JP2017028265A - 発光素子及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示の実施形態に係る発光装置によれば、発光素子における電流密度の偏りを軽減することができるため、発光強度分布を改善することができる。
なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、平面図、断面図の間において、各部材のスケール、厚み、間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
[発光装置の構成]
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る発光素子及び発光装置の構成について説明する。図1に示す光源2は、発光装置100と、発光装置100の透光性基板10側に設けられた波長変換部材9と、波長変換部材9の透光性基板10とは反対の面側に設けられたフレネルレンズ6と、を備えている。この光源2は、照明用途のほか、例えばカメラのフラッシュモジュール等の外部の装置ユニットに組み込むことができる。外部の装置ユニットとして、例えば、スマートフォン等のカメラ付き携帯端末機等を挙げることができる。
発光装置100は、発光素子1と、外部接続電極8と、を備え、周囲を光反射部材で覆ってパッケージ化される。
発光素子1としては、例えば発光ダイオードチップ等の半導体発光素子を用いることができる。発光素子1は、上面を発光面とし、発光面の反対側である下面に外部接続電極8が設けられている。発光素子1は、例えば、発光面側に位置する透光性基板10と、透光性基板10の発光面の反対側の面に設けられた半導体積層体20とを含み、半導体積層体20の表面に外部接続電極8が形成されている。なお、ここでは、発光素子1の概略を説明し、詳細は後記する。
波長変換部材9は、下面が発光素子1の発光面に対向し、発光素子1の発光面の少なくとも一部を覆うように設けられている。波長変換部材9は、発光素子1が発する光の一部により励起され、発光素子1からの光と異なる波長の光を発する。波長変換部材9は、図2に示すように、発光素子1の発光面全体を覆いかつ波長変換部材9の外周面(外側面)が発光素子1の外側面の外側に位置するように設けられる。波長変換部材9は、第1蛍光体層91と、第2蛍光体層92と、光透過部材93と、を含む。
光透過部材93は、第1蛍光体層91と第2蛍光体層92との間、及び、第2蛍光体層92の周囲に設けられている。これにより、第1蛍光体層91と第2蛍光体層92から取り出された光のそれぞれをフレネルレンズ6で有効に利用することができる。光透過部材93を構成する透光性樹脂としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。また、光透過部材93を用いる代わりに金属膜などの遮光部材を設けても良く、各蛍光体層91,92からの光を個別に取り出すことができる。さらに、光透過部材93を設けずに、第1蛍光体層91と第2蛍光体層92、第2蛍光体層92と後述する光反射部材7aとがそれぞれ接していても良い。
光反射部材7a及び光反射部材7bは、光反射性樹脂により構成することができる。光反射性樹脂とは、発光素子1からの光に対する反射率が高く、例えば、反射率が70%以上の樹脂を意味する。光反射性樹脂としては、例えば透光性樹脂に、光反射性物質を分散させたものが使用できる。光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが好適である。光反射性物質は、粒状、繊維状、薄板片状などが利用できるが、特に、繊維状のものは光反射部材7a及び光反射部材7bの熱膨張率を低くして、例えば、発光素子1との間の熱膨張率差を小さくできるので、好ましい。反射性樹脂に含まれる樹脂材料としては、特に、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性の透光性樹脂であるのが好ましい。
フレネルレンズ6は、凸レンズと同様の屈折特性を有した薄型軽量のレンズである。このフレネルレンズ6は、一方の面(平坦面)から入射される光線を他方の面(同心円状に形成された面)から出射して前方に集光させる。フレネルレンズ6は、そのレンズの中心が、波長変換部材9の第1蛍光体層91の中心、及び、発光素子1の第1半導体領域21の中心と略一致するように取り付けられる。フレネルレンズ6は、図1に示すように、波長変換部材9の第1蛍光体層91及び第2蛍光体層92の光出射面全体を覆うように設けられる。なお、フレネルレンズ6の外周縁は第2蛍光体層92の外側に位置するように配置されている。
