JP7192684B2 - 内燃機関構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関構造に関する。
内燃機関(エンジン)は、一般にシリンダヘッドがヘッドボルトによりシリンダブロックに対して固定されて、燃焼室内の気密性を確保するために、シリンダヘッドの下端面とシリンダブロックの上端面の間にヘッドガスケットが挟まれている。
内燃機関では、燃焼室内で発生する熱によるシリンダヘッド、シリンダブロック、ヘッドガスケット、ヘッドボルト等の燃焼室周辺の部品の熱膨張と、燃焼による燃焼室内の圧力上昇により、燃焼室周辺の部品に大きな応力が発生する。
また、内燃機関の排気ポート側の温度は、吸気ポート側の温度よりも非常に高くなり、シリンダヘッドとシリンダブロックにおける温度も排気ポート側が吸気ポート側と比べて高くなる。これにより、シリンダヘッドとシリンダブロックにおいて吸気ポート側より排気ポート側の燃焼室周辺の部品の熱膨張量が大きくなり、吸気ポート側の燃焼室周辺の部品の応力よりも排気ポート側の燃焼室周辺の部品の応力が大きくなる。この吸気ポート側と排気ポート側の間の応力の差により、燃焼室周辺の部品(例えば、ヘッドガスケット)に変形や偏摩耗が生じる場合がある。このような燃焼室周辺の部品の変形や偏摩耗を回避するため、種々の方法が提案されている。
例えば特許文献1には、シリンダの上方の円周状の縁部に、剛性を備えた補強リングを設けているエンジンが記載されている。この補強リングにより、シリンダの上方の円周状の縁部が、熱による膨張・燃焼による圧力に対して不均一に変形することを抑制し、燃焼室周辺の部品の変形や偏摩耗を回避している。
また特許文献2には、ヘッドボルトの冷間締め付け時(内燃機関が常温時)における吸気ポート側のヘッドボルトのシリンダブロックへの締付軸力(締め付けトルク)を、排気ポート側の締付軸力よりも大きく設定しているシリンダヘッド締結構造(内燃機関構造に相当)が記載されている。このシリンダヘッド締結構造では、冷間締め付け時の吸気ポート側の締付軸力を排気ポート側の締付軸力よりも大きく設定している。これにより、内燃機関運転時における吸気ポート側と排気ポート側の締付軸力をほぼ同一にし、シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面における面圧(圧力)を均一にし、燃焼室周辺の部品の変形や偏摩耗を回避している。
また特許文献3には、排気ポート側のヘッドボルトの線膨張係数を吸気ポート側のヘッドボルトの線膨張係数よりも大きく設定しているシリンダヘッド固定構造(内燃機関構造に相当)が記載されている。このシリンダヘッド固定構造では、排気ポート側と吸気ポート側との間の温度差による排気ポート側のヘッドボルトと吸気ポート側のヘッドボルトの変位量の差を吸収し、燃焼室周辺の部品の変形や偏摩耗を回避している。
特開2003-193907号公報 特開昭62-101871号公報 実開平3-127061号公報
しかし、特許文献1に記載のエンジンでは、シリンダの上方に補強リングを取り付ける必要があり構造が複雑になる。
また、特許文献2に記載のシリンダヘッド締結構造では、排気ポート側と吸気ポート側において同一の形状のヘッドボルトが図に記載されている。このため作業者が、吸気ポート側のヘッドボルトに対して排気ポート側用の締付軸力を用いて締め付け、又は、排気ポート側用のヘッドボルトに対して吸気ポート側用の締付軸力を用いて締め付ける、誤組み付けの可能性がある。
また、特許文献3に記載のシリンダヘッド固定構造では、排気ポート側と吸気ポート側において同一の形状のヘッドボルトが図に記載されている。このため作業者が、排気ポート側用のヘッドボルトを取り違えて吸気ポート側のシリンダブロックに固定し、又は、吸気ポート側用のヘッドボルトを取り違えて排気ポート側のシリンダブロックに固定する、誤組み付けの可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、シリンダブロックとシリンダヘッドに挟まれたガスケットにおける、吸気ポート側の応力分布(圧力分布)と排気ポート側の応力分布(圧力分布)との差をより低減するとともに、シンプルな構造で、かつ、誤組み付けを防止できる、内燃機関構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、第1の発明は、シリンダブロックの上端面とシリンダヘッドの下端面の間にガスケットが挟み込まれ、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドが、複数のボルトを用いて所定トルクにて前記ガスケットを押しつぶすように固定されている、内燃機関構造において、複数の前記ボルトは、吸気側に取り付けられた複数の吸気側ボルトと、排気側に取り付けられた複数の排気側ボルトと、に分けられており、前記ガスケットには、対向しているシリンダの形状に沿う孔部であるガスケット孔部が形成されており、前記ガスケット孔部の周囲には、対向している前記シリンダの形状に沿って前記シリンダヘッドの側に突出するヘッド側ボアビード部が形成されており、それぞれの前記排気側ボルトが前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの排気側ボルト・ヘッド力点から、前記ガスケットの前記ヘッド側ボアビード部と前記シリンダヘッドの下端面との接触個所においてそれぞれの前記排気側ボルト・ヘッド力点に最も近い位置となるそれぞれの排気側シリンダヘッド作用点までにおいて、前記シリンダヘッドに設けられた空洞部であるヘッド側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの排気側ヘッド熱伝達距離と、それぞれの前記吸気側ボルトが前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの吸気側ボルト・ヘッド力点から、前記ガスケットの前記ヘッド側ボアビード部と前記シリンダヘッドの下端面との接触個所においてそれぞれの前記吸気側ボルト・ヘッド力点に最も近い位置となるそれぞれの吸気側シリンダヘッド作用点までにおいて、前記シリンダヘッドに設けられた前記ヘッド側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの吸気側ヘッド熱伝達距離と、を有しており、それぞれの前記排気側ヘッド熱伝達距離は、それぞれの前記吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている、内燃機関構造である。
次に、第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関構造であって、それぞれの前記排気側シリンダヘッド作用点から、対応するそれぞれの前記排気側ボルト・ヘッド力点までの前記シリンダヘッド内、及び、それぞれの前記吸気側シリンダヘッド作用点から、対応するそれぞれの前記吸気側ボルト・ヘッド力点までの前記シリンダヘッド内には、冷却用クーラントまたは潤滑油が流される前記ヘッド側空洞部であるヘッド側ジャケット部がそれぞれ形成されており、前記排気側シリンダヘッド作用点から前記ヘッド側ジャケット部までの前記シリンダヘッドの実体部の肉厚である排気側ヘッド・ジャケット肉厚が、前記吸気側シリンダヘッド作用点から前記ヘッド側ジャケット部までの前記シリンダヘッドの実体部の肉厚である吸気側ヘッド・ジャケット肉厚よりも薄肉に設定されていることで、それぞれの前記排気側ヘッド熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている、内燃機関構造である。
