JP2011239607A - 内磁形ロータおよびその磁石固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータのトルク向上および高効率化を図れる内磁形ロータを提供する。
【解決手段】内磁形ロータは、磁化方向に垂直な2側面23aおよび磁化方向に平行な2側面23bを含む矩形断面形状を有する永久磁石22と、外周部近傍においてロータ軸方向に沿って形成され永久磁石22が挿入される磁石挿入穴34を有するロータコア16と、磁石挿入穴34内に挿入された永久磁石22の2側面23aと磁石挿入穴34の内壁面との間の第1の隙間に充填された、磁性材料粉を混入した第1樹脂材料36と、磁石挿入穴34内に挿入された永久磁石22の2側面23bと磁石挿入穴34の幅方向両側の内壁面との間の第2の隙間に充填された、磁性材料粉を混入していない第2樹脂材料38とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、内磁形ロータおよびその磁石固定方法に関し、特に、ロータコアの外周部近傍においてロータ軸方向に沿って形成された磁石挿入穴内に永久磁石を挿入して固定した内磁形ロータおよびその磁石固定方法に関する。
従来、モータのロータにおいて、ロータ軸方向に延伸して形成された磁石挿入穴内に永久磁石を挿入して樹脂等により固定した内磁形ロータが知られている。
これに関連する技術として、例えば特開平9−308149号公報(特許文献1)には、モータの内磁形ロータにおいて、ロータコアに形成された磁石挿入穴とその中に挿入された永久磁石との間の隙間に樹脂を充填することにより、ロータコアの磁石挿入穴内に永久磁石を固定することが記載されている。
また、特開2010−16961号公報(特許文献2)には、永久磁石埋め込み型モータのロータにおいて、スリット状に形成された磁石埋め込み孔の内壁とそこに埋め込まれる永久磁石との間の間隙に、導磁性の金属粉末のみを隙間なく充填することが記載されている。
特開平9−308149号公報 特開2010−16961号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、磁石挿入穴の内壁と永久磁石との間の隙間を大きく設定すると樹脂を隙間なく充填しやすくなるものの磁気抵抗が大きくなって磁束密度の低下につながり、逆に、上記隙間を小さく設定すると磁気抵抗の増加は抑制されるものの樹脂充填が困難になって永久磁石を固定する力が不十分となるという相反する課題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、磁石埋め込み孔の内壁と永久磁石との間の間隙に、導磁性の金属粉末のみを隙間なく充填しようとすると、ロータを振動させながら充填する等しなければならず、特に、上記間隙が小さい場合には金属粉末が充填されずに隙間のまま残る部分が生じて磁気抵抗が不均一になるおそれがある。さらに、特許文献2の記載の技術では、矩形状断面をなす永久磁石の四方周囲の間隙に金属粉末を充填するため、永久磁石の磁化方向に垂直な方向の両端部での漏れ磁束量が多くなり、モータの磁気回路における磁束密度を効果的に向上させることができないという課題もある。
本発明の1つの目的は、モータのトルク向上および高効率化を図れる内磁形ロータおよびその磁石固定方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、簡易な固定方法で磁石挿入穴内に永久磁石をしっかりと固定できる内磁形ロータおよびその磁石固定方法を提供することにある。
本発明に係る内磁形ロータは、磁化方向に垂直な2側面および前記磁化方向に平行な2側面を含む矩形断面形状を有する永久磁石と、外周部近傍においてロータ軸方向に沿って形成され前記永久磁石が挿入される磁石挿入穴を有するロータコアと、前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に垂直な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第1の隙間に充填された、磁性材料粉を混入した第1樹脂材料と、前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に平行な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第2の隙間に充填された、磁性材料粉を混入していない第2樹脂材料と、を含むものである。
本発明に係る内磁形ロータにおいて、前記第1樹脂材料は、前記磁石挿入穴へ挿入前に前記永久磁石の前記磁化方向に垂直な2側面上にそれぞれ層状に形成されており、前記永久磁石が前記磁石挿入穴へ挿入されるときに第1樹脂材料層の余剰分が前記磁石挿入穴の開口縁部によって削り取られることによって前記第1樹脂材料が前記第1の隙間に充填されてもよい。
