JP6384202B2 - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子及び波長変換層を備える発光装置の製造方法に関する。
発光ダイオード等の半導体発光素子を用いた発光装置は小型化が容易で、かつ高い発光効率が得られることから広く用いられている。半導体発光素子を用いた発光装置は、大別すると、半導体発光素子にパッド電極を設ける面が、実装基板と反対側の面であるフェイスアップ型と、実装基板と対向する面である発光素子の下面に電極を設けたフェイスダウン型の2種類がある。
フェイスダウン型では、半導体発光素子の表面に設けたパッド電極と、実装基板上に設けた配線とを、実装基板の表面に垂直な方から平面視した場合に半導体発光素子の大きさの範囲内に位置するバンプ又は金属ピラー等の接続手段により電気的に接続することが可能である。これにより、発光装置のサイズ(とりわけ実装基板に垂直な方向から平面視したサイズ)を発光素子のチップに近いレベルまで小型化したCSP(Chip Size Package又はChip Scale Package)を実現することができる。
そして、最近ではより一層の小型化を進めるため、又は発光効率をより高めるために、サファイア等の成長基板(透光性基板)を除去、又はその厚さを薄くしたフェイスダウン型の発光装置が用いられている。
成長基板は、その上に半導体発光素子を構成するn型半導体層及びp型半導体層を成長させるために用いる基板であって、厚さが薄く強度の低い半導体発光素子を支持することにより発光装置の強度を向上させる効果も有している。
このため、半導体発光素子を形成した後に、成長基板を除去した発光装置又は成長基板の厚さを薄くした発光装置では、例えば、特許文献1に示されるように、発光素子を支持するために電極側(実装基板と対向する側)に樹脂層を設けるとともに、この樹脂層を貫く金属ピラーを形成して、この金属ピラーにより発光素子の電極と実装基板に設けた配線(配線層)とを電気的に接続している。
そして、この金属ピラーを含む樹脂層を有することで発光装置は十分な強度を確保することができる。
一方、例えば、特許文献1には、半導体発光素子の裏面側、すなわち基体としての樹脂層と反対側に蛍光体を含有する樹脂層(蛍光体層)を設けた発光装置が開示されている。この発光装置は、樹脂層に含有される蛍光体によって半導体発光素子が発する光(例えば、青色光)の一部を異なる波長の光(例えば、黄色光)に変換し、波長を変換後の光と未変換の光とを混色させることで、異なる色の光(例えば、白色光)を生成する。
特開2011−258657号公報
特許文献1に開示されたような構成の発光装置は、半導体発光素子を機械的な衝撃から、又は外気から保護するために、基体としての樹脂層が、平面視で半導体発光素子を包含するように設けられることが好ましい。また、半導体発光素子の半導体層側に基体である樹脂層を形成した後に、成長基板を剥離し、その後に基体である樹脂層と反対側に蛍光体層が形成される。このとき、蛍光体層が、基体である樹脂層と平面視で同じ形状になるように設けると、平面視で半導体発光素子の外側の領域である発光装置の外周領域にまで蛍光体層が延在することになる。そして、蛍光体層が外周領域にまで延在すると、当該外周領域では、主として蛍光体層による黄色光が発せられる。このため、平面視で半導体発光素子と重なる領域と、外周領域とでは、発光装置から発せられる光の色調が異なることとなる。すなわち、発光装置の配光特性にむらが生じることになる。従って、配光特性の観点からは、蛍光体層を、外周領域に設けないようにすることが好ましい。
特許文献1には、ナノインプリント法やモールド法により、蛍光体層を所定の領域に形成する方法が開示されている。また、蛍光体層を形成する他の方法として、インクジェット法やディスペンス法などを用いることが開示されている。
しかしながら、ナノインプリント法やモールド法では、高価な成形型を用いる必要がある。また、インクジェット法やディスペンス法では、微少な液滴を所定の領域に塗布する必要があるため、塗布装置自体が高価であるだけでなく、高い生産性を得難いという問題がある。
そこで、本発明は、波長変換層を備え、配光特性が良好なCSP型の発光装置を、簡便に、生産性よく製造する方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基板と、前記基板に積層された複数の半導体積層体とを有し、平面視で複数の前記半導体積層体のそれぞれの外周領域に前記基板の上面が露出したウエハを準備するウエハ準備工程と、前記基板の上面と前記半導体積層体の上面とを一体的に被覆する分離層を形成する分離層形成工程と、前記分離層上に支持部材を形成する支持部材形成工程と、前記基板を除去する基板除去工程と、前記半導体積層体及び前記分離層の前記基板が除去された側に、波長変換部材を含有する樹脂からなる波長変換層を形成する波長変換層形成工程と、前記外周領域に設けられた前記波長変換層を除去する波長変換層除去工程と、を有する。
本発明の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、波長変換層を裏面側の全面に形成した後に、分離層を境界として外周領域の波長変換層を除去するため、良好な配光特性の発光装置を、簡便で生産性よく製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のI−I線における断面図である。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図であり、(a)は図1(a)のII−II線における断面図であり、(b)は図1(a)のIII−III線における断面図である。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の詳細な構成を示す模式的拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の一部を示す模式的断面図であり、(a)は半導体積層体形成工程、(b)はn型半導体層露出工程、(c)は全面電極形成工程を示す。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の一部を示す模式的断面図であり、(a)は酸化物層形成工程、(b)は金属層形成工程を示す。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の一部を示す模式的断面図であり、(a)は支持部材形成工程、(b)は内部配線形成工程を示す。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の一部を示す模式的断面図であり、(a)は外部接続用電極形成工程、(b)は成長基板除去工程を示す。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の一部を示す模式的断面図であり、(a)は波長変換層形成工程を示し、(b)は波長変換層除去工程の途中を示す。 本発明の第1実施形態に係る発光装置の製造方法における工程の一部を示す模式的断面図であり、(a)は波長変換層除去工程、(b)は個片化工程を示す。 本発明の第2実施形態に係る発光装置の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第2実施形態に係る発光装置の詳細な構成を示す模式的拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る発光装置の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第3実施形態に係る発光装置の詳細な構成を示す模式的拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
なお、以下の説明において参照する図面は、本発明の実施形態を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、平面図とその断面図において、各部材のスケールや間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
