以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るMFP10のブロック図である。
図1に示すように、MFP10は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター13と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部16と、MFP10全体を制御する制御部17と、各種の情報を記憶する半導体記憶装置としてのSSD(Solid State Drive)20と、各種の情報を記憶する記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)30およびHDD40とを備えている。
HDD40は、MFP10に対して着脱可能であっても良い。また、MFP10は、HDD40の他に、着脱可能なHDDを備えていても良い。
SSD20などの半導体記憶装置は、HDDと比較して、データの書き込み速度やデータの読み出し速度など、アクセス速度が速いという利点を有している。ここで、記憶装置に対するアクセス速度は、この記憶装置を備えているMFP10の処理速度に影響する。
一方、SSD20などの半導体記憶装置は、データの書き込み回数に応じた残り寿命の減少量がHDDと比較して大きいという欠点を有している。ここで、記憶装置が使用不可能になると、この記憶装置を備えているMFP10が適切に動作を実行することができなくなるので、記憶装置の残り寿命は、この記憶装置を備えているMFP10の残り寿命に影響する。
なお、半導体記憶装置は、本実施の形態においてSSD20を例に説明するが、SSD以外のNAND型フラッシュメモリーなど、SSD以外の半導体記憶装置でも良い。
HDD30は、MFP10におけるデータの処理を制御するデータ処理プログラム30aを記憶している。データ処理プログラム30aは、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体からMFP10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良い。
HDD30は、SSD20、HDD30およびHDD40へのアクセスを管理するためのアクセス管理テーブル30bを記憶している。
図2は、アクセス管理テーブル30bの一例を示す図である。
図2に示すアクセス管理テーブル30bは、データの種類を特定するための「データの種類」欄と、「データの種類」欄によって特定されたデータがSSD20に書き込まれた場合にデータをHDDにバックアップするか否かを示す「バックアップ」欄と、「データの種類」欄によって特定されたデータに対する書き込み先の決定のモードを示す「モード」欄とを含んでいる。
「データの種類」欄は、データの種類の大きな分類を示す「大分類」欄と、「大分類」欄によって示される分類を更に詳細に分けた分類を示す「小分類」欄とで構成されている。
「大分類」欄の値は、例えば、ネットワーク通信部16によって受信されてプリンター13によって印刷される画像のデータを示す「PRINT画像」と、スキャナー14によって原稿から読み取られてプリンター13によって印刷される画像のデータを示す「Copy画像」と、スキャナー14によって原稿から読み取られてファックス通信部15によってFAX送信される画像のデータを示す「FAX画像」と、MFP10に関する設定のデータを示す「機械設定」と、利用者に関する設定のデータを示す「ユーザー設定」と、MFP10によって管理されているデータを示す「機器管理」とを含んでいる。
「PRINT画像」の「小分類」欄の値は、例えば、MFP10に事前に記憶させておいて操作部11を介した指示に応じてプリンター13によって印刷される画像のデータを示す「JobRetention」と、部数印刷のための画像のデータを示す「部数印刷」とを含んでいる。「Copy画像」の「小分類」欄の値は、例えば、スキャナー14によって原稿から読み取られてプリンター13によって印刷される画像のデータそのものを示す「Copy画像保存」と、スキャナー14によって原稿から読み取られてプリンター13によって印刷される画像の属性のデータを示す「Copy画像属性」とを含んでいる。「FAX画像」の「小分類」欄の値は、例えば、スキャナー14によって原稿から読み取られてファックス通信部15によってFAX送信される画像のデータそのものを示す「FAX画像保存」と、スキャナー14によって原稿から読み取られてファックス通信部15によってFAX送信される画像の属性のデータを示す「FAX画像属性」とを含んでいる。「機械設定」の「小分類」欄の値は、スキャナー14によって原稿から読み取られた画像をスキャナー14による読み取りと並行してFAX送信するか、後述のRAM(Random Access Memory)に一旦蓄積してからFAX送信するかの設定や、FAX送信する画像の解像度の設定など、ファックス通信部15を介したFAX送信の設定のデータを示す「FAXメモリー転送」と、MFP10が標準で対応している言語以外にMFP10に追加された言語のデータを示す「オプション言語」と、MFP10における色変換に使用されるカラーテーブルであって、MFP10が標準で備えているカラーテーブル以外にMFP10に追加されたカラーテーブルのデータを示す「カラーテーブル」とを含んでいる。「ユーザー設定」の「小分類」欄の値は、例えば、利用者の一覧のデータを示す「ユーザーリスト」と、利用者のアドレス帳のデータを示す「個人アドレス帳」と、利用者の所属するグループ用のアドレス帳のデータを示す「グループアドレス帳」とを含んでいる。「機器管理」の「小分類」欄の値は、例えば、FAXの通信履歴のデータを示す「FAX通信履歴」と、メンテナンス回数などの課金以外のカウンターのデータを示す「カウンター」と、カラーの印刷に対する課金や部数印刷に対する課金など、課金のカウンターのデータを示す「課金モード」とを含んでいる。
