JP2012062764A - 内燃機関のシリンダブロック構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダブロックの冷却性能の向上を図る。
【解決手段】シリンダボア21を構成するシリンダ壁22と、シリンダ壁22を囲み、シリンダ壁22の気筒間に位置する部分と対向する開口部28を有するウォータジャケット壁23と、シリンダ壁22の上端とウォータジャケット壁23の上端とを連結してなるトップデッキ部25と、を備えたシリンダブロック本体部2がダイカスト成形され、シリンダブロック本体部2とは別体の閉塞部材3を開口部28に挿入接合することでウォータジャケット24が形成された内燃機関のシリンダブロック構造において、気筒間位置におけるウォータジャケット24には、閉塞部材3に形成された膨出部30によって、閉塞部材3とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部31が形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】シリンダボア21を構成するシリンダ壁22と、シリンダ壁22を囲み、シリンダ壁22の気筒間に位置する部分と対向する開口部28を有するウォータジャケット壁23と、シリンダ壁22の上端とウォータジャケット壁23の上端とを連結してなるトップデッキ部25と、を備えたシリンダブロック本体部2がダイカスト成形され、シリンダブロック本体部2とは別体の閉塞部材3を開口部28に挿入接合することでウォータジャケット24が形成された内燃機関のシリンダブロック構造において、気筒間位置におけるウォータジャケット24には、閉塞部材3に形成された膨出部30によって、閉塞部材3とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部31が形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関のシリンダブロック構造に関する。
内燃機関のシリンダブロックには、内部に冷却水が流れるウォータジャケットが設けられており、シリンダブロックの冷却性能の更なる向上のためには、シリンダボア間により多くの冷却水が導入されるとともに冷却性に優れた形状となるよう、ドリル等の機械加工によりシリンダボアを構成する壁部の加工ができるようにすることが考えられる。
例えば、特許文献1には、シリンダブロックの側面に形成された開口部を別体のパネル部材で閉塞するようにした構成が開示されている。
しかしながら、この特許文献1のように、シリンダブロックの側面に開口部を形成すればシリンダボアを構成する壁部の加工は容易となるが、シリンダブロックの側面に開口部が形成されると、シリンダブロックの剛性が低下することになり、シリンダボアの変形を招きやすくしてしまう虞がある。
そこで、本発明は、シリンダブロックの剛性を確保しつつ、シリンダブロックの冷却性能の向上が図られた内燃機関のシリンダブロック構造を提供することを目的としている。
本発明は、シリンダボアを構成するシリンダ壁と、シリンダ壁を囲むように形成されると共に、少なくともシリンダ壁の気筒間に位置する部分と対向するよう貫通形成された開口部を有するウォータジャケット壁と、少なくとも前記シリンダ壁の気筒間に位置する部分と前記開口部の間の部分の上方において前記シリンダ壁の上端と前記ウォータジャケット壁の上端とを連結してなるトップデッキ部と、を備えたシリンダブロック本体がダイカスト成形され、前記シリンダブロック本体とは別体の閉塞部材を前記ウォータジャケット壁の開口部に挿入し、接合することで、前記シリンダ壁と前記ウォータジャケット壁と前記閉塞部材との間に冷却水が通流するウォータジャケットが形成された内燃機関のシリンダブロック構造において、気筒間位置における前記ウォータジャケットには、前記閉塞部材に形成された膨出部によって、前記閉塞部材と前記シリンダ壁との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、ウォータジャケット内を流れる冷却水は、気筒間位置中央となるシリンダボア間において流速が速くなるので、シリンダブロックのシリンダ壁のうち隣り合う気筒から燃焼ガスの熱影響を受けて他の部位に比べて高温となりやすいシリンダボア間の冷却性能を向上させることができ、その際シリンダブロックの剛性が低下することを抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、シリンダブロック1は、シリンダブロック本体部2と、シリンダブロック本体部2とは別体の閉塞部材3とから大略構成されている。図1は、本発明が適用されたシリンダブロック1の要部である気筒間位置に対応する箇所を模式的に示した説明図であって、(a)はシリンダブロック本体部2の鋳造時に用いる金型の一部を模式的に示し、(b)はシリンダブロック本体部2と閉塞部材3とを示し、(c)はシリンダブロック本体部2のシリンダボア間に閉塞部材3が接合された状態、すなわちシリンダブロック1を示している。
