以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る安全柵100及びフェンス10について、図1〜図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る安全柵100の構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るフェンス10の構成を示す斜視図である。
この安全柵100は、施設内に設置された設備等を囲むように配置される柵であって、図1に示されるように、施設の床面に並べて直線状に配置された複数のフェンス10から構成されている。複数のフェンス10同士は、磁力により少なくとも一部が接合して連結されている。
フェンス10は、床面に立設可能な自立式のフェンスであって、図2に示されるように、上下に並べて配置された一組の横枠11と、左右に並べて配置された一組の縦枠12と、これら横枠11及び縦枠12で保持されるパネル材13とを備えている。
縦枠12は四角柱状の長尺中空部材であり、その一側面には長手方向に沿って凹部(溝)が形成されている。同様に、横枠11も四角柱状の長尺中空部材であり、その一側面には長手方向に沿って凹部が形成されている。これら縦枠12及び横枠11は、例えばアルミニウム合金等の金属や合成樹脂の押出成形材等から構成されている。
一組の横枠11と一組の縦枠12とは環状に連結されて、一組の横枠11が上下の枠、一組の縦枠12が左右の枠となって、正面視したとき矩形状となる一つの枠体を構成している。この枠体において、横枠11の長手方向の両端部側面に縦枠12の長手方向の一端面が接合しており、横枠11及び縦枠12はこの接合状態でネジ等により連結されている。また、一組の横枠11と一組の縦枠12とは、枠体の内面に各凹部が位置するよう、つまり一組の横枠11の凹部が互いに対向し、かつ、一組の縦枠12の凹部が互いに対向するように連結されている。
パネル材13は、金網等の網体であり、上下方向に延設された複数の縦線材13aと左右方向に延設された複数の横線材13bとを格子状に組み合わせて構成されている。パネル材13は、縦線材13aの延設方向の上下両端部が一組の横枠11の凹部内に嵌入され、横線材13bの延設方向の左右両端部が一組の縦枠12の凹部内に嵌入されて枠体の内側に張設固定されている。これら縦線材13a及び横線材13bは、例えば表面に亜鉛メッキを施した鋼線又は樹脂コーティングを施した鋼線等から構成されている。
フェンス10は、さらに、フェンス10を床面に立設させる脚部としての第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16と、隣り合って配置されるフェンス10同士を磁力により結合させる結合部としての磁石17とを備えている。フェンス10は、この第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16を2組備えると共に、磁石17を4つ備えている。
第1ベースプレート15は、L字アングル等であり、枠体の前面、具体的には下側の横枠11の長手方向の両端部側面のうちのフェンス10の前面側の側面に固定されている。同様に、第2ベースプレート16も、第1ベースプレート15と同形状のL字アングル等であり、枠体の後面、具体的には下側の横枠11の長手方向の両端部側面のうちのフェンス10の後面側の側面に固定されている。第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16は、ボルト等のネジ及びナットを介して枠体に固定されている。
第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16は、枠体と接し、第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16を枠体に固定するためのネジが挿入されるネジ孔が形成された枠側プレートと、床面と接し、この枠側プレートと直交するようにその端縁から立設する床側プレートとを有する。第1ベースプレート15の枠側プレートと第2ベースプレート16の枠側プレートとは、前後方向に枠体を挟んで対向している。そして、1組の第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16は、対向する枠側プレートを枠体に固定することで枠体を挟持している。
磁石17は、磁性体から構成される板状部材、例えばマグネットシート又はマグネットプレート等であり、枠体の四隅、具体的には枠体の右側面の上端部及び下端部と、枠体の左側面の上端部及び下端部とに設けられ、ボルト等のネジを介して固定されている。磁石17は、連結された縦枠12及び横枠11の双方に跨って固定されており、縦枠12及び横枠11の連結状態を強固にしている。なお、縦枠12及び横枠11の連結状態を考慮する必要がないときは、磁石17は、連結された縦枠12及び横枠11の双方に跨って固定されていなくてもよい。
このとき、枠体の右側面に設けられる磁石17と、枠体の左側面に設けられる磁石17とでは、異なる極性を有する。そして、安全柵100では、複数のフェンス10について同じ位置に同じ極性の磁石17が取り付けられる。従って、複数のフェンス10を図1に示すように直線状に並べた場合、異なる極性の磁石17同士を接合させて磁力により結合させることができる。
以上のように本実施形態のフェンス10は、パネル材13と、上下左右の枠としての横枠11及び縦枠12を結合して構成され、パネル材13を横枠11及び縦枠12の内側に保持する枠体と、枠体の右側面及び左側面に設けられた磁石17とを備えている。この構成により、安全柵100を設置する場合、複数のフェンス10を単に近付けて横に並べるだけで磁石17の磁力により結合させることができるので、簡易に安全柵100を構成可能なフェンスを実現することができる。
また、本実施形態のフェンス10は、さらに、枠体に固定され、枠体を床面に自立させる脚部としての第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16を備えている。この構成により、フェンス10を床面に置くだけで設置することができるので、簡易に設置可能なフェンスを実現することができる。
