JP6374792B2 - ワセリン組成物 - Google Patents

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Description

本発明はワセリン組成物に関する。
ワセリン(ペトロリアム・ジェリー)は、高沸点炭化水素類および室温で通常は液体である炭化水素類から得られる、柔らかな油性の半固形混合物である。ワセリンにはその純度により、不純物を多く含む暗色ワセリンから通常白色の高純度ワセリンまで、色に幅がある。
ワセリンの典型的な性質として、柔らかな油状を呈し、融解時には昼光下でわずかに蛍光を発することが挙げられる。ペトロリアム・ジェリーは水にほぼ不溶、塩化メチレンやヘキサンには可溶、アルコールやグリセリンにはほぼ不溶である。
ペトロリアム・ジェリーには、医薬軟膏基材、乳児ケア用品、化粧品、皮革ケア用品、エラストマー、およびグリースまたは潤滑剤等、広範な用途がある。ペトロリアム・ジェリー製品は人体に適用されるので、高純度でなければならない。たとえば、該製品の多環式芳香族炭化水素(発がん性がある)の含有量は1ppm未満でなければならず、またペトロリアム・ジェリーは酸性度/塩基性度試験および硫酸灰分試験に合格している必要がある。
白色ペトロリアム・ジェリー/ワセリンは精製により完全またはほぼ脱色された半固形の炭化水素類(Cn2n+2)の混合物であり、石油および高沸点の液状炭化水素類から得られる。その外観は白色またはほぼ白色であり、透明である。
従来、ワセリンは石油由来のオイル成分にスラックワックスを配合して生産されている。スラックワックスは、原油から得られる潤滑剤基油の脱蝋過程で得られる。この様な石油由来のワセリンは、米国特許第2828248号明細書および米国特許第1791926号明細書に記載されている。
ワセリン(petrolatum)は、その語源が石油(petroleum)にあるごとく元来は化石燃料由来の生成物であるが、少なくとも一成分(あるいは全成分)の分子が化学合成で得られる様な、合成原料に由来する生成物も包含する。ワセリンにはさらに、植物性ワックスの様な天然成分が含まれる場合もある。
英国特許第955348号明細書は、ケーブル含浸剤としての用途向けに、フィッシャー・トロプシュワックス10〜30%、石油35〜45%および液状ポリプロピレン35〜45%の混合物を提案している。特開2009−234991号公報には、フィッシャー・トロプシュワックスと流動パラフィンとを用いたスティック状化粧品が記載されている。但し、スティック状化粧品の性状はワセリンのそれとは大きく異なっており、スティック状化粧品は油状ペーストではないが、ワセリンは油状ペーストである。一方、スティック状化粧品は離型性が必要である故にワセリンよりも固形性と硬度とが高められている。
ワセリンに合成成分を配合することは米国特許第7851663号明細書、米国特許第3764537号明細書、および特開2009−234991号公報に記載されている。米国特許第7851663号明細書では、長鎖オレフィン類とフィッシャー・トロプシュ合成で得られたパラフィンとをグラフト重合させることにより、長い側鎖を有しワセリンの性質を示すイソパラフィン類を生成させている。
フィッシャー・トロプシュ法で得られる合成ワックスは有意な量の芳香族成分や多核芳香族成分を含まないので、ワセリンには有用である。しかし、ワセリンの製剤に合成成分を使用する場合、ワセリンの安定性と三次元ネットワーク構造との確保が難しいという問題が残る。特に、ワセリン組成物が室温で液状の直鎖パラフィンを含む場合、この直鎖パラフィンが製剤中のより重い成分から分離しやすく、ワセリンの製剤を不安定化させてしまう。安定な組成物を得るには、「溶媒結合」効果が必要である。
米国特許第2828248号明細書 米国特許第1791926号明細書 英国特許第955348号明細書 特開2009−234991号公報 米国特許第7851663号明細書 米国特許第3764号明細書 特開2009−234991号公報 米国特許第7851663号明細書
そこで本発明は、通常液状の直鎖パラフィンを含みながらも安定なワセリンを提供することを目的とする。