図2に示す例における「バックアップ」欄によれば、「ユーザーリスト」、「個人アドレス帳」、「グループアドレス帳」、「FAX通信履歴」、「カウンター」および「課金モード」のデータは、SSD20に書き込まれた場合にHDDにバックアップされる。「バックアップ」欄の値は、固定であっても良いし、利用者によって設定可能であっても良い。
「モード」欄は、データの処理速度が重視されるモードとしての速度重視モードを示す「速度重視」欄と、製品寿命、すなわち、MFP10の寿命が重視されるモードとしての寿命重視モードを示す「寿命重視」欄と、速度重視モードより製品寿命が重視されるとともに、寿命重視モードよりデータの処理速度が重視される標準モードを示す「標準」欄とを含んでいる。
図2に示すように、アクセス管理テーブル30bは、データの書き込み先と、データの種類とを対応付ける対応情報である。
図1に示すように、HDD30は、「データの種類」欄によって特定されたデータ毎の「速度重視」欄、「標準」欄および「寿命重視」欄それぞれの初期値を示すモード初期値30c(図3参照。)を記憶している。
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、SSD20、HDD30、HDD40またはROMに記憶されているプログラムを実行する。
制御部17は、HDD30に記憶されているデータ処理プログラム30aを実行することによって、SSD20、HDD30およびHDD40の少なくとも1つにデータを書き込むデータ書き込み手段17a、および、データ書き込み手段17aによるデータの書き込み先をSSD20、HDD30およびHDD40のうちデータの種類に応じた少なくとも1つに切り替える書き込み先切り替え手段17bとして機能する。
なお、MFP10は、以上において、データ処理プログラム30a、アクセス管理テーブル30bおよびモード初期値30cをHDD30に記憶している。しかしながら、MFP10は、これらの情報の少なくとも一部をSSD20またはHDD40に記憶しても良いし、SSD20、HDD30およびHDD40の何れでもない図示していない不揮発性記憶装置に記憶しても良い。
次に、MFP10の動作について説明する。
まず、アクセス管理テーブル30bを設定する場合のMFP10の動作について説明する。
MFP10の書き込み先切り替え手段17bは、アクセス管理テーブル30bを設定する動作の開始が操作部11を介して指示されると、図4に示す動作を実行する。
図4は、アクセス管理テーブル30bを設定する場合のMFP10の動作のフローチャートである。
図4に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、アクセス管理テーブル30bを設定するためのテーブル設定画面50(図5参照。)を表示部12に表示する(S101)。
図5に示すテーブル設定画面50は、アクセス管理テーブル30bを設定するためのパネルボタン51と、アクセス管理テーブル30bを入力するためのインポートボタン52と、アクセス管理テーブル30bを出力するためのエクスポートボタン53と、アクセス管理テーブル30bの少なくとも一部の値を初期状態に戻すためのリセットボタン54と、テーブル設定画面50を閉じるための戻るボタン55とを含んでいる。
図4に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、S101の処理の後、パネルボタン51、インポートボタン52、エクスポートボタン53、リセットボタン54および戻るボタン55の何れかが押されたと判断するまで、パネルボタン51、インポートボタン52、エクスポートボタン53、リセットボタン54および戻るボタン55の何れかが押されたか否かを判断する(S102)。
書き込み先切り替え手段17bは、パネルボタン51、インポートボタン52、エクスポートボタン53、リセットボタン54および戻るボタン55の何れかが押されたとS102において判断すると、押されたボタンを判断する(S103)。
書き込み先切り替え手段17bは、パネルボタン51が押されたとS103において判断すると、テーブル設定画面50の表示を終了した(S104)後、後述のパネル設定処理を実行して(S105)、S101の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、インポートボタン52が押されたとS103において判断すると、テーブル設定画面50の表示を終了した(S106)後、後述のインポート処理を実行して(S107)、S101の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、エクスポートボタン53が押されたとS103において判断すると、テーブル設定画面50の表示を終了した(S108)後、後述のエクスポート処理を実行して(S109)、S101の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、リセットボタン54が押されたとS103において判断すると、アクセス管理テーブル30bの「モード」欄の値を初期化して(S110)、S102の処理を実行する。S110における初期化は、アクセス管理テーブル30bの「速度重視」欄の値、「標準」欄の値、「寿命重視」欄の値を、それぞれ、モード初期値30cに設定されている初期値にする。なお、S110における初期化は、「速度重視」欄の値、「標準」欄の値、および、「寿命重視」欄の値のうち、初期化の対象が操作部11を介して指定されても良い。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン55が押されたとS103において判断すると、テーブル設定画面50の表示を終了した(S111)後、図4に示す動作を終了する。