また、本実施形態のフェンス10は、面材であるパネル材13が網体により構成される。従って、安全柵100外部から柵内部の危険領域を視認することができ、危険領域での事故の発生を抑えることが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る安全柵100及びフェンス10Aについて、図3を用いて説明する。以下、第1の実施形態の安全柵100及びフェンス10と異なる点を中心に説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るフェンス10Aの構成を示す正面図である。
本実施形態のフェンス10Aは、枠体が一組の横枠11に挟まれて位置する中枠19を備え、開口18が形成されている点で第1の実施形態のフェンス10と異なる。
中枠19は、横枠11と同様の構成を有する四角柱状の長尺中空部材であり、その一側面には長手方向に沿って凹部が形成されている。中枠19は、例えばアルミニウム合金等の金属や合成樹脂の押出成形材等から構成されている。中枠19の長手方向の両端部側面に縦枠12の長手方向の一端面が接合しており、中枠19及び縦枠12はこの接合状態でネジ等により連結されている。中枠19は、自身の凹部が上側の横枠11の凹部に対向するように配置されている。
パネル材13は、縦線材13aの延設方向の上下両端部が上側の横枠11及び中枠19の凹部内に嵌入され、横線材13bの延設方向の左右両端部が一組の縦枠12の凹部内に嵌入されて枠体の内側に張設固定されている。パネル材13は、一組の縦枠12、上側の横枠11及び中枠19の内側に保持されているが、一組の縦枠12、下側の横枠11及び中枠19の内側に保持されておらず、一組の縦枠12、下側の横枠11及び中枠19で囲まれる領域には開口18が形成されている。
以上のように本実施形態のフェンス10Aは、一組の横枠11の間にパネル材13を保持する中枠19を備え、フェンス10Aの下部に正面視で矩形状の開口18が形成されるため、安全柵100を構成するフェンスの一部にフェンス10Aを用いることにより、安全柵100で囲まれた領域に開口18を出入口として作業者が出入りすることができる。
なお、本実施形態のフェンス10Aは、中枠19を一組の横枠11と長手方向が略一致するように一組の横枠11の間に配置するとしたが、一組の縦枠12と長手方向が略一致するように一組の縦枠12の間に配置し、一組の横枠11、一組の縦枠12のいずれか一方及び中枠19の内側にパネル材13を保持してもよい。この構成の場合、一組の横枠11、一組の縦枠12のいずれか他方及び中枠19の内側にパネル材13は保持されず、開口が形成される。つまり、フェンス10Aの左部又は右部に正面視で矩形状の開口18が形成される。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る安全柵200及びフェンス10について、図4を用いて説明する。以下、第1の実施形態の安全柵100及びフェンス10と異なる点を中心に説明する。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る安全柵200の構成を示す斜視図である。
本実施形態の安全柵200は、2つのパネル材13をそれぞれの面が交差するように配置することで複数のフェンス10の一部(図4のA)が折り曲げて配置され、安全柵200のコーナ部が形成されている点で第1の実施形態の安全柵100と異なる。さらに、本実施形態の安全柵200は、コーナ部で隣り合う2つのフェンス10の間に設けられた中継部材20をさらに備える点でも第1の実施形態の安全柵100と異なる。
中継部材20は、長尺の板材であり、短手方向でL字状に折り曲げられ、所定のフェンス10の磁石17と磁力により結合する第1中継面21を有する。中継部材20は、さらに、短手方向でこの第1中継面21の端縁に立設された第2中継面22、言い換えると第1中継面21とL字状に結合された第2中継面22を有する。第2中継面22は、コーナ部で所定のフェンス10と隣り合って設けられたフェンス10の磁石17と磁力により結合する。
中継部材20は、第1中継面21及び第2中継面22の双方が、それぞれフェンス10の上下に並べて配置された2つの磁石17の両方と接合するように、その長手方向の長さが設定されている。中継部材20は、例えば金属プレートより構成することができる。
以上のように本実施形態の安全柵200は、複数のフェンス10と、隣り合う2つのフェンス10の間に設けられた中継部材20とを備えている。そして、中継部材20は、隣り合う2つのフェンス10の一方の磁石17と磁力により結合する第1中継面21と、第1中継面21と交差し、隣り合う2つのフェンス10の他方の磁石17と磁力により結合する第2中継面22とを有する。安全柵200のコーナ部を形成する場合、コーナ部では、磁石17が設けられた枠体の側面同士を対向させ、フェンス10同士を磁力により直接連結させることができない。しかしながら、この構成により、コーナ部で隣り合う2つのフェンス10の間に異なる向きの2つの面、つまり第1中継面21及び第2中継面22を持つ中継部材20が設けられる。従って、コーナ部の角度に応じて第1中継面21及び第2中継面22の向きを設定することで、コーナ部の2つのフェンス10を中継部材20を介して連結させて隙間のないコーナ部を実現することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る安全柵300及びフェンス10について、図5を用いて説明する。以下、第1の実施形態の安全柵100及びフェンス10と異なる点を中心に説明する。
図5は、本発明の第4の実施形態に係る安全柵300の構成を示す斜視図である。
本実施形態の安全柵300は、複数のフェンス10の全てがパネル材13として網体を備えるのではなく、複数のフェンス10の一部(図5のA)が目隠しフェンスとされてパネル材23としての板材を備える点で第1の実施形態の安全柵100と異なる。
