JPH03253250A - 永久磁石を用いたモータ用回転子の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、永久磁石を用いたモータ用回転子の製造方法
に関するもので、特に永久磁石を熱溶着により回転軸に
取付ける方法に関する。

（従来の技術） 近年の永久磁石として、フェライト系、アルニコ系、希
土類−コバルト系等の永久磁石よりもさらに磁気特性の
優れた希土類−鉄系の磁石が、開発され注目を集めるよ
うになってきている。この希土類−鉄系の永久磁石を利
用したモータ用回転子は公知である。

このような永久磁石を用いたモータ用回転子の組立方法
については、例えば永久磁石を接着剤により接合した保
持器を回転軸に取付ける方法、永久磁石を樹脂射出成形
により回転軸と一体射出成形する方法等が知られている
。前者の接着剤により接着する方法によると、特に、希
土類−鉄系永久磁石は脆弱であるから回転軸に圧入する
と割れやすい欠点がある。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、回転軸に永久磁石を固定する方法として
、従来の接着剤による接着方法によると、接着剤が塗布
部分からはみ出し永久磁石表面に付着しやすく、接着硬
化するまで回転軸と永久磁石とを仮固定しなければなら
ず仮固定作業が煩雑となり、接着剤の乾燥に長時間を要
し、かつ接着剤による保持力が相対的に低いので強度不
足になり、接着剤の選定によっては硬化時間の長短があ
り硬化特性のバラツキが生じ、また温度変化に対して機
械的特性が劣り、接着剤の種類によっては自動組立が困
難である等の問題がある。

また、回転軸の成形と永久磁石の固定とを同時に行なう
従来の一体射出成形法によると、永久磁石の寸法精度に
応じて組立完成品の精度にバラツキが生じ、また、回転
軸の材質が樹脂であるため温度変化に対し機械的特性が
劣り、さらには射出成形による高価な金型が必要となる
等の問題が生じる。

本発明はこのような問題点を解決するためになされたも
ので、永久磁石を簡単な作業で組付けられ、永久磁石の
接合強度が高く、組付完成品の精度が高いものを低コス
トに製造することが可能な永久磁石を用いたモータ用回
転子を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） そのために、本発明の第１の発明の永久磁石を用いたモ
ータ用回転子の製造方法は、円筒または円柱状の回転軸
の外周に樹脂からなる円筒状の保持体を圧入する工程と
、保持体の外周に円筒状の永久磁石を挿入する工程と、
前記保持体の端部を加熱し該端部を前記永久磁石に熱溶
着する工程とからなることを特徴とする。

本発明の第２の発明の永久磁石を用いたモータ用回転子
の製造方法は、前記保持体に超音波振動を加え、該保持
体の端部を永久磁石に熱溶着することを特徴とする。

本発明の第３の発明の永久磁石を用いたモータ用回転子
の製造方法は、前記保持体に蓄熱体を圧接し、該保持体
の端部を永久磁石に熱溶着することを特徴とする。

（作用） 本発明の製造方法は、回転軸と円筒状の永久磁石との間
に円筒状の樹脂からなる保持体を介在させ、この保持体
の端部を加熱することにより、保持体の端部を永久磁石
の端面に熱溶着する。したがって、簡便な組付作業によ
りモータ用回転子が製造される。

本発明の製造方法により造られたモータ用回転子による
と、回転軸に圧入される保持器の端部が円筒状の永久磁
石の端面を接合固定する構成であるから、永久磁石の径
方向の伸縮に自由度がもたされるので、組付は時や温度
変化に伴う熱膨張時に永久磁石に割れや亀裂が入りにく
く、回転軸に永久磁石の固定が確実になされる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図〜第６図は、本発明の第１の実施例を示している
。

電動モータの円筒状ハウジング内周面に取付けられる固
定子に電磁誘導により起電力を発生させるための回転子
を、第１図および第２図に示す。

本発明の製造方法により造られた回転子１は、回転軸１
と円筒状保持体２と永久磁石４から構成される０回転軸
１は、例えばステンレス鋼からなる円柱棒からなる０円
筒状保持体２は、樹脂からなる円筒体で、円筒体の内径
は回転軸１の外径と同等もしくは若干小径に造られてお
り、この円筒状保持体２は圧入により回転軸１の外周に
嵌合固定されている。

永久磁石４は、円筒状のもので、その周方向にＳ極とＮ
極の例えば総数２４極の磁極が軸方向に平行に並べられ
ている。永久磁石の材質は、希土類−鉄系の永久磁石に
限らず、その他の材質の永久磁石であっても良い。

永久磁石４の内周面４ｄの内径は、円筒状保持体２の外
径よりも若干大径になっており、内周面４ｄと円筒状保
持体２の外周面２ｄの間に隙間δが形成されている。

次に回転子１の製造方法について説明する。

まず回転軸１の端部１ａから樹脂製の円筒状保持体２を
圧入する０円筒状保持体２の軸方向長さは、円筒状の永
久磁石４の軸方向長さよりも長く設定されている。永久
磁石４の内周面４ｄの端部は環状面取り部４ａ、４ｂが
形成されている０次いで、保持体端部２ａ、２ｂをそれ
ぞれ熱溶着し、永久磁石４の面取り部４ａ、４ｂにそれ
ぞれ熱溶着する０円筒状保持体２の外径は永久磁石４の
内径よりも若干小さく設定されているので、円筒状保持
体２の外周面２ｆと永久磁石４の内周面４ｄとの間には
隙間δが形成される。したがって永久磁石４の固定は、
内周面４ｄの端部付近の溶着部の挾持固定により行なわ
れることになる。

