JP6376494B2 - Co選択メタン化反応器 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用固体高分子形燃料電池用燃料改質器などのCO除去工程に適用可能であるCO選択メタン化反応器に関する。
固体高分子形燃料電池は80℃程度の低温で運転するため、燃料である水素リッチガス中に一酸化炭素が、あるレベル以上含まれていると、アノード白金触媒のCO被毒により、発電性能が低下したり遂には全く発電ができなくなったりするという問題が生じる。
このCO被毒を回避するため、都市ガス、LPガス又は灯油などを燃料改質器で水素リッチガスに転換して使用する家庭用固体高分子形燃料電池発電システムでは、燃料電池アノード入口ガスのCO濃度を常に10ppm以下に抑えることが望まれる。実システムの多くは、燃料改質プロセスの最終段階で生成ガスに空気を混合しガス中に含まれるCOをCOに酸化するCO選択酸化触媒を採用している。
CO + 1/2 O = CO (反応式1)
この触媒では反応式1に示すように外部から常に空気を取り込む必要があるため、空気ブロアやその制御システム、更には供給した空気を反応ガスと均一に混合するための複雑なガス混合構造体を燃料改質器に設置する必要がある。
最近、このCO選択酸化触媒に変わる新たな方法として、CO選択メタン化触媒が注目されている(例えば特許文献1〜2)。
特許文献1には、噴霧プラズマ法により作製した非化学量論組成のNi−Al複合酸化物前駆体にルテニウム塩を含浸担持し、還元処理を行うことで、従来触媒ではCOメタン化反応よりCOメタン化反応と逆水性シフト反応が支配的に進行する高温度領域においても選択的にCOメタン化反応を起こさせることができるCO選択メタン化触媒が開示されている。
特許文献2には、一酸化炭素をメタン化する触媒の活性成分に、二酸化炭素の反応抑制剤であるハロゲン、無機酸、金属酸素酸から選ばれた少なくとも1種を吸着又は結合させることによって得られる、COメタン化反応の選択性に優れたCO選択メタン化触媒が開示されている。
特許文献1〜2に開示された触媒は、COメタン化反応の選択性に優れたものであるが、このような触媒の実用化に向けてさらに研究を進めたところ、これらの文献の触媒を用いた場合、特に反応ガスの空間速度が大きい場合に、触媒が劣化(触媒活性が低下)しやすいことが分かった。また、CO選択酸化触媒を用いた場合の出口ガスのCO濃度(以下、「出口CO濃度」)は10ppm以下にすることが容易であったが、CO選択メタン化触媒を用いた場合には、非常に狭い温度範囲においてのみ、出口CO濃度を10ppm以下にすることができたので、このままでは実用化が容易でないという問題もあった。
このような問題を解決すべく、特許文献3では、担持金属触媒の表面を覆うように、多数の細孔を有する被覆層を設けて、担持金属触媒表面でのCO濃度を低下させている。これによって、触媒活性の低下が大幅に抑制されると共に、広い温度範囲に亘って出口CO濃度を10ppm以下にすることが可能になった。
WO2010/122855号 WO2011/142481号 WO2014/038426号
ところで、現行の家庭用燃料電池システムの燃料改質器に使用されるCO選択酸化触媒は、累積6万時間以上に亘り0.3〜0.5%のCO濃度を10ppm以下に浄化する耐久性を有している。CO選択メタン化触媒もこれを前提として材料開発が進められているが、6万時間の使用に耐える実用触媒は開発されておらず、特許文献3に開示されている触媒でも6万時間の使用に耐えることができない。
一方、処理できるCO濃度が0.5%から1.0%に上がれば、前段のCO変成触媒量が大幅に低減できるため、改質器の小型化と一層のコスト削減が見込めるため、次世代改質器用の触媒として期待されている。そのような高濃度CO下で性能を長時間維持できるCO選択メタン化触媒もまだ見出されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、入口CO濃度が高い場合であっても、長期間に亘って出口CO濃度を低い値に維持することが可能であるCO選択メタン化反応器を提供するものである。
本発明によれば、CO及びCOを含有する水素リッチガス中のCOをメタン化するCO選択メタン化反応器であって、前記CO選択メタン化反応器内での前記水素リッチガスの流れの上流側から順に前段触媒と後段触媒を備え、前記前段触媒は、入口CO濃度が0.5%での最適動作温度が前記後段触媒よりも高い、CO選択メタン化反応器が提供される。
特許文献3の製造例2にはNi/Al−VOx触媒表面上にメソポーラスシリカからなる被覆層を形成した触媒(以下、「MS被覆触媒」)が開示されており、この触媒の耐久性試験を行ったところ、図1(a)に示すように、空間速度2400h−1の条件で約5000時間、4800h−1の条件で約500時間の間、出口CO濃度が10ppm以下に維持された。
一方、特許文献3の段落70〜71には、メソポーラスシリカからなる担体にNi−Feを担持させた触媒(以下、「Ni−Fe/MS触媒」)が開示されており、この触媒の耐久性試験を行ったところ、図1(b)に示すように、空間速度10000h−1の条件でもほとんど劣化しないという結果が得られた。一方、出口CO濃度は約600ppmという比較的高い値であった。
そこで、CO除去率が高いというMS被覆触媒の利点と、寿命が長いというNi−Fe/MS触媒の利点の両方を利用すべく、MS被覆触媒の被覆層にNi−Feを担持した触媒(以下、「Ni−Fe/MS被覆触媒」」)を作製して評価を行った。Ni−Fe/MS被覆触媒の寿命は、MS被覆触媒よりも大幅に改善されることが期待されたが、実際には、図1(c)に示すように、空間速度4800h−1の条件で出口CO濃度が10ppmに到達するまでの時間が約1000時間にまで伸びただけであり、期待した寿命向上は達成できなかった。
触媒寿命が思うように伸びない原因を特定すべく、MS被覆触媒及びNi−Fe/MS触媒について、動作温度と出口CO濃度の関係を調べた。その結果を図2(a)〜(b)に示す。図2(a)〜(b)に示すように、MS被覆触媒とNi−Fe/MS触媒は、出口CO濃度が最小となる温度(つまり、CO除去率が最大となる温度)(以下、「最適動作温度」と称する。)Toptが大きく異なっていることが分かった。そして、これらの触媒の最適動作温度Toptが大きく異なっているために、両者を組み合わせたNi−Fe/MS被覆触媒においても、両方の触媒の利点を活かしきることができず、期待される寿命向上が達成されなかったことが分かった。
そこで、最適動作温度が互いに異なる複数種類の触媒を効果的に組み合わせる方法について鋭意検討を行ったところ、CO選択メタン化反応器には、この反応器内を流れる水素リッチガスの流れの上流側から下流側に向けて温度が低下する温度勾配が存在しており、最適動作温度が高い触媒を上流側に配置し、最適動作温度が低い触媒を下流側に配置することによって、両方の触媒をその最適動作温度又はその近傍の温度で動作させることができ、その結果、入口CO濃度が高い場合であっても、長期間に亘って出口CO濃度を低い値に維持することができることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記後段触媒は、出口CO濃度が100ppmとなる条件でのCO選択率が0.5以上である。
好ましくは、前記前段触媒は、前記最適動作温度での出口CO濃度が0.2%以下となるように構成される。
好ましくは、前記前段触媒の活性金属は、Ni及びFeを含む。
好ましくは、前記後段触媒の活性金属は、Niを含み、前記後段触媒の担体は、V酸化物及びAl酸化物を含む。
本発明の別の観点によれば、CO及びCO2を含有する水素リッチガス中のCOをメタン化するCO選択メタン化反応器であって、前記CO選択メタン化反応器内での前記水素リッチガスの流れの上流側から順に前段触媒と後段触媒を備え、前記前段触媒の活性金属は、Ni及びFeを含み、前記後段触媒の活性金属は、Niを含み、前記後段触媒の担体は、V又はNiと、Alとを含む酸化物である、CO選択メタン化反応器が提供される。
好ましくは、Fe/Niの原子比は、0.01〜1である。
好ましくは、前記前段触媒の担体は、Siを含む酸化物である。