パネル材23は、長尺の板材を単位パネルとして上下方向に複数並べて構成される。単位パネルとしては、金属板及び合成樹脂板等を用いることができる。単位パネルの長手方向の左右両端は、枠体の縦枠の凹部内に嵌入されている。
以上のように本実施形態の安全柵300は、複数のフェンス10の一部が目隠しフェンスとされている。この構成により、目隠しの要望に柔軟に応えることが可能な安全柵を実現することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る安全柵100及びフェンス40について、図6を用いて説明する。以下、第1の実施形態の安全柵100及びフェンス10と異なる点を中心に説明する。
図6は、本発明の第5の実施形態に係るフェンス40の構成を示す斜視図である。
本実施形態のフェンス40は、フェンス40を床面に強固に設置するための固定部材を備える点で第1の実施形態のフェンス10と異なる。具体的に、本実施形態のフェンス40は、脚部としての第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16の床面と接する床側プレートにネジ孔が設けられて、この床側プレートを床面に固定するためのネジ28を固定部材として備える点で第1の実施形態のフェンス10と異なる。
以上のように本実施形態のフェンス40は、第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16を床面に固定するネジ28を固定部材として備える。この構成により、複数のフェンス40を磁力により連結して第1ベースプレート15及び第2ベースプレート16により床面に仮設置した後、ネジ28により仮設置したフェンス40を床面に強固に設置することができる。その結果、簡易であるが強固に設置可能な安全柵100を実現することができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係る安全柵100及びフェンス50について、図7を用いて説明する。以下、第1の実施形態の安全柵100及びフェンス50と異なる点を中心に説明する。
図7は、本発明の第6の実施形態に係るフェンス50の構成を示す斜視図である。図8は、本実施形態に係るフェンス50の詳細な構成を示す拡大斜視図である。図9は、本実施形態に係るフェンス50の縦枠の詳細な構成を示す断面図である。
本実施形態のフェンス50は、枠体が磁石17の設置される凹部30を側面に有し、さらに枠体の縦枠52及び横枠51が同一形状の枠材を用いて構成されている点で第1の実施形態のフェンス10と異なる。
縦枠52は四角柱状の長尺中空部材であり、その一側面にパネル材13が嵌入される凹部37が形成されると共に、その一側面に対向する他側面には長手方向に沿って凹部30が形成されている。この凹部30を構成する両側壁、具体的に縦枠52の短手方向の両側壁の幅は磁石17の幅と略等しく、磁石17は、凹部30内に嵌入されている。そして、凹部30の両側壁、具体的に縦枠52の短手方向の両側壁の先端には、図8に示されるように、内側に向かって庇状に突き出す凸部31が設けられている。そして、この凸部31は縦枠52の長手方向に連続して設けられている。従って、凹部30内に嵌入された磁石17は凸部31により凹部30内から飛び出すのが抑えられると共に、凹部30内にスライド可能、言い換えると縦枠52の長手方向にスライド可能に保持される。磁石17は、縦枠52の長手方向の端面から凹部30内に挿入、具体的には嵌入された後、縦枠52の長手方向の所定位置まで凹部30内を長手方向にスライドさせ、その所定位置でネジ等を介して縦枠52に固定される。
ここで、縦枠52の凹部30の深さ、つまり凸部31の凹部30底面側の一側面から凹部30の底面までの距離は磁石17の厚みより大きく、好ましくは略同じである。また、凸部31は薄く、凹部30から露出する磁石17の表面と凸部31の凹部30底面側と反対側の他側面とは略面一となっている。従って、磁石17が縦枠52から突き出るのを抑えて、隣り合うフェンス50同士で縦枠52が接するように安全柵100を構成することができる。
縦枠52は、長手方向に直交する断面の形状が図9に示されるものとなっており、この断面形状が長手方向に連続した構造を有している。横枠51もこの縦枠52の構造と同様の構造を有するが、長手方向の長さは縦枠52より短くなっている。
縦枠52は、例えばアルミニウム合金等の金属や合成樹脂の押出成形材等から構成され、図9に示されるように、凹部30及び37が形成された本体部32と、棒状部材から構成され、縦枠52の凹部37内に横線材13bを固定する押縁33とを備えている。
本体部32は四角柱状の長尺中空部材であり、内部に、横枠51及び縦枠52を連結するネジと螺合するC字状の断面の螺合部34及び35が形成されると共に、押縁33の一部が嵌入される台形状つまり底面に向かって幅が狭まる形状の断面の凹部36が形成されている。この凹部36は本体部32の長手方向に沿って設けられており、押縁33は本体部32の長手方向の端面から凹部36内に挿入、具体的に嵌入された後、凹部30内を長手方向にスライドさせることで本体部32に取り付けられる。
図10は、枠体へのパネル材13の固定方法を説明するための図である。
パネル材13の固定において、まず、横枠51の本体部32及び縦枠52の本体部32が連結される(図10(a))。ここで、パネル材13は横線材13bの上に縦線材13aを配設して形成されるため、横線材13bにより形成されるパネル面と縦線材13aにより形成されるパネル面とでは位置(高さ)が異なる。従って、縦線材13aが挿入される横枠51の本体部32と、横線材13bが挿入される縦枠52の本体部32とは、縦枠52の本体部32と横枠51の本体部32との結合部で凹部37が不連続となり、異なる位置に凹部37が位置するように、同一形状の枠材を配置することで構成される。この場合、縦枠52の本体部32の凹部37に対して横枠51の本体部32の凹部37は線対称に位置する。