また、本発明に係る内磁形ロータにおいて、前記磁石挿入穴の開口部は、前記磁石挿入穴内に永久磁石が挿入された後に、前記永久磁石の軸方向両端面をそれぞれ覆う前記第2樹脂材料によって塞がれてもよい。
本発明に係る内磁形ロータの磁石固定方法は、ロータコアの外周部近傍においてロータ軸方向に沿って形成された磁石挿入穴内に永久磁石を挿入して固定する内磁形ロータの磁石固定方法であって、磁化方向に垂直な2側面および前記磁化方向に平行な2側面を含む矩形断面形状を有する永久磁石を前記磁石挿入穴に挿入する工程と、前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に垂直な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第1の隙間に、磁性材料粉を混入した第1樹脂材料を充填する工程と、前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に平行な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第2の隙間に、磁性材料粉を混入していない第2樹脂材料を充填する工程と、を含む。
本発明に係る内磁形ロータの磁石固定方法において、前記第1樹脂材料は、前記磁石挿入穴へ挿入前に前記永久磁石の前記磁化方向に垂直な2側面上にそれぞれ層状に形成されており、前記永久磁石が前記磁石挿入穴へ挿入されるときに第1樹脂材料層の余剰分が前記磁石挿入穴の開口縁部によって削り取られながら前記磁石挿入工程と前記第1樹脂材料充填工程とが同時に実施されてもよい。
また、本発明に係る内磁形ロータの磁石固定方法において、前記第2樹脂材料充填工程で、前記磁石挿入穴の挿入開口部は、前記磁石挿入穴内に永久磁石が挿入された後に、前記永久磁石の軸方向両端面をそれぞれ覆う前記第2樹脂材料によって塞がれてもよい。
本発明に係る内磁形ロータおよびその磁石固定方法によれば、磁石挿入穴内に挿入された永久磁石は第1の隙間に充填された第1樹脂材料と第2の隙間に充填された第2樹脂材料とによってしっかりとロータ内に固定されることができる。
また、上記第1の隙間に磁性材料粉が混入された第1樹脂材料が充填されていることで、上記第1の隙間がエアギャップであるか又は磁性材料粉が混入されていない樹脂が充填されている場合に比べて、モータの磁気回路における透磁率が向上して磁束密度が増加するとともに、上記第2の隙間には比較的透磁率が低い磁性材料未混入の第2樹脂材料が充填されていることにより漏れ磁束を抑制できる。これにより、永久磁石のB−H曲線(磁気ヒステリシス曲線)における動作点をより高磁束密度側で使用することが可能になり、その結果、モータのトルク増加および高効率化を図れるとともに、反磁界の低減による耐減磁性能も向上させることができる。
本発明の一実施の形態である内磁形ロータの断面図である。 図1に示すロータコアの正面図である。 1つの磁石挿入穴を示す拡大図であり、(a)は第1樹脂材料が充填された状態、(b)は第2樹脂材料が充填された状態を示す。 (a)は磁石挿入穴に永久磁石が挿入されようとする様子を示す図であり、(b)は磁石挿入穴内に永久磁石が挿入された後に第2樹脂材料が充填された様子を示す図である。 本実施形態の内磁形ロータにおける永久磁石の動作点を示すB−H曲線の一部を示す図である。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は、本発明に係る一実施形態である内磁形ロータ(以下、適宜にロータとだけいう)10のロータ軸方向(矢印A方向)に沿った断面を示す。ロータ10は、フランジ部12を有するロータシャフト14と、ロータシャフト14の外周に固定されたロータコア16と、ロータコア16の軸方向両側に設けられたエンドプレート18とを備える。
ロータコア16およびこれを軸方向両側から挟持するエンドプレート18は、フランジ部12に対して軸方向に押圧された状態で環状または筒状のカシメ部材20がロータシャフト14上にカシメられることによってロータシャフト14に固定されている。エンドプレート18は、軽量で低コストのアルミニウム円板によって構成されるのが好ましい。
円柱状の外形をなすロータコア16は、多数の電磁鋼板を積層してカシメ等により一体に連結して構成されている。ロータコア16の内部には、永久磁石22が軸方向に延伸して設けられている。また、ロータコア16には、軽量化によりロータ10が回転し易くなるように、軸方向に貫通する重量軽減穴24が形成されている。