本発明の第一の側面によれば、1分子当たりの平均炭素原子数が25〜70のワックスであって、メチル側鎖およびエチル側鎖から選択される側鎖を有する分枝状パラフィン類を5〜50重量%含む、ワックス10〜60重量%と、
1分子当たりの平均炭素原子数が10〜20の直鎖状パラフィン10〜60重量%とを含み、
低融点ワックスを任意に含むワセリン組成物であって、
滴点(融点)が35℃〜80℃である、ワセリン組成物が提供される。
上記ワックス(以下、「ワックス成分」とも称する)は脂肪族ワックスであってよい。より具体的には、上記ワックスは炭化水素系のワックスであり、好ましくはパラフィンワックスである。上記ワックスは、合成ワックスであってよい。好ましくは、上記ワックスは大結晶合成ワックスである。上記ワックスは、上記ワセリン組成物の20〜40重量%、より好ましくは25%〜35%を占めてよい。上記ワックスは、1分子当たりの平均炭素原子数が28〜60であってよい。
上記ワックスは、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の分枝状パラフィン類を含んでよい。本発明の一実施態様において、上記ワックスは25重量%未満の分枝状パラフィン類を含む。好ましくは、上記ワックスの滴点(融点)は60℃〜110℃である。上記ワックスの1分子当たりの炭素原子数は25〜70、好ましくは28〜60であってよい。
上記ワックスは、水素化異性化ワックス、水素化異性化フィッシャー・トロプシュワックス、α−オレフィンワックスおよびフィッシャー・トロプシュワックスからなる群より選択することができる。
上記直鎖状パラフィン(以下、「直鎖状パラフィン成分」とも称する)は合成パラフィンであってよく、またフィッシャー・トロプシュ法で得られるパラフィンであってよい。上記直鎖状パラフィンは、上記ワセリン組成物の20〜40重量%、より好ましくは25%〜35%を占めてよい。好ましくは、上記直鎖状パラフィンの融点は25℃未満である。上記直鎖状パラフィンの1分子当たりの炭素原子数は10〜20であってよい。
本明細書において、「直鎖状パラフィン」は直鎖状の炭素の主鎖上に一切の側鎖を持たず、炭素原子および水素原子のみから成る分子(n−パラフィン)を指す。上記ワセリン組成物の調製に用いられる直鎖状パラフィンの原料には、表1の「直鎖状パラフィン」の見出し欄に記載されるごとく、何らかの分枝状分子が含まれていてもよいが、これら分枝状分子は本発明の材料ではない。
上記組成物は、上記低融点ワックス(以下、「低融点ワックス成分」とも称する)を含んでもよい。上記低融点ワックスが含まれる場合、該低融点ワックスは滴点(融点)が20℃〜30℃のワックスであってよい。上記低融点ワックスの1分子当たりの平均炭素原子数は20〜30であることが好ましい。上記低融点ワックスの1分子当たりの炭素原子数は20〜30であってよい。上記ワセリン組成物は、上記低融点ワックスを10〜60重量%含んでよい。
上記低融点ワックスは、15〜30重量%、好ましくは20〜28重量%の分枝状パラフィン類を含んでよい。上記低融点ワックスは炭化水素ワックスであってよく、好ましくはパラフィンワックスである。上記低融点ワックスは合成ワックスであってよく、好ましくはフィッシャー・トロプシュワックスである。上記低融点ワックスは上記ワセリン組成物の20〜40重量%、好ましくは25〜35%を占めてよい。
上記ワセリン組成物の滴点(融点)は35〜70℃であってよい。好ましくは、上記ワセリンのちょう度(ASTM D217−10に規定された円錐を用い、ASTM D937−07にしたがって測定)が60〜300mm/10であってよい。
上記ワセリンは白色油状ペーストであってよく、融解時には昼光下でわずかに蛍光を発する。
他の好ましい実施態様によれば、上記ワックス成分と上記直鎖状パラフィン成分とがいずれも合成物であるワセリン組成物が提供される。さらに他の好ましい実施態様によれば、上記ワックス成分、上記直鎖状パラフィン成分、および上記低融点ワックス成分のいずれもが合成成分である。
本出願人は本発明で開示する上記組成物を用いることにより安定なワセリンが得られることを意外にも見いだした。
本発明の第二の側面によれば、本発明の第一の側面に係る上記ワセリン組成物の、化粧品用途、医薬品用途、またはケーブル充填用途における使用が提供される。芳香族成分や、硫黄、その他の皮膚刺激物質を含まないので、上記ワセリンは特にスキンケア用途に適している。