次に、第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る内燃機関構造であって、前記シリンダヘッドの下端面からそれぞれの前記排気側ボルト・ヘッド力点までの距離であるそれぞれの排気側ヘッド締結距離が、前記シリンダヘッドの下端面からそれぞれの前記吸気側ボルト・ヘッド力点までの距離であるそれぞれの吸気側ヘッド締結距離よりも長く設定されていることで、それぞれの前記排気側ヘッド熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている、内燃機関構造である。
次に、第4の発明は、上記第1の発明~第3の発明のいずれか1つに係る内燃機関構造であって、前記ガスケットの前記ヘッド側ボアビード部と前記シリンダヘッドの下端面との接触個所における、内燃機関の暖機後の排気側の線圧分布と、前記内燃機関の暖機後の吸気側の線圧分布との差が低減するように前記排気側ヘッド熱伝達距離及び前記吸気側ヘッド熱伝達距離の長さが調整されている、内燃機関構造である。
次に、第5の発明は、シリンダブロックの上端面とシリンダヘッドの下端面の間にガスケットが挟み込まれ、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドが、複数のボルトを用いて所定トルクにて前記ガスケットを押しつぶすように固定されている、内燃機関構造において、複数の前記ボルトは、吸気側に取り付けられた複数の吸気側ボルトと、排気側に取り付けられた複数の排気側ボルトと、に分けられており、前記ガスケットには、対向しているシリンダの形状に沿う孔部であるガスケット孔部が形成されており、前記ガスケット孔部の周囲には、対向している前記シリンダの形状に沿って前記シリンダブロックの側に突出するブロック側ボアビード部が形成されており、それぞれの前記排気側ボルトが前記シリンダブロックを前記シリンダヘッドの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの排気側ボルト・ブロック力点から、前記ガスケットの前記ブロック側ボアビード部と前記シリンダブロックの上端面との接触個所においてそれぞれの前記排気側ボルト・ブロック力点に最も近い位置となるそれぞれの排気側シリンダブロック作用点までにおいて、前記シリンダブロックに設けられた空洞部であるブロック側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの排気側ブロック熱伝達距離と、それぞれの前記吸気側ボルトが前記シリンダブロックを前記シリンダヘッドの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの吸気側ボルト・ブロック力点から、前記ガスケットの前記ブロック側ボアビード部と前記シリンダブロックの上端面との接触個所においてそれぞれの前記吸気側ボルト・ブロック力点に最も近い位置となるそれぞれの吸気側シリンダブロック作用点までにおいて、前記シリンダブロックに設けられた前記ブロック側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの吸気側ブロック熱伝達距離と、を有しており、それぞれの前記排気側ブロック熱伝達距離は、それぞれの前記吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている、内燃機関構造である。
次に、第6の発明は、上記第5の発明に係る内燃機関構造であって、それぞれの前記排気側シリンダブロック作用点から、対応するそれぞれの前記排気側ボルト・ブロック力点までの前記シリンダブロック内、及び、それぞれの前記吸気側シリンダブロック作用点から、対応するそれぞれの前記吸気側ボルト・ブロック力点までの前記シリンダブロック内には、冷却用クーラントまたは潤滑油が流される前記ブロック側空洞部であるブロック側ジャケット部がそれぞれ形成されており、前記排気側シリンダブロック作用点から前記ブロック側ジャケット部までの前記シリンダブロックの実体部の肉厚である排気側ブロック・ジャケット肉厚が、前記吸気側シリンダブロック作用点から前記ブロック側ジャケット部までの前記シリンダブロックの実体部の肉厚である吸気側ブロック・ジャケット肉厚よりも薄肉に設定されていることで、それぞれの前記排気側ブロック熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている、内燃機関構造である。
次に、第7の発明は、上記第5の発明または第6の発明に係る内燃機関構造であって、前記シリンダブロックの上端面からそれぞれの前記排気側ボルト・ブロック力点までの距離であるそれぞれの排気側ブロック締結距離が、前記シリンダブロックの上端面からそれぞれの前記吸気側ボルト・ブロック力点までの距離であるそれぞれの吸気側ブロック締結距離よりも長く設定されていることで、それぞれの前記排気側ブロック熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている、内燃機関構造である。
次に、第8の発明は、上記第5の発明~第7の発明のいずれか1つに係る内燃機関構造であって、前記ガスケットの前記ブロック側ボアビード部と前記シリンダブロックの上端面との接触個所における、内燃機関の暖機後の排気側の線圧分布と、前記内燃機関の暖機後の吸気側の線圧分布との差が低減するように前記排気側ブロック熱伝達距離及び前記吸気側ブロック熱伝達距離の長さが調整されている、内燃機関構造である。
第1の発明によれば、排気側ヘッド熱伝達距離が、吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている。これにより、内燃機関の運転時に吸気ポート側よりも排気ポート側が高い温度となった際、より長い排気側ヘッド熱伝達距離にて排気側の熱膨張量が緩和され、ガスケットに対する吸気ポート側の圧力分布と排気ポート側の圧力分布との差をより低減することができる。また、新たな部品を追加等する必要がないので、非常にシンプルな構造にて実現できる。さらに、吸気ポート側と排気ポート側で、ボルトの材質が異なる訳ではなく、締め付けトルクが異なる訳でもなく、同じ材質のボルトを、同じ締め付けトルクで締め付けることができるので、誤組み付けを防止することができる。
第2の発明によれば、排気側シリンダヘッド作用点からヘッド側ジャケット部までのシリンダヘッドの実体部の排気側ヘッド・ジャケット肉厚を、吸気側シリンダヘッド作用点からヘッド側ジャケット部までのシリンダヘッドの実体部の吸気側ヘッド・ジャケット肉厚よりも薄肉に設定する。これにより、排気側ヘッド熱伝達距離を、吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定する。従って、複雑な構造を必要とすることなくシンプルな構造にて、排気側ヘッド熱伝達距離を吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長くすることを、容易に実現できる。
第3の発明によれば、シリンダヘッドの下端面から排気側ボルト・ヘッド力点までの排気側ヘッド締結距離を、シリンダヘッドの下端面から吸気側ボルト・ヘッド力点までの吸気側ヘッド締結距離よりも長く設定する。これにより、排気側ヘッド熱伝達距離を、吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定する。従って、複雑な構造を必要とすることなくシンプルな構造にて、排気側ヘッド熱伝達距離を吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長くすることを、容易に実現できる。