図1(a)における金型10〜15は、シリンダブロック1のシリンダボアの中心軸方向に沿って型開きする金型であり、金型16はシリンダブロック1のシリンダボアの中心軸方向及び気筒列方向の双方に対して直交する方向に型開きするいわゆる横型の金型である。シリンダブロック本体部2は、これらの精密な金型10〜16に、溶融金属(例えばアルミニウム)を高圧で圧入して鋳造するダイカスト成形により製造されている。尚、図1(a)においては、シリンダブロック本体部2の中の1つの気筒間(シリンダボア間)のみを模式的に示しており、全ての金型を示している訳ではない。
そして、図1(b)及び図1(c)に示すように、ダイカスト成形されたシリンダブロック本体部2の側面(両側面)には、シリンダブロック本体部2とは別体の中実な閉塞部材3が取り付けられている。
図2〜図5を用いて、本発明の第1実施形態におけるシリンダブロック構造を説明する。図2はシリンダブロック本体部2単体の要部を模式的に示す説明図、図3はシリンダブロック1の要部を模式的に示す説明図、図4は図3のA−A線に沿った断面図、すなわちシリンダボア21の中心軸Pに対して直交する平面と平行な断面図、図5は図4のB−B線に沿った断面図である。
図2及び図3に示すように、シリンダブロック本体部2は、いわゆるクローズドデッキ型のシリンダブロック1を構成するものであって、直列に複数並んで形成されるシリンダボア21と、このシリンダボア21を構成する円筒状のシリンダ壁22と、シリンダ壁22の外周側を囲むように形成されるウォータジャケット壁23と、シリンダ壁22とウォータジャケット壁23との間に形成されるウォータジャケット24と、シリンダ壁22の上端とウォータジャケット壁23の上端とを連結してウォータジャケット24の上端を覆うトップデッキ部25と、を備えている。ここで、冷却水が通流するウォータジャケット24は、より具体的には、シリンダ壁22とウォータジャケット壁23と閉塞部材3との間に形成されている。尚、ウォータジャケット24の上端は、トップデッキ部25によって覆われているが、一部がトップデッキ部25に形成された連通孔25aとして開口している。
シリンダ壁22は、隣接する気筒同士で一部が一体に連続したいわゆるサイアミーズ型の構成となっている。
トップデッキ部25の各気筒間位置には、シリンダブロック本体部2にシリンダヘッド(図示せず)を固定するヘッドボルト26の取付穴27が貫通形成されている。各気筒間位置においてトップデッキ部25を貫通した各ヘッドボルト26は、図4及び図5に示すように、それぞれその一部がウォータジャケット24内で冷却水と接触するよう構成されている。
ウォータジャケット24内を流れる冷却水は、シリンダブロック本体部2の気筒列方向に沿って流れるものであって、本実施形態においては、図4中に矢印Fで示すように流れている。
ウォータジャケット壁23は、シリンダブロック本体部2の側面を構成するものであり、シリンダ壁22の気筒間に位置する部分と対向する位置には、略矩形の開口部28が貫通形成されている。つまり、ウォータジャケット壁23には、複数の開口部23が貫通形成されている。詳述すると、本実施形態においては、図4に示すように、ウォータジャケット壁23のうち気筒中心に位置する部分、すなわちシリンダボア21の中心軸Pを含みクランクシャフト(図示せず)のメインジャーナル中心と直交する平面上においては開口部28が設定されていない。そして、これら開口部28に、前述した閉塞部材3が挿入され、接合されている。この結果、トップデッキ部25は、少なくともシリンダ壁22の気筒間に位置する部分と開口部28の間の部分の上方において、シリンダ壁22の上端とウォータジャケット壁24の上端とを連結している。
閉塞部材3は、図4及び図5に示すように、開口部28を塞ぐ矩形板状の基部29と、基部29から突出する膨出部30とを有している。膨出部30は、シリンダボア21の中心軸Pを含みクランクシャフト(図示せず)のメインジャーナル中心と直交する平面と平行な任意の断面上において、基部29からの突出量が任意の位置で一定となるよう形成されている。換言すれば、シリンダボア21の中心軸Pを含みクランクシャフト(図示せず)のメインジャーナル中心と直交する平面と平行な任意の断面上においては、図5に示すように、膨出部30とシリンダボア壁22との間の冷却水流路幅が一定となっている。