[発光素子1]
図4〜図8に示すように、発光素子1は、透光性基板10と、第1半導体領域21と、第2半導体領域22と、第1p側光反射層31pと、第2p側光反射層32pと、カバー電極40と、層間絶縁膜50と、第1p側導電層61pと、第1n側電極61nと、第2p側導電層62pと、第2n側電極62nと、絶縁保護膜70と、を備えている。
絶縁保護膜70の上には、n側外部接続電極80n、第1p側外部接続電極81p及び第2p側外部接続電極82p(以下、まとめて外部接続電極8ともいう)が設けられる。
発光素子1は、図4、図5、図7、図8及び図11に示すように、第2半導体領域22に、第2n側電極62nを備えると共に、第2p型半導体層22p上に設けられた第2p側電極として第2p側光反射層32pを備えている。
透光性基板10には、例えば、サファイア(Al2O3)のような透光性の絶縁性材料や、窒化ガリウム(GaN)のような半導体材料を用いることができる。この透光性基板10を研磨により薄肉化してもよい。
第1半導体領域21は、図6に示すように、透光性基板10の上方に、n型半導体層21nと、第1活性層21aと、第1p型半導体層21pとを、備えている。また、これらの半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、第1活性層21aは、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
図6に示すように、第1p型半導体層21pは、n型半導体層21nの一部の上方に設けられ、第1孔21hが形成されている。第1p型半導体層21pには、複数の第1孔21hが形成されている。これら複数の第1孔21hは、第1p型半導体層21pの外縁部に沿って配列されているため、第1半導体領域21に供給される電流をより均一にすることができる。さらに、複数の第1孔21hが円状に配列されることによって、フレネルレンズ6をより有効に利用することができる発光を得ることができる。また、複数の第1孔21hは、実質的に等間隔に配列されていてもよい。
第2半導体領域22は、第1半導体領域21と同様の構成を備えているが、第1半導体領域21とは配置場所が異なっている。図4に示すように、平面視で第1半導体領域21の面積と、第2半導体領域22の面積とは、電流密度の観点から同等であることが好ましい。図7及び図8に示すように、第2半導体領域22は、透光性基板10の上方に、n型半導体層21nと、第2活性層22aと、第2p型半導体層22pとを、備えている。
図7及び図8に示すように、第2p型半導体層22pは、n型半導体層21nの一部の上方に設けられ、第2孔22hが形成されている。第2p型半導体層22pには、複数の第2孔22hが形成されている。これら複数の第2孔22hは、第2p型半導体層22pの内縁部に沿って配列されている。このため、第2半導体領域22に供給される電流をより均一にすることができる。さらに複数の第2孔22hは、第1半導体領域21に隣接して配列されることになるため、第1半導体領域21における電流拡散にも寄与させることができる。また、複数の第2孔22hは、実質的に等間隔に配列されていてもよい。また、配列された複数の第2孔22hは、第2p型半導体層22pの外縁部よりも内縁部に近い側に配置されているのが好ましい。これにより、複数の第2孔22hを一体的に接続する第2n側電極62nの全長を最小限にとどめることができるため、配線抵抗に起因する順方向電圧の上昇を抑制することができる。
第1p側光反射層31pは、図6に示すように、第1p型半導体層21pの上面の略全面に接続されている。この第1p側光反射層31pは、n型半導体層21nの第1孔21hに対応した位置には第1孔21hと同心円の開口を有している(図9参照)。ここで略全面とは、第1p型半導体層21pの上面における外縁及び第1孔21h近傍である内縁以外の領域をいう。例えば、第1p側光反射層31pは、第1p型半導体層21pの上面のうち90%以上の面に設けられているのが好ましい。
第1p側光反射層31pは、第1p側導電層61pを介して供給される電流を、第1p型半導体層21pの全面に均一に拡散するための層である。また、第1p側光反射層31pは、良好な光反射性を有し、発光素子1が発光する光を、光取り出し面である下方向に反射する層としても機能する。