図2はロータコア16の正面図である。図2を参照すると、ロータコア16は、円板状に打ち抜き加工された電磁鋼板17が積層されて構成されており、その中央部にはシャフト取付穴26が貫通して形成されている。シャフト取付穴26の内周縁部には、径方向に対向する位置に一対のキー28が突設されている。これらのキー28は、ロータシャフト14の外周面上に形成される図示しないキー溝に嵌合して、ロータコア16がロータシャフト14に対して回転するのを規制する。
ロータコア16において、シャフト取付穴26の外周であって周方向の均等位置に、複数(本実施形態では8つ)の重量軽減穴24が形成されている。また、各重量軽減穴24のさらに外周には、小さい矩形状に示される複数のカシメ凹部30が形成されている。これらのカシメ凹部30によって図2の紙面奥行き方向へ押し込まれてカシメられることにより、積層された各電磁鋼板が一体に連結固定されている。ただし、ロータコア16を構成する多数の電磁鋼板は、例えば接着、溶接等の他の方法を単独でまたは併せて用いて一体に連結されてもよい。
ロータコア16は、外周部近傍であって周方向に均等な位置に複数(本実施形態では8つ)の磁極32を有する。各磁極32は、ロータコア16の内部に埋設された2つの永久磁石22によってそれぞれ構成されている。1つの磁極32をなす一対の永久磁石22は、略V字状をなすように配置されている。すなわち、一対の永久磁石22は、扁平矩形状の端面形状および断面形状を有しており、それぞれ周方向に対向する一対の永久磁石22の各端部がロータコア16の中心側へ若干ずれて位置しており、そこから一対の永久磁石22がロータコア16の外周面に向かって略V字状に拡がるように配置されている。
上記のような各磁極32を構成する一対の永久磁石22の配置は、ロータコア16に形成された磁石挿入穴34によって実現される。すなわち、各磁極32に対応して2つの磁石挿入穴34が上記のような略V字状配置でそれぞれ形成されており、各磁石挿入穴34内に永久磁石22がそれぞれ挿入されて固定されている。
次に、図3および4を参照して、本実施形態のロータ10における永久磁石22の固定方法について詳細に説明する。図3はロータ軸方向から見た1つの磁石挿入穴34を拡大して示しており、(a)は第1樹脂材料36が充填された状態、(b)は第2樹脂材料38が充填された状態をそれぞれ示す。また、図4(a)は磁石挿入穴34に永久磁石22が挿入されようとする様子を示す図であり、図4(b)は磁石挿入穴34内に永久磁石22が挿入された後に第2樹脂材料38が充填された様子を示す図である。
ここでは一対の磁石挿入穴34のうち1つの磁石挿入穴34に挿入されている1つの永久磁石22について説明するが、対をなすもう1つの磁石挿入穴34およびそこに挿入された永久磁石22は鏡面対称をなして形成および配置されているだけであって実質的には同じである。
図3(a)を参照すると、永久磁石22は、幅wで厚さt1の扁平長方形の端面形状を有するととともに、ロータコア16の軸方向長さよりも少し短い長さに形成されている。そして、永久磁石22は、矢印Bで示すように厚み方向に沿って磁化方向が形成されるように予め磁気異方性を有している。これにより、永久磁石22は、磁化方向に垂直な2つの側面23aを有するとともに、磁化方向に平行な2つの側面23bを有している。永久磁石22の軸方向の両端面もまた、磁化方向に平行な2つの端面または側面23c(図4(a)参照)であるといえる。
一方、ロータコア16の軸方向両端面に開口部を有する磁石挿入穴34は、その開口部から永久磁石22を軸方向へ挿入可能なように、永久磁石22の厚みt1よりも少し大きい開口幅t2に形成されている。これにより、永久磁石22が磁石挿入穴34内に挿入されたとき、磁石挿入穴34の内壁と永久磁石22の磁化方向に垂直な2側面23aとの間に第1の隙間(幅t3)がそれぞれ形成されることなる。なお、磁石挿入穴34は、第1の隙間が永久磁石22の幅方向の両端に対応する位置で若干大きくなるように形成されている。これにより、下記の漏れ磁束抑制穴と協働して、永久磁石22の両端部における漏れ磁束量を抑制している。
また、磁石挿入穴34は、永久磁石22の幅wよりも両側へ大きめに拡張されており、曲面状の内壁面を有する漏れ磁束抑制穴40がその一部としてそれぞれ形成されている。そして、これら漏れ磁束抑制穴40の内壁と、永久磁石22の磁化方向に平行な2側面23bとの間に形成される第2の隙間には、後述するように第2樹脂材料38が充填されることになる。なお、漏れ磁束抑制穴40の形状は、図示するような形状のものに限定されるものではなく、単純な矩形状や半円状の開口輪郭を有するように形成されてもよい。
続いて、ロータコア16の磁石挿入穴34内に永久磁石22が固定される手順について説明する。
図4(a)を参照すると、永久磁石22の磁化方向(矢印B方向)に垂直な2側面23a上には、第1樹脂材料層37が塗布等の方法によって予め形成されている。このとき、両側の第1樹脂材料層37も含めた永久磁石22の厚みt4は、ロータコア16の磁石挿入穴34の開口縁部35間の距離、すなわちロータコア16の軸方向端面に形成された磁石挿入穴34の開口幅t2よりも大きく形成されている。
