JP6378264B2 - 自動バックアップ装置、自動バックアップ方法及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、数値制御情報を表す文字列からなるファイルに関して、バージョン名、変更箇所のアドレス、削除された文字列及び新たに追加された文字列を来歴情報として保存するファイル編集装置が開示されている。
また、特許文献2には、数値制御装置(CNC)のパラメータの書換え事実情報を、記録時の日時と共に、どのアドレスのパラメータが変更されたかという事実を示す履歴情報として保存する数値制御装置が開示されている。
さらに、特許文献3には、数値制御装置のパラメータの書換履歴情報Aとして、書換え作業者の識別番号、書換えを行った日付、パラメータのアドレス、変更後の値を逐次保存する数値制御装置が開示されている。
そのため、バックアップの対象となる装置の変更を過去に遡って復旧する場合、来歴情報として保存された情報のみからでは、適切に装置を復旧することが困難である。
また、特許文献2に記載された技術においては、変更されたパラメータの内容は保存されていない。
そのため、バックアップの対象となる装置の変更を過去に遡って復旧する場合、特許文献2に記載された履歴情報のみからでは、適切に装置を復旧することが困難である。
さらに、特許文献3に記載された技術においては、パラメータの変更時刻、変更前の値は保存されていない。
そのため、バックアップの対象となる装置の変更を過去に遡って復旧する場合、特許文献3に記載された書換え履歴情報Aのみからでは、適切に装置を復旧することが困難である。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る自動バックアップシステム1のシステム構成を示す模式図である。
図1に示すように、自動バックアップシステム1は、複数の数値制御装置(CNC)100と、自動バックアップ装置200とを含んで構成され、複数の数値制御装置100と自動バックアップ装置200とは、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワーク300を介して通信可能に構成されている。
なお、本実施形態において、数値制御装置100は、パラメータあるいはプログラムをバックアップする対象としての制御装置の一例を示すものであり、本発明を適用可能な制御装置としては、数値制御装置100の他、例えば、ロボットコントローラ等を挙げることができる。
数値制御装置100において、CPU111は数値制御装置100を全体的に制御するプロセッサである。CPU111は、ROM112に格納されたシステムプログラムをバス120を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置100全体を制御する。
RAM113には、一時的な計算データや表示データ及び表示器/MDIユニット170を介してオペレータが入力した各種データが格納される。また、一般にRAMへのアクセスはROMへのアクセスよりも高速であることから、ROM112に格納されたシステムプログラムをあらかじめRAM113上に展開しておき、CPU111はRAM113からシステムプログラムを読み込んで実行してもよい。
不揮発性メモリ114は、磁気記憶装置またはフラッシュメモリ、MRAM、FRAM(登録商標)、EEPROM、あるいは図示しないバッテリでバックアップされるSRAMやDRAMであり、数値制御装置100の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。不揮発性メモリ114中には、インタフェース115や表示器/MDIユニット170または通信部127を介して入力された加工プログラム等が記憶される。
各種加工プログラムは、インタフェース115や表示器/MDIユニット170または通信部127を介して入力し、不揮発性メモリ114に格納することができる。
インタフェース115は、数値制御装置100と外部機器172との接続を可能とするものである。外部機器172側からは加工プログラムや各種パラメータ等が読み込まれる。また、数値制御装置100内で編集した加工プログラムは、外部機器172を介して外部記憶手段に記憶させることができる。インタフェース115の具体例としては、RS232CやUSB、SATA、PCカードスロット、CFカードスロットSDカードスロット、イーサネット(登録商標)、Wi−Fi等が挙げられる。インタフェース115は表示器/MDIユニット170上に存在してもよい。外部機器172の例としてはコンピュータ、USBメモリ、CFast、CFカード、SDカード等が挙げられる。
操作盤171はPMC116に接続される。操作盤171は手動パルス発生器等を備えていてもよい。
表示器/MDIユニット170はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置である。インタフェース118は表示用の画面データを表示器/MDIユニット170のディスプレイに送るほか、表示器/MDIユニット170のキーボードからの指令やデータを受けてCPU111に渡す。
