JP6373195B2 - エポキシ樹脂硬化促進剤、および半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化促進剤、および半導体封止用エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂硬化促進剤に関し、さらに詳しくは、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止に適したエポキシ樹脂硬化促進剤、および半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
発光ダイオードなどの発光素子は、従来の白熱灯などに比べて、消費電力が小さく、寿命が長いことなどから、近年、種々の表示用あるいは照明用に使用されるようになってきた。ところで、発光ダイオードは、ガリウム砒素化合物などからなるpn接合素子に電流を流すことで素子を発光させるものであるが、その素子を酸素や水分あるいは機械的損傷から保護するために、通常、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂組成物で封止されている。受光素子についても同様である。
従来、半導体封止用樹脂組成物としては、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂に、酸無水物系硬化剤とイミダゾール類、DBUおよびその有機酸塩、アンモニウムあるいはホスホニウムのカルボン酸塩などの硬化促進剤を加えたものが、硬化性が良く、かつ封止成型しやすいことから、広く実用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかしながら、半導体封止用樹脂組成物に、イミダゾール類、DBU類あるいはアンモニウム塩類などの窒素原子を有する硬化促進剤を使用した場合は、該樹脂組成物を高温で硬化させたり、また、該樹脂組成物で封止した半導体装置を長期間使用すると、該樹脂組成物が熱により黄変し、透明性が低下する問題がある。
これらの問題を解決するために、テトラブチルホスホニウムオクチル酸塩を硬化促進剤とする液状のエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献3参照)。このホスホニウム塩は、耐熱透明性に優れているが、金属配線との密着性が低いため信頼性(耐衝撃性)が不足している。
特開昭58−128756号公報 特開昭63−77929号公報 特開平7−196774号公報
そこで、透明性に優れ、かつ金属配線との密着性に優れるエポキシ樹脂硬化促進剤、および半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化促進剤(Q);及びこれを用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)である。
Figure 0006373195
[式(1)中、R〜Rは、炭素数6〜12のアリール基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
本発明は第4級ホスホニウムを有するため、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を硬化促進することができる。
またホスホニウムの4個の置換基の内、3個が芳香族であるため熱安定性に優れるため、エポキシ樹脂と硬化剤の反応速度をコントロールすることができる。さらにアニオンのリン酸エステルの酸強度が高いため反応速度を遅くでき、硬化発熱が抑制されるため、硬化時の熱着色が小さく透明性に優れる。
アニオンのリン酸エステル中にアニオン化されていないリン酸基を有するため、金属と相互作用することができ、密着性も優れる。
このため本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、硬化後の透明性に優れ、また金属配線との密着性が高いため耐衝撃性に優れる。
したがって、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止剤用の硬化促進剤として好適である。また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、上記の用途に好適である。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、下記一般式(1)で表される4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)を含むことを特徴とする。
Figure 0006373195
[式(1)中、R〜Rは、炭素数6〜12のアリール基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
一般式(1)中のR〜Rを構成する炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等が挙げられる。
を構成する炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
〜Rとして、原料の入手のしやすさ、溶解性の観点から、好ましくはフェニル基、メチルフェニル基およびナフチル基、さらに好ましくはフェニル基である。
としては、硬化性の観点、および合成の容易さの観点から、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基である。
を構成する炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、および2−プロピルペンチル基等が挙げられる。
を構成する炭素数6〜12のアリール基としては、上記R〜Rと同様のものが挙げられる。
としては、入手のしやすさの観点から、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、およびフェニル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基およびブチル基、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)の合成方法は、特に限定されないが、例えば、第4級ホスホニウムのアルキル炭酸塩(A11)とリン酸モノエステル(A2)との塩交換反応(I)、および第4級ホスホニウムの水酸化物(A12)とリン酸モノエステル(A2)との塩交換反応(II)等により得られる。
