JP6375303B2 - ボラジン環含有重合体、その組成物、ボラジン架橋体及びそれらを用いた電子材料 - Google Patents

ボラジン環含有重合体、その組成物、ボラジン架橋体及びそれらを用いた電子材料 Download PDF

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Description

本発明は、新規なボラジン環含有重合体、ボラジン組成物、ボラジン架橋体及びそれらを用いた電子材料に関するものである。ボラジン環含有重合体は、単独で架橋させるか、または各種の架橋剤と反応させることにより、耐熱性、透明性、誘電特性、熱伝導性、ガスバリア性、硬度、耐薬品性、耐候性、絶縁性、低屈折性、耐加水分解性、耐昇華性及び加工性に優れた材料を与えることができ、積層板、層間絶縁膜、封止材等の電子材料、塗料、接着剤等各種用途に使用できる。
ボラジン環含有重合体(ボラジン重合体ともいう。)は耐熱性、透明性、誘電特性、熱伝導性、ガスバリア性、硬度、耐薬品性、耐候性及び電荷輸送性に優れ、高耐熱材料、低誘電材料、高放熱材料及び低屈折材料として期待されている。例えば、無置換及びハロゲノ基を有する化合物(特許文献1)、アミノボラジン(特許文献2及び3)、ポリアミノボラジン(特許文献4)、アルキルボラジン(特許文献5)、ボラジン・シロキサンポリマー(特許文献6)、多環芳香族基を有する化合物(特許文献7)等の様々な検討が行われている。しかしながら、上記無置換体及びハロゲノ基を有する化合物は、加水分解し易い。上記アミノボラジン、アルキルボラジン及び多環芳香族を有する化合物は、加水分解性は改善されているが、昇華性があり溶剤溶解性も低いために取り扱いが困難である。上記ボラジン・シロキサンポリマーは取り扱い性が向上されているが、溶剤溶解性が不十分であり、製膜性等の加工性に欠点を有し、熱安定性も不十分であった。さらに、金属重合触媒の分離が困難であるため、透明性も低い。
特開昭61−10090号公報 特開平1−290510号公報 特開平7−292120号公報 特開2008−239796号公報 特開2005−104869号公報 特開2005−85962号公報 特開2005−170857号公報
上記のように、従来のボラジン化合物は、耐加水分解性等の安定性または取扱い性、製膜性等の加工性、及び熱安定性に問題があった。
本発明者等は、上記の従来技術における実状に鑑みて、ボラジン化合物をシロキサンイミドと反応させて得られるボラジン環含有重合体及び上記ボラジン環含有重合体と架橋剤との架橋体が優れることを見出した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を含むことを特徴とするボラジン環含有重合体である。
Figure 0006375303
式中、A1〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を表す。Z1及びZ2はそれぞれ独立して、炭素数2〜12の炭化水素からなる原子団であり、縮合環を形成する環構造を有しても良い。Yは、主鎖にケイ素原子を2以上含む、直鎖、環状またはかご型のシロキサン結合を含む原子団を表し、シロキサン結合を構成するケイ素原子には、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基が結合する。
前記ケイ素原子に結合する一価の置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基W(置換基Wは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。)で置換されてもよいフェニル基、または置換基Wで置換されてもよいナフチル基があり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
前記ボラジン環含有重合体おいて、一般式(1)における少なくとも1つのB‐には末端基が結合することができ、その末端基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のアルコキシシリル基含有アルキルアミノ基、炭素数7〜30のアラルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、炭素数2〜30のエステル基、ヒドロキシル基、エテニル基、エチニル基、アクリロイル基、イソシアネート基、またはイミド基がある。また、別の観点からその末端基としては、炭素数2〜30の2級アミノ基がある。
また、本発明は前記のボラジン環含有重合体と架橋剤を含有することを特徴とするボラジン重合体組成物、及びこのボラジン重合体組成物を架橋反応させてなることを特徴とするボラジン架橋体である。更に、本発明は前記のボラジン環含有重合体からなる電子材料、又は前記のボラジン架橋体からなる電子材料である。
本発明のボラジン環含有重合体は、ボラジン環とシロキサン結合を有する原子団とがイミド結合を介して結合した構造を有する重合体であり、耐熱性、柔軟性、熱分解安定性、溶剤溶解性、透明性、低屈折率性、耐昇華性及び成膜性等の加工性に優れた材料を与えることができる。さらに、このボラジン環含有重合体を単独で架橋させるか、または各種の架橋剤と反応させることにより、耐熱性、透明性、誘電特性、熱伝導性、ガスバリア性、硬度、耐薬品性、耐候性、絶縁性、低屈折性及び耐加水分解性に優れた材料を与えることができる。さらに、こうしたボラジン環含有重合体や架橋体は、金属重合触媒の分離が容易であるため、透明性も高く、耐候性にも優れる。そのため、積層板、層間絶縁膜、封止材等の電子材料、塗料、接着剤等各種用途に使用できる。
