給することができ、また残りの高流動点植物油を戻り路9aにより高流動点植物油タンク7に戻すことができる。
高流動点植物油循環路9の供給路9bには、循環ポンプ8の下流側に、循環する高流動点植物油の粘度を計測する粘度計測手段(粘度センサ)11が設けられている。また、高流動点植物油タンク7には加熱手段12が設けられている。そして、粘度計測手段11には、粘度制御手段(粘度コントローラ)70が接続されている。この粘度制御手段70は、粘度計測手段11が検出した高流動点植物油の粘度データに基づいて加熱手段12を制御し、前記高流動点植物油タンク7内の高流動点植物油を適宜加熱して所定の粘度に維持することができる。この加熱手段12は、高流動点植物油タンク7内に設けたが、高流動点植物油タンク7の外側に別の循環路を設けてそこに設けてもよい。さらには、当該高流動点植物油循環路9の管路等に設けてもよい。
なお、加熱手段12の他、高流動点植物油が流れる全配管および機器には、スチームトレースまたは電気ヒータ等の他の加熱保温手段を設け、高流動点植物油の加熱保温を行えるようにしてもよい。
高流動点植物油循環路9の戻り路9aは高流動点植物油タンク7内に導かれており、その終端は複数に分岐して開口している。従って、戻り路9aを経て高流動点植物油タンク7内に戻った高流動点植物油は、その循環のエネルギにより、タンク内の高流動点植物油の撹拌を有効に行い、タンク内の高流動点植物油の温度を均一に維持する。
なお、この実施形態では、戻り路9aの終端を高流動点植物油タンク7内で分岐させたが、高流動点植物油タンク7に到る前に分岐させてもよい。また、高流動点植物油タンク7内に開口した戻り路9aの複数の終端が、一定の規則性をもって方向付けられ、高流動点植物油タンク7内の高流動点植物油を効果的に流動させられるようにすることが好ましい。
このように、植物油の熱伝達率が小さいことから前記高流動点植物油タンク7への戻り路9aの終端を複数本に分岐開口して循環油のエネルギを利用してタンク内貯留油の撹拌を有効に行うことでタンク内貯留油の温度を均一に維持すると共に、流動状態にすることによりさらに粘度が下がる非ニュートン流体的特性傾向を示す高流動点植物油をさらに低い温度で貯蔵することができる。
ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路4bには第1調圧弁13が設けられている。その設定圧力は例えば一次側圧力(上流側直近)が0.5MPaである。また、燃料循環タンク1に高流動点植物油を供給する高流動点植物油循環路9の分岐部14の下流側には、第2調圧弁15が設けられている。その設定圧力は例えば一次側圧力(上流側直近)が0.3MPaであり、ディーゼル機関燃料供給循環路4の第1調圧弁13の設定圧力よりも小さい。
従って、極めて大雑把に言えば、ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給ポンプ2の吐出側から第1調圧弁13上流側までが約0.5MPaの高い圧力地域であり、高流動点植物油循環路9の循環ポンプ8吐出側から第2調圧弁15上流側までと、高流動点植物油循環路9から分岐した供給路10、燃料循環タンク1、及びディーゼル機関燃料供給循環路4の第1調圧弁13下流側から供給ポンプ2吸引側までが約0.3MPaの低い圧力地域と言うことになる。しかも、ディーゼル機関燃料供給循環路4は閉鎖系であるため、高流動点植物油循環路9で循環している高流動点植物油は、供給路10を介して燃料循環タンク1に供給され、ディーゼル機関3で消費されるが、その消費された燃料量に対応する量の高流動点植物油が、高流動点植物油循環路9から自動的に燃料循環タンク1に供給されることとなる。
以上説明した構成によれば、循環ポンプ8と高流動点植物油循環路9によって高流動点植物油を循環させることで高流動点植物油タンク7内の高流動点植物油を撹拌し、これによって高流動点植物油タンク7内の温度を速やかに均一化しつつ、粘度計測手段11により加熱手段12を制御するので、高い熱効率で速やかな温度制御が可能となり、どのような流動点の高流動点植物油を使用する場合であっても、必要最小限の加熱で加温貯蔵による酸化劣化を可能な限り抑制しつつ、必要な粘度に確実に維持することができる。さらに、このように高流動点植物油循環路9を常時循環している高流動点植物油の一部を燃料循環タンク1に供給する際には、その循環エネルギが、高流動点植物油を燃料循環タンク1に送り出すためのエネルギとなるため、別途供給用のポンプ等を設ける必要がない。
また、ディーゼル機関3の供給燃料油を低流動点油から高流動点植物油に切り替える際または高流動点植物油から低流動点油に切り替える際に、燃料加熱手段17により低流動点油を高流動点植物油の凝固開始温度を超える高い温度に加熱して燃料循環タンク1に供給できるので、この低流動点油が高流動点植物油に接触しても、その高流動点植物油が冷却されて凝固するという現象は起きず、配管や燃料循環タンク1が閉塞することはない。