また、本発明の各実施形態に係る発光装置及びその製造方法において、「上」、「下」、「左」及び「右」などは、状況に応じて入れ替わるものである。本明細書において、「上」、「下」などは、説明のために参照する図面において構成要素間の相対的な位置を示すものであって、特に断らない限り絶対的な位置を示すことを意図したものではない。
<第1実施形態>
[発光装置の構成]
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る発光装置の構成について説明する。
第1実施形態に係る発光装置100は、図1〜図3に示すように、外形が略直方体形状をしており、成長基板が除去されたLED(発光ダイオード)構造を有する半導体発光素子1(以下、適宜に「発光素子」と呼ぶ)と、発光素子1の一方の面側に設けられた基体2と、発光素子1の他方の面側に設けられた波長変換層3とから構成されるCSPである。発光素子1の一方の面側には、n側電極13及びp側電極15が設けられ、基体2の母体である支持部材21内に設けられた金属層である内部配線22n,22pを介して、それぞれ、支持部材21に設けられた対応する極性の外部接続用電極23n,23pと電気的に接続されている。
なお、詳細は後記するが、発光装置100は、ウエハレベルで作製されるWCSP(ウエハレベルプロセスによるCSP)である。
また、発光装置100は、波長変換層3によって、発光素子1が発する光の一部又は全部を異なる波長の光に変換し、波長変換した光又は波長変換した光及び発光素子1が発した光を出力光とするものである。例えば、発光素子1が青色光を発し、波長変換層3が青色光の一部を吸収して黄色光に波長変換するように構成することで、発光装置100を、青色光と黄色光とを混色した白色光を出力する白色光源とすることができる。
次に、発光装置100の各部の構成について順次に詳細に説明する。
発光素子1は、平面視で略長方形の板状の形状を有しており、一方の面側にn側電極13及びp側電極15を備えたフェイスダウン型のLEDチップである。
発光素子1は、n型半導体層12nとp型半導体層12pとを積層した半導体積層体12を備えている。半導体積層体12は、n側電極13及びp側電極15間に電流を通電することにより発光するようになっており、n型半導体層12nとp型半導体層12pとの間に活性層12aを備えることが好ましい。
半導体積層体12には、p型半導体層12p及び活性層12aが部分的に存在しない領域、すなわちp型半導体層12pの表面から凹んで底面をn型半導体層12nとする領域(この領域を「段差部12b」と呼ぶ)が形成されている。また、段差部12bの底面の一部に設けられた酸化物層16の開口部16nで、n型半導体層12nとn側電極13とが電気的に接続されている。半導体積層体12のp型半導体層12pの上面の略全面には、光反射性を有する全面電極14が設けられている。また、酸化物層16は、段差部12bの底面に開口部16nを有するとともに、全面電極14の上面の一部に開口部16pを有し、全面電極14の上面及び側面、並びに半導体積層体12の上面及び段差部12bの側面を被覆している。
なお、p型半導体層12pは、半導体積層体12の外縁部に限らず、半導体積層体12の内側の領域に設けてもよい。
また、発光素子1は、p側のパッド電極であるp側電極15が、全面電極14の上面の一部に設けられた開口部16p内に設けられているとともに、n側のパッド電極であるn側電極13が、p側電極15が設けられた領域及びその近傍を除き、半導体積層体12の上面及び側面の略全面に亘って、酸化物層16を介して延在するように設けられている。すなわち、発光素子1は、半導体積層体12の一方の面側に、n側電極13及びp側電極15が設けられている。
半導体積層体12(n型半導体層12n、活性層12a及びp型半導体層12p)は、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等の窒化物系の半導体が好適に用いられる。また、これらの半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、活性層12aは、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
全面電極14は、電流拡散層及び光反射層としての機能を有するものであり、図3に示すように、下層側から順に、第1層14a、第2層14b、第3層14c及び第4層14dが、平面視で重なるように積層されている。更に、第5層14eが、第1層14aから第4層14dからなる積層膜の上面及び側面を完全に被覆するように設けられている。
第1層14aは、良好な導電性と光反射性とを有する金属材料を用いることができる。特に可視光領域で良好な光反射性を有する金属材料としては、Ag、Al又はこれらの何れかの金属を主成分とする合金を好適に用いることができる。また、第2層14bから第4層14dは、特に、第1層14aを、例えばAgで構成した場合に、Agのマイグレーションを防止するためのバリア機能を有するとともに、更に外側に設けられるバリア層である第5層14eとの密着性を向上させる機能を有する層である。
また、第5層14eは、第1層14aを構成する材料のマイグレーションを防止するためのカバー電極であり、良好な導電性とバリア性とを有する金属材料を用いることができる。更に、第5層14eの端部は、p型半導体層12pと接するように設けられるため、光反射性の良好な材料を用いることが好ましい。
第1層14a〜第5層14eに用いる材料の例としては、この順に、それぞれAg、Ni、Ti、Ru及びAl−Cu合金を挙げることができる。
なお、全面電極14は、単一層で構成してもよく、第1層14aから第4層14dを光反射性に優れる単一層の光反射層とし、第5層14eを当該光反射層を構成する材料のマイグレーションを防止するためのカバー電極とする2層構造で形成してもよい。
n側電極(金属層)13及びp側電極15は、発光素子1の正負のパッド電極である。
n側電極13は、段差部12bの底面における酸化物層16の開口部16nで、n型半導体層12nと電気的に接続されている。n型半導体層12nとn側電極13との接合部となる開口部16nは、図1(a)にハッチングを施して示すように、半導体積層体12の外周部の全周に亘って設けられている。このように広範囲に亘って開口部16nを設けることにより、n側電極13を介して供給される電流を、n型半導体層12nに均等に拡散できるため、発光効率を向上させることができる。
また、p側電極15は、全面電極14の上面において、酸化物層16の開口部16p内に設けられている。
n側電極13及びp側電極15には、図1(b)及び図2に示したように、基体2の内部配線22n,22pが接続される。
また、このように、n側電極13を、発光素子1の上面及び側面に広範囲に設けることにより、後記する支持部材21に対して効率的に熱を伝導させることで放熱性を向上させることがきる。
なお、本実施形態では、n側電極13を発光素子1上に広範囲に設けるようにしたが、n側電極13に代えて、又は加えて、p側電極15を発光素子1上に広範囲に設けるようにしてもよい。
n側電極13及びp側電極15としては、金属材料を用いることができ、例えば、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Cu、Ti、Pt、Pd、Mo、Cr、Wなどの単体金属又はこれらの金属を主成分とする合金などを好適に用いることができる。なお、合金を用いる場合は、例えば、Al−Si−Cu合金(ASC)のように、組成元素としてSiなどの非金属元素を含有するものであってもよい。また、n側電極13及びp側電極15は、これらの金属材料を単層で、又は積層したものを利用することができる。積層構造としては、半導体積層体12側から順に、例えば、Ti/ASC/NiやTi/ASC/Pdとすることができる。