本発明の第三の側面によれば、本発明の第一の側面に係る上記ワセリン組成物の、化粧品、医薬品、ケーブル充填用製品または充填されたケーブル製品の製造における使用が提供される。
本発明の第四の側面によれば、化粧品、医薬品、ケーブル充填用製品または充填されたケーブル製品の製造方法であって、本発明の第一の側面に係るワセリン組成物を、化粧用組成物または物質、医薬用組成物または物質、ケーブル充填用組成物または物質、またはケーブルまたはケーブル部品に添加し、該化粧品、該医薬品、該ケーブル充填用製品または該充填されたケーブル製品を得る、製造方法が提供される。
本発明の第五の側面によれば、本発明の第一の側面に係るワセリン組成物を調製するプロセスであって、該プロセスは、
1分子当たりの平均炭素原子数が25〜70のワックスであって、メチル側鎖およびエチル側鎖から選択される側鎖を有する分枝状パラフィン類を5〜50重量%含むワックスに、1分子当たりの平均炭素原子数が10〜20の直鎖状パラフィンとを混合し、さらに低融点ワックスを任意に混合し、前記ワセリン組成物を得る工程を有し、
この工程において、前記ワセリン組成物中の前記ワックスの含量が10〜60重量%、前記直鎖状パラフィンの含量が10〜60重量%となるに十分な量の該ワックスおよび該直鎖状パラフィンを用い、
前記ワセリン組成物の滴点(融点)が35℃〜80℃である、プロセスが提供される。
上記プロセスは、1分子当たりの平均炭素原子数が20〜30の上記低融点ワックスを10〜60重量%添加することを含んでもよい。
本発明の第六の側面によれば、本発明の第一の側面に係る上記ワセリン組成物を10〜40重量%含む化粧用組成物が提供される。
以下、実施例と添付図面に基づいて本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例2に係る水中油滴(O/W)型エマルジョンの粘度曲線であり、良好な例(クリームD)と、劣る例(クリームA、BおよびC)を示す。 実施例2において、クリームおよびローションの一次皮膚感触が良好な領域における、流動開始点と最大粘度の境界を示す。
[実施例1]
(ワセリンの調製)
ワセリン組成物/サンプルを下記の方法で調製した。各例において、上記ワックス成分と上記低融点ワックス成分を100℃のオーブン内で融解させた。室温で液状の上記パラフィンについても、100℃のオーブン内で予備加熱を行った。融解させたワックスを清浄なステンレス製ビーカーに移し、秤に載せ、ペトロリアム・ジェリーの処方にしたがって必要量のワックスを正確に秤量した。上記流動パラフィンと混合する前の上記ワックスの温度は、流動パラフィンと同様、80℃であることを確認した。これら融解物は、得られる混合物が透明となるまで攪拌し、その後5時間放置して固化させた。
使用した上記各成分の性質を下記表1にまとめた。粘度は上記ASTM D445に従った方法で測定した。滴点(融点)は、上記ASTM D127に従った方法で測定した。
Figure 0006374792
(各成分の側鎖の種類と含有量の決定)
上記ワセリン組成物の各成分の側鎖の種類と含有量とを、Varian CP-3800 GCを用いた高温ガスクロマトグラフィ(HTGC)により決定した。キャリアガスにはH2を用いた。Restek MXT-1 (100%架橋ジメチルポリシロキサン)をキャピラリーカラム(長さ15m、内径0.28mm、固定相膜厚0.15μm)として用いた。注入にはプログラム式のオンカラム・インジェクタを用い、水素炎イオン化検出器(FID)を使用した。上記ワックスの溶媒としてはキシレンを用いた。表2に本法で採用した条件をまとめる。
Figure 0006374792
(ワセリン組成物/サンプルの性質)
上記の処方と物性分析結果とを下記表3に示す。
Figure 0006374792
表3に示すサンプルは全て、欧州薬局方に定める多環式芳香族炭化水素、同定、酸性度/塩基性度、硫酸灰分の各試験に合格している。
[実施例2]
(パーソナルケア製品へのワセリンの適用)
(全般的な実験条件)
