JP6384759B2 - シリンダブロックの冷却構造 - Google Patents

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Description

本開示は、シリンダブロックの冷却構造に関する。
従来から、シリンダブロックのシリンダの各部位には温度勾配が生じていることが知られている。この温度勾配の是正を図るために、特許文献1では、多気筒エンジンを構成するクローズドデッキ構造(タイプ)のシリンダブロックにおいて、ウォータジャケット内には放熱機構が設けられている。より詳細には、この放熱機構は、シリンダライナの外周面において、ウォータジャケットの内部に向かって突出するよう構成されている。また、特許文献1では、ウォータジャケットは、シリンダの壁面を構成するシリンダライナ側とシリンダブロック本体との2つの部材が組み付けられることにより、シリンダライナの外周面(シリンダの壁面)とシリンダブロック本体の内周面との間に形成されている。
上述の通り、特許文献1のシリンダブロックのウォータジャケットはクローズドデッキ構造を有している。すなわち、シリンダブロックのアッパーデッキ面において、シリンダの外壁とシリンダライナの外周(シリンダボア壁)の上端とが結合、ウォータジャケットの開口が閉鎖されている。一方、オープンデッキ構造のシリンダブロックも知られており、オープンデッキ構造では、シリンダ外壁とシリンダボア壁の上端とがアッパーデッキ面において結合していない。(例えば、特許文献2)。言い換えると、オープンデッキ構造のシリンダブロックは、シリンダヘッドを取り付けるアッパーデッキ面においてウォータジャケットが全て開放される構造を有している。
特開2008−82293号公報 特開2012−2102号公報
しかし、特許文献1が開示するシリンダブロックはクローズドデッキタイプであり、オープンデッキタイプのシリンダブロックに冷却構造を設けることは開示されていない。また、ウォータジャケット内に突出部クローズドデッキタイプは、シリンダボアの剛性を高めることができるという利点を有するものの、高い生産効率性を活かしたダイカストによる成形が困難である。実際、特許文献1においては、シリンダブロックがシリンダの壁面を構成するシリンダライナとシリンダブロック本体に分割したものを組み付けることで製造している。
一方、特許文献2に開示されるようなオープンデッキタイプのシリンダブロックは高い生産効率性を活かしたダイカストによる成形が可能である。このため、オープンデッキタイプのシリンダブロックにおいて、シリンダの温度勾配の是正を図ることが望まれる。しかし、特許文献2には、上記のようなシリンダの温度勾配の是正を図ることに関する開示はない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、オープンデッキ構造のウォータジャケットを備えるシリンダブロックの冷却構造を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るシリンダブロックの冷却構造は、
筒状のシリンダと、
前記シリンダの外周側に設けられ、内壁面と該内壁面の外周側にある外壁面との間に形成される流路に冷却媒体が流れるよう構成されるオープンデッキタイプのウォータジャケットと、
前記流路に挿入嵌合され、前記シリンダの径方向において外側および内側に突出する凸部を交互に有する放熱部材と、を備え、
前記放熱部材は、前記ウォータジャケットの前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側である上部側一部に設置されるよう構成されている。
上記(1)の構成によれば、オープンデッキ構造のウォータジャケットを備えるシリンダブロックにおいて、ウォータジャケット内には、シリンダ径方向において外側および内側に突出する凸部を交互に有する放熱部材がアッパーデッキ面側である上部一部に設置されることで、オープンデッキ構造のウォータジャケットを備えるシリンダブロックの冷却構造を提供することができる。
すなわち、放熱部材は、ウォータジャケット内に設置されることによりウォータジャケットの内壁面に接すると共に、ウォータジャケットの内部を流れる冷却水などの冷却媒体にも放熱部材の両面で接している。このように、放熱部材によって放熱面積が増やされることで、シリンダの冷却力を高めることができる。
