JP2019108457A - 光反射用熱硬化性樹脂タブレット、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置 - Google Patents

光反射用熱硬化性樹脂タブレット、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置 Download PDF

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香澄 中村
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Abstract

【課題】従来よりもさらに硬化後の光反射率が高く、光取り出し効率が良好なリフレクターを与える光反射性熱硬化性樹脂タブレットを提供することを目的とする。また、本発明は、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置を提供することを目的とする。【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、白色顔料、及び蛍光染料を含有する光反射用熱硬化性樹脂タブレット。【選択図】図1

Description

本発明は、光反射用熱硬化性樹脂タブレット、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置に関する。
LED(LightEmittingDiode:発光ダイオード)等の光半導体素子と蛍光体とを組み合わせた光半導体装置は、エネルギー効率が高く、寿命が長いことから、屋外用ディスプレイ、携帯液晶バックライト、車載用途に使用され、その需要が拡大しつつある。これに伴いLEDデバイスの高輝度化が進んでおり、素子の発熱量増大によるジャンクション温度の上昇や、直接的な光エネルギーの増大による光半導体装置の劣化を防ぐことが求められている。
LEDデバイス(光半導体装置)には砲弾型、表面実装型等の形状があり、例えば、表面実装型LEDにおいては、光半導体素子と該光半導体素子から放出された光を反射させ、取り出し効率を向上させるための部材(リフレクター)が形成されている。特許文献1〜3には、エポキシ樹脂と酸無水物等の硬化剤とを含有する光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いた光半導体素子搭載用基板が開示されている。
特許第6210577号公報 特許第6210576号公報 特許第6209928号公報
LEDデバイスが高輝度化するにつれて、リフレクターで光取り出し効率を高める重要性が高まっている。それに伴い、従来よりもさらに高度な光反射率を達成できるリフレクターが要求されるようになってきている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来よりもさらに硬化後の光反射率が高く、光取り出し効率が良好なリフレクターを与える光反射用熱硬化性樹脂タブレットを提供することを目的とする。また、本発明は、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を行なった結果、従来より用いられていた白色顔料と蛍光染料とを併用することで、光反射率を向上できることを見出した。すなわち、本発明は、次のものを提供するものである。
<1>エポキシ樹脂、硬化剤、白色顔料、及び蛍光染料を含有する光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<2>前記蛍光染料が、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、トリアジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、キサントン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チオフェン誘導体、クマリン誘導体、及びナフタルイミド誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種である<1>に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<3>さらに酸化防止剤を含有する、<1>又は<2>に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<4>前記エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基との反応可能な硬化剤中の活性基が0.3〜1.8当量である<1>〜<3>のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<5>成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、厚さ1mmに成形した硬化物の450nmでの反射率が80%以上である請求項<1>〜<4>のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<6>エポキシ樹脂、硬化剤及び白色顔料を含有し、成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、厚さ1mmに成形した硬化物の彩度bの値が2.0以下である光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<7>前記白色顔料が酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、鉛白、カオリン、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫化亜鉛及び中空粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種である、<1>〜<6>のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
<8>底面及び壁面から構成される凹部を有し、前記凹部の底面が光半導体素子搭載部であり、
前記凹部の壁面の少なくとも一部が<1>〜<7>のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなる、光半導体素子搭載用基板。