サーボアンプ140〜144はこの指令を受けて、各軸のサーボモータ150〜154を駆動する。各軸のサーボモータ150〜154は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路130〜134にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図2に示すブロック図では、位置・速度のフィードバックについては省略している。
スピンドルモータ162には歯車あるいはベルト等でパルスエンコーダ163が結合され、パルスエンコーダ163が主軸の回転に同期して帰還パルスを出力し、その帰還パルスはバス120を経由してCPU111によって読み取られる。
自動バックアップ装置200において、CPU211は自動バックアップ装置200を全体的に制御するプロセッサである。CPU211は、記憶部216に記憶された各種プログラムをバス218を介して読み出し、これらのプログラムを実行することにより、自動バックアップ装置200全体を制御する。
ROM212には、自動バックアップ装置200を制御するための各種システムプログラムがあらかじめ書き込まれている。
RAM213は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成され、CPU211が各種処理を実行する際に生成されるデータを記憶する。また、一般にRAMへのアクセスはROMへのアクセスよりも高速であることから、ROM212に格納されたシステムプログラムをあらかじめRAM213上に展開しておき、CPU211はRAM213からシステムプログラムを読み込んで実行してもよい。
表示部215は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)、有機EL、LED(Light Emitting Diode)等の表示装置によって構成され、自動バックアップ装置200の各種処理結果を表示する。視覚的な表示のほかに、スピーカによる音声出力を用いてもよい。
記憶部216は、ハードディスクあるいはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成され、自動バックアップ装置200において実行される各種処理のための各種プログラムや、数値制御装置100の履歴情報のデータ等を記憶する。
通信部217は、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)等、所定の通信規格に基づいて通信処理を行う通信インタフェースを備え、自動バックアップ装置200が外部装置との間で行う通信を制御する。
図4は、数値制御装置100の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、数値制御装置100のCPU111が変更履歴取得処理及び復旧実行処理のためのプログラムを実行することにより、機能的構成として、CPU111において、変更入力受付部111aと、変更履歴送信部111bと、復旧要求受付部111cと、復旧要求送信部111dと、復旧用バックアップ受信部111eと、復旧用バックアップ適用部111fとが形成される。また、不揮発性メモリ114において、変更履歴一時記憶部114aが形成される。なお、変更履歴一時記憶部114aは、RAM113等、他の記憶装置の記憶領域に形成することとしてもよい。
復旧要求受付部111cは、表示器/MDIユニット170を介して入力される数値制御装置100の復旧要求を受け付ける。なお、上述のように、復旧要求においては、復旧の対象となる日時が指定されている。
復旧用バックアップ受信部111eは、数値制御装置100が自動バックアップ装置200に送信した復旧要求に応じて、自動バックアップ装置200から送信された復旧用バックアップを受信する。
復旧用バックアップ適用部111fは、復旧用バックアップ受信部111eによって受信した復旧用バックアップに基づいて、パラメータ及びプログラムの状態を設定する。具体的には、復旧用バックアップには、復旧要求において指定された日時の状態がバックアップされたパラメータ及びプログラムの内容が含まれているため、復旧用バックアップ適用部111fは、それらパラメータ及びプログラムの状態に数値制御装置100を設定する。
これにより、指定された日時の状態に数値制御装置100が復旧される。
図5は、自動バックアップ装置200の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、自動バックアップ装置200のCPU211がバックアップ処理及び復旧支援処理のためのプログラムを実行することにより、機能的構成として、CPU211において、変更履歴受信部211aと、自動バックアップ生成部211bと、復旧要求受信部211cと、復旧用バックアップ生成部211dと、復旧用バックアップ送信部211eとが形成される。また、記憶部216において、履歴情報記憶部216aが形成される。なお、履歴情報記憶部216aは、RAM213等、他の記憶装置の記憶領域に形成することとしてもよい。また、自動バックアップ装置200の各機能は、複数の装置に分散して実装することも可能であり、例えば、履歴情報記憶部216aをネットワーク300を介して通信可能なデータベースサーバに実装すること等が可能である。