本発明のボラジン環重合体b‐1のH−NMRスペクトルを示す。
まず、本発明のボラジン環含有重合体について説明する。
本発明のボラジン環含有重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を有する。
ここで、A1〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を表す。A〜Aが一価の置換基である場合、この置換基には、特に制限はないが、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基等が好ましく挙げられる。前記アルキル基は、直鎖構造、分岐構造、環状構造のいずれでも良い。これらの置換基が炭素原子を有する場合、炭素数は1〜10の範囲が好ましい。
〜Aは、好ましくは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、又はアミノ基であり、より好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、さらに好ましくは、フェニル基、ナフチル基又はシクロヘキシル基である。これらの一価の置換基には、さらに一価の置換基が結合されても良く、好ましくはアルキル基又はフェニル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
及びZは、それぞれ独立して、炭素数2〜12の炭化水素からなる原子団であり、隣接するイミド基と一緒になって環構造を形成する。好ましくは、一般式(1)におけるイミド基を含む環構造が5員環の環状含窒素環となる炭化水素基である。このイミド基を含む環は、更に別の環構造と縮合しても良い。好ましい別の環構造は、ベンゼン環、シクロヘキセン環、ノルボルネン環、又はメチルノルボルネン環である。
Yは、主鎖にケイ素原子を2以上含み、直鎖、環状またはかご型のシロキサン結合を含む原子団を表し、シロキサン結合を構成するケイ素原子には、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基が結合する。一価の置換基の説明は、後記するR1〜R10の説明と同様である。
好ましいシロキサン結合を含む原子団の例を以下に示す。
直鎖状のシロキサン結合を含む原子団の例は、下記一般式(2)で表わされる。
Figure 0006375303
環状のシロキサン結合を含む原子団の例は、下記一般式(3)で表わされる。
Figure 0006375303
かご型のシロキサン結合を含む原子団の例は、シルセスキオキサン即ち、3官能シランを加水分解することで得られる(X−SiO1.5の構造を有するネットワーク型ポリマーまたは多面体クラスターを意味する。例えば、8面体構造、10面体構造、12面体構造がある。
一般式(2)及び(3)において、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基である。R1〜R10は好ましくは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、またはナフチル基であり、フェニル基、またはナフチル基は、置換基Wで置換されてもよい。ここで、Wは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。
一般式(2)において、nは1または2以上の整数を表す。好ましくは、靱性、耐熱性及び他の樹脂との相溶性とのバランスが優れることから、3〜17である。より好ましくは3〜7である。
一般式(3)において、m及びpは、それぞれ独立して、1または2以上の整数を表す。好ましくは、靱性、耐熱性及び他の樹脂との相溶性とのバランスが優れることから、1〜4である。より好ましくは1〜2である。
1〜R10が炭素数1〜12のアルキル基である場合、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基、1−エチル−2−メチル−n−プロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−イソプロピル−シクロプロピル基、2−イソプロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜5がより好ましく、1〜3がよりさらに好ましい。
1〜R10が炭素数1〜12のアルコキシ基である場合、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、1,2−ジメチル−n−プロポキシ基、2,2−ジメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−n−プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルオキシ基、3−メチル−n−ペンチルオキシ基、4−メチル−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1,2−ジメチル−n−ブトキシ基、1,3−ジメチル−n−ブトキシ基、2,2−ジメチル−n−ブトキシ基、2,3−ジメチル−n−ブトキシ基、3,3−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、2−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ基、1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が挙げられる。ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3がより一層好ましい。また、そのアルキル部分の構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