次に、縦枠52の本体部32の凹部37内に横線材13bが挿入された後、本体部32と共に横線材13bを挟むように、縦枠52の本体部32に押縁33が取り付けられて縦枠52の凹部37内に横線材13bが固定される。同様に、横枠51の本体部32の凹部37内に縦線材13aが挿入された後、本体部32と共に縦線材13aを挟むように、横枠51の本体部32に押縁33が取り付けられて横枠51の凹部37内に縦線材13aが固定される(図10(b))。このとき、縦枠52の本体部32に取り付けられた押縁33と、横枠51の本体部32に取り付けられた押縁33とは、フェンス50の前後方向でパネル材13を挟んで反対に位置することになる。
図11は、横枠51の本体部32及び縦枠52の本体部32を連結するために縦枠52の本体部32に形成されたネジ孔38a及び38bの位置を説明するための図である。
図11(a)で示されるように、ネジ孔38a及び38bが形成されている場合、ネジ孔38aに配置されるネジは横枠51の本体部32の螺合部35と螺合することができる。しかしながら、ネジ孔38bの貫通方向には押縁33が存在するため、ネジ孔38bに配置されるネジは、縦枠52の押縁33で邪魔されて横枠51に到達できず、横枠51の本体部32の端面の螺合部34と螺合することができない。
これに対し、図11(b)で示されるように、ネジ孔38a及び38bが形成されている場合、ネジ孔38bの貫通方向に押縁33は存在しない。従って、ネジ孔38bに配置されるネジは、縦枠52の押縁33で邪魔されず、横枠51に達して横枠51の本体部32の端面の螺合部34と螺合することができる。
以上のように本実施形態のフェンス50は、枠体の右側面及び左側面に凹部30が形成され、磁石17は凹部30内に設けられる。図1のように枠体側面が平坦であり、磁石17が枠体から大きく突き出して設けられる場合、フェンスの間には磁石17による大きな隙間が形成されるが、この構成により、安全柵100の隣り合うフェンス同士の隙間を小さくすることができる。
また、本実施形態のフェンス50は、枠体の縦枠52及び横枠51が同一形状の枠材を用いて構成される。従って、枠体の形成を容易にして低コストのフェンスを実現することができる。
なお、本実施形態のフェンス50では、枠体に保持されるパネル材13が網体であり、横線材13bのパネル面と縦線材13aのパネル面とでは位置が異なるため、縦枠52及び横枠51は同一形状の枠材を180°回転させて配置することで構成されるとした。しかし、図12に示されるように、枠体に保持されるパネル材53が板材である場合、縦枠52及び横枠51は縦枠52の本体部32と横枠51の本体部32との結合部で凹部37が連続するように同一形状の枠材を配置することで構成されてもよい。この場合、縦枠52の本体部32に取り付けられた押縁33と、横枠51の本体部32に取り付けられた押縁33とは、フェンス50の前後方向でパネル材53を基準に同じ側に位置することになる。
また、本実施形態のフェンス50では、凹部30が枠体の側面に長手方向に沿って設けられ、磁石17は枠体の端面から挿入されて凹部30内をスライドさせることで所定位置に配置されるとした。しかし、凹部30は枠体の側面の所定位置にのみ設けられ、枠体の側方から嵌め込む形で所定位置に配置されてもよい。
また、本実施形態のフェンス50をフェンス10に置き換えて第2の実施形態の安全柵200に適用する場合、中継部材20は図13で示すような形態を有してもよい。つまり、中継部材20は、所定のフェンス10の磁石17と接する凸部54を第1中継面21に有し、所定のフェンス10と隣り合って設けられたフェンス10の磁石17と接する凸部55を第2中継面22に有してもよい。このとき、凸部54及び55は、中継部材20の長手方向に連続することなく、磁石17と接する位置にのみ設けられてもよいし、連続して設けられてもよい。凸部54及び55は、例えば第1中継面21及び第2中継面22の表面にコ字状に折り曲げられた板材を溶接することにより形成することができる。この構成により、磁石17と中継部材20とを磁力により接合させることができるので、フェンス10と中継部材20との連結を強固にすることができる。また、中継部材20の凸部54及び55はフェンス10の凹部30に引っ掛かって、庇状の凸部31により縦枠52の短手方向について中継部材20の動きが規制されるため、フェンス10と中継部材20とを容易に連結させることができる。
なお、図13の構成においては、磁石17と中継部材20とを近接させることができるので、結合対象物に近接させることで強力な磁力結合を実現するキャップ磁石等を磁石17として用いることができ、フェンス10と中継部材20との連結をより強固にすることができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係る安全柵100及びフェンス60について、図14を用いて説明する。以下、第6の実施形態の安全柵100及びフェンス50と異なる点を中心に説明する。
図14は、本発明の第7の実施形態に係るフェンス60の構成及び設置方法を示す図である。
本実施形態のフェンス60は、脚部としての第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66が、枠体の底面と床面との距離を調節可能な状態で、枠体に固定されている点で第6の実施形態のフェンス50と異なる。
第1ベースプレート65は、L字アングル等であり、枠体の前面、具体的には下側の横枠51の長手方向の両端部側面のうちのフェンス60の前面側の側面に固定されている。同様に、第2ベースプレート66も、第1ベースプレート65と同形状のL字アングル等であり、枠体の後面、具体的には下側の横枠51の長手方向の両端部側面のうちのフェンス60の後面側の側面に固定されている。第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66は、ボルト等のネジ及びナットを介して枠体に固定されている。
第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66は、枠体と接し、第1ベースプレート65を枠体に固定するためのネジが挿入されるネジ孔が形成された枠側プレートと、床面と接し、この枠側プレートと直交するようにその端縁から立設する床側プレートとを有する。第1ベースプレート65の枠側プレートと第2ベースプレート66の枠側プレートとは、前後方向に枠体を挟んで対向している。そして、1組の第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66は、対向する枠側プレートを枠体に固定することで枠体を挟持している。
