JP6385441B2 - ボルデテラ属種の工業規模培養のための合成培地 - Google Patents
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Description
(i)合成培地が、0.035mM未満、0.030mM未満、0.020mM未満又は0.010mM未満のサルフェートを含む;
(ii)合成培地が、システイン及びシスチンからなる群から選択されるシステイン源を含み、該システイン源が、0.50mM未満、0.30mM未満、0.25mM未満、0.20mM未満、0.15mM未満、0.10mM未満、0.05mM未満又は0.03mM未満の濃度である;
(iii)合成培地が、チオサルフェート、トリチオネート、テトラチオネート、ペルオキソジサルフェート、スルフィド(sulphide)及びサルファイト(sulphite)からなる群から選択される無機硫黄源を含む;
(iv)合成培地が、有機硫黄源を含まない;
(v)合成培地が、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)及びPIPES(ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸))からなる群から選択される緩衝液を含む;
(vi)合成培地が、2μM超、3μM超、4μM超、5μM超、6μM超の銅を含む;
(vii)合成培地が、2μM超、5μM超、10μM超、50μM超、100μM超又は400μM超のマグネシウムを含む;
(viii)合成培地が、唯一のアミノ酸源を含む;
(ix)合成培地が、アミノ酸源を含まない;
(x)合成培地が、亜鉛、コバルト、チアミン、リボフラビン及びパントテネートからなる群から選択される添加剤を含む;
(xi)合成培地が、0.4μM超のビオチン、50μM超のカルシウム、15μM超のナイアシン及び25μM超のアスコルビン酸からなる群から選択される添加剤を含む;又は
(xii)合成培地が、1000μM超の濃度でのアスパルテート、1000μM超の濃度でのグリシン、500μM超の濃度でのメチオニン、及び1500μM超の濃度でのロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を含む
の1つ以上を含む前記合成培地が提供される。
(a)100:1超、125:1超、150:1超、175:1超又は200:1超(炭素:リン)(モル/モル)の比の炭素及びリン;
(b)20:1超、22:1超、24:1超又は25:1超(グルタメート:リン)(モル/モル)の比のグルタメート及びリン;
(c)600:1未満、500:1未満、400:1未満又は300:1未満(炭素:マグネシウム)(モル/モル)の比の炭素及びマグネシウム;
(d)115:1未満、110:1未満、105:1未満又は100:1未満(グルタメート:マグネシウム)(モル/モル)の比のグルタメート及びマグネシウム;
e)3000:1超、3500:1超又は4000:1超(炭素:銅)(モル/モル)の比の炭素及び銅;
(f)170:1超、180:1超、200:1超又は250:1超(グルタメート:銅)(モル/モル)の比のグルタメート及び銅;
(g)9500:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(炭素:鉄)(モル/モル)の比の炭素及び鉄;
(h)1600:1超、1800:1超、2000:1超又は2500:1超(グルタメート:鉄)(モル/モル)の比のグルタメート及び鉄;
(i)500:1未満、400:1未満、300:1未満又は250:1未満(炭素:グリシン)(モル/モル)の比の炭素及びグリシン;
(j)100:1未満、80:1未満、75:1未満又は60:1未満(グルタメート:グリシン)(モル/モル)の比のグルタメート及びグリシン;
(k)440:1未満、400:1未満、350:1未満又は300:1未満(炭素:ロイシン)(モル/モル)の比の炭素及びロイシン;
(l)75:1未満、70:1未満、60:1未満又は50:1未満(グルタメート:ロイシン)(モル/モル)の比のグルタメート及びロイシン;
(m)1200:1未満、1000:1未満、800:1未満又は750:1未満(炭素:メチオニン)(モル/モル)の比の炭素及びメチオニン;
(n)200:1未満、175:1未満、150:1未満又は120:1未満(グルタメート:メチオニン)(モル/モル)の比のグルタメート及びメチオニン;
(o)3750:1超、4000:1超、4500:1超又は5000:1超(炭素:カルシウム)(モル/モル)の比の炭素及びカルシウム;
(p)620:1超、650:1超、675:1超又は750:1超(グルタメート:カルシウム)(モル/モル)の比のグルタメート及びカルシウム;
(q)3000:1超、3500:1超、4750:1超又は5000:1超(炭素:コバルト)(モル/モル)の比の炭素及びコバルト;
(r)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(グルタメート:コバルト)(モル/モル)の比のグルタメート及びコバルト;
(s)3000:1超、3500:1超、4000:1超又は5000:1超(炭素:亜鉛)(モル/モル)の比の炭素及び亜鉛;