さらに回転軸１の端部１ａと永久磁石４との熱溶着につ
いて第３図〜第６図にもとづいて詳述する。まず第３図
に示すように、回転軸１の端部１ａに樹脂製の円筒状保
持体２が圧入されており、この円筒状保持体２の外周に
円筒状の永久磁石４が挿入されている０円筒状保持体２
の端部２ｃは永久磁石端面４ｃよりも端部１ａ側に突出
している。

次いで第４図に示すように、回転軸１の端部１ａ側から
超音波振動体１０を端部１ａの周りに挿入し、第５図に
示すように、樹脂製の円筒状保持体端面２ｄに超音波振
動体端面１０ａを当接し、超音波振動体１０に超音波振
動を与える。すると、円筒状保持体端部２Ｃに熱振動エ
ネルギに伴う熱エネルギが発生し、この円筒状保持体端
部２ｃが熱溶融し、第６図に示すように、この熱溶解部
２ｅが変形して永久磁石４の環状面取り部４ｂに圧着さ
れる。この熱溶融部２ｅが、環状面取り部４ｂの広い接
触面積をもって永久磁石４を円筒状保持体２に熱溶着固
定する。

従って、第１図に示すように、回転軸１に対し円筒状保
持体２を介在させて永久磁石４がその環状面取り部４ａ
、４ｂ付近に熱溶着固定される。

このように、回転軸１への円筒状保持体２の圧入、永久
磁石４の挿入、熱溶着の順序で比較的簡単な工程により
回転軸１に対し永久磁石４を固定することができる。こ
の場合、円筒状保持体２の外周面２ｆと永久磁石４の内
周面４ｄとの間には若干の隙間δが設けられる構成であ
るから、永久磁石４に作用する内圧は低いものとなり、
永久磁石４に割れや亀裂が入りにくく破損、折損されに
くいという効果がある。

第７図および第８図は本発明の第２の実施例を示すもの
である。

円筒状保持体１２の一端にフランジ部１２ａを設けてお
き、このフランジ部１２ａと反対側の端部１２ｂを第１
の実施例と同様に超音波振動により熱溶着する方法であ
る。

第２の実施例によれば、永久磁石４の端面４ｄを円筒状
保持体１２のフランジ部１２ａに当接し、他端面４ｃの
環状面取り部４ｂに円筒状保持体端部１２ｂを環状に熱
溶着固定するので、溶着工程が１工程となり永久磁石の
固定作業が簡便化されるという効果がある。

前述した第１の実施例では、超音波振動により熱溶着す
る方法をとったが、これに代えて蓄熱体を円筒状保持体
端部２ｃに押圧してこの蓄熱体のもつ熱エネルギーを円
筒状保持体端面２ｄを通して円筒状保持体端部２ｃに伝
達させ、この円筒状保持体端部２ｃを溶融させて永久磁
石４の環状面取り部４ｂに熱溶着固定するようにしても
良い。

この場合にも熱溶着に要する所要時間は極めて短いもの
となり、短時間で永久磁石を保持体を介して回転軸に固
定することができる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明の永久磁石を用いたモータ
用回転子の製造方法によれば、回転軸に対しその周りに
保持体を介在させて永久磁石を挿入し、この保持体端部
を加熱して熱溶着するようにしたので、簡単な工程で永
久磁石を回転軸に固定することができ、しかも永久磁石
に無理な応力が作用しないような構造で永久磁石を固定
するので永久磁石が取付時に破損されにくく、回転子の
生産性が向上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造方法により得られたモータ用回転
子を表わす断面図、第２図はその要部斜視図、第３図お
よび第４図は本発明の製造方法の実施例を説明するため
の説明図、第５図は第４図に示す７部分の拡大図、第６
図は溶着後の第４図に示す７部分の拡大図、第７図およ
び第８図は本発明の第２の実施例による製造方法を説明
するための説明図である。 ４ａ。 　０ 回転軸、 円筒状保持体（保持体）、 永久磁石、 ・・・　環状面取り部、 超音波振動体。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）円筒または円柱状の回転軸の外周に樹脂からなる
   円筒状の保持体を圧入する工程と、保持体の外周に円筒
   状の永久磁石を挿入する工程と、前記保持体の端部を加
   熱し該端部を前記永久磁石に熱溶着する工程とからなる
   ことを特徴とする永久磁石を用いたモータ用回転子の製
   造方法。
2. （２）前記保持体に超音波振動を加え、該保持体の端部
   を永久磁石に熱溶着することを特徴とする請求項１に記
   載の永久磁石を用いたモータ用回転子の製造方法。
3. （３）前記保持体に蓄熱体を圧接し、該保持体の端部を
   永久磁石に熱溶着することを特徴とする請求項１に記載
   の永久磁石を用いたモータ用回転子の制御方法。