JP6011968B2 - トリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法 - Google Patents
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例えば、シロキサンポリマーと、ジルコニアまたはチタニアなどを分散させた微粒子分散材料とを混合してなるハイブリッド材料を用いて屈折率を高める手法が報告されている(特許文献1)。
さらに、シロキサンポリマーの一部に高屈折率な縮合環状骨格を導入する手法も報告されている(特許文献2)。
これまで炭素および窒素からなる耐熱性有機材料としては、芳香族ポリイミドや芳香族ポリアミドが主として用いられているが、これらの材料は直鎖構造を有しているため耐熱温度はそれほど高くない。
また、耐熱性を有する含窒素高分子材料としてトリアジン系縮合材料も報告されている(特許文献4)。
しかし、上述した眼鏡用高屈折率レンズ用材料は一般的に耐熱性が乏しく、200℃以下の温度範囲で作製する必要があるため、大気下、300℃で焼成するなどのプロセスには不向きである。
また、芳香族環やトリアジン環を導入した高分子化合物は、一般的に溶媒への溶解性が不足しているため、安全性溶剤であるレジスト溶剤には不溶であり、一方、高溶解性を示す材料は、透明性が低いのが一般的である。
また、この材料は性質の異なる微粒子を含むことから、エッチングやアッシングなどのドライプロセスを経る場合、エッチレートが不安定となって均一な膜厚の被膜を形成しにくく、デバイスを作製する際のプロセスマージンが狭くなるという問題もある。
ハイパーブランチポリマーとは、例えば、ABx型の多官能性モノマー(ここでAとBは互いに反応する官能基、Bの数Xは2以上)を重合させて得られる不規則な分岐構造を有する多分岐ポリマーである。
一方、デンドリマーとは、規則的な分岐構造を有する多分岐ポリマーである。ハイパーブランチポリマーは、デンドリマーより合成が容易であり、高分子量体も合成しやすいという特徴がある。
トリアジン環を有するハイパーブランチポリマーは難燃剤用途として合成された報告例がある(非特許文献1)。
また、塩化シアヌルを原料としたトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法が知られている(特許文献5)が、この方法では塩化シアヌルの反応制御が難しく、また、多くの溶媒を必要とし、容積効率が悪いという問題があった。
1. 下記式(1)
で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、式(2)
で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを反応させることを特徴とする式(21)
で表されるトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法、
2. 前記Ar1〜Ar3が、互いに独立して、式(3)〜(19)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す1のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法、
3. 前記Ar1〜Ar3が、式(3)で表される2のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法、
4. 前記R1およびR2の一方が、水素原子である1〜3のいずれかのトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法、
5. 前記式(1)で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、前記式(2)で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを、塩基および有機溶媒の存在下、80〜150℃に加熱して反応させる1〜4のいずれかのトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法、
6. 式(22)で示される繰り返し単位を有することを特徴とするトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
7. 式(23)で示される繰り返し単位を有する6のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
を提供する。
本発明の製法で得られたトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーは、高耐熱性、高透明性、高屈折率、高溶解性、低体積収縮という特徴を有する。
本発明のハイパーブランチポリマーは、薄膜化することで、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜トランジスタ(TFT)などの電子デバイスや有機EL照明を作製する際の一部材やとして好適に利用できる。
特に高屈折率が求められている固体撮像素子の部材である、フォトダイオード上の埋め込み膜および平坦化膜、カラーフィルター前後の平坦化膜、マイクロレンズ、マイクロレンズ上の平坦化膜およびコンフォーマル膜として好適に利用できる。
本発明に係るトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法は、上述のとおり、式(1)で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、式(2)で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを反応させて式(21)で表されるハイパーブランチポリマーを得るものである。
なお、本発明の製造方法では、各原料の量を適宜調節することで、得られるハイパーブランチポリマーの分子量を容易に調節することができる。
中でもN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、およびそれらの混合系が好ましく、特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、およびそれらの混合系が好適である。
後から加える成分は、ニートで加えても、上述したような有機溶媒に溶かした溶液で加えてもよいが、操作の容易さや反応のコントロールのし易さなどを考慮すると、後者の手法が好適である。
なお、添加は、滴下等によって徐々に加えても、全量一括して加えてもよい。
塩基の具体例としては、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムエトキシド、酢酸ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、酸化アルミニウム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
塩基の添加量は、式(1)のジハロゲノトリアジン化合物1当量に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。なお、これらの塩基は水溶液にして用いてもよい。
いずれのスキームの方法においても、反応終了後、生成物は再沈法等によって容易に精製できる。
