JP2007221899A - マグネットロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】使用環境温度上昇によりロータ本体が熱膨脹してもマグネットが変形しないようなマグネットロータを提供する。
【解決手段】マグネット2の円筒部2aとロータ3の嵌挿部3aとの間に形成される隙間の大きさを、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても円筒部2aと嵌挿部3aとの間に必ず隙間が形成されるように設定している。このため、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても、嵌挿部3aが円筒部2aに当接してマグネット2を外側に向けて押圧しないので、マグネット2は変形しない。これにより、マグネットロータ1の使用環境温度上昇によりロータ3が熱膨脹してもマグネット2が変形しないようなマグネットロータ1を提供することができる。
【選択図】図2

Description

従来のマグネットロータとしては、たとえば、ステッピングモータに組み込まれてトルクを発生するものがある。このステッピングモータは、ステータ内にマグネットロータを回動自在に支持して構成されている。このマグネットロータは、環状のマグネットの中空部内に樹脂材料から予め所定形状に成型されたロータ本体を一体的且つ同軸的に嵌挿し固定して構成されている。マグネットロータにおける、マグネットとロータ本体との固定は、ロータ本体をマグネットに嵌挿後、ロータ本体の一部を熱かしめにより溶融成型してマグネットの一端側のテーパ面に密着させることによっている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭62−117371号公報
上述の従来のマグネットロータの場合、ロータ本体およびマグネットの同軸的嵌合部に形成される隙間の大きさは、マグネットにロータ本体を嵌合させる作業性を確保可能な必要最小限度の大きさに設定されている。
このため、マグネットロータの使用環境温度上昇によりロータ本体が熱膨脹すると、ロータ本体の外周がマグネットの孔の内壁に当接し、それによりマグネットを外周側に押し広げるような力が作用する。この力を受けて、マグネットが変形し、マグネットロータの円滑な回転が困難になるという問題が発生する。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、ロータ本体とマグネットの固定構造に工夫を凝らし、マグネットロータの使用環境温度上昇によりロータ本体が熱膨脹してもマグネットが変形しないようなマグネットロータを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成する為、以下の技術的手段を採用する。
本発明の請求項1に記載のマグネットロータは、環状のマグネットと、予め樹脂成型されてなりマグネットにマグネットと同軸上に固定されたロータ本体とを備え、ロータ本体は、マグネットの孔に嵌挿されたのちロータ本体のマグネットロータの軸方向における一端を加熱溶融し塑性変形させることによりマグネットに固定されたマグネットロータであって、ロータ本体の孔の円筒部に嵌挿される嵌挿部には、マグネットロータの使用時においてロータ本体の熱膨脹を吸収する隙間が形成されていることを特徴としている。
マグネットロータの使用時において環境温度が上昇すると、マグネットおよびロータ本体は熱膨脹し、マグネットの円筒部の直径およびロータ本体の嵌挿部の直径が増大する。一般に、ロータ本体を形成している樹脂の熱膨脹係数はマグネットの熱膨脹係数よりも大きい。このため、ロータ本体の嵌挿部の直径増大量がマグネットの円筒部の直径増大量より大きくなり、上述した両者間に形成される円筒状の隙間の径方向長さが減少する。
従来のマグネットロータの完成状態においては、マグネットの孔の円筒部壁面と嵌挿部表面との間に隙間が形成されている。この隙間は円筒状の空間となっている。しかしながら、この隙間の大きさは、組付け作業性上必要十分なだけに限られている。すなわち、マグネットロータの組付け工程において、手作業でマグネットの孔にロータを嵌合できる範囲で小さく設定されている。このため、マグネットロータの使用時において環境温度が上昇し、マグネットおよびロータ本体が熱膨脹すると、上述の隙間の大きさは0となってロータ本体の嵌挿部の外周がマグネットの孔の内壁に当接し、それによりマグネットを外周側に押し広げるような力が作用する。この力を受けて、マグネットが変形し、マグネットロータの円滑な回転が困難になるという問題が発生する。
本発明の請求項1に記載のマグネットロータは、マグネットの孔の円筒部に嵌挿されるロータ本体の嵌挿部には、ロータ本体の熱膨脹を吸収する隙間が形成されている。
