JP2006174537A - ロータの製造方法およびロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロータの挿入孔と挿入される磁石との間に隙間がないロータと該ロータの製造方法を提供する。
【解決手段】 磁石21の外周に被膜層22を形成することによって、少なくとも挿入孔12の断面積よりも大きな断面積を有する挿入用樹脂被覆磁石2を製造する第一工程と、該被膜層22の外周部分を挿入孔12のエッジ部分で削りながら該挿入用樹脂被覆磁石2を挿入孔12内に挿入する第二工程とからなるロータ1の製造方法である。第一工程においては、電着塗装により、被膜層の形成がおこなわれる。この被膜層22には挿入方向に延びる突条23が設けられ、挿入孔12には突条23が嵌め合わされる切り欠き12が穿設されている形態もある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータを構成するロータの製造方法およびロータに係り、特に、ロータ内に磁石が埋め込まれる埋込型ロータにおいて、ロータの挿入孔と挿入される磁石との間に隙間がないロータと該ロータの製造方法に関するものである。
ブラシレスDCモータをはじめとする各種のモータの中で、インナーロータ型であって、ロータコア内部に複数の磁石が埋め込まれてなる埋込型ロータからなるモータはよく知られるところである。例えば、ハイブリット車両用のモータには、上記する磁石埋込型のインナーロータを有するモータが使用されている。
かかる磁石埋込型ロータにおいては、ロータコアに穿設された磁石挿入孔の寸法は磁石の外形寸法よりも大きく成形されており、したがって、挿入孔と磁石双方の接着は、双方の隙間内に充填されたエポキシ系接着剤などを介しておこなわれている。また、接着剤を介した接着のほかに、例えば直方体の磁石の各辺に碗型のモールド樹脂を備えた姿勢でかかる磁石を挿入孔に挿入する方法もおこなわれている。この方法は、モールド樹脂が挿入孔と複数箇所で内接することにより、磁石と挿入孔とを固定させることができる。
上記する接着剤を使用する方法では、挿入孔と磁石間に接着剤を均一に充填させることは極めて困難であり、結果として挿入孔の内壁面と磁石との間に隙間が生じてしまう。かかる隙間の介在により、モータ駆動時において挿入孔と磁石とがぶつかり合うこととなり、磁石の破損、ひいてはモータの駆動停止へと繋がってしまう。また、接着剤が挿入孔外へはみ出してしまい、他のモータ構成部品へ接着剤が付着してしまうといった問題、さらにはモータの異常音の招来や破損の問題も生じ得る。
一方、挿入孔に複数箇所で内接するようにモールド樹脂を成形することは、加工手間を要する。特に、磁石の隅角部は鋭角であることからモールド樹脂は磁石に付着し難い。したがって、該モールド樹脂にて磁石を被覆する場合においても、磁石と挿入孔の間には隙間が生じてしまうことは否めず、接着剤にて磁石と挿入孔を固定する方法と同様な問題が生じ得ることとなる。
ところで、特許文献1には、永久磁石を非磁性材からなるケースに収容させ、かかるケースをロータコアに穿設された挿入孔に挿入してなるロータに関する発明が開示されている。ロータコアが積層鉄心からなる場合においては挿入孔の内壁面に鉄板ごとの段差が生じ、複数の磁石片を挿入孔に挿入する際に、かかる段差によって磁石片が効率的に挿入できないといった問題を解消するために発案されたロータである。一方、特許文献2においては、特許文献1のロータを構成するケース内に絶縁性の仕切り材を備え、かかる仕切り材の間に磁石を配設してなるロータに関する発明が開示されている。かかる発明は、隣接する磁石片同士の電気的絶縁性を十分に確保することにより、ロータ回転中に磁石に大きな渦電流が生じないようにするために発案されたものである。
特開2001−16808号公報 特開2004−7937号公報