閉塞部材3は、基部29の外周縁29aが開口部28に対して、例えば摩擦攪拌接合により後から接合されている。尚、閉塞部材3の外周縁29aを、レーザー溶接より開口部28に対して後から接合するようにしてもよい。
そして、気筒間位置におけるウォータジャケット24には、閉塞部材3に形成された膨出部30によって、気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)に、閉塞部材3とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部31が形成されている。
このような実施形態のシリンダブロック1においては、気筒間位置におけるウォータジャケット24に、閉塞部材3に形成された膨出部30によって、閉塞部材3とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部31が形成されているので、ウォータジャケット24内を流れる冷却水は、気筒間位置中央となるシリンダボア間において流速が速くなり、シリンダボア間における熱伝達率が向上する。そのためシリンダブロック1のシリンダ壁22のうち隣り合う気筒から燃焼ガスの熱影響を受けて他の部位に比べて高温となりやすいシリンダボア間の冷却性能を向上させることができる。
また、本実施形態のように流路幅減少部31を、気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)に形成することで、気筒間位置中央よりも冷却水通流方向の下流側(図4における下方側)に流路幅減少部を形成する場合に比べて、気筒間位置中央における通水抵抗の増加を抑制できる。つまり、流路幅減少部31を気筒間位置中央よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)に形成することで、気筒間位置中央に位置するシリンダボア間において、通水抵抗の増加を抑制しつつ、冷却性能を確実に向上させることができる。
そして、本実施形態においては、トップデッキ部25の各気筒間位置におけるヘッドボルト26が、閉塞部材3の膨出部30よりもシリンダ壁22側に位置して、冷却水通路を貫通して冷却水に接触している。そのため、ヘッドボルトを冷却水に接触しない部位で閉塞部材を貫通させようとして、冷却水流路の外側にあたる閉塞部材の厚みが増大してしまうことを防ぎ、内燃機関(エンジン)の幅方向長を短くすることによりエンジンを小型・軽量化することができる。そして、ウォータジャケット24には、トップデッキ部25を貫通したヘッドボルト26によっても冷却水流路幅が狭められる幅狭部分32が気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)に形成されているので、この幅狭部分32によっても気筒間位置におけるウォータジャケット24内の冷却水の流速を上げることができる。
また、中実の閉塞部材3は、膨出部30を有することで、肉厚が相対的に大となっている。換言すれば、シリンダボア21の中心軸Pに対して直交する平面に平行な断面、つまり図4において、気筒列に直交する方向(図4における左右方向)に沿った幅が幅広となっている。そのため、シリンダブロック1は、この厚肉の閉塞部材3によって、クランクシャフト(図示せず)のメインジャーナル(図示せず)からの荷重を支持する剛性が向上することになり、シリンダボア21の変形を抑制することができる。
また、閉塞部材3自身も、膨出部30により冷却水流路幅を狭めるほどの厚みがあるので、剛性が高く変形しにくいものとなり、閉塞部材3の膜振動(放射音)を抑制することができる。
そして、膨出部30は、ウォータジャケット壁23の開口部28を閉塞する基部29の一側面から膨出している。つまり、閉塞部材3の膨出部30は、基部29からエンジン内側に向かって突出しているので、エンジンの幅を広げることなく、シリンダブロック1の剛性を向上させることができる。
そして、シリンダ壁22とウォータジャケット壁23とがトップデッキ部25で連結されているので、シリンダボア21の剛性が向上し、高温の燃焼ガスの影響によりシリンダボア21が熱膨張しシリンダボア径が変動することが抑制され、シリンダブロック1とシリンダヘッドとの間のシール性を向上させることができる。また、シリンダボア21内を往復動するピストン(図示せず)のスラスト力によるシリンダボア21の変形を抑制することができる。
そして、ダイカスト成形されたシリンダブロック本体部2においては、ウォータジャケット壁23に、シリンダ壁22の気筒間に位置する部分と対向するよう開口部28が貫通形成されているので、ドリル等の工具を使ってダイカスト成形後に容易にシリンダ壁22のシリンダボア間の隅Rを加工することができる。