第2p側光反射層32pは、第1p側光反射層31pと同様の構成を備えているが、第1p側光反射層31pとは配置場所が異なっている。
第2p側光反射層32pは、図7及び図8に示すように、第2p型半導体層22pの上面の略全面に接続されている。この第2p側光反射層32pは、n型半導体層21nの第2孔22hに対応した位置には第2孔22hと同心円の開口を有している(図9参照)。
カバー電極40は、図9に示すように、第1p側光反射層31p及び第2p側光反射層32pを被覆するように設けられている。詳細には、カバー電極40は、図6に示すように、第1p側光反射層31p(第1p側電極)の上面の一部及び側面を被覆するように設けられている。また、カバー電極40は、図7及び図8に示すように、第2p側光反射層32pの上面の一部及び側面を被覆するように設けられている。カバー電極40は、第1p側光反射層31p及び第2p側光反射層32pを構成する金属材料のマイグレーションを防止するためのバリア層である。カバー電極40としては、バリア性を有する金属酸化物や金属窒化物を用いることができ、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物又は窒化物を用いることができる。また、カバー電極40は、これらの金属材料を単層で、又は積層したものが利用できる。
層間絶縁膜50は、半導体積層体20の上方に設けられ、n型半導体層21nと電気的に接続された第1n側電極61n及び第2n側電極62nを、それぞれ各p型半導体層21p,22pの上方に延在させるための絶縁膜である。このため、層間絶縁膜50は、図10に示すように、半導体積層体20のほぼ全面の上方に設けられている。このうち第1半導体領域21の上方では、層間絶縁膜50は、図6に示すように、カバー電極40の上面及び側面と、n型半導体層21nの側面とに、設けられている。第1半導体領域21において、層間絶縁膜50は、p側開口51pを有すると共に、n型半導体層21n上の第1孔21hの底面にn側開口51nを有している。図10に示すように、n側開口51nは例えば円形状に形成されている。また、p側開口51pは、第1p側導電層61pが配置される領域に設けられている。
第1n側電極61nは、発光素子1の第1半導体領域21におけるn側のパッド電極である。第1n側電極61nは、図6に示すように、層間絶縁膜50の一部の領域の上に設けられており、各第1孔21hまで延在している。第1n側電極61nは、各第1孔21hを介してn型半導体層21nと接続されている。第1n側電極61nは、図11に示すように、第1半導体領域21に配列された複数の第1孔21hに沿って延在し、複数の第1孔21hを一体的に接続している。
第1n側電極61nは、各第1孔21h内において層間絶縁膜50の各n側開口51nを通じてn型半導体層21nと導通している。このように第1n側電極61nが、第1半導体領域21の面内において、広範囲に亘る箇所でn型半導体層21nと接続することにより、第1n側電極61nを介して供給される電流を、第1半導体領域21のn型半導体層21nに均等に拡散できるため、発光効率を向上させることができる。
第1p側導電層61pは、発光素子1の第1半導体領域21におけるp側のパッド電極である。第1p側導電層61pは、図6に示すように、層間絶縁膜50の一部の領域の上に設けられており、カバー電極40の開口に延在するように形成されている。
第1p側導電層61pは、第1p側光反射層31p上に設けられ、カバー電極40の開口を通じて第1p側光反射層31pと電気的に接続され、第1p側光反射層31pを介して第1p型半導体層21pと導通している。このように、第1p側導電層61pは、第1p側光反射層31pと共に第1p側電極を形成しているとみなすこともできる。
第1p側導電層61pは、絶縁保護膜70のp側開口71pを通じてシード層85を介して第1p側外部接続電極81pと電気的に接続されている。
第2n側電極62nは、発光素子1の第2半導体領域22におけるn側のパッド電極である。第2n側電極62nは、図7に示すように、層間絶縁膜50の一部の領域の上に設けられており、各第2孔22hまで延在している。第2n側電極62nは、各第2孔22hを介してn型半導体層21nと接続されている。第2n側電極62nは、図11に示すように、第2半導体領域22に配列された複数の第2孔22hに沿って延在し、複数の第2孔22hを一体的に接続している。