好ましくは、前記後段触媒は、活性金属表面でのCO濃度を低減するように構成された被覆層を備える。
好ましくは、前記前段触媒は、ハニカム基材上にコーティングされている。
好ましくは、前記ハニカム基材は、メタルハニカム基材である。
好ましくは、前記メタルハニカム基材の表面にα−アルミナ層を備える。
従来のCOメタン化触媒の構成及び寿命試験の結果を示し、(a)はMS被覆触媒、(b)はNi−Fe/MS触媒、(c)はNi−Fe/MS被覆触媒を示す。 最適動作温度Toptを説明するためのグラフであり、(a)はMS被覆触媒、(b)はNi−Fe/MS触媒についての結果を示す。 水素製造システム全体の概略構成を示すブロック図である。 図3中のCO選択メタン化反応器11の詳細を示す構成図である。 (A)〜(B)は、ハニカム基材の例を示す斜視図である。 NiRu/Al−NiOxハニカム触媒の初期性能を示し、(a)〜(d)は、それぞれ、SV2400h−1において、入口CO濃度を0.2、0.5、0.8%と変えた時の出口CO濃度、出口CH濃度、CO除去率、COメタン化反応の選択率を示す。 NiRu/Al−NiOxハニカム触媒の長期試験結果を示す。 図7の出口CO濃度の増加速度;Δ(CO)/Δt(ppm/100h)を入口CO濃度に対してプロットしたグラフである SV10000h−1、入口CO濃度0.8%におけるNi/Al−VOxハニカム触媒と粒状触媒の初期性能である Ni/Al−VOx触媒ハニカム触媒の連続運転結果の入口CO濃度依存性を示す。 Ni/Al−VOx触媒ハニカム触媒の出口CO濃度増加速度の入口CO濃度依存性を示す。 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxハニカム触媒の入口CO濃度0.5%、SV2400h−1での初期性能を示す。 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOx粒状触媒の初期性能をSV2500h−1、各種入口CO濃度で測定した結果を示す。 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOx粒状触媒の190℃における長期試験結果を示す。 入口CO濃度0.2%及び0.5%におけるメソポーラスシリカ/Ni/Al−VOx粒状触媒の長期試験結果を示す。 図15の温度依存性曲線の時間変化を用いて、触媒の寿命を予測した結果を示す。 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxのメソポーラスシリカ被覆をメソポーラスジルコニアに変更した触媒の初期性能と連続運転後の性能を比較した結果を示す。 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxのメソポーラスシリカ被覆をメソポーラスアルミナに変更した触媒の初期性能と連続運転後の性能を比較した結果を示す。 入口CO濃度0.5%、SV4800及び10000h−1で取得したNi−Fe/MS粒状触媒の初期性能を示す。 Ni−Fe/SiO(乾式高熱法超微粒子シリカ)粒状触媒の入口CO濃度0.5%、SV10000h−1における初期性能を示す。 Ni−Fe/SiO(メソ多孔質球状シリカ)粒状触媒の入口CO濃度0.5%、SV10000h−1における初期性能を示す。 Ni−Fe/SiO(メソ多孔質球状シリカ)メタルハニカム触媒の入口CO濃度0.5%、SV10000h−1における初期性能を示す。 CO濃度0.5%におけるNi−Fe/MS粒状触媒の長期試験の結果を示す。 CO濃度0.5%耐久評価前後でのNi−Fe/MS粒状触媒の活性変化を示す。 Ni−Fe/MS粒状触媒を入口CO濃度1.0%、SV10000h−1の更に厳しい条件下で耐久性を評価した結果を示す。 CO濃度0.5%でのNi−Fe/SiO(乾式高熱法超微粒子シリカ)粒状触媒の耐久性能試験の結果を示す。 図27(a)は初期、208時間、385時間更に535時間時点で取得した温度依存性曲線である。図27(b)は、更にその一部を拡大した図である Ni−Fe/SiO(乾式高熱法超微粒子シリカ)粒状触媒を入口CO濃度0.5%、反応温度235℃で連続運転した場合、出口CO濃度が0.20、0.21、0.22%それぞれに達するまでの時間を示す。 Ni−Fe/SiO(乾式高熱法超微粒子シリカ)粒状触媒を、SVを4800h−1(触媒量が2倍に相当)にして初期性能を計測した結果を示す。 入口CO濃度0.5%、SV10000h−1、反応温度232℃におけるNi−Fe/SiO(メソ多孔質球状シリカ)粒状触媒の長期試験結果を示す。 Ni−Fe/SiO(メソ多孔質球状シリカ)粒状触媒について、初期、400時間、800時間ごとに取得した温度依存性曲線を示す。 Ni−Fe/SiO(メソ多孔質球状シリカ)メタルハニカム触媒の入口CO濃度0.5%、SV8000h−1又は10000h−1における初期性能を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.システム全体の構成
図3は、原燃料(都市ガス等)から燃料電池(たとえば固体高分子形燃料電池(PEFCスタック))に供給する高い濃度の水素ガスを製造、精製するフロー及びシステム全体の概略構成を示すものである。破線で囲まれた部分が燃料改質装置(燃料処理装置)14に相当し、この中を、原燃料供給系4から供給される原燃料が流れ、各触媒層を通過する過程で改質とCOの除去を行い(10ppm以下)高い濃度の水素ガス(改質ガス:H約75%、CO約20%)を得る。
原燃料はまず脱硫器5で硫黄成分を除去した後,改質触媒層を含む改質器7において改質反応により水素(H)と一酸化炭素(CO)を生成し(水蒸気発生器6からの水蒸気を用いた水蒸気改質)、さらにCO変成触媒層を含むCO変成器8でCOをCOに変換する。
図4に示すように、COメタン化触媒を含むCO選択メタン化反応器11内に流入する水素リッチガス19は、0.3〜1.0%程度のCO及び約20%のCOを含む。CO選択メタン化反応器11には、上流側から順に、前段触媒15と、後段触媒17が配置されている。前段触媒15によって水素リッチガス19中のCO濃度が例えば0.2%以下にまで低減され、後段触媒17によって水素リッチガス19中のCO濃度が例えば10ppm以下にまで低減される。CO濃度が十分に低減された高濃度Hガス(改質ガス)がPEFCスタック13に供給される。
2.COメタン化触媒
COメタン化触媒は、一般に、COのメタン化反応に加えて、COのメタン化反応も促進する。CO選択率は、これらのメタン化反応のうちのCOのメタン化反応の割合を示し、CO選択率=(COの反応モル流量)/(CHの生成モル流量)で定義される。仮に、COのメタン化反応が全く起こらなかった場合、COの反応モル流量=CHの生成モル流量となるので、CO選択率は1となる。一方、例えば、COのメタン化反応がCOのメタン化反応の2倍多く起こった場合、CO選択率は1/3となる。なお反応前後でのガス流量の変化が無視できる程小さい場合は、それぞれの流量は濃度で置き換える事ができる。
一般に、COは、COよりも触媒に吸着されて反応されやすいので、水素リッチガス中に十分なCOが存在しているときは触媒表面上の吸着サイトがCOによって占有されてCOのメタン化反応が起こりにくい。このため、COメタン化触媒のCO選択率は、通常、出口CO濃度が十分に高いときは比較的高い値を示し、出口CO濃度の低下に伴って低下する。COメタン化触媒の中には、出口CO濃度が1%程度にまで低下するとCO選択率が大幅に低下するものもあれば、出口CO濃度が100ppmとなる条件でもCO選択率が0.5以上になるような、出口CO濃度が低い条件でも高いCO選択率を示すものもある。本明細書において、COのメタン化反応を促進する触媒を「COメタン化触媒」と称し、その中でも、出口CO濃度が100ppmとなる条件でもCO選択率が0.5以上になるものを「CO選択メタン化触媒」と称する。CO選択率は、出口CO濃度の低下に伴って低下するので、出口CO濃度が100ppm以下の条件でCO選択率が0.5以上であれば、CO選択メタン化触媒であると言える。なお、各触媒についての「出口CO濃度」は、それぞれの触媒から排出される水素リッチガス中のCO濃度を意味する。
