JP2005207318A - エンジンのシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンを構成する構造体同士のシール面での適正な面圧を、より安定して確保、保持することのできるエンジンのシール構造を提供する。
【解決手段】エンジンのシリンダブロック2が、シリンダブロック本体3とシリンダブロック外側壁4との別体構造からなり、それら接合面はシール部材31によってシールされる。シリンダブロック外側壁4は樹脂材料からなり、シール部材31は、軟性の弾性体材料からなる。このシール部材31は、シリンダブロック外側壁4のシール対象となる面に環状に、且つその先端部が弾性変形可能に一体に埋設される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、エンジンのシール構造に係り、詳しくはエンジンのシリンダブロックのシール構造に関する。
従来、車載内燃機関などのエンジンを構成する各構造体をシールするシール構造としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載のシール構造は、シール対象となる第1部材および第2部材のいずれか一方に環状溝を設け、この環状溝に環状のシール部材とこのシール部材の面圧を増大させるための面圧増大手段とを設けるようにしている。ここで、シール部材は、樹脂又はゴムからなる弾性材により形成され、また面圧増大手段は、形状記憶合金や熱膨張性のガスにより形成されている。すなわち、この面圧増大手段は、シール部材と上記環状溝の溝底との間に介在、或いはシール部材の内部に封入されて、エンジンの実働時の温度上昇に伴ってシール部材の面圧を調整するように機能する。このように、温度の上昇とともに面圧の調整がなされることで、第1部材と第2部材との間で良好なシール性が得られるようになる。
特開2002−81542号公報
ところで、前記特許文献1に記載されたシール構造にあっては、これに使用される面圧増大手段が形状記憶合金や熱膨張ガスなどからなるため、当該シール構造自体が複雑な構造となり、その製造、並びに製品コストの増加が避けられない。
また、上記面圧増大手段に形状記憶合金を用いる場合には、形状記憶合金自体がその形状の復元特性に温度ヒステリシスを持っているため、ある同一の温度に対して常に同一の形状が維持されるとは限らず、上記シール部材の面圧が不均一になるおそれがある。
一方、同面圧増大手段に熱膨張性のガスを用いる場合には、このガスがシール部材の内部に封入される構造となるため、シール部材の劣化によって亀裂等が生じた場合は、同ガスの漏れに起因してシール機能そのものが消失するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、より簡素な構造でありながら、エンジンの構造体同士のシール面での適正な面圧を、より安定して確保、保持することのできるエンジンのシール構造を提供することを目的とする。
以下、上記目的を達成するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、エンジンのシリンダブロックが、ウォータジャケットとする部位を境に、シリンダ側を構成するシリンダブロック本体と、同ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック外側壁との別体構造からなり、前記シリンダブロック本体に設けられた前記シリンダブロック外側壁の載置面と同シリンダブロック外側壁の底面との間がシール部材によってシールされるエンジンのシール構造であって、前記シリンダブロック外側壁は樹脂材料からなり、前記シール部材は、軟性の弾性体材料からなって、前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面に環状に、且つその先端部が弾性変形可能に一体に埋設されてなることをその要旨とする。
また、請求項2に記載の発明は、エンジンのシリンダブロックが、ウォータジャケットとする部位を境に、シリンダ側を構成するシリンダブロック本体と、同ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック外側壁との別体構造からなり、当該エンジンのシリンダヘッドの底面と前記シリンダブロック外側壁の上面との間がシール部材によってシールされるエンジンのシール構造であって、前記シリンダブロック外側壁は樹脂材料からなり、前記シール部材は、軟性の弾性体材料からなって、前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面に環状に、且つその先端部が弾性変形可能に一体に埋設されてなることをその要旨とする。
