JP6384759B2 - シリンダブロックの冷却構造 - Google Patents
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Description
筒状のシリンダと、
前記シリンダの外周側に設けられ、内壁面と該内壁面の外周側にある外壁面との間に形成される流路に冷却媒体が流れるよう構成されるオープンデッキタイプのウォータジャケットと、
前記流路に挿入嵌合され、前記シリンダの径方向において外側および内側に突出する凸部を交互に有する放熱部材と、を備え、
前記放熱部材は、前記ウォータジャケットの前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側である上部側一部に設置されるよう構成されている。
すなわち、放熱部材は、ウォータジャケット内に設置されることによりウォータジャケットの内壁面に接すると共に、ウォータジャケットの内部を流れる冷却水などの冷却媒体にも放熱部材の両面で接している。このように、放熱部材によって放熱面積が増やされることで、シリンダの冷却力を高めることができる。
また、放熱部材は、アッパーデッキ面側である上側一部に設置されることで燃焼室側を冷却するよう構成されており、シリンダの温度勾配を是正し、ノッキングを防止することができる。
前記放熱部材は、前記シリンダの軸方向に弾性変形が可能に構成されている。
上記(2)の構成によれば、シリンダの軸方向に弾性変形が可能な放熱部材がウォータジャケットに押し込まれることで設置位置が固定されると共に、単位長さ辺りの凸部の数は多くなる。このため、オープンデッキタイプのシリンダブロックに固定出来る共に、弾性変形が可能ではなく放熱部材を押し込むことができない場合と比較してより多くの凸部が流路内に収容されるので、放熱部材と内壁面との接触面積を増加させることができ、冷却力を高めることができる。
前記段部は、吸気側または排気側の少なくとも一方における前記流路に設けられている。
上記(3)の構成によれば、排気側の放熱部材によって高温となる排気側を冷却することができる。また、吸気側の放熱部材によって吸入空気の温度上昇を抑制でき、ノッキングの防止をすることができる。
前記放熱部材は、
前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側とウォータジャケット底壁面側で異なる粗密度合いとした。
上記(4)の構成によれば、放熱部材における粗密度合いを異ならすことで、放熱部材による冷却力を制御することができる。すなわち、例えば、放熱部材の起伏の粗密度合いを小さくした側(起伏の数が粗(疎)となる側)では、冷却媒体は流れ易くなり、より多くの冷却効果が得られる。このため、例えば、アッパーデッキ面側の粗密度合いを小さくすることで、アッパーデッキ面側の冷却力を高めることができる。
前記流路において前記シリンダの周方向に沿うように設けられる段部と、を備え、
前記シリンダの径方向における前記流路の幅は、前記段部を境にアッパーデッキ面側で大きくなるよう形成されており、
前記放熱部材は、前記段部によって前記段部の前記アッパーデッキ面側に設置され、
前記段部は、前記周方向の全周に亘って設けられている。
上記(5)の構成によれば、ウォータジャケット内の段部によってアッパーデッキ面側に放熱部材を設置(位置決め)することができる。また、段部がシリンダの周方向の全周に設けられることで、段部におけるクラック発生を防止することができる。
前記段部は、前記シリンダの軸方向における前記シリンダの中央または中央より前記アッパーデッキ面側に設けられている。
上記(6)の構成によれば、段部の位置に放熱部材が位置決めされるので、温度勾配の生じる領域を冷却することで温度勾配を是正することができる。これによって、アッパーデッキ面側を冷却することでノッキングを防止すると共に、シリンダの下部を過冷却することはなく、過冷却により生じるフリクション増大を防止し、燃費悪化を防止することができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
さらに、押し込まれることで放熱部材4の単位長さ当たりの起伏(凸部42)は密になる。言い換えると、単位長さあたりの起伏の数は多くなる。このため、放熱部材が押し込まれない場合と比較してより多くの起伏が流路内に収容されるので、放熱部材4と内壁面32との接触面積を増加させることができる。そして、この放熱部材4と内壁面32との接触面積の増加によって、内壁面32からの放熱部材4への熱の伝達力が増大され、冷却効果の向上が図られている。なお、弾性変形は、加えられた力が取り除かれた時に完全に元に戻らなくても良く、加えられた力とは逆向きの力が付勢によって発生すればよい。
他の幾つかの実施形態では、図5に示されるように、放熱部材4は、シリンダ2の軸方向のアッパーデッキ面11側とウォータジャケット3底壁面34側で異なる粗密度合いとされている。このように、放熱部材4における粗密度合いを異ならすことで、放熱部材による冷却力を制御することができる。これを実現するために、放熱部材4は複数の弾性率の異なる材料で形成されても良い。また、放熱部材4を粗密度合いが異なるように加工しても良い。図5の例示では、異なる弾性率を有する2つの材料で形成されている。
11 アッパーデッキ面
12 外壁
13 シリンダ壁
14 ボルト穴
15 中心線
16 吸気側
17 排気側
2 シリンダ
21 シリンダの開口端
22 シリンダの内周面
23 シリンダライナ
25 軸方向に伸びるシリンダの中心線
3 ウォータジャケット
31 ウォータジャケットの開口端
32 内壁面
33 外壁面
34 底壁面
35 段部
4 放熱部材
41 放熱部材のアッパーデッキ面における設置領域
42 凸部
45 第1放熱部材
46 第2放熱部材
5 吸気バルブ
6 シリンダヘッド
Claims (5)
- 筒状のシリンダと、
前記シリンダの外周側に設けられ、内壁面と該内壁面の外周側にある外壁面との間に形成される流路に冷却媒体が流れるよう構成されるオープンデッキタイプのウォータジャケットと、
前記流路に挿入嵌合され、前記シリンダの径方向において外側および内側に突出する凸部を交互に有する放熱部材と、
前記流路において前記シリンダの周方向に沿うように設けられる段部と、を備え、
前記放熱部材は、前記ウォータジャケットの前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側である上部側一部に設置されるよう構成されており、
前記シリンダの径方向における前記流路の幅は、前記段部を境にアッパーデッキ面側で大きくなるよう形成されており、
前記放熱部材は、前記段部によって前記段部の前記アッパーデッキ面側に設置され、
前記段部は、前記周方向の全周に亘って設けられていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。 - 前記放熱部材は、前記シリンダの軸方向に弾性変形が可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造。
- 前記放熱部材は、吸気側または排気側の少なくとも一方における前記流路に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダブロックの冷却構造。
- 前記放熱部材は、
前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側とウォータジャケット底壁面側で異なる粗密度合いとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記段部は、前記シリンダの軸方向における前記シリンダの中央または中央より前記アッパーデッキ面側に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリンダブロックの冷却構造。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2014207465A JP6384759B2 (ja) | 2014-10-08 | 2014-10-08 | シリンダブロックの冷却構造 |
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JP2016075255A JP2016075255A (ja) | 2016-05-12 |
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-
2014
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JP2016075255A (ja) | 2016-05-12 |
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