<9>底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板の製造方法であって、
前記凹部の壁面の少なくとも一部を、<1>〜<7>のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いて形成する工程を備える、光半導体素子搭載用基板の製造方法。
<10>底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板と、前記光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、前記凹部を充填して前記光半導体素子を封止する封止樹脂部と、を備え、
前記凹部の壁面の少なくとも一部が、<1>〜<7>のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなる、光半導体装置。
本発明の光反射性熱硬化性樹脂タブレットを用いることで、硬化後の初期の光反射率が高く、従来よりも光取り出し効率が良好で、さらに成形時の取り扱いに優れるリフレクターを製造可能である。また、本発明によれば、成形性に十分に優れると共にアルカリ耐性に優れ、樹脂成分の溶出を十分に低減した硬化物を形成可能な光反射用熱硬化性樹脂タブレット、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置を提供することができる。
本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。 本実施形態に係る樹脂汚れの除去工程を示す概略図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
[光反射用熱硬化性樹脂タブレット]
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有するものである。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、特に限定されない。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びアルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリアジン誘導体エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、並びに脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。トリアジン誘導体エポキシ樹脂は、光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物の黄変を抑制し、かつ経過劣化の少ない光半導体装置を実現する。かかるトリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂であることが好ましい。特にイソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は、耐光性や電気絶縁性に優れており、1つのイソシアヌレート環に対して、2価の、より好ましくは3価のエポキシ基を有することが望ましい。具体的には、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート等を用いることができる。
これらのうち、着色を抑える観点から、分子中に炭素―炭素二重結合を有さないエポキシ樹脂が好ましい。例えば、グリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、トリス(グリシドキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、及び、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸ジグリシジルエステルが、着色が少ないことから好ましい。同様の理由から、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸及びメチルナジック酸等のジカルボン酸のジグリシジルエステルも好適である。芳香環が水素化された脂環式構造を有する核水素化トリメリット酸、核水素化ピロメリット酸等のグリシジルエステルも挙げられる。シラン化合物を有機溶媒、有機塩基及び水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させることにより製造される、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンも挙げられる。また、成分として、グリシジル(メタ)アクリレート単量体と、これと重合可能な単量体との共重合体である、下記式(7)で示されるエポキシ樹脂を用いることもできる。
Figure 2019108457
式(7)中、Rはグリシジル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の1価の炭化水素基を示し、Rは1価の飽和炭化水素基を示す。a及びbは正の整数を示す。
硬化物の着色を抑制するために、エポキシ樹脂は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される脂肪族炭化水素基を有する脂環式エポキシ樹脂であることも好ましい。上記環式脂肪族炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。
常温での取り扱い性の観点から、エポキシ樹脂は常温で固体であることが好ましい。また、エポキシ樹脂の融点は35℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。
(硬化剤)
硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば特に限定されない。硬化剤として、例えば、酸無水物系硬化剤、イソシアヌル酸誘導体系硬化剤、フェノール系硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が挙げられる。イソシアヌル酸誘導体としては、1,3,5−トリス(1−カルボキシメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。これらの硬化剤の中では、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸又は1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレートを用いることが好ましい。