次に、本実施形態に係るディーゼル機関の燃料油供給装置は、燃料油ドレンの処置に関し、洗浄に用いた蒸気等が混入した燃料油用のドレンタンク26と、蒸気等が混入しない燃料油用のドレンタンク30とを備えている。
洗浄用蒸気等が混入した燃料油用のドレンタンク26には、このドレンタンク26に向けた下り勾配の燃料油ドレン主管22が接続されている。また、ディーゼル機関3の各燃料噴射弁24には、各燃料噴射弁から排出される燃料ドレンを流下させる下り勾配を付した燃料ドレン支管25の一端部がそれぞれ接続されている。燃料ドレン支管25の他端部は、開閉弁23を介して燃料油ドレン主管22に接続されており、この燃料油ドレン主管22の端部には高圧気体供給接続口27又は高圧気体供給路28が設けられている。
ドレン支管25と燃料油ドレン主管22には、スチームトレース、テープヒータ等の加熱手段が設けられており、高圧ガスによるパージ洗浄の際には、高流動点植物油の温度が低下しないうちに高圧ガスによって確実に排出することができる。
蒸気等の混入がない燃料用の燃料油ドレンタンク30と燃料循環タンク1は、燃料循環タンク1から燃料油ドレンタンク30に向けて下り勾配が付されたドレン路32によって接続されている。また、ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4a及び戻り路4bは、燃料油ドレンタンク30に到る下り勾配を付した複数本のドレン路33によって燃料油ドレンタンク30と接続されている。また、燃料油ドレンタンク30は吸排気管71を介して大気と連通するように構成されており、前記燃料循環タンク1を含めた前記ディーゼル機関燃料供給循環路4が密閉系であるのに対し、前記燃料油ドレンタンク30はドレン路32,33を含めて開放系となっている。
燃料油ドレンタンク30には、加熱手段31及び液面制御計75が設けられている。そして、燃料油ドレンタンク30は、ポンプ34と逆止弁35等を介して戻し路36により燃料循環タンク1に接続されており、ドレンとして回収した高流動点植物油を燃料循環タンク1に油送することができる。この回収した燃料油ドレンの返油の際に、流量積算計FQと燃料循環タンク1との間に設けた前記逆止弁59が、燃料ドレン返油等が供給路6、10に流れ込まないようにないように逆流を防止している。
また、ディーゼル機関燃料供給循環路の供給路4a及び戻り路4bには、ドレン切換弁a1,a2がそれぞれ設けられており、供給路4a及び戻り路4bにそれぞれ接続されたドレン路33,33には、ドレン切換弁b1,b2がそれぞれ設けられている。そして、ディーゼル機関燃料供給循環路4の燃料油循環主管端部19には、高圧気体供給接続口21が設けられており、この高圧気体供給接続口21には高圧気体供給路20を介して、パージ用の高圧ガス源としての窒素又は空気ボンベ51が接続できるようになっている。
なお、ドレン切換弁は、本実施形態では、切換弁a1及びb1や、切換弁a2及びb2といった弁の組合せで構成しているが、切換弁a1及びb1の組み合わせによる機能を単一の弁で発揮する三方弁を前記ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4a及び戻り路4bにそれぞれに設けてもよい。なお、高圧ガスとしては、空気、窒素ガス等が使用できる。
従って、管内の高流動点植物油をパージ洗浄する際には、ドレン切換弁a1,a2を閉として燃料循環タンク1との経路を遮断し、ドレン切換弁b1,b2を開とし、燃料油循環主管端部19から高圧ガスを供給すれば、高圧ガスの圧力でドレン路33に高流動点植物油を導き、燃料油ドレンタンク30にドレンとして放出させることができる。このようにすれば、機関燃料油配管系統に残存する植物油を強制排出し、機関停止後に温度が低下して配管内部で植物油が凝固するのを防止できる。
なお、本実施形態では、ドレン路32,33はディーゼル機関燃料供給循環路4に接続されていたが、このようにディーゼル機関燃料供給循環路4から分岐したドレン路の他、該ディーゼル機関燃料供給循環路4に介装されている機器類からのドレン路があってもよい。その場合、各ドレン路の基部にはディーゼル機関燃料供給循環路4や燃料循環タンク1と区画する弁が設けられている。
全てのドレン路32,33には、スチームトレースまたは電気ヒータが沿わされて、加熱保温されるようになっていることが好ましい。