自動バックアップ生成部211bは、あらかじめ設定された一定時間毎(例えば、1日毎)に、履歴情報記憶部216aに記憶されている直近のバックアップと、履歴情報記憶部216aに蓄積して記憶されている変更履歴とから、最新のバックアップを生成し、履歴情報記憶部216aに記憶する。このとき、自動バックアップ生成部211bは、履歴情報記憶部216aに記憶されている直近のバックアップに、履歴情報記憶部216aに蓄積して記憶されている変更履歴を日時の古いものから順に、最新のものまで適用する。その結果、自動バックアップ装置200が有している数値制御装置100の履歴情報が全て適用された最新のバックアップが生成される。このように、あらかじめ設定された一定時間毎に最新のバックアップを生成することで、数値制御装置100の復旧を行う際の起点となる履歴情報を適切に保持することができる。
図6に示すように、履歴情報記憶部216aには、数値制御装置100のパラメータ及びプログラム全体が記録されたバックアップ(Backup)と、バックアップに対する差分である各種変更履歴とが記憶されている。また、履歴情報記憶部216aにおいては、履歴情報の日時、変更箇所、変更前の値及び変更後の値が対応付けて記憶されている。例えば、図6において、履歴情報の第1行として、履歴情報の日時「2016/01/01 00:00:00.00」、変更箇所「Backup」、変更前の値及び変更後の値「出荷時の状態」のバックアップに関する情報が記憶されている。履歴情報の第1行は、数値制御装置100の出荷時におけるバックアップの内容を表している。出荷時におけるバックアップの内容を記憶しておくことで、数値制御装置100をリセットすること等が可能となる。なお、バックアップの場合、変更前の値と変更後の値とは同一となる。また、図6において、変更履歴情報の第7行として、履歴情報の日時「2016/06/01 09:53:11.46」、変更箇所「Parameter #12345」、変更前の値「67」、変更後の値「89」の変更履歴に関する情報が記憶されている。履歴情報の第7行は、数値制御装置100において、日時「2016/06/01 09:53:11.46」に、「Parameter #12345」の値が「67」から「89」に変更された変更履歴の内容を表している。
復旧用バックアップ生成部211dは、復旧要求受信部211cによって受信した復旧要求に基づいて、数値制御装置100の復旧用バックアップを生成する。具体的には、復旧用バックアップ生成部211dは、履歴情報記憶部216aを参照し、復旧要求において指定された日時より前の直近のバックアップを特定する。そして、復旧用バックアップ生成部211dは、特定したバックアップを起点として、履歴情報記憶部216aに蓄積して記憶されている変更履歴のうち、特定したバックアップの日時から復旧要求において指定された日時までの変更履歴を日時の古いものから順に適用する。その結果、復旧要求において指定された日時の数値制御装置100の状態を表す復旧用バックアップが生成される。
復旧用バックアップ送信部211eは、復旧要求を送信した数値制御装置100に対して、復旧用バックアップ生成部211dによって生成した復旧用バックアップを送信する。
次に、自動バックアップシステム1の動作を説明する。
[変更履歴取得処理]
図7は、数値制御装置100のCPU111が実行する変更履歴取得処理の流れを示すフローチャートである。
変更履歴取得処理は、数値制御装置100の稼働と共に開始される。
ステップS11において、変更入力受付部111aは、表示器/MDIユニット170やインタフェース115または通信部127を介して数値制御装置100のパラメータあるいはプログラムの変更が入力されたか否かの判定を行う。
一方、表示器/MDIユニット170やインタフェース115または通信部127を介して数値制御装置100のパラメータあるいはプログラムの変更が入力されていないと判定された場合(ステップS11:NO)、処理はステップS13に移行する。
ステップS12において、変更入力受付部111aは、入力されたパラメータあるいはプログラムの変更内容を変更履歴として変更履歴一時記憶部114aに記憶する。
あらかじめ設定された一定時間(例えば、1秒)に達していると判定された場合(ステップS13:YES)、処理はステップS14に移行する。
一方、あらかじめ設定された一定時間(例えば、1秒)に達していないと判定された場合、変更履歴取得処理が繰り返される。
ステップS14において、変更履歴送信部111bは、変更履歴一時記憶部114aに記憶されている変更履歴をネットワーク300を介して自動バックアップ装置200に送信する。
ステップS14の後、変更履歴取得処理が繰り返される。
図8は、自動バックアップ装置200のCPU211が実行するバックアップ処理の流れを示すフローチャートである。
バックアップ処理は、自動バックアップ装置200においてバックアップ処理の実行が指示されることにより開始される。