また、シリンダブロック本体部2は、ウォータジャケット24の上端がシリンダ壁22の上端とウォータジャケット壁23の上端とを連結してなるトップデッキ部25で覆われたいわゆるクローズドデッキ型であり、図1(a)に示すように、シリンダボア21の中心軸P方向に沿って型開きする金型に加え、シリンダボア21の中心軸P方向及び気筒列方向の双方に対して直交する方向に沿って型開きする横型を用いてダイカスト成形されている。そのため、ウォータジャケット24は、横型である金型16を用いて成形されることになり、この金型16の気筒間のウォータジャケットの形状に対応する部分のうち、シリンダボア間のウォータジャケット24の形状に対応する先端部分16aは相対的に肉厚が細くなっている。しかしながら、金型16は、シリンダ壁22と離間する方向に型開きするため、型開きの際に、先端部分16aと、シリンダ壁22との摩擦を低減できるので、金型16の強度を維持しつつ、シリンダ壁22におけるシリンダボア間の隅Rを小さく設定することが可能となり、冷却性能を相対的に向上させることができる。つまり、横型である金型16の強度を維持しつつ、シリンダボア間においてより奥までウォータジャケット24を形成することが可能となる。また、金型16は、シリンダ壁22と離間する方向に型開きするため、先端部分16aの型開き時の摩耗を抑制でき、金型16の使用寿命を延長させることができる。
そして、気筒間位置において、気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)には、冷却水流路幅を冷却水通流方向の下流側に対して減少させるガイド部33が形成されている。つまり、本実施形態では、閉塞部材3の膨出部30により、冷却水流路幅を冷却水通流方向の下流側に対して減少させるガイド部33が形成されている。そのため、ガイド部33によって、シリンダボア間の上流側で冷却水の流れが整流され、冷却水が流れやすくなるので、結果的に通水抵抗が減少し冷却水の流量が増え、シリンダボア間の上流側で冷却水の流速が増加させる上で有利な構成となっている。
また、シリンダ壁22の気筒中心に位置する部分、すなわちシリンダ壁22のシリンダボア中心に位置する部分は、シリンダボア21が、エンジンの幅方向に最も張り出した位置となる。そのため、この部分に閉塞部材3が設けられると、この部分において閉塞部材3の肉厚を大きくすることはできない。そこで、シリンダボア21が、エンジンの幅方向に最も張り出した位置においては、本実施形態のようにウォータジャケット壁23に開口部28を形成せず閉塞部材3を配置しないことによって、この位置(ウォータジャケット壁23のシリンダボア中心に位置する部分)における剛性を向上させることができ、この位置におけるトップデッキ部25のシール面圧を上げて、シリンダブロック1とシリンダヘッド(図示せず)とのシール性の一層の向上を図ることができる。
また、本実施形態のようにウォータジャケット24の気筒間に位置する部分毎に略矩形の開口部28を貫通形成すると、各開口部28の両側、すなわち開口部28を構成する4辺のうち、シリンダボア21の中心軸Pと平行な機関前方側の前辺部28aの外側と、シリンダボアの中心軸Pと平行な機関後方側の後辺部28bの外側とに、それぞれシリンダボアの中心軸Pと平行な補強リブを設定することが可能となるので、これらの補強リブをウォータジャケット壁23にさらに設定すれば、さらに剛性を向上させることができるという利点がある。
次に本発明の他の実施形態について説明するが、前述した第1実施形態と同一の構成要素について同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
本発明の第2実施形態は、上述した第1実施形態と略同一構成となっているが、図6に示すように、閉塞部材41の基部42から突出する膨出部43は、シリンダブロック本体部2のトップデッキ部25側の突出量が相対的に大きくなるよう形成され、気筒間位置において、閉塞部材41とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅を狭める流路幅減少部31が、相対的にシリンダブロック本体部2のトップデッキ部25側に形成されている。尚、図6は、上述した図4のB−B線に沿った断面位置に相当する断面図である。
すなわち、膨出部43によって、気筒間位置におけるウォータジャケット24には、気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)で、かつシリンダブロック本体部2のトップデッキ部25側に、閉塞部材42とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部31が形成されている。