これらいずれのシール構造にせよ、上記シリンダブロック外側壁そのものが定寸締めの機能を果たすこととなり、上記軟性の弾性体材料からなるシール部材の弾性変形とも相まって、シリンダブロック外側壁の底面とシリンダブロック本体とのシール面、あるいはシリンダブロック外側壁の上面とシリンダヘッドとの間のシール面での面圧を適正に、しかも安定して確保、保持することができるようになる。また、上記シリンダブロック外側壁が樹脂材料からなることで、例えばその型成形に際し、上記軟性の弾性体材料からなるシール部材を成形用の型(金型)に載置した状態で、これが埋設されるように一体成形することも容易であり、その構造自体が極めて簡素なものともなる。
また、請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載のエンジンのシール構造において、
a.前記シール部材は、その環状に延びる方向と直交する断面が略凸状の形状を有していること、
b.前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面も、前記シール部材の断面形状に対応して断面略凸形状の溝を有して成形されていること、
c.前記シール部材は、前記断面略凸状の両側方の突出辺先端部が前記シリンダブロック外側壁の溝の底面両側方に埋め込まれるかたちで同シリンダブロック外側壁に埋設されていること、
d.前記シール部材の前記断面略凸状の中央部の突出辺は、前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面から突出する長さに設定されていること、
e.前記シール部材の中央部の突出辺と前記シリンダブロック外側壁の前記断面略凸形状の溝の開口部にあたる狭間隔の側壁との間には、前記シール部材の突出辺先端部における弾性変形を許容する間隙が設けられていること、
がそれぞれが満たされる態様にて、前記シール部材が前記シリンダブロック外側壁に一体に埋設されてなることをその要旨とする。
このようなシール構造によれば、上記シリンダブロック外側壁による定寸締めの機能がより確実に果たされるようになるとともに、上記シール面においてシール部材を噛み込むようなこともなくなり、同シール面での面圧もより安定したものとなる。また、このような構造は、上記樹脂材料からなるシリンダブロック外側壁を型成形によって形成する際に特に有効であり、上記軟性の弾性体材料からなるシール部材をこのシリンダブロック外側壁に対してより容易に埋設することができるようになる。
また、請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載のエンジンのシール構造において、前記シール部材の前記断面略凸状の中央部の突出辺は、同断面が、前記弾性変形によってもシール幅を一定に保つことのできる形状に形成されてなることをその要旨とする。
上記シール部材としてこのような形状のものを採用することで、上記シール面での面圧も常に一定に保持されるようになり、同シール構造として、そのシール性能の更なる向上が図られるようになる。
また請求項5に記載の発明は、同じく上記請求項3に記載のエンジンのシール構造において、前記シール部材の前記断面略凸状の中央部の突出辺は、同断面が略円形状に形成されてなることをその要旨とする。
シール部材としてこのような形状は、その中央部の突出辺の弾性変形によってもシール幅を一定に保つことのできる最も簡素且つ実現の容易な形状である。しかも載置時に上記突出辺の中心がシール中心から逸れて組み付けられる場合であっても、同突出辺の断面形状が略円形のため、これによってもシール幅は略一定に保たれる。したがってこの場合も、上記シール面での面圧は常に一定に保持されるようになり、同シール構造として、そのシール性能の更なる向上が図られるようになる。
そして、請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれか一項に記載のエンジンのシール構造において、前記シール部材が、ゴムガスケットからなることをその要旨とする。
上記ゴムガスケットは、エンジンのウォータジャケット等、例えば水周りのシール部材としては十分なシール性能を有している。しかも、上記軟性の弾性体材料として、最も入手し易く且つ安定した材料の一つでもある。したがって、シール部材としてゴムガスケットを採用する上記シール構造によれば、当該シール構造をより安価、且つ容易に実現することができるようにもなる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るエンジンのシール構造の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係るエンジンのシール構造が適用される、一般的な直列4気筒式のエンジン1の構成を示している。この図1に示されるように、エンジン1は、大きくはシリンダブロック2とシリンダヘッド6とを有して構成されている。また、これらシリンダブロック2とシリンダヘッド6との間にはシール部材であるガスケット5が配設されている。