得られるポリマーには、原料成分が残存していないことが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ一部の原料が残存していてもよい。
上記式(1)において、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表す。
本発明において、アルキル基の炭素数としては特に限定されるものではないが、1〜20が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜10がより好ましく、1〜3がより一層好ましい。また、その構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
アリール基の具体例としては、フェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル、p−ビフェニリル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル基等が挙げられる。
その具体例としては、ベンジル、p−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、o−エチルフェニルメチル、m−エチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、2−プロピルフェニルメチル、4−イソプロピルフェニルメチル、4−イソブチルフェニルメチル、α−ナフチルメチル基等が挙げられる。
Xはハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられるが、中でも塩素原子が好ましい。
好適な式(1)で表される化合物としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記Ar1〜Ar3は、2価のアリール基を表し、その具体例としては特に限定されるものではないが、本発明においては、特に、式(3)〜(19)で示される群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
Ar1〜Ar3は、それぞれが異なる基であっても、2つが同一の基で残りが異なる基であっても、全てが同一の基であってもよいが、合成の簡便さ等を考慮すると、全てが同一であるものが好ましく、中でもAr1〜Ar3の全てが式(3)で示されるフェニレン基であることが好適である。
なお、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子としては上記と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン基等が挙げられる。
また、W1等のベンゼン環の連結基としては、高い水素結合能を有する、カルボニルを含む基やアミン等の官能基が、ポリマー中のその他のアミン部位の水素原子と水素結合を形成してよりアリール部分が密に集まり易く、電子密度が向上するため好適である。
以上のような観点から、下記式で示されるアリール基が好ましい。
好適な式(2)で表される化合物としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
また、上記ハイパーブランチポリマーの550nmにおける屈折率は、1.65以上が好ましく、1.70以上がより好ましく、1.75以上がより一層好ましく、1.80以上がさらに好ましい。
アシル基の具体例としては、アセチル、ベンゾイル基等が挙げられる。
イミド基の具体例としては、マレイミド、フタルイミド基等が挙げられる。
アラルキル基の具体例としては、ベンジル、p−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、o−エチルフェニルメチル、m−エチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、2−プロピルフェニルメチル、4−イソプロピルフェニルメチル、4−イソブチルフェニルメチル、α−ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記アルキル基としては先に述べた基と同様のものが挙げられる。
この際、反応条件は特に限定されるものではなく、従来公知の条件を用いればよい。
ハイパーブランチポリマーの溶解に用いる溶剤は、重合時に用いた溶媒と同じものでも別のものでもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製(旧(株)ジェムコ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、BYK−302、BYK−307、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−333、BYK−370、BYK−375、BYK−378(ビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
なお、これらの化合物は、ハイパーブランチポリマーの末端処理に用いる場合は少なくとも1個の架橋形成置換基を有していればよく、ハイパーブランチポリマー同士の架橋処理に用いる場合は少なくとも2個の架橋形成置換基を有する必要がある。
その具体例としては、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
その具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリグリセリンモノエチレンオキサイドポリアクリレート、ポリグリセリンポリエチレングリコールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等が挙げられる。
一分子中2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアネートや、これらの二量体、三量体、および、これらとジオール類、トリオール類、ジアミン類、またはトリアミン類との反応物などが挙げられる。
ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−エトキシヘキサノール、2−N,N−ジメチルアミノエタノール、2−エトキシエタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;フェノール、o−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、o−、m−またはp−クレゾール等のフェノール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類;ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール等のピラゾール類;ドデカンチオール、ベンゼンチオール等のチオール類などが挙げられる。
オキセタン化合物としては、オキセタニル基を一分子中2個以上有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、オキセタン基を含有するOXT−221、OX−SQ−H、OX−SC(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
組成物の塗布方法は任意であり、例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では特に限定されず、例えば40〜400℃で行うことができる。