特許文献1,2に開示のロータによれば、積層鉄心からなるロータにおいて磁石挿入孔の内壁面に段差が生じている場合でも、複数の磁石片はケース内に収容されているため、容易にケース(内の磁石)を挿入孔に挿入することができる。しかし、挿入孔の内壁面形状に適合したケースの製作は、上記するモールド樹脂の場合と同様に加工手間がかかるとともにその要求精度を満足することは難しく、容易にケースを挿入可能とするためには、挿入孔よりも小さな寸法のケースとせざるを得ない。そのため、ケースと挿入孔との間に生じる隙間の解消に至らず、既述するように、ロータ回転中のケースと挿入孔とのぶつかり合い、ケースの破損などの可能性が高い。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、磁石埋込型ロータにおいて、ロータコアに穿設された磁石挿入孔に磁石を容易に挿入することができ、しかも、挿入孔の内壁面と磁石との間に隙間が生じ得ないロータの製造方法およびロータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるロータの製造方法は、モータ用ロータに穿設された挿入孔に磁石が挿入されることによって該ロータが形成されるロータの製造方法であって、磁石の外周に被膜層を形成することによって、少なくとも挿入孔の断面積よりも大きな断面積を有する挿入用磁石を製造する第一工程と、該被膜層の外周部分を挿入孔のエッジ部分で削りながら該挿入用磁石を挿入孔内に挿入する第二工程と、からなることを特徴とする。
本発明の製造方法によって製造されるロータは、磁石埋込型のロータであれば、インナーロータ型およびアウターロータ型の適宜のモータに適用可能である。また、使用される磁石としては、例えば、フェライト磁石や鋳造磁石、希土類磁石などからなる永久磁石が使用できる。
第一工程においては、適宜の材料からなる被膜層を磁石の外周に形成させる。ここで、被膜層の成形材料は、ロータコアの成形材料との関係で決定される。すなわち、本発明においては、挿入孔の断面積よりも大きな断面積の磁石(磁石自体の断面積は挿入孔の断面積と同程度かそれよりも小さく、磁石まわりの被膜層の厚みが加わることによって全体の断面積が挿入孔の断面積よりも大きくなる)を使用し、第二工程においては該挿入孔のエッジ部分で被膜層の外周部分を削りながら挿入する方法であることから、被膜層の硬さはロータコア部材の硬さよりも相対的に軟らかくなるような組み合わせが必要となる。
磁石と被膜層は、例えば射出成形などによって一体成形することができる。また、挿入用磁石の大きさ(断面積)は、ロータコアの挿入孔の大きさ(断面積)よりも例えば1〜5μm程度大きくなるように設定することができる。すなわち、挿入孔の断面形状が矩形の場合、挿入孔磁石の各辺長は、挿入孔の各辺長にそれぞれ1〜5μm程度大きくなるように設定できる。
本発明のロータの製造方法によれば、挿入用磁石の外周部分が挿入孔の開口エッジで削られながら挿入されるため、挿入用磁石と挿入孔との間には隙間はほとんど介在することがなくなる。しかも、削られる側の被膜層と削る側のロータコアそれぞれの硬さが調整されているため、磁石の挿入もスムーズにおこなうことが可能となる。
また、本発明によるロータの製造方法の他の実施形態は、前記ロータは、電磁鋼板を積層することによって形成されており、前記被膜層は、ビッカーズ硬度Hvが100以下の樹脂成形体であることを特徴とする。
積層された電磁鋼板は、一般にそのビッカーズ硬度Hvが100よりも大きいため、ビッカーズ硬度Hvが100以下の被膜層であれば効率的な磁石の挿入(被膜層の削られ)が可能である。特に、電磁鋼板に打ち抜かれた磁石挿入孔の開口エッジ部にはバリが生じており、被膜層が削られ易くなる。被膜層に関しては、そのビッカーズ硬度Hvが100以下であることに加えて、非磁性材料から成形されることが望ましく、例えば、不飽和ポリエステル、ナイロン、液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂などから成形できる。
また、本発明によるロータの製造方法の他の実施形態は、前記被膜層と前記挿入孔の内壁面において、いずれか一方には挿入孔の軸心方向に延びる突起または突条が設けられており、他方には該突起または該突条が案内される切り欠きが設けられており、前記第一工程において、該突起または該突条が該切り欠きに案内されながら、前記挿入用磁石が前記挿入孔内に挿入されることを特徴とする。
突起が設けられる場合は、同軸上に並ぶ複数の突起が被膜層または挿入孔の内壁面に設けられる。
例えば、矩形断面の被膜層の一つの面に、挿入孔の軸心方向に延びる突条を設けておき、挿入孔のうち、この突条が対向する内壁面に該突条が案内される切り欠きが設けられている実施形態がある。この切り欠きの位置と突条の位置は、挿入用磁石(被膜層)の各外周面が挿入孔の開口エッジでそれぞれ削り取られるように位置合わせがおこなわれている。挿入用磁石の挿入に際しては、かかる突条を切り欠きに合わせて挿入することで効率的な挿入が可能となる。実際の磁石の挿入に際しては、複数の挿入孔に磁石をそれぞれ位置決めし、プレス加工にて一度にすべての磁石の挿入がおこなわれる。この際、それぞれの磁石の位置決め精度が悪いと、過剰にプレスされる磁石やプレスされる前に転倒してしまう磁石などが生じてしまう。本発明のように突条と切り欠きが嵌め合わされる構成とすることで、精度のよい磁石の位置決めが可能となる。また、さらには、突条と切り欠きとの嵌め合いにより、挿入用磁石と挿入孔との固定度を高めることができる。
また、本発明によるロータの製造方法の他の実施形態は、前記第一工程における被膜層の形成が電着塗装にておこなわれることを特徴とする。
電着塗装とは、被塗装物を陽極とし、電着塗料を陰極とした状態で電圧を印加することにより、例えば樹脂は陽極の被塗装物に向かって移動し、陽極に達した樹脂が負電荷を失って被塗装物表面に塗膜を形成する方法である。電着塗装としては、自動車部品の塗装時に一般的なカオチン電着塗装を用いることができる。
かかる電着塗装によれば、被膜層の層厚を20μm〜200μm程度までの精度で管理することが可能となり、したがって、小型のモータを構成するロータの製造に好適である。
発明者等は、既述する本発明のロータの製造方法によって製造されたロータを有するモータと、従来のモータについて、磁石割れによって生じるモータの出力低下、または停止までの時間をモータの回転数ごとに比較した実験をおこない、本発明の製造方法によって製造されたロータからなるモータ性能が格段に向上する結果を得ている。
さらに、本発明によるロータは、磁石がロータコアに穿設された挿入孔に挿入されてなるモータ用のロータであって、前記磁石の外周には被膜層が形成されており、該被膜層の外周面と挿入孔の内壁面とが隙間なく当接されていることを特徴とする。
例えば、前述するロータの製造方法によってモータを製造することにより、被膜層の外周面と挿入孔の内壁面との間に隙間が形成されず、したがってロータ回転時の磁石の損傷やモータの駆動停止といった問題を解消することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のロータの製造方法によれば、挿入用磁石の外周部分が挿入孔の開口エッジで削られながら挿入されるため、挿入用磁石と挿入孔との間には隙間はほとんど介在することがなくなり、モータ駆動時の磁石割れによるモータ出力低下を防止することができる。また、本発明のロータの製造方法によれば、削られる側の被膜層と削る側のロータコアそれぞれの硬さが調整されているため、磁石の挿入もスムーズにおこなうことができ、さらには、複数の磁石を一度にプレス加工にて挿入孔に挿入する際にも精度のよい位置決めを確保できるため、プレス加工時に磁石の破損等が生じ難い。さらに、本発明のロータによれば、被膜層の外周面と挿入孔の内壁面との間に隙間が形成されないため、ロータ回転時の磁石の損傷や、かかる磁石の損傷に起因するモータの駆動停止といった問題を解消することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のロータの製造方法の第二工程を説明した模式図である。図2は、挿入用磁石(挿入用樹脂被覆磁石)と挿入孔の組み合わせの一実施形態を示した模式図であって、挿入孔の断面と挿入用樹脂被覆磁石の断面それぞれの大きさを比較した図を、図3は、挿入用樹脂被覆磁石と挿入孔の組み合わせの他の実施形態を示した模式図をそれぞれ示している。図4は、モータ回転数と、ロータ内の磁石割れに起因するモータの出力低下または停止までの時間に関する実験結果を示したグラフである。なお、本発明によって製造されるロータは、埋込型のロータであればよく、図示する実施形態に限定されるものでないことは勿論のことである。