また、上記硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
光反射用熱硬化性樹脂タブレットから形成される硬化物のアルカリ耐性をより一層向上する観点から、硬化剤は、下記式(2)で表される化合物であるテトラヒドロ無水フタル酸又は下記式(3)で表される化合物であるトリメリット酸無水物であってもよい。
Figure 2019108457
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおいて、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、樹脂汚れを抑制するという観点から、50〜120質量部であることがより好ましい。
また、硬化剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基との反応可能な硬化剤中の活性基(酸無水物基又は水酸基)が0.3〜1.8当量となるように配合することが好ましく、0.5〜1.2当量となることがより好ましい。活性基が上記の範囲内であれば、光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化速度を高めると共に得られる硬化体のガラス転移温度を高くできる傾向にある。
硬化剤は、カルボキシル基含有化合物を分子間で縮合した多価カルボン酸縮合体であってもよい。
具体的には、例えば、下記一般式(1)で表される成分であってもよい。
Figure 2019108457
式(1)中、Rxは2価の有機基を示し、飽和炭化水素環を有する2価の飽和炭化水素基であることが好ましい。Rxが飽和炭化水素環を有する飽和炭化水素基であることにより、当該多価カルボン酸縮合体はエポキシ樹脂の透明な硬化物を形成させることが可能である。同一分子中の複数のRxは同一でも異なっていてもよい。Rxの飽和炭化水素環はハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。飽和炭化水素環を置換する炭化水素基は好ましくは飽和炭化水素基である。飽和炭化水素環は単環でもよいし、2以上の環から構成される縮合環、ポリシクロ環、スピロ環又は環集合であってもよい。Rxの炭素数は好ましくは3〜15である。また、nは0以上の整数を示し、0〜200であることが好ましく、0〜100であることがより好ましい。
式(1)中、Ryは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。2個のRyは同一でも異なっていてもよい。Ryは、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数2〜15の脂肪族若しくは芳香族モノカルボン酸(安息香酸等)からカルボキシル基を除くことにより誘導される1価の基であってもよい。
Ryは、好ましくは、下記化学式(20)で表される1価の基、又は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される1価の基である。Ryがこれらの基であることにより、熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。また、Ryがこれらの基であると、多価カルボン酸縮合体中のカルボン酸残基の濃度が低減すると共に、分子量の分散を抑えることができる。
より具体的には、Rxはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される2価の基であることが好ましい。Rxがこれらの基であることにより、透明で熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。これら環式飽和炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基(好ましくは飽和炭化水素基)で置換されていてもよい。
特に、Rxは1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はこれらの誘導体からカルボキシル基を除いて誘導される基であることが好ましい。すなわち、Rxは下記一般式(10)で表される2価の基であることが好ましい。式(10)中、mは0〜4の整数を示す。Rzはハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を示す。mが2〜4であるとき、複数のRzは同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
Figure 2019108457
Ryは、好ましくは、下記化学式(20)又は(21)で表される1価の基、又は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される1価の基である。Ryがこれらの基であることにより、熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。また、Ryがこれらの基であると、多価カルボン酸縮合体中のカルボン酸残基の濃度が低減すると共に、分子量の分散を抑えることができる。
Figure 2019108457
常温での取り扱い性の観点から、硬化剤は常温で固体であることが好ましい。また、硬化剤の融点は30℃以上であることが好ましく、32℃以上であることがより好ましく、33℃以上であることがさらに好ましい。
(硬化促進剤)