(t)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(グルタメート:亜鉛)(モル/モル)の比のグルタメート及び亜鉛;
(u)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(炭素:サルフェート当量)(モル/モル)の比の炭素及びサルフェート当量;並びに
(v)130:1超、150:1超、175:1超又は200:1超(グルタメート:サルフェート当量)(モル/モル)の比のグルタメート及びサルフェート当量
からなる群から選択される前記合成培地が提供される。
(a)本発明の合成培地にボルデテラ属種を接種するステップ、
(b)バイオマスの蓄積を可能にするのに十分な期間、合成培地中でボルデテラ属種を維持するステップ
を含む、発酵方法が提供される。
合成培地(Chemically defined media、CDM)は、非合成培地とは異なりそれぞれの栄養成分を正確な濃度で含有しており、それによって培地のばらつきが低減され、発酵産物の品質が改善されるので、合成培地は有効であると考えられることが多い。しかし、多様な細菌が要求する栄養/培地成分を予測することは困難であることから、バランスのとれた最適な合成培地を作り出すことは困難である場合がある。バランスのとれた培地はより効果的な増殖を支持し、コスト的にもより有利であることから、理想的には、合成培地は、実質的にバランスがとれているべきであり、すなわち発酵終了時に細菌が代謝するには多すぎる培地成分の存在によるいかなる特定の培地成分の過剰も存在するべきでない。百日咳菌のための半合成培地は、Goldner(J.Gen.Microbiol.(1966)、44、439〜444)によって設計されたが、これは複雑であり、工業規模で使用するには高価であった。Stainer Scholteは、工業規模の発酵により適したより簡単な培地の設計を試みたが、これは、病原性因子の産生には最適ではない(Journal of General Microbiology(1971)、63、211〜220)。本発明者らは、培地を簡素化するか又はそのような培地中で増殖するボルデテラ属から得られる病原性因子の収率を優位に増加させるために、幾つかの改変をこれらの合成培地に実施し得ることを見出した。
(i)合成培地が、0.035mM未満、0.030mM未満、0.020mM未満又は0.010mM未満のサルフェートを含む;
(ii)合成培地が、システイン及びシスチンからなる群から選択されるシステイン源を含み、該システイン源が、0.50mM未満、0.30mM未満、0.25mM未満、0.20mM未満、0.15mM未満、0.10mM未満、0.05mM未満又は0.03mM未満の濃度である;
(iii)合成培地が、チオサルフェート、トリチオネート、テトラチオネート、ペルオキソジサルフェート、スルフィド及びサルファイトからなる群から選択される無機硫黄源を含む;
(iv)合成培地が、有機硫黄源を含まない;
(v)合成培地が、MOPS、MES、HEPES及びPIPESからなる群から選択される緩衝液を含む;
(vi)合成培地が、2μM超、3μM超、4μM超、5μM超、又は6μM超の銅を含む;
(vii)合成培地が、2μM超、5μM超、10μM超、50μM超、100μM超又は400μM超のマグネシウムを含む;
(viii)合成培地が、唯一のアミノ酸源を含む;
(ix)合成培地が、アミノ酸源を含まない;
(x)合成培地が、亜鉛、コバルト、チアミン、リボフラビン及びパントテネートからなる群から選択される添加剤を含む;
(xi)合成培地が、0.4μM超のビオチン、50μM超のカルシウム、15μM超のナイアシン及び25μM超のアスコルビン酸からなる群から選択される添加剤を含む;又は
(xii)合成培地が、1000μM超の濃度でのアスパルテート、1000μM超の濃度でのグリシン、500μM超の濃度でのメチオニン、及び1500μM超の濃度でのロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を含む
が含まれる。
(a)100:1超、125:1超、150:1超、175:1超又は200:1超(炭素:リン)(モル/モル)の比の炭素及びリン;
(b)20:1超、22:1超、24:1超又は25:1超(グルタメート:リン)(モル/モル)の比のグルタメート及びリン;
(c)600:1未満、500:1未満、400:1未満又は300:1未満(炭素:マグネシウム)(モル/モル)の比の炭素及びマグネシウム;
(d)115:1未満、110:1未満、105:1未満又は100:1未満(グルタメート:マグネシウム)(モル/モル)の比のグルタメート及びマグネシウム;
(e)3000:1超、3500:1超又は4000:1超(炭素:銅)(モル/モル)の比の炭素及び銅;
(f)170:1超、180:1超、200:1超又は250:1超(グルタメート:銅)(モル/モル)の比のグルタメート及び銅;
(g)9500:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(炭素:鉄)(モル/モル)の比の炭素及び鉄;