詳述すると、膨出部43は、略階段状に基部42から突出しており、トップデッキ部25側に位置してシリンダ壁22との間に流路幅減少部31を形成する上方膨出部43aと、オイルパン側(図6における下方)に位置して、シリンダ壁22との間に流路幅減少部31よりも流路幅が大きい流路幅一般部44を形成する下方膨出部43bと、を有している。尚、図6中の45は、上方膨出部43aと下方膨出部43bとの間に位置し、流路幅減少部31と流路幅一般部44との間を仕切る突起部である。この突起部45は、膨出部43の気筒列方向の全長に亙って連続して形成されている。
このような第2実施形態においては、上述した第1実施形態で得られる作用効果に加え、流路幅減少部31をシリンダブロック本体部2のトップデッキ部25側に設けることで、シリンダ壁22の気筒間に位置する部分のうち、燃焼室に近く相対的に温度が高くなる部分を効率良く冷却することが可能となる。
さらに、この第2実施形態においては、シリンダボア21の中心軸Pを含みクランクシャフトのメインジャーナル中心と直交する断面におけるウォータジャケット24の通路断面積と、閉塞部材41を含みクランクシャフトのメインジャーナル中心と直交する断面におけるウォータジャケット24の通路断面積と、が略等しくなるよう設定されている。換言すれば、ウォータジャケット24は、シリンダボア21の中心軸Pを含みクランクシャフトのメインジャーナル中心と直交する平面と平行で、かつ閉塞部材41を含む任意の断面において、突起部45よりもトップデッキ側(図6において上方側)の通路断面積と、突起部45よりもオイルパン側(図6における下方側)の通路断面積との和が一定となるよう形成されている。
これによって、冷却水の通流方向に沿って、ウォータジャケット24の通路断面積は略一定にすることができ、全体として、ウォータジャケット24の通水抵抗を冷却水の通流方向に沿って一定とすることができる。
尚、この第2実施形態においては、流路幅減少部31が気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)に形成されているが、流路幅減少部31がシリンダブロック本体部2のトップデッキ部25側に形成されていれば、流路幅減少部31が気筒間位置中央となるシリンダボア間よりも冷却水通流方向の上流側(図4における上方側)に位置していないように形成することも可能である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、上述した第1実施形態と略同一構成となっているが、図7に示すように、トップデッキ部25の各気筒間位置におけるヘッドボルト26が、第1実施形態に比べてウォータジャケット壁23側(外側)に位置し、閉塞部材51の基部から52から突出した膨出部53を貫通している。そして、閉塞部材51の膨出部53が気筒間位置中央となるシリンダボア間に近接するよう突出し、このシリンダボア間に閉塞部材51とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部31が形成されている。尚、図7は、上述した図3のA−A線に沿った断面位置に相当する断面図であり、図7中の54は、膨出部53に貫通形成されたヘッドボルト挿入穴である。
このような第3実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、この第3実施形態においては、膨出部53とシリンダ壁22との間の冷却水流路幅を、冷却水通流方向の下流側に対して減少させるガイド部55が膨出部53の上流側壁面によって構成されているが、このガイド部55は、上述した第1実施形態におけるガイド部33よりも、冷却水の通流方向で気筒間位置中央となるシリンダボア間に近い位置まで延長されているので、冷却水の整流効果を相対的に向上させることができる。
尚、上述した各実施形態においては、ウォータジャケット壁23の開口部28がシリンダ壁22の気筒間に位置する部分毎に形成され、シリンダ壁22の気筒間位置毎に閉塞部材が接合されていたが、気筒間毎にそれぞれ設けられた複数の閉塞部材を、図8に示すように、シリンダブロック本体部2の同一側面側では一体化し、単一の閉塞部材61とすることも可能である。
1…シリンダブロック
2…シリンダブロック本体部
3…閉塞部材
21…シリンダボア
22…シリンダ壁
23…ウォータジャケット壁
24…ウォータジャケット
25…トップデッキ部
29…基部
30…膨出部
31…流路幅減少部
32…幅狭部分
33…ガイド部
2…シリンダブロック本体部
3…閉塞部材
21…シリンダボア
22…シリンダ壁
23…ウォータジャケット壁
24…ウォータジャケット
