JP6383745B2 - 回転電機のロータの製造方法及び回転電機のロータ - Google Patents

回転電機のロータの製造方法及び回転電機のロータ Download PDF

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本発明は、積層された鋼板からなるロータコアに永久磁石を固定してロータを製造する回転電機のロータの製造方法及び回転電機のロータに関する。
従来、ハイブリッド車両などに用いられる回転電機では、ケース内部にロータが回転自在に支持されている。ロータのロータコアは、積層された電磁鋼板からなり、ロータコアの円周方向に沿って形成された複数のスロット(磁石挿入孔)に永久磁石が固定される。
このような回転電機のロータの製造方法の一つとして、永久磁石をロータコアのスロットに挿入後、スロットに設けられた樹脂注入穴から樹脂を注入し、樹脂を固化させて永久磁石を固定するいわゆる樹脂注入法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、他の回転電機のロータの製造方法としては、予め永久磁石を樹脂にてコーティングしてからロータのスロットへ圧入することで位置決め固定するいわゆる圧入法が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2008−219992号公報 特開2005−94845号公報
しかしながら、上述した特許文献1の樹脂注入法においては、ロータの永久磁石を固定する樹脂を注入するために、スロットに連通する樹脂注入穴をロータコアに設けているが、その樹脂注入穴は非磁性部であるため磁束の流れを阻害する要因となる。その結果、磁気抵抗悪化によるトルクの低下や永久磁石のパーミアンスの低下による磁石磁性体力の低下等、回転電機の性能劣化の虞があった。
また、上述した特許文献2の圧入法においては、図10(a)に示すように、予め永久磁石1を樹脂2にてコーティングしたものをロータ3のスロット4へ圧入するため、樹脂2のコーティングが電磁鋼板5aに削られて異物となってしまう虞があった。
また、ロータ3は積層された電磁鋼板5からなっているため、電磁鋼板5を積み重ねる際に各電磁鋼板5間に必ず段差が発生し得る。そのため、図10(b)に示すように、ロータの回転時には遠心力が発生するが、その遠心力は積層段差の高い電磁鋼板5aのみに集中的に掛かり、その電磁鋼板5aが破損し異物となる虞があった。また、積層段差の低い部分には永久磁石との間に空気層6ができるために、永久磁石1に対する冷却性能が悪化する虞があった。
さらに、遠心力がある部分に集中的に掛かるため、樹脂や電磁鋼板5が変形して、図10(c)に示すように、永久磁石1の固定力が不十分となって永久磁石1がスロット内で動いてしまい、ノイズ性能が悪化する虞があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂が鋼板に削られて異物となることを抑制できるとともに、ノイズ性能の悪化や冷却性能の悪化を抑制でき、ロータの性能の向上を図ることができる回転電機のロータの製造方法及び回転電機のロータを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
積層された複数の鋼板(例えば、後述の実施形態における電磁鋼板11)によって構成されるとともに、円周方向に沿って形成された複数の磁石挿入孔(例えば、後述の実施形態における磁石挿入孔14)を有するロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア20)と、
前記磁石挿入孔に配置される永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石40)と、
前記永久磁石と前記磁石挿入孔の内壁面との間に位置する樹脂部(例えば、後述の実施形態における樹脂部43)と、を備えた回転電機のロータの製造方法であって、
前記永久磁石の周囲を前記樹脂部が包むように前記永久磁石と前記樹脂部とを一体化し、前記磁石挿入孔と略同形状の樹脂付永久磁石体(例えば、後述の実施形態における樹脂付永久磁石体42)を形成する一体化工程(例えば、後述の実施形態における一体化工程S100)と、
前記樹脂付永久磁石体を前記磁石挿入孔に配置する配置工程(例えば、後述の実施形態における配置工程S130)と、
前記配置工程の後に前記樹脂付永久磁石体と前記磁石挿入孔の内壁面とを密着させる密着工程(例えば、後述の実施形態における密着工程S150)と、を備え
前記一体化工程では、前記永久磁石の少なくとも一方側の軸方向端面を覆う余肉部(例えば、後述の実施形態における余肉部42a)を有する前記樹脂付永久磁石体を形成し、
前記密着工程では、前記余肉部を軸方向に押圧することで前記樹脂付永久磁石体と前記磁石挿入孔の内壁面とを密着させる、回転電機のロータの製造方法
