JP6377567B2 - 梯子状織物 - Google Patents
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Description
縦糸と緯糸とにより織成された二条の帯部と、
前記帯部の間において緯糸が所定本数ごとに架橋状に絞り込まれることによって列状になった穴が開口した梯子部と、を有する梯子状織物であって、
前記梯子部の両側において、前記緯糸の前記所定本数ごとに織り込まれた絞用縦糸と、
前記所定本数ずつの緯糸を一単位とし、左右に転じながらレノ織りで前記絞用経糸に交差するように織り込まれた搦糸と、を有する
ことを特徴とする。
前記搦糸は、その断面が円形である
ことが好ましい。
前記搦糸は、モノフィラメント糸であって、その直径は、フィラメント糸である緯糸の直径の0.5倍以上である
ことが好ましい。
前記搦糸は、モノフィラメント糸であって、その直径は、0.1mmから1.0mmである
ことが好ましい。
前記搦糸は、マルチフィラメント糸であって、その直径が0.2mmから0.6mmであり、80〜240ターン/mの撚りがかけられている
ことが好ましい。
前記搦糸は、絞用縦糸の両側に織り込まれている
ことが好ましい。
前記梯子部を二列以上有する
ことが好ましい。
前記梯子状織物と、
前記梯子状織物の穴に挿通されるボス部、および、前記ボス部に外嵌してボス部に係着する止着環を有する止着具と、を具備した
ことを特徴とする。
テント等の布シートに取付布を取り付け、
前記留付具により、前記取付布をポールに取り付ける
ことを特徴とする。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
図1は、本発明に係る梯子状織物の第1実施形態の平面図である。
図1において、梯子状織物Aは、所定巾を有する2条の帯部分A′と、これら左右の帯部分A′の間に適宜間隔で架橋状に配されてその間に開口部aを形成する架橋部分A″と、を有する。
さらに図3は、図2の要部を拡大して示す図である。
経糸1および緯糸2はフィラメント糸であって、例えば、ポリエステル繊維等の引張り強度に優れたフィラメントを複数束ねたものを使用するのが好ましい。
ここで、図4は、図2中のIV−IV線における断面図である。
図5は、図2中のV−Vにおける線断面図である。
帯部分A′の組織は、図4、図5からも明らかなように、緯糸2がニードルにより送られるため2本ずつ1組みとなった状態で経糸1に織り込まれた組織となっている。
なお、緯糸2がシャトルにより送られる織機では、経糸1と1本ずつ織成することが可能となる。
上記架橋部分A″は、上記帯部分A″の緯糸2を8本(4組)ずつ絞り込んで、その間に穴(開口部)aを形成するようになっている。
図7は、図3中のVII―VII線における断面図である。
絞用経糸3に一番内側のものから順に符号31、32、33、34を付ける。
4本の絞用経糸3のうち、真ん中の二本32、33は、8本(4組)ずつの緯糸2を一単位として跨ぐように緯糸2に織り込まれている。
言い換えると、連続8本(4組)の緯糸2が絞用経糸32、33の上(または下)を亘ったあと、絞用経糸32、33の上下を組み換えて連続8本(4組)の緯糸2が絞用経糸3の下(または上)を亘る。
言い換えると、連続4本(2組)の緯糸2が絞用経糸31、34の上(または下)を亘ったあと、絞用経糸31、34の上下を組み換えて連続4本(2組)の緯糸2が絞用経糸3の下(または上)を亘る。
搦糸4は、8本(4組)ずつの緯糸2を一単位とし、4本の絞用経糸3に対して左右に交差している。