(h)1600:1超、1800:1超、2000:1超又は2500:1超(グルタメート:鉄)(モル/モル)の比のグルタメート及び鉄;
(i)500:1未満、400:1未満、300:1未満又は250:1未満(炭素:グリシン)(モル/モル)の比の炭素及びグリシン;
(j)100:1未満、80:1未満、75:1未満又は60:1未満(グルタメート:グリシン)(モル/モル)の比のグルタメート及びグリシン;
(k)440:1未満、400:1未満、350:1未満又は300:1未満(炭素:ロイシン)(モル/モル)の比の炭素及びロイシン;
(l)75:1未満、70:1未満、60:1未満又は50:1未満(グルタメート:ロイシン)(モル/モル)の比のグルタメート及びロイシン;
(m)1200:1未満、1000:1未満、800:1未満又は750:1未満(炭素:メチオニン)(モル/モル)の比の炭素及びメチオニン;
(n)200:1未満、175:1未満、150:1未満又は120:1未満(グルタメート:メチオニン)(モル/モル)の比のグルタメート及びメチオニン;
(o)3750:1超、4000:1超、4500:1超又は5000:1超(炭素:カルシウム)(モル/モル)の比の炭素及びカルシウム;
(p)620:1超、650:1超、675:1超又は750:1超(グルタメート:カルシウム)(モル/モル)の比のグルタメート及びカルシウム;
(q)3000:1超、3500:1超、4750:1超又は5000:1超(炭素:コバルト)(モル/モル)の比の炭素及びコバルト;
(r)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(グルタメート:コバルト)(モル/モル)の比のグルタメート及びコバルト;
(s)3000:1超、3500:1超、4000:1超又は5000:1超(炭素:亜鉛)(モル/モル)の比の炭素及び亜鉛;
(t)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(グルタメート:亜鉛)(モル/モル)の比のグルタメート及び亜鉛;
(u)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超(炭素:サルフェート当量)(モル/モル)の比の炭素及びサルフェート当量;並びに
(v)130:1超、150:1超、175:1超又は200:1超(グルタメート:サルフェート当量)(モル/モル)の比のグルタメート及びサルフェート当量
からなる群から選択される前記合成培地が提供される。
第一の実施形態では、合成培地は0.035mM未満、0.030mM未満、0.020mM未満、0.010mM未満のサルフェート、0.005mM未満、0.0001mM未満、0.00005mM未満、0.00001mM未満、0.035mM〜0mM、0.005mM〜0mM、又は0.00001mM〜0mMを含む。本発明者は、驚くべきことに合成培地からのサルフェートの除去が、ボルデテラのための合成培地において用いられた場合に、PT等の病原性因子の収率を顕著に増加させることを見出した。WO0178462及びLacey(1960; J.Hyg. 58:57-93)は、サルフェートが病原性因子の産生の阻害剤になり得るというアイデアを開示しているが、WO0178462において開示された低サルフェート培地は、0.001g/Lの添加されたFeSO4を含んでいた。したがって、WO0178462の発明者が、百日咳(pertussis)の増殖を可能とする合成培地を調製するために、少なくともいくらかの量のFeSO4の存在が必要であったと考えていたことは明白である。高レベルの病原性因子を得るためには、培地が病原性因子の産生及び好適なバイオマスまでのボルデテラの増殖の両方を支持しなければならず、したがってサルフェートが病原性因子の発現を阻害することは知られていたが、ボルデテラがサルフェートの非存在下で妥当なバイオマスまで増殖できるかどうかは知られていなかったことに留意されたい。Jebb及びTomlinson(J.Gen.Microbiol.17, 59-68)は、サルフェートが硫黄源を提供するのに十分でなかったことを開示しているが、これは他の文献、並びにJebb及びTomlinsonを引用する、続いて彼らの培地にサルフェートを加えた後の文献(例えば、Licary, Siber and Swartz, Journal of Biotechnology l 20 (1991) 117-130) と矛盾することにも留意されたい。この結論は、ボルデテラのための培地に関する他の刊行物によっても支持され、一般に、これらの刊行物では全てサルフェートが存在することを必要とするようである(例えば、上記のStainer Scholte培地はサルフェートを含む)。しかしながら、本発明者は、驚くべきことに、サルフェートを除く(したがって、病原性因子の発現の阻害を低減する)ために、FeSO4がクエン酸Fe(III)に置換され得、またボルデテラの増殖を支持する効率的な培地を提供すること、及びサルフェートの濃度をWO0178462で開示されたものよりもさらに低減することによって、PT等の病原性因子の収率の顕著な増加がもたらされることを見出した。さらなる実施形態では、合成培地はサルフェートを含まない。