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
前記一体化工程は、インサート成形することで前記樹脂付永久磁石体を形成する、回転電機のロータの製造方法。
請求項に係る発明は、請求項1または2に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
前記密着工程では、前記余肉部が前記磁石挿入孔の外側に移動しないようにガイドプレート(例えば、後述の実施形態におけるガイドプレート50)を用いて押圧する、回転電機のロータの製造方法。
請求項に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
前記密着工程の前に、前記樹脂付永久磁石体を加熱する加熱工程(例えば、後述の実施形態における加熱工程S140)をさらに備える、回転電機のロータの製造方法。
請求項に係る発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
前記略同形状は、前記磁石挿入孔よりも僅かに小さい形状である、回転電機のロータの製造方法。
請求項に係る発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
前記一体化工程では、前記永久磁石の周囲の一部に前記樹脂部から前記永久磁石が露出する磁石露出部(例えば、後述の実施形態における磁石露出部40a)を有する前記樹脂付永久磁石体を形成する、回転電機のロータの製造方法。
請求項に係る発明は、請求項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
前記配置工程では、前記磁石露出部をステータと対向する側を向くように配置する。
請求項に係る発明は、
積層された複数の鋼板(例えば、後述の実施形態における電磁鋼板11)によって構成されるとともに、円周方向に沿って形成された複数の磁石挿入孔(例えば、後述の実施形態における磁石挿入孔14)を有するロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア20)と、
前記磁石挿入孔に配置された永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石40)と、
前記永久磁石と前記磁石挿入孔の内壁面との間に位置する樹脂部(例えば、後述の実施形態における樹脂部43)と、を備えた回転電機のロータであって、
前記永久磁石の周囲を前記樹脂部が包むように前記永久磁石と前記樹脂部とを一体化し、前記永久磁石の少なくとも一方側の軸方向端面を覆う余肉部(例えば、後述の実施形態における余肉部42a)を有する樹脂付永久磁石体(例えば、後述の実施形態における樹脂付永久磁石体42)の前記樹脂部が、前記余肉部が軸方向に押圧されることで前記磁石挿入孔の内壁面と密着した、回転電機のロータ。
請求項1の発明によれば、予め永久磁石の周囲を樹脂部が包むように永久磁石と樹脂部とを一体化して樹脂付永久磁石体を形成し、樹脂付永久磁石体を磁石挿入孔に挿入した後、樹脂付永久磁石体と磁石挿入孔の内壁面とを密着させることにより、永久磁石と磁石挿入孔の内壁面との間に樹脂を注入する場合に比べて、樹脂注入穴を不要とすることができる。これにより、樹脂注入穴による磁束の阻害を回避でき、回転電機の性能劣化を防止できる。また、樹脂付永久磁石体を圧入する場合に比べて、樹脂が鋼板に削られて異物となることを抑制できるとともに、ノイズ性能の悪化、冷却性能の悪化を抑制できる。 さらに、請求項1の発明によれば、余肉部を軸方向に押圧することにより余肉部及び樹脂部が磁石挿入孔の内壁面側に移動し、余肉部及び樹脂部の樹脂部材が磁石挿入孔の内壁面に食い込むことで、樹脂付永久磁石体と磁石挿入孔の内壁面とを密着させることができる。
請求項2の発明によれば、インサート成形することで樹脂付永久磁石体を形成するため、容易に樹脂付永久磁石体を形成できる。
請求項の発明によれば、密着工程ではガイドプレートを用いて押圧するため、余肉部が磁石挿入孔の外側に移動するのを抑制し、余肉部及び樹脂部が磁石挿入孔の内壁面側に移動するのを促進できる。
請求項の発明によれば、密着工程前に樹脂付永久磁石体を加熱する加熱工程を備えるため、余肉部及び樹脂部が磁石挿入孔の内壁面側に移動するのを促進できる。
請求項の発明によれば、樹脂付永久磁石体は磁石挿入孔よりも僅かに小さい形状であるため、配置工程において、磁石挿入孔への樹脂付永久磁石の挿入を容易にできる。また、圧入する場合に比べて、鋼板が折れて異物となることを抑制できる。
請求項の発明によれば、一体化工程では、永久磁石の周囲の一部に樹脂部から永久磁石が露出する磁石露出部を有する樹脂付永久磁石体を形成するため、磁石露出部を磁石挿入孔の内壁面に当接させることで樹脂付永久磁石体を位置決めすることができる。