レオロジーとは、物質の変形や流動を、製品に加わる剪断速度または剪断応力の関数として理解する科学の一分野である。本実施例におけるレオロジー的測定は、Anton Paarレオメーター(アントン・パール社、オーストリア)を用いて行った。このAnton Paarレオメーターは応力制御型の機種で動的、静的の双方の剪断応力測定に対応でき、印加された剪断応力に応じてサンプルが発生させるトルク値を測定するものである。動的/静的剪断応力はステッピング・モーターにより印加され、上記トルクはフォース・リバランス・トランスデューサー(FRT)で測定される。
T. K. Parkins, J. B. Turner, Starting Behavior of Gathering Lines and Pipelines Filled with Gelled Prudhoe Bay, J. Pet. Technol., 23 (1971) 301-308には、熱履歴、剪断履歴、時効およびワセリンの組成が降伏応力の測定に大きく影響することが記載されている。本実施例で行う測定ではいずれも新たに調製したサンプルを用い、サンプルは装填後40分間放置して材料緩和と温度平衡化とを図った。材料を完全に緩和させ温度平衡を達成するには40分間で十分であることがわかった。全ての測定は試験毎に少なくとも3回繰り返し、全ての測定において変動係数±5%以内という、極めて再現性の高いデータが得られた。
本実施例では、測定は全て半径25mm、ギャップ長2.5mmの平行平板金具を用いて行った。2枚の平板の間隔が広いほど、ギャップ誤差は少なくなる。
(一次皮膚感覚を検討するための測定方法)
本調査では、クリーム・サンプルの流動開始点τFを上記の粘度曲線(図1)の極大点ηmaxから求めた。
年齢、性別、人種の異なる15名で構成されるパネルから官能評価結果を得た。上記パネルにクリームの評価と採点を求め、点数10は官能評価の良好な製品、点数0は官能評価結果の劣る製品とした(表4)。これらサンプルはブラインド・テストで評価し、上記パネルにはA〜Dのラベルを貼ったクリームを渡した。
Figure 0006374792
Figure 0006374792
供試クリームの処方には15%のペトロリアム・ジェリーまたはワセリン(表5)、またエマルジョンを調製するために0〜100%のフィッシャー・トロプシュ・ペトロリアム・ジェリーを用いた(表4)。クリームAにはフィッシャー・トロプシュワックスを含まない、従来の鉱油ベースのペトロリアム・ジェリーを用いた。クリームBも100%鉱油ベースのペトロリアム・ジェリーを用いているが、処方はクリームAに使用したペトロリアム・ジェリーとやや異なっている。クリームCは100%フィッシャー・トロプシュワックスから成るペトロリアム・ジェリーを用いており、一方クリームDにはフィッシャー・トロプシュワックスを65%含む合成ペトロリアム・ジェリーが主成分として用いられている。
上記パネルによる上記クリームの伸びに関する官能評価を、流動開始点において測定された最大粘度と剪断応力とに関連づけた結果を、図2にウィンドウで示した。図2に示すウィンドウの各境界は、パネル構成員による官能評価が高かったクリーム・サンプルの結果に基づいて決定されている。上記ウィンドウは流動開始点において測定された剪断応力と最大粘度の測定値を表しており、これにより官能評価の高い製品の上限値と下限値とが解る。図2は、レオロジー的性質の測定値で表される本発明のクリームの特徴範囲を、皮膚感触の評価の高いクリームの文献値と比較して示す図である。
図2に示す通り、本発明でテストしたクリームD(フィッシャー・トロプシュワックスを65%含有)のみが、R. BrummerとS. Gorderskty(Rheological studies to objectify sensations occurring when cosmetic emulsions are applied to the skin, Colloids and Surfaces: Physicochemical and Engineering Aspects 152 (1999) 89-94)が見出した一次皮膚感触の良好範囲であるウィンドウ内に入っている。今回の検討から、フィッシャー・トロプシュワックス原料を65%含有するペトロリアム・ジェリーを用いた処方品は、従来の鉱油ベースの製品と比べて一次官能評価すなわち伸びに優れていることが解った。クリームDに対するパネルの感想は、塗布がスムースで、吸収が良い、というものであった。100%フィッシャー・トロプシュワックスから成るペトロリアム・ジェリーを用いたクリームCは、官能評価の良好範囲から外れているが、鉱油ベースの製品であるクリームAとBよりは上記ウィンドウに近い。クリームCに対するパネルの評価は高かった。官能評価の良好さを示すウィンドウ(2)から製品の評価が遠く離れるほど、パネルによる採点が低くなることは興味深い。クリームAは上記ウィンドウから最も遠く、パネルによる採点も最も低かった。