第4級ホスホニウムのアルキル炭酸塩(A11)は、例えば、対応する第3級ホスフィンと炭酸ジエステル類とを反応させることで得られる。製造条件としては温度50〜150℃にてオートクレーブ中10〜200時間であり、反応を速やかに収率良く完結するために、反応溶媒を使用することが好ましい。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール等が好ましい。溶媒の量は特に限定されるものではない。
対応する第3級ホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、2−(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル等が挙げられる。炭酸ジエステルとしては公知のものであればよく、特に限定するものではないが、具体的にはジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が用いられる。
第4級ホスホニウムの水酸化物(A12)は、例えば、対応する第3級ホスフィンとハロゲン化(臭素、または塩素)アルキル、またはハロゲン化(臭素、または塩素)アリールとを反応させた後に、無機アルカリにより塩交換することで得られる。製造条件としては温度20〜150℃にて1〜20時間であり、反応を速やかに収率良く完結するために、反応溶媒を使用することが好ましい。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール等が好ましい。溶媒の量は特に限定されるものではない。
対応する第3級ホスフィンとしては上記と同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化メチル、臭化エチル、塩化ブチル等が挙げられる。
無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、および水酸化アルミニウム等が挙げられる。
リン酸モノエステル(A2)としては、例えば、リン酸モノメチル、リン酸モノメチル、リン酸モノイソプロピル、リン酸モノブチル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、およびリン酸モノフェニル等が挙げられる。
第4級ホスホニウムのアルキル炭酸塩(A11)、または水酸化物(A12)と、リン酸モノエステル(A2)を塩交換反応する際のモル比は、硬化性と流動性の観点から、通常30/70〜70/30であり、好ましくは40/60〜60/40である。
製造条件としては温度50〜150℃にて1〜20時間反応させながら、副生成するアルコール、水、炭酸ガス、および必要に応じて反応溶媒等を除去する。
4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)の合成方法として、電気信頼性を悪化させるイオン性不純物の混入防止の観点から、第4級ホスホニウムのアルキル炭酸塩(A12)とリン酸モノエステル(A2)との塩交換反応(I)が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、下記一般式(2)で表される4級ホスホニウムのリン酸ジエステル塩(AD)を含有しても良い。
Figure 0006373195
[式(2)中、R〜Rは、炭素数6〜12のアリール基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
4級ホスホニウムのリン酸ジエステル塩(AD)は、4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)の合成方法で使用されるリン酸モノエステル(A2)をリン酸ジエステル(AD2)に変更することで合成できる。
リン酸ジエステル(AD2)としては、例えば、リン酸ジメチル、リン酸ジメチル、リン酸ジイソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジ2−エチルヘキシル、およびリン酸ジフェニル等が挙げられる。
4級ホスホニウムのリン酸ジエステル塩(AD)を含有する場合、この含有量は適宜決定でき、たとえば、4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)の重量に基づいて30〜300重量%である。
また本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、公知の溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
溶媒を含有する場合、この含有量は適宜決定でき、たとえば、4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)の重量に基づいて5〜500重量%である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を必須成分として含むことを特徴とする。エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を含むため、加熱により硬化することができ、また透明性、および密着性に優れる。エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は1種単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)としては、エポキシ樹脂(B)、酸無水物硬化剤(C)、およびエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の組み合わせが挙げられる。
エポキシ樹脂(B)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の透明性に優れたものが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。これらのほかに、本発明の目的に反しない範囲において、他のエポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂などを併用することもできる。
酸無水物硬化剤(C)としては、例えば、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物などの従来から公知の無色または淡黄色の酸無水物が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。酸無水物系硬化剤(B)の使用割合は、前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1当量に対して、通常、0.7〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量である。この範囲外では、硬化物の物性が低下したり、硬化物が着色したりすることがあるので好ましくない。
エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の配合量は、加熱硬化速度及び着色の観点から、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、通常、0.3〜5.0質量部、好ましくは0.5〜3.0質量部である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、前記のエポキシ樹脂(A)、酸無水物硬化剤(B)およびエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を必須の成分とするが、必要に応じてフェノール系酸化防止剤などの変色防止剤、微細シリカ粉などの光散乱剤、染料などの着色剤、エポキシシラン系、ビニルシラン系、チタネート系などのシリカ粉との相溶性を向上させるカップリング剤、ステアリン酸およびその金属塩などの成型金型から脱型しやすくさせる内部離型剤などが配合されていてもよい。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)、および半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止材料用に主に使用される半導体封止用エポキシ製造用として適している。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1>
<第4級ホスホニウムベース(Be1)の製造方法>
攪拌式のオートクレーブに、炭酸ジメチル(東京化成工業株式会社社製)180部および溶媒のメタノール224部を仕込み、この中にトリフェニルホスフィン(東京化成工業株式会社社製)262部を仕込み、反応温度125℃にて80時間反応させた。ついでメタノール120部を減圧除去した後、トルエン1200部投入し結晶を析出させた。この結晶をろ過単離することで、第4級ホスホニウムベース(Be1)としてトリフェニルメチルホスホニウムモノメチル炭酸塩を得た。
<製造例2>
<第4級ホスホニウムベース(Be2)の製造方法>
製造例1におけるトリフェニルホスフィン262部の代わりにトリス(4−メチルフェニル)ホスフィン(東京化成工業株式会社社製)304部に、炭酸ジメチルの代わりに炭酸ジエチル(東京化成工業株式会社社製)を使用し、反応温度130℃、反応時間150時間とした以外は、製造例1と同様にして、第4級ホスホニウムベース(Be2)としてトリ(4−メチルフェニル)エチルホスホニウムモノエチル炭酸塩を得た。
<製造例3>
<第4級ホスホニウムベース(Be3)の製造方法>
滴下ロート、および還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコにトリフェニルホスフィン262部、イソプロピルアルコール1000部仕込み、均一溶解させた後に、1−ブロモブタン(東京化成工業株式会社社製)137部を滴下投入し60℃で2時間反応させた。ついで水酸化ナトリウム40部を投入し60℃で2時間反応させ、析出した塩を除去することで第4級ホスホニウムベース(Be3)として水酸化ブチルトリフェニルホスホニウム溶液(固形分濃度 25%)を得た。
<比較製造例1>
<第4級ホスホニウムベース(Be’1)の製造方法>
攪拌式のオートクレーブに、炭酸ジメチル180部および溶媒のメタノール224部を仕込み、この中にトリブチルホスフィン202部を滴下して仕込み、反応温度125℃にて20時間反応させた。ついでメタノール120部を減圧除去した後、ヘキサン600部投入攪拌し、しばらく静置、分離後した。上澄みのヘキサン層を除去後、下層を濃縮して第4級ホスホニウムベース(Be’1)としてトリブチルメチルホスホニウムモノメチル炭酸塩を得た。
<比較製造例2>
<第4級ホスホニウムベース(Be’2)の製造方法>
製造例3における1−ブロモブタン137部をブロモベンゼン(東京化成工業株式会社社製)157部に変更した以外は製造例3と同様にして、第4級ホスホニウムベース(Be’2)として水酸化テトラフェニルホスホニウム溶液(固形分濃度 25%)を得た。
<実施例1>
滴下ロート、および還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコに製造例1で製造の第4級ホスホニウムベース(Be1)352部、およびメタノール500部を入れ、50℃で温調しながらリン酸ブチル(モノ−,ジ−混合物、混合比率 40:60wt%)(東京化成工業株式会社社製)126部を投入攪拌した。ついでメタノールを減圧除去することで粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q−1)を得た。
<実施例2>
実施例1における第4級ホスホニウムベース(Be1)352部の代わり製造例2で製造の第4級ホスホニウムベース(Be2)400部に、リン酸ブチル(モノ−,ジ−混合物)126部の代わりにリン酸フェニル(東京化成工業株式会社社製)174部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−2)を得た。
<実施例3>