第2n側電極62nは、各第2孔22h内において層間絶縁膜50の各n側開口52nを通じてn型半導体層21nと導通している。このように第2n側電極62nが、第2半導体領域22の面内において、広範囲に亘る箇所でn型半導体層21nと接続することにより、第2n側電極62nを介して供給される電流を、第2半導体領域22のn型半導体層21nに均等に拡散できるため、発光効率を向上させることができる。
第2p側導電層62pは、発光素子1の第2半導体領域22におけるp側のパッド電極である。第2p側導電層62pは、図8に示すように、層間絶縁膜50の一部の領域の上に設けられており、層間絶縁膜50のp側開口52pに延在するように形成されている。また、第2p側導電層62pは、p側開口52pを通じて第2p側光反射層32pと電気的に接続され、第2p側光反射層32pを介して第2p型半導体層22pと導通している。このように、第2p側導電層62pは、第2p側光反射層32pと共に第2p側電極を形成しているとみなすこともできる。さらに、第2p側導電層62pは、絶縁保護膜70のp側開口72pを通じてシード層85を介して第2p側外部接続電極82pと電気的に接続されている。
絶縁保護膜70は、半導体積層体20の上方に設けられ、パッド電極間の短絡から発光素子1を保護する絶縁膜である。絶縁保護膜70は、図12に示すように、外部接続電極8を配置する領域かつ第1半導体領域21の上方において、第1孔21hを避けた位置にn側開口71nを有すると共に、層間絶縁膜50のp側開口51pの一部に重なるようにp側開口71pを有する。
絶縁保護膜70は、図12に示すように、外部接続電極8を配置する領域かつ第2半導体領域22の上方において、第2孔22hを含む位置にn側開口72nを有すると共に、層間絶縁膜50のp側開口52pを含むようにp側開口72pを有する。
絶縁保護膜70としては、層間絶縁膜50と同様に、金属酸化物や金属窒化物を用いることができる。
n側外部接続電極80nは、図5に示すように、平面視で矩形の発光素子1の一方の辺の側(図5において左)に設けられている。また、第1p側外部接続電極81pは、前記一方の辺に対向した他方の辺の側(図5において右上)に設けられている。さらに、第2p側外部接続電極82pも、他方の辺の側(図5において右下)に設けられている。
また、発光素子1の表面において、第1p側外部接続電極81p及び第2p側外部接続電極82pは、n側外部接続電極80nに対して対称に配置されている。
さらに、発光素子1の表面において、第1p側外部接続電極81pと第2p側外部接続電極82pとは、対称に配置されている。
外部接続電極8の材料としては、Cu、Au、Niなどの金属を好適に用いることができる。外部接続電極8は、電解メッキ法により形成することができる。
次に、図1〜図8を参照して、発光装置100の動作について説明する。
発光装置100は、第1p側外部接続電極81p及びn側外部接続電極80nに、実装基板を介して外部電源が接続されると、発光素子1の第1p側電極(第1p側光反射層31p)及び第1n側電極61n間に電流が供給される。これにより、発光素子1の第1活性層21aが発光する。この光は、半導体積層体20の第1半導体領域21内を伝播して、発光素子1の上面又は側面(図3参照)から出射して、外部に取り出される。なお、発光素子1内を下方向に伝播する光は、第1p側光反射層31pによって反射され、発光素子1の上面から出射して、外部に取り出される。
また、光源2において、発光素子1の第1半導体領域21と第2半導体領域22とを同時に発光させた場合、波長変換部材9から、白色光と赤みがかった光との両方が出射され、フレネルレンズ6がこれらの入射光を集光する。これにより、光源2は、異なる蛍光体で調光された演色性の優れた、より自然な光を発光することができる。
図3〜図8を参照(適宜図9〜図12参照)して、発光装置100の製造方法の概略について説明する。まず、サファイアなどからなる透光性基板10の上面に、前記した半導体材料を用いて、n型半導体層、活性層及びp型半導体層を順次積層して半導体積層体20を形成する(工程101)。
そして、半導体積層体20の全面に、リフトオフ法により光反射層を形成する(工程102)。すなわち、フォトリソグラフィ法により、第1p側光反射層31p、第2p側光反射層32pを配置する領域に開口を有するレジストパターンを形成した後、ウエハ全面にスパッタリング法や蒸着法などによりAgなどの前記した反射性の良好な金属膜を成膜する。そして、レジストパターンを除去することにより、金属膜がパターニングされ、開口を有した第1p側光反射層31p、第2p側光反射層32pが形成される。