また、放熱部材は、アッパーデッキ面側である上側一部に設置されることで燃焼室側を冷却するよう構成されており、シリンダの温度勾配を是正し、ノッキングを防止することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記放熱部材は、前記シリンダの軸方向に弾性変形が可能に構成されている。
上記(2)の構成によれば、シリンダの軸方向に弾性変形が可能な放熱部材がウォータジャケットに押し込まれることで設置位置が固定されると共に、単位長さ辺りの凸部の数は多くなる。このため、オープンデッキタイプのシリンダブロックに固定出来る共に、弾性変形が可能ではなく放熱部材を押し込むことができない場合と比較してより多くの凸部が流路内に収容されるので、放熱部材と内壁面との接触面積を増加させることができ、冷却力を高めることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(2)の構成において、
前記段部は、吸気側または排気側の少なくとも一方における前記流路に設けられている。
上記(3)の構成によれば、排気側の放熱部材によって高温となる排気側を冷却することができる。また、吸気側の放熱部材によって吸入空気の温度上昇を抑制でき、ノッキングの防止をすることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記放熱部材は、
前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側とウォータジャケット底壁面側で異なる粗密度合いとした。
上記(4)の構成によれば、放熱部材における粗密度合いを異ならすことで、放熱部材による冷却力を制御することができる。すなわち、例えば、放熱部材の起伏の粗密度合いを小さくした側(起伏の数が粗(疎)となる側)では、冷却媒体は流れ易くなり、より多くの冷却効果が得られる。このため、例えば、アッパーデッキ面側の粗密度合いを小さくすることで、アッパーデッキ面側の冷却力を高めることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の構成において、
前記流路において前記シリンダの周方向に沿うように設けられる段部と、を備え、
前記シリンダの径方向における前記流路の幅は、前記段部を境にアッパーデッキ面側で大きくなるよう形成されており、
前記放熱部材は、前記段部によって前記段部の前記アッパーデッキ面側に設置され、
前記段部は、前記周方向の全周に亘って設けられている。
上記(5)の構成によれば、ウォータジャケット内の段部によってアッパーデッキ面側に放熱部材を設置(位置決め)することができる。また、段部がシリンダの周方向の全周に設けられることで、段部におけるクラック発生を防止することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記段部は、前記シリンダの軸方向における前記シリンダの中央または中央より前記アッパーデッキ面側に設けられている。
上記(6)の構成によれば、段部の位置に放熱部材が位置決めされるので、温度勾配の生じる領域を冷却することで温度勾配を是正することができる。これによって、アッパーデッキ面側を冷却することでノッキングを防止すると共に、シリンダの下部を過冷却することはなく、過冷却により生じるフリクション増大を防止し、燃費悪化を防止することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、オープンデッキ構造のウォータジャケットを備えるシリンダブロックの冷却構造が提供される。
本発明の一実施形態に係るシリンダブロックのアッパーデッキ面の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックのアッパーデッキ面の一部を模式的に示す平面図である 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックのアッパーデッキ面の一部を模式的に示す平面図である 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの縦方向のシリンダ断面の一部を模式的に示す側面図である 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの縦方向のシリンダ断面の一部を模式的に示す側面図である 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの縦方向のシリンダ断面の一部を模式的に示す側面図である 本発明の一実施形態に係る放熱部材の挿入嵌合前の状態を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る放熱部材の挿入嵌合後の状態を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る第1放熱部材と第2放熱部材からなる放熱部材の設置を説明する図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るシリンダブロック1のアッパーデッキ面11を模式的に示す平面図である。図1に例示されるように、シリンダブロック1は、シリンダ2と、ウォータジャケット3と、放熱部材4とを備えている。
