JP6375971B2 - 吸収性物品のトップシート - Google Patents

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Description

本発明は,吸収性物品の着用者の肌に直接触れる面に設けられるトップシートに関する。具体的に説明すると,本発明は,積層された複数のシート部材をエンボス加工によって接合することにより得られるトップシートに関するものである。
従来から,着用者の股下に装着される吸収性物品として,テープ型の使い捨ておむつや,パンツ型の使い捨ておむつ,尿パッド,パンティーライナー,軽失禁パッド,生理用ナプキン等が知られている。このような吸収性物品は,着用者の肌と対向する面(肌対向面)に,トップシートを備えている。トップシートは,着用者の肌に当接し続けるシート部材であるため,一般的に,皮膚刺激性の低い素材が用いられる。例えば,トップシートには,皮膚との接触や摩擦によって発生する機械的刺激や,吸収性物品着用箇所のむれなどの環境悪化による刺激,トップシートに用いられる親水化剤や排泄物が皮膚に触れることによる化学的刺激等が低いものが好ましいとされている。
また,従来から,吸収性物品用のトップシートに,エンボス加工を施して凹凸のエンボスパターンを形成し,皮膚との接触面積を減らすことにより,摩擦による機械的刺激等を軽減させることが知られている。また,トップシートにエンボス加工を施すことで,皮膚とトップシートの間に隙間ができるため,部分的なむれを解消する効果も期待できる。さらに,トップシートにエンボス加工を施すことで,尿などの排泄物が凹凸に沿って流れて拡散しやすくなり,その拡散効果によってトップシートの吸収性が向上するとされている。このように,トップシートの低刺激性,むれ解消効果,及び液体拡散効果をさらに向上させるために,トップシートに形成するエンボスのパターンについては,従来から種々の考案がされている(特許文献1〜3)。
特開2014−018647号公報 特開2013−177364号公報 特開2011−015707号公報
特許文献1〜3には,3つ以上の接合部によって囲まれた非接合領域を凸部とする従来のエンボスパターンが開示されている。従来のエンボスパターンでは,三角形や,四角形,その他の多角形の格子状の頂点の位置に接合部を形成することとしている。このため,従来のエンボスパターンでは,複数の接合部によって囲まれた非接合領域が,例えば正三角形や,正四角形,正六角形などのような単純な形状となる。このように,エンボスパターンの非接合領域の形状を正四角形状などのような対称性を有する形状とすることで,エンボスパターンの見栄えが良くなるというメリットがある。
ところで,エンボスパターンが付与されたトップシートは,着用者の動きなどに応じて,全体的又は部分的に前後二つ折りとなり,前後対称に重なり合った状態となることがある。ここにいう前後対称に折り重なった状態とは,吸収性物品の幅方向に延びる折線に沿ってトップシートが折り返され,トップシートの表面同士が密着した状態を意味する。また,トップシートは,全体的又は部分的に左右二つ折りとなり,左右対称に重なり合うこともある。しかしながら,従来のエンボスパターンのように,例えば,1つの非接合領域の周囲に位置する接合部群が,吸収性物品の幅方向に沿った対称軸に対して線対称な形状となっている場合,トップシートが前後二つ折りとなってその表面同士が密着すると,接合部同士が完全に重なり合うという事態が生じていた。このように,凹部となる接合部同士が鏡合わせのように完全に重なり合うと,その重なりあった部分に大きな隙間が生じることとなる。そして,トップシートに表面に生じた大きな隙間においては,尿などの液体が吸収されずに素通りしてしまったり,その隙間に液体が溜まってしまうことがあった。従って,トップシート同士の表面が重なりあった領域では,このトップシートの吸収性能が損なわれるおそれがあるという問題があった。
そこで,本発明は,エンボスパターンが付与されたトップシートであって,全体的に又は部分的に折り畳まれてその表面同士が密着した領域においても,吸収性能が損なわれないトップシートを提供することを解決課題とする。
本発明の発明者は,上記の問題点の解決手段について鋭意検討した結果,トップシートの表面に形成された規則的なエンボスパターンにおいて,あえて,1つの非接合領域の周囲に位置する接合部群の形状を非対称的な形状とすることとした。このように,接合部群の形状を非対称的な形状(前後非線対称,左右非線対称,又は非回転対称を含む。)とすることで,トップシートが全体的又は部分的に二つ折りとなってその表面同士が密着した状態となっても,接合部同士が完全に重なり合うことを回避できる。これにより,トップシートが折り重なった領域においても,尿などの液体を効果的に吸収することが可能となる。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来発明の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,長手方向と幅方向を有する吸収性物品のトップシート10に関する。
本発明のトップシート10は,上層シート11と,下層シート12と,複数の接合部40と,複数の非接合部50と,を有する。
上層シート11と下層シート12は互いに積層されている。上層シート11は,着用者の肌に直接接触する側に位置し,下層シート12は,上層シート11の裏側に配置され着用者の肌には直接接触しない。
複数の接合部40は,上層シート11と下層シート12を接合している。
複数の非接合部50は,それぞれ,複数の接合部40によって囲われている。
ここで,一つの非接合部50を囲う複数の接合部40によって,「接合部群」が形成される。そして,本発明において,接合部群の形状は,非接合部50の中心Cを通る幅方向に沿った対称軸Hに対して線対称ではない形状(前後非線対称な形状)となっている。
なお,ここにいう「非接合部の中心C」とは,非接合部50の最大幅を二等分する長手方向に沿って延びる直線と,この非接合部50の最大長さを二等分する幅方向に沿って延びる直線とが交わる点を意味する。
上記構成のように,本発明では,エンボスパターンの中に含まれる接合部群の形状を,前後非線対称な形状とする。これにより,トップシート10が全体的又は部分的に前後に二つ折りとなり,その表面同士が密着した状態となっても,凹部となる接合部40同士が完全に重なり合うことを回避できる。これにより,接合部40同士が重なり合う面積を小さくすることができるため,接合部40同士が重なり合った部分を液体が素通りしたり,その重なり合った部分に液体が溜まったりすることがない。従って,本発明によれば,折れ曲がったりよれたりした状態においても,液吸収性能が損なわれることのないトップシートを提供できる。
本発明のトップシートにおいて,接合部群の形状は,さらに,非接合部50の中心Cを通る長手方向に沿った対称軸Vに対して線対称ではない形状(左右非線対称な形状)であることが好ましい。
上記構成のように,接合部群の形状を,前後非線対称かつ左右非線対称な形状とすることで,トップシートが全体的又は部分的に左右に二つ折りとなり,その表面同士が密着した状態となっても,凹部となる接合部40同士が完全に重なり合うことを回避できる。
本発明のトップシートにおいて,接合部群の形状は,さらに,非接合部50の中心Cを対称中心とした回転対称性を有さない形状(非回転対称な形状)であることが好ましい。ここにいう「回転対称性を有さない形状」とは,対称中心を軸として接合部群を,360度を除くどの角度に回転させても回転対称とならない形状を意味する。
上記構成のように,接合部群の形状を,非回転対称な形状とすることで,例えばトップシートが斜め方向に二つ折りとなり,その表面同士が密着した状態となっても,凹部となる接合部40同士が完全に重なり合うことを回避できる。
本発明のトップシートにおいて,接合部群を構成する複数の接合部40の形状は,すべて同一であることが好ましい。さらに,接合部群を構成する複数の接合部40は,それぞれが回転対称性を有さない形状であることが好ましい。なお,形状が「同一」である場合とは,形状,大きさ,及び向きが全て同じであることを意味する。