さらなる実施形態では、合成培地は、MOPS、MES、HEPES及びPIPESからなる群から選択される緩衝液を含む。
ボルデテラのための培地において銅が必要でないことが示されたが(Stainer and Scholte Journal of General Microbiology (1971), 63:211-220)、本発明者は、驚くべきことに、比較的高濃度の銅をボルデテラのための合成培地に添加することで、ボルデテラによって産生される毒素の量(例えば、百日咳菌からの百日咳毒素の発現)の顕著な増加がもたらされることを見出した。
高濃度のマグネシウムは、ボルデテラを調節すること、並びに百日咳毒素及びFHA等の病原性因子を発現する傾向が弱い状態へのボルデテラの変換を誘導することが知られている(Idigbe et al J.MED.MICROBIOL (1981) 409-418)、及びLacey et al ((1960) J.Hyg. 58:57-93))。上記の通り、高レベルの毒素の発現を誘導する環境におけるボルデテラの増殖が有利であり、マグネシウムの添加は病原性因子の発現を低減し、したがって培地でのボルデテラのワクチン産生を除去することが知られていた。しかしながら、本発明者は、驚くべきことに、高濃度のマグネシウムの添加がPT等の病原性因子の高レベルの発現を有する合成培地において用いられ得ることを見出した。
培地が窒素源及び炭素源を含まなければならないこと、多くの場合いくつかのアミノ酸(必須アミノ酸)が増殖に必要であることが一般に知られている。Stainer及びScholte (Stainer and Scholte Journal of General Microbiology (1971), 63:211-220)は、単純化した合成培地を作製しようと試みたが、彼達は少なくとも二つのアミノ酸、すなわちグルタミン酸、プロリン及びシステインが必要であったと結論付けた。
上記の通り、合成培地は少なくとも炭素源、窒素源、リン源、硫黄源及び緩衝液を含まなければならないと考えられる。一般に、合成培地を単純になるように(多すぎる成分を含まないように)設計することが、コスト及び製造の複雑さを低減するため、有利である。しかしながら、本発明者は、亜鉛、コバルト、チアミン、リボフラビン、パントテネート、0.4μM超のビオチン、50μM超のカルシウム、15μM超のナイアシン、及び25μM超のアスコルビン酸からなる群から選択される添加物の添加が、百日咳毒素等の病原性因子の発現の収率を顕著に増加させ得ることを示した。
本発明者は、Stainer Scholte等の従来の培地が、高レベルのアスパルテート、グリシン、メチオニン及びロイシンの添加によって改善され得ることをさらに示した。したがって、さらなる実施形態では、1000μM超の濃度のアスパルテート、1000μM超の濃度のグリシン、500μM超の濃度のメチオニン、及び1500μM超の濃度のロイシンからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む合成培地が提供される。
本発明者は、驚くべきことに、ある成分比が用いられた場合に、合成培地が百日咳毒素及びFHA等の病原性因子の改善された収率をもたらすであろうことを見出した。この理由のために、少なくとも二つの成分を含み、該少なくとも二つの成分が、以下からなる群から選択される合成培地が提供される:
(a)100:1超、125:1超、150:1超、175:1超又は200:1超の比の炭素及びリン(炭素:リン)(mol/mol);
(b)20:1超、22:1超、24:1超、又は25:1超の比のグルタメート及びリン(グルタメート:リン)(mol/mol);
(c)600:1未満、500:1未満、400:1未満又は300:1未満の比の炭素及びマグネシウム(炭素:マグネシウム)(mol/mol);
(d)115:1未満、110:1未満、105:1未満又は100:1未満の比のグルタメート及びマグネシウム(グルタメート:マグネシウム)(mol/mol);
(e)3000:1超、3500:1超、又は4000:1超の比の炭素及び銅(炭素:銅) (mol/mol);
(f)170:1超、180:1超、200:1超又は250:1超の比のグルタメート及び銅(グルタメート:銅) (mol/mol);
(g)9500:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超の比の炭素及び鉄(炭素:鉄) (mol/mol);
(h)1600:1超、1800:1超、2000:1超又は2500:1超の比のグルタメート及び鉄(グルタメート:鉄) (mol/mol);
(i)500:1未満、400:1未満、300:1未満又は250:1未満の比の炭素及びグリシン(炭素:グリシン) (mol/mol);
(j)100:1未満、80:1未満、75:1未満又は60:1未満の比のグルタメート及びグリシン(グルタメート:グリシン) (mol/mol);
(k)440:1未満、400:1未満、350:1未満又は300:1未満の比の炭素及びロイシン(炭素:ロイシン) (mol/mol);
(l)75:1未満、70:1未満、60:1未満又は50:1未満の比のグルタメート及びロイシン(グルタメート:ロイシン) (mol/mol);