第4の発明によれば、排気側ヘッド熱伝達距離を、吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定するにあたり、具体的な長さを適切に決めることができる。
第5の発明によれば、排気側ブロック熱伝達距離が、吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている。これにより、内燃機関の運転時に吸気ポート側よりも排気ポート側が高い温度となった際、より長い排気側ブロック熱伝達距離にて排気側の熱膨張量が緩和され、ガスケットに対する吸気ポート側の圧力分布と排気ポート側の圧力分布との差をより低減することができる。また、新たな部品を追加等する必要がないので、非常にシンプルな構造にて実現できる。さらに、吸気ポート側と排気ポート側で、ボルトの材質が異なる訳ではなく、締め付けトルクが異なる訳でもなく、同じ材質のボルトを、同じ締め付けトルクで締め付けることができるので、誤組み付けを防止することができる。
第6の発明によれば、排気側シリンダブロック作用点からブロック側ジャケット部までのシリンダブロックの実体部の排気側ブロック・ジャケット肉厚を、吸気側シリンダブロック作用点からブロック側ジャケット部までのシリンダブロックの実体部の吸気側ブロック・ジャケット肉厚よりも薄肉に設定する。これにより、排気側ブロック熱伝達距離を、吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定する。従って、複雑な構造を必要とすることなくシンプルな構造にて、排気側ブロック熱伝達距離を吸気側ブロック熱伝達距離よりも長くすることを、容易に実現できる。
第7の発明によれば、シリンダブロックの上端面から排気側ボルト・ブロック力点までの排気側ブロック締結距離を、シリンダブロックの上端面から吸気側ボルト・ブロック力点までの吸気側ブロック締結距離よりも長く設定する。これにより、排気側ブロック熱伝達距離を、吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定する。従って、複雑な構造を必要とすることなくシンプルな構造にて、排気側ブロック熱伝達距離を吸気側ブロック熱伝達距離よりも長くすることを、容易に実現できる。
第8の発明によれば、排気側ブロック熱伝達距離を、吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定するにあたり、具体的な長さを適切に決めることができる。
内燃機関を構成しているシリンダブロック、ガスケット、シリンダヘッドの分解斜視図である。 図1のIIで示された領域におけるガスケットの詳細を説明する斜視図である。 ガスケットの全体の外観の例を説明する平面図である。 図3に示すガスケットの一部の拡大図である。 シリンダブロック、ガスケット、シリンダヘッドがボルトにて組み付けられた状態の内燃機関を、図4に示すV-Vの位置にて切断した断面図であり、第1の実施の形態の内燃機関構造と、第2の実施の形態の内燃機関構造と、を説明する図である。 第1の実施の形態の内燃機関構造にて、排気側ヘッド・ジャケット肉厚を、吸気側ヘッド・ジャケット肉厚よりも薄肉にすると、排気側ヘッド熱伝達距離が、吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長くなることを説明する模式図である。 第2の実施の形態の内燃機関構造にて、排気側ブロック・ジャケット肉厚を、吸気側ブロック・ジャケット肉厚よりも薄肉にすると、排気側ブロック熱伝達距離が、吸気側ブロック熱伝達距離よりも長くなることを説明する図である。 本実施の形態の内燃機関構造の場合のボアビード部の線圧分布の例を説明する図である。 従来の内燃機関構造の場合のボアビード部の線圧分布の例を説明する図である。
以下に、本発明の内燃機関構造を適用した内燃機関(エンジン)1について、図面を用いて説明する。なお、図中にX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、各軸は互いに直交しており、X軸方向はシリンダが直列に配置されている方向(水平方向)を示し、Y軸方向は排気ポート側から吸気ポート側へ向かう方向(水平方向)を示し、Z軸方向は鉛直上方に向かう方向を示している。なお、以降の説明では、「吸気ポート側」と「吸気側」は同じであり、「排気ポート側」と「排気側」は同じである。
●[本実施形態における内燃機関(エンジン)1(図1)]
図1は、内燃機関(エンジン)1を構成しているシリンダブロック10、ガスケット20、シリンダヘッド30、の分解斜視図である(ピストン、クランクシャフト等は省略している)。なお本実施の形態の説明では、直列4気筒の内燃機関を例として説明する。図1で示すように、内燃機関1は、シリンダヘッド30が吸気側ボルト42と排気側ボルト44(ヘッドボルト)によりシリンダブロック10に対して固定されている。そして、シリンダブロック10の上端面10Mとシリンダヘッド30の下端面30Mの間にガスケット20(ヘッドガスケット)が挟み込まれている。複数のボルト(ヘッドボルト)は、吸気側に取り付けられる複数の吸気側ボルト42と、排気側に取り付けられる複数の排気側ボルト44と、に分けられている。
シリンダブロック10には、Z軸方向に延びる(4個の)シリンダ10Cが形成されている。またシリンダブロック10には、ヘッドボルトを締結する締結孔として、吸気ポート側の縁部に沿ってボルト締結孔12A~12E(12)のそれぞれが設けられており、排気ポート側の縁部に沿ってボルト締結孔14A~14E(14)のそれぞれが設けられている。
ガスケット20には、対向するシリンダ10Cの形状に沿う孔部であるガスケット孔部20Cが形成されている。またガスケット20には、ヘッドボルトが挿通されるボルト孔として、ボルト締結孔12A~12Eのそれぞれに対応させてボルト孔22A~22E(22)のそれぞれが設けられており、ボルト締結孔14A~14Eのそれぞれに対応させてボルト孔24A~24E(24)のそれぞれが設けられている。
シリンダヘッド30には、ヘッドボルトを挿通する挿通孔として、ボルト締結孔12A~12Eのそれぞれに対応させてボルト挿通孔32A~32E(32)のそれぞれが設けられており、ボルト締結孔14A~14Eのそれぞれに対応させてボルト挿通孔34A~34E(34)のそれぞれが設けられている。
ガスケット20は、吸気側ボルト42のそれぞれがボルト締結孔12のそれぞれに対して所定トルクで締め付けられて固定され、排気側ボルト44のそれぞれがボルト締結孔14のそれぞれに対して所定トルクで締め付けられて固定されている。これにより、ガスケット20は、押しつぶされるようにシリンダブロック10とシリンダヘッド30との間に挟み込まれている。なお、所定トルクは、吸気ガス、排気ガスがシリンダの内部から外部へ漏れ出ることがなく気密性を確保できる程度にガスケット20を押しつぶすことができる締め付け力を発生させる締め付けトルク値である。
●[ガスケット20の詳細(図2、図3)]
図2は、図1のIIで示された領域のガスケット20の詳細を説明する斜視図であり、図3は、ガスケット20の全体の平面図を示している。対称軸線JK1は、図3に示すガスケット孔部20C1、20C2、20C3、20C4の中心軸線CP1、CP2、CP3、CP4を通り、XY平面(ガスケット20の表面)に沿う直線である。図3に示すように、ガスケット20には、対向しているシリンダ10C(図1参照)の形状(円形状)に沿う孔部であるガスケット孔部20C(20C1~20C4)が形成されている。