本実施形態において、n側電極13及びp側電極15は4層構造となっている。p側電極15の積層構造はn側電極13の積層構造と同じであるから、n側電極13の積層構造について説明する。
本実施形態において、最上層である第4層13dと支持部材21との界面は、外周領域10において波長変換層3を支持部材21側から剥離する際の分離境界となる。そのため、第4層13dは、支持部材21との密着力が、n側電極13と酸化物層16との密着力及び酸化物層16と波長変換層3との密着力よりも低くなる材料が用いられる。従って、支持部材21と金属層であるn側電極13との界面で、発光装置の外周領域10において、波長変換層3を含む層が剥離されるように材料が選択される。
また、酸化物で構成される酸化物層16と接する第1層13aは、酸化物層16の最上層である第2層16bと良好な密着力が得られる材料が選択される。更に、外周領域10以外に設けられるn側電極13は、半導体積層体12が発する光を反射する光反射層としても機能するため、第1層13aとしては、光反射性が良好なAl又はAl合金を用いることが好ましい。
また、n側電極13の第2層13b及び第3層13cは、第1層13aと第4層13dとの密着性などを考慮して、それぞれ材料が選択される。
なお、各層間の密着力の大小関係を利用して、外周領域10の波長変換層3を剥離する方法の詳細、及び各層の具体的な材料構成については後記する。
なお、本実施形態では、製造工程の途中において、n側電極13が外周領域10にまで延在するように形成されるが、n側電極13に代えて、又は加えて、p側電極15を外周領域まで延在するように形成してもよい。その場合は、p側電極15の積層構造を、前記したn側電極13の積層構造と同様に構成すればよい。
酸化物層16は、透光性を有し、金属酸化物又は半金属の酸化物からなる膜である。酸化物層16は、半導体積層体12及び全面電極14を保護するための保護膜であり、かつ、n側電極13を半導体積層体12及び全面電極14上の広範囲に延在させるための層間絶縁膜である。酸化物層16は、図3に示すように、第1層16a及び第2層16bが積層されて構成されている。
酸化物層16を構成する各層は、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Al、Hfからなる群より選択された少なくとも一種を含有する酸化物を好適に用いることができる。また、酸化物層16として、屈折率の異なる2種以上の透光性誘電体を用いて積層し、DBR(Distributed Bragg Reflector)膜を構成するようにしてもよい。
外周領域10における第1層16aは、成長基板除去工程S109(図4参照)において、LLO(レーザ・リフト・オフ)法により、成長基板11(図8参照)を半導体積層体12から剥離する際に、境界領域12cにおいて成長基板11と接する酸化物層16から当該成長基板11を剥離するために分離する層である。第1層16aとしては、Nbをより好適に用いることができる。
第2層16bは、保護膜及び絶縁膜としての酸化物層16の主層である。第2層16bとしては、透光性及び絶縁性の良好な材料が好ましく、SiOをより好適に用いることができる。
なお、図1〜図3に示した発光素子1は、一例を示したものであり、これに限定されるものではない。発光素子1は、n側電極13及びp側電極15が半導体積層体12の一方の面側に設けられていればよく、段差部12b、n側電極13及びp側電極15の配置領域などは適宜に定めることができる。
基体2は、平面視で発光素子1の外形を内包する直方体形状をしており、発光素子1のn側電極13及びp側電極15が設けられた面側と接合するように設けられ、成長基板11(図5等参照)が除去された発光素子1の構造を機械的に保つための補強部材である。また、基体2は、平面視で波長変換層3と略同じ外形形状をしている。
基体2は、支持部材21と、実装基板に実装するための外部接続用電極23n,23pと、n側電極13及びp側電極15を、それぞれ対応する極性の外部接続用電極23n,23pと電気的に接続するための内部配線22n,22pとを備えている。
支持部材21は、発光素子1の補強部材としての母体である。また、支持部材21は、図1及び図2に示すように、基体2の外形形状と略同じであり、平面視で、発光素子1の外形形状を内包する外形形状をしている。また、支持部材21は、発光素子1の上面を封止する封止部材である。また、支持部材21は、平面視で半導体積層体12よりも外側の領域である外周領域10において、下面が発光素子1及び波長変換層3の何れとも接さずに露出している。
詳細は後記するが、図3に示すように、外周領域10に設けられる波長変換層3は、表面に粘着性を有するシート50を用いて支持部材21から剥離することで除去される。また、外周領域10における波長変換層3を除去する際に、外周領域10におけるn側電極13と支持部材21との界面で剥離されるため、波長変換層3とともに、n側電極13及び酸化物層16も除去される。このため、支持部材21は、外周領域10の下面が露出している。
また、支持部材21の上面に、外部接続用電極23n,23pが設けられている。そして、支持部材21は、n側電極13及び外部接続用電極23nの間を電気的に接続するための内部配線22nと、p側電極15及び外部接続用電極23pの間を電気的に接続するための内部配線22pとを内在している。
支持部材21の樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂を挙げることができる。また、圧縮成型により支持部材21を形成する場合は、原料として、例えば、粉状のエポキシ系樹脂であるEMC(エポキシ・モールド・コンパウンド)や粉状のシリコーン系樹脂であるSMC(シリコーン・モールド・コンパウンド)などを好適に用いることができる。
支持部材21は、成長基板が剥離された発光素子1の補強部材として十分な強度を有するように、厚さが30μm以上程度とすることが好ましい。また、支持部材21は、生産性を考慮して、厚さが500μm以下程度とすることが好ましい。
また、支持部材21には、熱伝導性を高めるため、熱伝導部材を含有させるようにしてもよい。支持部材21の熱伝導率を高めることにより、発光素子1が発生した熱を迅速に伝導して外部に放熱させることができる。
熱伝導部材としては、例えば、粒状のカーボンブラックやAlN(窒化アルミニウム)などを用いることができる。なお、熱伝導部材が導電性を有する材料の場合は、支持部材21が導電性を有さない範囲の粒子密度で熱伝導部材を含有させるものとする。
また、支持部材21として、透光性の樹脂材料に光反射性のフィラーを含有させた白色樹脂を用いるようにしてもよい。少なくとも、発光素子1の上面に接合する支持部材21の下層部に白色樹脂を用いて、発光素子1に隣接する側の支持部材21を光反射膜として機能させることにより、発光素子1の上面及び側面側から漏出する光を発光素子1内に戻すことができるため、発光素子1の光取り出し面である下面側からの光取り出し効率を向上させることができる。
内部配線22nは、支持部材21の内部に設けられ、n側電極13と外部接続用電極23nとの間を電気的に接続するためのものである。内部配線22nの下面は、n側電極13の上面と接合され、内部配線22nの上面は、外部接続用電極23nと接合されている。
また、内部配線22pは、支持部材21の内部に設けられ、p側電極15と外部接続用電極23pとの間を電気的に接続するためのものである。内部配線22pの下面は、p側電極15の上面と接合され、内部配線22pの上面は、外部接続用電極23pと接合されている。
また、内部配線22n,22pは、発光素子1が発生した熱を放熱するための熱伝達経路としても機能する。
内部配線22n,22pは、それぞれn側電極13及びp側電極15上に電解メッキ法でメッキ成長させた金属層として形成することができる。また、金属ワイヤの一端をn側電極13又はp側電極15にワイヤボンディングし、上方に張架することで形成することもできる。また、金属ワイヤをボールボンディングする際に形成されるワイヤバンプを、上方向に積層したバンプ積層体として形成することもできる。更にまた、これらを組み合わせて形成することもできる。