(m)1200:1未満、1000:1未満、800:1未満又は750:1未満の比の炭素及びメチオニン(炭素:メチオニン) (mol/mol);
(n)200:1未満、175:1未満、150:1未満又は120:1未満の比のグルタメート及びメチオニン(グルタメート:メチオニン) (mol/mol);
(o) 3750:1超、4000:1超、4500:1超又は5000:1超の比の炭素及びカルシウム(炭素:カルシウム) (mol/mol);
(p)620:1超、650:1超、675:1超又は750:1超の比のグルタメート及びカルシウム(グルタメート:カルシウム) (mol/mol);
(q) 3000:1超、3500:1超、4750:1超又は5000:1超の比の炭素及びコバルト(炭素:コバルト) (mol/mol);
(r)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超の比のグルタメート及びコバルト(グルタメート:コバルト) (mol/mol);
(s)3000:1超、3500:1超、4000:1超又は5000:1超の比の炭素及び亜鉛(炭素:亜鉛) (mol/mol);
(t)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超の比のグルタメート及び亜鉛(グルタメート:亜鉛) (mol/mol);
(u)750:1超、1000:1超、1250:1超又は1500:1超の比の炭素及びサルフェート等価物(炭素:サルフェート等価物) (mol/mol);並びに
(v)130:1超、150:1超、175:1超又は200:1超の比のグルタメート及びサルフェート等価物(グルタメート:サルフェート等価物)(mol/mol)。
FeSO4を含むStainer Scholte等のボルデテラ培地は、Fe(II)イオンの形態で鉄を含む傾向があるが(Stainer and Scholte Journal of General Microbiology (1971), 63:211-220)、本発明者は、Fe(III)イオンもまたボルデテラのための培地に用いられ得ること、さらに(クエン酸Fe(III)等の)Fe(III)イオンを含む培地が、(FeSO4等の)Fe(II)イオンを含む培地よりも、高レベルの百日咳毒素等の病原性因子の産生を提供することを示した。
本発明の培地は、上記の成分に対してさらなる成分を含み得る。例えば、合成培地は塩化物を含み得る。一実施形態では、合成培地は、45mM未満、40mM未満、35mM未満、30mM未満、25mM未満、20mM未満又は15mM未満、0.1mM〜500mM、10mM〜20mM、又は約16mMの濃度の塩化物を含む。合成培地は、アセテートを含み得、一実施形態では、合成培地は、1mM超、2mM超、3mM超、4mM超、1mM〜100mM、4mM〜6mM又は約5mMの濃度のアセテートを含む。合成培地は、カリウムを含み得る。一実施形態では、合成培地は、1mM超、2mM超、3mM超、4mM超、5mM超、6mM超、1mM〜100mM、5.5mM〜7mM又は約6.5mMの濃度のカリウムを含む。合成培地はリン源を含み得、一実施形態では、リン源は、0.5mM超、1mM超、1.5mM超、2mM超、2.5mM超、0.5mM〜100mM、3mM〜4mM又は約3.6mMの濃度のホスフェートを含む。合成培地は、ジメチル-β-シクロデキストリンを含み得る。一実施形態では、合成培地は、0.1 mM超、0.2 mM超、0.3 mM超、0.4 mM超、0.5mM超、0.6mM超、0.01mM〜10mM、0.7mM〜0.8mM又は約0.75mMの濃度のジメチル-β-シクロデキストリンを含む。
本発明は、
(a)本発明の合成培地にボルデテラ属種を接種するステップ、
(b)バイオマスの蓄積を可能とするのに十分な期間、合成培地中でボルデテラ属種を維持するステップ
を含む、合成培地(CDM)においてボルデテラ属種を増殖させるための発酵方法をさらに提供する。
一実施形態では、ボルデテラ属種は、百日咳毒素(PT)、繊維状赤血球凝集素(FHA)、パータクチン(PRN)、凝集原2型又は凝集原3型を含む少なくとも1つの病原性因子を発現する。一実施形態では、ボルデテラ属種は、PTを発現し、一実施形態では、ボルデテラ属種は、FHAを発現し、一実施形態では、ボルデテラ属種は、PRNを発現し、一実施形態では、ボルデテラ属種は、PT及びFHAを発現し、一実施形態では、ボルデテラ属種は、PT及びPRNを発現し、一実施形態では、ボルデテラ属種は、PRN及びFHAを発現し、一実施形態では、ボルデテラ属種は、PT、PRN及びFHAを発現する。PT、FHA及びPRNは、当技術分野で周知である。
基本合成培地における百日咳菌の20L規模の発酵
、Stainer&Scholteの培地(SS;Stainer及びScholte、J Gen.Microbiol.63:211〜220(1971))の組成を基礎として、アミノ酸サプリメント及びジメチル-β-シクロデキストリンを含有した合成培地(B-CDM)を設計した。表1は、Stainer&Scholte(SS)の元の培地、ジメチル-β-シクロデキストリン-百日咳菌の確認済みの増殖刺激剤(Imaizumi et al、J.Clin.Microbiol.17:781〜786(1983))-及び他の小さな変更(SS-シクロ)を含むSS培地の改変形態、並びに基本合成培地(B-CDM)の組成を比較する。