図6は、S105のパネル設定処理のフローチャートである。
図6に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、操作部11を介してアクセス管理テーブル30bを設定するためのパネル設定画面60(図7参照。)を表示部12に表示する(S131)。
図7に示すパネル設定画面60は、操作部11を介してアクセス管理テーブル30bの「速度重視」欄の値を設定するための速度重視設定ボタン61と、操作部11を介してアクセス管理テーブル30bの「標準」欄の値を設定するための標準設定ボタン62と、操作部11を介してアクセス管理テーブル30bの「寿命重視」欄の値を設定するための寿命重視設定ボタン63と、パネル設定画面60を閉じるための戻るボタン64と、アクセス管理テーブル30bの「モード」欄の値のうち速度重視設定ボタン61、標準設定ボタン62および寿命重視設定ボタン63経由で設定された値を実際にアクセス管理テーブル30bに適用するための適用ボタン65とを含んでいる。
書き込み先切り替え手段17bは、操作部11を介して速度重視設定ボタン61が押されると、「速度重視」欄の値をデータの種類毎に設定するための図示していない画面を表示部12に表示して、操作部11を介した「速度重視」欄の値の設定を受け付ける。速度重視設定ボタン61について説明したが、標準設定ボタン62、寿命重視設定ボタン63についても同様に、それぞれ、「標準」欄の値、「寿命重視」欄の値の設定を受け付ける。
図6に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、S131の処理の後、適用ボタン65が押されたか否かを判断する(S132)。
書き込み先切り替え手段17bは、適用ボタン65が押されたとS132において判断すると、アクセス管理テーブル30bの「モード」欄の値のうち速度重視設定ボタン61、標準設定ボタン62および寿命重視設定ボタン63経由で設定された値を実際にアクセス管理テーブル30bに適用する(S133)。
書き込み先切り替え手段17bは、適用ボタン65が押されていないとS132において判断するか、S133の処理が終了すると、戻るボタン64が押されたか否かを判断する(S134)。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン64が押されていないとS134において判断すると、S132の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン64が押されたとS134において判断すると、パネル設定画面60の表示を終了した(S135)後、図6に示すパネル設定処理を終了する。
図8は、S107のインポート処理のフローチャートである。
図8に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、操作部11を介して指定されたアクセス管理テーブルをアクセス管理テーブル30bとして入力するためのインポート画面70(図9参照。)を表示部12に表示する(S161)。
図9に示すインポート画面70は、インポート元のアクセス管理テーブルの場所を示すパスが操作部11を介して入力されるためのテキストボックス71と、ディレクトリー構造をツリー形式で表示することによってインポート元のアクセス管理テーブルを指定するためのボタン72と、インポート画面70を閉じるための戻るボタン73と、テキストボックス71に表示されているパスによって示されるアクセス管理テーブルをアクセス管理テーブル30bとして入力するための入力ボタン74とを含んでいる。ボタン72によって指定されたアクセス管理テーブルの場所を示すパスは、テキストボックス71に自動的に入力される。
図8に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、S161の処理の後、入力ボタン74が押されたか否かを判断する(S162)。
書き込み先切り替え手段17bは、入力ボタン74が押されたとS162において判断すると、テキストボックス71に表示されているパスによって示されるアクセス管理テーブルをアクセス管理テーブル30bとして入力する(S163)。
書き込み先切り替え手段17bは、入力ボタン74が押されていないとS162において判断するか、S163の処理が終了すると、戻るボタン73が押されたか否かを判断する(S164)。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン73が押されていないとS164において判断すると、S162の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン73が押されたとS164において判断すると、インポート画面70の表示を終了した(S165)後、図8に示すインポート処理を終了する。