内部配線22n,22pとしては、良好な電気伝導性及び熱伝導性を有する材料を用いることが好ましく、例えば、Au、Cu、Al、Ag又はこれらの金属を主成分とする合金などを好適に用いることができる。また、金属ワイヤの表面にコーティングを施したものであってもよい。
外部接続用電極23n,23pは、支持部材21の上面に設けられ、発光装置100を外部の実装基板に接合するためのパッド電極である。外部接続用電極23n,23pは、内部配線22n,22pの支持部材21からの露出面と電気的に接続するように設けられている。
なお、外部接続用電極23n,23pを設ける場所は、支持部材21の上面に限定されない。外部接続用電極23n,23pは、支持部材21の側面に設けるようにしてもよく、支持部材21の上面及び側面に設けるようにしてもよい。また、外部接続用電極23n,23pを設けずに、内部配線22n,22pの支持部材21からの露出面を、実装のための外部との接続面とするようにしてもよい。
また、外部接続用電極23n,23pは、単層構造としてもよく多層構造としてもよい。外部接続用電極23n,23pを、例えば、図3に示すように2層構造とする場合は、最上層である第2層23bは、Au−Sn共晶半田などのAu合金系の接合材料を用いた実装基板との接合性を高めるために、少なくとも最上層をAuで形成することが好ましい。
また、例えば、内部配線22n,22pがCu、Alなどの、Au以外の金属で形成されている場合は、最下層である第1層23aとして、Auとの密着性を高めるために、また支持部材21との密着性を高めるために、これらの材料と良好な密着性が得られる、例えば、Niの薄膜を形成することが好ましい。また、Ni/Pd/Auのように、間にPd層を有する3層構造としてもよい。
外部接続用電極23n,23pは、スパッタリング法、蒸着法、無電解メッキ法などを単独で又は組み合わせて用いることで形成することができる。また、外部接続用電極34n,34pは、総膜厚が0.1μm以上5μm以下程度、更に好ましくは0.5μm以上4μm以下程度とすることができる。
波長変換層3は、発光素子1が発光する光の一部又は全部を吸収して、発光素子1が発光する波長とは異なる波長の光に変換する。波長変換層3は、波長変換材料として蛍光体の粒子を含有する樹脂層として形成することができる。また、波長変換層3は、発光素子1の光取り出し面であるn型半導体層12nの下面の全面に接するように設けられている。
また、前記したように、平面視で半導体積層体12よりも外側の領域である外周領域10において、波長変換層3が設けられていない。
波長変換層3の膜厚は、蛍光体の含有量や、発光素子1が発光する光と波長変換後の光との混色後の所望する色調などに応じて定めることができるが、例えば、1μm以上500μm以下程度とすることができ、5μm以上200μm以下程度とすることがより好ましく、10μm以上100μm以下程度とすることが更に好ましい。
波長変換層3を構成する樹脂材料としては、当該分野で公知のものを使用することができ、発光素子1が発光した光及び波長変換層3が含有する蛍光体が波長変換した後の光に対して良好な透光性を有するものを用いることが好ましい。
このような樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂を挙げることができる。
また、蛍光体(波長変換部材)としては、発光素子1が発光する波長の光によって励起されて、この励起光と異なる波長の蛍光を発する蛍光物質であれば特に限定されず、波長変換層3中に、2種類以上を一様に混在させてもよいし、多層構造となるように分布させてもよい。
波長変換層3は、溶剤に前記した樹脂、蛍光体粒子、その他の無機フィラー粒子を含有するスラリーを調整し、調整したスラリーをスプレー法、キャスト法、ポッティング法などの塗布法を用いて半導体積層体12の下面に塗布し、その後に硬化させることにより形成することができる。
[発光装置の動作]
次に、図1を参照して、発光装置100の動作について説明する。なお、説明の便宜上、発光素子1は青色光を発光し、波長変換層3は黄色光を発光するものとして説明する。
発光装置100は、実装基板を介して、正負電極である外部接続用電極23n,23pに外部電源が接続されると、内部配線22n,22pを介して、発光素子1のn側電極13及びp側電極15間に電流が供給される。そして、n側電極13及びp側電極15間に電流が供給されると、発光素子1の活性層12aが青色光を発光する。
発光素子1の活性層12aが発した青色光は、半導体積層体12内を伝播して、発光素子1の下面から出射して、一部は波長変換層3に含有される蛍光体に吸収され、黄色光に変換されて外部に取り出される。また、青色光の一部は、蛍光体に吸収されずに波長変換層3を透過して外部に取り出される。
なお、発光素子1内を上方向に伝播する光は、全面電極14によって下方向に反射され、発光素子1の下面から出射する。
そして、発光装置100の外部に取り出された黄色光及び青色光が混色することにより、白色光が生成される。
なお、発光装置100は、外周領域10に波長変換層3が設けられていないため、色調むらの少ない配光特性で白色光を出力することができる。
[外周領域における波長変換層の除去方法]
発光装置の製造方法について詳細に説明する前に、外周領域10に波長変換層3を設けないようにするために、外周領域10において一旦形成された波長変換層3を除去する方法について説明する。また、併せて、当該方法によって波長変換層3を良好に除去するための、分離層17であるn側電極(金属層)13及び酸化物層16の構成についても説明する。
なお、本明細書において「分離層」とは、外周領域10において、波長変換層3と支持部材21との間に設けられ、波長変換層3を除去する際の分離境界となる層のことである。また、「分離境界となる」とは、分離層17の上面側若しくは下面側、又は分離層17内が剥離される界面となることである。言い換えれば、波長変換層3は、分離層17を起因として除去される。
また、第1実施形態では、分離層17は、酸化物層16とn側電極13とが積層されることで構成されている。他の実施形態については、それぞれの実施形態の説明の中で明らかにする。
製造工程の途中において、図3にハッチングなしの破線で示すように、発光装置100の外周領域10においても、支持部材21の下面側から順にn側電極13、酸化物層16及び波長変換層3が積層して形成される。その後、波長変換層3の下面に粘着性を有するシート50を貼付して引き剥がすことで、外周領域10において、各層間の密着力の最も低い界面よりも下の層が剥離される。これによって、外周領域10における波長変換層3が除去される。
図3に示すように、第1実施形態に係る発光装置100においては、支持部材21とn側電極13との界面が分離界面となり、n側電極13、酸化物層16及び波長変換層3が積層された剥離片60が除去される。そのために、第1実施形態では、各層間の密着力の大小関係が、式(1)を満たすように、各層の材料が選択される。なお、「a」は、酸化物層16と波長変換層3との間の密着力を示し、「b」は、n側電極13と酸化物層16との間の密着力を示し、「c」は、支持部材21とn側電極13との間の密着力を示し、「d」は、波長変換層3とシート50との間の密着力を示すものとする。また、各層間の密着力を示す符号「a」,「b」,「c」,「d」は、後記する第2実施形態及び第3実施形態における密着力の説明においても同様とする。
(各層間の密着力の大小関係)
a>c, b>c, c<d ・・・式(1)
但し、酸化物層16と波長変換層3との間の密着力「a」と、n側電極13と酸化物層16との間の密着力「b」とは、何れか一方の密着力が有意に高くてもよい。
なお、「>」は、不等号の後者の密着力が前者よりも有意に低いことを示す。ここで、「有意に密着力が低い」とは、粘着性のシート50を貼付して引き剥がすとき、当該有意に密着力が低い界面で、選択的に剥離が生じることをいう。
また、式(2)に示すように、波長変換層3と半導体積層体12との間の密着力「e」は、波長変換層3とシート50との間の密着力「d」よりも高くなるような粘着性を有するシート50が用いられることを前提とする。