焼成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレートやオーブンを用いて、大気、窒素等の不活性ガス、真空中等の適切な雰囲気下で蒸発させればよい。
焼成温度および焼成時間は、目的とする電子デバイスのプロセス工程に適合した条件を選択すればよく、得られる膜の物性値が電子デバイスの要求特性に適合するような焼成条件を選択すればよい。
光照射する場合の条件も特に限定されるものではなく、用いるトリアジン環含有重合体および架橋剤に応じて、適宜な照射エネルギーおよび時間を採用すればよい。
装置:Bruker AC400P NMR(水素核で400MHz)
測定溶媒:CDCl3−d1またはDMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[13C−NMR]
装置:Bruker AC400P NMR(炭素核で100MHz)
測定溶媒:CDCl3−d1またはDMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[GPC]
装置:東ソー(株)製 HLC−8220 GPC
カラム:東ソー α−M 二連結
カラム温度:40℃
溶媒:NMP(0.01M LiBrを含む)
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
[エリプソメーター]
装置:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 多入射角分光エリプソメーターVASE
[示差熱天秤(TG−DTA)]
装置:(株)セイコーインスツルメンツ SCC5200 TG/DTA 320
昇温速度:10℃/分
測定温度:25〜800℃
[DSC]
装置:(株)島津製作所製 DSC−60
昇温速度:20℃/min
反応溶液を大量の水に投入し、析出物を吸引ろ過により回収した。回収した析出物を150℃で減圧乾燥し、粗生成物を得た。
粗生成物をテトラヒドロフラン(以下、THF)に入れ加熱還流し、ろ別後150℃で減圧乾燥し、精製物を得た。
収量:45.0 g
収率:92 %
分解点:476〜477℃
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
8.12(d, 6H, o-Ar-H), 8.23(d, 6H, m-Ar-H), 10.32(d, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
119.93, 125.15, 141.84, 146.58, 164.30
元素分析
Calcd. for C21H15N9O6
Calcd. C: 51.54, H: 3.09, N: 25.76 (%)
Found C: 51.71, H: 3.29, N: 25.50 (%)
反応溶液を吸引ろ過し、パラジウムカーボンを取り除いた後、ろ液を大量の水に投入して、析出物を吸引ろ過により回収した。回収した析出物を150℃で減圧乾燥し、粗生成物を得た。
粗生成物をTHFに溶解させ、セライトで濾過し、ろ液をエバポレータで濃縮して100℃で減圧乾燥した。その粗生成物に活性炭とジオキサン(200mL)を加え、1時間加熱還流した後、ろ液を再度エバポレータで濃縮した。この操作を3回繰り返して脱色を行った。粗生成物を150℃で減圧乾燥し、さらに1,4−ジオキサン/水混合溶媒で再結晶して、精製物を得た。
収量:8.0 g
収率:40 %
融点:291〜293℃
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
4,74(s, 6H, NH2), 6.48(d, 6H, o-Ar-H), 7.33(d, 6H, m-Ar-H), 8.48(s, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
114.23, 122.72, 129.8, 144.23, 164.50
元素分析
Calcd. for C21H21N9
Calcd. C:63.14, H:5.30, N: 31.56(%)
Found C:63.15, H:5.42, N:31.48(%)
収量:44.0 g
収率:90 %
融点:323〜324℃
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
7.57-7.62(t, 3H, o-Ar-H), 7.86-7.89(m, 3H, m-Ar-H), 8.22(s, 3H, o-Ar-H), 8.64(s,3H, p-Ar-H), 9.96(s, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
115.0, 117.2, 126.8, 130.3, 141.2, 148.4, 164.5
収量:12.0 g
収率:60 %
融点:138〜140℃
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
4.93(s, 6H, Ar-NH2), 6.22-6.25(m, 3H, Ar-H), 6.91-6.93(t, 6H, Ar-H), 7.09(s, 3H, o-Ar-H), 8.78(s, 3H, N-H)
13C-NMR(101 MHz, DMSO-d6, δ (ppm))
107.1, 109.0, 109.4, 129.1, 140.1, 149.0, 164.5
元素分析
Calcd. for C21H21N9
Calcd. C:63.14, H:5.30, N: 31.56(%)
Found C:62.93, H:5.48, N:31.44(%)
反応溶液を飽和食塩水により分液して有機層を回収し、無水硫酸マグネシウムを加えて一晩撹拌し、脱水した。自然ろ過によりろ液を回収し、エバポレータでTHFを留去し、粗生成物を得た。
粗生成物をトルエン/ヘキサン混合溶媒で再結晶し、得られた結晶を80℃で12時間減圧乾燥して、精製物を得た。
収量:22.0 g
収率:91%
融点:137〜138 ℃
1H-NMR(400 MHz, CDCl3, TMS, δ (ppm))
7.22 (t, 1H, p-Ar-H), 7.40 (t, 2H, m-Ar-H), 7.53 (d, 2H, o-Ar-H), 7.86 (s, 1H, NH)
13C-NMR(101 MHz, CDCl3, δ (ppm))
121.0, 125.8, 129.2, 135.6, 164.0, 170.1, 171.3
FT-IR(KBr (cm-1))
3353 (N-H),1609 (C=C),1552 (C=N),1219 (C-N)
元素分析
Calcd. for C9H6Cl2N4
Calcd. C:44.84, H:2.51, N:23.24(%)
Found C:45.09, H:2.55, N:23.05(%)
反応終了後、反応溶液を希アンモニア水に投入し、析出物を吸引ろ過で回収した。得られた析出物を水で洗浄し、ろ過後に、デシケータで減圧乾燥を行った。乾燥後、NMP(10mL)に溶解させてメタノールで再沈殿させ、再度デシケータで減圧乾燥を行い、白色粉末状のpHBPG(0.36g,64%)を得た。pHBPGのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,700、重量平均分子量(Mw)は50,000、多分散度Mw/Mnは5.7であった。