これにより、マグネットロータの使用時においてロータ本体が熱膨脹してもロータ本体の嵌挿部の外周がマグネットの孔の内壁に当接しないので、マグネットには外周側に押し広げるような力が作用せず、マグネットが変形してマグネットロータの円滑な回転が困難になるという不具合を防止できる。したがって、マグネットロータの使用環境温度上昇によりロータ本体が熱膨脹してもマグネットが変形しないようなマグネットロータを提供することができる。
本発明の請求項2に記載のマグネットロータは、ロータ本体の孔の円筒部に嵌挿される嵌挿部の直径は、マグネットロータの使用時においてロータ本体が熱膨脹しても嵌挿部と円筒部との間に隙間が必ず形成されるように設定されることを特徴としている。
上述の構成によれば、マグネットロータの使用時においてロータ本体が熱膨脹しても、ロータ本体の嵌挿部とマグネットの孔の内壁間には隙間が必ず形成されている。言い換えると、ロータ本体の嵌挿部の外周がマグネットの孔の内壁に当接しない。これにより、マグネットには外周側に押し広げるような力が作用せず、マグネットが変形してマグネットロータの円滑な回転が困難になるという不具合を防止できる。したがって、マグネットロータの使用環境温度上昇によりロータ本体が熱膨脹してもマグネットが変形しないようなマグネットロータを提供することができる。
本発明の請求項3に記載のマグネットロータは、ロータ本体の孔の円筒部に嵌挿される嵌挿部の直径は、ロータ本体をマグネットに装着する際に嵌挿部と円筒部との間に形成される隙間の大きさが、ロータ本体をマグネットに装着する作業性を確保可能な必要最小限度の隙間よりも大きいことを特徴としている。
上述の構成によれば、マグネットロータの完成状態においてマグネットの円筒部壁面とロータ本体の嵌挿部表面との間に形成される円筒状の隙間の径方向長さは、従来のマグネットロータにおける隙間の径方向長さよりも大きく設定されている。これにより、マグネットロータの使用時においてロータ本体が熱膨脹してもロータ本体の嵌挿部の外周がマグネットの孔の内壁に当接しないので、マグネットには外周側に押し広げるような力が作用せず、マグネットが変形してマグネットロータの円滑な回転が困難になるという不具合を防止できる。したがって、マグネットロータの使用環境温度上昇によりロータ本体が熱膨脹してもマグネットが変形しないようなマグネットロータを提供することができる。
本発明の請求項4に記載のマグネットロータは、マグネットの孔の一端側にはテーパ面状の面取り部が設けられ、面取り部には複数の凹部が円周方向において等角度間隔で設けられたことを特徴としている。
上述の構成によれば、マグネットロータの使用時においてマグネットロータの温度上昇に伴いロータ本体が熱膨脹すると、ロータ本体はその径方向および軸方向の両方に熱膨張する。すなわち、マグネットのテーパ面状の面取り部において、ロータ本体がその径方向および軸方向の両方に熱膨張すると、マグネットの面取り部とロータ本体との間にすべりが生じるものの両者は依然として密着している。このため、マグネットとロータ本体間の同軸度は変わらない。これにより、マグネットロータの使用環境温度が上昇しても、マグネットロータの回転体としての同軸度が良好に維持されて、円滑な回転性能を維持することができる。
また、上述の構成によれば、マグネットの面取り部の凹部にはロータ本体を形成する樹脂が充填されている。したがって、マグネットが発生するトルクは、この凹部を介してロータ本体に伝達されマグネットロータが回転する。複数の凹部が円周方向において等角度間隔で設けられることで、マグネットロータの回転体としての不釣合い重量を小さくすることができる。
本発明の請求項5に記載のマグネットロータは、マグネットは磁性材料と樹脂材料との混合物を成型加工して形成されることを特徴としている。
磁性材料と樹脂材料との混合物を成型加工して形成されたマグネットは、磁性金属単体からなる磁石に比べて強度が低い。一方、成型加工により形成するため、所望の形状且つ高い形状精度の磁石を低コストで得られる利点がある。したがって、請求項1あるいは請求項2に記載のマグネットロータの構成による効果を有効に活用することができる。
この場合、本発明の請求項6に記載のマグネットロータのように、磁性材料を、ネオジウムー鉄ーホウ素(Nd−Fe−B)系合金とすれば、この材質は磁束密度が高いので、マグネットロータの小型化、マグネットロータが組み込まれた装置の高出力化が実現できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態によるマグネットロータをステッピングモータに組み込まれてトルクを発生するためのマグネットロータ1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1に用いられるマグネット2単体の正面図を示す。
図2に、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1の断面図を示す。
図3に、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1に用いられるロータ3単体の断面図を示す。