図2に示すように、ガスケット孔部20Cの周囲には、対向しているシリンダ10C(図1参照)の形状(円形状)に沿ってシリンダヘッド30(図1参照)の側に突出するヘッド側ボアビード部21A(図2、図5参照)が周方向に沿って連続的に設けられている。またガスケット孔部20Cの周囲には、対向しているシリンダ10C(図1参照)の形状(円形状)に沿ってシリンダブロック10(図1参照)の側に突出するブロック側ボアビード部21B(図5参照)が周方向に沿って連続的に設けられている。
図3に示すように、吸気ポート側のボルト孔22Aと、排気ポート側のボルト孔24Aは、対称軸線JK1に対して線対称となる位置に設けられている。同様に、ボルト孔22Bとボルト孔24B、ボルト孔22Cとボルト孔24C、ボルト孔22Dとボルト孔24D、ボルト孔22Eとボルト孔24Eは、それぞれ対称軸線JK1に対して線対称となる位置に設けられている。
上述したように、内燃機関の暖機後(高温時)では、排気ポート側の温度(例えば600[℃]程度)は、吸気ポート側の温度(例えば100[℃]程度)よりも非常に高い。このため、排気側と吸気側の熱膨張量の差により、ガスケットの吸気側の線圧分布と排気側の線圧分布との差が大きく、ガスケットが変形したり偏摩耗したりする可能性がある。そこで、以下に説明する本実施の形態の内燃機関構造では、暖機後(高温時)の吸気ポート側の線圧分布と、暖機後(高温時)の排気ポート側の線圧分布と、の差をより小さくする。つまり、暖機後(高温時)において、吸気側の線圧分布と、排気側の線圧分布と、を対称軸線JK1に対してほぼ線対称となるようにする。
●[第1の実施の形態(図5、図6)]
次に図5、図6を用いて、第1の実施の形態の内燃機関構造について説明する。第1の実施の形態では、シリンダヘッド30の構造を工夫することで、暖機後(高温時)の吸気ポート側の線圧分布と、暖機後(高温時)の排気ポート側の線圧分布と、の差をより小さくする。ここで、図4は、図3に示すガスケット20におけるガスケット孔部20C4の周囲の拡大図を示している。そして図5は、図1に示すシリンダブロック10、ガスケット20、シリンダヘッド30が、吸気側ボルト42と排気側ボルト44にて組み付けられた状態の内燃機関1を、図4に示すV-Vの位置にて切断した断面図を示している。
図5に示すように、ガスケット20は、シリンダブロック10の上端面10Mと、シリンダヘッド30の下端面30Mと、の間に挟み込まれている。そしてシリンダブロック10とシリンダヘッド30は、内燃機関の冷間時(常温時)において所定トルクで締め付けられた複数の吸気側ボルト42(図1参照)と複数の排気側ボルト44(図1参照)にて、ガスケット20を押しつぶすように固定されている。ガスケット20には、シリンダブロック10の上端面10Mから、シリンダヘッド30の下端面30Mに向かう力と、シリンダヘッド30の下端面30Mから、シリンダブロック10の上端面10Mに向かう力が、掛けられている。
図5において、排気側ボルト44が、シリンダヘッド30をシリンダブロック10の側に押し付ける押付力を付与している個所を排気側ボルト・ヘッド力点40B1とする。また、吸気側ボルト42が、シリンダヘッド30をシリンダブロック10の側に押し付ける押付力を付与している個所を吸気側ボルト・ヘッド力点40A1とする。
また図5において、ガスケット20のヘッド側ボアビード部21Aと、シリンダヘッド30の下端面30Mと、の接触個所において、排気側ボルト・ヘッド力点40B1に最も近い位置を排気側シリンダヘッド作用点20B1(図4参照)とする。また、ガスケット20のヘッド側ボアビード部21Aと、シリンダヘッド30の下端面30Mと、の接触個所において、吸気側ボルト・ヘッド力点40A1に最も近い位置を吸気側シリンダヘッド作用点20A1(図4参照)とする。
そして図5において、排気側ボルト・ヘッド力点40B1から、排気側シリンダヘッド作用点20B1までにおいて、シリンダヘッド30に設けられた空洞部であるヘッド側空洞部30A、30B、30Cを除いた実体部での最短経路の距離を排気側ヘッド熱伝達距離XB1とする。また図5において、吸気側ボルト・ヘッド力点40A1から、吸気側シリンダヘッド作用点20A1までにおいて、ヘッド側空洞部30A、30B、30Cを除いた実体部での最短経路の距離を吸気側ヘッド熱伝達距離XA1とする。なお、ヘッド側空洞部30A、30B、30Cは、冷却用クーラントまたは潤滑油が流される(循環される)ヘッド側ジャケット部である。
また図5において、シリンダヘッド30の下端面30Mから排気側ボルト・ヘッド力点40B1までの距離を排気側ヘッド締結距離SB1とする。また、シリンダヘッド30の下端面30Mから吸気側ボルト・ヘッド力点40A1までの距離を吸気側ヘッド締結距離SA1とする。
また図5において、排気側シリンダヘッド作用点20B1から、対応する排気側ボルト・ヘッド力点40B1までのシリンダヘッド30内、及び、吸気側シリンダヘッド作用点20A1から、対応する吸気側ボルト・ヘッド力点40A1までのシリンダヘッド30内には、冷却用クーラントまたは潤滑油が流れるヘッド側空洞部30C(ヘッド側ジャケット部)が形成されている。そして排気側シリンダヘッド作用点20B1からヘッド側空洞部30C(ヘッド側ジャケット部)までのシリンダヘッド30の実体部の肉厚を排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1とする。また吸気側シリンダヘッド作用点20A1からヘッド側空洞部30C(ヘッド側ジャケット部)までのシリンダヘッド30の実体部の肉厚を吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1とする。
図5に示す例では、排気側ヘッド締結距離SB1=吸気側ヘッド締結距離SA1に設定されているが、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1<吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1に設定されている。これにより、排気側ヘッド熱伝達距離XB1が、吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長く設定されている。
ここで図6に示す模式図は、排気側ボルト・ヘッド力点40B1の位置と、吸気側ボルト・ヘッド力点40A1の位置が同じ位置、かつ、排気側シリンダヘッド作用点20B1の位置と、吸気側シリンダヘッド作用点20A1の位置が同じ位置の場合において、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1<吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1とした際の、排気側ヘッド熱伝達距離XB1と吸気側ヘッド熱伝達距離XA1の長さの違いを示している。この図6の模式図からわかるように、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1<吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1の場合では、排気側ヘッド熱伝達距離XB1は、吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長くなる。なお、排気側ヘッド締結距離SB1(図5参照)を、吸気側ヘッド締結距離SA1(図5参照)よりも長くした場合は、説明するまでもなく、排気側ヘッド熱伝達距離XB1が、吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長くなる。