上記構成のように,接合部群を構成する複数の接合部40の形状を,すべて同一とすることにより,トップシート上に規則的な模様を形成することができるため,液体の分散性が向上する。さらに,各接合部40が回転対称性を有さない形状であることにより,トップシートがどのように折り畳まれた場合であっても,接合部40同士が完全に重なり合うことを回避できる。
本発明のトップシートにおいて,複数の接合部40は,それぞれ,互いに連結した第1線部41,第2線部42,及び第3線部43が,それらの連結部44から異なる方向に分岐した形状であることが好ましい。また,ある一つの非接合部50の周囲には,3つの接合部40が位置していることが好ましい。このとき,これらの3つの接合部40を,それぞれ,第1接合部40a,第2接合部40b,及び第3接合部40cとする。この場合に,ある一つの非接合部50は,以下の(i)〜(vi)の要素によって,周囲を画定されていることが好ましい。
(i)第1接合部40aの第1線部41と第2線部42
(ii)第2接合部40bの第2線部42と第3線部43
(iii)第3接合部40cの第3線部43と第1線部41
(iv)第1接合部40aの第1線部41と第2接合部40bの第3線部43の間の第1間隙61
(v)第2接合部40bの第2線部42と第3接合部40cの第1線部41の間の第2間隙62
(vi)第3接合部40cの第3線部43と第1接合部40aの第2線部42の間の第3間隙63
上記のように非接合部50の周囲を画定することで,接合部群の形状を効率的に非対称的な形状とすることが可能となる。ただし,非対称な接合部群の形状は,上記したものに限定されない。
本発明の第2の側面は,トップシート10を有する吸収性物品100に関する。
本発明の吸収性物品100は,液透過性のトップシート10と,液不透過性のバックシート20と,これらの間に配置された吸収体30とを備える。また,吸収性物品100は,長手方向と幅方向を有している。
トップシート10は,上述した第1の側面に係るものと同一である。
すなわち,トップシート10は,上層シート11と,下層シート12と,上層シート11と下層シート12を接合する複数の接合部40と,複数の接合部40によって囲われた複数の非接合部50とを有する。また,一つの非接合部50を囲う複数の接合部40からなる接合部群の形状は,当該非接合部50の中心Cを通る幅方向に沿った対称軸Hに対して線対称ではない。
本発明によれば,エンボスパターンが付与されたトップシートであって,全体的に又は部分的に折り畳まれてその表面同士が密着した領域においても,吸収性能が損なわれないトップシートを提供することができる。
図1は,吸収性物品をトップシート側から見た平面図である。 図2は,第1の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図である。 図3は,第1の実施形態に係るトップシートのエンボスパターンを構成する要素を抽出して示している。 図4は,第1の実施形態に係るトップシートに形成される接合部の設計方法の説明図である。 図5は,第1の実施形態に係るトップシートの断面図を示している。 図6は,第1の実施形態に係るトップシートの製造方法の例を示している。 図7は,第2の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図である。 図8は,第3の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図である。 図9は,第4の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本願明細書において,「長手方向」とは,基本的に,吸収性物品の前身頃と後身頃を結ぶ方向(Y軸方向)であり,「幅方向」とは,この長手方向に平面的に直交する方向(X軸方向)である。
また,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
[1.第1の実施形態]
図1は,本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品100を,肌対向面側からみた平面図である。本発明に係る吸収性物品100は,例えば,使い捨ておむつや,尿パッド,パンティーライナー,軽失禁パッド,生理用ナプキンに用いることができる。図1では,吸収性物品100の内部構造を模式的に示している。図1に示されるように,吸収性物品100は,トップシート10と,バックシート20と,吸収体30を含む。トップシート10は,吸収体30の肌対向面側に配置され,着用者の肌に直接接するシートである。また,バックシート20は,吸収体30の肌非対向面側に配置される。図1に示されるように,トップシート10とバックシート20は,吸収体30の周囲において,互いに接合されていることとしてもよい。このようにして,トップシート10とバックシート20の間には,吸収体30が封入される。
トップシート10は,着用者の股下部の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体30に透過させるための部材である。このため,トップシート10は,柔軟性が高い液透過性材料で構成される。液透過性材料とは,例えば,標準の大気圧下において,常温の水を5mlその上に載せた場合に,1分未満の時間で水を透過する材料を意味する。トップシート10を構成する液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
バックシート20は,トップシート10を透過し吸収体30に吸収された液体が,外部に漏出することを防止するための部材である。このため,バックシート20は,液不透過性材料によって構成される。液不透過性材料とは,例えば,標準の大気圧下において,常温の水を5mlその上に載せた場合に,1分以上経過してもその水を透過しない材料を意味する。バックシート20を構成する液不透過材料の例は,ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
吸収体30は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体30は,液透過性のトップシート10と,液不透過性のバックシート20の間に配置される。吸収体30は,尿などの液体を吸収する機能を有する吸収性材料により構成される。吸収体30を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用できる。吸収性材料としては,例えば,粉砕パルプ(フラッフパルプ),高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は,通常,単層又は複数層のマット状に形成されて用いられる。
吸収性物品100は,長手方向と幅方向を有する。本願の図において,吸収性物品100の長手方向はY軸方向で示され,吸収性物品100の幅方向はX軸方向で示されている。
図1に示されるように,トップシート10は,複数枚のシート部材を積層して貼り合わせることで形成されている。トップシート10を構成するシート部材の枚数は,2枚以上であればよく,例えば2〜5枚とすることができる。図1に示された実施形態において,トップシート10は,上層シート11と下層シート12の2枚のシート部材を貼り合わせることで構成されている。上層シート11は,肌対向面側に位置しており,下層シート12は,肌非対向面側に位置している。このため,着用者の肌に直接接するシート部材は,上層シート11となる。
上層シート11と下層シート12は,それぞれ,織布,不織布,又は多孔性フィルムなどの液透過性材料で形成することができる。特に,上層シート11及び下層シート12としては,不織布を用いることが好ましい。不織布としては,公知の繊維からなるものを用いることができる。例えば,不織布としては,エアースルー不織布や,ヒートボンド不織布,スパンボンド不織布,メルトブローン不織布,スパンレース不織布,及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布が挙げられる。また,上層シート11と下層シート12とを熱融着によって接合する場合には,不織布に熱融着繊維が含まれることが好ましい。熱融着繊維としては,PET/PE,PP/PEなどの芯鞘構造のものが好ましい。また,不織布には,界面活性剤等を用いた親水化処理を施すことが好ましい。