25…トップデッキ部
29…基部
30…膨出部
31…流路幅減少部
32…幅狭部分
33…ガイド部
Claims (7)
- 直列に複数並んで形成され、かつシリンダボアを構成する円筒状のシリンダ壁と、前記シリンダ壁を囲むように形成されると共に、少なくともシリンダ壁の気筒間に位置する部分と対向するよう貫通形成された開口部を有するウォータジャケット壁と、少なくとも前記シリンダ壁の気筒間に位置する部分と前記開口部の間の部分の上方において前記シリンダ壁の上端と前記ウォータジャケット壁の上端とを連結してなるトップデッキ部と、を備えたシリンダブロック本体がダイカスト成形され、前記シリンダブロック本体とは別体の中実な閉塞部材を前記ウォータジャケット壁の開口部に挿入し、前記ウォータジャケット壁に接合することで、前記シリンダ壁と前記ウォータジャケット壁と前記閉塞部材との間に冷却水が通流するウォータジャケットが形成され、前記シリンダブロック本体にシリンダヘッドを固定する複数のヘッドボルトのうち気筒間位置において前記トップデッキ部を貫通したヘッドボルトは、少なくともその一部が前記ウォータジャケット内の冷却水と接触するよう構成された内燃機関のシリンダブロック構造において、
気筒間位置における前記ウォータジャケットには、前記閉塞部材に形成された膨出部によって、前記閉塞部材と前記シリンダ壁との間の冷却水流路幅が狭められる流路幅減少部が形成されていることを特徴とする内燃機関のシリンダブロック構造。 - 前記ウォータジャケット内の冷却水は、前記シリンダブロック本体の気筒列方向に沿って流れるものであって、
前記流路幅減少部は、気筒間位置中央よりも冷却水通流方向の上流側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロック構造。 - 前記流路幅減少部は、前記シリンダブロック本体のトップデッキ部側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のシリンダブロック構造。
- 気筒間位置における前記ウォータジャケットには、前記ヘッドボルトうち前記シリンダブロック本体のトップデッキ部を気筒間位置で貫通したものによって、前記冷却水流路幅を狭める部分が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のシリンダブロック構造。
- 前記ウォータジャケット内の冷却水は、前記シリンダブロック本体の気筒列方向に沿って流れるものであって、
気筒間位置において、気筒間位置中央よりも冷却水通流方向の上流側が、前記冷却水流路幅を冷却水通流方向の下流側に対して減少していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のシリンダブロック構造。 - 前記シリンダボアの中心軸を含みクランクシャフトのメインジャーナル中心と直交する断面における前記ウォータジャケットの通路断面積と、前記閉塞部材を含みクランクシャフトのメインジャーナル中心と直交する断面における前記ウォータジャケットの通路断面積と、が略等しくなるよう設定されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のシリンダブロック構造。
- 前記シリンダ壁の気筒間に位置する部分毎に、前記ウォータジャケット壁の開口部が複数貫通形成され、
前記閉塞部材は、前記シリンダ壁の気筒間に位置する部分毎に互いに別体となるよう設定され、
前記ウォータジャケット壁の気筒中心に位置する部分においては、前記開口部が設定されていないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関のシリンダブロック構造。
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JP2015163767A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-10 | ダイハツ工業株式会社 | シリンダブロック |
JP2015535051A (ja) * | 2012-11-19 | 2015-12-07 | 上海交通大学 | 水冷式内燃機関のシリンダヘッドおよびこのシリンダヘッドを備える水冷式内燃機関 |
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2010
- 2010-09-14 JP JP2010205223A patent/JP2012062764A/ja active Pending
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