培養上清中のPT濃度を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって測定した。ポリスチレン微量稀釈プレートのウェル(4-39454;Nunc)を精製ポリクロナールモルモット抗PT抗血清(pH9.6の50mM炭酸塩緩衝液中の1:16,000希釈液)100μlで4℃で終夜コーティングした。プレートをDPBST(0.1%(v/v)Tween20を含む、Ca及びMgを含まないDubelccoのリン酸塩緩衝生理食塩水)で3回洗浄した。次いで、精製PT標準液の連続希釈液及び培養上清(DPBST中)をそれぞれのウェルに添加した(ウェル当り100μl)。室温で30分インキュベートした後、プレートをDPBSTで3回洗浄した。次いで、ヤギ抗PT抗血清(DPBST中1:500希釈液)及び抗PTを含まないモルモット血清(DPBST中1:1,000希釈液)をそれぞれのウェルに添加した(ウェル当り100μl)。室温で30分インキュベートした後、プレートをDPBSTで3回洗浄した。次いで、アルカリフォスファターゼコンジュゲートウサギ抗ヤギ免疫グロブリンG(Zymed;DPBST中1:1,000希釈液)をそれぞれのウェルに添加した(ウェル当り100μl)。室温で30分インキュベートした後、プレートをDPBSTで3回洗浄した。ジエタノールアミン緩衝液(ジエタノールアミン9.7%(v/v)、アジ化ナトリウム0.2g/L、MgCl2.6H2O 0.214g/L、pH9.8)中のp-ニトロフェニルホスフェート(Calbiochem)溶液10g/Lをそれぞれのウェルに添加することによって(ウェル当り100μl)プレートを発色させた。室温で発色させ、3M NaOH 50μlをそれぞれのウェルに添加することによって停止させた。Versamaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)を使用して、NaOH添加後1時間以内に、ウェルの吸収を405nmで読み取った。
鉄源が合成培地中の百日咳菌の20L規模の発酵に及ぼす効果
発酵COQ348における硫酸第一鉄に対する代替としてのクエン酸第二鉄を評価した。
百日咳菌の増殖のための硫黄源としてのチオサルフェート
文献に基づけば、百日咳菌の増殖は、有機硫黄源が存在する場合に限り可能であり、この有機硫黄源は、シスチン、システイン、及び/又はグルタチオンとして提供することができる(Jebb及びTomlinson(1957)J.Gen.Microbiol.17:59)。
合成培地における代替的な緩衝液の選別
B-CDM培地のトリス緩衝液に対する代替のためにスクリーニングを実施した。新鮮な培地(B-CDM)7.5mlを含む第1の振とうフラスコ前培養に109CFUの百日咳菌を接種し、35℃(+/-1℃)及び150rpmで24時間(+/-1時間)インキュベートした。第1の前培養を使用して、新鮮な培地(B-CDM)100mlを含む第2の振とうフラスコ前培養に接種した。第2の前培養を、35℃(+/-1℃)及び150rpmで24時間(+/-1時間)インキュベートした。次いで、細胞を遠心分離によって回収し、NaCl 0.9%で洗浄し、NaCl 0.9%に再懸濁させた。この細胞懸濁液を使用して、新鮮な培地(B-CDM)又はCDM中のトリス緩衝液が表6に列挙された別の緩衝液で置換された培地50mlをそれぞれ含む、9つの振とうフラスコの組に接種した。フラスコを35℃及び150rpmで48時間インキュベートした。24時間及び48時間後、OD650nmとして増殖をモニタリングした。結果を表6に示す。
合成培地における百日咳菌の20L規模の発酵に及ぼすCu2+添加の影響
COQ348発酵におけるCu2+補充の効果を評価した。
改良された合成培地での百日咳菌の20L規模発酵
基本CDM(B-CDM)の改良された調合を発酵COQ426で評価した。
硫黄源としてチオサルフェートを含む改良された合成培地での百日咳菌の20L規模の発酵
改良されたCDM(実施例6)の改変調合を発酵COQ454で評価した。この培地では、硫黄源としてシステインをチオサルフェートで置換した。
1つだけのアミノ酸を含む最小の培地中の百日咳菌の増殖
唯一の炭素及び窒素源として単一のアミノ酸を含む最小の培地中で百日咳菌の増殖が可能か否かを測定するためにアッセイを実施した。新鮮な培地(ナイアシン0.604g/Lを含むB-CDM)7.5mlを含む振とうフラスコに109CFUの百日咳菌を接種し、35℃(+/-1℃)及び150rpmで24時間(+/-5時間)インキュベートした。細胞を遠心分離によって回収し、NaCl 0.9%(w/v)で2回洗浄し、収集前の培養のOD650nmから計算した理論上のOD650nm0.5で新鮮な培地(表12の組成を参照されたい)に再懸濁させた。この細胞懸濁液1mlを使用して、C及びN源としての、単一のアミノ酸(L-システイン125mM、L-プロリン125mM、L-グルタメート125mM、L-グルタミン125mM、L-アスパルテート30mM、L-アスパラギン125mM、L-セリン125mM、又はL-アラニン125mM)、及びS源としてのチオサルフェート0.25mM(チオサルフェートが添加されないL-Cys補充の場合を除く)を補充した、表12の培地30mlを含む振とうフラスコに接種した。塩化アンモニウム(25mM)及びチオサルフェート(0.25mM)を含むがアミノ酸を含まない同じ培地を陰性対照として使用した。次いで、一定振とう(150rpm)下、35℃で約10日間振とうフラスコをインキュベートした。増殖をOD650nmとしてモニタリングした。増殖アッセイの結果を図1に示す。