図1に示されるように,上層シート11と下層シート12は,エンボス加工によって互いに接合されている。エンボス加工とは,例えば,外周面に所定パターンの凸状のエンボス突起が設けられたエンボスロールと,平滑面を有するプレーンロールとの間で,2枚の熱可塑性のシート部材を加熱しながら挟み込むことにより接合させる加工方法である。エンボス加工を施すことにより,エンボスロールのエンボス突起が接触した位置において,トップシート10に複数の凹状の接合部40が形成され,各接合部40において上層シート11と下層シート12が融着する。また,一般的に,上層シート11と下層シート12がエンボス加工によって接合されることで,接合部40おいては,上層シート11の厚さが薄くなる。このため,接合部40が形成されていない非接合部50では,相対的に上層シート11が相対的に盛り上がった状態となる。このように,トップシート10は,複数のシート部材をエンボス加工によって熱融着することにより形成される。
続いて,トップシート10に形成されるエンボスパターンについて詳しく説明する。図2は,第1の実施形態に係るエンボスパターンの拡大図であり,図1に示した点線の枠内を拡大して示している。また,図3は,第1の実施形態に係るエンボスパターンのうち,一つの非接合部50を構成する要素を抽出して示したさらなる拡大図である。
図2及び図3に示されるように,トップシート10のエンボスパターンは,上層シート11と下層シート12を接合する複数の接合部40と,複数の接合部40によって囲われた複数の非接合部50とによって構成されている。複数の接合部40は,間隔を空けて,規則的に配置されている。具体的には,同一の形状,大きさ,及び向きを有する複数の接合部40が,長手方向に一定の間隔をあけて列状に並べて配置されているとともに,この接合部40の列が幅方向に向かって複数列形成されている。また,隣接する接合部40の列では,各接合部40が長手方向に互い違いに並べられており,いわゆる千鳥状の配置となっている。また,各接合部40は,長手方向及び幅方向に沿って一直線上に並べられている。
接合部40では,上層シート11と下層シート12とが熱融着されている。このため,接合部40では,上層シート11が凹状に窪んでいる。他方,非接合部50は,複数の接合部40によって囲われた領域であり,すなわち上層シート11と下層シート12とが接合されていない領域である。このため,非接合部50は,接合部40と比較して,上層シート11が着用者の肌に接触する方向に向かって,凸状に隆起している。図1〜図3に示されるように,本発明のトップシート10は,接合部40及び非接合部50の形状が,従来にはない斬新な形状となっている。
図3に示されるように,本発明においては,複数の接合部40が非接合部50の周囲に配置され,これにより非接合部50が画定されている。ここで,本願明細書では,ある一つの非接合部の周囲を囲うように配置された複数の接合部40をまとめて「接合部群」と称する。図3においては,概念的に,ある「接合部群」を構成する複数の接合部40を,斜線で示している。図3に示された第1の実施形態においては,接合部群は,3つの接合部40によって構成されたものである。
図3に示されるように,本発明において,接合部群は,対称性を有しない形状となっている。具体的に説明すると,まず,非接合部50の中心Cを決定する。非接合部の中心Cとは,非接合部50の最大幅を二等分する長手方向に沿って延びる直線と,この非接合部50の最大長さを二等分する幅方向に沿って延びる直線とが交わる点である。ここで,まず,接合部群は,非接合部50の中心Cを通る幅方向に沿った対称軸Hに対して線対称ではない形状,すなわち前後非線対称な形状となる。つまり,接合部群は,図3に示した対称軸Hにおいて二つ折りにしても,鏡合わせに完全に重ならない形状となっている。さらに,接合部群は,非接合部50の中心Cを通る長手方向に沿った対称軸Vに対して線対称ではない形状,すなわち左右非線対称な形状となる。つまり,接合部群は,図3に示した対称軸Vにおいて二つ折りにしても,鏡合わせに完全に重ならない形状となっている。
このように,接合部群の形状を前後非線対称及び左右非線対称な形状とすることで,トップシート10が全体的又は部分的に長手方向又は幅方向に二つ折りとなり,その表面同士が密着した状態となっても,接合部40同士が完全に重なり合うことを回避できる。すなわち,従来のエンボスパターンは,トップシートが二つ折りとなったときに,凹部となる接合部同士が鏡合わせのように完全に重なり合うこととなり,その重なりあった部分に大きな隙間が生じていた。そして,トップシートに表面に生じた大きな隙間においては,尿などの液体が吸収されずに素通りしてしまったり,その隙間に液体が溜まってしまうことがあった。従って,トップシート同士の表面が重なりあった領域では,このトップシートの吸収性能が損なわれるおそれがあるという問題があった。これに対して,例えば図3に示された例のように,接合部群の形状を前後非線対称及び左右非線対称な形状とすることで,トップシート10が全体的又は部分的に二つ折りとなっても,接合部40同士が完全に重なり合うことを回避できる。従って,本発明によれば,トップシート10が折り重なった領域においても,尿などの液体を効果的に吸収することが可能となる。
また,図3に示された例のように,接合部群の形状は,非接合部50の中心Cを対称中心とした回転対称性を有さない形状(非回転対称な形状)であることが好ましい。これにより,トップシート10を長手方向及び幅方向に二つ折りした場合のみならず,どのような方向にトップシート10を二つ折りにした場合であっても,接合部群をなす接合部40は,鏡合わせに完全に重なることがない。
さらに,接合部群を構成する複数の接合部40の形状は,すべて同一の形状であることが好ましい。詳しくは後述するが,第1の実施形態においては,各接合部40は,三方向に分岐したλ状となっている。各接合部40は,すべて形状,大きさ,及び向きが同一であり,千鳥状に規則的に並べて配置されている。このように,各接合部40の形状を統一することにより,トップシート10をムラなく接合することが可能となる。つまり,形状や大きさ,向きなどが異なる接合部を複数形成すると,形状が複雑な接合部や小さい接合部においては,上層シート11と下層シート12を融着し損じる可能性がある。これに対して,接合部40の形状等を統一することで,より確実に上層シート11と下層シート12とを融着させることができる。
また,接合部群を構成する複数の接合部40は,それぞれ,回転対称性を有さない形状であることが好ましい。従来のエンボスパターンにおいて,接合部は,円形,三角形,四角形,十字形,星形など,回転対称性を有する形状で構成されていた。これに対して,図3に示されるように,本発明において,接合部40は回転対称性を有さない形状(非回転対称な形状)となっている。これにより,ある接合部40上を通る折線において,トップシート10が二つ折りにされた場合であっても,その接合部40が鏡合わせに完全に重なり合うことを回避できる。つまり,本発明において,接合部40の形状は,どのように二つ折りにしても重なり合うことのない形状であることが好ましい。
以下では,エンボスパターンの実施形態について,さらに具体的に説明する。図2及び図3に示されるように,第1の実施形態において,非接合部50は,その一部が一方向に向かって延出した形状となっている。例えば,非接合部50の形状は,電球状,鍵穴状,ひょうたん状,又は洋なし状などと表すこともできる。具体的には,非接合部50は,比較的面積の大きい大領域51と,この大領域51から一方向にのみに向かって延出した比較的面積の小さい小領域52とから構成されている。大領域51と小領域52の間に境はなく,両者は一体に繋がっている。つまり,大領域51と小領域52の間には,接合部40は形成されていない。図に示されるように,大領域51と小領域52は,異なる形状となっている。例えば,大領域51は,ほぼ正円形状の領域となっている。また,小領域52は,非接合部50から正円形状の大領域51を除いた残りの領域である。図に示した例において,小領域52は,およそ長方形の領域として考えることができる。このため,図に示した好ましい形態において,非接合部50は,円形の大領域51と方形の小領域52とを一体的に組み合わせた形状を呈しているといえる。