請求項の発明によれば、磁石露出部がステータと対向する側を向くように配置することで、磁石露出部が磁石挿入孔の内壁面と当接するので、ステータと対向する側に非磁性部である樹脂が介在するのを防止できる。
請求項の発明によれば、永久磁石の周囲を樹脂部が包むように永久磁石と樹脂部とを一体化した樹脂付永久磁石体の樹脂部が、磁石挿入孔の内壁面と密着することにより、永久磁石と磁石挿入孔の内壁面との間に樹脂を注入することで永久磁石と磁石挿入孔の内壁面とを密着させた場合に比べて、樹脂注入穴を不要とできる。これにより、樹脂注入穴による磁束の阻害を回避でき、回転電機の性能劣化を防止できる。また、樹脂付永久磁石体を圧入する場合に比べて、樹脂が電磁鋼板に削られて異物となることを抑制できるとともに、ノイズ性能の悪化、冷却性能の悪化を抑制できる。
本発明の回転電機のロータの製造方法により製造された一実施形態のロータコアを示す斜視図である。 (a)は樹脂付永久磁石体を磁石露出部側から見た斜視図であり、(b)は樹脂付永久磁石体を磁石露出部とは反対側から見た斜視図である。 樹脂付永久磁石体と磁石挿入孔との関係を示す平面図である。 3つの樹脂付永久磁石体の真ん中にのみ樹脂付永久磁石体を配置した斜視図である。 ロータの製造方法のフロー図である。 (a)は樹脂付永久磁石体を磁石挿入孔に配置した状態を説明する模式図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 樹脂付永久磁石体を磁石挿入孔に配置したロータコア上に、ガイドプレートとプレス金型を配置した状態を示す部分斜視図である。 密着工程を示す部分斜視図である。 (a)は樹脂付永久磁石体を押圧した状態を説明する模式図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 特許文献2に記載の圧入法による回転電機のロータの製造方法を示す説明図である。
以下、本発明の回転電機のロータの製造方法の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本実施形態の回転電機のロータ10は、ロータコア20と、複数の永久磁石40と、永久磁石40をロータコア20に固定する樹脂部43と、を備える、いわゆる永久磁石埋め込み型ロータである。
図1は、本発明の回転電機のロータの製造方法により製造された一実施形態のロータコアを示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のロータ10のロータコア20は、複数枚の電磁鋼板11が積層された鋼板積層体12から構成される。電磁鋼板11は、その中央部に軸挿通孔11aを有するとともに、その外周部に複数の磁石挿入孔14が、円周方向に複数形成された略円環形状を有する。磁石挿入孔14は、3つの磁石挿入孔14が組となって1つの磁極部41を構成する。
ロータコア20の各磁石挿入孔14には、永久磁石40が樹脂に埋め込まれた樹脂付永久磁石体42樹脂付永久磁石体が配設される。
1つの磁極部41を構成する3つの磁石挿入孔14は、中央部に位置する磁石挿入孔14に対し、両側に位置する2つの磁石挿入孔14がV字形状に外径側に開くように配置される。磁石挿入孔14は、軸方向に開口し、それぞれ独立したものとなっている。
1つの磁極部41を構成する3つ磁石挿入孔14には、磁化方向が同じ永久磁石40が配置される。周方向で隣り合う磁極部41には、この永久磁石40と磁化方向が異なる永久磁石40が配置されることで、周方向で交互に磁極が反転するようになっている。
樹脂付永久磁石体42は、ロータコア20とは別に予め熱可塑性樹脂によってインサート成形により棒状に形成され、永久磁石40の周囲を樹脂部43が包むように永久磁石40と樹脂部43とが一体化されている。
樹脂付永久磁石体42は、直方体形状の永久磁石40に磁石挿入孔14と略同形状となるように、樹脂部43が形成される。より詳しくは、樹脂付永久磁石体42が磁石挿入孔14よりも一回り小さく成形される。そのため、図3に示すように、樹脂付永久磁石体42を磁石挿入孔14に挿入すると僅かなクリアランスcを有することとなる。
また、樹脂付永久磁石体42を磁石挿入孔14より小さくしたクリアランスcの体積分に相当する樹脂部材は、樹脂付永久磁石体42の長手方向を長く成形して余肉部42aを形成することで賄われる。そのため、図4に示すように、磁石挿入孔14に樹脂付永久磁石体42を挿入すると、磁石挿入孔14の上部に余肉部42aが突出することになる。余肉部42aは樹脂付永久磁石体42の軸方向一方側の軸方向端面にのみ設けられてもよく、軸方向両端面に設けられてもよい。