1〜R10がフェニル基又は置換されたフェニル基である場合、具体例としては、フェニル基、o−ヒドロキシフェニル基、m−ヒドロキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基等が挙げられる。
1〜R10がナフチル基又はナフチル基である場合、具体例としては、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
本発明のボラジン環含有重合体(a−3)は、後述するように、一例として、B,B’,B”−トリクロロボラジン(a−1)と両末端イミド変性シロキサン化合物(a−2)を反応させることで得られる。ボラジン環含有重合体の重合度は、(a−1)及び(a−2)の仕込み比、反応条件(温度、溶媒、時間)により、制御することができる。前記重合度は、(a−1)及び(a−2)が、それぞれ最低1分子ずつ反応していれば良く、好ましくは、溶剤溶解性及び成膜性が優れるという点から、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)500000以下であることが好ましく、より好ましくは100000以下であり、更に好ましくは2000〜20000である。また、熱安定性やボラジン架橋体の生成のしやすさの観点から、ボラジン環含有重合体の両末端がボラジン環であることが好ましい。
本発明のボラジン環含有重合体を構成する単位構造中のボラジン環は、3個のBを有し、これらは重合に関与しうるが、一部のBは重合に関与させず、末端基を有することができる。そして、3個のBを有するため、一部は架橋構造を形成してもよいが、この重合体は、本発明のボラジン架橋体のようには架橋は十分には進行していない。本発明のボラジン環含有重合体は、THFやトルエン等の有機溶剤の少なくとも1種に溶剤溶解性を有することが望ましく、それにより好ましい重合度や架橋度が定まる。なお、架橋する場合は、N-B結合に限らず、NとBの間に結合基を介してもよい。
上記(a−1)を、(a−2)に対して過剰に使用すると、重合体の末端はボラジン環となるので、そのBに後記する末端基として結合させるができる。また、末端以外のボラジン環の3個のBの内、1個が重合に関与せず残る場合もあるが、これに上記末端基を結合させるができる。他方、上記(a−2)を、に(a−1)対して過剰に使用すると、重合体の末端はイミド基に由来する2級アミノ基となる。
本発明のボラジン環含有重合体の製造方法の一例について以下に説明する。
本発明のボラジン環含有重合体は、例えば、下記反応式(4)に示すように、B,B’,B”−トリクロロボラジン(a−1)と両末端イミド変性シロキサン化合物(a−2)を反応させることで製造できる。このB,B’,B”−トリクロロボラジン(a−1)は、三塩化ホウ素とアミノ化合物の縮合反応により製造される。この場合、”Organoboron-nitrogen Compounds. I. The Reaction of Boron Chloride with Aniline”, Reuben G. Jones, Corliss R. Kinney; Journal of the American Chemical Society, 61, p1378-1381(1939)またはE. L. Muetterties ed., K. Niedenzu et al., Inorg. Synth., 10, 142 (1967)といった文献を適宜参酌して製造することができる。
このようにして得られたB,B’,B”−トリクロロボラジン(a−1)と両末端イミド変性シロキサン化合物(a−2)を反応させるが、この反応は、二段階の工程に分けても、連続して反応しても良い。てボラジン環含有重合体(a−3)が得られる。
Figure 0006375303
式中、一般式(1)と同じ記号は、同じ意味を有する。nは、0または1以上の整数を表す。
上記反応式(4)において、三塩化ホウ素の代わりに三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素または三ヨウ化ホウ素を用いて反応させることができる。その場合、B,B’,B”−トリクロロボラジンの代わりに、B,B’,B”−トリフルオロボラジン、B,B’,B”−トリブロモボラジンまたはB,B’,B”−トリヨードボラジンが得られる。これらをイミド化反応してもボラジン環含有重合体(a−3)を製造できる。ただし、ハロゲノボラジン合成時において、溶液状態での取り扱い易さ、反応中に発生する廃ガス(未反応の塩化ホウ素及び塩化水素)を系外で容易に処理可能である理由から、三塩化ホウ素を用いたB,B’,B”−トリクロロボラジンが好ましい。以下、B,B’,B”−トリクロロボラジンで代表して説明する。