大領域51と小領域52の面積を正確に測定することは難しい。ただし,図3に示されるように,非接合部50内において,まず正円形状の大領域51を画定し,その残りの部分に長方形の小領域52を画定した場合に,両者の幅(X軸方向の幅)を比較すると,明らかに,大領域51の幅の方が,小領域の幅よりも広くなる。同様に,非接合部50内において,まず正円形状の大領域51を画定し,その残りの部分に長方形の小領域52を画定した場合に,両者の長さ(Y軸方向の長さ)を比較すると,大領域51の長さの方が,小領域の長さよりも長くなる。このように,面積の大きい大領域51とは,小領域52と比較して,幅及び長さが大きくなる領域であるとしてもよい。同様に,面積の小さい小領域52とは,大領域51と比較して,幅及び長さが小さくなる領域であるとしてもよい。小領域52の幅と長さは,それぞれ,大領域51の幅と長さの半分(1/2)以下であることが好ましい。
また,図2に示されるように,トップシート10のエンボスパターンには,実質的に同一の形状の非接合部50が規則的に複数形成される。さらに,各非接合部50は,大領域51から小領域52が延出する方向が,すべて同じ方向となっている。このため,トップシート10の表面には,統一性のある規則的な模様が表れ,見た目的に美しいものとなる。
上記した特殊な形状の非接合部50は,複数の特殊な形状の接合部40によって形成される。図1〜図3に示されるように,本発明において,接合部40は,3本の線部41〜43が異なる三方向に分岐した形状であることが好ましい。図1〜図3に示した例において,各接合部40は,“λ”のような形状を呈している。また,トップシート10のエンボスパターンは,同じ形状(λ状)の接合部40によって形成することができる。
図3を参照して,第1の実施形態に係るエンボスパターンの接合部40の形状と配置について詳しく説明する。図3に示されるように,接合部40は,第1線部41,第2線部42,第3線部43が,それらの連結部44から異なる方向に向かって分岐した形状となっている。言い換えると,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の基端(一端)は連結部44において連結しており,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の先端(他端)は,それぞれが異なる方向を向いている。また,少なくとも,第1線部41と第2線部42は,円弧状に湾曲した形状,若しくは1点以上の屈折点で屈曲した形状であることが好ましい。図3に示した例では,第1線部41と第2線部42は,円弧状に湾曲している。また,図3に示されるように,円弧状の第1線部41と第2線部42は,弧が膨らむ方向(弧が反っている方向)が互いに反対方向であることが好ましい。つまり,第1線部41と第2線部42とが連結することで,緩やかなS字状をなしている。また,第3線部43は,第1線部41と第2線部42と同様に円弧状であってもよいし,直線状とすることもできる。また,第1線部41と第2線部42が延びる方向と,第3線部43が延びる方向は,およそ直交していることが好ましい。例えば,図1〜図3に示した例では,第1線部41と第2線部42は,およそ長手方向(Y軸方向)に向かって延びているのに対し,第3線部43は,およそ幅方向(X軸方向)に向かって延びている。なお,第1線部41と第2線部42の延びる方向は,およそ反対方向である。例えば,第1線部41がY軸の正方向(図の上方)に向かって延びているのに対し,第2線部42がY軸の負方向(図の下方)に向かって延びている。このような意味において,第1線部41と第2線部42が延びる方向と,第3線部43が延びる方向は,およそ直交している。なお,第1線部41と第2線部42が,幅方向(X軸方向)に向かって延び,第3線部43が,長手方向(Y軸方向)に向かって延びていてもよい。
また,図3に示されるように,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43は,それぞれ長さが異なっていてもよい。図3に示した例では,第1線部41が,第2線部42よりも長く,第2線部42が第3線部43よりも長くなっている(第1線部41>第2線部42>第3線部43)。また,各線部41〜43がすべて円弧状に形成されている場合,各線部41〜43の曲率(又は曲率半径)は,異なっていてもよいし同じであってもよい。図に示した例では,各線部41〜43の曲率はすべて同じ値となっている。
図3に示されるように,ある一つの非接合部50の周囲には,3つの接合部40が位置している。ある一つの非接合部50の周囲に位置する3つの接合部40を,それぞれ,第1接合部40a,第2接合部40b,及び第3接合部40cと定義する。この場合に,ある一つの非接合部50は,以下の(i)〜(vi)の要素によって,周囲を画定されている。
(i)第1接合部40aの第1線部41と第2線部42
(ii)第2接合部40bの第2線部42と第3線部43
(iii)第3接合部40cの第3線部43と第1線部41
(iv)第1接合部40aの第1線部41と第2接合部40bの第3線部43の間の第1間隙61
(v)第2接合部40bの第2線部42と第3接合部40cの第1線部41の間の第2間隙62
(vi)第3接合部40cの第3線部43と第1接合部40aの第2線部42の間の第3間隙63
つまり,図3に示されるように,まず,第1接合部40aの第1線部41の先端と,第2接合部40bの第3線部43の先端とが,突き合うように(近くなるように)接合部40を形成する。その間に,第1間隙61が形成される。また,第2接合部40bの第2線部42の先端と,第3接合部40cの第1線部41の先端とが,突き合うように(近くなるように)接合部40を形成する。その間に,第2間隙62が形成される。さらに,第3接合部40cの第3線部43の先端と,第1接合部40aの第2線部42の先端とが,突き合うように(近くなるように)接合部40を形成する。その間に第3間隙63が形成される。なお,第1間隙61,第2間隙62,及び第3間隙63は,0.1mm〜20mm程度の距離とすればよい。このような法則に従って,複数の接合部40を配置していき,規則的なエンボスパターンを形成する。
図3に示されるように,上記(i)〜(vi)の要素によって周囲を画定された非接合部50には,円形の大領域51と方形の小領域52とが形成される。円形の大領域51の周囲は,第1接合部40aの第1線部41,第2接合部40bの第2線部42・第3線部43,第1間隙61,及び第2間隙62によって画定される。ここで,第1接合部40aの第1線部41と,第2接合部40bの第2線部42・第3線部43は,非接合部50(大領域51)の外側に向かって膨らむように湾曲している。このため,大領域51は,ほぼ円形となって,その面積が大きくなる。他方,方形の小領域52の周囲は,第1接合部40aの第2線部42,第3接合部40cの第1線部41・第3線部43,及び第3間隙63によって画定される。ここで,第1接合部40aの第2線部42と,第3接合部40cの第1線部41・第3線部43は,非接合部50(小領域52)の内側に向かって膨らむように湾曲している。このため,小領域52はその面積が小さくなる。
また,図2及び図3に示されるように,複数の非接合部50は,それぞれ,接合部40によって区分された独立した領域となっており,他の非接合部50と繋がっていないといえる。ただし,厳密に言うと,間隙61〜63の隙間を通じて非接合部50同士が繋がっているとも捉えることもできる。しかし,図3に示されるように,間隙61〜63は,3つの接合部40の線部の先端が突き合った領域であることから,上層シート11と下層シート12を実際に接合すると,この間隙61〜63も,接合部40と同程度に凹状に窪むこととなる。少なくとも,間隙61〜63は,凸状に隆起しない。具体的には,ある一つの非接合部50の周囲に位置する間隙61〜63のそれぞれは,3つの接合部40の第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の先端が突き合った領域となる。このため,3つの接合部40が形成された結果,この間隙61〜63は,3つの接合部40とともに潰れる,若しくは隆起が抑制される。従って,隣接した凸状の非接合部50は,間隙61〜63を通じて繋がるということはなく,実質的には,凸状の各非接合部50は,独立したものとなる。また,図2及び図3に示されるように,各接合部40の第3線部43は,長手方向(Y方向)に隣接する非接合部50同士が繋がらないように区分けしている。この点において,接合部40の第3線部43は重要な意味を持つ。