図2に、このようなエンジン1の分解斜視構造を示す。この図2に示されるように、シリンダブロック2は、ウォータジャケットとする部位を境に、シリンダ側を構成するシリンダブロック本体3と、ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック外側壁4とを有している。これらシリンダブロック本体3及びシリンダブロック外側壁4は別体とされ、それらが組み合わされることによりシリンダブロック2が構成される。
ここで、シリンダブロック本体3は、上部に設けられた4つのシリンダ7、下部に設けられたスカート10、及びシリンダ7とスカート10との間に設けられた外側壁載置部14を備えている。これらシリンダブロック本体3を構成する各部は、アルミニウム合金やマグネシウム合金等により一体に鋳造されている。また、上記4つのシリンダ7の各内周面にはボアを形成するシリンダライナ8が鋳込まれている。このシリンダライナ8は、鉄合金等の耐摩耗性に優れた材料により形成されている。また、外側壁載置部14には、各シリンダ7の下端部を囲むように同シリンダ7の軸と直交する方向に延びる載置面11が形成されている。この載置面11において、各シリンダ7の周り計10箇所には、後述する締結用のボルトが螺入されるボルト穴19が設けられている。さらに、同じく載置面11において、対角位置の2箇所には、上記シリンダブロック外側壁4を位置決めするためのノックピン20が突出して設けられている。また、スカート10及び外側壁載置部14の表面には補強用のリブ12、13が複数設けられている。
一方、シリンダブロック外側壁4は、樹脂材料等により成形されている。このシリンダブロック外側壁4は、シリンダブロック本体3の各シリンダ7の外周面9に対向して、ウォータジャケットの外壁を形成する内周面21を有して環状に成形されている。また、このシリンダブロック外側壁4には内周面21の軸方向に沿う計10箇所にボルト挿通孔18が貫通形成されている。このボルト挿通孔18は、シリンダブロック本体3に設けられた上記ボルト穴19に対応してそれぞれ設けられている。
本実施の形態に係るエンジンのシール構造は、これらシリンダブロック本体3とシリンダブロック外側壁4との間におけるシール構造であり、以下、図3〜図5を併せ参照して、このシール構造について詳述する。
図3は、上記シリンダブロック外側壁4の底面構造を示したものである。上述のように、シリンダブロック外側壁4には、4つのシリンダ7(図2)を取り囲むように環状に内周面21が形成されている。そして、この内周面21が、以下に説明するウォータジャケットの外壁となる。また、このシリンダブロック外側壁4の底面23には、上記内周面21に沿うように、環状にシール部材31が埋設されている。このシール部材31は、ゴムガスケット等、軟性の弾性体材料からなり、シリンダブロック外側壁4に一体に埋設されている。さらに、このシリンダブロック外側壁4の底面23には、上記シリンダブロック本体3に設けられているノックピン20が挿入されるための位置決め穴22が、同シリンダブロック本体3のノックピン20と対応する位置に設けられている。
また図4は、本実施の形態にかかるシール構造も含めて、上記エンジン1の縦断面構造を示したものである。この図4に示されるように、シリンダブロック外側壁4とシリンダブロック本体3によって、シリンダブロック外側壁4の内周面21とシリンダブロック本体3のシリンダ7の外周面9との間にウォータジャケット24となる間隙が形成される。このウォータジャケット24は、その上部が開口しており、該開口を塞ぐようにして、その上面にシリンダヘッド6が配設される。
そして、本実施の形態において、シリンダブロック外側壁4は、その底面23がシリンダブロック本体3の外側壁載置部14の載置面11に載置され、これらシリンダブロック外側壁4の底面23と外側壁載置部14の載置面11とが、シール部材31によりシールされる。
図5は、図4に示したこのシール部材31によるシール構造についてその周辺部分Zを拡大して示したものである。なお、この図5において、図5(a)は上記シール部材31によるシール前、図5(b)は同シール部材31によるシール後の状態をそれぞれ示している。