このステッピングモータ(図示せず)は、たとえば自動車用指示計器において、その指針の駆動源として用いられている。
マグネットロータ1は、図2に示すように、環状のマグネット2と、マグネット2の円筒部2aの内周壁に当接してマグネット2に同軸上に固定されたロータ本体であるロータ3とから構成されている。
マグネット2は、樹脂材料と磁性材料との混合物を成型加工することにより、図1および図2に示すような環状に形成されている。環状のマグネット2の中央部にある孔は、図2に示すように、マグネット2の外周面と同軸上の円筒面からなる円筒部2aと、孔の一端側に円筒部2aに接続して形成されているテーパ面状、つまり円錐面状の面取り部2bとから構成されている。面取り部2aは、円筒部2aと同軸上の円錐面として形成されている。面取り部2b上には、図1に示すように、凹部2cが3個設けられている。凹部2cは、面取り部2bの円周方向において等角度間隔で、すなわち120°間隔で設けられている。なお、凹部2cは、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1の場合、面取り部2bだけではなく、図1に示すように、円筒部2aおよび端面2dにもかかっている。
マグネット2を形成する磁性材料としては、たとえば、ネオジウム−鉄−ホウ素(Nd−Fe−B)系合金が、また樹脂材料としてはナイロン樹脂が用いられている。
ロータ本体であるロータ3は、樹脂成型により、図3に示すような形状に作られている。なお、図3中において、マグネット2を二点鎖線で表している。
ロータ3には、マグネット2の円筒部2aに嵌挿される部分である嵌挿部3aが、図3に示すように、円筒状に形成されている。また、ロータ3には、ステッピングモータの図示しない軸と回転可能に嵌合するためのシャフト孔3bが、嵌挿部3aと同軸上且つロータ3の軸方向(図3において上下方向)に延びるように形成されている。ロータ3は、マグネット2とロータ3との軸方向(図3において上下方向)位置を規制するための段部3cを備えている。ロータ3には、マグネットロータ1が発生した回転トルクをステッピングモータの出力軸(図示せず)へ伝達するためのギヤ3dがシャフト孔3bと同軸上に形成されている。マグネットロータ1が発生した回転トルクはギヤ3dと噛み合う図示しない歯車列を介してステッピングモータの出力軸(図示せず)へ伝達される。
ここで、ロータ3の嵌挿部3aの直径D2は、マグネット2の円筒部2a直径D1よりも小さく形成されている。詳しくは、嵌挿部3aおよび円筒部2a間の隙間が、嵌挿部3aをマグネット2の円筒部2aに手作業で嵌合させる際に良好な作業性を確保可能な必要最小限度の隙間の大きさよりも格段に大きく設定されている。
マグネットロータ1は、ステッピングモータ内において、図示しないステータ内に回転自在に支持されており、ステータの界磁コイルにパルス電圧が印加されて磁界が生ずると、マグネット2はそれを受けてトルクを発生し、マグネットロータ1をシャフト孔3bの周りに回転させる。さらに、このトルクは、ギヤ3dと噛み合う図示しない歯車列を介してステッピングモータの出力軸(図示せず)へ伝達される。
次に、本発明の一実施形態に係るステッピングモータ用マグネットロータの製造工程、主にはマグネット2とロータ3の組付け工程について説明する。
マグネット2とロータ3との固定は熱かしめによっている。すなわち、ロータ3をマグネット2に嵌挿後、ロータ3の嵌挿部3aの端部に高温の治具を押接し、嵌挿部3aの一部を溶融させつつマグネット2の面取り部2aに密着成型している。
以下に説明する工程以前に、マグネット2は図1に示すような形状に、ロータ3は図3に示すような形状に、それぞれ成型が完了している。
始めに、マグネット2およびロータ3を、両者の所定の位置関係を維持しつつ保持治具4内に保持する。
保持治具4は、たとえば金属材料から形成され、図4に示すように、マグネット2の外径寸法よりわずかに大きい直径寸法のガイド部4a、ガイド部4aと同軸上に形成されたシャフト部4b、およびガイド部4aと直交する面からなる段部4cを備えている。ここで、ガイド部4aの直径寸法は、ガイド部4aにマグネット2がしっくりと嵌合できるような寸法となっている。
先ず、ロータ3のシャフト孔3bを保持治具4のシャフト部4bに嵌合させて、ロータ3を保持治具4に装着する。このとき、ロータ3が、図4に示すように、保持治具4の段部4cに当接すると、ロータ3の装着が完了する。続いて、マグネット2を保持治具4に装着する。マグネット4を保持治具4のガイド部4aと嵌合させつつ図4の下方に押し込んで行き、マグネット2がロータ3の段部3cに当接すると、マグネット2の装着が完了する。
保持治具4において、ガイド部4aはシャフト部4bと同軸上に形成されているので、マグネット2とロータ3とは互いに同軸上の位置関係を維持して保持されている。