続いて,図4を参照して,第1の実施形態に係るエンボスパターンの設計方法の一例について説明する。図4に示されるように,まず前提として,ある程度の幅のある複数の仮想的な正円が,互いの幅部分が重畳するように接して配置された格子状のパターンを想定する。つまり,格子状のパターンとは,ある仮想正円が90度間隔で他の仮想正円に接するように配置されたパターンである。複数の仮想正円は,すべて同じ半径(r)で形成されている。仮想円の半径(r)は,1.0mm〜11.0mmの範囲であることが好ましく,より好ましくは2.0mm〜5.0mmである。なお,仮想正円の幅は,接合部40の幅に一致する。
この場合に,まず,接合部40の第1線部41は,ある仮想正円の円周に沿って湾曲する円弧状に形成される。第1線部41の長さLは,[式]L=2πr×(θ/360)で求められる。ここで,“r”は,仮想正円の半径である。また,“θ”は,第1線部41の先端と基端をそれぞれ仮想正円の中心と直線で結んだときに,各直線のなす角(つまり扇形の角度)である。例えば,θは,60〜100度,70度〜90度,又は75度〜85度とすればよい。
また,接合部40の第2線部42と第3線部43は,上記した第1線部41とは別の仮想正円の円周に沿って形成される。つまり,第2線部42と第3線部43は,第1線部41が形成された仮想正円に隣接する仮想正円の円周上に位置する。このため,各線部41〜43の連結部44は,隣接する2つの仮想正円の境界に位置する。また,第2線部42と第3線部43は,同じ仮想正円の円周上に位置している。従って,第2線部42と第3線部43は,一体として,一つの円弧状を形成している。このため,各接合部40は,第1線部41がなす円弧と,第2線部42と第3線部43とがなす円弧との,2つの円弧を組み合わせた形状であるともいえる。
第2線部42の長さLは,[式]L=2πr×(θ/360)で求められる。“θ”は,第2線部42の先端と基端をそれぞれ仮想正円の中心と直線で結んだときに,各直線のなす角(つまり扇形の角度)である。例えば,θは,45〜85度,50度〜80度,又は55度〜70度とすればよい。また,第3線部43の長さLは,[式]L=2πr×(θ/360)で求められる。“θ”は,第3線部43の先端と基端をそれぞれ仮想正円の中心と直線で結んだときに,各直線のなす角(つまり扇形の角度)である。例えば,θは,5度〜45度,10度〜40度,又は20度〜35度とすればよい。また,図4に示されるように,θとθの和は,90度(±5度)となることが好ましい。
このようにすれば,特殊な形状の接合部40を比較的簡単に設計することができる。また,各接合部40の配置は,格子状に配置された仮想正円のパターンを基礎としたものであるため,各接合部40を規則的に配置することができる。なお,各線部41〜43の先端にはR加工を施して,滑らかな曲線とすることが好ましい。また,第1線部41と第3線部43の連結箇所には,鋭角が形成されることとなるため,この連結箇所にもR加工を施して曲線とすることが好ましい。
図5は,第1の実施形態に係るトップシート10の断面を模式的に示している。図5(b)は,図5(a)に示したY−Y線における断面図であり,図5(c)は,図5(a)に示したX−X線における断面図である。図5(b)及び図5(c)に示されるように,複数の接合部40によって囲まれた非接合部50は,それぞれ,一つの大領域51と一つの小領域52のみからなる。また,上層シート11は,大領域51と小領域52において,凸状に隆起している。そして,大領域51において上層シート11が隆起する高さは,小領域52において上層シート11が隆起する高さよりも高くなっている。例えば,小領域52の高さHを100%としたときに,大領域51の高さHは,120%〜300%,130%〜250%,又は140%〜200%であることが好ましい。
また,図5(b)及び図5(c)に示されるように,非接合部50の大領域51及び小領域52は,内部に空間を保持したドーム状に形成されている。つまり,大領域51及び小領域52において,上層シート11は,下層シート12から離れて凸状に隆起している。このため,上層シート11と下層シート12の間に空間が形成される。この空間は,上層シート11や下層シート12を構成する繊維によって満たされてはいない。
大領域51及び小領域52をドーム状に形成するためには,上層シート11と下層シート12とを重ね合わせる前に,大領域51及び小領域52に相当する部位において,上層シート11を肌非対向面側(裏面側)から押圧して上層シート11を凸状に隆起させればよい。若しくは,大領域51及び小領域52に相当する部位において,上層シート11を肌対向面側(表面側)から吸引して上層シート11を凸状に隆起させることもできる。そして,その後,上層シート11と下層シート12とを重ね合わせて,各接合部40において両シートを接合することで,大領域51及び小領域52において,上層シート11と下層シート12の間に空間が形成される。このようにすれば,図5に示されるように,大領域51及び小領域52において,上層シート11を下層シート12から解離させて,内部に空間が保持された状態を形成できる。また,本実施形態では,大領域51の方が小領域52よりも高く隆起しており,その分,大領域51に形成される空間の方が,小領域に52に形成される空間よりも広くなっている。例えば,大領域51と小領域52を形成する際に,上層シート11を肌非対向面側から押圧する高さを調節することで,大領域51を比較的高く隆起させ小領域52を比較的低く隆起させるといった調整が可能となる。若しくは,上層シート11を肌対向面側から吸引する吸引力を調節することで,大領域51を比較的高く隆起させ小領域52を比較的低く隆起させることも可能である。
上記のように,大領域51と小領域52の高さを異ならせるとともに,これら両領域内に空間を形成することで,トップシート10に液体が接触したときに,その液体を大領域51から小領域52へと素早く移行させることができる。つまり,液体は,高さの高い大領域51から,高さの低い小領域52へと流れ落ちる。また,液体は,空間の広い大領域51よりも,空間の狭い小領域52へと吸い寄せられる。このため,液体が触れることで湿潤した場合であっても,大領域51の頂部が素早く乾燥するようになる。大領域51は,その面積が大きく,また高さが高いものであるため,着用者の肌に触れやすい。従って,大領域51の頂部の乾燥時間を短縮することで,着用者の肌に液体が触れている時間を短くすることができ,不快感を与えることを防止できる。他方,小領域52には,大領域51から移行された液体が一時的に貯留される。このため,小領域52は,大領域51と比較して完全に乾燥するまでに時間がかかるといえる。ただし,小領域52は,面積が小さく高さが低いものであるため,着用者の肌に触れにくい。このため,小領域52が乾燥するのに時間がかかったとしても,着用者に不快感を与えにくいといえる。また,小領域52に空間を形成しておくことで,小領域52の乾燥時間を短縮することができる。また,本発明のトップシート10は,一つの大領域51に対して,小領域52が一箇所にのみ設けられている。このため,大領域51に接した液体は,その大領域51から延出する小領域52に向かって一方向にのみ移動する。つまり,本発明のトップシート10では,液体が大領域51の周囲に四方八方に分散して,液体を一時貯留する部位が多くなり過ぎてしまうということがない。液体を貯留する部位が大領域51の周囲に多数(二箇所以上)存在していると,着用者の肌が,その液体貯留部位に触れる可能性が高まるというデメリットがある。また,着用者の肌に触れる液体貯留部位の数が増加するおそれがある。このため,着用者に対して不快感を与えてしまう。これに対し,本発明のように,液体を貯留するための小領域52を一つの大領域51に対して一箇所のみとすることで,液体貯留部位の数を最小限に抑えることができる。従って,本発明よれば,着用者に不快感を生じさせないように,液体の一時貯留部位を適切にコントロールできる。