排気側ヘッド熱伝達距離XB1が吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長い場合、排気側ヘッド熱伝達距離XB1が吸気側ヘッド熱伝達距離XA1と同じ場合と比較して、排気側の熱膨張量が緩和される。また、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1<吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1により、薄肉の排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1のほうが剛性が低くなる。
以上の説明では、図4に示すV-Vの位置(ボルト孔24Dとボルト孔22Dの位置)の例で説明したが、同様の位置は複数ある(例えば、ボルト孔24Eとボルト孔22Eの位置)。従って、それぞれの排気側ヘッド熱伝達距離XB1は、それぞれの吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長く設定されている。
●[第1の実施の形態の内燃機関構造の場合の線圧分布(図8)]
図8は、上述した第1の実施の形態の内燃機関構造の場合の線圧分布の例を示している。図8は、図4に示すガスケット孔部20C4の周囲のヘッド側ボアビード部21Aの線圧分布の例を示しており、第1の実施の形態の内燃機関構造における、ガスケット20のヘッド側ボアビード部21Aに掛けられている線圧を計測(あるいはシミュレーション)した例を示している。図8において、点線にて示す線圧分布は内燃機関の冷間時(常温時)の線圧分布である本願常温線圧分布RTAを示し、実線にて示す線圧分布は内燃機関の暖機後(高温時)の線圧分布である本願暖機後線圧分布HTAを示している。なお、排気側ボルトと吸気側ボルトは、内燃機関の冷間時(常温時)において、同一の締め付けトルクにて締め付けられている。
また、線圧(応力)の分布とガスケットにおけるボルト孔の位置との相対的な関係を明確にするため、例としてシリンダに対するボルト孔(22E、22D、24E、24D)の位置を図8に重ねて示している。図8は、ヘッド側ボアビード部21Aにおける線圧[N/mm]の分布を示すレーダーチャートであり、ヘッド側ボアビード部21A(図4、
図5参照)の周方向に沿った線圧[N/mm]の分布を示している。図8において、円の中心(中心軸線CP4の位置)は線圧0を示し、それぞれの円は線圧の大きさ(線圧Pr1~Pr4)を示し、中心(中心軸線CP4の位置)から外側へ向かうに従って大きくなる(線圧0<線圧Pr1<線圧Pr2<線圧Pr3<線圧Pr4)。
図8からわかるように、第1の実施の形態の内燃機関構造により、冷間時(常温時(例えば25[℃]時))の本願常温線圧分布RTAでは、排気ポート側(対称軸線JK1よりも上側)の線圧分布は、吸気ポート側(対称軸線JK1よりも下側)の線圧分布よりも線圧が小さい。しかし、暖機後(高温時)の本願暖機後線圧分布HTAでは、対称軸線JK1に対して、排気ポート側(対称軸線JK1よりも上側)の線圧分布と、吸気ポート側(対称軸線JK1よりも下側)の線圧分布は、ほぼ線対称の線圧となり、差が小さくなっている。従って、ガスケット20の偏摩耗や変形を抑制することができる。
以上に説明した第1の実施の形態では、排気側ヘッド締結距離SB1=吸気側ヘッド締結距離SA1、かつ、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1<吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1、に設定した例を説明した。しかし、排気側ヘッド締結距離SB1>吸気側ヘッド締結距離SA1、かつ、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1=吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1、と設定してもよい。あるいは、排気側ヘッド締結距離SB1>吸気側ヘッド締結距離SA1、かつ、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1<吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1、と設定してもよい。これにより、排気側ヘッド熱伝達距離XB1を、吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長く設定することができる。
また、ガスケット20のヘッド側ボアビード部21Aと、シリンダヘッド30の下端面30Mと、の接触個所における、内燃機関の暖機後の排気側の線圧分布(図8に示す本願暖機後線圧分布HTAにおける対称軸線JK1の上側)と、内燃機関の暖機後の吸気側の線圧分布(図8に示す本願暖機後線圧分布HTAにおける対称軸線JK1の下側)と、の差が低減するように、排気側ヘッド熱伝達距離XB1及び吸気側ヘッド熱伝達距離XA1の長さが調整されている。なお、前記の「線圧分布の差が低減するように」とは、図8に示す本願暖機後線圧分布HTAの排気側(対称軸線JK1の上側)を、対称軸線JK1にて折り返した際、本願暖機後線圧分布HTAの吸気側と、排気側とが、より一致して重なった状態に近づくように、という意味である。なお、線圧分布の差が低減するように、排気側ヘッド熱伝達距離XB1及び吸気側ヘッド熱伝達距離XA1の長さを調整することは、実物を用いた実験や、シミュレーション等にて行うことができる。
●[第2の実施の形態(図5、図7)]
次に図5、図7を用いて、第2の実施の形態の内燃機関構造について説明する。第2の実施の形態では、シリンダブロック10の構造を工夫することで、暖機後(高温時)の吸気ポート側の線圧分布と、暖機後(高温時)の排気ポート側の線圧分布と、の差をより小さくする。
図5に示すように、第1の実施の形態と同様、ガスケット20は、シリンダブロック10の上端面10Mと、シリンダヘッド30の下端面30Mと、の間に挟み込まれている。そしてシリンダブロック10とシリンダヘッド30は、内燃機関の冷間時(常温時)において所定トルクで締め付けられた複数の吸気側ボルト42(図1参照)と複数の排気側ボルト44(図1参照)にて、ガスケット20を押しつぶすように固定されている。
図5において、排気側ボルト44が、シリンダブロック10をシリンダヘッド30の側に押し付ける押付力を付与している個所(排気側ボルト44とシリンダブロック10との締結個所)を排気側ボルト・ブロック力点40B2とする。また、吸気側ボルト42が、シリンダブロック10をシリンダヘッド30の側に押し付ける押付力を付与している個所(吸気側ボルト42とシリンダブロック10との締結個所)を吸気側ボルト・ブロック力点40A2とする。
また図5において、ガスケット20のブロック側ボアビード部21Bと、シリンダブロック10の上端面10Mと、の接触個所において、排気側ボルト・ブロック力点40B2に最も近い位置を排気側シリンダブロック作用点20B2(図4参照)とする。また、ガスケット20のブロック側ボアビード部21Bと、シリンダブロック10の上端面10Mと、の接触個所において、吸気側ボルト・ブロック力点40A2に最も近い位置を吸気側シリンダブロック作用点20A2(図4参照)とする。
そして図5において、排気側ボルト・ブロック力点40B2から、排気側シリンダブロック作用点20B2までにおいて、シリンダブロック10に設けられた空洞部であるブロック側空洞部10A1、10A2、10B1、10B2を除いた実体部での最短経路の距離を排気側ブロック熱伝達距離XB2とする。また図5において、吸気側ボルト・ブロック力点40A2から、吸気側シリンダブロック作用点20A2までにおいて、ブロック側空洞部10A1、10A2、10B1、10B2を除いた実体部での最短経路の距離を吸気側ブロック熱伝達距離XA2とする。なお、ブロック側空洞部10A1、10A2、10B1、10B2は、冷却用クーラントまたは潤滑油が流される(循環される)ブロック側ジャケット部である。