以上説明した構成によれば、燃料循環タンク1側からの燃料油のドレンと、ディーゼル機関燃料供給循環路4側からの高流動点植物油のドレンは、いずれも燃料油ドレンタンク30に到る下り勾配を付したドレン路32,33を経て、燃料油ドレンタンク30に集められる。集められた高流動点植物油のドレンは、加熱手段31によって常時流動性を保持する所定の温度に維持される。燃料油ドレンタンク30内の溜まったドレンが所定のレベルになったことを液面制御計75が検知するとポンプ34を起動させて、逆止弁35を介して戻し路36から燃料循環タンク1に当該ドレンを油送し、再度の利用に供する。輸送され燃料油ドレンタンク30内のドレンが所定の低いレベルになったことを液面制御計75が検知するとポンプ34を停止する。戻し路36の逆止弁35は、通常運転時にドレンタンク30側に機関側・補機器側燃料油配管系統の燃料が逆流しないようにして、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの機器側燃料配管系統にある燃料循環タンク1にドレン油を戻し燃料として利用可能とする。また、供給路6、10の量積算計FQと燃料循環タンク1の間に設けた前記逆止弁59は、ポンプ34の起動によって、ドレン油等が供給路6、10に流れ込まないようにないように逆流を防止している。
燃料油ドレンタンク30からポンプ34と逆止弁35を介してドレンを前記燃料循環タンク1に油送する戻し路36の設定圧力は、前記ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路4bに設けた第1調圧弁13の一次側設定圧力(上流側直近)よりも低い圧力で、かつ、前記燃料循環タンク1に供給される新たな高流動点植物油の圧力、すなわち高流動点植物油循環路9の分岐部14の下流側の第2調圧弁15の一次側設定圧力(上流側直近)、及び低流動点油タンク5からの低流動点油の供給圧力以上に設定する。好ましくは、ドレンの戻し圧力は、ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路4bに設けた第1調圧弁13一次側設定圧力(上流側直近)と高流動点植物油循環路9の分岐部14の下流側の第2調圧弁15の一次側設定圧力(上流側直近)との中間圧力に設定する。
燃料循環タンク1の頭部には、タンク内の気体を排出する自動排気弁37が取りつけられており、この自動排気弁37の排出側は、燃料油ドレンタンク30に到るドレン路32に排気路38を介して接続されている。
従って、自動排気弁37から燃料循環タンク1の外に出た気体は、燃料油ドレンタンク30を経て大気に放出されるので、燃料油が大気中に飛散することはない。さらに、ディーゼル機関3の停止やメンテナンスのために、ディーゼル機関3の燃料油供給装置のタンク、機器、通路又は管路に残存する燃料油をドレン路32,33から燃料油ドレンタンク30に排出する際には、自動排気弁37は真空破壊弁として作動する。すなわち、密閉系の燃料循環タンク1には、燃料油ドレンタンク30と自動排気弁37を介して大気が流入するので、スムーズに燃料油を燃料油ドレンタンク30に排出できる。
なお、自動排気弁37は、自動空気抜き弁とも称され、液体系において運転中に溜まったガス体を運転圧力下で自動排気する弁でありJISで規定されている。フロート式のものが多く、例えば、株式会社テイエルブイ製の型式VS1Cのものが好ましく使用できる。
なお、以上の説明では言及しなかったが、本燃料油供給装置は蒸気ボイラ80を備えており、加熱手段12,16,17,31が熱源として蒸気を利用する場合には、これらに対して蒸気ボイラ80で蒸気を供給することができる他、本燃料油供給装置内において蒸気を必要とする各機器類にも必要に応じて蒸気を供給することができる。また、本燃料油供給装置は非常用機関及び発電機81を有しており、蒸気ボイラ80に必要な電気を供給する他、本燃料油供給装置内において電気を必要とする各機器類にも必要に応じて電気を供給することができる。
また、以上の説明では言及しなかったが、図1及び図2中に示す図形の参照符合は、以下の意味である。
PI…直接指示形圧力計
PE…圧力検出要素
PC…圧力調節
PA…圧力警報
TE…温度検出要素
LC…レベル調節
LA…レベル警報
FQ…流量積算計
FV…燃料噴射弁
3.実施形態の詳細な説明(第2)
本願発明の実施形態について図1〜図6を参照して以下にさらに詳細に説明するが、特定請求項に記載されている構成等、特徴的な構成に対応する部分については適宜項目を立てて説明する。
図1及び図2中の植物油ストレージタンク7から、A重油またはBDF(バイオディーゼルフューエル) 等の常温で低粘度の燃料油から植物油への切替えを行う三方弁50までの間の燃料油配管を植物油ストレージタンク側燃料配管9b(9)と呼び、この配管系統には三方弁50の直近から調圧弁15を設置した植物油ストレージタンク7までの戻り配管9a(9)を設置し、機関運転準備段階で植物油ストレージタンク7はスチームトレース、高温水、またはヒータ12等で加熱を行い、さらに植物油ストレージタンク7の直近に設置した循環ポンプ8を運転し、粘度センサ(粘度計測手段11)の検出結果に基づき、粘度制御手段としての粘度コントローラ70が制御するヒータ12で加熱制御することにより、植物油ストレージタンク7側の燃料配管9内を一定粘度にコントロールされた植物油を循環させ植物油ストレージタンク側燃料配管9系統の局部的低温低下による植物油の凝固を防止する。