e>d ・・・式(2)
なお、この前提は、後記する第2実施形態及び第3実施形態においても同様とする。
第1実施形態においては、前記したように、支持部材21とn側電極13との界面で剥離が生じるように、支持部材21とn側電極13の間の密着力が他の層間の密着力よりも低くなるように材料が選択される。
支持部材21として用いられる樹脂材料(エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)と密着力の低い金属材料としては、Au又は白金族金属(Ru,Rh,Pd,Ptなど)を挙げることができる。特にAuは樹脂材料との密着力が低いため、n側電極13の最上層である第4層13dとして好適に用いることができる。
また、Au及び白金族金属は、酸化物(SiO,TiO,Nb,Alなど)とも密着力が低いため、酸化物で構成される酸化物層16と接するn側電極13の最下層である第1層13aとしては、Au及び白金族以外の金属を用いることが好ましい。外周領域10以外に設けられるn側電極13は、半導体積層体12が発する光を反射する光反射層としても機能するため、第1層13aとしては、光反射性が良好なAl又はAl合金を用いることが好ましい。また、Al合金としては、Al−Si−Cu合金(例えば、Cu:2質量%、Si:1質量%、Al:残部)、Al−Cu合金(例えば、Cu:2質量%、Al:残部)などを用いることができる。
また、n側電極13の第2層13b及び第3層13cは、第1層13aと第4層13dとの密着性などを考慮して、例えば、それぞれ、Ti、Ptを用いることができる。
なお、n側電極13は、4層構造に限らず、前記した材料で構成される第1層13aと第4層13dとが積層された2層構造としてもよい。
酸化物層16の最上層である第2層16bは、n側電極13の第1層13aとの間で良好な密着力が得られるように、SiO,TiO,Nb,Alなどの絶縁性の酸化物を用いることが好ましい。
また、最下層である第1層16aと樹脂材料からなる波長変換層3との間の密着力が支持部材21とn側電極13との間の密着力よりも高ければよい。第1層16aとしては、例えば、SiO,TiO,Nb,Alなどの絶縁性の酸化物を用いることができる。また、前記したように、第1層16aは、成長基板11(図8(a)参照)をLLO法で除去する際に分離する層に適したNbを用いることが特に好ましい。このとき、LLO法により分離したNbは金属と酸化物とが混在した層となっており、その層に接して、樹脂材料からなる波長変換層3が形成されている。
なお、酸化物層16は、全体として絶縁性を有していればよく、中間層に導電性材料を用いてもよい。
[発光装置の製造方法]
次に、図4を参照して、図1〜図3に示した発光装置100の製造方法について説明する。
図4に示すように、発光装置100の製造方法は、半導体積層体形成工程S101と、n型半導体層露出工程S102と、全面電極形成工程S103と、酸化物層形成工程S104と、金属層形成工程S105と、支持部材形成工程S106と、内部配線形成工程S107と、外部接続用電極形成工程S108と、成長基板除去工程S109と、波長変換層形成工程S110と、波長変換層除去工程S111と、個片化工程S112と、を含み、この順で各工程が行われる。
以下、図5〜図10を参照(適宜図1〜図4参照)して、各工程について詳細に説明する。なお、図5〜図10の各図において、各部材の形状、サイズ、位置関係を適宜に簡略化したり、誇張したりしている場合がある。
また、本実施形態における発光装置100の製造方法においては、複数の半導体積層体12が一枚の成長基板(基板)11上に配列されたウエハ状態で形成される。図5〜図10の各図に示した断面図では、左右方向に発光装置100が連続して形成される様子を示している。
まず、半導体積層体形成工程(ウエハ準備工程)S101において、図5(a)に示すように、サファイアなどからなる成長基板11の上面に、前記した半導体材料を用いて、n型半導体層12n、活性層12a及びp型半導体層12pを順次積層して半導体積層体12を形成する。
次に、n型半導体層露出工程(ウエハ準備工程)S102において、図5(b)に示すように、半導体積層体12の上面の一部の領域について、p型半導体層12p、活性層12a及びn型半導体層12nの一部をエッチングにより除去してn型半導体層12nが底面に露出した段差部12bを形成する。
更に、段差部12bの形成と同時に又はこれに続けて、形成される発光装置100を区画する境界線40に沿った所定幅の境界領域12cにおいては、p型半導体層12p、活性層12a及びn型半導体層12nをエッチングにより除去して成長基板11を底面に露出させる。これによって、個片化工程S112において、半導体積層体12をダイシングする必要がなくなるため、支持部材21のみのダイシングにより個片化を容易に行うことができる。また、半導体積層体12が除去されることで、境界領域12cにおいて、半導体積層体12と波長変換層3との間の密着力より低い界面で剥離して、当該界面よりも下層側を除去することが可能となる。
なお、半導体積層体形成工程S101とn型半導体層露出工程S102とを合わせて、ウエハ準備工程が構成される。すなわち、ウエハ準備工程を行うことで、成長基板11に半導体積層体12が積層され、平面視において、半導体積層体12の外周領域に成長基板11の上面が露出したウエハ101が準備される。
次に、全面電極形成工程S103において、図5(c)に示すように、p型半導体層12pの上面の略全面に、所定の金属材料を用いて全面電極14を形成する。なお、全面電極14のパターニングは、フォトリソグラフィ法によりレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをエッチングマスクとしたエッチング法により行うことができる。また、全面電極14のパターニングを、レジストパターンを先に形成してから金属材料で成膜し、レジストパターンを除去するリフトオフ法で行うこともできる。
次に、酸化物層形成工程S104において、図6(a)に示すように、段差部12bの底面に開口部16nを有し、全面電極14の上面の一部に開口部16pを有するように、酸化物層16を形成する。ここで、酸化物層16は、図3に示したように、酸化物の積層体として形成される。最下層である第1層16aは、LLO法による成長基板11の分離に適した材料、例えば、Nbを用いてスパッタリング法などによって形成される。また、第2層16bは、例えば、SiOを用いてスパッタリング法などによって形成される。
なお、酸化物層16のパターニングは、フォトリソグラフィ法によって開口部16n,16pに対応する領域に開口部を有するレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとして酸化物層16をエッチングすることにより行われる。
次に、金属層形成工程S105において、図6(b)に示すように、パッド電極であるn側電極13及びp側電極15を形成する。
n側電極13は、段差部12bに形成された酸化物層16の開口部16nにおいて、n型半導体層12nと電気的に接続され、更に酸化物層16上の広範囲に延在するように形成される。また、p側電極15は、全面電極14の上面に形成された酸化物層16の開口部16pにおいて、全面電極14と電気的に接続されるように形成される。
n側電極13及びp側電極15は、本工程において同時に形成される。詳細には、まず、ウエハ101の上面側の全面に、前記した積層構造となるように順次に対応する金属材料を用いて、スパッタリング法などによって、金属膜の積層体を成膜する。すなわち、半導体積層体12の上方の領域だけでなく、境界線40に沿った境界領域上にも金属膜が成膜される。
次に、フォトリソグラフィ法によってn側電極13とp側電極15とを区画する領域に開口部を有するレジストパターンを形成する。そして、当該レジストパターンをマスクとしてエッチングすることにより、n側電極13とp側電極15とを分離することで、金属膜のパターニングが行われる。