また図5において、シリンダブロック10の上端面10Mから排気側ボルト・ブロック力点40B2までの距離を排気側ブロック締結距離SB2とする。また、シリンダブロック10の上端面10Mから吸気側ボルト・ブロック力点40A2までの距離を吸気側ブロック締結距離SA2とする。
また図5において、排気側シリンダブロック作用点20B2から、対応する排気側ボルト・ブロック力点40B2までのシリンダブロック10内、及び、吸気側シリンダブロック作用点20A2から、対応する吸気側ボルト・ブロック力点40A2までのシリンダブロック10内には、冷却用クーラントまたは潤滑油が流れるブロック側空洞部10A2、10B2(ブロック側ジャケット部)が形成されている。そして排気側シリンダブロック作用点20B2からブロック側空洞部10B2(ブロック側ジャケット部)までのシリンダブロック10の実体部の肉厚を排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2とする。また吸気側シリンダブロック作用点20A2からブロック側空洞部10A2(ブロック側ジャケット部)までのシリンダブロック10の実体部の肉厚を吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2とする。
図5に示す例では、排気側ブロック締結距離SB2=吸気側ブロック締結距離SA2に設定されているが、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2<吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2に設定されている。これにより、排気側ブロック熱伝達距離XB2が、吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長く設定されている。
ここで図7に示す模式図は、排気側ボルト・ブロック力点40B2の位置と、吸気側ボルト・ブロック力点40A2の位置が同じ位置、かつ、排気側シリンダブロック作用点20B2の位置と、吸気側シリンダブロック作用点20A2の位置が同じ位置の場合において、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2<吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2とした際の、排気側ブロック熱伝達距離XB2と吸気側ブロック熱伝達距離XA2の長さの違いを示している。この図7の模式図からわかるように、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2<吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2の場合では、排気側ブロック熱伝達距離XB2は、吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長くなる。なお、排気側ブロック締結距離SB2(図5参照)を、吸気側ブロック締結距離SA2(図5参照)よりも長くした場合は、説明するまでもなく、排気側ブロック熱伝達距離XB2が、吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長くなる。
排気側ブロック熱伝達距離XB2が吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長い場合、排気側ブロック熱伝達距離XB2が吸気側ブロック熱伝達距離XA2と同じ場合と比較して、排気側の熱膨張量が緩和される。また、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2<吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2により、薄肉の排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2のほうが剛性が低くなる。
以上の説明では、図4に示すV-Vの位置(ボルト孔24Dとボルト孔22Dの位置)の例で説明したが、同様の位置は複数ある(例えば、ボルト孔24Eとボルト孔22Eの位置)。従って、それぞれの排気側ブロック熱伝達距離XB2は、それぞれの吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長く設定されている。
●[第2の実施の形態の内燃機関構造の場合の線圧分布(図8)]
第2の実施の形態の場合も、第1の実施の形態と同様の、図8に示す線圧分布を得ることができる。なお図8の線圧分布についてはすでに説明しているので説明を省略する。
以上に説明した第2の実施の形態では、排気側ブロック締結距離SB2=吸気側ブロック締結距離SA2、かつ、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2<吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2、に設定した例を説明した。しかし、排気側ブロック締結距離SB2>吸気側ブロック締結距離SA2、かつ、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2=吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2、と設定してもよい。あるいは、排気側ブロック締結距離SB2>吸気側ブロック締結距離SA2、かつ、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2<吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2、と設定してもよい。これにより、排気側ブロック熱伝達距離XB2を、吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長く設定することができる。
また、ガスケット20のブロック側ボアビード部21Bと、シリンダブロック10の上端面10Mと、の接触個所における、内燃機関の暖機後の排気側の線圧分布(図8に示す本願暖機後線圧分布HTAにおける対称軸線JK1の上側)と、内燃機関の暖機後の吸気側の線圧分布(図8に示す本願暖機後線圧分布HTAにおける対称軸線JK1の下側)と、の差が低減するように、排気側ブロック熱伝達距離XB2及び吸気側ブロック熱伝達距離XA2の長さが調整されている。なお、前記の「線圧分布の差が低減するように」とは、本願暖機後線圧分布HTAの排気側(対称軸線JK1の上側)を、対称軸線JK1にて折り返した際、本願暖機後線圧分布HTAの吸気側と、排気側とが、より一致して重なった状態に近づくように、という意味である。なお、線圧分布の差が低減するように、排気側ブロック熱伝達距離XB2及び吸気側ブロック熱伝達距離XA2の長さを調整することは、実物を用いた実験や、シミュレーション等にて行うことができる。
●[従来の内燃機関構造の場合の線圧分布(図9)]