図1は、ロータの製造方法の第二工程を説明した模式図である。第一工程において、磁石21のまわりに樹脂成形体22が形成されて挿入用樹脂被覆磁石2が製造される。この挿入用樹脂被覆磁石2の成形方法は、射出成形のほか、カオチン電着塗装によってもおこなうことができる。カオチン電着塗装によれば、樹脂成形体22の膜厚を20μm〜200μm程度の範囲で高精度に加工することができるため、小型の挿入用樹脂被覆磁石2を成形する際には特に好適である。ロータ1は、複数の電磁鋼板11,11,…を積層することによって製造されている。この電磁鋼板11には、挿入用樹脂被覆磁石2が挿入するための挿入孔12が所定の数だけ等間隔に穿設されている。
複数の挿入用樹脂被覆磁石2,2,…は、それぞれの挿入孔12,12,…に位置決め載置され、挿入用樹脂被覆磁石2,2,…それぞれの端部をプレス機3にて加圧しながら一度にすべての挿入用樹脂被覆磁石2,2,…の挿入をおこなう。ここで、電磁鋼板11は、ピッカーズ硬度Hvで一般に100よりも高い硬度を有している。一方、樹脂成形体の硬度を仮にピッカーズ硬度で評価するとすれば、一般にこの硬度は100以下であることが分かっている。したがって、後述するように挿入孔12の断面寸法よりも大きな断面寸法を有する挿入用樹脂被覆磁石2を挿入するに際しては、この樹脂成形体の外周部分が挿入孔12の開口エッジで削り取られながら挿入用樹脂被覆磁石2の挿入がおこなわれることになる。なお、樹脂成形体の材料としては、不飽和ポリエステル、ナイロン、液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂などが使用できる。
本発明においては、挿入用樹脂被覆磁石2の断面寸法が挿入孔12の断面寸法よりも大きくなるようにそれぞれの部材が加工されている。その断面寸法の関係を模式的に説明した図が図2である。磁石12は長辺の長さがa2、短辺の長さがb2に加工され、その外側に厚みa3,b3の樹脂成形体22がモールドされている。一方、挿入孔12の開口は、長辺の長さがa1、短辺の長さがb1に穿設されている。ここで、a2、b2の長さは、それぞれa1,b1の長さと同程度かそれよりも小さくなるように設定されている。このa2に両端の厚み2×a3を加えた長さがa1よりも大きくなり、同様に、b2に2×b3を加えた長さがb1よりも大きくなるように長さの調整がおこなわれている。
図3は、挿入用樹脂被覆磁石と挿入孔の組み合わせの他の実施形態を示したものである。本実施形態では、直方体の挿入用樹脂被覆磁石2の一側面において、軸心方向に延びる突条23が設けられている。この突条23は、例えば樹脂成形体22と一体成形される。一方、挿入孔12には、この突条23が嵌め込まれるように該突条23の断面形状に適合した断面形状を有する切り欠き13が穿設されている。
挿入用樹脂被覆磁石2の挿入に際し、突条23を切り欠き13に位置決めした姿勢でプレス機3にて挿入用樹脂被覆磁石2の挿入がおこなわれる。突条23と切り欠き13が嵌合しながら挿入用樹脂被覆磁石2の挿入がおこなわれるため、特に初期の挿入段階において挿入用樹脂被覆磁石2の倒れなどが生じ難くなる。また、突条23と切り欠き13が嵌合しているため、挿入用樹脂被覆磁石2と挿入孔12との接合強度も強固なものとできる。
次に、発明者等による従来のモータと本発明のロータを有するモータとの比較実験について、図4に基づき説明する。