なお、エッチング法に代えて、リフトオフ法によって金属膜のパターニングを行うようにしてもよい。
ここで、n側電極13の最下層である第1層13aは、酸化物層16の最上層である第2層16bとの間に良好な密着性が得られる材料を用いて形成される。また、最上層である第4層13dは、支持部材21との間の密着性が低くなる材料を用いて形成される。
なお、ここで密着性が低いとは、支持部材21とn側電極13との密着性、n側電極13と酸化物層16との密着性、及び酸化物層16と波長変換層3との密着性の内で、最も密着性が低いことを意味する。また、良好な密着性が得られるとは、これらの3つの界面における密着性の内で、密着性が少なくとも最低ではないことを意味する。
また、n側電極13及び酸化物層16のそれぞれの積層構造内の界面は、金属同士、又は酸化物同士の界面であるため、比較的良好な密着性が得られ、金属、酸化物、樹脂を組み合わせた前記した異種材料間の界面と比べて高い密着性が得られる。
なお、酸化物層形成工程S104と金属層形成工程S105とを合わせて、分離層形成工程が構成される。すなわち、分離層形成工程を行うことで、成長基板11の上面と半導体積層体12の上面とを一体的に被覆する分離層17が形成される。ここで、分離層17は、外周領域10において、酸化物層16とn側電極13とが積層されることで構成される層である。
次に、支持部材形成工程S106において、図7(a)に示すように、平面視で全面電極14が形成された領域内であってn側電極13の上面の一部に開口部21nを有し、p側電極15上に開口部21pを有するように支持部材21を形成する。
支持部材21は、スピンコート法、スプレー法などの塗布法や圧縮成型法などによって樹脂膜を形成し、当該樹脂膜上に、フォトリソグラフィ法によって開口部21n,21pに相当する領域に開口部を有するレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとして樹脂膜をエッチングすることにより、開口部21n,21pを形成することができる。
また、フォトリソグラフィ法により開口部21n,21pが設けられる領域を被覆するようにレジストパターンを形成し、圧縮成形法などにより支持部材21を形成し、支持部材21の上面を切削することでレジストパターンを露出させ、当該レジストパターンを除去することにより開口部21n,21pを有する支持部材21を形成することもできる。
次に、内部配線形成工程S107において、図7(b)に示すように、支持部材21の開口部21n,21p内に、内部配線22n,22pとして、例えば、電解メッキ法により金属層を形成する。なお、電解メッキ法を用いる場合は、詳細には、例えば、次の手順で内部配線22n,22pを形成することができる。まず、支持部材21の表面全体に開口部21n,21p内まで連続して、スパッタリング法などによって、金属からなるシード層を形成する。次に、このシード層を電流経路として、電解メッキ法により、金属膜を成長させる。その後、支持部材21が所定の厚さとなるように、支持部材21及び電解メッキによる金属層を上面から切削することで、内部配線22n,22pの上面が支持部材21の上面から露出するように形成される。
また、内部配線22n,22pとして金属ワイヤやバンプ積層体を用いる場合は、支持部材形成工程S106と内部配線形成工程S107との順序を入れ換えて行うことができる。
すなわち、先に内部配線形成工程S107において、金属ワイヤなどの内部配線22n,22pをn側電極13及びp側電極15上に設ける。次に、内部配線22n,22pが埋設されるように、支持部材21を形成する。その後に、支持部材21が所定の高さとなるように、上面から支持部材21及び金属ワイヤなどの内部配線22n,22pを切削することで、内部配線22n,22pの上面が支持部材21の上面から露出するように形成される。
次に、外部接続用電極形成工程S108において、図8(a)に示すように、内部配線22n,22pの上面が含まれる支持部材21の上面の所定領域に、外部接続用電極23n,23pを形成する。なお、外部接続用電極23n,23pは、前記したn側電極13及びp側電極15の形成方法と同様にして形成することができる。また、スパッタリングの後で、無電解メッキを行うことで、外部接続用電極23n,23pを膜厚に形成するようにしてもよい。
なお、内部配線22n,22pがAu以外のCuやAlの場合に密着性を向上させるために、また、支持部材21との密着性を向上させるために、Au膜を形成する前に、最下層である第1層23a(図3参照)としてNi膜を形成することが好ましい。
次に、成長基板除去工程(基板除去工程)S109において、図8(b)に示すように、LLO法によって成長基板11を半導体積層体12及び酸化物層16から剥離することで除去する。
なお、境界領域12cにおいて、酸化物層16の最下層である第1層16a(図3参照)が分離する層となることで成長基板11が剥離されるが、第1層16aの一部が酸化物層16の最下層として残される。
また、成長基板11を剥離後の後工程として、露出した半導体積層体12の下面を研磨し、例えば、ウェットエッチング法により粗面化することで凹凸形状を形成するようにしてもよい。半導体積層体12の裏面に凹凸形状を形成することにより、光取り出し効率を向上させることができる。
次に、波長変換層形成工程S110において、図9(a)に示すように、ウエハ101の下面の全面に、波長変換層3を形成する。
波長変換層3は、例えば、溶剤に樹脂及び蛍光体粒子を含有させたスラリーをスプレー塗布した後、硬化させることで形成することができる。
次に、波長変換層除去工程S111において、図9(b)に示すように、粘着性を有するシート50を波長変換層3の下面に貼付して、引き剥がすことで、境界領域12cにおける波長変換層3を支持部材21から除去する。ここで、境界領域12cは、完成後の発光装置100の外周領域10(図1(b)及び図10(b)参照)となる領域である。
なお、境界領域12cにおける波長変換層3の除去は、シート50を用いて引き剥がす方法に代えて、例えば、ピンセットを用いて摘まみ取る方法や、空気流(ブロー)を用いて吹き飛ばす方法で行うこともできる。
ここで、各部材間の密着力は、次の関係となるように各部材間の界面を構成する材料が選択されている。
「支持部材21とn側電極13との間の密着力」が、「n側電極13と酸化物層16との間の密着力」、「酸化物層16と波長変換層3との間の密着力」及び「波長変換層3とシート50との間の密着力」よりも低い。
なお、「半導体積層体12と波長変換層3との間の密着力」は、「波長変換層3とシート50との間の密着力」よりも高く、また、半導体積層体12を有する領域は、境界領域12cに比べて十分に広い面積を有するため、シート50の引き剥がしによって、半導体積層体12を有する領域で剥離は生じない。
かかる条件において、シート50を波長変換層3に貼付して引き剥がすことにより、最も密着力の低い「支持部材21とn側電極13の界面」で剥離が生じる。従って、シート50に、境界領域12cに形成されていたn側電極13、酸化物層16及び波長変換層3からなる剥離片60が、支持部材21から分離される。
シート50を、ウエハ101から引き剥がすことで、図10(a)に示すように、境界領域12cからn側電極13、酸化物層16及び波長変換層3が除去された状態となる。
シート50としては、片面に粘着剤が塗布された耐熱シートやUV露光により粘着力を消失させることができるUV露光シートを用いることができる。また、シート50を波長変換層3に貼付する際に、ラミネータを用いて真空密着させるようにしてもよい。
その後に、個片化工程S112において、図10(b)に示すように、境界線40に沿って、支持部材21をダイシングすることで、発光装置100が個片化される。なお、ダイシングした後に、境界領域12cに残された支持部材21が、発光装置100の外周領域10となる。
以上の工程により、図1〜図3に示した発光装置100が完成する。
<第2実施形態>
次に、図11及び図12を参照して、第2実施形態に係る発光装置について説明する。