CO被毒耐性が高く且つ低CO濃度(例:CO濃度100ppm以下)でのCO選択率が高い触媒が存在していれば、そのような触媒を用いれば、上述した課題の解決は容易であるが、現実には、そのような触媒は存在していない。そこで、本実施形態では、前段触媒15については、CO被毒耐性を優先して、CO被毒耐性が高いがCO除去率が比較的低く且つCO濃度の低下に伴ってCO選択率が低下しやすい触媒を用い、後段触媒17については、低CO濃度でのCO選択率を優先して、CO被毒耐性は比較的低いが低CO濃度でのCO選択率が非常に高い触媒を用いることによって、入口CO濃度が高い場合であっても、長期間に亘って出口CO濃度を低い値に維持することが可能であるCO選択メタン化反応器11を実現している。また、後段触媒17の入口CO濃度が低くなるほど、後段触媒17のCO被毒耐性が大きくなるので、前段触媒15によって水素リッチガス中のCO濃度を予め低減している。なお、CO除去率は、(入口COモル流量−出口COモル流量)/(入口COモル流量)で定義される。この場合も、反応前後での他ガス体積変化が無視できる程小さい場合は、モル流量を濃度で置き換える事ができる。
ところで、CO選択メタン化反応器11には、この中を流れる水素リッチガス19の流れの上流側から下流側に向けて温度が低下する温度勾配が存在している。COメタン化触媒によるCOメタン化能には温度依存性があり、狭い温度範囲内においてのみ高いCO除去率が達成可能である。そこで、本実施形態では、前段触媒15の最適動作温度が後段触媒17よりも高くなるようにしている。このように構成することによって、両方の触媒をその最適動作温度又はその近傍の温度で動作させることができ、COを効率的にメタン化することが可能になっている。最適動作温度は、入口CO濃度が0.5%の条件で測定することができる。表1〜表2に示すように、前段触媒15及び後段触媒17の最適動作温度は触媒の構成によって変化し、前段触媒15の最適動作温度は、例えば、200〜280℃の範囲内の温度であり、後段触媒17の最適動作温度は、例えば、160〜240℃の範囲内の温度である。最適動作温度の差△T(前段触媒の最適動作温度−後段触媒の最適動作温度)は、例えば5〜70℃であり、10〜50℃が好ましく、20〜40℃がさらに好ましい。
本実施形態では、最適動作温度が互いに異なる2種類のCOメタン化触媒を上流側から、最適動作温度が高いものから順に並べているが、最適動作温度が互いに異なる3種類以上のCOメタン化触媒を上流側から、最適動作温度が高いものから順に並べてもよい。
2−1.前段触媒
前段触媒15は、以下の要件を具備することが望ましい。
・CO濃度0.3〜1.0%では劣化しないか少なくとも6万時間の耐久性を有すること。
・出口CO濃度を、後段触媒17が出口CO濃度を6万時間に亘って10ppm以下に維持できる濃度(例:0.2%)にまで低減すること。
・負荷変動による空間速度SV,入口CO濃度、ガス温度の変化に対して、適正な出口CO濃度範囲を維持し、かつ熱暴走しないこと。
ここで、前段触媒15での熱暴走について説明する。前段触媒15としては、CO除去率が比較的低く且つCO濃度の低下に伴ってCO選択率が低下しやすい触媒が用いられるので、水素リッチガス中のCO濃度が例えば0.1%を下回ると、COのメタン化反応が起こりやすくなる。COのメタン化反応は発熱反応であり、水素リッチガス中には多量のCOが含まれているので、COのメタン化反応は収束することなく、熱暴走に繋がりやすい。このような熱暴走の発生を防ぐために、前段触媒15の出口CO濃度を0.1%以上にすることが好ましい。
前段触媒15は、粒状触媒として使用してもよく、ハニカム基材上にコーティングして使用してもよい。ハニカム基材の一例が図5(A)、図5(B)に示されている。図5(A)はコージェライト製のハニカム基材の例であり、図5(B)はメタルハニカム基材の例である。いずれにしても、筒体(円筒、角筒等)内部に、その長手方向に沿って配置された多数の縦、横、斜め、波形等の仕切り板(隔壁)が交叉して設けられ、隣接する仕切り板間がガスの通路となっている。これらの仕切り板の表面全体に前段触媒15がコーティングされる。断面が六角形のみならず、四角形、正弦波形、その他の形状のガス通路(流路)(セル)を有するハニカム構造のものを、この明細書では、単にハニカムまたはハニカム基材と呼ぶ。
前段触媒15での熱暴走を抑制するには、前段触媒15は、熱伝導性に優れたメタルハニカム基材にコーティングして使用することが好ましい。このような構成によればCOのメタン化反応の反応熱が素早く取り除かれて熱暴走が抑制される。また、前段触媒15の密着性を高めるために、メタルハニカム基材の表面にα−アルミナ層を形成してもよい。
前段触媒15の担体と活性金属の種類は、特に限定されず、COメタン化能を有するものであればよい。具体的には、例えば活性金属としては、Ni、Ru、Fe、Co、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Reおよびこれらの複合物が利用可能であり、担体としては、Al、V、Ti、Zr、Si、Mg、Ceの少なくとも一つ以上からなる酸化物、窒化物、炭化物が利用可能である。また、前段触媒15の活性金属がNi及びFeを含む場合に、触媒活性の劣化が極めて遅くなることが実験で明らかになったので、前段触媒15の活性金属は、Ni及びFeを含むことが好ましい。Fe/Niの原子比は、例えば0.01〜1であり、0.05〜0.5が好ましい。担体の例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが挙げられ、Siを含む酸化物(例:シリカ)が好ましい。Siを含む酸化物としては、メソポーラスシリカ、乾式高熱法超微粒子シリカ(例:日本アエロジル株式会社製AEROSIL(登録商標))、メソ多孔質球状シリカ(例:日産化学製ライトスター(登録商標))などが利用可能である。
2−2.後段触媒
CO選択メタン化反応器11に供給される水素リッチガス19は、CO濃度が前段触媒15である程度低減された後に、後段触媒17に供給される。このため、後段触媒17に要求されるCO被毒耐性は前段触媒15よりも低い。一方、後段触媒17は、CO選択メタン化反応器11から排出される水素リッチガス19中のCO濃度を非常に低い値(例:10ppm以下)にする必要があるので、後段触媒17に要求される低CO濃度でのCO選択率は、前段触媒15よりも高い。このため、後段触媒17としては、上述したCO選択メタン化触媒が用いられる。
また、前段触媒15の出口CO濃度=後段触媒17の入口CO濃度であるので、前段触媒15の出口CO濃度は、後段触媒17が長期間に亘って活性を維持できる入口CO濃度の上限以下になるように設定される。例えば、後段触媒17が入口CO濃度0.2%以下の場合に長期間に亘って活性を維持できる場合には、前段触媒15の出口CO濃度は0.2%以下に設定される。
後段触媒17は、粒状触媒として使用してもよく、ハニカム基材上にコーティングして使用してもよい。ハニカム基材については、前段触媒15についての説明が、後段触媒17にも当てはまる。
後段触媒17を構成する担持金属触媒の担体と活性金属の種類は、特に限定されず、特許文献1〜3に記載されているようなCOメタン化能を有するものであればよい。具体的には、例えば活性金属としては、Ni、Ru、Fe、Co、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Reおよびこれらの複合物が利用可能であり、担体としては、Al、Ni,V、Ti、Zr、Si、Mg、Ceの少なくとも一つ以上からなる酸化物、窒化物、炭化物が利用可能である。具体例としてはゼオライトやシリカアルミナなどが挙げられる。このような担持金属触媒は、COのメタン化反応を選択的に抑制するメタン化反応抑制剤を含んでいることが好ましい。メタン化反応抑制剤としては、前記活性金属の表面電荷をδ+側にする材料、又はCOメタン化活性を抑制する効果のある種々の材料が適用できるが、特に、F、Cl、Br、I等のハロゲン、HCl、HNO、HSO、HPO等の無機酸、ホウ酸、バナジウム酸、タングステン酸、クロム酸などの金属酸素酸のいずれか又は二つ以上を含むことが望ましい。触媒上での存在形態としては、その作製工程に依存するため、前記化合物に限定されるものではなく、その前駆体、反応物、分解生成物でも良い。活性金属は、Ni、又はNiとVの合金又は混合物が好ましい。担体は、V又はNiと、Alとを含む酸化物が好ましく、具体的には、NiとAlの複合酸化物やVとAlの複合酸化物が好ましい。このような構成の担持金属触媒は、長期間に亘ってCOを選択的にメタン化可能であることが特許文献1に記載の実験などから明らかになったからである。