シリンダブロック1は、シリンダ2を形成するシリンダ壁13とシリンダ壁13の外周を囲む外壁12で構成され、アルミニウム合金やマグネシウム合金等からなる。また、シリンダブロック1はシリンダヘッド6と共にエンジンを構成するが、このシリンダヘッド6が取り付けられる面であるアッパーデッキ面11を有している。そして、アッパーデッキ面11には、シリンダ2の開口端21とウォータジャケット3の開口端31が開口しており、ウォータジャケット3の開口端31はシリンダ2の開口端21を囲むように形成されている。また、ウォータジャケット3の開口端31の少なくとも一部には放熱部材4(後述)が挿入されており、放熱部材4は、ウォータジャケット3のシリンダ2の軸方向のアッパーデッキ面11側である上部側一部に設置されている。
図1の例示では、アッパーデッキ面11は、多気筒(4気筒)エンジンのシリンダブロック1のものであり、複数のシリンダ2の開口端21が一列に並べられると共に、複数のシリンダ2の中心を結ぶ中心線15が一点鎖線によって示されている。また、アッパーデッキ面11には、シリンダヘッド6を締結するためのボルト穴14が複数設けられていてもよい。ボルト穴14は、図1の例示では、吸気マニホールドなどの吸気通路が設置される吸気側16および排気マニホールドなどの排気通路が設置される排気側17のそれぞれの外壁12において、シリンダ2(シリンダボア)間と両側の端部に設けられている。なお、図1に例示されるアッパーデッキ面11や外壁12、シリンダ壁13の形状、並びに、各開口端やボルト穴14の形状、数、相対的位置は図示の形態に限定されず、任意である。なお、シリンダブロック1はダイカストにより成形されていても良い。
シリンダ2は、シリンダブロック1においてシリンダ壁13に囲まれることで形成されている。そして、通常は、円筒状などの筒状の形状をしており、その開口端21は上述の通り、アッパーデッキ面11に開口している。また、シリンダ2の内周面22にはシリンダライナ23が設けられてもよく、シリンダボアが形成されている。このシリンダボアには、エンジンの組み付けの際にはピストン(不図示)が摺動可能に設置される。
ウォータジャケット3はエンジンを冷却する冷却媒体の流路であり、シリンダブロック1においてシリンダ2(複数のシリンダ2からなるシリンダ群)の周囲に設けられている。また、ウォータジャケット3の開口端31は、アッパーデッキ面11において開放されており、オープンデッキ構造となっている。すなわち、ウォータジャケット3は、シリンダ2の外側に設けられており、シリンダ2に近い側の内壁面32と、内壁面32の外側(シリンダ2の径方向の外側)にある外壁面33とによって、内壁面32と外壁面33の間に形成される。また、内壁面32と外壁面33の下端部は底壁面34により囲まれている。このようなウォータジャケット3(流路)に冷却媒体が循環されることによりシリンダ2の冷却が図られている。
ウォータジャケット3は、図1の例示では、シリンダ壁13とシリンダブロック1の外壁12によって形成されている。すなわち、シリンダ壁13がウォータジャケット3の内壁面32を構成し、シリンダブロック1の外壁12がウォータジャケットの外壁面33と底壁面34を構成している。
そして、ウォータジャケット3の開口端31の幅(内壁面32と外壁面33の距離(間隔))は、図2A〜2Bに例示されるように、放熱部材4の設置される位置で拡大されている。なお、図2A〜2Bには、シリンダ群の中心線15(図1参照)の吸気側16のみ示されており、中心線15の反対側である排気側17の構成については省略されている。また、シリンダヘッド6が組み付けられた際には、2点鎖線で示される位置に吸気バルブ5が位置しても良い。