なお、以上のインポート処理においては、アクセス管理テーブル30b全体がインポートされるが、「速度重視」欄の値、「標準」欄の値、および、「寿命重視」欄の値など、アクセス管理テーブル30bの一部のみがインポートされても良い。
図10は、S109のエクスポート処理のフローチャートである。
図10に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、操作部11を介して指定されたアクセス管理テーブルとしてアクセス管理テーブル30bを出力するためのエクスポート画面80(図11参照。)を表示部12に表示する(S191)。
図11に示すエクスポート画面80は、エクスポート先のアクセス管理テーブルの場所を示すパスが操作部11を介して入力されるためのテキストボックス81と、ディレクトリー構造をツリー形式で表示することによってエクスポート先のアクセス管理テーブルを指定するためのボタン82と、エクスポート画面80を閉じるための戻るボタン83と、テキストボックス81に表示されているパスによって示されるアクセス管理テーブルとしてアクセス管理テーブル30bを出力するための出力ボタン84とを含んでいる。ボタン82によって指定されたアクセス管理テーブルの場所を示すパスは、テキストボックス81に自動的に入力される。
図10に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、S191の処理の後、出力ボタン84が押されたか否かを判断する(S192)。
書き込み先切り替え手段17bは、出力ボタン84が押されたとS192において判断すると、テキストボックス81に表示されているパスによって示されるアクセス管理テーブルとしてアクセス管理テーブル30bを出力する(S193)。
書き込み先切り替え手段17bは、出力ボタン84が押されていないとS192において判断するか、S193の処理が終了すると、戻るボタン83が押されたか否かを判断する(S194)。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン83が押されていないとS194において判断すると、S192の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、戻るボタン83が押されたとS194において判断すると、エクスポート画面80の表示を終了した(S195)後、図10に示すエクスポート処理を終了する。
なお、以上のエクスポート処理においては、アクセス管理テーブル30b全体がエクスポートされるが、「速度重視」欄の値、「標準」欄の値、および、「寿命重視」欄の値など、アクセス管理テーブル30bの一部のみがエクスポートされても良い。
次に、書き込み先の決定のモードの指定を受け付ける場合のMFP10の動作について説明する。
MFP10の書き込み先切り替え手段17bは、書き込み先の決定のモードの指定を受け付ける動作の開始が操作部11を介して指示されると、図12に示す動作を実行する。
図12は、書き込み先の決定のモードの指定を受け付ける場合のMFP10の動作のフローチャートである。
図12に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、書き込み先の決定のモードの指定を受け付けるためのモード受付画面90(図13参照。)を表示部12に表示する(S201)。
図13に示すモード受付画面90は、速度重視モードを選択するためのラジオボタン91と、標準モードを選択するためのラジオボタン92と、寿命重視モードを選択するためのラジオボタン93と、モード受付画面90を閉じるためのCancelボタン94と、ラジオボタン91〜93によって選択されたモードを現在のモードとして設定するためのOKボタン95とを含んでいる。ラジオボタン91〜93は、常に何れか1つのみが選択された状態になる。ラジオボタン91〜93は、モード受付画面90が表示された時点では、現在設定されているモードが選択された状態になる。
図12に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、S201の処理の後、OKボタン95が押されたか否かを判断する(S202)。
書き込み先切り替え手段17bは、OKボタン95が押されたとS202において判断すると、ラジオボタン91〜93によって選択されたモードを現在のモードとして設定する(S203)。
書き込み先切り替え手段17bは、OKボタン95が押されていないとS202において判断すると、Cancelボタン94が押されたか否かを判断する(S204)。
書き込み先切り替え手段17bは、Cancelボタン94が押されていないとS204において判断すると、S202の処理を実行する。
書き込み先切り替え手段17bは、S203の処理を終了するか、Cancelボタン94が押されたとS204において判断すると、図12に示す動作を終了する。
次に、データの書き込み先としてのHDDを決定する場合のMFP10の動作について説明する。
MFP10の書き込み先切り替え手段17bは、MFP10が初期化された場合や、MFP10が起動された場合や、MFP10へのHDDの装着状態が変更された場合や、アクセス管理テーブル30bが変更された場合など、特定の場合に、図14に示す動作を実行する。
図14は、データの書き込み先としてのHDDを決定する場合のMFP10の動作のフローチャートである。
