JP6085975B2 - トリアジン環含有重合体およびそれを含む膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
1. 下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端が、当該ポリマー合成原料であるジアミン化合物とは異なる、少なくとも2つの活性水素基を有する化合物でキャップされていることを特徴とするトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
2. 前記活性水素基を有する化合物が、ジアミン化合物、およびアミノアルコール化合物から選ばれる少なくとも1種である1のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
3. 前記活性水素基を有する化合物が、アミノアルコール化合物である2のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
4. 前記Aが、式(2)〜(15)で示される群から選ばれる少なくとも1種を表す1のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
5. 前記Aが、式(13)で示される請求項4記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
6. 前記R1およびR2が、メチレンである請求項4記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー、
7. 1〜6のいずれかのトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む膜形成用組成物、
8. 架橋剤を含む7の膜形成用組成物、
9. 前記架橋剤が、ブロック化イソシアネート基を含有する化合物および多官能イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種である8の膜形成用組成物、
10. 1〜6のいずれかのトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む膜、
11. 7〜9のいずれかの膜形成用組成物から得られる膜、
12. 基材と、この基材上に形成された10または11の膜とを備える光学部材
を提供する。
上記スキーム1の方法において、各原料の仕込み量としては、トリアジン環末端を有する高分岐重合体(ハイパーブランチポリマー)を得るために、ハロゲン化シアヌル(17)に対して、式(18)で示されるジアミン1.5当量未満の量で用いることが好ましく、0.1当量以上1.4当量未満がより好ましい。
このような化合物は、例えば、一分子中2個以上のイソシアネート基を有する化合物に対して適当なブロック剤を反応させて得ることができる。
[1H−NMR]
装置:JEOL−ECX300(300MHz)
測定溶媒:DMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[GPC]
装置:東ソー(株)製 HLC−8320 GPC
カラム:東ソー(株) SuperAW5000+SUPER AW4000
カラム温度:40℃
溶媒:10mMLiCl添加N-メチルピロリドン
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
[紫外線可視分光光度計]
装置:(株)日本分光社製 V−670
[エリプソメーター]
装置:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 多入射角分光エリプソメーターVASE
[示差熱天秤(TG−DTA)]
装置:(株)リガク製 TG−8120
昇温速度:15℃/分
測定温度:25℃−300℃
[耐光性試験]
装置:Q‐LabCorporation製 Q−Sun Xe−1
照度:0.55W/cm2 (@340nm)
ブラックパネル温度:80℃
[耐熱性試験]
装置:東京理化器械株式会社製 VOS−201SD
温度:150℃
雰囲気:空気
[1]トリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの合成1
[合成例1]
[2]トリアジン環含有ハイパーブランチポリマーの合成2
[合成例2]
合成例1と同様にしてTDI−Aの合成を行った。ただし、イソホロンジアミンの仕込量を15.7g[0.092mol、東京化成工業(株)製]とした。収量は5.14gであった。TID−AのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,900、多分散度Mw/Mnは1.78であった。実施例2で得られたTID−A5mgを白金パンに加え、TG−DTAにより昇温速度10℃/minで測定を行ったところ、5%重量減少は344.4℃であった。
[実施例1]
合成例1で得られたTDI−A 0.5gを1−メトキシ−2−プロパノール2.83gに溶解し、無色透明溶液を得た。得られた溶液を5cmx5cmのガラス基板上にスピンコーターを用いて200rpmで5秒、800rpmで30秒間スピンコートし、100℃で5分、150℃で30分焼成して溶媒を除去し、被膜を得た。得られた被膜の屈折率及び膜厚を分光エリプソメトリーにより測定したところ、550nmにおける屈折率は1.569、膜厚は830nmであった。
[実施例2]
合成例1で得られたTDI−A0.5gを1−メトキシ−2−プロパノール2.73gに溶解し、これに架橋剤としてブロックイソシアネート、デュラネートSBN−70D0.075g[旭化成ケミカルズ社製]を加えて無色透明の熱硬化性ワニスを得た。得られた溶液を5cmx5cmのガラス基板上にスピンコーターを用いて200rpmで5秒、800rpmで30秒間スピンコートし、100℃で5分、150℃で30分焼成して溶媒を除去し、被膜を得た。得られた被膜の屈折率及び膜厚を分光エリプソメトリーにより測定したところ、550nmにおける屈折率は1.564、膜厚は990nmであった。
架橋剤として加えたデュラネートSBN−70Dの添加量を0.15g[旭化成ケミカルズ社製]とした以外は実施例2と同様にして熱硬化性ワニスを得た。得られた溶液を5cmx5cmのガラス基板上にスピンコーターを用いて200rpmで5秒、800rpmで30秒間スピンコートし、100℃で5分、150℃で30分焼成して溶媒を除去し、被膜を得た。得られた被膜の屈折率及び膜厚を分光エリプソメトリーにより測定したところ、550nmにおける屈折率は1.559、膜厚は1200nmであった。
[実施例4]
実施例2及び実施例3で得られた熱硬化性被膜に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えて1分間放置した後、1500rpmで30秒回転させることにより、溶媒を除去した。この薄膜について分光エリプソメトリーにより膜厚測定を行ったところ、残膜率(=(本実験で測定された膜厚)/([実施例2]及び[実施例3]の膜厚)×100(%)として定義する)はそれぞれ、97.8%及び98.9%であり、熱硬化していることを確認した。
[実施例5]
合成例2で得られたTDI−Aを実施例1と同様にして被膜を作製し分光エリプソメトリーにより評価を行ったところ、550nmにおける屈折率は1.565、膜厚は1230nmであった。