幾つかの実施形態では、図2Aに示されるように、ウォータジャケット3の開口端31の幅は、ウォータジャケット3の内壁面32を構成するシリンダ壁13において拡大されている(図1参照)。すなわち、図2Aの例示では、アッパーデッキ面11における放熱部材4の設置領域41において、ウォータジャケット3の内壁面32と外壁面33の距離は変曲点を有するように大きくなっており、逆に、シリンダ壁13とシリンダ2の距離は変曲点を有するように狭くなっている。これによって、放熱部材4の設置の自由度を増加させると共に、シリンダボアにより近い位置に放熱部材4が設置されることで、放熱部材4によるシリンダ2の冷却効果の向上が図られている。
他の幾つかの実施形態では、図2Bに示されるように、ウォータジャケット3の開口端31の幅は、ウォータジャケット3の開口端31は外壁12において拡大されている。すなわち、図2Bの例示では、アッパーデッキ面11における放熱部材4の設置領域41において、ウォータジャケット3の内壁面32と外壁面33の距離は変曲点を有するように大きくなっていると共に、シリンダ壁13とシリンダ2の距離は変曲点を有しておらず内壁面32と一致している。これによって、シリンダ壁13の強度確保が図られている。また、他の幾つかの実施形態では、ウォータジャケット3の開口端31はシリンダ壁13と外壁12の両側において拡大されている。これらのウォータジャケット3の開口端31の幅の拡大は加工によって行われても良いし、鋳造によって行われても良い。このようなウォータジャケット3の内部流路には、上述の通り、放熱部材4が挿入嵌合されて設置される。
放熱部材4は、板状の部材を波状に加工することによって、板状の部材に多数の起伏が形成されている。そして、放熱部材4がウォータジャケット3の流路に挿入嵌合された状態では、放熱部材4の起伏は、シリンダ2の径方向において内側(シリンダボア側)および外側(シリンダボア側とは反対側)に向けて突出する凸部42が交互に並ぶ。このため、放熱可能な面積が大幅に拡大され、シリンダ2の冷却効果の向上を図ることができる。また、この起伏によって、起伏の向きと垂直な方向への力に対して弾性変形が可能となっており、後述するように単位長さ当たりの起伏の数を変化させることが可能となっている。これにより、放熱可能な面積が自由に設定することができ、シリンダ2の冷却効果をシリンダ軸方向の位置別に容易に最適化することができる。
さらに、波状に加工されることによってそれぞれの凸部42の先端は曲率や折り返しを有しも良く、この曲率や折り返しによって、隣接する凸部42の先端への冷却媒体の入り込みが容易となり、冷却媒体が流れ易くなるように構成されている。
この放熱部材4は、幾つかの実施形態では、板バネであっても良い。また、他の幾つかの実施形態では、放熱部材4は板状の部材の表面がメッシュ状であってもよい良い。言い換えると、複数の開口からなる網目構造によって板状の部材が形成されても良い。これによって、冷却媒体のシリンダ2軸方向への流れが容易になり、放熱部材4による冷却効果を高めることができる。さらには、放熱可能な面積が自由に設定することができ、シリンダ2の冷却効果をシリンダ軸方向の位置別に容易に最適化することができる。
そして、放熱部材4は、図1に示す実施形態では、吸気側16と排気側17の両方においてシリンダ2毎に設けられている。他の幾つかの実施形態では、吸気側16または吸気側16の少なくとも一方に設けられている。シリンダブロック1の吸気側16に放熱部材4が設けられることによって吸入空気の温度上昇を抑制でき、ノッキングの防止をすることができる。また、シリンダブロック1の排気側17に放熱部材4が設けられることによって、高温となる排気側17を冷却することができる。
図3A〜図3Cは、幾つかの実施形態における、放熱部材4が設置されたシリンダ2の断面を示す図である。上述の通り、シリンダ2はシリンダ壁13によって囲まれており、さらにその外側は外壁12で囲まれている。また、シリンダ壁13と外壁12の間にはウォータジャケット3が形成されており、放熱部材4は、ウォータジャケット3のシリンダ2の軸方向のアッパーデッキ面11側である上部側一部に設置されている。
また、他の幾つかの実施形態では、図3A〜図3Cに例示されるように、ウォータジャケット3には段部35が設けられており、放熱部材4のシリンダ2の軸方向(シリンダの中心線25に沿った方向)における位置決めが段部35によってなされている。なお、図3A〜図3Cでは、シリンダ2の軸方向の中心線25が一点鎖線で示されており、シリンダ2の軸方向に伸びるように示されている。