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットには必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、及び成分間の硬化反応を促進させるような触媒機能を有するものであれば、特に限定されることなく用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの硬化促進剤の中でも、アミン化合物、イミダゾール化合物又は有機リン化合物を用いることが好ましい。アミン化合物としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールが挙げられる。また、イミダゾール化合物として、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。さらに、有機リン化合物としては、例えば、硫黄を含む有機リン化合物、ホウ素を含む有機リン系化合物、その他の有機リン系化合物等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレートが挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜8質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量が、0.01質量部未満では、十分な硬化促進効果を得られない場合があり、8質量部を超えると、得られる成形体に変色が見られる場合がある。
(白色顔料)
白色顔料は限定されないが、リフレクターの反射率を高くするため屈折率が高い白色顔料を使用することが好ましく、例えば、屈折率が1.5以上の白色顔料が好ましい。白色顔料としては、例えば、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、鉛白、カオリン、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫化亜鉛等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。白色顔料として、中空粒子を用いてもよい。中空粒子は、内部に空隙部を有する粒子であり、外殻を構成する物質は特に限定されない。中空粒子は、入射光を表面及び内壁で屈折及び反射するため、白色顔料として有用である。中空粒子は内部(コア)に低屈折率の気体を含み表面反射率が非常に大きいので、シェル部分は屈折率が1.5より低い材料で構成されていてもよい。シェル部分が後述する無機充填剤と同一である中空粒子であっても、白色顔料に帰属する。より良好な光反射性を得る観点からは、白色顔料はアルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛又は中空粒子が好ましい。
中空粒子としては、無機中空粒子、有機中空粒子等が挙げられる。具体的には、例えば、シェル部分が無機ガラス[例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、石英等]、シリカ、アルミナ等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ニッケル、珪酸カルシウム等の金属塩等の無機物により構成された無機中空粒子(シラスバルーン等の天然物も含む);スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン−共役ジエン系樹脂、アクリル−共役ジエン系樹脂、オレフィン系樹脂等のポリマー(これらポリマーの架橋体も含む)等の有機物により構成された有機中空粒子;無機物と有機物のハイブリッド材料により構成された無機−有機中空粒子等が挙げられる。また、上記中空粒子の中空部(中空粒子の内部の空間)は、真空状態であってもよいし、媒質で満たされていてもよいが、特に、反射率向上の観点では、屈折率が低い媒質(例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスや空気等)で満たされた中空粒子が好ましい。
白色顔料の中心粒径は特に限定されないが、0.05〜50μmの範囲にあることが好ましく、0.08〜30μmの範囲にあることがより好ましく、0.1〜10μmの範囲にあることがさらに好ましい。白色顔料の中心粒径が0.1μm以上であると分散性がより良好になり、50μm以下であると硬化物の光反射特性がより良好になる。なお、中心粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。白色顔料の最大粒径は特に限定されないが、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。この範囲であれば、硬化物の光反射特性がより良好になる。
光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおける白色顔料の含有量は、光反射用熱硬化性樹脂タブレット全量を基準として1〜90質量%の範囲であることが好ましく、5〜90質量%の範囲であることがより好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。白色顔料を用いる場合、含有量が1質量%以上ならば、硬化物の光反射特性がより向上し、90質量%以下ならば、光反射用熱硬化性樹脂タブレットの成形性がより向上する。また、同様の観点から、樹脂成分(エポキシ樹脂、硬化剤、必要に応じて含有する硬化促進剤等の合計量)の総量100質量部に対して、顔料の含有量は50〜2000質量部であることが好ましく、80〜1700質量部であることがより好ましく、100〜1500質量部であることがさらに好ましい。
白色顔料は、公知の表面処理(例えば、金属酸化物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の表面処理剤による表面処理等)が施されたものであってもよい。このような表面処理を施すことにより、光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおける他の成分との相溶性や分散性を向上させることができる場合がある。白色顔料の形状は、特に限定されず、例えば、球状、破砕状、繊維状、針状、鱗片状等が挙げられる。中でも、分散性の観点で、球状が好ましく、真球状(例えば、アスペクト比が1.2以下の球状の酸化チタン)がより好ましい。
(蛍光染料)
蛍光染料は、紫外線を吸収し、可視光線を発光可能な化合物である。蛍光染料としては繊維製品、紙、合成樹脂などに用いられる公知の蛍光染料を使用することができ、短波長領域の紫外線を選択的に吸収して可視光に変化させ、該可視光を放射するという方法で光特性を向上させる。このような特性から、一般的に蛍光染料は洗濯用洗剤に多く用いられている。