上述のように、シリンダブロック外側壁4のシリンダブロック本体3とのシール対象面である底面23には、環状のシール部材31が一体に埋設されている。具体的には、図5(a)に示すように、このシール部材31は、その環状に延びる方向と直交する断面が、略凸状の形状をなしている。そして、このシール部材31の底面両側方に突出する突出辺先端部31aは、シリンダブロック外側壁4に設けられた溝41の溝底面41aの両側方にそれぞれ埋めこまれている。また、断面略凸形状の中央部の突出辺31bは、断面略円形状をなしており、その先端部31cは、シリンダブロック外側壁4の底面23から、溝41の開口側に突出する長さに設定されている。そして、この断面略凸形状の中央部の突出辺31bの側面と、シリンダブロック外側壁4の溝41内の狭間隔の側壁面41bとの間には、間隙32が設けられている。
なお、シール前には、シリンダブロック外側壁4の底面23から突出するように埋設されたシール部材31の先端部31cと、シリンダブロック本体3の載置面11とが接している。すなわち、このシール前の接触面にてシールにより最初に付加される面圧を受けることとなる。
ここで、シリンダブロック外側壁4とシリンダブロック本体3とがシールされる方向に力が加えられると、シール部材31は、その先端部31cで面圧を受け、図5(b)に示すように弾性変形する。そして、シール部材31の中央部の突出辺31bは、シリンダブロック外側壁4の側壁面41bとの間に設けられた間隙32を埋める方向に移動する。このとき、シール部材31の弾性変形により、先端部31cに付加される面圧は一定に保持される。
このようにシールされるシリンダブロック外側壁4とシリンダブロック本体3とは、シリンダブロック外側壁4の底面23に設けられた位置決め穴22(図3)とシリンダブロック本体3の載置面11に設けられたノックピン20(図2)とにより位置決めされて組み合わされる。そして、図6にエンジン1の部分破断斜視図を示す態様で、シリンダ7の上面である内周デッキ面16及びシリンダブロック外側壁4の上面である外周デッキ面15の上にガスケット5を介してシリンダヘッド6が載置される。その後、シリンダブロック外側壁4及びシリンダブロック本体3は、ヘッドボルト25の締結を通じてシリンダヘッド6と一体に組み付けられる。すなわち、ヘッドボルト25は、ガスケット5に設けられたボルト挿通孔17(図2)、及びシリンダブロック外側壁4に設けられたボルト挿通孔18を介して、シリンダブロック本体3に設けられたボルト穴19に螺入されてねじ止めされ、シリンダヘッド6とシリンダブロック2とが一体に締結されることとなる。
次に、図7を参照して、シリンダブロック外側壁4の底面23にシール部材31を一体に埋設する方法の一例について参考までに説明する。この図7は、シリンダブロック外側壁4の成形に用いる成形型(金型)についてその部分断面構造を示したものである。この金型70には、シール部材31であるゴムガスケットを載置することのできるように、環状に2つの突条71が設けられ、これら突条71の間には環状に補助溝72が設けられている。すなわち、上記シール部材31を同図7に示す態様で金型70に設けられた突条71及び補助溝72上に載置し、成形部73に樹脂材料を流しこみ固化することにより、シール部材31が埋設されたシリンダブロック外側壁4が型成形されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態に係るエンジンのシール構造によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)上記シール構造においては、断面略凸形状のシール部材31が、シリンダブロック外側壁4の、シール部材31と対応した断面略凸形状に設けられた溝に埋設されており、且つシール部材31の突出辺と溝の開口部の側壁面41bとの間には、シール部材31の弾性変形を許容する間隙32が形成されている。このため、シール時の圧力により弾性変形したシール部材31が間隙32を埋めるように移動し、シール部材31のシール面へのはみ出しなどを抑制することができる。すなわち、これによりシール構造の定寸締めの機能が果たされることになる。
(2)上記シール構造は、シール部材31の弾性変形により、シール面の面圧が適正に維持されることにより実現される。このため、シール面に過剰の面圧が付加されることにより生じる、シール部材31のシール面への噛み込みやシール構造の周辺部を構成する各種部材の変形、歪みなどを抑制することが可能となる。
(3)上記シール構造においては、シリンダブロック外側壁4が樹脂材料からなる。このため、金型などを用いて、軟性の弾性体材料からなるシール部材31をシリンダブロック外側壁4に一体に埋設することを容易に行うことができる。
(4)上記シール構造では、シール部材31の断面略凸状の中央部の突出辺31bは、その断面が略円形状にて形成されている。このため、シール部材31がシール時に面圧を受けて弾性変形してもシール幅が一定に保たれる。しかも載置時に上記突出辺31bの中心がシール中心から逸れて組み付けられる場合であっても、同突出辺31bの断面形状が略円形であるため、これによってもシール幅が一定に保たれる。したがって、シール部材31はシール面に環状に形成されているため、シール面全体に渡って一定のシール幅にてシールすることが可能となる。