両末端イミド基変性シロキサン化合物(a−2)としては、両末端ヒドロシリル基のシロキサンと不飽和結合を有するイミド化合物を白金触媒でヒドロシリル化することで調製できる。イミド基としては、マレイミド、シトラコン酸イミド、イタコン酸イミド、フタル酸イミド、ナジック酸イミド、ナジック酸イミド、メチルナジック酸イミド、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸イミド、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イミド、アリルナジック酸イミド等が挙げられる。
上記イミド変性シロキサン化合物(a−2)は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合して用いても良いが、溶解性や架橋反応の制御の観点からすると、1種のみを使用することが好ましい。
また、上記(a−1)と(a−2)を反応させる際、(a−2)以外の他のイミド化合物を混合して反応しても良い。このようなイミド化合物の例としては、マレイミド、シトラコン酸イミド、イタコン酸イミド、フタル酸イミド、ナジック酸イミド、メチルナジック酸イミド、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸イミド、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸イミド、アリルナジック酸イミド等のモノイミド化合物等が挙げられる。これらのモノイミド化合物を混合して反応することで、ボラジン環含有重合体の分子量を調整できる。例えば、モノイミド化合物の混合量が多いほど、ボラジン環含有重合体の分子量は小さくなる。また、ピロメリット酸ジイミドのような、ジカルボン酸無水物をイミド化したジイミド化合物や、イミド基を2個以上有する多官能イミド化合物でも良い。架橋体を容易に得るという観点から、イミド化合物は重合性の不飽和結合を有することが好ましく、かかる不飽和イミド化合物としてはマレイミドやノルボルネン構造を有するイミド化合物がある。
また、上記の複数のイミド化合物を混合して反応しても良い。例えば、マレイミド、ナジック酸イミド等が挙げられる。このように、(a−2)以外の化合物を混合させて反応させることで、ボラジン環含有重合体において、ボラジン環のホウ素原子に結合する3つの置換基がそれぞれ異なるボラジン環含有重合体とすることができる。
なお、本発明の重合体においては、反応せずに残った少なくとも1つの末端ボラジン環のハロゲン原子の一部を、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のアルコキシシリル基含有アルキルアミノ基、炭素数7〜30のアラルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、炭素数2〜12のエステル基、エテニル基、エチニル基、アクリロイル基、イソシアネート基、またはイミド基等の末端基でキャップしてもよい。
これらの中でも、ボラジン架橋体を製造する際の反応点になる点から、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のアルコキシシリル基含有アルキルアミノ基、炭素数7〜30のアラルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、エテニル基、エチニル基、アクリロイル基、イソシアネート基、イミド基が好ましく、イミド基がさらに好ましい。
炭素数2〜12のエステル基、即ちRO(C=O)−基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のアルコキシシリル基含有アルキルアミノ基、炭素数7〜30のアラルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基としては前記R1〜R10と同様のものが挙げられる。
これらの基は、ボラジン環上のハロゲン原子を対応する置換基を与える化合物で置換することで導入することができ、例えば、マレイミドを加えて反応させることで、ボラジン環を形成する少なくとも1つのホウ素原子と結合する末端基がマレイミド基であるボラジン環含有重合体が得られる。
B,B’,B”−トリクロロボラジンとイミド化合物の反応の際に用いる溶媒としては、原料と反応しない溶媒であれば特に限定されないが、ヘキサン、トルエン、ヘプタン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の含塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒等を用いることができる。好ましくは、トルエン、クロロベンゼンである。溶媒は脱水したものが推奨される。これらの溶媒は単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いても良い。反応器は予め乾燥された不活性ガスで置換することが好ましい。
反応は、B,B’,B”−トリクロロボラジンを溶媒にて加熱溶解後、イミド化合物を添加することで行われる。添加後は溶媒の沸点にて還流をさせる。また、反応時には塩化水素ガスが発生するので、系外にて純水へのトラップ等の廃ガスの処理が必要である。
反応温度は溶媒等によって異なるが、通常0〜200℃、より好ましくは100〜150℃で行うことが好ましい。反応温度が高すぎると反応の制御が困難になり、低すぎると反応速度が遅くなるため好ましくない。
反応時間は、原料や溶媒等により異なるが、通常3〜24時間。好ましくは、3〜10時間である。