図11及び図12に示すように、第2実施形態に係る発光装置100Aは、図1〜図3に示した第1実施形態に係る発光装置100に対して、基体2に代えて基体2Aを備えることが異なる。第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成については、同じ符号を付して、説明は省略する。
第2実施形態における基体2Aは、外周領域10において、支持部材21の下面にn側電極13と酸化物層16とを有することが、第1実施形態における基体2と異なる。なお、基体2Aは、外周領域10において、支持部材21の下面にn側電極13及び酸化物層16を有し、波長変換層3を有さない。
このような構成の基体2Aを備えた発光装置100Aは、分離層17であるn側電極13及び酸化物層16として、次のような材料を用いることで、第1実施形態と同様の手順で製造することができる。
(各層間の密着力の大小関係)
a<b, a<c, a<d ・・・式(3)
但し、支持部材21とn側電極13との間の密着力「c」とn側電極13と酸化物層16との間の密着力「b」とは、何れか一方の密着力が有意に高くてもよい。
図12に示すように、第2実施形態に係る発光装置100Aにおいては、各層間に前記した式(3)を満たす密着力の大小関係を有するように材料を選択することで、酸化物層16と波長変換層3との界面が分離界面となり、波長変換層3が剥離片60Aとして除去される。
次に、n側電極13及び酸化物層16の材料構成の例について説明する。
n側電極13の最上層である第4層13dとして、Ni,Al(Al合金を含む),Tiなどの金属を用いることで、前記した樹脂材料からなる支持部材21との間に高い密着力を得ることができる。
また、酸化物層16の最上層である第2層16bとして、絶縁性の酸化物であるSiO,TiO,Nb,Alなどを用い、n側電極13の最下層である第1層13aとして、Ni,Al,Ti,Cr,Wなどの金属を用いた場合は、両者の間に高い密着力を得ることができる。
また、酸化物層16の最下層である第1層16aとして、絶縁性の酸化物であるSiO,TiO,Nb,Alなどを用いることで、前記した樹脂材料からなる波長変換層3との間の密着力が相対的に低くなる。
前記した樹脂材料と前記したNiなどの金属との密着力と、前記したSiOなどの絶縁性の酸化物と前記したAlなどの金属との間の密着力とは同程度であるが、これらの密着力と比較して、前記したSiOなどの絶縁性の酸化物と前記した樹脂材料との間の密着力は有意に低くなる。
従って、前記した材料構成とすることで、酸化物層16と波長変換層3との間の密着力が相対的に最も低くなり、外周領域10において、酸化物層16と波長変換層3との界面で剥離が生じ、波長変換層3が剥離片60Aとしてシート50によって除去される。
なお、成長基板除去工程S109(図4参照)において、LLO法で成長基板11を除去する際に、外周領域10で分離する層とするために、酸化物層16の第1層16aとして、Nbを用いることが好ましい。
発光装置100Aの動作は、第1実施形態に係る発光装置100と同様であるから、説明は省略する。なお、発光装置100Aは、外周領域10において支持部材21の下面に光反射性を有するn側電極13及び透光性を有する酸化物層16を有するため、外部の反射板などで反射された戻り光を、効率的に出射方向に反射させることができる。
また、発光装置100Aの製造方法は、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、n側電極13及び酸化物層16として前記した材料を用いることで、同様の手順で行うことができるため、詳細な説明は省略する。
<第3実施形態>
次に、図13及び図14を参照して、第3実施形態に係る発光装置について説明する。
図13及び図14に示すように、第3実施形態に係る発光装置100Bは、図1〜図3に示した第1実施形態に係る発光装置100に対して、基体2に代えて基体2Bを備えることが異なる。第1実施形態に係る発光装置100と同様の構成については、同じ符号を付して、説明は省略する。
第3実施形態における基体2Bは、外周領域10において、支持部材21の下面にn側電極13を有することが、第1実施形態における基体2と異なる。なお、基体2Bは、外周領域10において、支持部材21の下面にn側電極13を有し、酸化物層16及び波長変換層3を有さない。
また、第3実施形態においては、図14に示すように、波長変換層3を除去する前の外周領域10において、最上層として第3層16cが設けられた酸化物層16Bが形成される。
基体2Bを備えた発光装置100Bは、分離層17Bであるn側電極13及び酸化物層16Bとして、次のような材料を用いることで、第1実施形態と同様の手順で製造することができる。
(各層間の密着力の大小関係)
a>b, b<c, b<d ・・・式(4)
但し、支持部材21とn側電極13との間の密着力「c」と酸化物層16Bと波長変換層3との間の密着力「a」とは、何れか一方の密着力が有意に高くてもよい。
なお、式(4)において、「a」は、酸化物層16Bと波長変換層3との間の密着力を示し、「b」は、n側電極13と酸化物層16Bとの間の密着力を示す。
図14に示すように、第3実施形態に係る発光装置100Bにおいては、各層間に前記した式(4)を満たす密着力の大小関係を有することで、n側電極13と酸化物層16Bとの界面が分離界面となり、酸化物層16B及び波長変換層3が積層された剥離片60Bが除去される。
次に、n側電極13及び酸化物層16Bの材料構成の例について説明する。
第2実施形態と同様に、n側電極13の最上層である第4層13dとして、Ni,Al(Al合金を含む),Tiなどの金属を用いることで、前記した樹脂材料からなる支持部材21との間に高い密着力を得ることができる。
また、酸化物層16Bの最下層である第1層16aとして、絶縁性の酸化物であるSiO,TiO,Nb,Alなどを用いることで、前記した樹脂材料からなる波長変換層3との間に高い密着力を得ることができる。
また、酸化物層16の最上層である第3層16cとして、導電性の酸化物であるITOなどを用いることで、n側電極13の最下層である第1層13aとして、Ni,Al,Ti,Cr,Wなどの金属、特にAlを用いた場合に、両者の間の密着力が低くなる。
なお、半導体積層体12上に設けられる酸化物層16は、n側電極13とp型半導体層12pとを電気的に分離する機能を有する必要がある。従って、第2層16bとしてITOなどの導電性の酸化物を用いると、短絡が発生する恐れがある。そのため、第3実施形態では、酸化物層形成工程S104(図4参照)において、第1層16a及び第2層16bからなる酸化物層16を、第1実施形態と同様に形成し、境界領域12c(図6(a)参照)上にのみ、最上層として、ITOなどの導電性の酸化物を用いて第3層16cを形成する。
図14に示すように、外周領域10において、酸化物層16Bの最上層である第3層16cとして、導電性の酸化物であるITOなどを用いることで、n側電極13の最下層である第1層13aとして、Ni,Al,Ti,Cr,Wなどの金属を用いた場合に、両者の間の密着力が比較的低くなる。
従って、前記した材料構成とすることで、外周領域10において、酸化物層16Bとn側電極13との間の密着力が相対的に最も低くなるため、酸化物層16Bとn側電極13との界面が分離界面となる。
発光装置100Bの動作は、第1実施形態に係る発光装置100と同様であるから、説明は省略する。なお、発光装置100Bは、外周領域10において支持部材21の下面に光反射性を有するn側電極13を有するため、外部の反射板などで反射された戻り光を、効率的に出射方向に反射させることができる。
また、発光装置100Bの製造方法は、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、n側電極13及び酸化物層16Bとして前記した材料を用い、前記したように酸化物層16Bの第3層16cを外周領域10に形成するとともに、他の工程は同様の手順で行うことができるため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明に係る発光装置の製造方法について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変などしたものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