後段触媒17は、活性金属表面でのCO濃度を低減する機能を有する被覆層を備えてもよい。担持金属触媒上に被覆層が形成され、それによって、担持金属触媒上でのCO濃度が反応ガス中のCO濃度に比べて低減されるので、担持金属触媒の劣化が抑制される。また、別の観点では、被覆層を備えることによって後段触媒17が長期間に亘って活性を維持できる入口CO濃度の上限値を上昇させることができるので、前段触媒15の出口CO濃度の上限値が緩和されるという利点が得られる。
被覆層を設けることによって担持金属触媒表面でのCO濃度が低減される原理としては、通常、拡散抵抗による濃度勾配とメタン化反応による濃度勾配の少なくとも一方が関係する。拡散抵抗による濃度勾配は、被覆層内の細孔内ではCOの拡散が制限されるために、担持金属触媒表面でのメタン化によるCOの消費速度よりも担持金属触媒表面へのCOの供給速度が小さくなる場合に形成される濃度勾配である。メタン化反応による濃度勾配は、細孔の壁面に担持された被覆層金属によってCOがメタン化されることによって形成される濃度勾配である。被覆層金属としては、例えば、Ni−Feが利用可能である。
本実施形態では、被覆層は、メソポーラス構造を有する。本明細書において、「メソポーラス構造」とは、直径が1〜50nmである細孔(メソ孔)を多数有する構造である。細孔の構造は、限定されず、規則的な構造であっても、ランダムな構造であってもよい。メソポーラス構造であるかどうかは、電子顕微鏡像で観察される細孔の直径が1〜50nmの範囲内に入っているかどうかによって決定することができる。
被覆層の材料としては、メソポーラスシリカ、メソポーラスジルコニアなどが挙げられる。被覆層の厚さは、例えば1〜200nmであり、5〜50nmが好ましい。
本発明の効果を実証すべく、以下に示す種々の実験を行った。
1.後段触媒の製造と評価
1−1 NiRu/Al−NiO触媒の調製
本発明の後段触媒の一合成例として、減圧型噴霧プラズマ法による方法を最初に説明する。
まずNiとAlの複合酸化物粉末を合成した。原料溶液として蒸留水100mLに対して硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO・6HO)4.67gと硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO・9HO)17.66gを溶解し、Ni/Alモル比が0.34の混合水溶液を作製した。減圧高周波熱プラズマ装置の減圧空間に出力100kW、4MHzで点火されたアルゴンプラズマトーチ内に,酸素5%のアルゴン混合ガスを用いてこの混合水溶液を噴霧、搬送した。プラズマトーチを経て生成した粉末はフィルターによって捕集し、合計500gの粉末が得られるまで実施した。
次にNiとAlの複合酸化物粉末にRuを1wt%担持した。先に合成した粉末8.0gに脱イオン水100gを加え、10分間攪拌した。同様に、担持後の金属ルテニウムの含有率が1wt%になる量のニトロシル硝酸ルテニウム(III)に脱イオン水28gを加え、10分間攪拌した。ビュレットを用いてニトロシル硝酸ルテニウム(III)溶液を、粉末懸濁液に約20分で全量を添加し、その後更に10分間攪拌した。懸濁液をナス型フラスコに導入した後、35〜40℃の湯浴中で30分間攪拌した後、一旦室温まで冷却し35℃〜40℃でエバポレーターにかけ、水分を蒸発させた。得られた粉末を120℃で一晩乾燥させた後、空気中500℃で5時間焼成した。
本方法で得た粉末は、以下の方法でメタルハニカム触媒に加工した。メタルハニカム(新日鐵住金マテリアルズ製、材質15Cr−4Alステンレス鋼NSSCHOM)は、セル数400cpsi、セル壁厚30μm、外径25.4mm(1インチφ)、長さ15mmを用いた。高温酸化処理により表面には緻密なα−Al層が析出している。1wt%Ru担持NiAl複合酸化物粉末3gに対してアルミナゾル(日産化学工業製、アルミナゾル520)6g、純水25gの割合で加え、攪拌・混合してコーティング用スラリーを作製した。メタルハニカムをこのコーティング用スラリーに浸漬し、引き上げた後エアーポンプによりセル内部・外壁面の余分なスラリーを除去した。電気炉で空気中500℃1時間の焼成後、コーティングしたハニカムを秤量する。正味のコーティング量がハニカム1リットル当たり300gになるまでこの操作を繰り返して各セルの内壁に触媒層が均一に形成されたハ二カム触媒を得た。
本方法でメタルハニカムにコーティングされた1wt%Ru担持NiAl複合酸化物は、水素ガスによる還元処理を経て後段触媒としての性能を発現する。その構成は、NiとAlの複合酸化物担体の表面に担持したRu微粒子と担体から析出した微細Ni粒子がCOメタン化活性成分として分散している。
1−2 触媒の初期特性評価
触媒の初期活性評価の条件と手順を以下に説明する。
メタルハニカム触媒(1インチφ−15mmL)は、内径27mmの石英反応管に設置した。反応管壁とハニカム壁の隙間を反応ガスが流れないよう周囲を石英ウールで充填した。また後述する粒状触媒(サイズ1.2〜2.0mm)の場合は、別途充填容量2mlの触媒を計り取り、内径12mmの石英反応管中央に設けた目皿上にそのまま充填した。シース熱電対の先端を触媒層の上端から約5mmの位置に挿入し触媒層の温度測定を行った。
反応管に設置した触媒は、触媒性能を評価する前に、以下の手順で水素中での還元処理を施した。反応管内部の空気をNで十分パージした後、H 500mL/minを流通し、20℃/minで500℃まで昇温した。500℃で1時間温度保持することで、酸化物として存在していたRuやNiは金属に還元され活性成分として作用する。還元終了後、HからNにガスを切り替え5分間流しHをパージした。その後、触媒の活性評価を行う温度まで降温した。
触媒温度が目的の反応温度に達したら、水蒸気を反応管内に導入しはじめ、5分後に反応ガスを導入した。水蒸気供給速度は水蒸気/CO=34(モル比)に相当する値とし、イオン交換水をマイクロポンプで200℃に保った気化器に送り、発生した水蒸気をNキャリアで反応管に導入した。各反応ガスはマスフローコントローラーにより反応管に導入し、組成はドライベースでCO 0.5vol%、CO 19vol%、H balanceとした。CO濃度は0.5%以外にも必要に応じて種々変化させた。空間速度SVは2000〜10000h−1範囲から選定した。反応管出口ガスの分析は、CO、CO、CHについては非分散型赤外分析計を、Hについては熱伝導度式分析計(いずれも堀場製作所製)をそれぞれ用いた。当初設定温度でのガス分析が終了した後、順次触媒温度を上げ、各温度でのガス分析を実施した。
実施例1−1のNiRu/Al−NiOxハニカム触媒の初期特性評価結果を図6に示す。図6(a)〜(d)では、SV2400h−1において、入口CO濃度を0.2、0.5、0.8%と変えた時の出口CO濃度、出口CH濃度、CO除去率、CO選択率をそれぞれ比較した。
後段触媒には、(1)COメタン化反応の低温活性が高いこと、(2)CO除去率が高いこと、(3)COメタン化反応が特に高温度で良く抑制されていること、が望まれる。本発明では(1)を表す数値として出口CO濃度が最小値を示す温度「最適動作温度;Topt(℃)」を既に定義した。Toptの値は小さいほど良い。(2)の指標については、最適動作温度における出口CO濃度COminを用いることとした。当然その値は、小さいほど良い。一方、(3)の指標については次の様にした。先ず出口CHモル流量が入口COモル流量の2倍になる温度、つまりCO選択率が50%の温度をTη=50%(℃)とする。この温度と最適動作温度の差ΔT=Tη=50%−Toptを(3)の指標として用いることとした。各触媒において出口CO濃度が最も減少した温度からどれだけ高い温度までCOメタン化反応の進行を抑制するかをΔTは示しており、その値は大きいほど良い。