ここで上記第1樹脂材料層37には磁性材料粉が混入されている。この磁性材料粉は、軟磁性体または硬磁性体のいずれの粉であってもよく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、タングステン、ネオジウム等の粉または微粒子を好適に用いることができる。
そして、上記のような第1樹脂材料層37が両側面23aに形成された永久磁石22を、ロータコア16の軸方向端面から磁石挿入穴34内に挿入する。このとき、第1樹脂材料層37を含む永久磁石22の厚みt4が磁石挿入穴34の開口幅t2よりも大きいため、第1樹脂材料層37のうち余剰となる分については磁石挿入穴34の開口縁部35によって削り取られながら永久磁石22が磁石挿入穴34内へ挿入されていく。そして、軸方向の両側端面23cがロータコア16の軸方向両端面よりも少し奥まっている位置まで永久磁石22を挿入したところで挿入動作を終了する。
このようにして磁石挿入穴34内に挿入された永久磁石22の上記2側面23aと、磁石挿入穴34の内壁34aとの間の第1隙間には、図3(a)および図4(b)に示すように、上記開口縁部35によって削り取られなかった残こりの第1樹脂材料36が隙間無く充填された状態になる。この様子が第1樹脂材料36を表す点描部分で示されている。この場合、永久磁石22の挿入と第1樹脂材料36の充填とが同時に行われることになる。
その後、ロータコア16が型内にセットされ、磁石挿入穴34の幅方向両側にそれぞれ位置する漏れ磁束抑制穴40内に第2樹脂材料38が射出成形等によって充填される。このとき第2樹脂材料38は、図3(b)および図4(b)にハッチングで示すように、磁石挿入穴34内に挿入されている永久磁石22の軸方向両端面23cをそれぞれ覆って磁石挿入穴34の軸方向両端の開口部を塞ぐように設けられるのが好ましい。このように第2樹脂材料38を設けることで、磁石挿入穴34内での永久磁石22の軸方向位置が完全に固定されるため、永久磁石22がロータコア16内で軸方向にがたつくことがない。
漏れ磁束抑制穴40の内壁と永久磁石22の磁化方向に平行な2側面23bとの間の第2の隙間に充填される第2樹脂材料には磁性材料粉が混入されていない。また、第2樹脂材料38には、例えばエポキシ樹脂等の接着性の強い熱硬化性樹脂が好適に用いられるが、熱可塑性樹脂が用いられてもよい。さらに、第2樹脂材料38は、第1樹脂材料36を構成する樹脂材料と同じ樹脂材料のものであってもよいし、異なる樹脂材料であっても構わない。
上述したように本実施形態のロータ10によれば、磁石挿入穴34内に挿入された永久磁石22は第1の隙間に充填された磁性材料粉混入の第1樹脂材料36と第2の隙間に充填された磁性材料粉未混入の第2樹脂材料38とによって簡易な固定方法で強固にロータコア16内に固定されることができる。
また、永久磁石22の磁化方向に垂直な2側面23aと磁石挿入穴34の内壁面34aとの間の第1の隙間に磁性材料粉が混入された第1樹脂材料36が隙間無く充填されていることで、上記第1の隙間がエアギャップであるか又は磁性材料粉が混入されていない樹脂で充填されている場合に比べて、ロータ10が組み込まれたモータの磁気回路における透磁率が向上して磁束密度が増加する。加えて、磁石挿入穴34の一部として連通して形成されている漏れ磁束抑制穴40の内壁面と永久磁石22の磁化方向に平行な2側面23bとの間の第2の隙間には、第1樹脂材料36と比較して透磁率が低い磁性材料未混入の第2樹脂材料38が充填されていることにより、永久磁石22の幅方向両端での漏れ磁束を抑制できる。これらのことから、ロータ10を組み込んだモータにおいてトルク増加および高効率化を図ることができる。
図5は、本実施形態の内磁形ロータ10における永久磁石22の動作点を示すB−H曲線の一部を示す図である。図5を参照すると、符合50は本実施形態のロータ10における永久磁石22の動作点を示し、符号52は、同じ永久磁石を用いた場合であっても第1の隙間がエアギャップであるか又は磁性材料未混入の樹脂で充填されているときの永久磁石の動作点を示す。本実施形態のロータ10では、上記のようにモータ磁気回路における透磁率が向上して磁束密度を増加させることで、永久磁石22をより高磁束密度側の動作点50で使用することが可能になる。その結果、モータのトルク増加および高効率化を図ることができる。また、図5中において符合54は減磁反磁界HLIMの限界点を示すものであり、反磁界が強くなってこの限界点54よりも磁束密度が低下すると矢印Cで示すように永久磁石22が非可逆的に減磁してモータ故障につながるが、本実施形態の内磁形ロータ10では、上記限界点54よりもかなり磁束密度が高い動作点50での使用が可能になるため耐減磁性能も向上させることができる。