アミノ酸を含まない最小培地における百日咳菌の増殖
窒素が無機アンモニウムとして、硫黄がチオサルフェートとして、炭素が有機酸としてのみ提供された最小培地中で百日咳菌の増殖が可能か否かを測定するためにアッセイを実施した。新鮮な培地(ナイアシン0.604g/Lを含むB-CDM)7.5mlを含む振とうフラスコに109CFUの百日咳菌を接種し、35℃(+/-1℃)及び150rpmで24時間(+/-5時間)インキュベートした。細胞を遠心分離によって回収し、NaCl 0.9%(w/v)で2回洗浄し、収集前の培養のOD650nmから計算した理論上のOD650nm0.5で新鮮な培地(表13の組成を参照されたい)に再懸濁させた。この細胞懸濁液1mlを使用して、単一の有機酸(シトレート100mM、L-ラクテート100mM、アセテート100mM、ピルベート100mM、フマレート100mM、又はスクシネート100mM)を補充した、表13の培地30mlを含む振とうフラスコに接種した。有機酸の補充を含まない同じ培地を陰性対照として使用した。次いで、一定振とう(150rpm)下、35℃で約10日間振とうフラスコをインキュベートした。増殖をOD650nmとしてモニタリングした。増殖アッセイの結果を図2に示す。
Claims (18)
- ボルデテラ属種の工業規模培養のための合成培地であって、
(i)有機化合物と複合体を形成したFe(II)及び有機化合物と複合体を形成したFe(III)からなる群から選択される鉄成分であって、前記有機化合物が、ヘム、ヘモグロビン、ミオグロビン、トランスフェリン、フェリチン、ラクトフェリン、エンテロバクチン、エアロバクチン、アルカリジン、コプロゲン、フェリクロム、デスフェリクロム、フェロキサミン、ヒドロキサメート、シトレート及びジヒドロキシベンゾイルセリンから選択される、前記鉄成分、
(ii)3-(N-モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、
(iii)ジメチル-β-シクロデキストリン、及び
(ii)1000μM以上の濃度でのアスパルテート、1000μM以上の濃度でのグリシン、500μM以上の濃度でのメチオニン、及び1500μM以上の濃度でのロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を含み、
かつFeSO4又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含まない、前記合成培地。 - (vi)2μM以上、3μM以上、4μM以上、5μM以上、又は6μM以上の銅;
(vii)2μM以上、5μM以上、10μM以上、50μM以上、100μM以上、又は400μM以上のマグネシウム;
(x)亜鉛、コバルト、チアミン、リボフラビン及びパントテネートからなる群から選択される添加剤;
(xi)0.4μM以上のビオチン、50μM以上のカルシウム、15μM以上のナイアシン、及び25μM以上のアスコルビン酸からなる群から選択される添加剤
をさらに含む、請求項1に記載の合成培地。 - チオサルフェート、トリチオネート、テトラチオネート、ペルオキソジサルフェート、スルフィド及びサルファイトからなる群から選択される無機硫黄源を含み、かつ有機硫黄源を含まない、請求項1又は2に記載の合成培地。
- 0.005mM超、0.006mM超、0.007mM超、0.008mM超、0.010mM超、0.050mM超、0.100mM超、約0.120mM又は約0.011mMのチオサルフェートを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成培地。
- 0.003mM超、0.004mM超、0.005mM超、0.008mM超、0.010mM超、0.020mM超、0.050mM超、約0.007mM、又は約0.080mMのトリチオネートを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の合成培地。
- 0.002mM超、0.003mM超、0.004mM超、0.005mM超、0.025mM超、0.050mM超、約0.060mM、又は約0.0006mMのテトラチオネートを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の合成培地。
- 0.005mM超、0.006mM超、0.007mM超、0.008mM超、0.010mM超、0.050mM超、0.100mM超、約0.120mM、又は約0.011mMのペルオキソジサルフェートを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成培地。