図1及び図2中のディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bにおいて、そのディーゼル機関内配管から、ドレン切換弁a1,a2およびドレン切換弁b1,b2までを、機関側燃料油配管と呼び、ドレン切換弁b1,b2は機関側燃料油配管および次に定義する機器側燃料油配管からの植物油の排出がヘッド圧で容易に可能となるように全配管系統の最も低い位置に取付ける。また、ディーゼル機関3内の燃料油循環主管端部19にはディーゼル機関3が緊急停止した際に機関内に残存する植物油を効果的に排出する目的で減圧弁を有する圧縮ガスボンベ(N2 ガス等)が設置される。
図1及び図2中のディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの配管系統には機関に供給する植物油の動粘度を噴霧に適した値となるよう、燃料加熱手段16を制御する粘度計測手段(粘度センサ)56及び粘度制御手段(粘度コントローラ)57を設置し、適切な燃料油の粘度管理を行っている。また、植物油からA重油やBDFのような低粘度油に切替えを行う際に、燃料噴射ポンプ18による圧縮により必要以上に高温となった機関からの戻り油を冷却器55で冷却し、混合油の機関入口温度を管理することにより動粘度を管理し燃料供給ポンプ2の軸受けや燃料噴射ポンプ18のプランジャーの固着を防止する。
また、機関始動後負荷取り時のA重油またはBDF等の低流動点油から高流動点油である植物油への切り替え時、および機関停止負荷下げ時の植物油からA重油またはBDF等への切り替え時に、燃料循環タンク1内の混合油の温度低下により植物油が凝固しないように事前にA重油を植物油の凝固開始温度以上の温度に昇温させてから燃料油の切り替えを行う。特に、機関停止前負荷下げ時の燃料切り替え時には、A重油またはBDF等の温度を上げすぎると動粘度が低下しすぎて燃料供給ポンプ2の軸受けや燃料噴射ポンプ18のプランジャーが固着することが懸念され、A重油またはBDF等の昇温に関しては上限値を超えないように管理する必要がある。
また、図3(a),(b)に示すように、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの機器側燃料油配管系統内のフイルター、流量計、燃料供給ポンプ等の機器に対し運転中のメンテナンスを可能とするためにバイパス配管60を設けているが、ヘッド圧を利用した燃料排出時この部分の残存植物の排出を容易とするために、バイパス配管60は各機器に対し図3(b)に示すように仰角αの位置に取付けるとともに、バイパス配管のベント弁58または真空破壊弁37で真空破壊を行なう。
図1及び図2に示される各種燃料ドレン配管32、33は、ヘッド圧での排出を容易とするために必ず排出側に下り勾配となるように配管をおこなう。また、ドレンタンク30及び各種ドレン配管は部分的に低温部分ができないように、スチームトレース、高温水、電熱線等で加熱保温し、ドレンの移送を容易にするとともにドレン排出不良やドレンタンクからのドレンの流出が発生しないようにする。
本実施形態は、燃料油配管システムを植物油ストレージタンク7から三方切替え弁50までのストレージタンク側燃料油配管9と、機関・機器側燃料油配管であるディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの2系統に分離し、それぞれの配管系統で燃料油の滞留部分が生じず、燃料油配管システム全体を均一な温度に保ち植物油の局部的凝固の発生を回避する完全な循環システムとしたものである。
植物油ストレージタンク側配管系統9に関しては、移送ポンプ8として同一容量ポンプ2台並列に設置し常時2台の運転を行い、緊急の場合は1台でも十分な吐出量として緊急予備としての機能を満足させる。また、図6に示すように、植物油の熱伝達率が小さいことからタンク7への戻り燃料配管9aを複数本に分岐してタンク底部からタンクの中央部に噴出する形に配置し、循環油のエネルギを利用してタンク内貯留油の撹拌を有効に行うことでタンク内貯留油の温度を均一に維持することを特徴としている。
機関緊急停止時には、燃料油処置対応として、ストレージタンク側燃料配管系統9の燃料切替え弁50をA重油側に切替えて植物油側を閉回路とし、移送ポンプ8及び粘度計測手段11の出力に基づいて加熱手段12を制御する粘度コントローラ70の運転を継続して適切な保温状態とする。
◎ストレージタンク側燃料油配管等について。