そして、半導体積層体20の一部の領域について、p型半導体層、活性層及びn型半導体層の一部をドライエッチングにより除去して、n型半導体層21nが露出する第1孔21h、第2孔22h及び外縁部22sを形成する(工程104:図9参照)。
ここで、第1半導体領域21の上方では、p側開口51を有する層間絶縁膜50を形成する際に、p側開口51pが形成される領域下に配置されたカバー電極40に開口を形成する。したがって、p側開口51pとカバー電極40の開口は略同じ大きさになる。
また、第2半導体領域22の上方では、p側開口52を有する層間絶縁膜50を形成する際に、p側開口52pが形成される領域下に配置されたカバー電極40に開口を形成する。したがって、p側開口52pとカバー電極40の開口は略同じ大きさになる。
なお、この層間絶縁膜50は、スパッタリング法などによりウエハ全面に絶縁膜を形成した後に、前記した所定領域に開口を有するレジストパターンを形成し、絶縁膜をエッチングすることによってパターニングすることができる。
そして、適宜な溶剤や薬剤を用いてマスクを除去する(工程110)。なお、マスクをドライエッチングすることで除去することもできる。
最後に、ダイシング法やスクライビング法によって、境界線に沿ってウエハを切断することにより、発光装置100を個片化する(工程111)。
まず、板状の反射部材を準備する(工程201)。この反射部材は、光反射性物質が含有された樹脂を硬化させて形成され、個片化した後の複数の発光装置に対応した大きさを有している。
そして、準備した反射部材に、波長変換部材9の外周縁に対応する形状を有した開口部(例えば貫通孔)をそれぞれ形成する(工程202)。これにより、各波長変換部材9の光反射部材7aが連結された構造の反射部材枠を形成する。ここで、開口部の形成方法としては、例えば、レーザ光の照射、パンチング、エッチング、ブラスト等を挙げることができる。
次に、反射部材枠において各開口部に、例えばポッティングにより、波長変換部材9の光透過部材93を構成する透光性樹脂を充填し、硬化させて、複数の透光性部材を形成する(工程203)。
そして、反射部材枠において、例えばポッティングにより、第1蛍光体を含む樹脂を各第1開口部に充填すると共に、第2蛍光体を含む樹脂を各第2開口部に充填する(工程205)。
その後、例えば遠心分離により、第1蛍光体及び第2蛍光体を沈降させる(工程206)。
さらに、第1蛍光体及び第2蛍光体を沈降させた状態で樹脂を硬化させることで、反射部材枠と各波長変換部材9とからなる複合シートを形成する(工程207)。
そして、この複合シートと接合された各発光装置100を、光反射性物質を含む樹脂で、各外部接続電極8まで覆い、硬化させることで、複合シートの上に反射部材を形成する(工程209)。
そして、複合シート及びその上の反射部材を、反射部材枠の分割線に沿ってダイシング等の方法で切断することにより、個々の発光装置に分離する(工程211)。
以上の工程により、波長変換部材9の周囲に光反射部材7aが形成され、かつ、発光装置100の周囲に光反射部材7bが形成された構造を有した発光装置が作製される。
また、発光装置100では、第1発光部として機能する第1半導体領域21が、平面視において発光素子1の中心領域に形成されており、この第1半導体領域21には、n側のパッド電極である第1n側電極61nと、p側のパッド電極である第1p側導電層61とが設けられている。
さらに、発光装置100では、第2発光部として機能する第2半導体領域22が、平面視において第1半導体領域21の周辺に形成されており、この第2半導体領域22には、n側のパッド電極である第2n側電極62nと、p側のパッド電極である第2p側導電層62とが設けられている。したがって、発光装置100は、発光部毎にn側及びp側のパッド電極をそれぞれ備えている。
これに対して、本実施形態に係る発光装置100では、第1半導体領域21(第1発光部)と第2半導体領域22(第2発光部)とに、異なるn側電極(第1n側電極61n、第2n側電極62n)がそれぞれ接続されている。