ステップS21において、変更履歴受信部211aは、一定時間毎に数値制御装置100から送信される変更履歴をネットワーク300を介して受信する。
ステップS22において、変更履歴受信部211aは、受信した変更履歴を蓄積して履歴情報記憶部216aに記憶する。
あらかじめ設定された一定時間(例えば、1日)に達していると判定された場合(ステップS23:YES)、処理はステップS24に移行する。
一方、あらかじめ設定された一定時間(例えば、1日)に達していないと判定された場合(ステップS23:NO)、バックアップ処理が繰り返される。
ステップS24において、自動バックアップ生成部211bは、履歴情報記憶部216aに記憶されている直近のバックアップと、履歴情報記憶部216aに蓄積して記憶されている変更履歴とから、最新のバックアップを生成し、履歴情報記憶部216aに記憶する。
ステップS24の後、バックアップ処理が繰り返される。
図9は、自動バックアップ装置200のCPU211が実行する復旧支援処理の流れを示すフローチャートである。
復旧支援処理は、自動バックアップ装置200において復旧支援処理の実行が指示されることにより開始される。
ステップS31において、復旧要求受信部211cは、数値制御装置100から送信される復旧要求をネットワーク300を介して受信したか否かの判定を行う。
数値制御装置100から送信される復旧要求をネットワーク300を介して受信したと判定された場合(ステップS31:YES)、処理はステップS32に移行する。
一方、数値制御装置100から送信される復旧要求をネットワーク300を介して受信していないと判定された場合(ステップS31:NO)、復旧支援処理が繰り返される。
ステップS32において、復旧用バックアップ生成部211dは、履歴情報記憶部216aを参照し、復旧要求において指定された日時より前の直近のバックアップを特定する。
なお、図10に示す履歴情報は、第6行の変更履歴(誤ってプログラムが削除された際の変更履歴)の直前の日時が指定されている。
また、図11は、復旧支援処理においてバックアップが特定された状態の一例を示す模式図である。
復旧要求において、図10に示す第6行の変更履歴の直前の日時が指定されている場合、指定された日時より前の直近のバックアップが特定されることから、図11に示すように、第1行のバックアップが特定される。
ステップS33において、復旧用バックアップ生成部211dは、履歴情報記憶部216aに蓄積して記憶されている変更履歴のうち、特定したバックアップの日時から復旧要求において指定された日時までの変更履歴を日時の古いものから順に、特定したバックアップに適用する。
図12に示すように、ステップS33の処理により、図11において特定された第1行のバックアップの日時から復旧要求において指定された日時までの第2行から第5行までの変更履歴が、日時の古いものから順に、第1行のバックアップに適用される。
ステップS34において、復旧用バックアップ生成部211dは、ステップS33において変更履歴を適用した結果から復旧用バックアップを生成する。
ステップS35において、復旧用バックアップ送信部211eは、復旧要求を送信した数値制御装置100に対して、生成した復旧用バックアップを送信する。
ステップS35の後、復旧支援処理が繰り返される。
図13は、数値制御装置100のCPU111が実行する復旧実行処理の流れを示すフローチャートである。
復旧実行処理は、数値制御装置100において復旧実行処理の実行が指示されることにより開始される。
ステップS41において、復旧要求受付部111cは、表示器/MDIユニット170、インタフェース115または通信部127を介して入力される数値制御装置100の復旧要求を受け付ける。
ステップS44において、復旧用バックアップ適用部111fは、受信した復旧用バックアップに基づいて、パラメータ及びプログラムの状態を設定する。
これにより、変更が行われる頻度等によって変動する変更履歴の情報量に応じたタイミングで、自動バックアップ装置200におけるバックアップの生成や、数値制御装置100における変更履歴の送信を行うことができる。
また、上述の実施形態において、変更履歴に変更者等の付加的な情報を参考情報として含めることとしてもよい。
これにより、装置の復旧を行う場合に、より詳細な条件を考慮して、より適切な復旧を行うことが可能となる。
上述の実施形態において、復旧用バックアップ生成部211dは、復旧要求において指定された日時より前の直近のバックアップを特定し、特定したバックアップを起点として、履歴情報記憶部216aに蓄積して記憶されている変更履歴のうち、特定したバックアップの日時から復旧要求において指定された日時までの変更履歴を日時の古いものから順に適用するものとして説明した。
これに対し、復旧要求において指定された日時より後の直近のバックアップを特定し、特定したバックアップを起点として、特定したバックアップの日時から復旧要求において指定された日時までの変更履歴を日時の新しいものから順に、変更前の状態に戻していくこととしてもよい。
図14は、復旧要求において指定された日時より後の直近のバックアップを特定して復旧用バックアップを生成する手順を模式的に示す図である。