スチームまたは温水等による加熱手段12を有する屋外設置の植物油ストレージタンク7とA重油またはBDF(バイオディーゼルフューエル) 等の常温でも低粘度の燃料油から植物油への切替えを行う三方弁50までの間の植物油ストレージタンク側燃料油配管9に対し、切替え三方弁50の直近から植物油ストレージタンク7までの戻り配管9aを設け、その配管ラインに調圧弁15およびスチームトレースまたは温水等による加熱および断熱保温を施し、機関起動前の準備期間に切替え三方弁50を植物配管側閉の状態として植物油ストレージタンク7の直近に設置された燃料循環ポンプ8を運転することにより、一定圧力で植物油のストレージタンク7から切替え三方弁50間の配管に対し植物油を循環可能とし植物油ストレージタンク側燃料配管9のライン全体を均一な温度に保ち局部的に温度低下する部分がない配管システムとすることを特徴としている。
ストレージタンク7側の燃料油系統9の移送配管部分は、冬季等外気温度が低下する場合に局所的冷却により植物油の部分的凝固が発生しやすいため、燃料切替え弁50の直近に移送ポンプ8の吐出量全量を戻せる容量の調圧弁15を設け、機関3が停止している状態でも燃料移送配管全体を植物油が循環し、ストレージタンク7側の燃料油系統全体が常に一定の必要温度に保てるようにする。
この調圧弁15の設定圧力としては、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの調圧弁13と干渉しないように、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの調圧弁13の設定圧力よりも低い設定圧力に設定することを特徴としている。
実施形態によれば、図1及び図2に示すように、ディーゼル機関燃料供給循環路4に燃料加熱手段16を設けると共に、低流動点油供給路6に燃料加熱手段17を設け、常温で流動性のない高流動点植物油の凝固開始温度を超える高い温度の低流動点油を燃料循環タンク1に供給できるように構成されている。ディーゼル機関燃料供給循環路4の燃料加熱手段16は、粘度計測手段56(粘度センサー又は粘度計)により測定した動粘度に基づき、粘度コントローラ57により制御される。
このため、ディーゼル機関3の供給燃料油を前記低流動点油から前記高流動点植物油に切り替える際、または前記高流動点植物油から前記低流動点油に切り替える際には、前記低流動点油を前記高流動点植物油の凝固開始温度を超える高い温度で前記燃料循環タンク1に供給できるので、当該低流動点油が前記高流動点植物油に接触しても、高流動点植物油が冷却されて凝固することはないので、配管や燃料循環タンク1が閉塞することはない。
上述したような燃料油の切り替え時の作用等について説明する。
機関始動時、低流動点油(A重油)で始動し50%負荷まで負荷上昇させ、その状態で前記ディーゼル機関燃料供給循環路4内のA重油が常温から52℃〜57℃に上昇するまで50%負荷を維持する(暖機運転、パームステアリンは約50℃で凝固開始するため)。この運転により、前記低流動点油供給路6を介して52℃〜57℃のA重油またはBDFが燃料循環タンクに充填される。
その後、高流動点植物油への切り替えを行なう。50%負荷運転を持続した状態で燃料切替え弁50を高流動点植物油(パームステアリン)側に切替えて運転することにより、前記ディーゼル機関燃料供給循環路4の燃料加熱手段16により、燃料油は噴霧に適した動粘度となるように加熱されながら徐々に燃料油が切替わる。ディーゼル機関燃料供給温度が77℃〜82℃になったら負荷上昇を行い100%負荷(パームステアリンでの運転)とする。
機関停止時には、高流動点植物油(パームステアリン)燃料で機関負荷を50%にさげる。その後、燃料切替え弁50をA重油側に切換え、高流動点植物油(パームステアリン)に代えて52℃〜57℃に加熱したA重油で運転することにより徐々に燃料油の切替えが行われる。
燃料切替え当初は粘度計による温度コントロールにより前記ディーゼル機関燃料供給循環路4の油は加熱され動粘度が一定になっているが、A重油が多くなってくると粘度が低下してくる。図1及び図2に示すように、前記ディーゼル機関燃料供給循環路4には粘度計測手段56(粘度センサー又は粘度計)により測定した動粘度がA重油の値になった時点で、燃料油がA重油に完全に置き換わったものとして負荷を下げて機関を停止する。前記ディーゼル機関燃料供給循環路4内はA重油で充満され常温となり、次の機関始動の準備が完了する。
<特に燃料油ドレン系に係わる部分等の説明>
燃料油ドレンの処置に関し、蒸気等による洗浄を必要とするドレン配管系とそれ以外のドレン系に分離し、別々のドレンタンク26、30を設置し、蒸気等が混入しないドレンタンク30側のドレンに関しては、ドレンタンク30の液面制御計75による制御により一定レベルまで溜まった時点で移送ポンプ34を起動し、移送ポンプラインには逆止弁35を設け、通常運転時にドレンタンク30側に機関側・補機器側燃料油配管系統の燃料が逆流しないようにして、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの機器側燃料配管系統にある燃料循環タンク1の直近上流位置にドレン油を戻し燃料として利用可能とする。