NiRu/Al−NiOxハニカム触媒のそれぞれの数値を、本発明の実施例に示す他の後段触媒と共に表1にまとめて示した。NiRu/Al−NiOxハニカム触媒では、入口CO濃度の低下と伴にTopt、COminは減少、ΔTは増大し、いずれの指標も触媒性能が向上している事を示している。これはCO選択メタン化触媒の性能に対するCO濃度依存性の一般的な知見とも一致しており、指標の妥当性を裏付けている。
1−3 触媒の長期試験
実施例1−2の触媒の初期特性評価終了後、引き続き触媒の長期試験を行った。触媒を一定温度に保持し、数千時間に亘って反応を継続した。その間、触媒出口ガス中のCO、CH濃度の変化量から触媒性能の長期安定性を確認した。
耐久性に非常に優れた触媒や反応条件が緩やかな場合には、運転が数千時間に及んでも出口ガス組成にほとんど変化が認められない事がある。このような場合は、連続運転200時間ないしは400時間ごとに、実施例1−2の初期特性評価と同様の手順により、150℃付近から長期試験運転温度までの範囲内で温度を順次変化させ、低温性能を計測した。この方法は、連続運転の過程で、反応速度が遅い低温での性能も併せて評価することになるため、出口ガス組成に大きな変化が認められなくても触媒の性能低下を迅速・高感度に確認する事ができる。
図7にNiRu/Al−NiOxハニカム触媒の長期試験結果を示した。入口CO濃度0.2、0.3、0.5、0.8%において、それぞれの最適動作温度で運転した場合の出口CO濃度の変化を比較した。反応開始100時間付近までは比較的大きなCO濃度の増加を示すが、それ以降はほぼ直線的にCO濃度が増加、つまり触媒性能が低下することを示した。その直線の傾きは入口CO濃度が高くなるに従い大きくなるという傾向を示した。
1−4 触媒劣化速度と入口CO濃度の関係
図8は、図7の出口CO濃度の増加速度;Δ(CO)/Δt(ppm/100h)を入口CO濃度に対してプロットしたものである。入口CO濃度が0.5、0.8%では劣化は20〜30ppm/100hの早い速度で進むが、0.3%になると3ppm/100hと急に減少し、0.2%では最適操作温度の170℃だけでなく20℃高い190℃でも劣化速度は1ppm/100h以下の極めて低い値に抑えられることがわかった。同じ触媒であっても、入口CO濃度が0.3%以下望ましくは0.2%以下で使用することができれば長時間に亘って低い出口CO濃度を維持できる事が示された。
1−5 Ni/Al−VOx触媒の調製と性能評価
次に後段触媒の他の合成例として、共沈法による方法を説明する。
まず共沈法により触媒担体であるAl−VOx触媒粉末を調製した。バナジウム酸アンモニウム(NHVO 0.60gを純水61mLに入れ、加温し溶解させた。また、硝酸アルミニウム44.1gを純水235mLに溶解させた。これら二つの溶液を混合した後、2Lのビーカーに移し2500rpmで撹拌しながら炭酸アンモニウム水溶液を約15分でpH=8になるように滴下した。その後、30分撹拌を継続した。析出した沈殿は、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、1Lの純水で洗浄した。得られた沈殿は室温で半日減圧乾燥後、110℃の乾燥炉で12時間乾燥した。得られたゲルは、磨砕した後、空気中500℃で3時間焼成した。これによりAl:V=0.96:0.04のモル比の酸化物担体を得た。
上記Al−VOx触媒粉末6.26gを純水50mLに投入し縣濁液とした。また硝酸ニッケルNi(NO・6HO(関東化学社製)12.8gを純水50mLに溶解した。酸化物担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸ニッケル水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。室温で30分、45℃の湯浴中で30分攪拌した後、一度室温まで冷却した。その後、35〜50℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分を全て飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させた後、500℃で3時間焼成し、金属換算でNi30wt%を担持した30wt%Ni/Al−VOx触媒粉末を得た。
本方法で得た粉末は、1−1で述べた手順に従いメタルハニカム基材にコーティングした。また、触媒粉末の一部は油圧式成形器により外径20mm、厚さ約1.5mmのタブレットに成形し、その後、粉砕と篩分を経て1.2〜2.0mmサイズの粒状触媒も作製した。これらは所定条件で水素還元処理した後、後段触媒としての性能を評価した。
図9は入口CO濃度0.8%におけるハニカム触媒と粒状触媒の初期性能である。ハニカム触媒のSVは2400h−1、粒状触媒のSVは10000h−1である。表1で三つの指標を同じ条件(入口CO濃度0.8%,SV2400h−1)で評価した実施例1−1のハニカム触媒と比較すると、Toptは20℃増加し悪化したものの、COminは86ppmが65ppmまで減少し、ΔTは3℃が12℃まで増加し、それぞれ改善が認められた。これは本触媒にCOメタン化抑制剤であるバナジウムが添加されているためである。図10及び図11はハニカム触媒の連続運転結果とCO増加速度の入口CO濃度依存性である。実施例1−1の触媒と同様、実施例1−5の触媒も出口CO濃度は時間に比例して増加し、その増加速度は入口CO濃度に強く依存している。この触媒の場合も入口CO濃度が0.2%になると1ppm/100h以下の値に抑えられている。
1−6 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOx触媒の調製と性能評価
1−2で作製した30wt%Ni/Al−VOx触媒粉末上に、以下の方法で、微量のTiを含有したメソポーラスシリカ層を構築した。
30wt%Ni/Al−VOx粉末5.00gと28%アンモニア水(関東化学社製)2.00gを超純水150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)40mLと超純水6mLの混合液に入れ溶解した。次にテトラエチルオルトシリケート(関東化学社製)1.20gとチタンイソプロポキシド(関東化学社製)0.05gおよびアセチルアセトン(関東化学社製)0.25gをエタノール8mLに加えアルコキシド溶液とした。30wt%Ni/Al−VOxの懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を室温で減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、厚さ15nmのメソポーラスシリカ層を表面に構築したMS/30wt%Ni/Al−VOx触媒粉末を得た。
本触媒粉末は、1−1で述べた手順によりメタルハニカム基材にコーティングした。一方、触媒粉末の一部は油圧式成形器により外径20mm、厚さ約1.5mmのタブレットに成形し、その後、粉砕と篩分を経て1.2〜2.0mmサイズの粒状触媒も作製した。
図12にメソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxハニカム触媒の入口CO濃度0.5%、SV2400h−1での初期性能を示した。表1のNiRu/Al−NiOxハニカム触媒(No1)は、同じCO0.5%、SV2400h−1で評価しているため比べてみると、Toptは24℃上昇したものの、COminは減少しΔTは増加しており、いずれも大きく性能が向上している。Ni/Al−VOxハニカム触媒(No3)は、入口CO濃度が0.8%と高いため対等の比較はできないが、三つの指標がそろって大きく向上している。
図13は粒状触媒の初期性能をSV2500h−1、各種入口CO濃度で測定した結果である。同一条件で測定した粒状触媒がないため、厳密な比較はできないものの、表1のなかでは3つの指標が揃って優れた触媒である。図13から明らかなように、この触媒も入口CO濃度の低下と伴に初期性能が向上する傾向は同じである。特にこの触媒の場合、入口CO濃度が0.2%になると、実機で求められる出口CO濃度の目標値<10ppmを30℃という広い温度範囲で実現している。この結果は、図16の結果と併せて本発明に至る動機の一つとなっている。