図14に示すように、復旧要求において指定された日時より後の直近のバックアップを用いることによっても、復旧用バックアップを生成することが可能である。
なお、上述の実施形態のように復旧要求において指定された日時より前の直近のバックアップを用いて復旧用バックアップを生成する手順と、図14のように、復旧要求において指定された日時より後の直近のバックアップを用いて復旧用バックアップを生成する手順とを両方実行することとしてもよい。
このとき、生成される復旧用バックアップの内容が一致しない場合には、(1)いずれかの復旧用バックアップを用いる、(2)一方が利用不可能であれば利用可能な復旧用バックアップを用いる、(3)その日時への復旧を取り止める、といった処理を行うことが可能であり、これらのいずれとするかについてオペレータによる入力を受け付けることとしてもよい。
このような構成により、少なくとも一方の手順によって復旧用バックアップが生成できれば、装置を復旧することが可能となる。また、装置の復旧の実行要否を状況に応じてオペレータが選択可能となる。
上述の実施形態において、履歴情報記憶部216aに記憶されている履歴情報に矛盾が検出された場合、その矛盾を報知するための警告を数値制御装置100に送信して表示させると共に、検出した矛盾を補間する変更履歴を生成することとしてもよい。なお、このように履歴情報における矛盾を補間する処理は、変更履歴受信部211a、自動バックアップ生成部211bあるいは復旧用バックアップ生成部211d等において実行することができる。例えば、変更履歴受信部211aが履歴情報を数値制御装置100から受信したタイミング、自動バックアップ生成部211bが最新のバックアップを生成するタイミングあるいは復旧用バックアップ生成部211dが復旧用バックアップを生成するタイミング等に、履歴情報における矛盾を補間する処理を実行することができる。
図15は、履歴情報記憶部216aに記憶されている履歴情報に矛盾がある状態を模式的に示す図である。
また、図16は、矛盾を補間するための変更履歴が挿入された状態を示す模式図である。
図15においては、履歴情報の第13行(末尾の行)と、数値制御装置100から新たに受信した変更履歴との間に矛盾がある状態を示している。具体的には、履歴情報の第13行における「変更後の値」と、数値制御装置100から新たに受信した変更履歴における「変更前の値」とは、同一のパラメータ「Parameter #314」に関する変更であるため、一致していなければならないところ、「6535」及び「8979」となっており、一致していない状態である。
これは、履歴情報記憶部216aの第13行に示される変更履歴から、数値制御装置100から新たに受信した変更履歴までの間に本来存在すべき変更履歴が、何等かの理由(通信エラー等)によって失われたものと考えられる。
そこで、このような矛盾が生じた場合、図16に示すように、日時が古い方の変更履歴における「変更後の値」を「変更前の値」、日時が新しい方の変更履歴における「変更前の値」を「変更後の値」とする補間用の変更履歴を生成し、矛盾が生じている2つの変更履歴の間に挿入することができる。補間用の変更履歴に付す日時としては、矛盾が生じている2つの変更履歴の間の日時を自動バックアップ装置200で自動的に指定することや、数値制御装置100のオペレータによる指定を受け付けること等が可能である。なお、本実施形態において、このように生成された補間用の変更履歴は、補間されたものであることを識別して履歴情報記憶部216aに記憶される。
これにより、履歴情報に矛盾が生じた場合であっても、数値制御装置100の復旧をより確実に行うことが可能となる。
なお、履歴情報記憶部216aに記憶されている履歴情報において矛盾が検出された場合、補間用の変更履歴を生成することに加え、数値制御装置100のオペレータに、他の日時を指定して復旧要求を行う選択肢を提示すること等も可能である。
上述の実施形態において、自動バックアップ装置200で復旧用バックアップを生成する場合を例に挙げて説明した。
これに対し、復旧用バックアップを生成する処理の一部を数値制御装置100で実行することとしてもよい。
例えば、復旧要求において指定された日時が現在時刻に近い場合、指定された日時より後の直近のバックアップと変更履歴とを自動バックアップ装置200から数値制御装置に送信し、数値制御装置100において、復旧用バックアップを生成することができる。
なお、このとき、数値制御装置100に一時的に記憶されている変更履歴を自動バックアップ装置200に送信することなく保持しておき、自動バックアップ装置200から受信したバックアップ及び変更履歴と共に、復旧用バックアップの生成に用いることとしてもよい。
上述の実施形態において、復旧用バックアップ適用部111fが復旧用バックアップに基づいて、数値制御装置100のパラメータ及びプログラムの状態を設定する場合、設定後の状態を数値制御装置100の画面に表示し、オペレータに設定の実行の要否を確認することとしてもよい。
同様に、数値制御装置100のパラメータ及びプログラムの状態を仮設定し、設定後の状態をシミュレーションした上で、オペレータに設定の実行の要否を確認することとしてもよい。