この実験は、モータベンチと試験用のモデルモータを使用し、各回転数ごとに連続運転させた際に、磁石が割れることによって生じる著しいモータの出力低下、または出力停止に至るまでの時間を比較した実験結果である。
図中、グラフXは、従来のモータを示しており、グラフYは、射出成形によって挿入用樹脂被覆磁石を成形し、かつ磁石と挿入孔に突条と切り欠きがない場合のモータを示している。グラフZは、射出成形によって挿入用樹脂被覆磁石を成形し、かつ磁石と挿入孔に突条と切り欠きがある場合のモータを示している。グラフWは、カオチン電着塗装によって挿入用樹脂被覆磁石が成形されているモータを示している。なお、各グラフ中に示すa〜dまでの範囲は、実験ごとのばらつきの範囲を示している。
従来のモータ(グラフX)では、各回転数において、モータの出力低下または出力停止までの時間が相対的に短く、また、実験ごとのばらつきが相対的に大きい。これは、接着剤が磁石と挿入孔との間に均一に充填されていないために使用されるモータの性能にばらつきが生じていることに起因するものである。
一方、グラフY、Zでは、安定して磁石が挿入孔内に固定されているため、磁石割れまでの時間が相対的に長くなっている。ただし、実際のモータでは使用されない20000rpm前後では磁石割れが初期の段階で生じるものと考えられる。それに対して、グラフWでは、磁石割れに至るまでの時間が大幅に長くなるとともに、実験ごとのばらつきも相対的に小さくなっている。これは、電着塗装により、挿入用樹脂被覆磁石の厚みのばらつきが改善され、挿入用樹脂被覆磁石が安定的に挿入孔に固定されているためである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のロータの製造方法の第二工程を説明した模式図。 挿入用樹脂被覆磁石と挿入孔の組み合わせの一実施形態を示した模式図であり、挿入孔の断面と挿入用樹脂被覆磁石の断面それぞれの大きさを比較した図。 挿入用樹脂被覆磁石と挿入孔の組み合わせの他の実施形態を示した模式図。 モータ回転数と、ロータ内の磁石割れに起因するモータの出力低下または停止までの時間に関する実験結果を示したグラフ。
符号の説明
1…ロータ、11…電磁鋼板、12…挿入孔,13…切り欠き、2…挿入用樹脂被覆磁石(挿入用磁石)、21…磁石、22…樹脂成形体(被膜層)、23…突条

Claims (5)

  1. モータ用のロータに穿設された挿入孔に磁石が挿入されることによって該ロータが形成されるロータの製造方法であって、
    前記ロータの製造方法は、磁石の外周に被膜層を形成することによって、少なくとも挿入孔の断面積よりも大きな断面積を有する挿入用磁石を製造する第一工程と、該被膜層の外周部分を挿入孔のエッジ部分で削りながら該挿入用磁石を挿入孔内に挿入する第二工程と、からなることを特徴とするロータの製造方法。
  2. 前記ロータは、電磁鋼板を積層することによって形成されており、前記被膜層は、ビッカーズ硬度Hvが100以下の樹脂成形体であることを特徴とする請求項1に記載のロータの製造方法。
  3. 前記被膜層と前記挿入孔の内壁面において、いずれか一方には挿入孔の軸心方向に延びる突起または突条が設けられており、他方には該突起または該突条が案内される切り欠きが設けられており、前記第一工程において、該突起または該突条が該切り欠きに案内されながら、前記挿入用磁石が前記挿入孔内に挿入されることを特徴とする請求項1または2に記載のロータの製造方法。
  4. 前記第一工程における被膜層の形成が電着塗装にておこなわれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロータの製造方法。
  5. 磁石がロータコアに穿設された挿入孔に挿入されてなるモータ用のロータであって、
    前記磁石の外周には被膜層が形成されており、該被膜層の外周面と挿入孔の内壁面とが隙間なく当接されていることを特徴とするロータ。
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