そのドレン油を戻す際に、供給路6、10の量積算計FQと燃料循環タンク1の間に設けた前記逆止弁59が、移送ポンプ34の起動によって、燃料油ドレン等が供給路6、10に流れ込まないようにないように逆流を防止している。
従って、ドレンの戻し圧力は、ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路4bに設けた第1調圧弁13の一次側設定圧力(上流側直近)よりも低い圧力で、かつ、前記燃料循環タンク1に供給される新たな高流動点植物油の圧力、すなわち高流動点植物油循環路9の分岐部14の下流側の第2調圧弁15の一次側設定圧力(上流側直近)、及び低流動点油タンク5からの低流動点油の供給圧力以上に設定する。好ましくは、ドレンの戻し圧力は、ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路4bに設けた第1調圧弁13設定圧力と高流動点植物油循環路9の分岐部14の下流側の第2調圧弁15の設定圧力との中間圧力で返油するとよい。
◎機器側燃料油配管内の残存植物油の排出等について。
A重油やBDF等の常温で低粘度の燃料油から、常温で凝固してしまう植物油への切替えを行う三方弁50と、ドレン切換弁b1,b2との間に設置される各種機器は、2階等の高所に設置するなどしてドレン切換弁b1,b2より高い位置に配置し、図1及び図2中のドレン切換弁a1,a2を開とし、ドレン切換弁b1,b2を開とすることにより、機器内に残存する植物油を充分なヘッド圧で容易に排出することを可能とするシステムである。
植物油排出の際、ヘッド圧による植物油の排出が容易となるように、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの機器側燃料油配管で最も高い位置となる燃料循環タンク1の上部に自動排気弁37(真空破壊弁の作用がある)を設置し、三方弁50を低流動点油側開とした上で、低流動点油タンク5の元弁61を閉じ、ドレン切換弁b1,b2を開とした状態でドレン切換弁a1,a2を開き、燃料油配管内の圧力を解放することにより、自動排気弁37(真空破壊弁)が開き、各機器内に残存する植物油の排出を容易とするシステムとすることを特徴としている。
なお、常温で流動性のない燃料油の場合には加熱手段が必要である。
◎メンテナンス用バイパス配管60内の残存植物油の排出等について。
図3に示すように、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの各種機器に対するメンテナンス用バイパス配管60に関しては、図3(c),(d)に比較のために示した例のように各種機器配管と同一平面に取りつけるのではなく、バイパス配管60内の残存植物油をヘッド圧で排出可能とするために、図3(a),(b)に示すように、各種機器設置面に対し仰角αを以て取付け、バイパス配管60に閉止弁の他に真空破壊弁(ベント弁)を取付けるか又は使用する閉止弁を三方弁として真空破壊弁をここに取りつけ、このバイパス配管60の真空破壊弁で前記自動排気弁37(真空破壊弁)を代替とすることも可能である。
◎ドレンタンクおよびドレン配管等について。
植物油が排出される全てのドレン配管32,33及びドレンタンク30から燃料循環タンク1への戻り配管36に対しては、それぞれの配管内での植物油の凝固を防止する目的でスチームトレース、温水トレースおよび電熱線トレース等の加熱および断熱保温を施し、さらにドレン配管32,33に関してはヘッド圧での排出が容易となるように排出側が下り勾配となるように配管を行うことを特徴としている。
以上のドレン回路にはすべてスチームトレースが施されている。
<特に燃料供給循環路のパージ洗浄に係わる部分等の説明>
図1、図2、図4に示すように、ディーゼル機関燃料供給循環路4a,4bの機関側系統に関しては、ドレン切換弁a1,a2を閉として補機器側系統と切り離し、次にドレン切換弁b1,b2を開とする。その後、燃料油循環主管端部19に高圧気体供給路20を介して高圧ボンベ51(N2 又は空気) を連結し、燃料油循環主管端部19から管内に高圧ガスを供給することで機関燃料油配管系統に残存する植物油を強制排出し、温度低下による配管内部での植物油の凝固を防止することができる。
◎機関側燃料油主管の連結について。