図14に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、MFP10に複数のHDDが装着されているか否かを判断する(S231)。
書き込み先切り替え手段17bは、MFP10に複数のHDDが装着されていないとS231において判断すると、図14に示す動作を終了する。ここで、書き込み先切り替え手段17bは、MFP10にHDDとしてHDD30のみが装着されている場合、SSD20に書き込まれるデータのバックアップとしてのバックアップデータや、バックアップとしてではない非バックアップデータをHDDに書き込むとき、HDD30に書き込む。
書き込み先切り替え手段17bは、MFP10に複数のHDDが装着されているとS231において判断すると、バックアップデータと、非バックアップデータとの両方がアクセス管理テーブル30bに存在するか否かを判断する(S232)。
書き込み先切り替え手段17bは、バックアップデータと、非バックアップデータとの少なくとも1つがアクセス管理テーブル30bに存在しないとS232において判断すると、バックアップデータと、非バックアップデータとの書き込み先のHDDとして、MFP10に装着されている複数のHDDから1つのHDDを決定して(S233)、図14に示す動作を終了する。例えば、MFP10にHDD30およびHDD40が装着されている場合、書き込み先切り替え手段17bは、S233において、バックアップデータと、非バックアップデータとの書き込み先のHDDとしてHDD30およびHDD40の何れか一方を決定する。
書き込み先切り替え手段17bは、バックアップデータと、非バックアップデータとの両方がアクセス管理テーブル30bに存在するとS232において判断すると、バックアップデータと、非バックアップデータとの書き込み先のHDDとして、MFP10に装着されている複数のHDDからそれぞれ異なるHDDを決定して(S234)、図14に示す動作を終了する。例えば、MFP10にHDD30およびHDD40が装着されている場合、書き込み先切り替え手段17bは、S234において、バックアップデータの書き込み先のHDD、すなわち、バックアップ書き込み用ハードディスクドライブとしてHDD30およびHDD40の一方を決定するとともに、非バックアップデータの書き込み先のHDD、すなわち、非バックアップ書き込み用ハードディスクドライブとしてHDD30およびHDD40の他方を決定する。
次に、データを書き込む場合のMFP10の動作について説明する。
MFP10の制御部17は、図示していない他の処理からデータの書き込みが依頼されると、図15に示す動作を実行する。
図15は、データを書き込む場合のMFP10の動作のフローチャートである。
図15に示すように、書き込み先切り替え手段17bは、他の処理から書き込みが依頼されたデータ(以下「対象データ」と言う。)の種類を判定する(S261)。
次いで、書き込み先切り替え手段17bは、現在の書き込みのモードを確認する(S262)。ここで、現在の書き込みのモードは、最新のS203の処理によって設定されたモードである。
書き込み先切り替え手段17bは、S262の処理の後、S261において判定した種類と、S262において確認したモードと、現在のアクセス管理テーブル30bとに基づいて、対象データの書き込み先を決定する(S263)。例えば、書き込み先切り替え手段17bは、S261において判定した種類が「JobRetention」であって、S262において確認したモードが標準モードであって、現在のアクセス管理テーブル30bが図2に示すものである場合、対象データの書き込み先としてHDDを決定する。また、書き込み先切り替え手段17bは、S261において判定した種類が「部数印刷」であって、S262において確認したモードが標準モードであって、現在のアクセス管理テーブル30bが図2に示すものである場合、対象データの書き込み先としてSSD20を決定する。ここで、書き込み先切り替え手段17bは、S263において対象データの書き込み先としてHDDを決定する場合に、MFP10に複数のHDDが装着されているとき、非バックアップデータの書き込み先として図14に示す動作において決定したHDDを、対象データの書き込み先として決定する。
データ書き込み手段17aは、S263の処理の後、S263において決定された書き込み先に対象データを書き込む(S264)。
次いで、書き込み先切り替え手段17bは、S261において判定した種類と、現在のアクセス管理テーブル30bとに基づいて、対象データのバックアップが必要であるか否かを判断する(S265)。例えば、書き込み先切り替え手段17bは、S261において判定した種類が「JobRetention」であって、現在のアクセス管理テーブル30bが図2に示すものである場合、図2に示すアクセス管理テーブル30bにおける「JobRetention」のデータに対する「バックアップ」欄の値に基づいて、対象データのバックアップが必要ではないと判断する。一方、書き込み先切り替え手段17bは、S261において判定した種類が「個人アドレス帳」であって、現在のアクセス管理テーブル30bが図2に示すものである場合、図2に示すアクセス管理テーブル30bにおける「個人アドレス帳」のデータに対する「バックアップ」欄の値に基づいて、対象データのバックアップが必要であると判断する。
書き込み先切り替え手段17bは、対象データのバックアップが必要であるとS265において判断すると、対象データのバックアップを予約する(S266)。