これにより、本実施形態に係る発光素子1では、第1半導体領域21における第1n側電極61nから第1p側電極(第1p側光反射層31p)までの電流経路と、第2半導体領域22における第2n側電極62nから第2p側電極(第2p側光反射層32p)までの電流経路と、を揃えることができる。そのため、発光素子1は、従来の発光素子よりも電流の偏りを軽減することができる。したがって、発光素子1における電流密度の偏りを軽減できる結果、この発光素子1を用いた発光装置100は、発光強度分布を改善することができる。
図13及び図14に示すように、第2実施形態に係る発光素子1B及び発光装置100Bでは、層間絶縁膜50の開口が第1実施形態に係る発光素子1及び発光装置100と相違している。以下では、発光装置100と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
発光装置100Bは、発光素子1Bと、外部接続電極8(n側外部接続電極80n、第1p側外部接続電極81p、第2p側外部接続電極82p)とを備えている。
発光素子1Bは、このように第2n側電極62nが半導体積層体20の外縁部22sでn型半導体層21nに接触しているので、この発光素子1Bを用いた発光装置100Bは、順方向電圧の上昇が抑制され、発光出力を向上させることができる。
図15及び図16に示すように、第3実施形態に係る発光素子1C及び発光装置100Cでは、2つの半導体積層体を備える点が第1実施形態に係る発光素子1及び発光装置100と相違している。以下では、発光装置100と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
発光装置100Cは、発光素子1Cと、外部接続電極8(n側外部接続電極80n、第1p側外部接続電極81p、第2p側外部接続電極82p)とを備えている。
第2半導体積層体22Cは、図16において左側に示すように、透光性基板10の上方に、第2n型半導体層22nと、第2活性層22aと、第2p型半導体層22pと、を備えている。
図16に示すように、発光素子1Cは、第1半導体積層体21(第1発光部)と、第2半導体積層体22C(第2発光部)との間において、透光性基板10の上から、p型半導体層、活性層及びn型半導体層が除去され、透光性基板10上に、半導体層を介在させずに層間絶縁膜50等が積層されて構成される。
また、発光装置100Cは、第1半導体積層体21と、第2半導体積層体22Cとが透光性基板10上で分離して設けられているため、各n型半導体層21n,22n内を横方向に伝搬する光を分離端面21e,22e(図16参照)で反射させることができる。これにより、発光素子1Cの光取り出し面側(図16において下側)に第1蛍光体層91及び第2蛍光体層92が設けられた場合、第1蛍光体層91と第2蛍光体層92とをより選択的に発光させることができる。
図17に示すように、第4実施形態に係る発光装置100Dでは、外部接続電極8の構造が第1実施形態に係る発光装置100と相違している。以下では、発光装置100と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
発光装置100Dは、発光素子1Dを備え、発光素子1Dに設けられた外部接続電極8として、第1n側外部接続電極81nと、第2n側外部接続電極82nと、p側外部接続電極80pと、を備えている。
第2n側外部接続電極82nは、絶縁保護膜70のn側開口72nを通じて第2n側電極62nに接続されている。
このような発光装置100Dであっても発光素子1Dを用いることで発光強度分布を改善することができる。
図18に示すように、第5実施形態に係る発光装置100Eでは、外部接続電極8の構造が第4実施形態に係る発光装置100Dと相違している。以下では、発光装置100Dと同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
発光装置100Eは、発光素子1Eを備え、発光素子1Eに設けられた外部接続電極8として、第1n側外部接続電極81nと、第2n側外部接続電極82nと、第1p側外部接続電極81pと、第2p側外部接続電極82pと、を備えている。
なお、発光素子1Eは、図17に示す発光素子1Dと同じものである。
第2p側外部接続電極82pは、絶縁保護膜70のp側開口72pを通じて第2p側導電層62pに接続されている。すなわち、第2p側外部接続電極82pは、第2p側導電層62pを介して第2p側電極(第2p側光反射層32p)に接続されている。
このような4端子型の発光装置100Eであっても発光素子1Eを用いることで発光強度分布を改善することができる。