(5)シール部材31は、ゴムガスケット等の軟性の弾性体材料からなる。ゴムガスケットは、軟性の弾性体材料として入手しやすい材料であり、且つ安定な材料である。このため、シール構造を低コストにて実現することができるようになる。また、エンジンのウォータジャケット周辺の水周り、エンジン各部の油周りのシール性を安定に保持し、高いシール性を確保することもできる。
なお、こうしたシール構造は、上記第1の実施の形態として示した構造に限らず、これを適宜に変形した、例えば以下に例示する態様にて実施することもできる。
(第1変形例)
上記実施の形態では、図5(a)に例示した形状のシール部材31を用いることとしたが、これに代えて、図8(a)に例示するような形状のシール部材31を用いることもできる。
図8(a)に、シリンダブロック外側壁4の底面23にシール部材31が一体に埋設されるシリンダブロック外側壁4の断面構造を示す。この変形例におけるシール部材31の断面は、略凸形状の中央部の突出辺31bが、略楕円形状をなして形成されている。
このような第1変形例によっても、上記(1)、(2)、(3)及び(5)と同等もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。
(第2変形例)
同様に、上記実施の形態の図5(a)に例示したシール部材31に代えて、図8(b)に示すような形状のシール部材31を用いることもできる。図8(b)に示すように、この変形例におけるシール部材31の断面は、略凸形状の中央部の突出辺31bが、その先端部31cに突条が設けられた扁平円形状をなして形成されている。すなわち、突出辺31bの先端部31cは小平面を含むような形状に形成されている。
このような第2変形例によっても、上記(1)、(2)、(3)及び(5)と同等もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。
(第3変形例)
同様に、上記実施の形態の図5(a)に例示したシール部材31に代えて、図8(c)に示すような形状のシール部材31を用いることもできる。図8(c)に示すように、この変形例におけるシール部材31の断面は、略凸形状の中央部の突出辺31bから溝開口部側に突出する先端部が2つに分かれて形成され、先端部31cがそれぞれ設けられている。また、これにともない、側面も段差を有する形状に形成されている。
このような第3変形例によっても、上記(1)、(2)、(3)及び(5)と同等もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。
なお、シール部材31の先端部は2以上に分かれて形成されても良く、また側面も複数の多段形状からなる形状で形成されてもよい。
(第4変形例)
同様に、上記実施の形態の図5(a)に例示したシール部材31に代えて、図8(d)に示すような形状のシール部材31を用いることもできる。図8(d)に示すように、この変形例におけるシール部材31の断面は、略凸形状の中央部の突出辺31bから溝開口部側に突出する先端部が2つに分かれて形成され、先端部31cがそれぞれ設けられるとともに、突出辺31bの内部には空間が設けられている。
このような第4変形例によっても、上記(1)、(2)、(3)及び(5)と同等もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。
なお、突出辺31bの内部の空間は、空洞でもよいし、任意の材料が充填されていてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、この発明に係るエンジンのシール構造の第2の実施の形態について、図9及び図10にしたがって説明する。
この実施の形態は、シリンダブロック2がシリンダブロック本体3とシリンダブロック外側壁4との別体構造からなることは前記第1の実施の形態と同様であり、シール構造の設けられる位置のみが前記第1の実施の形態と異なっている。
図9は、シリンダブロック外側壁4の平面構造を示す。すなわち、本実施の形態においては、シリンダブロック外側壁4の上面である外周デッキ面15に、内周面21に沿うように環状にシール部材51が埋設される。