精製工程は、溶解度の差を利用して、再沈殿を行うことが好ましい。更に精製が必要な場合には、再結晶化、昇華精製を行うことが望ましい。
本発明のボラジン環含有重合体の例として以下の繰り返し構造が挙げられる。ただし、これらに限定されるわけではない。
Figure 0006375303
Figure 0006375303
Figure 0006375303
本発明のボラジン環含有重合体は、熱反応、光反応等の公知の反応により、単独または架橋剤を存在させて組成物とし、これをボラジン架橋体とすることができる。架橋方法としては、熱硬化、光硬化が挙げられる。ここで、単独で架橋させたボラジン架橋体とは、ボラジン環含有重合体同士が、ボラジン環含有重合体以外の架橋剤を介することなく重合したものである。また、ボラジン組成物を架橋させたボラジン架橋体とは、ボラジン環含有重合体同士が、ボラジン環含有重合体以外の架橋剤を介して重合したものである。これらのボラジン架橋体は、ボラジン環含有重合体どうしが反応するので、ボラジン架橋体の数平均分子量は、ボラジン環含有重合体の2倍以上になる。
また、上記のボラジン環含有重合体及びボラジン架橋体は、ポリマーマトリックス中に分散させることができる。
本発明のボラジン組成物は、上記ボラジン環含有重合体と任意の架橋剤を含む。架橋剤としては、ボラジン環含有重合体における、A1〜A、R1〜R10または前記末端基と反応する活性基を有する化合物である。架橋剤は公知のものを使用することができるが、例えば、アミノ基、イミド基、フェノール性水酸基、シアネート基、エテニル基、エチニル基、チオール基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、ビニルエーテル基(以下、併せて「活性基」という。)を有する化合物である。
活性基がアミノ基、イミド基、フェノール性水酸基、エテニル基、エチニル基、チオール基、ビニルエーテル基を有する場合は、ボラジン環含有重合体の末端基がエチニル基、エテニル基等の炭素−炭素不飽和結合である場合に、特に有用である。
活性基が、シアネート基、エテニル基、エチニル基、ビニルエーテル基である場合には、ボラジン環含有重合体の末端基がアミノ基である場合に、特に有用である。
活性基がエテニル基、エチニル基である場合は、ボラジン環含有重合体のA1〜A、R1〜R10または末端基が水素原子である場合に、特に有用である。
二官能以上の活性基を有する場合は、ボラジン架橋体の分子量が大きくなる傾向にあるので、好ましい。
また、上記ボラジン組成物には、トリフェニルホスフィン、2−エチル−4メチルイミダゾール、オクチル酸亜鉛等の架橋促進剤を含んでも良い。
本発明のボラジン架橋体の製造方法の一例について以下に説明する。ただし、これらに限定されるわけではない。
マレイミドを有するボラジン環含有重合体(b−21)が、二官能性のフェノール性水酸基であるビスフェノールA(c−1)と組成物を形成する場合、150〜250℃で熱硬化を行うことで、下式の反応によりボラジン架橋体(d−1)が得られる。この際、トリフェニルホスフィンを促進剤として添加してもよい。このようにして得られたボラジン架橋体は、ボラジン重合体よりも耐加水分解性等の安定性、耐熱性、靱性により優れるので好ましい。
Figure 0006375303
このようにして得られたボラジン環含有重合体及びその架橋体は、シロキサンイミド基を有することから、従来のボラジン化合物と比較して、耐加水分解性等の安定性または取扱い性、製膜性等の加工性、耐熱性、難燃性に優れ、積層板、層間絶縁膜、封止材等の電子材料、塗料、接着剤等各種用途に使用できる。また、従来のボラジン化合物と同様に低誘電性、高熱伝導性も期待できる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみには制限されない。なお、「%」は重量基準を示す。
実施例1
(ナジック酸イミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体の合成)
冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、窒素置換しながら、脱水トルエン100gを加えて0℃に冷却した。0℃を保持したまま攪拌し、三塩化ホウ素(1.0Mトルエン溶液)100mLをシリンジにてゆっくりと加えて溶解させた。その後、脱水処理したアニリン9.31gをシリンジにて極めてゆっくりと3時間ほどかけて滴下した。滴下後、110℃まで徐々に温度を上げていき、窒素気流下、20時間加熱還流させた。反応液をトルエンにて再結晶化後、昇華精製して、白色固体の結晶である、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリフェニルボラジン(a−3)を調製した。収量16.0g、収率90%であった。
次に、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、窒素置換しながら、脱水クロロベンゼン100gを加えて0℃に冷却した。B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリフェニルボラジン(a−4)5.00gとナジック酸イミド末端直鎖状シロキサン(a−5)3.28gを加えた後、130℃まで徐々に温度を上げながら攪拌した。窒素気流下、20時間加熱還流させた。反応による塩化水素ガスの発生が治まったことを確認後、さらにナジック酸イミド2.77gを加えて5時間反応させ、室温まで冷却した。沈殿物をろ過し、脱水トルエンで洗浄し、真空乾燥後、白色固体のナジック酸イミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重体(b−7)を得た。ボラジンBの末端基もナジック酸イミドである。収量7.2g、収率74.1%であった。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算でMn=9800、Mn/Mw=3.20であった。