これにより、オペレータは、復旧要求によって適切な復旧が行われるか否かをあらかじめ確認することが可能となる。
上述の実施形態において、自動バックアップ装置200の変更履歴受信部211aが、受信した履歴情報を履歴情報記憶部216aに記憶する際に、履歴情報に含まれるバックアップ及び変更履歴にラベルを付加することとしてもよい。
図17は、履歴情報にラベルが付加された状態を示す模式図である。
図17においては、履歴情報の第2行に「プログラム編集」という変更履歴のラベルが付加されている。この[ラベル][プログラム編集]は、履歴情報の第3行から第9行に示されるプログラムの編集に関する変更を行ったタイミングを示している。また、履歴情報の第10行に「システムソフト更新」という変更履歴のラベルが付加されている。この[ラベル][システムソフト更新]は、履歴情報の第11行から第13行に示されるシステムソフトウェアの更新に関する変更を行ったタイミングを示している。
これらのラベルは、復旧の対象となる頻度が高い変更履歴や、復旧の対象として信頼性が高い変更履歴に付加することができる。
変更履歴にラベルを付加することにより、日時を指定する場合よりも容易に、目的とする変更履歴を指定することが可能となる。
上述の実施形態において、自動バックアップ装置200に記憶された履歴情報のうち、特定の日時の変更履歴と同内容の変更を数値制御装置100に適用する機能を付加することができる。
図18は、特定の日時の変更履歴と同内容の変更を数値制御装置100に適用する状態を示す模式図である。なお、図18は、図12に示す履歴情報の状態と対応している。
図18においては、変更入力受付部111aが、自動バックアップ装置200に記憶された履歴情報において、第6行の変更履歴の前の状態に復旧された後、第6行の後の第7行から第13行の変更履歴の指定を受け付け、同内容の変更(パラメータあるいはプログラムの設定)を改めて適用した状態を示している。
このような構成により、繰り返し行われる同内容の変更等を簡単に行うことが可能となる。
上述の実施形態において、特定の変更履歴のみをキャンセルするための変更を適用する機能を付加することができる。
具体的には、特定の変更履歴をキャンセルするために、数値制御装置100に当該特定の変更履歴とは逆の内容の変更を追加して適用することができる。
図19は、特定の変更履歴のみをキャンセルするための変更を適用する状態を示す模式図である。なお、図19は、図10に示す履歴情報の状態と対応している。
図19に示すように、履歴情報において、第6行の「User program O0102全体」を削除した変更履歴をキャンセルする場合、末尾の行に示す変更履歴のように、「User program O0102全体」を追加する変更を適用することができる。なお、このように特定の変更履歴とは逆の内容の変更を追加して適用する処理は、自動バックアップ装置200の復旧用バックアップ生成部211dにおいて自動的に実行したり、数値制御装置100の変更入力受付部111aにおいてオペレータの入力を受け付けて実行したりすることが可能である。
このように、特定の変更履歴とは逆の変更を適用することで適切な復旧を行える場合、簡単な処理で数値制御装置100を復旧することができる。
上述の実施形態において、図7に示す変更履歴取得処理の内容を以下のような並列処理の形態とすることができる。
図20は、変更履歴を記憶する処理(変更履歴記憶処理)及び変更履歴を送信する処理(変更履歴送信処理)を並列的に実行する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図20に示す例では、図7に示す変更履歴取得処理の内容が変更履歴記憶処理及び変更履歴送信処理に分割され、数値制御装置100の稼働と共に、これらの処理が並列的に実行される。
変更記憶取得処理のステップS111において、変更入力受付部111aは、表示器/MDIユニット170やインタフェース115または通信部127を介して数値制御装置100のパラメータあるいはプログラムの変更が入力されたか否かの判定を行う。
表示器/MDIユニット170やインタフェース115または通信部127を介して数値制御装置100のパラメータあるいはプログラムの変更が入力されたと判定された場合(ステップS111:YES)、処理はステップS112に移行する。
一方、表示器/MDIユニット170やインタフェース115または通信部127を介して数値制御装置100のパラメータあるいはプログラムの変更が入力されていないと判定された場合(ステップS111:NO)、ステップS111の処理が繰り返される。
ステップS112において、変更入力受付部111aは、入力されたパラメータあるいはプログラムの変更内容を変更履歴として変更履歴一時記憶部114aに記憶する。
ステップS112の後、変更記憶取得処理が繰り返される。
また、変更履歴送信処理のステップS121において、変更履歴送信部111bは、あらかじめ設定された一定時間(例えば、1秒)に達しているか否かの判定を行う。