また,図5に示されるように,大領域51と小領域52のそれぞれを,空間を保持したドーム状としておくことで,大領域51と小領域52とで押圧に対する反発力を同程度とすることができる。これに対し,例えば,大領域51と小領域52のいずれか一方の内部が繊維によって満たされた状態であると,これらの両領域の間の反発力に大きな差異が生じ,反発力の大きい部位と小さい部位とがトップシート10上に細かく分散されることとなる。このため,トップシート10全体がデコボコとした触感となり,肌触りが損なわれるという懸念がある。そこで,本実施形態のように,大領域51と小領域52の両方に空間を形成し,両領域の反発力を同程度とするか緩やかな差異に留めることで,トップシート10全体の触感がより柔軟になるものと期待される。
続いて,図6を参照して,上記したトップシート10の製造方法について説明する。図6は,トップシート10を構成する上層シート11と下層シート12のうち,上層シート11に凸状の隆起部分を形成し,その後,上層シート11と下層シート12とを所定のエンボスパターンで接合する方法を示している。図6に示されるように,トップシート10の製造装置は,ピンロール110と,エンボスロール120と,プレーンロール130とを備える。図6は,これらピンロール110,エンボスロール120,プレーンロール130の一部の断面構造を示している。
図6に示されるように,ピンロール110は,その周面を構成する平坦面111の複数箇所に,凸状に突起した突起部112を有している。ピンロール110の突起部112は,主に,トップシート10の上層シート11に,凸状に隆起した大領域51を形成するためのものである。このため,突起部112は,上層シート11の大領域51となる予定の部位と接触する位置に設けられる。
エンボスロール120は,その周面を構成する平坦な丘部121と,この丘部121に所定パターンで配置された複数の凸状のエンボス突起122と,丘部121の間に位置する複数の凹状の窪み部123とを有している。エンボス突起122は,トップシート10の上層シート11と下層シート12とを所定のエンボスパターンで接合するためのものである。エンボスロール120のエンボス突起122は,加熱装置(図示省略)によって加熱されていてもよい。また,窪み部123は,ピンロール110の周面に設けられた複数の突起部112と対応した位置に設けられ,この突起部112を収めることができる形状となっている。このため,エンボスロール120の窪み部123は,ピンロール110の突起部112と協働して,上層シート11に凸状に隆起した大領域51を形成する。なお,エンボスロール120のエンボス突起122は,窪み部123が設けられている箇所には形成されていない。
また,図6に示されるように,エンボスロール120の回転方向において,2つの窪み部123の間に,丘部121が設けられている。このとき,本実施形態において,エンボス突起122は,丘部121のうち,回転方向前側の窪み部123に寄った位置に形成されている。つまり,エンボス突起122は,回転方向前側の窪み部123と回転方向後側の窪み部123のうち,回転方向前側の窪み部123に寄った位置に形成されている。このため,丘部121には,エンボス突起122と回転方向後側の窪み部123との間に,中段領域121aが存在することとなる。この中段領域121aは,エンボスロール120の径方向に見て,窪み部123よりも高い位置に存在するものの,エンボス突起122よりは低い位置に存在している領域である。このため,中段領域121aは,その高さが,窪み部123がエンボス突起122の間となる。この中段領域121aは,トップシート10の上層シート11に,凸状に隆起した小領域52を形成するためのものである。従って,中段領域121aは,上層シート11に大領域51を形成するための窪み部123に隣接した位置に設けられる。なお,図6に示した例では,エンボス突起122は,丘部121のうち,回転方向前側の窪み部123に寄った位置に形成されている。ただし,エンボス突起122は,丘部121のうち,回転方向後側の窪み部123に寄った位置に形成することも可能である。
また,図6に示されるように,エンボスロール120は,吸引装置124に連結されていることが好ましい。吸引装置124は,ファンなどによって空気を吸引する公知のものを採用することができる。また,図6に示されるように,この吸引装置124の吸引孔125は,エンボスロール120の窪み部123の底部に連通している。このため,ピンロール110の突起部112によってエンボスロール120の窪み部123内へと押し込まれた上層シート11は,部分的に,吸引孔125を介して吸引装置124によって吸引されることとなる。このように,吸引装置124を利用して,窪み部123に押し込まれた上層シート11の一部を吸引することで,上層シート11に形成される大領域51をより高く隆起させることが可能になる。
プレーンロール130は,その周面が平滑面となっている。プレーンロール130は,エンボスロール120のエンボス突起122との間で,トップシート10の上層シート11と下層シート12とを挟み込み,加圧及び加熱して,両シートを熱融着させるためのものである。プレーンロール130の周面は,金属製であってもよいしラバー製であってもよい。また,プレーンロール130の周面は,加熱装置(図示省略)によって加熱されていてもよい。
図6に示されるように,ピンロール110とエンボスロール120は対向して配置され,これら両ロールの間に,上層シート11が導入される。また,エンボスロール120とプレーンロール130が対向して配置され,これらの両ロールの間に,上層シート11と下層シート12とが重なり合った状態で導入される。
続いて,製造装置の動作について説明する。図6に示されるように,原反ロール(図示省略)から繰り出された上層シート11は,一又は複数のガイドロール(図示省略)を経由して,ピンロール110とエンボスロール120の間に導入される。上層シート11は,肌非対向面(着用者の肌に直接触れない面)がピンロール110に接し,肌対向面(着用者の肌に直接触れる面)がエンボスロール120に接する。このとき,上層シート11は,ピンロール110の突起部112に押圧されながら,エンボスロール120の窪み部123に嵌り込む。これと同時に,窪み部123に嵌り込んだ上層シート11の一部は,窪み部123の底部に設けられた吸引孔125を介して,吸引装置124によって吸引される。これにより,窪み部123に嵌り込んだ上層シート11の一部が凸状に隆起する。このようにして,上層シート11には,肌対向面側に向かってドーム状に隆起する部分,すなわち非接合部50の大領域51が形成される。その後,上層シート11は,エンボスロール120の周面に当接したまま,エンボスロール120とプレーンロール130の間に導入される。
他方,他の原反ロール(図示省略)から繰り出された下層シート12は,一又は複数のガイドロール(図示省略)を経由して,エンボスロール120とプレーンロール130の間に導入される。エンボスロール120とプレーンロール130の間において,上層シート11と下層シート12とが重なり合う。このとき,上層シート11の肌対向面側がエンボスロール120に接し,下層シート12の肌非対向面側がプレーンロール130に接する。上層シート11と下層シート12は積層した状態で,エンボスロール120とプレーンロール130の間に挟み込まれて,加熱及び加圧されることで互いに熱融着する。このとき,上層シート11と下層シート12は,エンボスロール120の周面に形成された複数のエンボス突起122のエンボスパターンに応じて熱融着されることとなる。これにより,トップシート10には,肌非対向面側に向かって窪む凹状の接合部40が複数形成される。一方,エンボスロール120のうち,エンボス突起122と窪み部123との間に位置する中段領域121aに相当する部位において,上層シート11は,下層シート12には接合されない。ただし,中段領域121aに相当する部位において,上層シート11は,エンボスロール120の窪み部123には嵌り込むこともない。このため,中段領域121aに相当する部位において,上層シート11は,接合部40よりも高く隆起するものの,非接合部50の大領域51よりは低い状態となる。従って,中段領域121aに相当する部位に,肌対向面側に向かってドーム状に小さく隆起する部分,すなわち非接合部50の小領域52が形成される。このようにして,上層シート11と下層シート12は,エンボスロール120のエンボス突起122に接触した部位が接合部40となり,複数の接合部40によって周囲を囲われた領域が非接合部50の大領域51又は小領域52となる。このように,上層シート11をピンロール110によって押圧した後,上層シート11と下層シート12とをエンボスロール120で接合することで,非接合部50の大領域51と小領域52とを,内部に空間を保持するドーム状とすることができる。