生成物の同定は、IR測定、元素分析で行い、ナジック酸イミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体を確認した。
Figure 0006375303
実施例2
(マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体の合成)
冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、窒素置換しながら、脱水クロロベンゼン100gを加えて0℃に冷却した。B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリフェニルボラジン(a−4)5.00gと両末端マレイミドシロキサン(а−7)7.58gを加えた後、130℃まで徐々に温度を上げながら攪拌した。窒素気流下、20時間加熱還流させた。反応による塩化水素ガスの発生が治まったことを確認後、さらにマレイミド1.17gを加えて、130℃にて5時間反応させ、室温まで冷却した。沈殿物をろ過し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥後、淡黄色透明な固体のマレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体(b−1)を得た。ボラジンBの末端基もマレイミドである。収量9.3g、収率74.8%。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算でMn=6068、Mn/Mw=2.99であった。
生成物の同定は、H−NMR、IR測定、元素分析で行い、マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体を確認した。NMR測定チャートを図1に示す。
Figure 0006375303
実施例3
(長鎖マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体の合成)
両末端マレイミドシロキサンとして、シロキサン成分の繰り返し単位がn=18の長鎖(а−8)を20.2g用いた以外は、実施例2と同様の方法で、淡黄色透明な液状の長鎖マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体(b−3)16.2gを得た。ボラジンBの末端基もマレイミドである。収率64.7%。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算でMn=12000、Mn/Mw=3.30であった。
生成物の同定は、H−NMR、IR測定、元素分析で行い、マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体を確認した。
Figure 0006375303
実施例4
(環状マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体の合成)
両末端マレイミドシロキサンとして、環状シロキサン(а−8)を20.2g用いた以外は、実施例2と同様の方法で、淡黄色透明な固形の環状マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体(b−5)16.2gを得た。ボラジンBの末端基もマレイミドである。収率64.7%。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算でMn=5700、Mn/Mw=2.10であった。
生成物の同定は、H−NMR、IR測定、元素分析で行い、マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体を確認した。
Figure 0006375303
実施例5
(cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸イミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体の合成)
両末端マレイミドシロキサンとして、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸イミドを8.9g用いた以外は、実施例2と同様の方法で、淡黄色透明な固体のマレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体(b−13)9.5gを得た。ボラジンBの末端基もマレイミドである。収率69.1%。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算でMn=7900、Mn/Mw=2.80であった。
生成物の同定は、H−NMR、IR測定、元素分析で行い、マレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体を確認した。
Figure 0006375303
比較例1