例えば、発光装置は、波長変換部材9を備える構成としてもよいし、さらに、フレネルレンズ6を備える構成としてもよい。
波長変換部材9の上面の形状は、四角形のほか、円形、楕円形または角丸の四角形としてもよく、用いるレンズ等との二次光学系の組み合わせを考慮して任意にその形状を変更することができる。波長変換部材9の光出射表面は平坦であるものには限定されず、凹面であってもよいし、凸面であってもよい。波長変換部材9の光出射表面に凹凸があってもよい。
1,1B,1C,1D,1E 発光素子
2 光源
6 フレネルレンズ
7a,7b 光反射部材
8 外部接続電極
80n n側外部接続電極
80p p側外部接続電極
81n 第1n側外部接続電極
81p 第1p側外部接続電極
82n 第2n側外部接続電極
82p 第2p側外部接続電極
85 シード層
9 波長変換部材
91 第1蛍光体層
92 第2蛍光体層
93 光透過部材
10 透光性基板
20 半導体積層体
21 第1半導体領域(第1半導体積層体)
21n n型半導体層(第1n型半導体層)
21a 第1活性層
21p 第1p型半導体層
21h 第1孔
22 第2半導体領域
22C 第2半導体積層体
22n 第2n型半導体層
22a 第2活性層
22h 第2孔
22p 第2p型半導体層
22s 外縁部
31p 第1p側光反射層(第1p側電極)
32p 第2p側光反射層(第2p側電極)
40 カバー電極
41n 開口
41p 開口
50 層間絶縁膜
51p,52p p側開口
51n,52n,53n n側開口
61n 第1n側電極
61p 第1p側導電層
62n 第2n側電極
62p 第2p側導電層
70 絶縁保護膜
71n,72n n側開口
71p,72p p側開口
Claims (23)
- 透光性基板と、
前記透光性基板の一部の上方に設けられた第1n型半導体層と、前記第1n型半導体層の上方に設けられた第1p型半導体層と、を有しており、前記第1p型半導体層には第1孔が設けられている第1半導体積層体と、
前記第1p型半導体層上に設けられた第1p側電極と、
前記第1p側電極の一部の上方及び前記第1孔内に設けられ、かつ前記第1n型半導体層と接続された第1n側電極と、
前記透光性基板の上方であって平面視で前記第1半導体積層体の周囲に設けられた第2n型半導体層と、前記第2n型半導体層の上方に設けられた第2p型半導体層と、を有しており、前記第2p型半導体層には第2孔が設けられている第2半導体積層体と、
前記第2p型半導体層上に設けられた第2p側電極と、
前記第2p側電極の一部の上方及び前記第2孔内に設けられ、かつ前記第2n型半導体層と接続された第2n側電極と、を有することを特徴とする発光素子。 - 透光性基板と、
前記透光性基板の上方に設けられた1つのn型半導体層と、
前記n型半導体層の一部の上方に設けられ、第1孔を有する第1p型半導体層と、
前記第1p型半導体層上に設けられた第1p側電極と、
前記第1p側電極の一部の上方及び前記第1孔内に設けられ、かつ前記n型半導体層と接続された第1n側電極と、
前記n型半導体層の上方であって平面視で前記第1p型半導体層の周囲に設けられ、第2孔を有する第2p型半導体層と、
前記第2p型半導体層上に設けられた第2p側電極と、
前記第2p側電極の一部の上方及び前記第2孔内に設けられ、かつ前記n型半導体層と接続された第2n側電極と、を有することを特徴とする発光素子。 - 前記第2n型半導体層の外縁部は、平面視で前記第2p型半導体層よりも外側にあり、
前記第2n側電極は、前記第2p型半導体層の外縁部上から前記第2n型半導体層の外縁部上を覆うように延在している請求項1に記載の発光素子。 - 前記第2n型半導体層の外縁部上に延在した前記第2n側電極の一部は、平面視で前記第2p型半導体層に沿って、前記第2n型半導体層の外縁部に接続されている請求項3に記載の発光素子。
- 前記n型半導体層の外縁部は、平面視で前記第2p型半導体層よりも外側にあり、
前記第2n側電極は、前記第2p型半導体層の外縁部上から前記n型半導体層の外縁部上を覆うように延在している請求項2に記載の発光素子。 - 前記n型半導体層の外縁部上に延在した前記第2n側電極の一部は、平面視で前記第2p型半導体層に沿って、前記n型半導体層の外縁部に接続されている請求項5に記載の発光素子。