実施例1における第4級ホスホニウムベース(Be1)352部の代わり製造例3で製造の第4級ホスホニウムベース(Be3)1344部に、リン酸ブチル(モノ−,ジ−混合物)126部の代わりにリン酸メチル(モノ−,ジ−混合物、混合比率 55:45wt%)119部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−3)を得た。
<実施例4>
実施例1におけるリン酸ブチル126部をリン酸2−エチルヘキシル(モノ−,ジ−混合物、混合比率 40:60wt%)220部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−4)を得た。
<比較例1>
実施例1におけるリン酸ブチル(モノ−,ジ−混合物)126部の代わりにリン酸ジブチル(東京化成工業株式会社社製)154部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−1)を得た。
<比較例2>
実施例2におけるリン酸ブチル(モノ−,ジ−混合物)126部の代わりにリン酸オレイル(モノ−,ジ−混合物、混合比率 45:55wt%)475部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−2)を得た。
<比較例3>
実施例1における第4級ホスホニウムベース(Be1)352部の代わり比較製造例1で製造の第4級ホスホニウムベース(Be’1)292部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−3)を得た。
<比較例4>
実施例2における第4級ホスホニウムベース(Be2)400部の代わり比較製造例2で製造の第4級ホスホニウムベース(Be’2)1820部に変更した以外は、実施例2と同様にして、比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−4)を得た。
<性能評価>
実施例1〜4で作成した本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q−1)〜(Q−4)、及び比較例1〜4で作成した比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−1)〜(Q’−4)の透明性、および基材密着性について以下の方法で評価した。
脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P、株式会社ダイセル製)100部、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物(東京化成工業株式会社社製)120部、および各例で得られたエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)1部を均一溶解することで半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)を得た。
<透明性>
離型剤を塗布したガラス板2枚を0.5cmの隙間になるようにして、その間に半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)を流し込み、120℃で5時間硬化した。硬化後、ガラス板をはずすことで硬化物を得た。
各硬化物の波長400nmにおける光透過率を、紫外可視分光光度計により測定した。
<基材密着性>
半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)を、ITO処理されたガラス基板上に塗布し、膜厚100μmとなるように離型PETで挟み込み、120℃で5時間硬化した後に離型PETを外し硬化膜を得た。ついでJIS K−5400(1990年)に準拠し、すきま間隔1mm、100個のます目で碁盤目テープ法を用いて密着性試験を行い、下記の基準で評価した。
A:剥離個数0〜10
B:剥離個数11〜50
C:剥離個数51〜100
実施例1〜4および比較例1〜4で得たエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の評価結果を表1に示す。
Figure 0006373195
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、硬化後の透明性に優れており、また基材に対する密着性に優れていることが分かる。
一方、アニオン中にフリーのリン酸基を含有しない比較例1では、ITO基板との相互作用がしにくいため、基材密着性に劣ることがわかる。
またRが炭素数8より大きいアルキル基からなる比較例2では、エポキシ樹脂、および酸無水物硬化剤との相溶性が悪く、透明性が大幅に劣っており、さらに長鎖アルキル基が基材との相互作用を阻害するため、基材密着性に劣っていることが分かる。
〜Rがアルキル基からなる比較例3では、硬化反応時の発熱が大きいため硬化後の透明性が劣っていることが分かる。またRがアリール基からなる比較例4では、エポキシ樹脂、および酸無水物硬化剤へ完全に溶解しないため、透明性が劣っていることが分かる。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)、および半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止材料用に主に使用される半導体封止用エポキシ製造用として有用である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される4級ホスホニウムのリン酸エステル塩(A)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)。
    Figure 0006373195
    [式(1)中、R〜Rは、炭素数6〜12のアリール基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。]
  2. 一般式(1)において、R〜Rがフェニル基である請求項1記載のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)。
  3. 請求項1または2記載のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)。
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