図14は本触媒の190℃における長期試験結果である。図7,図10の他の触媒の長期試験結果と異なり、本触媒ではいずれの入口CO濃度でも初期から出口CO濃度が上昇する事は無く、一定ないしは若干低下する傾向を示した。その期間は入口CO濃度が高ければ短くCO濃度が低いほど長期間継続する傾向を示した。その期間が過ぎるとCO濃度はこれまで同様上昇しはじめるがその傾きは直線ではなく指数関数的に増加している。図14(a)において、入口CO濃度0.2%の場合、連続運転時間が2600時間を越えてもCO濃度の上昇は認められなかった。このため、実施例1−3「触媒の長期試験」で述べた連続運転中に取得した温度依存性データを用いて低温度における性能低下の有無を確認した。結果を図15に示した。なお、出口CH濃度はCO濃度の変化とは異なり、いずれの入口CO濃度においてもほぼ単調に低下した。CO濃度の上昇とCH濃度の減少は、いずれも本触媒はじめNiを活性成分に含む触媒の劣化原因によるもので、高濃度CO条件下で反応が継続するとNi活性サイト上にC,Hを含む析出物(炭素種)が堆積し、CO及びCOのメタン化反応速度を共に低下させるためである。
図15(a)は、入口CO濃度0.5%の連続運転の途中、各時間に測定したCO濃度の温度依存性曲線を示したものである。連続時間の経過と伴に温度依存性曲線は高温側にシフトしている。例えば、反応開始時には最適運転温度Toptは172℃であったが、1880時間では188℃まで上昇した。図14(a)の連続運転では、1800時間付近まで出口CO濃度の増加は全く認められなかったが、Toptの顕著な増加が示す様に、触媒の劣化は明らかに進行していることが分かった。図15(b)は入口CO濃度が0.2%の場合の温度依存性曲線の時間変化である。この場合も温度依存性曲線はわずかながら高温側にシフトする傾向にある。しかしその程度は0.5%に比較すると極めてわずかである事が分かる。図16はこれらの温度依存性曲線の時間変化を用いて、触媒の寿命を予測した結果である。図16の縦軸は、各温度依存性曲線のToptではなくCO濃度が20ppmを示す温度T(CO=20ppm)である。温度依存性を測定した連続運転時間t(h)の対数に対してこのT(CO=20ppm)をそれぞれプロットすると、ほぼ直線に乗ることが分かる。この直線を外挿してT(CO=20ppm)が反応温度である190℃に達するまでの時間がこの触媒の寿命と言うことができる。T(CO=10ppm)とすれば、触媒が実用上必要な濃度である<10ppmを維持できる時間が算出できるが、入口CO濃度0.5%では出口CO濃度が10ppmを下回らないため、ここでは便宜上20ppmを寿命とした。入口CO濃度0.2%の場合、直線を10万時間まで外挿してもT(CO=20ppm)は190℃に達しなかった。
このことは、実施例1−6の触媒を入口CO濃度0.2%で使用すれば、先に述べたように出口CO濃度<10ppmの温度領域を広く確保できると共に、実用触媒に求められる6万時間の寿命も同時に達成できる事を示している。
1−7 その他のメソポーラス材被覆型触媒の調製と性能評価
1−3では30wt%Ni/Al−VOx触媒上にMS層を被覆した触媒の例を示したが、ここではシリカ以外のメソポーラス材を被覆した後段触媒の例を示す。
最初はメソポーラスジルコニアを被覆した例である。1−2で作製したコアの触媒粉末5.00gを脱水エタノール(関東化学製)150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)48mLに入れ溶解した。次にジルコニウムテトラn−ブトキシド(関東化学社製)2.12gをエタノール10mLに加えアルコキシド溶液とした。コア触媒の懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を50℃で3時間、減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスジルコニア層をコア触媒の表面に構築した粉末状のメソポーラスジルコニア被覆触媒を得た。メソポーラスジルコニア層には、2〜50nm程度の細孔がランダムに形成されていた。また、走査透過型電子顕微鏡エネルギー分散X線分光(STEM−EDS)から、Zrがコアの触媒粒子表面にほぼ一様に分布していることが認められた。
次はメソポーラスチタニア層を被覆した例である。コアの触媒粉末5.00gを脱水エタノール(関東化学製)150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)48mLと超純水5.3mLの混合液に入れ溶解した。次にチタニウムテトライソプロポキシド(関東化学社製)1.57gをエタノール10mLに加えアルコキシド溶液とした。コア触媒の懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を50℃で3時間、減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスチタニア層をコア触媒の表面に構築した粉末状のメソポーラスチタニア被覆触媒を得た。
以下はメソポーラスアルミナ層を被覆した例である。コアの触媒粉末5.00gを脱水エタノール(関東化学製)150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)48mLと超純水5.3mLの混合液に入れ溶解した。次にアルミニウムトリイソプロポキシド(関東化学社製)1.12gをトルエン15mLに加えアルコキシド溶液とした。コア触媒の懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を50℃で3時間、減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスアルミナ層をコア触媒の表面に構築した粉末状のメソポーラスアルミナ被覆触媒を得た。
これらの触媒粉末は、加圧成型器により外径20mm、厚さ約1.5mmのタブレットに成形し、その後、粉砕と篩分を経て1.2〜2.0mmサイズの粒状触媒に整粒した。
図17と図18はメソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxのメソポーラスシリカ被覆をメソポーラスジルコニアとメソポーラスアルミナに変更した触媒の初期性能と連続運転後の性能をそれぞれ比較したものである。各触媒の連続運転の840時間と1400時間は、それぞれ出口CO濃度が上昇し始めた時間に相当する。表1からも明らかなように被覆層の材料を変更しても同等の性能が得られる事が分かった。
2.前段触媒の製造と評価
2−1 メソポーラスシリカを担体に用いた前段触媒の調製と性能評価
最初にTiを微量含むメソポーラスシリカを担体として用いた前段触媒を作製した。以下にその方法を示す。
まず、ゾルゲル法によって、メソポーラスシリカ粉末(Ti/Siの原子比が0.03)を作製した。
具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)2.9gをエタノール(関東化学社製)298mLと超純水24mLの混合液に入れ溶解した。次に28%アンモニア水(関東化学社製)8.1gと超純水537mLを混合し、上記の溶液に添加した。次にテトラエチルオルトシリケート(関東化学社製)5.92gとチタンイソプロポキシド(関東化学社製)0.18gおよびアセチルアセトン(関東化学社製)1.26gに加えアルコキシド溶液とした。次にヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて3分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールでろ物を洗浄した。得られたろ物を室温で減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスシリカ粉末を得た。調製したメソポーラスシリカ粉末をTEMで観察したところ、直径がほぼ300nmにそろった球状粒子が観察された。球状粒子中心から粒子表面に向かって約3nm周期の規則的構造が確認できることから、ほぼ均一のナノ細孔が中心部から外表面に向かって樹枝状に形成されているものと思われる。