- 前記第2n側電極は、Ag、Al、Pt及びRhから選択される少なくとも1種を含む請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記第1孔を複数有し、複数の前記第1孔は、前記第1p型半導体層の外縁部に沿って配列されている請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記第1n側電極は、配列された複数の前記第1孔に沿って延在し、複数の前記第1孔を一体的に接続している請求項8に記載の発光素子。
- 前記第2孔を複数有し、複数の前記第2孔は、前記第2p型半導体層の内縁部に沿って配列されている請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記第2n側電極は、配列された複数の前記第2孔に沿って延在し、複数の前記第2孔を一体的に接続している請求項10に記載の発光素子。
- 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子において、前記透光性基板とは反対側に外部接続電極が設けられており、
前記外部接続電極は、
前記第1n側電極と前記第2n側電極とに接続されたn側外部接続電極と、
前記第1p側電極に接続された第1p側外部接続電極と、
前記第2p側電極に接続された第2p側外部接続電極と、を有する発光装置。 - 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子において、前記透光性基板とは反対側に外部接続電極が設けられており、
前記外部接続電極は、
前記第1n側電極に接続された第1n側外部接続電極と、
前記第2n側電極に接続された第2n側外部接続電極と、
前記第1p側電極と前記第2p側電極とに接続されたp側外部接続電極と、を有する発光装置。 - 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子において、前記透光性基板とは反対側に外部接続電極が設けられており、
前記外部接続電極は、
前記第1n側電極に接続された第1n側外部接続電極と、
前記第2n側電極に接続された第2n側外部接続電極と、
前記第1p側電極に接続された第1p側外部接続電極と、
前記第2p側電極に接続された第2p側外部接続電極と、を有する発光装置。 - 前記発光素子の前記第1p側電極は、
前記第1p型半導体層の上面の略全面に接続された第1p側光反射層と、
前記第1p側光反射層上に設けられ、かつ前記外部接続電極が接続された第1p側導電層と、
を含む請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載の発光装置。 - 前記第1p側光反射層は、Ag、Al、Pt、Rh及びIrから選択される少なくとも1種を含む請求項15に記載の発光装置。
- 前記発光素子の前記第2p側電極は、
前記第2p型半導体層の上面の略全面に接続された第2p側光反射層と、
前記第2p側光反射層上に設けられ、かつ前記外部接続電極が接続された第2p側導電層と、
を含む請求項12乃至請求項16のいずれか一項に記載の発光装置。 - 前記第2p側光反射層は、Ag、Al、Pt、Rh及びIrから選択される少なくとも1種を含む請求項17に記載の発光装置。
- 前記発光素子の前記第1p型半導体層は、平面視における外縁の形状が円形である請求項12乃至請求項18のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光素子の前記第2p型半導体層は、平面視における外縁の形状が円形である請求項12乃至請求項19のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光素子の前記透光性基板側に波長変換部材を備え、
前記波長変換部材は、平面視において、
前記第1p型半導体層を覆う第1蛍光体層と、
前記第1蛍光体層の周囲に設けられ、かつ前記第2p型半導体層を覆う第2蛍光体層と、を含む請求項12乃至請求項20のいずれか一項に記載の発光装置。 - 前記第2蛍光体層によって前記発光素子の光を変換した光の波長は、前記第1蛍光体層によって前記発光素子の光を変換した光の波長よりも長い請求項21に記載の発光装置。
- 前記波長変換部材の前記透光性基板とは反対の面側に設けられたフレネルレンズを備える請求項21又は請求項22に記載の発光装置。
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