通常の燃料加熱方式機関の各燃料噴射ポンプに燃料を供給する燃料入・出主管は、末端部は袋小路となっており燃料油が滞留している構造となっている。この方式では、加熱された燃料油が入替わらずに滞留しているため、熱伝導のみで熱が伝わるだけであるため、その部分での局部的な温度低下が発生し易く、常温で凝固してしまう植物油を使用した場合燃料油による閉塞を引起す可能性がある。このため、図4に示すように、燃料油の入・出主管の末端を連結し燃料油が循環するシステムとした。
◎機関側燃料油配管の残存植物油の排出について。
機関が重故障停止した場合、機関側の燃料油配管内の植物油の排出に関しては、ドレン切換弁a1,a2を閉とし、機関側燃料油配管の最も低い位置に取付けられたドレン切換弁b1,b2を開として、機関の燃料油主管端部19に設置された高圧ボンベ51(N2 等) を開とすることにより圧縮ガスで機関側燃料油配管内の植物油を排出するシステムとした。
◎燃料噴射ポンプ18内の残留植物油の排出について。
重故障停止でも機関3のターニングが可能と判断された場合には、シリンダヘッドに取り付けられた自動開閉排出弁を作動させ、燃焼室内の圧縮空気を逃がしながら機関3をターニングし、上述した機関側燃料油配管内の植物油排出を行うことにより、燃料噴射ポンプ18の内部に残存する植物油の排出が可能となる。
このような操作を行う際に、圧縮空気やセルモータ、エアモータ等によって機関3のターニングが可能な状態の場合は、燃料噴射ポンプ18のプランジャー内の残存植物油も同時に排出できるよう、燃料ハンドルを停止位置にすることで燃料噴射ポンプ18を無噴射位置に戻し、機関3をターニングしながら燃料噴射ポンプ18内の残存植物油を高圧ガスでパージする。
その際、機関3のターニングが迅速に行えるように、燃焼室を構成する部品、例えばシリンダヘッドの開口に取りつけた自動開閉排出弁を開き、燃焼室内をデコンプ状態としてピストンを動かす。このように機関をターニングすると、必然的に、燃料噴射ポンプ18のプランジャーが無噴射位置で上下に作動し、プランジャーが下がったタイミングで燃料噴射ポンプ18のバレルの燃料吸入ポートとスピルポートが連通し、該燃料噴射ポンプ18のディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4a(往路)側と戻り路4b(復路)側とが瞬間的に完全に連通する状態になって、高圧ガスでのパージにより燃料噴射ポンプ18のプランジャー内の残存高流動点植物油(植物油)を容易に排出できる。
燃料噴射ポンプ18のコントロールラックは、燃料リンクを介してガバナーおよび燃料ハンドルに接続されている。また、コントロールラックは、コントロールピニオンと噛み合っており、コントロールピニオンと一体になったスリーブの下部には切り込みがあり、その切り込みにプランジャーの下部の鍔が嵌合している。従って、燃料リンクを動かすことによりプランジャーをバレル内部で回転させることが出来、プランジャーの頭部の切欠きとバレルに設けられた燃料油吸入ポートの位相で有効ストロークが変わる構造となっている。
プランジャー内の残油をパージする際には、燃料ハンドルを停止位置にし、プランジャーの有効ストロークをゼロとしたうえで機関をエアランニング等によるターニングでプランジャーを上下運動させることにより、全シリンダーの燃料噴射ポンプがプランジャーの最下点付近位置でバレルの吸入ポートとスピルポートが直通となり、残油のパージが容易となる。
このように、本実施形態では、燃料油循環主管端部19からの高圧ガスによるパージ洗浄する際に燃焼室と外部大気とを連通状態にして燃焼室内をデコンプ状態にする自動開閉排出弁をディーゼル機関3の各燃焼室(シリンダー)を構成する部品にそれぞれ設けたので、次のような効果が得られた。すなわち、前記自動開閉排出弁がないと、燃料噴射ポンプのプランジャーを作動させるために機関のターニングを行うと、シリンダー内で圧縮工程が行われることになり、ターニングトルクが増大してしまうことになる。このような手法に代えて、本実施形態では、前記自動開閉排出弁により、ディーゼル機関の各燃焼室と外部大気とを連通状態にして、燃焼室内をデコンプ状態とし、圧縮空気やセルモータ、エアモータ等によってターニングすることとした。このような手法によれば、前記燃料油循環主管端部19からの高圧ガスによるパージ洗浄の際に、燃料噴射ポンプ18のプランジャーを極めて容易に作動させることが出来る。このプランジャーの作動で、該燃料ポンプの前記ディーゼル機関燃料供給循環路4の供給路4a(往路)側と戻り路4b(復路)側とが瞬間的に直通状態になるので、前記高圧ガスのパージにより燃料噴射ポンプ18のプランジャー内の残存高流動点植物油(植物油)も同時に、かつ容易に、パージ洗浄することが出来る。