Claims (10)

  1. 1分子当たりの平均炭素原子数が25〜70の大結晶合成ワックスであって、メチル側鎖およびエチル側鎖から選択される側鎖を有する分枝状パラフィン類を5〜50重量%含む、大結晶合成ワックス10〜60重量%と、
    1分子当たりの平均炭素原子数が10〜20の直鎖状合成パラフィン10〜60重量%と、
    1分子当たりの平均炭素原子数が20〜30であって、滴点(融点)が20℃〜30℃であ合成の低融点のフィッシャー・トロプシュワックスとを含むワセリン組成物であって、
    滴点(融点)が35℃〜80℃である、ワセリン組成物。
  2. 前記大結晶合成ワックスが前記ワセリン組成物の20〜40重量%を占める、請求項1に記載のワセリン組成物。
  3. 前記大結晶合成ワックスは、水素化異性化ワックス、水素化異性化フィッシャー・トロプシュワックス、α−オレフィンワックス、およびフィッシャー・トロプシュワックスからなる群より選択される、請求項1に記載のワセリン組成物。
  4. 前記直鎖状合成パラフィンが前記ワセリン組成物の20〜40重量%を占める、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワセリン組成物。
  5. 滴点(融点)が35℃〜70℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワセリン組成物。
  6. ちょう度(ASTM D217−10に規定された円錐を用いASTM D937−07にしたがって測定)が60〜300mm/10である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のワセリン組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のワセリン組成物の、化粧品用途、またはケーブル充填用途における使用。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のワセリン組成物の、化粧品、医薬品、ケーブル充填用製品または充填されたケーブル製品の製造における使用。
  9. 化粧品、医薬品、ケーブル充填用製品または充填されたケーブル製品の製造方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載のワセリン組成物を、化粧用組成物または物質、医薬用組成物または物質、ケーブル充填用組成物または物質、またはケーブルまたはケーブル部品に添加し、該化粧品、該医薬品、該ケーブル充填用製品または該充填されたケーブル製品を得る、製造方法。
  10. 請求項1に記載のワセリン組成物を調製するプロセスであって、該プロセスは、
    1分子当たりの平均炭素原子数が25〜70の大結晶合成ワックスであって、メチル側鎖およびエチル側鎖から選択される側鎖を有する分枝状パラフィン類を5〜50重量%含む大結晶合成ワックスに、1分子当たりの平均炭素原子数が10〜20の直鎖状合成パラフィンと、1分子当たりの平均炭素原子数が20〜30であって、滴点(融点)が20℃〜30℃であ合成の低融点のフィッシャー・トロプシュワックスとを混合し、前記ワセリン組成物を得る工程を有し、
    前記ワセリン組成物中の前記大結晶合成ワックスの含量が10〜60重量%、前記直鎖状合成パラフィンの含量が10〜60重量%となるのに十分な量の該大結晶合成ワックスおよび該直鎖状合成パラフィンを用い、
    前記ワセリン組成物の滴点(融点)が35℃〜80℃である、プロセス。
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