縦枠52の長手方向の下端部側面のうちのフェンス60の前面側の側面には、第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66のネジ孔と連通するネジ孔61がレーストラック形状等の長孔形状、具体的に縦枠52の長手方向に長孔形状で形成されており、ネジ67の固定位置つまり締結位置についてネジ孔61内で縦枠52の長手方向に変更可能となっている。
上記構成のフェンス60の設置では、まず、枠体の底面と床面との間隔が大きく開いた状態で第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66が枠体に固定された複数のフェンス60について、磁力により結合させる(図14(a))。そして、ネジ孔61のネジ67が緩められて、枠体の底面と床面との間隔が小さくなるように、例えば枠体の底面と床面とが接するように、枠体が第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66に対して下方に移動された後、再びネジ孔61のネジ67が強く締められる(図14(b))。
以上のように本実施形態のフェンス60では、脚部としての第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66は、枠体の底面と床面との距離を調節可能な状態で、枠体に固定されている。この構成により、枠体の底面と床面との距離について、床面の表面形状に応じた最小の長さとすることができるので、意図せず枠体の底面と床面との隙間から工具及びボルト等の物品等が通過するのを抑えることができる。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態に係る安全柵100及びフェンス70について、図15を用いて説明する。以下、第5の実施形態の安全柵100及びフェンス50と異なる点を中心に説明する。
図15は、本発明の第8の実施形態に係るフェンス70の構成を示す斜視図である。図16は、本実施形態に係るフェンス70の詳細な構成を示す断面図(図15のAA線における断面図)である。
本実施形態のフェンス70は、枠体の右側面つまり右側の縦枠52に磁石17が設けられ、枠体の左側面つまり左側の縦枠52にスチールプレート等の金属板71が設けられている点で第6の実施形態のフェンス50と異なる。
磁石17は、その幅が凹部30の幅と略同じであり、さらに縦枠52の凹部30の開口で庇状に突き出す2つの凸部31の上面間の距離より大きく、凹部30内から飛び出すのが抑えられている。これに対し、金属板71は、その幅が凹部30の幅より小さく、さらに縦枠52の2つの凸部31の間の距離より小さく、その一部が2つの凸部31の間に位置している。そして、金属板71は、縦枠52の本体部32の表面に対して面一又は突き出すように凹部30内に設けられ、ボルト等のネジを介して固定されている。
図17は、安全柵100における隣り合うフェンス70の連結状態を説明するための図である。
隣り合うフェンス70は、一方のフェンス70における右側の縦枠52の磁石17表面と、他方のフェンス70における左側の縦枠52の金属板71表面とを磁力により接合させることにより連結される。この連結状態において、一方のフェンス70の縦枠52の凹部30に、他方のフェンス70の金属板71表面が位置しており、一方のフェンス70の縦枠52の本体部32と他方のフェンス70の縦枠52の本体部32とを接合させることができる。
ここで、磁石17と金属板71とを接合させることができるので、結合対象物に近接させることで強力な磁力結合を実現するキャップ磁石等を磁石17として用いることができ、隣り合うフェンス70の連結をより強固にすることができる。
以上のように本実施形態のフェンス70では、枠体の右側面及び左側面の両方に凹部30が形成され、磁石17は、枠体の右側面及び左側面のいずれか一方の側面の凹部30内に設けられている。そして、フェンス70は、さらに、枠体の右側面及び左側面のいずれか他方の側面の凹部30内に設けられ、この他方の側面と面一又はこの他方の側面から突き出る表面を持つ金属板71を備える。この構成により、隣り合うフェンス70の連結において、一方のフェンス70の磁石17と他方のフェンス70の金属板71とを磁力により接合させることができるので、隣り合うフェンス70同士の連結を強固にすることができる。また、隣り合うフェンス70の連結において、一方のフェンス70の金属板71は他方のフェンス70の凹部30に引っ掛かって、庇状の凸部31により縦枠52の短手方向について一方のフェンス70の動きが規制されるため、隣り合うフェンス70同士を容易に連結させることができる。
なお、本実施形態のフェンス70では、枠体の右側面に磁石17を設け、枠体の左側面に金属板71を設けるとしたが、枠体の一方の側面に磁石17を設け、枠体の他方の側面に金属板71が設けられればこれに限られない。従って、枠体の右側面に金属板71が設けられ、枠体の左側面に磁石17が設けられてもよい。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態に係る安全柵100及びフェンス80について、図18を用いて説明する。以下、第6の実施形態の安全柵100及びフェンス50と異なる点を中心に説明する。
図18は、本発明の第9の実施形態に係るフェンス80の構成を示す図である。なお、図18において、図18(a)はフェンス80の正面図を示し、図18(b)はフェンス80を上方から見た平面図を示し、図18(c)はフェンス80を左側方から見た側面図を示している。
本実施形態のフェンス80は、フェンス50を床面に自立させる脚部として、第1ベースプレート65及び第2ベースプレート66でなく、サヤ管81、支柱82及びベースプレート83を備え、磁石17がサヤ管81と枠体とを連結している点で第6の実施形態のフェンス50と異なる。