次に、この粉末上にNi−Feを担持させて、Ni−Fe/MS触媒を得た。この担持は、Niの担持量が10wt%となるように行った。Niに対するFeの原子比は、0.1とした。これらの金属の担持は、含浸法(インシピエントウェットネス法)によって行った。具体的にはメソポーラスシリカ粉末5gに対して、Ni:Feの原子比を1:0.1に調製した酢酸Ni水和物(関東化学社製)と酢酸鉄水和物(関東化学社製)の混合水溶液4mLをピペットで滴下し、110℃で5時間、500℃で3時間焼成した。この工程を3回繰り返しNi−Fe/MS粉末を得た。得られた触媒粉末を水素中で還元した後TEMで観察したが、Ni−Fe粒子は明瞭には観察されず、MS細孔内に高分散担持されているものと思われる。
作製したNi−Fe/MS触媒粉末は、これまでと同様の方法で1.2〜2.0mmの粒状触媒に成形し、初期性能、耐久性能を評価した。図19に入口CO濃度0.5%、SV4800及び10000h−1で取得したNi−Fe/MS粒状触媒の初期性能を示した。また表2には本発明実施例に示す他の前段触媒と共に4つの性能指標(1)Topt、(2)COmin、(3)Tη=50%、(4)ΔTをまとめて示した。
本実施例で開示する前段触媒に共通の特徴は、Toptが高く、COminも大きいと言う事である。本実施例のNi−Fe/MS粒状触媒の場合、入口CO濃度0.5%、SV4800h−1でのToptは219℃で、その温度における出口CO濃度COminは289ppmである。これらの値を表1の後段触媒と比較するとその差が顕著であることが分かる。
図23は長期試験の結果である。SV10000h−1は反応温度250℃で、SV4800h−1は220℃でそれぞれ実施した。図23(a)は出口CO濃度の時間変化を示しているが、いずれのSVでも出口CO濃度は、初期100時間程度を除きほぼ一定に保たれている。図23(b)の出口CH濃度も同様に一定値を維持している。図24は、長期試験前後での温度依存性曲線を比較したものである。SV10000h−1で300h運転した後の温度依存性曲線は初期とほとんど変わっていない。SV4800h−1ではむしろ初期性能よりやや性能が向上している。この原因は現状不明であるが、いずれにしろ、図23,図24の結果は、本実施例の前段触媒が高い劣化耐性を有している事を示している。
先にも述べたように、本条件における触媒の出口CO濃度は後段触媒に比べると著しく高く、決してCO除去性能に優れた触媒とは言えない。しかし例えば後段触媒として開示したメソポーラス/Ni/Al−VOx粒状触媒がCO 0.5%、SV2400h−1の条件下で図15(a)に示す速度で劣化しているのに対し、本触媒はSVが2倍の4800h−1(同一処理ガス量に対して触媒が1/2になることに相当)と4倍の10000h−1(触媒が1/4になることに相当)の厳しい条件にもかかわらず、ほとんど劣化しないことは特筆すべき特徴である。
図25は本触媒を入口CO濃度1.0%、SV10000h−1の更に厳しい条件下で耐久性を評価した結果である。出口CO濃度は、初期に0.21%(2100ppm)であったが約250時間には0.3%(3000ppm)弱まで増加した。しかし、その後はCO濃度の増加は止まり、一定の値を示すに至った。出口CH濃度も初期に低下したが200時間以降は一定の値を示した。
この結果は、現行の改質器で使用されるCO除去触媒(CO選択酸化触媒)の入口には0.3〜0.5%のCOが上流から流入する様設計されているが、本前段触媒を使用すればCO除去触媒へ流入するCO濃度を1.0%まで上げても前段触媒の激しい劣化無しにCO濃度を0.2〜0.3%に低減できることを意味している。流入CO濃度の増加はそのまま、上流に設置したCO変成触媒量の削減に結びつくことから経済的な効果は大きい。本発明で開示するCOメタン化反応器は流入CO濃度が0.5%だけでなく1.0%においても適用できることを本図の結果は明らかにしている。
2−2 乾式高熱法超微粒子シリカを担体に用いた前段触媒の調製と性能評価
ここではメソポーラスシリカや後述するメソ多孔質球状シリカの様にメソ細孔を有しない無孔性超微粒子SiOを担体として使用した。このSiOは、乾式高熱法により工業的に製造されたものである。本担体にNi−Feを担持する方法を以下に示す。
酢酸ニッケル(II)四水和物(Ni(CHCOO)・4HO、関東化学株式会社製)を純水29.86gに溶解した後200mLにメスアップし、0.6M酢酸ニッケル水溶液を調製した。また酢酸鉄(II) (Fe(CHCOO)、株式会社ワコーケミカル製)0.22gを純水に溶解し25mLにメスアップし0.05mol/L酢酸Fe水溶液を調製した。それぞれ硝酸Ni水溶液6.50mLと硝酸Fe水溶液7.80mLを計り取って混合し、Ni−Fe混合水溶液を得た。次にSiO粉末(AEROSIL(登録商標)380、日本アエロジル株式会社製)2.06gを秤量し、ビーカーの純水50mlに加え攪拌羽根で撹拌した。10分程撹拌したSiO懸濁液に先に調製したNi−Fe混合水溶液を少量ずつ滴下し、更に30分間撹拌した。Ni−Fe溶液を加えたSiO2懸濁液をナス型フラスコに移して45℃で30分間撹拌した後、温度を35℃まで下げエバポレーターで吸引しながら水を除去した。得られた粉末を110℃で一晩乾燥した後、空気中500℃で3時間焼成した。
得られた触媒粉末は、これまでの手順に従い粒状触媒に成形した後、初期性能と耐久性能を評価した。
図20に本触媒の入口CO 0.5%、SV10000h−1における初期性能を示した。本触媒は高温域までデータが取得できていないため、表2の各指標は正確に算出できなかったが、Toptが高く、COminが大きいと云う特徴は同じであった。図26は入口CO 0.5%、SV10000h−1、反応温度235℃における連続運転の結果を示した。500時間の連続運転において、初期、208時間、385時間(矢印)にそれぞれ反応温度より低い温度領域で低温活性を測定した。低温活性を測定した直後、出口CO濃度は一旦低下を示し、またCH濃度は増加を示した。しかしその後、いずれも直ちに一定値に戻った。低温活性測定後にCO濃度が一旦低下する原因は現状不明であるが、低温に保持され反応が遅くなることで、触媒表面に生成する炭素種前駆体あるいは中間体の濃度が減少し、劣化が一時的に回復したのではないかと予想される。いずれにしろ本触媒においてもSVが10000h−1と厳しい条件にも係わらず、触媒が大きく劣化する事無く、0.5%のCOを0.2%以下に安定して維持できる事が示された。
図27(a)は初期、208時間、385時間更に535時間時点で取得した温度依存性曲線である。図27(b)は、更にその一部を拡大した図である。この図を用いて実施例1−6の図15及び図16で行った触媒寿命の予測を行った。結果を図28に示した。図28は、本触媒を入口CO濃度0.5%、反応温度235℃で連続運転した場合、出口CO濃度が0.20、0.21、0.22%それぞれに達するまでの時間を示している。触媒出口CO濃度が0.20%に達するまでの時間は約1.8万時間、0.21%では6.5万時間、更に0.22%では10万時間を越える事が分かった。本触媒の前段触媒としての耐久性はほぼ実用レベルにあることを意味している。
図29は本触媒のSVを4800h−1(SV10000h−1に対して触媒量が約2倍に相当)にして初期性能を計測した結果である。2400h−1に比較してToptは218℃と20℃以上低くなり、COminも1/3の500ppmまで減少した。しかし241℃まで昇温した時点で熱暴走が発生し、触媒温度が急激に40℃上昇すると伴にCOメタン化反応により生じたCHが10%まで増加した。反応管を加熱する電気炉は停止しているにも係わらず反応ガスを停止するまで触媒の温度は340℃付近まで上昇した。今回はSVを低下したことで熱暴走が生じたが、入口CO濃度を低下させても同様に熱暴走が発生する可能性がある。これはCOメタン化反応速度が高い高温において、入口CO濃度が低下したり、SVが下がり反応ガスと触媒の接触時間が増加することで触媒層内部のCO濃度が大きく低下したことによる。CO濃度が0.1%を大きく下回るようになると、Ni活性サイト上に空サイトが発生し、そこで副反応のCOメタン化反応が急速に進行するためである。