得られたpHBPGの1H−NMRスペクトルを図1に示す。
mHBPGのGPCによる数平均分子量(Mn)は6,500、重量平均分子量(Mw)は12,000、多分散度Mw/Mnは1.9であった。
得られたmHBPGの1H−NMRスペクトルを図2に示す。
反応溶液を希アンモニア水に投入し、析出物を吸引ろ過で回収した。得られた析出物を水で洗浄し、ろ過後に、デシケータで減圧乾燥を行った。乾燥後、NMP(10mL)に溶解してメタノールで再沈殿させ、再度デシケータで減圧乾燥し、白色粉末状のpHBPG−A(0.36g,59%)を得た。pHBPG−AのGPCによる数平均分子量(Mn)は10,000、重量平均分子量(Mw)は45,000、多分散度Mw/Mnは4.4であった。
得られたpHBPG−Aの1H−NMRスペクトルを図3に示す。
得られたmHBPG−Aの1H−NMRスペクトルを図4に示す。
を得た。pHBPG−BのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,300、重量平均分子量(Mw)は45,000、多分散度Mw/Mnは5.4であった。
得られたpHBPG−Bの1H−NMRスペクトルを図5に示す。
mHBPG−BのGPCによる数平均分子量(Mn)は8,000、重量平均分子量(Mw)は14,000、多分散度Mw/Mnは1.8であった。
得られたmHBPG−Bの1H−NMRスペクトルを図6に示す。
反応溶液を水に投入し、析出物を吸引ろ過で回収し、デシケータで減圧乾燥した。乾燥後、NMP(10mL)に溶解してアセトンで再沈殿を行い、再度デシケータで減圧乾燥し、淡黄色粉末状のpHBPG−P(0.40g,57%)を得た。pHBPG−PのGPCによる数平均分子量(Mn)は11,200、重量平均分子量(Mw)は33,000、多分散度Mw/Mnは3.0であった。
得られたpHBPG−Pの1H−NMRスペクトルを図7に示す。
得られたmHBPG−Pの1H−NMRスペクトルを図8に示す。
上記各実施例で得られた各ハイパーブランチポリマー10mgを、各種有機溶媒5mLに室温で溶かし、その溶解性を確認し、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
+:溶解
±:一部溶解または膨潤
−:不溶
上記各実施例で得られた各ハイパーブランチポリマーについて、ガラス転移温度(Tg)、空気中および窒素中における耐熱性[5%重量減少温度(T5)および10%重量減少温度、(T10)]、カットオフ波長(λcutoff)および589nmにおける屈折率(nD)を測定した。その結果を表2にまとめて示す。
なお、カットオフ波長および屈折率については、以下の手順により薄膜化したポリマーを用いて測定した。
〔薄膜の作製〕
上記各実施例で得られたハイパーブランチポリマーを、NMPに溶解しポリマーワニスを調製した。得られたポリマーワニスを石英板またはガラス板上にスピンコーターを用いて200rpmで60秒スピンコートし、100℃で30分焼成して溶媒を除去し、400〜1000nmの薄膜を作製した。
a)Determined by DSC in nitrogen at a heating rate of 20 ℃/min. b)5wt% and 10wt% decomposition temperatures determined by TG at a heating rate 10 ℃/min. c) Cutoff wavelength. d)Refractive index at 589 nm.
Claims (8)
- 下記式(1)
で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、式(2)
で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを反応させることを特徴とする式(21)
で表されるトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法。 - 前記Ar1〜Ar3が、互いに独立して、式(3)〜(19)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す請求項1記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法。
W1およびW2は、互いに独立して、単結合、CR134R135(R134およびR135は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO2、またはNR136(R136は、水素原子または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。)を表し、
X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基、または式(20)
Y1およびY2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基を表す。)〕 - 前記Ar1〜Ar3が、式(3)で表される請求項2記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法。
- 前記R1およびR2の一方が、水素原子である請求項1〜3のいずれか1項記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法。
- 前記式(1)で表されるジハロゲノトリアジン化合物と、前記式(2)で表されるトリス(アミノアリールアミノ)トリアジン化合物とを、塩基および有機溶媒の存在下、80〜150℃に加熱して反応させる請求項1〜4のいずれか1項記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの製造方法。
- 式(22)で示される繰り返し単位を有することを特徴とするトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。
R3〜R5は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表し、Ar1〜Ar3は、互いに独立して、式(3)〜(19)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
W1およびW2は、互いに独立して、単結合、CR134R135(R134およびR135は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO2、またはNR136(R136は、水素原子または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。)を表し、
X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基、または式(20)
Y1およびY2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキレン基を表す。)〕} - 請求項6または7記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む薄膜。
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