サヤ管81は、円筒状の長尺中空部材であり、長手方向の長さが縦枠52と略同じとされている。サヤ管81は、枠体の右側面及び左側面に設けられた磁石17の磁力により枠体と接合可能なように、金属により構成されることが好ましい。サヤ管81は1つの枠体を挟み込むように2つ並んで配置されており、並んで配置された2つのサヤ管81の距離は、枠体の幅と略一致している。
支柱82は、サヤ管81の内径よりも小さな外径を有し、サヤ管81内に挿通可能な柱状体であり、ベースプレート83を介して床面に固定されている。支柱82は1つの枠体を挟み込むように2つ並んで配置されており、並んで配置された2つの支柱82の距離は、枠体の幅と略一致している。
以上のように本実施形態のフェンス80では、枠体と磁石17の磁力により連結可能であり、床面に固定された支柱82に挿通可能なサヤ管81を備え、枠体はサヤ管81を介して床面に固定される。この構成により、安全柵100を設置する場合、サヤ管81をあらかじめ支柱82に挿通させておけば、パネル材13を保持する枠体を単にサヤ管81に近付けて横に並べるだけで磁石17の磁力により枠体をサヤ管81に結合させてフェンス80を設置することができる。また、枠体の側面にあらかじめサヤ管81に接合させておけば、床面に固定された支柱82にサヤ管81を挿通させるだけでフェンス80を設置することができる。よって、簡易に安全柵100を構成可能なフェンスを実現することができる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態に係る安全柵400及びフェンス50について、図19を用いて説明する。以下、第6の実施形態の安全柵100及びフェンス50と異なる点を中心に説明する。
図19は、本発明の第10の実施形態に係る安全柵400の構成を示す図である。なお、図19において、図19(a)は安全柵400の正面図を示し、図19(b)は安全柵400を上方から見た平面図を示し、図19(c)は安全柵400を右側方から見た側面図を示している。
本実施形態の安全柵400は、複数のフェンス50の全てがパネル材13を備えるのではなく、複数のフェンス50の一部のフェンス90についてパネル材13が備えられず、枠体の内部が開口されており、その枠体の開口の前方に開口の開閉扉としてのスライドフェンス110を備えている点で第6の実施形態の安全柵400と異なる。
フェンス90及びこれに隣接するフェンス50の枠体の前方つまり上側の横枠51の前方には、スライドフェンス110を溝(凹部)内でスライド可能に保持するレール材101が溝の開口を下方に向けた状態で設けられ、スライドフェンス110はこのレール材101の長手方向にスライド可能となっている。レール材101は、四角柱状の長尺中空部材であり、その一側面には長手方向に沿って溝が形成されている。レール材101は、複数の連結金具102により、フェンス90及びこれに隣接するフェンス50の上側の横枠51に固定されている。複数の連結金具102は、フェンス90及びこれに隣接するフェンス50の上側の横枠51の長手方向に沿って配置され、上側の横枠51の上面とレール材101の上面とにネジ等を介して固定されている。
スライドフェンス110は、フェンス50と同様の構成を有するが、その高さがフェンス50より低くなっている点つまり縦枠52の長手方向の長さが短くなっている点と、作業者が把持可能なハンドル111が枠体つまり縦枠52の前面に固定されると共に、レール材101の溝内にスライド可能に保持されるスライド部材114が上側の横枠51の上面に固定されている点と、下側の横枠51に板材113が固定されている点とでフェンス50と異なる。
スライド部材114は、側面視が略エ字状の金具であり、レール材101の溝内に嵌入される上部と、スライドフェンス110の上側の横枠51の他側面の凹部30内に嵌入される下部と、それらを結合する柱状部とから構成され、スライドフェンス110の上側の横枠51の長手方向に沿って複数設けられている。スライド部材114は、レール材101に対してはスライド可能となるように固定されていないが、スライドェンス110の上側の横枠51に対してはスライドしないようにネジ等を介して固定されている。
フェンス90前方の床面には、スライドフェンス110のスライド方向に走る溝が上面に形成されたスライド補助部材112が、スライドフェンス110のスライド方向に並んで複数設けられている。板材113は、スライドフェンス110の下側の横枠51から下方に突出するように設けられており、その下部はスライド補助部材112の溝内に、スライドフェンス110のスライド方向にスライド可能な状態で嵌入されている。板材113は、スライド補助部材112と共に、レール材101に吊り下げられた状態のスライドフェンス110のスライドを安定化させている。
以上のように本実施形態の安全柵400は、一部のフェンス90が開口形状とされて、フェンス90の開口を覆うように、フェンス90の前方にスライドフェンス110を設けている。そして、スライドフェンス110をフェンス50及び90に対してスライド可能な状態とし、フェンス90の開口をスライドフェンス110で開閉可能としている。この構成により、フェンス90の開口を出入口とし、スライドフェンス110をその出入口の扉として安全柵400で囲まれた領域に作業者が出入りすることができる。
(第11の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態に係る安全柵500及びフェンス50について、図20を用いて説明する。以下、第6の実施形態の安全柵100及びフェンス50と異なる点を中心に説明する。
図20は、本発明の第11の実施形態に係る安全柵500の構成を示す図である。なお、図20において、図20(a)は安全柵500の正面図を示し、図20(b)は安全柵500を上方から見た平面図を示し、図20(c)は安全柵500を右側方から見た側面図を示している。