なお、本発明に係る内磁形ロータおよびは、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記においては磁性材料粉を混入した第1樹脂材料36は、永久磁石22上に予め層状に形成しておくものとして説明したが、これに限定されるものではなく、第2樹脂材料38の場合と同様に射出成形等によって充填してもよい。この場合は、漏れ磁束抑制穴40内に閉塞材を入れ込んだ上で上記第1樹脂材料の充填を行い、その後、上記閉塞材を取り出してから第2樹脂材料38の充填を行えばよい。
10 内磁形ロータ、12 フランジ部、14 ロータシャフト、16 ロータコア、17 電磁鋼板、18 エンドプレート、20 カシメ部材、22 永久磁石、23a 磁極方向に垂直な側面、23b 磁極方向に平行な側面、23c 端面、24 重量軽減穴、26 シャフト取付穴、28 キー、30 カシメ凹部、32 磁極、34 磁石挿入穴、34a 内壁面、35 開口縁部、36 第1樹脂材料、37 第1樹脂材料層、38 第2樹脂材料、40 漏れ磁束抑制穴、50,52 動作点。

Claims (6)

  1. 磁化方向に垂直な2側面および前記磁化方向に平行な2側面を含む矩形断面形状を有する永久磁石と、
    外周部近傍においてロータ軸方向に沿って形成され前記永久磁石が挿入される磁石挿入穴を有するロータコアと、
    前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に垂直な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第1の隙間に充填された、磁性材料粉を混入した第1樹脂材料と、
    前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に平行な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第2の隙間に充填された、磁性材料粉を混入していない第2樹脂材料と、
    を含む内磁形ロータ。
  2. 請求項1に記載の内磁形ロータにおいて、
    前記第1樹脂材料は、前記磁石挿入穴へ挿入前に前記永久磁石の前記磁化方向に平行な2側面上にそれぞれ層状に形成されており、前記永久磁石が前記磁石挿入穴へ挿入されるときに第1樹脂材料層の余剰分が前記磁石挿入穴の開口縁部によって削り取られることによって前記第1樹脂材料が前記第1の隙間に充填されることを特徴とする内磁形ロータ。
  3. 請求項1または2に記載の内磁形ロータにおいて、
    前記磁石挿入穴の開口部は、前記磁石挿入穴内に永久磁石が挿入された後に、前記永久磁石の軸方向両端面をそれぞれ覆う前記第2樹脂材料によって塞がれることを特徴とする内磁形ロータ。
  4. ロータコアの外周部近傍においてロータ軸方向に沿って形成された磁石挿入穴内に永久磁石を挿入して固定する内磁形ロータの磁石固定方法であって、
    磁化方向に垂直な2側面および前記磁化方向に平行な2側面を含む矩形断面形状を有する永久磁石を前記磁石挿入穴に挿入する工程と、
    前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に垂直な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第1の隙間に、磁性材料粉を混入した第1樹脂材料を充填する工程と、
    前記磁石挿入穴内に挿入された永久磁石の前記磁化方向に平行な2側面と前記磁石挿入穴の内壁面との間の第2の隙間に、磁性材料粉を混入していない第2樹脂材料を充填する工程と、
    を含む内磁形ロータの磁石固定方法。
  5. 請求項4に記載の内磁形ロータの磁石固定方法において、
    前記第1樹脂材料は、前記磁石挿入穴へ挿入前に前記永久磁石の前記磁化方向に平行な2側面上にそれぞれ層状に形成されており、前記永久磁石が前記磁石挿入穴へ挿入されるときに第1樹脂材料層の余剰分が前記磁石挿入穴の開口縁部によって削り取られながら前記磁石挿入工程と前記第1樹脂材料充填工程とが同時に実施されることを特徴とする内磁形ロータの磁石固定方法。
  6. 請求項4または5に記載の内磁形ロータの磁石固定方法において、
    前記第2樹脂材料充填工程で、前記磁石挿入穴の挿入開口部は、前記磁石挿入穴内に永久磁石が挿入された後に、前記永久磁石の軸方向両端面をそれぞれ覆う前記第2樹脂材料によって塞がれることを特徴とする内磁形ロータの磁石固定方法。
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