この段部35は、図3A〜図3Cに例示されるように、ウォータジャケット3の内壁面32または外壁面33のうちの少なくとも一方に設けられた段差であり、内壁面32と外壁面33の距離(ウォータジャケット3の流路の幅)は段部35を境に変曲点を有するように変化している。そして、この段部35によって放熱部材4の段部35より先の進入が阻まれることによって、放熱部材4の設置の位置決めが行われる。
幾つかの実施形態では、図3Aに示されるように、段部35は、ウォータジャケット3の内壁面32の段差と外壁面33の段差により形成されており、両側の段差によって放熱部材4が固定されることで、放熱部材4の位置決めの正確さが向上されている。また、内壁面32の段差と外壁面33の段差の向きは互いにシリンダ2の径方向に対して逆向きであることによって、内壁面32と外壁面33の間隔(ウォータジャケット3の流路の幅)が段部35を境にアッパーデッキ面11側で大きくなっている。
他の幾つかの実施形態では、図3Bに示されるように、段部35は内壁面32側の段差のみによって形成されており、図1の例示に対応している。これによって、アッパーデッキ面11側の冷却力を高める一方で、シリンダ2の下部の過冷却の防止によってフリクション増大による燃費の悪化などを防止している。また、その他の幾つかの実施形態では、図3Cに示されるように、段部35は外壁面33側の段差のみによって形成されている。これによって、シリンダ壁13の強度に影響を与えることなく、冷却効果を高めている。さらに、他の実施形態では、段部35はウォータジャケット3の内側に突出する突起状の形状であっても良い。
また、段部35は、シリンダ2の軸方向における所定の位置において、シリンダ2の周方向に沿うように形成されている。すなわち、例えば、図3A〜図3Cの例示のようなシリンダ2の軸方向における位置において、段部35は、内壁面32および外壁面33に沿ってシリンダ2の周囲を囲むように形成されている。これによって、燃焼時の高温によってシリンダボアが変形する際、この変形による段部35付近でのクラック発生を防止している。例えば図1の例示において、放熱部材4は吸気側16と排気側17の両方においてシリンダ2毎に設けられているが、放熱部材4が設置されている部分および放熱部材4が設置されていない部分の両方に連続する段部35が設けられている。なお、幾つかの実施形態では、段部35は、シリンダ2を部分的に囲むよう設けられても良く、言い換えると、周方向の一部に設けられても良く、例えば図1の例示において、放熱部材4が設置される部分にのみ段部35が形成されても良い。
段部35が形成されるシリンダ2の軸方向における所定の位置は、シリンダ2の温度勾配に基づいて決定されている。この所定の位置は、幾つかの実施形態では、シリンダ2の中央であっても良く、他の幾つかの実施形態では、シリンダ2の中央よりアッパーデッキ面11側に設けられても良い。これによって、燃焼室側となるアッパーデッキ面11側の冷却力を高めることができる。
図4A〜4Bは、幾つかの実施形態における、ウォータジャケット3の流路への放熱部材4の設置を説明する図である。図4Aに示されるように、放熱部材4はウォータジャケット3の開口端31からその流路内へ挿入される。そして、段部35によってアッパーデッキ面11側(シリンダ2の軸方向の上部)に放熱部材4が設けられることで、シリンダ2の温度勾配において高温側となる領域の冷却力を高めている。その一方で、内壁面32のアッパーデッキ面11と反対側(下部)には放熱部材4は設けられておらず、エンジンオイルの過冷却を防止するよう構成されている。
また、図4Aの例示のように挿入された放熱部材4は弾性変形が可能であり、図4Bに示されるように、アッパーデッキ面11から突出しないように押し込まれる。アッパーデッキ面11側における放熱部材4の位置決めをシリンダヘッド6によって行っても良い。そして、押し込まれた放熱部材4は、元に戻ろうとする力によってウォータジャケット3の内部に固定される。
さらに、押し込まれることで放熱部材4の単位長さ当たりの起伏(凸部42)は密になる。言い換えると、単位長さあたりの起伏の数は多くなる。このため、放熱部材が押し込まれない場合と比較してより多くの起伏が流路内に収容されるので、放熱部材4と内壁面32との接触面積を増加させることができる。そして、この放熱部材4と内壁面32との接触面積の増加によって、内壁面32からの放熱部材4への熱の伝達力が増大され、冷却効果の向上が図られている。なお、弾性変形は、加えられた力が取り除かれた時に完全に元に戻らなくても良く、加えられた力とは逆向きの力が付勢によって発生すればよい。
幾つかの実施形態では、内壁面32は磨かれるなどして表面が滑らかに加工されており、放熱部材4との密着性を高めること熱の伝わりを良好にしている。