図21は、安全柵500の第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206の構成を示す図である。なお、図21において、図21(a)は第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206の正面図を示し、図21(b)は第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206を上方から見た平面図を示し、図21(c)は第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206を下方から見た平面図を示し、図21(d)は第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206を右側方から見た側面図を示し、図21(e)は第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206の背面図を示し、図21(f)は第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206を左側方から見た側面図を示している。
図22は、安全柵500の第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208の構成を示す図である。なお、図22において、図22(a)は第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208の正面図を示し、図22(b)は第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208を上方から見た平面図を示し、図22(c)は第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208を下方から見た平面図を示し、図22(d)は第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208を右側方から見た側面図を示し、図22(e)は第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208の背面図を示し、図22(f)は第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208を左側方から見た側面図を示している。
図23は、安全柵500の連結金具202の構成を示す図である。なお、図23において、図23(a)は連結金具202の正面図を示し、図23(b)は連結金具202を上方から見た平面図を示し、図23(c)は連結金具202を下方から見た平面図を示し、図23(d)は連結金具202を左側方から見た側面図を示し、図23(e)は連結金具202を右側方から見た側面図を示し、図23(f)は連結金具202の背面図を示している。
本実施形態の安全柵500は、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206が隣り合うフェンス50で共用されており、隣り合うフェンス50を連結する機能も有している点で第6の実施形態の安全柵400と異なる。また、隣り合うフェンス50を連結する連結金具202を備える点でも第6の実施形態の安全柵400と異なる。さらに、第1ベースプレート205及び207並びに第2ベースプレート206及び208において、フェンス50に取り付けられる前の状態で、枠側プレート210と床側プレート211とのなす角度Cが90度より大きいという点でも第6の実施形態の安全柵400と異なる。
第1ベースプレート205は、L字アングル等であり、枠体の前面、具体的には側方に縦枠52が隣接する縦枠52の下端部側面のうちのフェンス50の前面側の側面に、隣接する2つの縦枠52に跨って固定されている。同様に、第2ベースプレート206も、第1ベースプレート205と同形状のL字アングル等であり、枠体の後面、具体的には側方に縦枠52が隣接する縦枠52の下端部側面のうちのフェンス50の後面側の側面に、隣接する2つの縦枠52に跨って固定されている。これら第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206の枠体への固定は、ボルト等のネジ及びナットにより行うことができる。
第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206を隣接する2つの縦枠52の一方に固定するためのネジが挿入されるネジ孔221と、隣接する2つの縦枠52の他方に固定するためのネジが挿入されるネジ孔222とが形成され、枠体と接する枠側プレート210を有する。さらに、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、枠側プレート210の端縁から立設され、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206を床面に固定するためのネジが挿入されるネジ孔223が形成され、床面と接する床側プレート211を有する。
第1ベースプレート205の枠側プレート210と第2ベースプレート206の枠側プレート210とは、前後方向に枠体を挟んで対向している。そして、1組の第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、対向する枠側プレート210を枠体に固定することで枠体を挟持している。
ここで、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206では、枠体を挟持する前の状態で、枠側プレート210と床側プレート211とのなす角度Cが90度より大きい。従って、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、枠体と接した状態で枠体を挟持するときに、枠側プレート210と床側プレート211との角度が約90度となるように弾性変形し、枠体を強固に挟持する。また、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、縦枠52の幅の約2倍の幅を有し、隣接する2つの縦枠52の下端部の前面側の側面を全て覆っている。