合成例2で得られたTDI−A0.5gを1−メトキシ−2−プロパノール2.73gに溶解し、これに架橋剤としてブロックイソシアネート、デュラネートSBN−70D0.075g[旭化成ケミカルズ社製]を加えて無色透明の熱硬化性ワニスを得た。得られた溶液を5cmx5cmのガラス基板上にスピンコーターを用いて200rpmで5秒、800rpmで30秒間スピンコートし、100℃で5分、150℃で30分焼成して溶媒を除去し、被膜を得た。得られた被膜の屈折率及び膜厚を分光エリプソメトリーにより測定したところ、550nmにおける屈折率は1.560、膜厚は1500nmであった。
架橋剤として加えたデュラネートSBN−70Dの添加量を0.15g[旭化成ケミカルズ社製]とした以外は実施例6と同様にして熱硬化性ワニスを得た。得られた溶液を5cmx5cmのガラス基板上にスピンコーターを用いて200rpmで5秒、800rpmで30秒間スピンコートし、100℃で5分、150℃で30分焼成して溶媒を除去し、被膜を得た。得られた被膜の屈折率及び膜厚を分光エリプソメトリーにより測定したところ、550nmにおける屈折率は1.553、膜厚は1750nmであった。
実施例6及び実施例7で得られた熱硬化性被膜に、1−メトキシ−2−プロパノールを加えて1分間放置した後、1500rpmで30秒回転させることにより、溶媒を除去した。この薄膜について分光エリプソメトリーにより膜厚測定を行ったところ、残膜率(=(本実験で測定された膜厚)/([実施例6]及び[実施例7]の膜厚)×100(%)として定義する)はそれぞれ、95.2%及び98.3%であり、少なくとも実施例7で得られた被膜については熱硬化していることを確認した。
[実施例9]
実施例1〜3で得られた被膜について、耐光性試験前の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図1〜3に示す。紫外領域においても優れた透明性を有することが分かる。
(耐光性試験)
[実施例10]
実施例1〜3で得られた被膜について、耐光性試験後(0.88W/m2、200時間)の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図4〜6に示す。可視光領域においては優れた透明性を保持していることが分かる。
(耐光性試験)
[実施例11]
実施例5〜7で得られた被膜について、耐光性試験前の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図7〜9に示す。紫外領域においても優れた透明性を有することが分かる。
(耐光性試験)
[実施例12]
実施例5〜7で得られた被膜について、耐光性試験後(0.88W/m2、200時間)の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図10〜12に示す。可視光領域においては優れた透明性を保持していることが分かる。
[実施例13]
(耐熱性試験)
実施例1で得られた被膜について、150℃において耐熱性試験を行った。100時間後の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図13に示す。紫外領域においても優れた透明性を保持していることが分かる。
(耐熱性試験)
[実施例14]
実施例2で得られた被膜について、150℃において耐熱性試験を行った。100時間後の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図14に示す。紫外領域においても優れた透明性を保持していることが分かる。
(耐熱性試験)
[実施例15]
実施例3で得られた被膜について、150℃において耐熱性試験を行った。100時間後の300nm〜800nmにおけるUVスペクトルを図15に示す。紫外領域においても優れた透明性を保持していることが分かる。
(耐熱性試験)
[実施例16]
実施例4で得られた被膜について、150℃において耐熱性試験を行った。100時間までの300nm〜800nmにおけるUVスペクトル変化を図16に示す。可視光領域においては優れた透明性を保持していることが分かる。
(耐熱性試験)
[実施例17]
実施例6で得られた被膜について、150℃において耐熱性試験を行った。100時間までの300nm〜800nmにおけるUVスペクトル変化を図17に示す。可視光領域においては優れた透明性を保持していることが分かる。
(耐熱性試験)
[実施例18]
実施例7で得られた被膜について、150℃において耐熱性試験を行った。100時間までの300nm〜800nmにおけるUVスペクトル変化を図18に示す。可視光領域においては優れた透明性を保持していることが分かる。
Claims (12)
- 下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端が、当該ポリマー合成原料であるジアミン化合物とは異なる、少なくとも2つの活性水素基を有する化合物でキャップされていることを特徴とするトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。但し、下記式(1’)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体を除く。
(式(1)中、RおよびR′は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表し、Aは、3〜20の脂環構造を有するアルキレン基を表す。)
(式(1’)中、R 1 、R 1 ’、R 1 ”およびR 1 ”’は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表し、A 1 およびA 2 は、互いに異なる、3〜20の脂環構造を有するアルキレン基を表す。) - 前記活性水素基を有する化合物が、ジアミン化合物、およびアミノアルコール化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。
- 前記活性水素基を有する化合物が、アミノアルコール化合物である請求項2記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。
- 前記Aが、式(2)〜(15)で示される群から選ばれる少なくとも1種を表す請求項1記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレン基を表す。) - 前記Aが、式(13)で示される請求項4記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。
- 前記R1およびR2が、メチレンである請求項4記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマー。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む膜形成用組成物。
- 架橋剤を含む請求項7記載の膜形成用組成物。
- 前記架橋剤が、ブロック化イソシアネート基を含有する化合物および多官能イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の膜形成用組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーを含む膜。
- 請求項7〜9のいずれか1項記載の膜形成用組成物から得られる膜。
- 基材と、この基材上に形成された請求項10または11記載の膜とを備える光学部材。
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