図9は、従来の内燃機関構造の場合における線圧分布の例を示している。なお、従来の内燃機関構造とは、図5に示す構造に対して、排気側ヘッド・ジャケット肉厚TB1=吸気側ヘッド・ジャケット肉厚TA1、かつ、排気側ヘッド締結距離SB1=吸気側ヘッド締結距離SA1にて、排気側ヘッド熱伝達距離XB1=吸気側ヘッド熱伝達距離XA1、に設定された構造である。かつ、排気側ブロック・ジャケット肉厚TB2=吸気側ブロック・ジャケット肉厚TA2、かつ、排気側ブロック締結距離SB2=吸気側ブロック締結距離SA2にて、排気側ブロック熱伝達距離XB2=吸気側ブロック熱伝達距離XA2、に設定された構造である。
図9は、従来の内燃機関構造における、ガスケットのヘッド側ボアビード部に掛けられている線圧を計測(あるいはシミュレーション)した例を示している。図9において、点線にて示す線圧分布は内燃機関の冷間時(常温時)の線圧分布である従来常温線圧分布RTZを示し、実線にて示す線圧分布は内燃機関の暖機後(高温時)の線圧分布である従来暖機後線圧分布HTZを示している。なお、排気側ボルトと吸気側ボルトは、内燃機関の冷間時(常温時)において、同一の締め付けトルクにて締め付けられている。
図9からわかるように、従来の内燃機関構造では、冷間時(常温(例えば25[℃])時)である従来常温線圧分布RTZは、吸気ポート側(図9における対称軸線JK1よりも下側)と、排気ポート側(図9における対称軸線JK1よりも上側)とは、対称軸線JK1に対してほぼ線対称となっており、差が小さい(吸気側と排気側との差が小さい)。これは、排気側ボルトと吸気側ボルトは、内燃機関の冷間時(常温時)において、同一の締め付けトルクにて締め付けられていることに起因している。なお、ボルト孔22E、22D、24E、24Dの近傍の線圧は、他の場所の線圧よりも大きくなる傾向がある。
しかし、図9からわかるように、従来の内燃機関構造では、暖機後(高温時)である従来暖機後線圧分布HTZは、吸気ポート側も排気ポート側も線圧が増加するが、排気ボート側の増加度合いが、吸気ポート側の増加度合いよりも大きい。内燃機関の暖機後では、吸気ポート側の内燃機関の温度(例えば100[℃]程度)に対して、排気ポート側の内燃機関の温度(例えば600[℃]程度)のほうが非常に高くなる。従って、シリンダブロック、シリンダヘッドでは、吸気側の熱膨張量よりも排気側の熱膨張量のほうが大きくなり、吸気側ボルトの熱膨張量よりも排気側ボルトの熱膨張量のほうが大きくなる。このため、図9からわかるように、従来の内燃機関構造では、暖機後(高温時)である従来暖機後線圧分布HTZは、吸気ポート側(図9における対称軸線JK1よりも下側)よりも、排気ポート側(図9における対称軸線JK1よりも上側)のほうが全体的に線圧が高くなる。これにより、各部分の相対的な熱膨張量の差が発生してガスケットとシリンダヘッド(またはガスケットとシリンダブロック)の接触個所が偏摩耗したり、ガスケットに掛けられる線圧の差によるガスケットの変形等が発生したりする可能性があるので、好ましくない。
●[本願の効果]
以上に説明したように、第1の実施形態の内燃機関構造では、シリンダヘッド30の構造を工夫して、図5に示す排気側ヘッド熱伝達距離XB1を、吸気側ヘッド熱伝達距離XA1よりも長く設定する。これにより、ガスケット20のヘッド側ボアビード部21Aにかかる吸気側の線圧分布と、排気側の線圧分布と、の差を小さくすることが可能となり、燃焼室周辺の部品(例えばガスケット20)の変形や偏摩耗を回避することができる。また、吸気側ボルトと排気側ボルトを、同じ材質、同じ締め付けトルクとしているので、誤組み付けを防止できる。
また、第2の実施形態の内燃機関構造では、シリンダブロック10の構造を工夫して、図5に示す排気側ブロック熱伝達距離XB2を、吸気側ブロック熱伝達距離XA2よりも長く設定する。これにより、ガスケット20のブロック側ボアビード部21Bにかかる吸気側の線圧分布と、排気側の線圧分布と、の差を小さくすることが可能となり、燃焼室周辺の部品(例えばガスケット20)の変形や偏摩耗を回避することができる。また、吸気側ボルトと排気側ボルトを、同じ材質、同じ締め付けトルクとしているので、誤組み付けを防止できる。
本発明の内燃機関構造は、本実施の形態で説明した構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、本発明の内燃機関構造は、4気筒に限定されず、単数のあるいは複数の気筒を有する内燃機関に適用できる。
本実施の形態にて説明した内燃機関構造は、一般車両、産業車両、発電システム等、種々の用途、種々の燃料の内燃機関に適用することができる。また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
1 内燃機関
10 シリンダブロック
10A1、10A2 ブロック側空洞部(ブロック側ジャケット部)
10B1、10B2 ブロック側空洞部(ブロック側ジャケット部)
10C シリンダ
10M 上端面
12、12A~12E ボルト締結孔
14、14A~14E ボルト締結孔
20 ガスケット(ヘッドガスケット)
20C、20C1~20C4 ガスケット孔部
20A1 吸気側シリンダヘッド作用点
20B1 排気側シリンダヘッド作用点
20A2 吸気側シリンダブロック作用点
20B2 排気側シリンダブロック作用点
21A ヘッド側ボアビード部
21B ブロック側ボアビード部
22、22A~22E ボルト孔
24、24A~24E ボルト孔
30 シリンダヘッド
30A、30B、30C ヘッド側空洞部(ヘッド側ジャケット部)
30M 下端面
32、32A~32E ボルト挿通孔
34、34A~34E ボルト挿通孔
40A1 吸気側ボルト・ヘッド力点
40B1 排気側ボルト・ヘッド力点
40A2 吸気側ボルト・ブロック力点
40B2 排気側ボルト・ブロック力点
42 吸気側ボルト(ヘッドボルト)
44 排気側ボルト(ヘッドボルト)
CP1~CP4 中心軸線
JK1 対称軸線
HTA 本願暖機後線圧分布
RTA 本願常温線圧分布
HTZ 従来暖機後線圧分布
RTZ 従来常温線圧分布
SA1 吸気側ヘッド締結距離
SB1 排気側ヘッド締結距離
SA2 吸気側ブロック締結距離
SB2 排気側ブロック締結距離
TA1 吸気側ヘッド・ジャケット肉厚
TB1 排気側ヘッド・ジャケット肉厚
TA2 吸気側ブロック・ジャケット肉厚
TB2 排気側ブロック・ジャケット肉厚
XA1 吸気側ヘッド熱伝達距離
XB1 排気側ヘッド熱伝達距離
XA2 吸気側ブロック熱伝達距離
XB2 排気側ブロック熱伝達距離

Claims (8)

  1. シリンダブロックの上端面とシリンダヘッドの下端面の間にガスケットが挟み込まれ、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドが、複数のボルトを用いて所定トルクにて前記ガスケットを押しつぶすように固定されている、内燃機関構造において、
    複数の前記ボルトは、吸気側に取り付けられた複数の吸気側ボルトと、排気側に取り付けられた複数の排気側ボルトと、に分けられており、
    前記ガスケットには、対向しているシリンダの形状に沿う孔部であるガスケット孔部が形成されており、
    前記ガスケット孔部の周囲には、対向している前記シリンダの形状に沿って前記シリンダヘッドの側に突出するヘッド側ボアビード部が形成されており、
    それぞれの前記排気側ボルトが前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの排気側ボルト・ヘッド力点から、前記ガスケットの前記ヘッド側ボアビード部と前記シリンダヘッドの下端面との接触個所においてそれぞれの前記排気側ボルト・ヘッド力点に最も近い位置となるそれぞれの排気側シリンダヘッド作用点までにおいて、前記シリンダヘッドに設けられた空洞部であるヘッド側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの排気側ヘッド熱伝達距離と、