第1ベースプレート207は、L字アングル等であり、枠体の前面、具体的には側方に縦枠52が隣接しない縦枠52の下端部側面のうちのフェンス50の前面側の側面に固定されている。同様に、第2ベースプレート208も、第1ベースプレート207と同形状のL字アングル等であり、枠体の後面、具体的には側方に縦枠52が隣接しない縦枠52の下端部側面のうちのフェンス50の後面側の側面に固定されている。これら第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208の枠体への固定は、ボルト等のネジ及びナットにより行うことができる。
第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208は、第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208を縦枠52に固定するためのネジが挿入されるネジ孔241が形成され、枠体と接する枠側プレート230を有する。さらに、第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208は、枠側プレート230の端縁から立設され、第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208を床面に固定するためのネジが挿入されるネジ孔243が形成され、床面と接する床側プレート231を有する。第1ベースプレート207の枠側プレート230と第2ベースプレート208の枠側プレート230とは、前後方向に枠体を挟んで対向している。そして、1組の第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208は、対向する枠側プレート230を枠体に固定することで枠体を挟持している。
ここで、第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208では、枠体を挟持する前の状態で、枠側プレート230と床側プレート231とのなす角度Cが90度より大きい。従って、第1ベースプレート207及び第2ベースプレート208は、枠体と接した状態で枠体を挟持するときに、枠側プレート230と床側プレート231との角度が約90度となるように弾性変形し、枠体を強固に挟持する。また、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、縦枠52の幅と略同じ幅を有し、1つの縦枠52の下端部の前面側の側面を全て覆っている。
連結金具202は、金属等から構成されるL字状の板状部材であり、ボルト等のネジを介して、縦枠52の上端面に隣接する縦枠52に跨って固定されている。連結金具202は、隣接する2つの縦枠52の一方に連結金具202を固定するためのネジが挿入されるネジ孔260と、隣接する2つの縦枠52の他方に連結金具202固定するためのネジが挿入されるネジ孔261を有する。連結金具202は、ネジ孔260にネジを通し、このネジ孔260の下方に位置する一方の縦枠52の上端面の螺合部34又は35に螺合させると共に、ネジ孔261にネジを通し、このネジ孔261の下方に位置する他の縦枠52の上端面の螺合部34又は35に螺合させることにより他の縦枠52に固定される。
以上のように本実施形態の安全柵500は、第1ベースプレート205、第2ベースプレート206及び連結金具202により隣り合うフェンス50の連結力を補強する。従って、より強固に設置可能な安全柵500を実現することができる。
なお、本実施形態の安全柵500では、連結金具202は、L字状の板状部材であるとしたが、図24に示すように、平板状の板状部材であってもよい。なお、図24において、図24(a)は連結金具202の正面図を示し、図24(b)は連結金具202を上方から見た平面図を示し、図24(c)は連結金具202を下方から見た平面図を示し、図24(d)は連結金具202を左側方から見た側面図を示し、図24(e)は連結金具202を右側方から見た側面図を示し、図24(f)は連結金具202の背面図を示している。
また、本実施形態の安全柵500では、側方に縦枠52が隣接する縦枠52と、側方に縦枠52が隣接しない縦枠52とで異なる幅のベースプレートを用いるとしたが、同じ幅のベースプレートを用いてもよい。つまり、安全柵500は、図25に示す構成を有していてもよい。図25の構成において、第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206は、縦枠52の幅の2倍より小さな幅を有し、隣接する2つの縦枠52の下端部の前面側又は後面側の側面を全て覆っていない。そして、縦枠52が隣接しない縦枠52に取り付けられた第1ベースプレート205及び第2ベースプレート206においては、ネジ孔221にネジが通されてネジ孔221が縦枠52との固定に利用されるのに対し、ネジ孔222にはネジは通されずネジ孔222は縦枠52との固定に利用されない。なお、図25において、図25(a)は安全柵500の変形例の正面図を示し、図25(b)は安全柵500の変形例を上方から見た平面図を示し、図25(c)は安全柵500の変形例を左側方から見た側面図を示している。
以上、本発明の安全柵及びフェンスについて、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施形態において、枠体に保持されるパネル材として網体又は板材が用いられるとしたが、パンチングメタル又はエキスパンドメタルであってもよい。
また、上記実施形態において、磁石はネジにより枠体に固定されるとしたが、接着テープ等の固定部材により枠体に固定されてもよい。
また、上記第1〜第11の実施形態において、磁石は枠体の右側面及び左側面の両側面に設けられるとしたが、枠体の右側面及び左側面のいずれかに設けられれば、右側面及び左側面のいずれかにのみ設けられてもよい。この場合、枠体は磁石と磁力により結合可能な金属等の材料から構成され、枠体と磁石とが磁力により結合する。又は、磁石の代わりにスチールプレート等の金属板が設けられて、金属板と磁石とが磁力により結合する。