比較例として、上記B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリフェニルボラジン(a−4)を使用した。
以上の実施例及び比較例で得られたボラジン環含有重合体について、溶解性判定および耐加水分解性評価を実施した。また、それらのボラジン環含有重合体を熱硬化して得られた架橋体の耐熱性を測定した。
溶解性の判定は、溶媒(THF及びトルエン)1g中に上記のボラジン重合体50mg投入し、室温下で十分に攪拌した後、不溶分を確認した。目視で確認し、不溶分ある場合を×とし、ない場合を○とした。ただし、室温で不溶分がある場合でも50℃に昇温して溶解が確認できたものは△とした。
また、耐加水分解性評価は、純水10mgを含む溶媒中(メタノール)1gに上記のボラジン重合体を50mg投入し、室温下で十分に攪拌した後、加水分解成分のアミン化合物であるアニリンをH−NMRにて分析し、アミン化合物を検出した場合を×とした。
耐熱性評価は、示差熱熱重量同時測定装置(装置名:エスアイアイ・ナノテクノロジー製TG/DTA7300)を用いて、200mL/minの窒素気流下、10℃/minの昇温速度の条件で、10%重量減少温度(T 10)及び900℃における重量減少(残炭率)を測定した。
これら測定により得られた結果を表1に示した。
Figure 0006375303
実施例6
ボラジン環重合体と架橋剤を架橋させてなる架橋体の溶解性判定、耐加水分解性評価および耐熱性評を実施した。
実施例2で作製したマレイミドシロキサン鎖を有するボラジン環含有重合体(b−1)8.0g、フェノール化合物としてビスフェノールA(BPA)2.0g、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン0.10gを配合してボラジン重合体樹脂組成物を得た。このボラジン重合体組成物を175℃にて成形し、250℃にて5時間ポストキュア行い、各種物性測定に供した。測定法はボラジン環重合体と同様とし、得られた結果を表2に示した。
Figure 0006375303
本発明のボラジン環含有重合体は、耐熱性、柔軟性、熱分解安定性、溶剤溶解性、透明性、低屈折率性、耐昇華性及び成膜性等の加工性に優れた材料を与えることができる。さらに、このボラジン環含有重合体の架橋体は、耐熱性、透明性、誘電特性、熱伝導性、ガスバリア性、硬度、耐薬品性、耐候性、絶縁性、低屈折性及び耐加水分解性に優れた材料を与えることができる。さらに、金属重合触媒の分離が容易であるため、透明性も高く、耐候性にも優れ、積層板、層間絶縁膜、封止材等の電子材料、塗料、接着剤等各種用途に使用できる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を含むことを特徴とするボラジン環含有重合体。
    Figure 0006375303
    式中、A1〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を表す。Z1及びZ2はそれぞれ独立して、炭素数2〜12の炭化水素からなる原子団であり、縮合環を形成する環構造を有しても良い。Yは、主鎖にケイ素原子を2以上含み、直鎖、環状またはかご型のシロキサン結合を含む原子団を表し、シロキサン結合を構成するケイ素原子には、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基が結合する。
  2. 前記ケイ素原子に結合する一価の置換基が、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基W(置換基Wは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。)で置換されてもよいフェニル基、または置換基Wで置換されてもよいナフチル基であることを特徴とする請求項1に記載のボラジン環含有重合体。
  3. 前記ケイ素原子に結合する一価の置換基が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のボラジン環含有重合体。
  4. 一般式(1)における少なくとも1つのB‐に末端基が結合し、その末端基が、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数2〜30のアルコキシシリル基含有アルキルアミノ基、炭素数7〜30のアラルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、炭素数2〜12のエステル基、ヒドロキシル基、エテニル基、エチニル基、アクリロイル基、イソシアネート基、またはイミド基であることを特徴とする請求項1に記載のボラジン環含有重合体。
  5. 前記末端基の少なくとも1つの末端基が、炭素数2〜30の2級アミノ基であることを特徴とする請求項に記載のボラジン環含有重合体。
  6. 請求項1に記載のボラジン環含有重合体と架橋剤を含有することを特徴とするボラジン重合体組成物。
  7. 請求項6に記載のボラジン重合体組成物を架橋反応させてなることを特徴とするボラジン架橋体。
  8. 請求項1に記載のボラジン環含有重合体を架橋反応させてなることを特徴とするボラジン架橋体。
  9. 請求項1に記載のボラジン環含有重合体からなる電子材料。
  10. 請求項7に記載のボラジン架橋体からなる電子材料。
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