続いて,再び図1を参照して,本発明のトップシート10の好ましい形態について説明する。図1に示されているように,トップシート10には,接合部40が形成されている領域の間に,幅方向全体に亘って接合部40が形成されていない接合部不形成領域70が設けられている。この幅方向に延びる帯状の接合部不形成領域70では,接合部40のパターンが途切れている。例えば,接合部不形成領域70の長手方向(Y軸方向)の長さは,上述した接合部40の第1線部41の長さ(L)以上であることが好ましい。例えば,接合部不形成領域70の長手方向(Y軸方向)の長さは,3mm〜10mm,又は4mm〜9mm程度であることが好ましい。また,接合部不形成領域70は,二箇所以上に設けることもできる。
また,接合部不形成領域70において,トップシート10は,着用者の肌に当接する方向に向かって凸状に隆起していることが好ましい。このように,接合部不形成領域70を隆起させることで,液体を塞き止めることができるため,液体の漏出を防止できる。
また,接合部不形成領域70において,トップシート10は,着用者の肌に当接しない方向に向かって凹状に窪んでいてもよい。このように,接合部不形成領域70を窪ませることで,液体をトップシート10の裏側に位置する吸収体30へと素早く移行するため,液体の漏出を防止できる。
[2.第2の実施形態]
図7は,第2の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図を示している。図7に示されるように,第2の実施形態においても,第1の実施形態と同様に,一つの非接合部50を囲う複数の接合部40からなる接合部群は,対称性を有しない形状となっている。すなわち,第2の実施形態において,接合部群は,以下の要件を満たしている。
(1)幅方向に沿った対称軸Hに対して線対称ではない(前後非線対称)。
(2)長手方向に沿った対称軸Vに対して線対称ではない(左右非線対称)。
(3)非接合部50の中心Cを対称中心とした回転対称性を有さない(非回転対称)。
(4)接合部群を構成する複数の接合部40は,すべて同一である。
(5)接合部群を構成する複数の接合部40は,それぞれ回転対称性を有さない。
具体的に説明すると,図7に示されるように,第2の実施形態に係るエンボスパターンにおいて,接合部40は,第1線部41,第2線部42,第3線部43が,それらの連結部44から異なる方向に向かって分岐した形状となっている。言い換えると,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の基端(一端)は連結部44において連結しており,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の先端(他端)は,それぞれが異なる方向を向いている。また,少なくとも,第1線部41と第2線部42は,円弧状又はS字状に湾曲した形状,若しくは1点以上の屈折点で屈曲した形状である。図7の例では,第1線部41は,円弧状であり,第2線部23は,S字状に湾曲している。図7に示されるように,円弧状の第1線部41とS字状の第2線部42は,連結部44付近においては,弧が膨らむ方向(弧が反っている方向)が互いに同じ方向である。つまり,第1線部41と第2線部42とが連結することで,緩やかな大きいS字状をなしている。また,第3線部43は,第1線部41と第2線部42と同様に円弧状であってもよいし,直線状とすることもできる。また,第1線部41と第2線部42が延びる方向と,第3線部43が延びる方向は,およそ直交している
また,図7に示されるように,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43は,それぞれ長さが異なっている。図7に示した例では,第2線部42が,第1線部41よりも長く,第1線部41が第3線部43よりも長くなっている(第2線部42>第1線部41>第3線部43)。また,各線部41〜43がすべて円弧状に形成されている場合,各線部41〜43の曲率(又は曲率半径)は,異なっていてもよいし同じであってもよい。
図7に示されるように,上記形状の接合部40は,間隔を空けて,規則的に配置されている。具体的には,同一の形状,大きさ,及び向きを有する複数の接合部40が,長手方向に一定の間隔をあけて列状に並べて配置されているとともに,この接合部40の列が幅方向に向かって複数列形成されている。また,隣接する接合部40の列では,各接合部40が長手方向に互い違いに並べられており,いわゆる千鳥状の配置となっている。また,各接合部40は,長手方向及び幅方向に沿って一直線上に並べられている。これにより,3つの接合部40によって囲われるように,非接合部50が形成される。非接合部50としては,図7に示されるように,略円形状の大領域51と略四角形状の小領域52とが存在する。第2の実施形態においては,大領域51と小領域52との間に接合部40が位置している。この点において,第2の実施形態は,上述した第1の実施形態とは異なる。
[3.第3の実施形態]
図8は,第3の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図を示している。図8に示されるように,第3の実施形態においても,第1の実施形態と同様に,一つの非接合部50を囲う複数の接合部40からなる接合部群は,対称性を有しない形状となっている。すなわち,第3の実施形態において,接合部群は,以下の要件を満たしている。
(1)幅方向に沿った対称軸Hに対して線対称ではない(前後非線対称)。
(2)長手方向に沿った対称軸Vに対して線対称ではない(左右非線対称)。
(3)非接合部50の中心Cを対称中心とした回転対称性を有さない(非回転対称)。
(4)接合部群を構成する複数の接合部40は,すべて同一である。
(5)接合部群を構成する複数の接合部40は,それぞれ回転対称性を有さない。
具体的に説明すると,図8に示されるように,第3の実施形態に係るエンボスパターンにおいて,接合部40は,第1線部41,第2線部42,第3線部43が,それらの連結部44から異なる方向に向かって分岐した形状となっている。言い換えると,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の基端(一端)は連結部44において連結しており,第1線部41,第2線部42,及び第3線部43の先端(他端)は,それぞれが異なる方向を向いている。また,少なくとも,第1線部41は,円弧状に湾曲した形状,若しくは1点以上の屈折点で屈曲した形状である。図8の例では,第1線部41は円弧状である。他方,第2線部42と第3線部43は,第1線部41と同様に円弧状であってもよいし,直線状とすることもできる。また,第2線部42と第3線部43が延びる方向は,およそ直交している
また,図8に示されるように,第1線部41は,第2線部42及び第3線部43と長さが異なっている。他方,第2線部42と第3線部43とは,およそ長さが等しい。図8に示した例では,第1線部41が,第2線部42及び第3線部よりも長く,第2線部42が第3線部43とおよそ等しくなっている(第1線部41>第2線部42=第3線部43)。また,各線部41〜43がすべて円弧状に形成されている場合,各線部41〜43の曲率(又は曲率半径)は,異なっていてもよいし同じであってもよい。また,図8に示されるように,第1線部41と第2線部42が繋がることで,およそ半円状を形成している。