図1〜4Bに示される実施形態では、放熱部材4は例えば同一の材料で形成されており、その一部の領域において単位の長さ当たりの起伏の数に違いが生じるようには構成されておらず、概ね同じ数となっている。言い換えると、放熱部材4は、その全体にわったて、粗密度合いは概ね同じとなっている。
他の幾つかの実施形態では、図5に示されるように、放熱部材4は、シリンダ2の軸方向のアッパーデッキ面11側とウォータジャケット3底壁面34側で異なる粗密度合いとされている。このように、放熱部材4における粗密度合いを異ならすことで、放熱部材による冷却力を制御することができる。これを実現するために、放熱部材4は複数の弾性率の異なる材料で形成されても良い。また、放熱部材4を粗密度合いが異なるように加工しても良い。図5の例示では、異なる弾性率を有する2つの材料で形成されている。
また、図5の例示では、放熱部材4は、シリンダの2軸方向のアッパーデッキ面11側に位置する第1放熱部材45と、アッパーデッキ面11とは反対側に位置する第2放熱部材46から形成されている。そして、第2放熱部材46の弾性率(=加えた力/ひずみ)は第1放熱部材45の弾性率より小さい。このため、ウォータジャケット3の流路に放熱部材4を押し込んだ際には、放熱部材4の単位長さ辺りの起伏は、弾性率が相対的に小さい第2放熱部材46の側で密になり、弾性率が相対的に大きい第1放熱部材45の側で疎となる。これによって、第1放熱部材45において冷却媒体は流れ易くなり、アッパーデッキ面11側の冷却力を高めることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 シリンダブロック
11 アッパーデッキ面
12 外壁
13 シリンダ壁
14 ボルト穴
15 中心線
16 吸気側
17 排気側
2 シリンダ
21 シリンダの開口端
22 シリンダの内周面
23 シリンダライナ
25 軸方向に伸びるシリンダの中心線
3 ウォータジャケット
31 ウォータジャケットの開口端
32 内壁面
33 外壁面
34 底壁面
35 段部
4 放熱部材
41 放熱部材のアッパーデッキ面における設置領域
42 凸部
45 第1放熱部材
46 第2放熱部材
5 吸気バルブ
6 シリンダヘッド

Claims (5)

  1. 筒状のシリンダと、
    前記シリンダの外周側に設けられ、内壁面と該内壁面の外周側にある外壁面との間に形成される流路に冷却媒体が流れるよう構成されるオープンデッキタイプのウォータジャケットと、
    前記流路に挿入嵌合され、前記シリンダの径方向において外側および内側に突出する凸部を交互に有する放熱部材と、
    前記流路において前記シリンダの周方向に沿うように設けられる段部と、を備え、
    前記放熱部材は、前記ウォータジャケットの前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側である上部側一部に設置されるよう構成されており、
    前記シリンダの径方向における前記流路の幅は、前記段部を境にアッパーデッキ面側で大きくなるよう形成されており、
    前記放熱部材は、前記段部によって前記段部の前記アッパーデッキ面側に設置され、
    前記段部は、前記周方向の全周に亘って設けられていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  2. 前記放熱部材は、前記シリンダの軸方向に弾性変形が可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  3. 前記放熱部材は、吸気側または排気側の少なくとも一方における前記流路に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダブロックの冷却構造。
  4. 前記放熱部材は、
    前記シリンダの軸方向のアッパーデッキ面側とウォータジャケット底壁面側で異なる粗密度合いとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリンダブロックの冷却構造。
  5. 前記段部は、前記シリンダの軸方向における前記シリンダの中央または中央より前記アッパーデッキ面側に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシリンダブロックの冷却構造。
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