なお、ここで、「デコンプ」とは、decompressor、decompression device等、シリンダー圧縮力を低減する操作、又はその装置を意味する。また、デコンプレッション(decompression )とは、プレスなどで、油圧シリンダーの圧力を静かに抜き、機械の損傷の原因となる回路の衝撃を少なくすることを意味する。なお、ディーゼル機関には、圧縮空気によるクランキングで始動する圧縮空気始動用ディーゼル機関とセルモータ等(セルモータ、エアモータ)始動のディーゼル機関とがあるが、いずれにしても始動用動力は必ず持っている。
<特に燃料噴射弁のドレン系に係わる部分等の説明>
燃料噴射弁24のドレンとは、燃料噴射弁の針弁と本体(燃料噴射用の細孔であるノズルが形成されて針弁を摺動自在に収容する弁箱若しくは筐体)との摺動面からのリーク燃料油または噴射管等のねじ込み部から漏れた燃流油であり、図5に示す実施形態のように、針弁と本体の摺動面からリークした燃料を導く燃料戻り油路を燃料ドレン支管25に接続すればよい。
運転中に緊急停止等により、前記燃料油ドレン主管22の端部に設けられた高圧気体供給接続口27又は高圧気体供給路28から高圧ガスによるパージ洗浄を行う場合、前記燃料ドレン支管25に設けられた開閉弁23を閉とした後に、前記燃料油ドレン主管22の端部から高圧ガスによるパージ洗浄を行う。前記燃料ドレン支管25は、ディーゼル機関3の近傍にあり機関の熱によりドレンが冷却されて閉塞することはない。これも高流動点植物油の温度が低下しないうちに有効に植物油を排出出来る燃料油配管システムである。
以上のドレン回路は、ディーゼル機関3の近傍は電気ヒータが沿わしてあり、その他のドレン回路および燃料供給回路は、すべてスチームトレースが施されている。
セルモータ等(セルモータ、エアモータ)始動のディーゼル機関においては、圧縮空気始動用機関の始動弁と同様な構造の空気供給手段として、所定の空気圧の圧縮空気を供給できる空気槽と、シリンダーごとに設けられて当該空気槽から送られた空気を各シリンダーに供給する空気供給弁と、各空気供給弁に制御用空気を送るパイロット空気弁(始動空気分配弁)を機関に設ければよい。なお、パイロット空気弁の開閉駆動方法は、油圧、空圧、プッシュロッド等、あらゆる手段から選択して採用することができる。
請求項1に関して
19…ディーゼル機関の燃料油循環主管端部
20…高圧気体供給路
21…高圧気体供給接続
a1,b1,a2,b2…ドレン切換弁

請求項2または3に関して
22…燃料油ドレン主管
23…開閉弁
24…燃料噴射弁
25…燃料ドレン支管
26…ドレンタンク
27…高圧気体供給接続口
28…高圧気体供給路

実施形態に関する上記以外の符合について
1…燃料循環タンク
2…供給ポンプ
3…ディーゼル機関
4,4a,4b…ディーゼル機関燃料供給循環路
4b…ディーゼル機関燃料供給循環路4の戻り路
5…低流動点油タンク
6…低流動点油供給路
7…高流動点植物油タンク
8…循環ポンプ
9…高流動点植物油循環路
9a…高流動点植物油循環路9における高流動点植物油タンク7への戻り路
10…高流動点植物油循環路の供給路
11…粘度計測手段
12…加熱手段
13…第1調圧弁
14…高流動点植物油循環路9の分岐部
15…第2調圧弁
16…ディーゼル機関燃料供給循環路4の燃料加熱手段
17…低流動点油供給路6の燃料加熱手段
29…スタティックミキサー
30…燃料油ドレンタンク
31…加熱手段
32…ドレン路
33…ドレン路
34…ポンプ
35…逆止弁
36…戻し路
37…自動排気弁
38…排気路
70…粘度制御手段

Claims (3)

  1. 燃料循環タンクから供給ポンプを経てディーゼル機関の燃料噴射ポンプに常温で流動性のない高流動点植物油を供給する供給路と、余剰の該高流動点植物油を当該燃料循環タンクに戻す戻り路と、を有するディーゼル機関燃料供給循環路と、
    前記供給路及び前記戻り路に設けられ、前記ディーゼル機関燃料供給循環路の高圧ガスによるパージ洗浄の際に、燃料循環タンクとの経路を閉とし、ドレン路にパージした高流動点植物油を導くドレン切換弁と、
    前記供給路及び前記戻り路において前記ドレン切換弁に関して機関側系統にある燃料油循環主管端部に設けられた高圧気体供給接続口又は高圧気体供給路と、
    を備えたことを特徴とするディーゼル機関。
  2. ディーゼル機関のそれぞれの燃料噴射弁に設けられ、当該燃料噴射弁から排出される燃料ドレンを流下させる下り勾配を付し、接続端部に開閉弁を設けて燃料油ドレン主管に接続する燃料ドレン支管と、
    ドレンタンクに到る下り勾配を付した前記燃料油ドレン主管と、
    前記燃料油ドレン主管の端部に設けられた高圧気体供給接続口又は高圧気体供給路と、
    を備えたことを特徴とする請求項記載のディーゼル機関。
  3. ディーゼル機関の燃料弁ノズルからの前記ドレン支管と、前記燃料油ドレン主管とには、加熱手段が沿わされていることを特徴とする請求項2記載のディーゼル機関。
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