蛍光染料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、トリアジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、キサントン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チオフェン誘導体、クマリン誘導体、及びナフタルイミド誘導体、畜光顔料等が挙げられる。光反射用熱硬化性樹脂タブレットに蛍光染料を含むことにより、光反射性が向上すると共に、耐熱性、及び耐光性が向上する。これらの中でも、樹脂や溶剤への溶解性の観点ではチオフェン誘導体が好ましく、溶解性を高めることで相分離を抑え、トータルとして高い耐候性を得られる傾向にある。
蛍光染料として、より具体的には、4,4’−ビス(ジフェニルトリアジニル)スチルベン、スチルベニル−ナフトトリアゾール、2,2’−(チオフェンジイル)−ビス(tert−ブチル−ベンゾオキサゾール)、2−(スチルビル−4’’)−(ナフト−1’,2’,4,5)−1,2,3−トリアゾール−2’’−スルホン酸フェニルエステル、7−(4’−クロロ−6’’−ジエチルアミノ−1’,3’,5’−トリアジン−4’−イル)−アミノ−3−フェニル−クマリン、2,5−ビス(6,6’−ビス(tert−ブチル)−ベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン、2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン、ジベンズオキサゾリルエチレン、及びN−メチル−5−メトキシナフタールイミド等が挙げられる。
畜光顔料としては、特に限定されない。例えば、SrAl:Eu,Dy、SrAl1425:Eu,Dy、CaAl:Eu,Nd、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される長残光性蛍光体が好ましく、さらに、ZnS、ZnSiCu、(Sr,Ca)SiBi、ならびにこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。畜光顔料としては、発光輝度及び残光特性などの観点から、SrAl:Eu,Dy、SrAl125:Eu,Dy、CaAl:Eu,Nd、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される長残光性蛍光体が特に好ましく、なかでもSrAl:Eu,Dyが特に好ましい。
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおいて蛍光染料は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、蛍光染料は、例えば、商品名「Hakkol PY−1800」(昭和化学工業株式会社製)等の市販品を使用することもできる。なお、蛍光染料は、テトラヒドロフラン中で測定した吸光スペクトルの極大波長が250nm〜390nmの範囲であり、かつ発光スペクトルの極大波長が330nm〜480nmの範囲である化合物がより好ましい。
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおける蛍光染料の使用量(配合量)は、光反射用熱硬化性樹脂タブレット(100質量%)に対して、0.0001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜3質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。硬化剤の含有量を0.0001質量%以上とすることにより、形成された硬化物の耐熱性及び耐光性(特に、優れた耐熱性)がより向上する傾向がある。一方、蛍光染料の含有量を5質量%以下とすることにより、成形時に光反射用熱硬化性樹脂タブレットが良好な流動性を有するため、成形(特に、トランスファー成形)時の未充填等の問題が抑制される傾向がある。
(無機充填剤)
光反射用熱硬化性樹脂タブレットは成形性を調整するために、無機充填剤を含むことが好ましい。無機充填剤として、例えば、シリカ、酸化アンチモン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、アルミナ、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー等のクレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素が挙げられる。熱伝導性、光反射特性、成形性及び難燃性の点から、無機充填剤は、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる2種以上の混合物であることが好ましい。無機充填剤の平均粒径は、白色顔料とのパッキング性を向上させる観点から、1〜100μmであることが好ましく、1〜40μmであることがより好ましい。本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおける無機充填剤の配合量は、成分及び成分の合計量100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、1〜800質量部であることがより好ましい。
なお、本明細書では、白色顔料及び無機充填剤の両方の効果を奏する物質については、原則として白色顔料に帰属するものとする。ただし、光反射用熱硬化性樹脂タブレットが白色顔料及び無機充填剤の両方の効果を奏する物質を2種類以上含有する場合、当該物質のうち1種類を無機充填剤に帰属するものとする。無機充填剤に帰属する物質は、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン及び酸化ジルコニウムを除く物質が優先される。
また、光反射用熱硬化性樹脂タブレットが白色顔料と共に後述する無機充填剤を含有する場合、白色顔料と無機充填剤との合計配合量が、光反射用熱硬化性樹脂タブレット全量を基準として、10〜92体積%であると、光反射用熱硬化性樹脂タブレットの成形性をより一層向上することができるため、好ましい。同様の観点から、40〜90体積%がより好ましく、70〜89体積%がさらに好ましい。