制御部17は、対象データのバックアップが必要ではないとS265において判断するか、S266の処理を終了すると、図15に示す動作を終了する。
次に、対象データをバックアップする場合のMFP10の動作について説明する。
MFP10のデータ書き込み手段17aは、S266においてバックアップが予約された対象データに対して、事前に設定されているタイミングでHDDへのバックアップを実行する。例えば、事前に設定されているタイミングとは、図15に示す動作の直後のタイミングでも良いし、MFP10が利用者に使用される可能性が低い夜間の特定の時刻などのタイミングでも良い。なお、データ書き込み手段17aは、対象データのバックアップのためのHDDが、非バックアップデータの書き込み先として図14に示す動作において決定したHDDではない場合には、HDDへのバックアップデータの書き込みと、HDDへの非バックアップデータの書き込みとの間でHDDに対するアクセスの競合が発生しないので、対象データを通常通りHDDにバックアップすれば良い。しかしながら、データ書き込み手段17aは、対象データのバックアップのためのHDDが、非バックアップデータの書き込み先として図14に示す動作において決定したHDDである場合には、HDDへのバックアップデータの書き込みと、HDDへの非バックアップデータの書き込みとの間でHDDに対するアクセスの競合が発生する可能性があるので、図16に示す動作によってバックアップを実行する。
図16は、非バックアップデータの書き込み先としてのHDDに対象データをバックアップする場合のMFP10の動作のフローチャートである。
図16に示すように、データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセス、すなわち、書き込みまたは読み出しが実行されていないと判断するまで、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されているか否かを判断する(S291)。
データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されていないとS291において判断すると、書き込み先のHDDへの対象データのバックアップを開始する(S292)。
次いで、データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されているか否かを判断する(S293)。
データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されているとS293において判断すると、対象データのバックアップを一時停止する(S294)。
次いで、データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されていないと判断するまで、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されているか否かを判断する(S295)。
データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されていないとS295において判断すると、S294において一時停止していたバックアップを再開する(S296)。
データ書き込み手段17aは、書き込み先のHDDに対して他のアクセスが実行されていないとS293において判断するか、S296の処理を終了すると、対象データのバックアップが終了したか否かを判断する(S297)。
データ書き込み手段17aは、対象データのバックアップが終了していないとS297において判断すると、S293の処理を実行する。
データ書き込み手段17aは、対象データのバックアップが終了したとS297において判断すると、図16に示す動作を終了する。
以上に説明したように、MFP10は、データの書き込み先をSSD20、HDD30およびHDD40のうちデータの種類に応じた少なくとも1つに切り替える(S263およびS266)ので、データを適切な速度で処理することができるとともに、製品寿命、すなわち、MFP10自身の寿命を延ばすことができる。更に、MFP10は、バックアップ書き込み用ハードディスクドライブと、非バックアップ書き込み用ハードディスクドライブとを別々に決定する(S234)ので、バックアップ書き込み用ハードディスクドライブへのバックアップデータの書き込みと、非バックアップ書き込み用ハードディスクドライブに対するアクセスとが競合することを防止することができ、データを更に適切な速度で処理することができる。
MFP10は、バックアップデータの種類と、非バックアップデータの種類との両方がアクセス管理テーブル30bに存在するということを少なくとも1つの条件として(S232)、バックアップ書き込み用ハードディスクドライブおよび非バックアップ書き込み用ハードディスクドライブを別々に自動で決定する(S234)ので、利便性を向上することができる。
MFP10は、複数のHDDが装着されているということを少なくとも1つの条件として(S231)、バックアップ書き込み用ハードディスクドライブおよび非バックアップ書き込み用ハードディスクドライブを別々に自動で決定する(S234)ので、利便性を向上することができる。
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、コピー専用機、ファックス専用機、スキャナー専用機など、MFP以外の画像形成装置でも良い。