前段触媒を適用する上では、この熱暴走の抑制に特に留意する必要がある。その方法については後述する。
2−3 メソ多孔質球状シリカを担体に用いた前段触媒の調製と性能評価
先に合成したメソポーラスシリカは約3nmの規則的なメソ細孔を有していたが、本実施例では平均細孔径が約16nmのメソ細孔を有するSiOを担体に用いた。
触媒として使用する担体を得るために、固体SiO 25gに相当するシリカゾル(日産化学製ライトスター)を磁性皿に入れて200℃に熱したホットプレート上で水分を飛ばした。この際にゾル表面に膜が張らないようにスパチュラで混合した。水分が無くなった後、更に130℃で12h乾燥した。乾燥後のSiO粉末を乳鉢で粉砕し、更に空気雰囲気下で500℃まで3hで昇温し3h保持して焼成した。
次にNi−Feを以下の手順で担持した。イオン交換水を用いて希釈した0.6M酢酸Ni水溶液78.8mLと、イオン交換水:酢酸=3:2の混合溶液を用いて希釈した0.05M酢酸Fe水溶液94.7mLを所定量混合して5分間撹拌した。この時のNi水溶液量を金属Ni重量:シリカ重量=10:90、Fe水溶液量はNi物質量の1/10のFe物質量に相当する量を投入した。焼成したシリカ粉末25gに、Incipient wetness impregnation法でNi−Fe混合溶液を担持した。目安として一回の担持工程で15〜20mgの混合溶液をパスツールで滴下しながらダマにならないようにスパチュラで押しつぶしながら混合した。その後空気中300℃の炉に入れ、30分乾燥した。取り出して放冷後、混合溶液がなくなるまで担持―乾燥工程を繰り返した(8−9回)。その後空気中、500℃に3hで昇温し3h保持して焼成した。焼成後、得られた触媒を乳鉢で粉砕した。得られた触媒粉末は、これまでの手順に従い粒状触媒に成形した後、初期性能と耐久性能を評価した。
図21に本触媒の入口CO 0.5%、SV10000h−1における初期性能を示した。表2の性能指標は、実施例2−1と2−2の中間的な値を示している。入口CO濃度0.5%、SV10000h−1、反応温度232℃における本触媒の長期試験結果を図30に示した。その際、初期、400時間、800時間ごとに取得した温度依存性曲線を図31に比較して示した。図30(a)に示す様に、本触媒の出口CO濃度は増加を続け、800時間までには一定値に収束しなかったものの、その増加速度は徐々に低下していることがわかった。図30(b)のCH濃度も同様な傾向を示した。
2−4 メタルハニカム触媒化の効果
実施例2−3で作製したNi−Fe/SiO触媒粉末をメタルハニカム基材にウォッシュコートする工程を以下に示す。
Ni−Fe/SiO触媒粉末15.0gとシリカバインダー(日産化学製STO40)4.2gと水40gを撹拌・混合してコーティング用スラリーを作製した。この時の触媒とバインダー固形分の比率は90:10とした。メタルハニカムは新日鉄住金マテリアルズ製の外径25.4mm(1インチφ)、長さ15mmのステンレス鋼(YUS205M1)製で表面を高温酸化処理したものである。セル数は400cpsi、セル壁の厚さは30μmとした。メタルハニカムをコーティング用スラリーに浸漬し、引き上げた後にハニカムに付着する余分なスラリーをエアブローで除去した。この際、壁面に付着したスラリーをふき取った。その後電気炉により空気中500℃で15分焼成した。取り出して放冷後、乾燥重量を計測した。その後目的触媒付着量150g/Lまで本操作を繰り返した(5回)。最後に空気中500℃で1h保持し本焼成を行った。
得られたメタルハニカム触媒は、これまでと同様、固定床常圧流通式反応評価装置により触媒活性を評価した。なお反応管には外径32mm(内径28mm)の石英製を使用した。反応管中央位置にハニカム触媒をセットし、反応管内壁とハニカムの間には石英ウールを密に充填し、固定とともにガスがハニカム外周を流れないようにした。反応に先立ち試料の水素還元を行った。還元は反応管に500mL/minのHガスを流し、20℃/minで触媒層温度を500℃まで昇温した後、1時間の温度保持をする。還元終了後、反応温度域まで降温し、反応ガスを導入した。反応ガスの組成はドライベースでCO 0.5%、CO 20%、水蒸気キャリアN 6%、H 73.5%とした。水蒸気/CO=34(モル比)に相当する水蒸気を添加する。反応ガスの空間速度は10000h−1とした。
図22及び図32にメタルハニカム触媒の初期性能を示す。本ハニカム触媒は空間1Lに150gの触媒粉末が存在する。1Lの空間に約1kgの触媒が存在する粒状触媒に比較すると極めて少ない。SV10000h−1ではCOminは0.2%を下回らなかったが、SVを8000h−1まで下げると0.2%以下の領域が現れた。このようにハニカム触媒では触媒コーティング量の調整によりCOminをはじめToptを比較的自由に調整可能である。加えてメタルハニカム触媒は300℃まで昇温しても熱暴走を生じる事は無く、安全に使用できるという観点から、前段触媒に好適な形態である。
後段触媒は入口CO濃度を0.2%以下で使用できれば劣化を著しく抑制し実用触媒に求められる6万時間以上の耐久性を発現できると云う事を前半の実施例で示した。一方、前段触媒は、0.5あるいは1.0%の入口CO濃度を、自身はほとんど劣化することなく出口CO濃度0.2%以下に低減できる事を後半の実施例により示した。以上の結果、前段触媒と後段触媒を設置する事で、全体として触媒性能を低下させず0.5〜1.0%の入口CO濃度を安定に10ppm以下に低減できることが示された。

Claims (12)

  1. CO及びCO2を含有する水素リッチガス中のCOをメタン化するCO選択メタン化反応器であって、
    前記CO選択メタン化反応器内での前記水素リッチガスの流れの上流側から順に前段触媒と後段触媒を備え、
    前記前段触媒は、入口CO濃度が0.5%、空間速度が4800h −1 での最適動作温度が前記後段触媒よりも高い、CO選択メタン化反応器。
  2. 前記後段触媒は、出口CO濃度が100ppmとなる条件でのCO選択率が0.5以上である、請求項1に記載のCO選択メタン化反応器。
  3. 前記前段触媒は、前記最適動作温度での出口CO濃度が0.2%以下となるように構成される、請求項1又は請求項2に記載のCO選択メタン化反応器。
  4. 前記前段触媒の活性金属は、Ni及びFeを含む、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のCO選択メタン化反応器。
  5. 前記後段触媒の活性金属は、Niを含み、前記後段触媒の担体は、V酸化物及びAl酸化物を含む、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載のCO選択メタン化反応器。
  6. CO及びCO2を含有する水素リッチガス中のCOをメタン化するCO選択メタン化反応器であって、
    前記CO選択メタン化反応器内での前記水素リッチガスの流れの上流側から順に前段触媒と後段触媒を備え、
    前記前段触媒の活性金属は、Ni及びFeを含み、前記後段触媒の活性金属は、Niを含み、前記後段触媒の担体は、V又はNiと、Alとを含む酸化物である、CO選択メタン化反応器。
  7. 前記前段触媒の活性金属のFe/Niの原子比は、0.01〜1である、請求項4又は請求項6に記載のCO選択メタン化反応器。
  8. 前記前段触媒の担体は、Siを含む酸化物である、請求項4〜請求項7の何れか1つに記載のCO選択メタン化反応器。
  9. 前記後段触媒は、活性金属表面でのCO濃度を低減するように構成された被覆層を備える、請求項1〜請求項8に記載のCO選択メタン化反応器。
  10. 前記前段触媒は、ハニカム基材上にコーティングされている、請求項1〜請求項9の何れか1つに記載のCO選択メタン化反応器。
  11. 前記ハニカム基材は、メタルハニカム基材である、請求項10に記載のCO選択メタン化反応器。
  12. 前記メタルハニカム基材の表面にα−アルミナ層を備える、請求項11に記載のCO選択メタン化反応器。
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