白色顔料と無機充填剤との混合割合は、初期光反射率の観点から、体積比で、(白色顔料)/(無機充填剤)=0.035〜0.25であることが好ましく、より好ましくは0.0375〜0.24である。特に、本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットに酸化チタンが含まれる場合、白色顔料と無機充填剤の総量(100質量%)に対する酸化チタンの割合は、特に限定されないが、硬化物の耐熱性(耐黄変性)と光反射性のバランスの観点で、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。この範囲であれば、硬化物の光反射性、耐熱性、成型性が向上し、量産により適する傾向がある。
(カップリング剤)
光反射用熱硬化性樹脂タブレットには、樹脂成分と、白色顔料及び必要に応じて添加される無機充填剤との接着性を向上させる観点からカップリング剤を添加することが好ましい。カップリング剤としては特に限定されないが、例えば、シランカップリング剤及びチタネート系カップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系及びこれらの複合系が挙げられ、任意の添加量で用いることができる。なお、カップリング剤の配合量は、光反射用熱硬化性樹脂タブレット全量を基準として0.001〜5質量%以下であることが好ましい。
(離型剤)
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、さらに、離型剤を含んでいてもよい。離型剤を含むことにより、トランスファー成型等の金型を使用した成型法による連続成型が容易となり、高い生産性で硬化物(リフレクター)を製造することが可能となる。離型剤としては、公知乃至慣用の離型剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、フッ素系離型剤(フッ素原子含有化合物;例えば、フッ素オイル、ポリテトラフルオロエチレン等)、シリコーン系離型剤(シリコーン化合物;例えば、シリコーンオイル、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、ポリオキシアルキレン単位を有するポリオルガノシロキサン等)、ワックス系離型剤(ワックス類;例えば、カルナウバワックス等の植物ロウ、羊毛ワックス等の動物ロウ、パラフィンワックス等のパラフィン類、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等)、高級脂肪酸又はその塩(例えば、金属塩等)、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、鉱油等が挙げられる。本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットが離型剤を含有する場合、離型剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、光反射用熱硬化性樹脂タブレットに含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100質量部に対して、0.1〜12質量部が好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。
(酸化防止剤)
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤を含むことにより、耐熱性(特に、耐黄変性)により優れた硬化物(リフレクター)を製造することが可能となる。特に、蛍光染料と酸化防止剤とを併用することにより、初期光反射率と耐熱性とのバランスに優れたリフレクターを得ることが可能になる。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤(フェノール系化合物)、ヒンダードアミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系化合物)、リン系酸化防止剤(リン系化合物)、イオウ系酸化防止剤(イオウ系化合物)等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ドデカンチオール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットが酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、光反射用熱硬化性樹脂タブレットに含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量部である。酸化防止剤の含有量を0.1質量部以上とすることにより、硬化物(リフレクター)の酸化が効率的に防止され、耐熱性、耐黄変性がより向上する傾向がある。一方、酸化防止剤の含有量を5質量部以下とすることにより、着色が抑制され、色相がより良好なリフレクターが得られやすい傾向がある。
また、本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂タブレットには、必要に応じて、その他の添加剤を添加してもよい。
[光反射用熱硬化性樹脂タブレットの作製方法]
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、上記した各種成分を均一に分散混合することで得ることができ、その手段や条件等は特に限定されない。光反射用熱硬化性樹脂タブレットを作製する一般的な方法として、各成分を押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー等によって混練した後、混練物を冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。各成分を混練する際には、分散性を向上する観点から、溶融状態で行うことが好ましい。混練の条件は、各成分の種類や配合量により適宜決定すればよく、例えば、15〜100℃で5〜40分間混練することが好ましく、20〜100℃で10〜30分間混練することがより好ましい。