この状態において、マグネット2の円筒部2aとロータ3の嵌挿部3aとの間には、図2に示すように、円筒状の隙間が形成されている。この隙間の大きさ、つまり径方向の長さである(D1−D2)は、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても円筒部2aと嵌挿部3aとの間に必ず隙間が形成されるように設定されている。言い換えると、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても、嵌挿部3aが円筒部2aに当接し押圧することがないような寸法に設定されている。また、この隙間の大きさは、ロータ3の嵌挿部3aをマグネット2の円筒部2aに嵌合させる作業が容易に実施可能であるための必要最小限度の隙間よりも格段に大きく設定されている。ここで、2つの部品を同軸上に嵌合して一体化し1個の回転部品を作る場合、両者の嵌合部における隙間の大きさは回転部品の不釣合い重量を小さくするためにできるだけ小さいことが望ましい。一方、あまり小さく設定すると嵌合組付け作業性が低下する。したがって、両者の嵌合部における隙間の大きさは、組付け作業性が確保可能な範囲で最小に設定されている。本発明の一実施形態によるマグネットロータ1における嵌挿部3aと円筒部2aとの間に形成される隙間の大きさは、上述した一般的な回転部品を構成する部品間の隙間よりも明らかに大きく、たとえば2倍以上、に設定されている。
次に、高温のかしめ治具5を、図4において下方へ移動させ、ロータ3の嵌挿部3aに当接後さらに所定位置まで押し込む。これにより、嵌挿部3aの一部が溶融し、この溶融部分はかしめ治具5によってマグネット2の面取り部2bに押し付けられ、図2に示すような形状に成型され、マグネット2とロータ3が一体的に固定される。このとき、嵌挿部3aの溶融部分は、マグネット2の凹部2c内にも充填される。
次に、かしめ治具5を、図4において上方へ移動させ、一体化されたマグネットロータ1を、保持治具4から取り出して、マグネットロータ1の組付けが完了する。
次に、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1の特徴、すなわち、マグネット2の円筒部2aとロータ3の嵌挿部3aとの間に形成される隙間の大きさを、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても円筒部2aと嵌挿部3aとの間に必ず隙間が形成されるように設定したことの効果について説明する。
通常、ロータ3を形成している樹脂の熱膨脹係数はマグネット2の熱膨脹係数よりも大きい。このため、環境温度上昇に起因するロータ3の嵌挿部3aの直径増大量はマグネットの円筒部の直径増大量より大きく、上述した両者間に形成される円筒状の隙間の径方向長さが減少する。マグネットロータ1完成時、すなわち常温時における上述の隙間の径方向長さが小さい場合は、環境温度上昇に伴いマグネットロータ1が熱膨張すると、嵌挿部3aが円筒部2aに当接し、さらにマグネット2を外側に向けて押圧することがある。このため、マグネット2が変形して、マグネットロータ1の回転中心に対してマグネット2が偏心する等して、ステッピングモータとしての回転角度精度低下、異音・振動発生、といった不具合が発生する恐れがある。
これに対して、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1においては、マグネット2の円筒部2aとロータ3の嵌挿部3aとの間に形成される隙間の大きさを、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても円筒部2aと嵌挿部3aとの間に必ず隙間が形成されるように設定している。
このため、マグネットロータ1の使用時にロータ3が熱膨張しても、嵌挿部3aが円筒部2aに当接してマグネット2を外側に向けて押圧することがない。したがって、マグネット2は変形しない。
これにより、マグネットロータ1の使用環境温度上昇によりロータ3が熱膨脹してもマグネット2が変形しないようなマグネットロータ1を提供することができる。
なお、マグネットロータ1の使用時、つまりステッピングモータの作動時において、環境温度上昇に伴いロータ3が熱膨張すると、ロータ3の面取り部2bに密着している部分は、マグネットロータ1の外周側に向かって膨脹変形すると同時に、図2の上方に向かって膨脹変形する。すなわち、ロータ3の面取り部2bに密着している部分は、面取り部2bに密着したまま面取り部2bに対して滑り移動する。これにより、マグネット2とロータ3との位置関係、特に同軸関係は高精度で維持される。したがって、ステッピングモータの作動環境温度が上昇しても、マグネットロータ1の形状が高精度で維持され、回転中心に対してマグネットが偏心する等して、ステッピングモータの回転角度精度低下、異音・振動発生、といった不具合の発生を阻止することができる。
また、嵌挿部3aの一部が溶融し、この溶融部分がマグネット2の凹部2c内にも充填