図8に示されるように,上記形状の接合部40は,間隔を空けて,規則的に配置されている。具体的には,同一の形状,大きさ,及び向きを有する複数の接合部40が,長手方向に一定の間隔をあけて列状に並べて配置されているとともに,この接合部40の列が幅方向に向かって複数列形成されている。また,隣接する接合部40の列では,各接合部40が長手方向に互い違いに並べられており,いわゆる千鳥状の配置となっている。また,各接合部40は,長手方向及び幅方向に沿って一直線上に並べられている。これにより,3つの接合部40によって囲われるように,非接合部50が形成される。非接合部50としては,図8に示されるように,略円形状の大領域51と略四角形状の小領域52とが存在する。第3の実施形態においては,大領域51と小領域52との間に接合部40が位置している。この点において,第3の実施形態は,上述した第1の実施形態とは異なる。
[4.第4の実施形態]
図9は,第4の実施形態に係るトップシートに形成されたエンボスパターンの拡大図を示している。図9に示されるように,第4の実施形態においても,第1の実施形態と同様に,一つの非接合部50を囲う複数の接合部40からなる接合部群は,対称性を有しない形状となっている。すなわち,第4の実施形態において,接合部群は,以下の要件を満たしている。
(1)幅方向に沿った対称軸Hに対して線対称ではない(前後非線対称)。
(2)長手方向に沿った対称軸Vに対して線対称ではない(左右非線対称)。
(3)非接合部50の中心Cを対称中心とした回転対称性を有さない(非回転対称)。
(4)接合部群を構成する複数の接合部40は,すべて同一である。
(5)接合部群を構成する複数の接合部40は,それぞれ回転対称性を有さない。
具体的に説明すると,図9に示されるように,第4の実施形態に係るエンボスパターンにおいて,接合部40は,第1線部41,第2線部42,第3線部43,及び第4線部45が,それらの連結部44から異なる方向に向かって分岐した形状となっている。本実施形態において,連結部44は,一定の長さをもつ線状をなしている。そして,線状の連結部44の一端に第1線部41と第4線部45が連結し,線状の連結部44の他端に第2線部42と第3線部43が連結している。また,少なくとも,第1線部41は,円弧状に湾曲した形状,若しくは1点以上の屈折点で屈曲した形状である。図9の例では,第1線部41は,円弧状となっている。また,第2線部42,第3線部43,及び第4線部45は,円弧状であってもよいし,直線状とすることもできる。また,第1線部41と第4線部45が延びる方向はおよそ直交し,第2線部42と第3線部が延びる方向はおよそ直交している。
また,図9に示されるように,第1線部41は,第2線部42,第3線部43,及び第4線部45とは,その長さが異なっている。図9に示した例では,第1線部41が,他の線部42,43,45よりも長くなっており,これらの他の線部42,43,45は長さがおよそ等しくなっている(第1線部41>第2線部42=第3線部43=第4線部45)。また,各線部41,42,43,45がすべて円弧状に形成されている場合,各線部の曲率(又は曲率半径)は,異なっていてもよいし同じであってもよい。
図9に示されるように,上記形状の接合部40は,間隔を空けて,規則的に配置されている。具体的には,同一の形状,大きさ,及び向きを有する複数の接合部40が,長手方向に一定の間隔をあけて列状に並べて配置されているとともに,この接合部40の列が幅方向に向かって複数列形成されている。また,隣接する接合部40の列では,各接合部40が長手方向に互い違いに並べられており,いわゆる千鳥状の配置となっている。また,各接合部40は,長手方向及び幅方向に沿って一直線上に並べられている。これにより,3つの接合部40によって囲われるように,非接合部50が形成される。非接合部50としては,図9に示されるように,略円形状の大領域51と略四角形状の小領域52とが存在する。第4の実施形態においては,大領域51と小領域52との間に接合部40が位置している。この点において,第4の実施形態は,上述した第1の実施形態とは異なる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,使い捨ておむつなどの吸収性物品用のトップシートに関する。このため,本発明は,使い捨ておむつなどの製造業において好適に利用し得る。
10…トップシート 11…上層シート 12…下層シート
20…バックシート 30…吸収体 40…接合部
41…第1線部 42…第2線部 43…第3線部
44…連結部 45…第4線部 50…非接合部
51…大領域 52…小領域 61…第1間隙
62…第2間隙 63…第3間隙 70…接合部不形成領域
100…吸収性物品 110…ピンロール 111…平坦部
112…突起部 120…エンボスロール 121…丘部
121´…中段領域 122…エンボス突起 123…窪み部
124…吸引装置 125…吸引孔 130…プレーンロール

Claims (4)

  1. 長手方向と幅方向を有する吸収性物品のトップシート(10)であって,
    上層シート(11)と,
    下層シート(12)と,
    前記上層シート(11)と前記下層シート(12)を接合する複数の接合部(40)と,
    複数の前記接合部(40)によって囲われた複数の非接合部(50)と,を有し,
    一つの前記非接合部(50)を囲う複数の前記接合部(40)からなる接合部群の形状は,当該非接合部(50)の中心(C)を通る前記幅方向に沿った対称軸(H)に対して線対称でなく,前記非接合部(50)の中心(C)を通る前記長手方向に沿った対称軸(V)に対して線対称でなく,かつ,前記非接合部(50)の中心(C)を対称中心とした回転対称性を有さない形状である
    トップシート。
  2. 前記接合部群を構成する複数の接合部(40)の形状は,すべて同一の形状であり,それぞれが回転対称性を有さない形状である
    請求項に記載のトップシート。
  3. 前記接合部(40)は,互いに連結した第1線部(41),第2線部(42),及び第3線部(43)が,連結部(44)から異なる方向に分岐した形状であり,
    一つの前記非接合部(50)の周囲には,3つの接前記合部(40)が位置しており,当該3つの接合部(40)を,それぞれ,第1接合部(40a),第2接合部(40b),及び第3接合部(40c)とした場合に,
    前記一つの前記非接合部(50)は,
    前記第1接合部(40a)の第1線部(41)と第2線部(42),
    前記第2接合部(40b)の第2線部(42)と第3線部(43),
    前記第3接合部(40c)の第3線部(43)と第1線部(41),
    前記第1接合部(40a)の第1線部(41)と前記第2接合部(40b)の第3線部(43)の間の第1間隙(61),
    前記第2接合部(40b)の第2線部(42)と前記第3接合部(40c)の第1線部(41)の間の第2間隙(62),及び
    前記第3接合部(40c)の第3線部(43)と前記第1接合部(40a)の第2線部(42)の間の第3間隙(63)によって,
    周囲を画定されている
    請求項1又は請求項に記載のトップシート。
  4. 液透過性のトップシート(10)と,液不透過性のバックシート(20)と,前記トップシート(10)と前記バックシート(20)の間に配置された吸収体(30)とを備え,長手方向と幅方向を有する吸収性物品であって,
    前記トップシート(10)は,
    上層シート(11)と,
    下層シート(12)と,
    前記上層シート(11)と前記下層シート(12)を接合する複数の接合部(40)と,
    複数の前記接合部(40)によって囲われた複数の非接合部(50)と,を有し,
    一つの非接合部(50)を囲う複数の接合部(40)からなる接合部群の形状は,当該非接合部(50)の中心(C)を通る前記幅方向に沿った対称軸(H)に対して線対称でなく,前記非接合部(50)の中心(C)を通る前記長手方向に沿った対称軸(V)に対して線対称でなく,かつ,前記非接合部(50)の中心(C)を対称中心とした回転対称性を有さない形状である
    吸収性物品。
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