あらかじめ設定された一定時間(例えば、1秒)に達していると判定された場合(ステップS121:YES)、処理はステップS122に移行する。
一方、あらかじめ設定された一定時間(例えば、1秒)に達していないと判定された場合(ステップS121:NO)、ステップS121の処理が繰り返される。
ステップS122において、変更履歴送信部111bは、変更履歴一時記憶部114aに未送信の変更履歴があるか否かの判定を行う。
変更履歴一時記憶部114aに未送信の変更履歴があると判定された場合(ステップS122:YES)、処理はステップS123に移行する。
一方、変更履歴一時記憶部114aに未送信の変更履歴がないと判定された場合(ステップS122:NO)、処理はステップS121に移行する。
ステップS123において、変更履歴送信部111bは、変更履歴一時記憶部114aに記憶されている変更履歴をネットワーク300を介して自動バックアップ装置200に送信する。
ステップS123の後、変更履歴送信処理が繰り返される。
上述の実施形態において、図8に示すバックアップ処理の内容を以下のような並列処理の形態とすることができる。
図21は、変更履歴を蓄積する処理(変更履歴蓄積処理)及びバクアップを生成する処理(バックアップ生成処理)を並列的に実行する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図21に示す例では、図8に示すバックアップ処理の内容が変更履歴蓄積処理及びバックアップ生成処理に分割され、自動バックアップ装置200において、これらの処理の実行が指示されることにより並列的に実行される。
変更履歴蓄積処理のステップS211において、変更履歴受信部211aは、ネットワーク300を介して数値制御装置100から変更履歴を受信したか否かの判定を行う。
ネットワーク300を介して数値制御装置100から変更履歴を受信したと判定された場合(ステップS211:YES)、処理はステップS212に移行する。
一方、ネットワーク300を介して数値制御装置100から変更履歴を受信していないと判定された場合(ステップS211:NO)、ステップS211の処理が繰り返される。
ステップS212において、変更履歴受信部211aは、受信した変更履歴を蓄積して履歴情報記憶部216aに記憶する。
ステップS212の後、変更履歴蓄積処理が繰り返される。
また、バックアップ生成処理のステップS221において、自動バックアップ生成部211bは、あらかじめ設定された一定時間(例えば、1日)に達しているか否かの判定を行う。
あらかじめ設定された一定時間(例えば、1日)に達していると判定された場合(ステップS221:YES)、処理はステップS222に移行する。
一方、あらかじめ設定された一定時間(例えば、1日)に達していないと判定された場合(ステップS221:NO)、ステップS221の処理が繰り返される。
ステップS222において、自動バックアップ生成部211bは、新規に受信した変更履歴があるか否かの判定を行う。即ち、ステップS222においては、履歴情報記憶部216aに新規に蓄積された履歴情報があるか否かが判定される。
新規に受信した変更履歴があると判定された場合(ステップS222:YES)、処理はステップS223に移行する。
一方、新規に受信した変更履歴がないと判定された場合(ステップS222:NO)、処理はステップS221に移行する。
ステップS223において、自動バックアップ生成部211bは、履歴情報記憶部216aに記憶されている直近のバックアップと、履歴情報記憶部216aに新規に蓄積された変更履歴とから、最新のバックアップを生成し、履歴情報記憶部216aに記憶する。
ステップS223の後、バックアップ生成処理が繰り返される。
また、これらのプログラムは、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。
100 数値制御装置
111,211 CPU
111a 変更入力受付部
111b 変更履歴送信部
111c 復旧要求受付部
111d 復旧要求送信部
111e 復旧用バックアップ受信部
111f 復旧用バックアップ適用部
211a 更履歴受信部
211b 自動バックアップ生成部
211c 復旧要求受信部
211d 復旧用バックアップ生成部
211e 復旧用バックアップ送信部
112,212 ROM
113,213 RAM
114 不揮発性メモリ
114a 変更履歴一時記憶部
115,118 インタフェース
116 PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)
117 I/Oユニット
120,218 バス
127,217 通信部
130〜134 軸制御回路
140〜144 サーボアンプ
150〜154 サーボモータ
160スピンドル制御回路
161 スピンドルアンプ
162 スピンドルモータ
163 パルスエンコーダ
170 表示器/MDIユニット
171 操作盤
172 外部機器
200 自動バックアップ装置
214 入力部
215 表示部
216 記憶部
216a 履歴情報記憶部
300 ネットワーク
Claims (11)