- 0.010mM超、0.012mM超、0.014mM超、0.016mM超、0.020mM超、0.100mM超、0.200mM超、約0.240mM、又は約0.022mMのスルフィドを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の合成培地。
- 0.010mM超、0.012mM超、0.014mM超、0.016mM超、0.020mM超、0.100mM超、0.200mM超、約0.240mM、又は約0.022mMのサルファイトを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の合成培地。
- 2mM超、5mM超、7mM超、9mM超、10mM超、又は11mM超の濃度でMOPSを含む、請求項1に記載の合成培地。
- 塩化銅の形態で銅を含む、請求項2に記載の合成培地。
- アンモニウム塩及び塩化アンモニウムから選択される無機窒素源を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の合成培地。
- グルタメート、プロリン、シトレート、ラクテート、アセテート、ピルベート、フマレート、及びサクシネートからなる群から選択される炭素源を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の合成培地。
- (i)0.1μM超、1μM超、50μM超、100μM超、200μM超、300μM超、400μM超、500μM超、600μM超、又は700μM超の亜鉛;
(ii)0.05μM超、0.10μM超、又は0.15μM超のコバルト;
(iii)100μM超、120μM超、又は140μM超のカルシウム;
(iv)20μM超、30μM超、又は35μM超のナイアシン;
(v)50μM超、75μM超、100μM超、1000μM超、2000μM超、又は3000μM超のアスコルビン酸;
(vi)0.1μM超、1μM超、5μM超、10μM超、又は25μM超のチアミン;
(vii)0.4μM超、0.5μM超、0.6μM超、又は0.8μM超のビオチン;
(viii)0.1μM超、0.2μM超、0.3μM超、0.4μM超、0.5μM超、0.6μM超、又は0.8μM超のリボフラビン;及び
(ix)0.1μM超、0.5μM超、1.0μM超、2.0μM超、5.0μM超、又は7.0μM超のパントテネート
からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の合成培地。 - (i)50mM超、75mM超、90mM超、100mM超、又は110mM超の濃度のグルタメート;
(ii)1000μM超、1500μM超、2000μM超、2500μM超、又は3000μM超の濃度のアラニン;
(iii)500μM超、750μM超、1000μM超、1250μM超、又は1400μM超の濃度のフェニルアラニン;
(iv)50μM超、100μM超、150μM超、又は200μM超の濃度のヒスチジン;
(v)500μM超、1000μM超、1500μM超、又は1750μM超の濃度のイソロイシン;
(vi)500μM超、1000μM超、1500μM超、又は2000μM超の濃度のリシン;
(vii)1000μM超、3000μM超、4000μM超、5000μM超、6000μM超、又は7000μM超の濃度のプロリン;
(viii)500μmM超、1000μM超、1500μM超、又は1700μM超の濃度のセリン;
(ix)1000μM超、2000μM超、2500μM超、又は3000μM超の濃度のバリン;及び
(x)25μM超、50μM超、75μM超、100μM超、150μM超、又は175μM超の濃度のチロシン
からなる群から選択されるアミノ酸をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の合成培地。 - 100μM超、200μM超、400μM超、500μM超、600μM超又は700μM超の濃度のグルタチオンをさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の合成培地。
-
(i)45mM未満、40mM未満、35mM未満、30mM未満、25mM未満、20mM未満、10mM〜20mM、又は約16mMの濃度の塩化物;
(ii)1mM超、2mM超、3mM超、4mM超、4mM〜6mM、又は約5mMの濃度のアセテート;及び
(iii)1mM超、2mM超、3mM超、4mM超、5mM超、6mM超、5.5mM〜7mM、又は約6.5mMの濃度のカリウム
からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の合成培地。 - (a)請求項1〜17のいずれか一項に記載の合成培地にボルデテラ属種を接種するステップ、及び
(b)バイオマスの蓄積を可能とするのに十分な期間、合成培地中でボルデテラ属種を維持するステップ
を含む、合成培地(CDM)においてボルデテラ属種を増殖させるための発酵方法。
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