樹脂付永久磁石体42は、永久磁石40の周囲を樹脂部43が包むようにして、永久磁石40と樹脂部43とを一体化する一体化工程S100で形成される。さらに、この一体化工程S100では、図2(a)に示すように、永久磁石40の周囲の一部に、樹脂部43から永久磁石40が露出する磁石露出部40aを有するように、樹脂付永久磁石体42が形成される。
次に、本実施形態のロータ10の製造工程例について、図5のフロー図に基づいて説明する。
一体化工程S100は、上述したように、インサート成形により永久磁石40と樹脂部43とを一体化して棒状の樹脂付永久磁石体42を形成する工程である。
続いて、余熱工程S110では、ロータコア20と樹脂付永久磁石体42を余熱する。
次に、ガイドプレート設置工程S120では、ロータコア20の上面にガイドプレート50を設置する。ここで、ガイドプレート50とは、図7に示すように、磁石挿入孔14と同形状の抜き穴51が形成された円環状のプレートである。このガイドプレート50をロータコア20の上面に配置することによって、後述する密着工程S150時において、上述した樹脂付永久磁石体42の余肉部42aの樹脂部材が、磁石挿入孔14の外側にはみ出て移動してしまわないように、隙間なく確実に磁石挿入孔14内に入るよう余肉部42aの周囲を覆う。
続いて、配置工程S130では、ロータコア20の各磁石挿入孔14へ、それぞれ樹脂付永久磁石体42を挿入する。なお、ガイドプレート設置工程S120と配置工程S130は順番を入れ変えてもよい。
続いて、加熱工程S140で、密着工程S150の前段階として、電磁誘導加熱等によって、ロータコア20と樹脂付永久磁石体42を加熱し、樹脂部43を軟化させる。この密着工程前に、樹脂付永久磁石体42を加熱する加熱工程S140は、上述した余熱工程S110が十分であれば、省略することができる。
続いて、密着工程S150では、図8及び図9(a)に示すように、プレス金型60で上方からガイドプレート50に形成された抜き穴51を介して樹脂付永久磁石体42をプレスする。これにより、加熱工程S140で軟化した余肉部42aの樹脂部材がガイドプレート50に誘導されて下方へ押圧されるとともに、樹脂部43の樹脂部材が樹脂付永久磁石体42と磁石挿入孔14とのクリアランスcを埋めるように磁石挿入孔14内に移動する。
このとき、樹脂部43から永久磁石40が露出する磁石露出部40aが磁石挿入孔14の内壁面に当接して位置決めされるとともに、余肉部42a及び樹脂部43の樹脂部材が電磁鋼板11を積み重ねる際に各電磁鋼板11間に生じた段差による空間にも、樹脂部材が隙間なく充填される。
最後に、冷却工程S160で、樹脂部43の樹脂部材が固化されて、永久磁石40がロータコア20に固定される。なお、冷却工程S160は、自然放熱による冷却であってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、予め永久磁石40の周囲を樹脂部43が包むように永久磁石40と樹脂部43とを一体化して樹脂付永久磁石体42を形成し、樹脂付永久磁石体42を磁石挿入孔14に挿入した後、樹脂付永久磁石体42と磁石挿入孔14の内壁面とを密着させることにより、永久磁石40と磁石挿入孔14の内壁面との間に樹脂を注入する場合に比べて、樹脂注入穴を不要とすることができる。これにより、樹脂注入穴による磁束の阻害を回避でき、回転電機の性能劣化を防止できる。また、樹脂付永久磁石体42を圧入する場合に比べて、樹脂が鋼板に削られて異物となることを抑制できるとともに、ノイズ性能の悪化、冷却性能の悪化を抑制できる。
また、インサート成形することで樹脂付永久磁石体42を形成するため、容易に樹脂付永久磁石体42を形成できる。
また、余肉部42aを軸方向に押圧することにより余肉部42a及び樹脂部43が磁石挿入孔14の内壁面側に移動し、余肉部42a及び樹脂部43の樹脂部材が磁石挿入孔14の内壁面に食い込むことで、樹脂付永久磁石体42と磁石挿入孔14の内壁面とを密着させることができる。
余肉部42a及び樹脂部43の樹脂部材が磁石挿入孔14の内壁面に食い込むことで、電磁鋼板11を積み重ねる際に各電磁鋼板11間に生じた段差による空間にも、樹脂部材が隙間なく充填されため、遠心力を分散することが可能になるとともに、電磁鋼板11の破損や樹脂部43の変形を防止できる。また、空気層が無くなるために、冷却性能を向上させることができる。なお、この場合に、熱伝導率の高い樹脂を使用することで、より冷却性能が向上する。
また、密着工程S150ではガイドプレート50を用いて押圧するため、余肉部42aが磁石挿入孔14の外側に移動するのを抑制し、余肉部42a及び樹脂部43が磁石挿入孔14の内壁面側に移動するのを促進できる。
また、密着工程S150の前に樹脂付永久磁石体42を加熱する加熱工程S140を実施するため、余肉部42a及び樹脂部43が磁石挿入孔14の内壁面側に移動するのを促進できる。