- バックアップの対象となる装置に対する設定の変更の時刻と変更内容とを対応付けて履歴情報として取得する履歴情報取得部と、
前記バックアップの対象となる装置を復旧するための目的とする時刻を含む復旧要求を取得する復旧要求取得部と、
前記復旧要求に含まれる時刻に基づいて、前記履歴情報取得部によって取得された前記履歴情報から、前記バックアップの対象となる装置を復旧するための復旧用情報を生成する復旧用情報生成部と、
前記復旧用情報生成部によって生成された前記復旧用情報を前記バックアップの対象となる装置に送信する復旧用情報送信部と、
を備える自動バックアップ装置であって、
前記復旧用情報生成部は、さらに、前記履歴情報に矛盾が含まれる場合に、当該矛盾が含まれることを前記バックアップの対象となる装置に送信する処理及び当該矛盾を補間する変更履歴を生成する処理の何れか一方、又は両方を実行する、自動バックアップ装置。 - 前記履歴情報取得部によって取得された前記履歴情報を蓄積して記憶する履歴情報記憶部を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動バックアップ装置。
- 前記履歴情報取得部によって取得された前記履歴情報に基づいて、所定時間ごと又は所定量の前記履歴情報ごとに、前記バックアップの対象となる装置のパラメータ及びプログラム全体が記録されたバックアップを生成するバックアップ生成部を備える請求項1又は2に記載の自動バックアップ装置。
- 前記復旧用情報生成部は、前記復旧要求に含まれる時刻に基づいて、前記履歴情報から、前記復旧要求に含まれる時刻における前記バックアップの対象となる装置のパラメータ及びプログラム全体が記録された復旧用バックアップを前記復旧用情報として生成する請求項1から3のいずれか1項に記載の自動バックアップ装置。
- 前記復旧用情報生成部は、前記履歴情報において、前記復旧要求に含まれる時刻よりも古い前記履歴情報であって起点となる前記履歴情報を基に、前記設定の変更の古いものから順に前記復旧要求に含まれる時刻のものまで前記履歴情報を適用して、前記復旧用情報を生成する請求項1から4のいずれか1項に記載の自動バックアップ装置。
- 前記復旧用情報生成部は、前記履歴情報において、前記復旧要求に含まれる時刻よりも新しい前記履歴情報であって起点となる前記履歴情報を基に、前記設定の変更の新しいものから順に前記復旧要求に含まれる時刻のものまで前記履歴情報を変更前の状態に戻すことにより、前記復旧用情報を生成する請求項1から4のいずれか1項に記載の自動バックアップ装置。
- 前記履歴情報取得部は、受信した前記履歴情報に、当該履歴情報を識別するラベルを付加する請求項1から6のいずれか1項に記載の自動バックアップ装置。
- 前記復旧用情報生成部は、前記履歴情報における特定の変更がキャンセルされる場合に、当該変更と逆の内容の変更を追加して適用する請求項1から7のいずれか1項に記載の自動バックアップ装置。
- 前記履歴情報記憶部は、前記バックアップの対象となる装置の出荷時のパラメータ及びプログラム全体が記録されたバックアップを記憶する請求項2に記載の自動バックアップ装置。
- コンピュータにより行われる自動バックアップ方法であって、
前記コンピュータにより、
バックアップの対象となる装置に対する設定の変更の時刻と変更内容とを対応付けて履歴情報として取得する履歴情報取得ステップと、
前記バックアップの対象となる装置を復旧するための目的とする時刻を含む復旧要求を取得する復旧要求取得ステップと、
前記復旧要求に含まれる時刻に基づいて、前記履歴情報取得ステップにおいて取得された前記履歴情報から、前記バックアップの対象となる装置を復旧するための復旧用情報を生成する復旧用情報生成ステップと、
前記復旧用情報生成ステップにおいて生成された前記復旧用情報を前記バックアップの対象となる装置に送信する復旧用情報送信ステップと、を含み、
前記復旧用情報生成ステップは、さらに、
前記履歴情報に矛盾が含まれる場合に、当該矛盾が含まれることを前記バックアップの対象となる装置に送信するステップ及び当該矛盾を補間する変更履歴を生成するステップの何れか一方、又は両方を備える自動バックアップ方法。 - コンピュータに、
バックアップの対象となる装置に対する設定の変更の時刻と変更内容とを対応付けて履歴情報として取得する履歴情報取得部と、
前記バックアップの対象となる装置を復旧するための目的とする時刻を含む復旧要求を取得する復旧要求取得部と、
前記復旧要求に含まれる時刻に基づいて、前記履歴情報取得部によって取得された前記履歴情報から、前記バックアップの対象となる装置を復旧するための復旧用情報を生成する復旧用情報生成部と、
前記復旧用情報生成部によって生成された前記復旧用情報を前記バックアップの対象となる装置に送信する復旧用情報送信部と、
として機能させるプログラムであって、
前記復旧用情報生成部は、さらに、前記履歴情報に矛盾が含まれる場合に、当該矛盾が含まれることを前記バックアップの対象となる装置に送信する処理及び当該矛盾を補間する変更履歴を生成する処理の何れか一方、又は両方を備える、プログラム。
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