されることで、マグネット2とロータ3が相対的に回転することが阻止される。すなわち、マグネット2に生じたトルクは確実にロータ3に伝達される。
なお、以上説明した、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1においては、マグネット2として、粒子状の磁性金属と樹脂との混合物を射出成型して形成したものとし、磁性金属としては、ネオジウム−鉄−ホウ素(Nd−Fe−B)系合金を、また樹脂材料としてはナイロン樹脂を用いられているが、この組合せに限られるものではなく、磁性金属および樹脂材料の少なくとも一方を他の材質と置き換えてもよい。
また、マグネット2を粒子状の磁性金属と樹脂との混合物を射出成型して形成したものに限定する必要はなく、他の種類の磁石、たとえば、フェライト磁石、希土類磁石(たとえば、サマリウム−コバルト系磁石)等の単体からなる磁石を用いてもよい。
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1においては、マグネット2に設けた凹部2cの個数を3個としているが、3個に限らず、2個以上であればいくつであってもよい。さらに、凹部を、面取り部2bを形成する円錐面の母線に沿って設けられた溝としてもよい。
また、以上説明した実施形態においては、マグネットロータ1を自動車用指示計器の指針の駆動源として用いられるステッピングモータのマグネットロータとしているが、この用途に限定するものではなく、他の装置に用いられるステッピングモータのマグネットロータであってもよい。さらには、ステッピングモータ以外の回転電機に組み込まれるマグネットロータに適用してもよい。
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるマグネットロータ1においては、ロータ3にギヤ3dを一体成型により設けているが、別部品として形成して装着してもよい。さらには、マグネットロータ1のトルク伝達手段をギヤに限定する必要はなく、他の手段、たとえばプーリとベルトあるいは歯付きベルト等を用いてもよい。
マグネット2単体の正面図である。 本発明の一実施形態によるマグネットロータ1の断面図であり、図1中のII−II線断面図である。 ロータ3単体の断面図である。 本発明の一実施形態によるマグネットロータ1の製造工程を説明する模式図である。
符号の説明
1 マグネットロータ
2 マグネット
2a 円筒部
2b 面取り部
2c 凹部
2d 端面
3 ロータ(ロータ本体)
3a 嵌挿部
3b シャフト孔
3c 段部
3d ギヤ
4 保持治具
4a シャフト部
4b ガイド部
4c 段部
5 かしめ治具
D1 直径
D2 直径。

Claims (6)

  1. 環状のマグネットと、
    予め樹脂成型されてなり前記マグネットに前記マグネットと同軸上に固定されたロータ本体とを備え、
    前記ロータ本体は、前記マグネットの孔に嵌挿されたのち前記ロータ本体のマグネットロータの軸方向における一端を加熱溶融し塑性変形させることにより前記マグネットに固定されたマグネットロータであって、
    前記ロータ本体の前記孔の円筒部に嵌挿される嵌挿部には、マグネットロータの使用時において前記ロータ本体の熱膨脹を吸収する隙間が形成されていることを特徴とするマグネットロータ。
  2. 前記ロータ本体の前記孔の円筒部に嵌挿される嵌挿部の直径は、マグネットロータの使用時において前記ロータ本体が熱膨脹しても前記嵌挿部と前記円筒部との間に隙間が必ず形成されるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のマグネットロータ。
  3. 前記ロータ本体の前記孔の円筒部に嵌挿される嵌挿部の直径は、前記ロータ本体を前記マグネットに装着する際に前記嵌挿部と前記円筒部との間に形成される隙間の大きさが、前記ロータ本体を前記マグネットに装着する作業性を確保可能な必要最小限度の隙間よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマグネットロータ。
  4. 前記マグネットの前記孔の前記一端側にはテーパ面状の面取り部が設けられ、
    前記面取り部には複数の凹部が円周方向において等角度間隔で設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマグネットロータ。
  5. 前記マグネットは磁性材料と樹脂材料との混合物を成型加工して形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマグネットロータ。
  6. 前記磁性材料は、ネオジウムー鉄ーホウ素(Nd−Fe−B)系合金であることを特徴とする請求項5に記載のマグネットロータ。
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