1 発光素子
10 外周領域
11 成長基板(基板)
12 半導体積層体
12n n型半導体層
12a 活性層
12p p型半導体層
12b 露出部
12c 境界領域(ダイシングストリート)
13 n側電極(金属層)
13a 第1層
13b 第2層
13c 第3層
13d 第4層
14 全面電極
14a 第1層
14b 第2層
14c 第3層
14d 第4層
14e 第5層
15 p側電極(金属層)
15a 第1層
15b 第2層
15c 第3層
15d 第4層
16,16B 酸化物層
16n,16p 開口部
16a 第1層
16b 第2層
16c 第3層
17,17B 分離層
2,2A,2B 基体
21 支持部材
21n,21p 開口部
22n,22p 内部配線
23n,23p 外部接続用電極
23a 第1層
23b 第2層
3 波長変換層
40 境界線
50 シート(シート部材)
60,60A,60B 剥離片
100,100A,100B 発光装置
101 ウエハ

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板に積層された複数の半導体積層体とを有し、平面視で複数の前記半導体積層体のそれぞれの外周領域に前記基板の上面が露出したウエハを準備するウエハ準備工程と、
    前記基板の上面と前記半導体積層体の上面とを一体的に被覆する分離層を形成する分離層形成工程と、
    前記分離層上に支持部材を形成する支持部材形成工程と、
    前記基板を除去する基板除去工程と、
    前記半導体積層体及び前記分離層の前記基板が除去された側に、波長変換部材を含有する樹脂からなる波長変換層を形成する波長変換層形成工程と、
    前記外周領域に設けられた前記波長変換層を、前記分離層を起因として除去する波長変換層除去工程と、を有し、
    前記波長変換層除去工程において、前記波長変換層の前記半導体積層体と接する面と反対側の面に粘着性を有するシート部材を貼付した後に前記シート部材を剥がすことで、前記外周領域に設けられた前記波長変換層を除去することを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 基板と、前記基板に積層された複数の半導体積層体とを有し、平面視で複数の前記半導体積層体のそれぞれの外周領域に前記基板の上面が露出したウエハを準備するウエハ準備工程と、
    前記基板の上面と前記半導体積層体の上面とを一体的に被覆する分離層を形成する分離層形成工程と、
    前記分離層上に支持部材を形成する支持部材形成工程と、
    前記基板を除去する基板除去工程と、
    前記半導体積層体及び前記分離層の前記基板が除去された側に、波長変換部材を含有する樹脂からなる波長変換層を形成する波長変換層形成工程と、
    前記外周領域に設けられた前記波長変換層を、前記分離層を起因として除去する波長変換層除去工程と、を有し、
    前記波長変換層除去工程においてピンセットを用いて前記波長変換層を除去することを特徴とする発光装置の製造方法。
  3. 基板と、前記基板に積層された複数の半導体積層体とを有し、平面視で複数の前記半導体積層体のそれぞれの外周領域に前記基板の上面が露出したウエハを準備するウエハ準備工程と、
    前記基板の上面と前記半導体積層体の上面とを一体的に被覆する分離層を形成する分離層形成工程と、
    前記分離層上に支持部材を形成する支持部材形成工程と、
    前記基板を除去する基板除去工程と、
    前記半導体積層体及び前記分離層の前記基板が除去された側に、波長変換部材を含有する樹脂からなる波長変換層を形成する波長変換層形成工程と、
    前記外周領域に設けられた前記波長変換層を、前記分離層を起因として除去する波長変換層除去工程と、を有し、
    前記波長変換層除去工程において空気流を用いて前記波長変換層を除去することを特徴とする発光装置の製造方法。
  4. 前記支持部材と前記分離層との間の密着力は、前記分離層と前記波長変換層との間の密着力よりも小さく、
    前記波長変換層除去工程において、前記分離層と前記支持部材との界面で剥離することで、前記外周領域に設けられた前記波長変換層を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記支持部材は、樹脂からなり、
    前記分離層は、前記外周領域において、前記支持部材と接する層が、Au又は白金族金属からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記分離層と前記波長変換層との間の密着力は、前記支持部材と前記分離層との間の密着力よりも小さく、
    前記波長変換層除去工程において、前記分離層と前記波長変換層との間の界面で剥離することで、前記外周領域に設けられた前記波長変換層を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記支持部材は、樹脂からなり、
    前記分離層は、前記外周領域において、前記波長変換層と接する層が、Nb25からなり、前記支持部材と接する層が、Ni、Ti、Al又はAlを主成分とする合金からなることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項6の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記分離層形成工程において、前記分離層は、前記基板の上面側から順に酸化物層と、金属層とが積層されて形成され、
    前記金属層と前記酸化物層との間の密着力は、前記支持部材と前記金属層との間の密着力及び前記酸化物層と前記波長変換層との間の密着力よりも小さく、
    前記波長変換層除去工程において、前記酸化物層と前記金属層との界面で剥離することで、前記外周領域に設けられた前記波長変換層を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記支持部材は、樹脂からなり、
    前記酸化物層は、前記外周領域において、前記金属層と接する層が、ITO(インジウム・スズ酸化物)からなり、
    前記金属層は、前記外周領域において、前記支持部材と接する層が、Ni、Ti、Al又はAlを主成分とする合金からなるとともに、前記酸化物層と接する層が、Al又はAlを主成分とする合金からなることを特徴とする請求項8に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記支持部材は、樹脂からなり、
    前記支持部材を構成する樹脂、及び前記波長変換層を構成する樹脂は、それぞれシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、又はこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂から選択されることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記基板除去工程において、前記基板をレーザ・リフト・オフ法によって除去することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか以降に記載の発光装置の製造方法。
  12. 前記波長変換層除去工程において、前記半導体積層体の側面と前記波長変換層の側面とが略同一面上になるように前記波長変換層を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の発光装置の製造方法。
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