また、樹脂付永久磁石体42は磁石挿入孔14よりも僅かに小さい形状であるため、配置工程S130において、磁石挿入孔14への樹脂付永久磁石体42の挿入を容易にできる。また、圧入する場合に比べて、電磁鋼板11が折れて異物となることを抑制できる。
また、一体化工程S100では、永久磁石40の周囲の一部に樹脂部43から永久磁石40が露出する磁石露出部40aを有する樹脂付永久磁石体42を形成するため、磁石露出部40aを磁石挿入孔14の内壁面に当接させることで樹脂付永久磁石体42を位置決めすることができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、一体化工程S100では、永久磁石40に予め成型された樹脂部43を接着等により一体化してもよく、密着工程S150では、樹脂の種類によってはプレスによらず、誘導加熱等により樹脂を流動化させて密着するようにしてもよい。
また、配置工程S130では、磁石露出部40aをステータと対向する側を向くように配置することが好ましい。すなわち、インナーロータであれば、磁石露出部40aが径方向外側を向くように配置し、アウターロータであれば、磁石露出部40aが径方向内側を向くように配置する。これにより、永久磁石40とステータ側のロータコア20の内壁面との間に非磁性部である樹脂部43が介在するのが防止される。
10 回転電機のロータ
11 電磁鋼板(鋼板)
14 磁石挿入孔
20 ロータコア
40 永久磁石
40a 磁石露出部
42 樹脂付永久磁石体
42a 余肉部
43 樹脂部
50 ガイドプレートガイドプレート
S100 一体化工程
S130 配置工程
S140 加熱工程
S150 密着工程

Claims (8)

  1. 積層された複数の鋼板によって構成されるとともに、円周方向に沿って形成された複数の磁石挿入孔を有するロータコアと、
    記磁石挿入孔に配置される永久磁石と、
    前記永久磁石と前記磁石挿入孔の内壁面との間に位置する樹脂部と、を備えた回転電機のロータの製造方法であって、
    前記永久磁石の周囲を前記樹脂部が包むように前記永久磁石と前記樹脂部とを一体化し、前記磁石挿入孔と略同形状の樹脂付永久磁石体を形成する一体化工程と、
    前記樹脂付永久磁石体を前記磁石挿入孔に配置する配置工程と、
    前記配置工程の後に前記樹脂付永久磁石体と前記磁石挿入孔の内壁面とを密着させる密着工程と、を備え
    前記一体化工程では、前記永久磁石の少なくとも一方側の軸方向端面を覆う余肉部を有する前記樹脂付永久磁石体を形成し、
    前記密着工程では、前記余肉部を軸方向に押圧することで前記樹脂付永久磁石体と前記磁石挿入孔の内壁面とを密着させる、回転電機のロータの製造方法。
  2. 請求項1に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
    前記一体化工程は、インサート成形することで前記樹脂付永久磁石体を形成する、回転電機のロータの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
    前記密着工程では、前記余肉部が前記磁石挿入孔の外側に移動しないようにガイドプレートを用いて押圧する、回転電機のロータの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
    前記密着工程の前に、前記樹脂付永久磁石体を加熱する加熱工程をさらに備える、回転電機のロータの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
    前記略同形状は、前記磁石挿入孔よりも僅かに小さい形状である、回転電機のロータの製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
    前記一体化工程では、前記永久磁石の周囲の一部に前記樹脂部から前記永久磁石が露出する磁石露出部を有する前記樹脂付永久磁石体を形成する、回転電機のロータの製造方法。
  7. 請求項に記載の回転電機のロータの製造方法であって、
    前記配置工程では、前記磁石露出部をステータと対向する側を向くように配置する、回転電機のロータの製造方法。
  8. 積層された複数の鋼板によって構成されるとともに、円周方向に沿って形成された複数の磁石挿入孔を有するロータコアと、
    前記磁石挿入孔に配置された永久磁石と、
    前記永久磁石と前記磁石挿入孔の内壁面との間に位置する樹脂部と、を備えた回転電機のロータであって、
    前記永久磁石の周囲を前記樹脂部が包むように前記永久磁石と前記樹脂部とを一体化し、前記永久磁石の少なくとも一方側の軸方向端面を覆う余肉部を有する樹脂付永久磁石体の前記樹脂部が、前記余肉部が軸方向に押圧されることで前記磁石挿入孔の内壁面と密着した、回転電機のロータ。
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