図3でいうと、搦糸4は、4本の絞用経糸3の右側で連続8本(4組)の緯糸2の上を亘り、その後、4本の絞用経糸3の裏を通って、次は、4本の絞用経糸3の左側で連続8本(4組)の緯糸2の上を亘る。このように搦糸4を入れることにより、架橋部分を構成する連続8本(4組)の緯糸2を集束して上下方向に穴aを広げ、穴aが十分に広がるようにする。(図3中の白抜き矢印により緯糸2の移動方向を示した。)また、搦糸4により、連続8本(4組)の緯糸2が集束した状態をしっかりと維持し、穴が塞がらないようにする。さらに、搦糸4により、4本の絞用経糸3が横方向にずれないようにしている。
搦糸4をレノ織りで入れておくことにより、絞用経糸3が横にずれて穴が塞がるのを規制している。
搦糸4には、穴を広げるように緯糸2を束ねてくる役割がある。搦糸4が緯糸2と同じフィラメント糸であると、両者の間に大きな摩擦が働き、緯糸2がスムースに動かない。すると、穴aが上下方向に十分に広がらないという問題が生じる。フィラメント糸は交差点で平面的に潰れて互いの接触面積が大きくなり、両者の間に大きな摩擦が生じる。この性質は組織を維持する織物としては大切であるが、梯子状織物の穴を広げるという搦糸4の特殊な役割を考えると、緯糸2は搦糸4に対して容易に滑ることが必要である。
従って、フィラメント糸である緯糸2との間に大きな摩擦が働かないように、搦糸4はフィラメント糸ではなくモノフィラメントとすることが好ましい。
これは、マルチフィラメント糸の直径φが例えば0.32mm程度であることに対し、0.5倍以上である。
搦糸4は、穴を広げるように緯糸2を束ねてきて、さらに、緯糸2を集束した状態を維持しておく強度が求められる。
したがって、搦糸4は、十分な強度を持つようにポリエステル等のモノフィラメントであって太い方が良い。
(ちなみに、単純に通常のフィラメント糸では、複数本の緯糸2を束ねてくる力が得られない。)
連続8本(4組)の緯糸2が集束した状態をしっかりと維持できる強度が搦糸4の径の下限を規定する。
そこで、搦糸4は、ポリエステル等のモノフィラメントであって、直径が0.1mmから1.0mmとすることが好ましく、さらには、0.2mmから0.7mmとすることがより好ましく、さらには、0.2mmから0.4mmとすることがより好ましい。
梯子状織物の使用例を簡単に説明しておく。
ここでは、テント等の布シートSを、取付布Tと梯子状織物Aと止着具Bとを用いてポールPに固定する構造を説明する。
図12に例示するように、搦糸4を、4本の絞用縦糸3の両側に入れるようにしてもよい。
絞用縦糸3の横ずれを規制する作用についても、緯糸を集束する作用についても、2倍の効果が得られる。
また、搦糸4を絞用縦糸3の両側に入れるとすれば、一本の搦糸4の強度を弱くしてもよい。
この場合、一本の搦糸4は、ポリエステル等のモノフィラメントであって、その直径を0.15mm〜0.25mm程度にしてもよい。
太い搦糸4をレノ織りにするのは織機に負担が大きいので、搦糸4を小さくできるのは大きなメリットである。
ただし、レノ織りが多くなるので織り作業自体はやや複雑化するのであるが、織機の負担が軽くなるのはやはりメリットが大きい。
穴aは一列だけに限定されない。例えば、図13に示すように、穴aが2列以上設けられてもよい。
従来の梯子状織物は、穴が小さかったり時間が経つと穴が徐々に小さくなってきたりといった変化があったため、このような吊り下げ具としての利用はやや難しかった。(上記固定構造であれば、一旦固定してしまえば穴が塞がっても問題が無い。)この点、本発明によれば、十分に穴が開き、さらに、穴が長期に亘って維持されるので、引っ掛けたり取り外したりといった繰り返しの利用にも十分に耐えられる。
搦糸4をモノフィラメントではなく、マルチフィラメント糸としてもよい。
この場合、撚りを強くかけて、潰れにくくしておくことが望ましい。
マルチフィラメント糸の直径が0.2mmから0.6mmであり、撚りを80〜240ターン/m程度にすることが好ましい。さらに好ましくは、100〜150ターン/mであり、120ターン/m程度とするのがより好ましい。