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、エポキシ樹脂及び硬化剤を予め混合する予備混合工程を経た後に、他の成分を加えて、ロールミルや押出機により混練することによって製造することもできる。このようなエポキシ樹脂及び硬化剤を用いて予備混合を行うことで得られる光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、貯蔵安定性が向上し、トランスファー成形時の成形性により優れるものとなる。
換言すれば、本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットにおいては、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有することの下位概念として、エポキシ樹脂と硬化剤との予備混合物(プレポリマー)を含有してもよい。エポキシ樹脂と硬化剤との予備混合物が含まれていることは、例えば、1H−NMRスペクトル又は13C−NMRスペクトルにおいて、エポキシ樹脂と硬化剤が結合したピークを観測することで確認できる。
上記予備混合工程における予備混合物の粘度は、流動性を良好にする観点から、100〜150℃で10〜10000mPa・sであることが好ましく、100℃での粘度が10〜10000mPa・sであることがより好ましい。
上記予備混合工程において、析出物が発生することにより粘度の増加を防ぐ観点から、エポキシ樹脂及び硬化剤の硬化反応物であるゲル等が析出して析出物による予備混合物に白濁が生じないように混合条件を調製することが好ましい。「析出物による白濁」とは、電磁波の可視光領域における散乱があることを示す。より具体的には光のレイリー散乱、ミー散乱、回折散乱現象を生じるような、散乱中心を有する微粒子が存在しないことを示す。
予備混合工程において、具体的には、例えば、エポキシ樹脂100質量部及び硬化剤120質量部を耐熱ガラス製の容器に秤量し、この混合容器をシリコーンオイルや水等の流体を媒体としたヒーターを用いて、35〜180℃で加熱する方法を用いることができる。加熱方法としては上記の方法に限定されるものではなく、熱電対、電磁波照射等を用いることができ、さらに溶解を促進するために超音波を照射してもよい。
また、予備混合工程において、エポキシ樹脂及び硬化剤は、光反射用熱硬化性樹脂タブレットに配合するエポキシ樹脂及び硬化剤の一部を予備混合することが可能である。具体的には、エポキシ樹脂100質量部に対し、硬化剤120質量部含む光反射用熱硬化性樹脂タブレットを製造する場合、まず、エポキシ樹脂50質量部及び硬化剤120質量部を耐熱ガラス製の容器に秤量し、この混合容器をシリコーンオイルや水などの流体を媒体としたヒーターを用いて35〜180℃で加熱することで予備混合物を得る。そして、得られた予備混合物と、残りのエポキシ樹脂50質量部、硬化促進剤及びその他の成分とをロール混練などにより混合し光反射用熱硬化性樹脂タブレットを製造してもよい。
(タブレット)
本実施形態に係る光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、タブレット状に加工されている。これにより、本実施形態に係る光反射用熱硬化性樹脂タブレットはトランスファー成形用として取り扱い性が良好となる。本明細書におけるタブレット状とは、一定した形状を保持し、例えば、30分程度放置した場合に経時的な形状の変化が実質的にない固体状であることを意味する。タブレット状に加工されていることで、取扱い性がより向上し、当該光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いたトランスファー成形、コンプレッション成形等の効率を高めることが可能となる。本実施形態に係るタブレットの形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状、円盤状、球状等の形状を含むが、取扱性の観点から円柱状が好ましい。
タブレット加工条件は特に限定されないが、例えば、室温で、0.5〜60MPa、1〜15秒間程度の条件において加圧することでタブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットを得ることができる。
本実施形態に係るタブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、タイプAデュロメータ硬さが50以上であることが好ましく、55以上であることがより好ましく、60以上であることがさらに好ましい。硬さが50以上であればタブレットが変形しづらく、ハンドリング性がより良好となる。光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬さは硬いほどよいため、タイプAデュロメータ硬さの上限値は特に限定されないが、100程度とすることができる。なお、タイプAデュロメータ硬さは、タブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットを25℃で3分静置した後に測定した値であることが好ましい。
タイプAデュロメータ硬さは、JISK6253−3:2012に記載された方法に準じて測定することができる。本明細書においては、タイプAデュロメータの針をタブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットに押しあて、1分後の値を読み取って得られる値をタイプAデュロメータ硬さと定義する。
表面タック性を低減させる観点から、タブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットの表面を充填剤で被覆してもよい。被覆に用いる無機充填剤は特に限定されないが、例えば、光反射用熱硬化性樹脂タブレットに含有することのできる無機充填剤と同様のものが挙げられる。充填剤を被着体に被覆する方法については、タブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットと接触しうる方法であれば、特に制限は無い。例えば、容器又は袋に充填剤を入れ、機械を用いて振動によりタブレット状光反射用熱硬化性樹脂タブレットに充填剤を被覆する方法及び手動でふり掛ける方法が挙げられる。