    それぞれの前記吸気側ボルトが前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの吸気側ボルト・ヘッド力点から、前記ガスケットの前記ヘッド側ボアビード部と前記シリンダヘッドの下端面との接触個所においてそれぞれの前記吸気側ボルト・ヘッド力点に最も近い位置となるそれぞれの吸気側シリンダヘッド作用点までにおいて、前記シリンダヘッドに設けられた前記ヘッド側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの吸気側ヘッド熱伝達距離と、
    を有しており、
    それぞれの前記排気側ヘッド熱伝達距離は、それぞれの前記吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている、
    内燃機関構造。
  2. 請求項1に記載の内燃機関構造であって、
    それぞれの前記排気側シリンダヘッド作用点から、対応するそれぞれの前記排気側ボルト・ヘッド力点までの前記シリンダヘッド内、及び、それぞれの前記吸気側シリンダヘッド作用点から、対応するそれぞれの前記吸気側ボルト・ヘッド力点までの前記シリンダヘッド内には、冷却用クーラントまたは潤滑油が流される前記ヘッド側空洞部であるヘッド側ジャケット部がそれぞれ形成されており、
    前記排気側シリンダヘッド作用点から前記ヘッド側ジャケット部までの前記シリンダヘッドの実体部の肉厚である排気側ヘッド・ジャケット肉厚が、
    前記吸気側シリンダヘッド作用点から前記ヘッド側ジャケット部までの前記シリンダヘッドの実体部の肉厚である吸気側ヘッド・ジャケット肉厚よりも薄肉に設定されていることで、それぞれの前記排気側ヘッド熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている、
    内燃機関構造。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関構造であって、
    前記シリンダヘッドの下端面からそれぞれの前記排気側ボルト・ヘッド力点までの距離であるそれぞれの排気側ヘッド締結距離が、
    前記シリンダヘッドの下端面からそれぞれの前記吸気側ボルト・ヘッド力点までの距離であるそれぞれの吸気側ヘッド締結距離よりも長く設定されていることで、それぞれの前記排気側ヘッド熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ヘッド熱伝達距離よりも長く設定されている、
    内燃機関構造。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関構造であって、
    前記ガスケットの前記ヘッド側ボアビード部と前記シリンダヘッドの下端面との接触個所における、内燃機関の暖機後の排気側の線圧分布と、前記内燃機関の暖機後の吸気側の線圧分布との差が低減するように前記排気側ヘッド熱伝達距離及び前記吸気側ヘッド熱伝達距離の長さが調整されている、
    内燃機関構造。
  5. シリンダブロックの上端面とシリンダヘッドの下端面の間にガスケットが挟み込まれ、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドが、複数のボルトを用いて所定トルクにて前記ガスケットを押しつぶすように固定されている、内燃機関構造において、
    複数の前記ボルトは、吸気側に取り付けられた複数の吸気側ボルトと、排気側に取り付けられた複数の排気側ボルトと、に分けられており、
    前記ガスケットには、対向しているシリンダの形状に沿う孔部であるガスケット孔部が形成されており、
    前記ガスケット孔部の周囲には、対向している前記シリンダの形状に沿って前記シリンダブロックの側に突出するブロック側ボアビード部が形成されており、
    それぞれの前記排気側ボルトが前記シリンダブロックを前記シリンダヘッドの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの排気側ボルト・ブロック力点から、前記ガスケットの前記ブロック側ボアビード部と前記シリンダブロックの上端面との接触個所においてそれぞれの前記排気側ボルト・ブロック力点に最も近い位置となるそれぞれの排気側シリンダブロック作用点までにおいて、前記シリンダブロックに設けられた空洞部であるブロック側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの排気側ブロック熱伝達距離と、
    それぞれの前記吸気側ボルトが前記シリンダブロックを前記シリンダヘッドの側へ押し付ける押付力を付与しているそれぞれの吸気側ボルト・ブロック力点から、前記ガスケットの前記ブロック側ボアビード部と前記シリンダブロックの上端面との接触個所においてそれぞれの前記吸気側ボルト・ブロック力点に最も近い位置となるそれぞれの吸気側シリンダブロック作用点までにおいて、前記シリンダブロックに設けられた前記ブロック側空洞部を除いた実体部での最短経路の距離であるそれぞれの吸気側ブロック熱伝達距離と、
    を有しており、
    それぞれの前記排気側ブロック熱伝達距離は、それぞれの前記吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている、
    内燃機関構造。
  6. 請求項5に記載の内燃機関構造であって、
    それぞれの前記排気側シリンダブロック作用点から、対応するそれぞれの前記排気側ボルト・ブロック力点までの前記シリンダブロック内、及び、それぞれの前記吸気側シリンダブロック作用点から、対応するそれぞれの前記吸気側ボルト・ブロック力点までの前記シリンダブロック内には、冷却用クーラントまたは潤滑油が流される前記ブロック側空洞部であるブロック側ジャケット部がそれぞれ形成されており、
    前記排気側シリンダブロック作用点から前記ブロック側ジャケット部までの前記シリンダブロックの実体部の肉厚である排気側ブロック・ジャケット肉厚が、
    前記吸気側シリンダブロック作用点から前記ブロック側ジャケット部までの前記シリンダブロックの実体部の肉厚である吸気側ブロック・ジャケット肉厚よりも薄肉に設定されていることで、それぞれの前記排気側ブロック熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている、
    内燃機関構造。
  7. 請求項5または6に記載の内燃機関構造であって、
    前記シリンダブロックの上端面からそれぞれの前記排気側ボルト・ブロック力点までの距離であるそれぞれの排気側ブロック締結距離が、
    前記シリンダブロックの上端面からそれぞれの前記吸気側ボルト・ブロック力点までの距離であるそれぞれの吸気側ブロック締結距離よりも長く設定されていることで、それぞれの前記排気側ブロック熱伝達距離が、それぞれの前記吸気側ブロック熱伝達距離よりも長く設定されている、
    内燃機関構造。
  8. 請求項5~7のいずれか一項に記載の内燃機関構造であって、
    前記ガスケットの前記ブロック側ボアビード部と前記シリンダブロックの上端面との接触個所における、内燃機関の暖機後の排気側の線圧分布と、前記内燃機関の暖機後の吸気側の線圧分布との差が低減するように前記排気側ブロック熱伝達距離及び前記吸気側ブロック熱伝達距離の長さが調整されている、
    内燃機関構造。

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