例えば、図14に示すように、両端の二本31、34についても緯糸2を8本(4組)ずつ跨ぐようにしてももちろんよい。
搦糸4が絞用経糸3および緯糸2を絞ったり押えたりするには、搦糸4と絞用経糸3とがクロス(交差)しなければならない。
(交差していないと、搦糸4が絞用経糸3を乗り越えてしまって、絞用経糸3および緯糸2に力を掛けられない。)
変形例1のごとく搦糸4を絞用経糸3の両側にいれるとして、絞用経糸3も搦糸4も同じピッチで緯糸2を跨いでいると、どちらかの側で交差(クロス)しないところがでてくる。
したがって、変形例1のように搦糸4を絞用経糸3の両側にいれる場合には、少なくとも搦糸4に隣り合う絞用経糸3については搦糸4と異なるピッチで緯糸に織り込み、架橋部分を絞り込めるように搦糸4と絞用経糸3とが交差するようにする。
Claims (8)
- 縦糸と緯糸とにより織成された二条の帯部と、
前記帯部の間において緯糸が所定本数ごとに架橋状に絞り込まれることによって列状になった穴が開口した梯子部と、を有する梯子状織物であって、
前記梯子部の両側において、前記緯糸に織り込まれた複数本の絞用縦糸と、
前記所定本数ずつの緯糸を一単位とし、左右に転じながらレノ織りで前記絞用経糸に交差するように織り込まれた搦糸と、を有し、
複数本の前記絞用経糸のうちで両端の2本以外は、前記緯糸の前記所定本数ずつを一単位として跨ぐように前記緯糸に織り込まれており、
複数本の前記絞用経糸のうちで両端の2本は、前記緯糸の前記所定本数の半分ずつを一単位として跨ぐように前記緯糸に織り込まれている
ことを特徴とする梯子状織物。 - 請求項1に記載の梯子状織物において、
前記搦糸は、その断面が円形である
ことを特徴とする梯子状織物。 - 請求項1または請求項2に記載の梯子状織物において、
前記搦糸は、モノフィラメント糸であって、その直径は、フィラメント糸である緯糸の直径の0.5倍以上である
ことを特徴とする梯子状織物。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の梯子状織物において、
前記搦糸は、モノフィラメント糸であって、その直径は、0.1mmから1.0mmである
ことを特徴とする梯子状織物。 - 請求項1または請求項2に記載の梯子状織物において、
前記搦糸は、マルチフィラメント糸であって、その直径が0.2mmから0.6mmであり、80〜240ターン/mの撚りがかけられている
ことを特徴とする梯子状織物。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の梯子状織物において、
前記搦糸は、絞用縦糸の両側に織り込まれている
ことを特徴とする梯子状織物。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の梯子状織物において、
前記梯子部を二列以上有する
ことを特徴とする梯子状織物。 - 縦糸と緯糸とにより織成された二条の帯部と、
前記帯部の間において緯糸が所定本数ごとに架橋状に絞り込まれることによって列状になった穴が開口した梯子部と、を有する梯子状織物であって、
前記梯子部の両側において、前記緯糸に織り込まれた複数本の絞用縦糸と、
前記所定本数ずつの緯糸を一単位とし、左右に転じながらレノ織りで前記絞用経糸に交差するように織り込まれた搦糸と、を有し、
複数本の前記絞用経糸のうちの少なくとも1本は、前記緯糸の前記所定本数ずつを一単位として跨ぐように前記緯糸に織り込まれており、かつ、複数本の前記絞用経糸のうちの少なくとも他の1本は、前記緯糸の前記所定本数の半分ずつを一単位として跨ぐように前記緯糸に織り込まれている
ことを特徴とする梯子状織物。
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