そして、図10は本実施の形態にかかるシール構造も含めて、エンジン1の縦断面構造を示したものである。この図10に示すように、本実施の形態では、シリンダヘッド6の底面26とのシール対象面であるシリンダブロック外側壁4の外周デッキ面15にシール部材51が埋設される。そして、シリンダヘッド6はシリンダブロック外側壁4の上面に、ガスケット5を介して配設され、シール部材51によりシールされることとなる。その他このシール部材51により形成されるシール構造は、図5に例示した前記第1の実施の形態と同様である。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかるエンジンのシール構造によっても、シリンダブロック外側壁4とシリンダヘッド6とのシール構造に関して、先の図5に準じた構造が採用されることで、第1の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果と同等、もしくはそれに準じた効果を得ることができるようになる。
なお、この第2の実施の形態に係るエンジンのシール構造に関しても、先の第1の実施の形態について補足した前記第1〜第4変形例(図8(a)〜(d))については、それらを全て適用することができる。
(その他の実施の形態)
その他、上記第1及び第2の実施の形態に共通して変更可能な要素としては、以下のようなものがある。
・上記第1の実施の形態と第2の実施の形態とは、これらを組み合わせた構造とすることもできる。すなわち、シリンダブロック外側壁4の底面23及び外周デッキ面15の双方に環状のシール部材(31、51)をそれぞれ一体に埋設することができる。このように、シリンダブロック外側壁4とシリンダブロック本体3とのシール構造並びにシリンダブロック外側壁4とシリンダヘッド6とのシール構造の双方に前述したシール構造を適用することもできる。
・上記各実施の形態においては、シール部材(31、51)としてゴムガスケットを用いたが、軟性の弾性体材料であれば任意の材料を用いることが可能である。
・上記各実施の形態においては、シール対象面にシール部材を複数設け、シール構造を多環状に形成することも可能である。
・また、上記各実施の形態においてシール面に環状に埋設されるシール部材は、同シール面におけるシール性が十分確保されていれば、完全に環を形成せず、部分的に環を形成するように設けることも可能である。
・上記各実施の形態においては、上記シール構造と併用してシール対象面の一方あるいは両方にシール材等を塗布し、さらにシール性を高めることも可能である。
・上記各実施の形態において、シール部材(31、51)を埋設するシリンダブロック外側壁4の成形を成形型(金型)を用いて行ったが、シール部材(31、51)を一体に埋設することができる成形法であれば、任意の成形方法を選択することができる。
・上記各実施の形態においては、シリンダブロック2のシリンダ7に、シリンダライナ8を鋳込むこととしたが、このようなシリンダライナ8の鋳込みを割愛して、シリンダ7の内周面21を表面処理して耐磨耗性を付与するようにしてもよい。これにより、エンジンとしての一層の軽量化を図ることができる。
・上記各実施の形態において、シリンダヘッド6とシリンダブロック2との間に配設されるガスケット5は、シリンダヘッド6とシリンダブロック2との接合面におけるシール性が確保できれば、接合面全体ではなく部分的に用いることも可能である。これにより、エンジンの軽量化を図ることができる。
・上記各実施の形態においては、シリンダブロック2がオープンデッキ型からなるとしたが、本発明に係るシール構造は、これに限らない任意の構造のシリンダブロックを備えるエンジンにも適用することができる。
・上記各実施の形態においては、直列4気筒エンジンの本発明に係るシール構造を適用する場合について言及したが、任意の形式のエンジンに本発明にかかるシール構造を適用することはできる。
本発明に係るシール構造の第1の実施の形態が適用されるエンジンについてその斜視構造を示す斜視図。 上記エンジンの分解斜視図。 同第1の実施の形態のシール構造に採用されるシリンダブロック外側壁側の構造として、その底面構造を示す底面図。 同第1の実施の形態のシール構造を上記エンジンのシリンダ軸に沿って切断した断面構造として示す断面図。 (a)及び(b)は、図4の断面図の一部拡大断面図。 同第1の実施の形態のシール構造を上記エンジンのシリンダ間で切断した断面構造として示す破断斜視図。 同第1の実施の形態のシール構造を実現するシリンダブロック外側壁の成形方法について、図5に対応する断面構造として示す一部拡大断面図。 (a)〜(d)は、第1の実施の形態の第1〜第4変形例について、図5(a)に対応する断面構造を示す一部拡大断面図。 本発明に係る第2の実施の形態について、そのシール構造に採用されるシリンダブロック外側壁側の構造として、その平面構造を示す平面図。 同第2の実施の形態のシール構造を上記エンジンのシリンダ軸に沿って切断した断面構造として示す断面図。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダブロック、3…シリンダブロック本体、4…シリンダブロック外側壁、5…ガスケット、6…シリンダヘッド、7…シリンダ、8…シリンダライナ、9…外周面、10…スカート、11…載置面、12、13…リブ、14…外側壁載置部、15…外周デッキ面、16…内周デッキ面、17…ボルト挿通孔、18…ボルト挿通孔、19…ボルト穴、20…ノックピン、21…内周面、22…位置決め穴、23…シリンダブロック外側壁の底面、24…ウォータジャケット、25…ヘッドボルト、26…シリンダヘッドの底面、31…シール部材、31a…突出辺先端部、31b…中央部の突出辺、31c…先端部、32…間隙、41…溝、41a…溝底面、41b…側壁面、51…シール部材、70…金型、71…突条、72…補助溝、73…成形部。

Claims (6)

  1. エンジンのシリンダブロックが、ウォータジャケットとする部位を境に、シリンダ側を構成するシリンダブロック本体と、同ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック外側壁との別体構造からなり、前記シリンダブロック本体に設けられた前記シリンダブロック外側壁の載置面と同シリンダブロック外側壁の底面との間がシール部材によってシールされるエンジンのシール構造であって、
    前記シリンダブロック外側壁は樹脂材料からなり、前記シール部材は、軟性の弾性体材料からなって、前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面に環状に、且つその先端部が弾性変形可能に一体に埋設されてなる
    ことを特徴とするエンジンのシール構造。
  2. エンジンのシリンダブロックが、ウォータジャケットとする部位を境に、シリンダ側を構成するシリンダブロック本体と、同ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック外側壁との別体構造からなり、当該エンジンのシリンダヘッドの底面と前記シリンダブロック外側壁の上面との間がシール部材によってシールされるエンジンのシール構造であって、
    前記シリンダブロック外側壁は樹脂材料からなり、前記シール部材は、軟性の弾性体材料からなって、前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面に環状に、且つその先端部が弾性変形可能に一体に埋設されてなる
    ことを特徴とするエンジンのシール構造。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンのシール構造において、
    a.前記シール部材は、その環状に延びる方向と直交する断面が略凸状の形状を有していること、及び
    b.前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面も、前記シール部材の断面形状に対応して断面略凸形状の溝を有して成形されていること、及び
    c.前記シール部材は、前記断面略凸状の両側方の突出辺先端部が前記シリンダブロック外側壁の溝の底面両側方に埋め込まれるかたちで同シリンダブロック外側壁に埋設されていること、及び
    d.前記シール部材の前記断面略凸状の中央部の突出辺は、前記シリンダブロック外側壁のシール対象となる面から突出する長さに設定されていること、及び
    e.前記シール部材の中央部の突出辺と前記シリンダブロック外側壁の前記断面略凸形状の溝の開口部にあたる狭間隔の側壁との間には、前記シール部材の突出辺先端部における弾性変形を許容する間隙が設けられていること、
    が満たされる態様にて、前記シール部材が前記シリンダブロック外側壁に一体に埋設されてなる
    ことを特徴とするエンジンのシール構造。
  4. 前記シール部材の前記断面略凸状の中央部の突出辺は、同断面が、前記弾性変形によってもシール幅を一定に保つことのできる形状に形成されてなる
    請求項3に記載のエンジンのシール構造。
  5. 前記シール部材の前記断面略凸状の中央部の突出辺は、同断面が略円形状に形成されてなる
    請求項3に記載のエンジンのシール構造。
  6. 前記シール部材が、ゴムガスケットからなる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のエンジンのシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016075255A (ja) * 2014-10-08 2016-05-12 三菱自動車工業株式会社 シリンダブロックの冷却構造

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