本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、成形温度100〜200℃、成形圧力5〜20MPa、成形時間60〜180秒の条件でトランスファー成形した時のバリの長さが5mm以下となることが好ましい。バリの長さが5mmを超えると、光半導体素子搭載用基板を作製する際、光半導体素子搭載領域となる開口部(凹部)に樹脂汚れが発生し、光半導体素子を搭載する際の障害となる可能性があり、また、光半導体素子と金属配線とを電気的に接続する際の障害になる可能性がある。半導体装置製造時の作業性の観点から、上記バリ長さは、3mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、高い耐熱性を必要とする電気絶縁材料、接着材料、塗料材料並びにトランスファー成形用エポキシ樹脂成形材料など様々な用途において有用である。
[硬化物]
本実施形態の硬化物は、上述の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを熱硬化させることで形成することができる。熱硬化の条件は特に限定はないが、例えば、温度170〜200℃で、60〜300秒間加熱することにより硬化できる。熱硬化は後述の成形法に含まれる工程の一部として行ってもよい。
本実施形態の硬化物は、リフレクターとした場合の光取り出し効率の観点から、成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、厚さ1mmに成形した硬化物の白色度Wの値が80以上であることが好ましい。同様の観点から、白色度Wは83以上がより好ましく、86以上がさらに好ましい。W、L、a及びbの値は、分光測色計(例えば、CM−2600d(コニカミノルタ製))を用いてSCI方式で測定することができる。
W=100−{(100−L)+a+b1/2…(1)
(W:白色度、L:明度、a:色相、b:彩度)
光取り出し効率の観点から、上記の条件での彩度bは2.0以下であることが好ましい。同様の観点から、1.8以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。
リフレクターの熱劣化の観点からは、彩度bは重要な指標の一つとなる。リフレクターの熱による黄変が発生した場合、彩度は上昇する傾向にあり、これを抑制するためには初期の彩度ができるだけ低いことが有効となるためである。従来の白色顔料を用いた場合、上記条件での彩度は最低でも約2.5となっていたところ、本発明者らは、光反射用熱硬化性樹脂タブレットに蛍光染料を含有することで初めて格段に低い彩度を与えることに成功した。これにより、リフレクターの耐熱劣化性が大きく向上し、従来では到達し得なかった光取り出し効率を達成することが可能である。
光取り出し効率の観点から、成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、厚さ3mmに成形した硬化物の450nmでの反射率が80%以上であることが好ましい。450nmでの反射率は88%以上であることがより好ましく、94%以上であることがさらに好ましい。
[光半導体素子搭載用基板]
本発明の光半導体素子搭載用基板は、底面及び壁面から構成される凹部を有し、凹部の底面が光半導体素子搭載部であり、凹部の壁面の少なくとも一部が本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなるものである。図1は、本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。光半導体素子搭載用基板110は、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105と、リフレクター103とを備え、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105とリフレクター103とから形成された凹部200を有している。すなわち、凹部200の底面はNi/Agめっき104が形成された金属配線105から構成され、凹部200の壁面はリフレクター103から構成されるものであり、リフレクター103は、上記本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなる成形体である。
本発明の光半導体素子搭載用基板の製造方法は特に限定されないが、例えば、本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いたトランスファー成形により製造することができる。図2は、本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。光半導体素子搭載用基板は、例えば、金属箔から打ち抜きやエッチング等の公知の方法により金属配線105を形成し、電気めっきによりNi/Agめっき104を施す工程(図2)、次いで、該金属配線105を所定形状の金型151に配置し、金型151の樹脂注入口150から本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを注入し、所定の条件でトランスファー成形する工程(図2)、そして、金型151を外す工程(図2)を経て製造することができる。このようにして、光半導体素子搭載用基板には、光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなるリフレクター103に周囲を囲まれてなる光半導体素子搭載領域(凹部)200が形成される。なお、上記トランスファー成形の条件としては、金型温度170〜200℃、成形圧力0.5〜20MPaで60〜120秒間、アフターキュア温度120℃〜180℃で1〜3時間が好ましい。
(樹脂汚れの除去工程)
一般的に、光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いたトランスファー成形によって光半導体搭載用基板を製造しようとした場合、金型設計や成形条件によっては成形時に成形金型の上型と下型との隙間に樹脂が染み出し、樹脂汚れが発生することがある。例えば、金型表面が鏡面仕上げの場合、トランスファー成形時の型締圧(クランプ圧)が低く、トランスファー射出圧が高いと、樹脂汚れが発生しやすい傾向にある。ただし、本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いてトランスファー成形を行い樹脂汚れが発生しなかった場合、又は、次工程の光半導体素子の接続が可能である場合には、必ずしも樹脂汚れの除去工程は行う必要がない。
そこで、基板の開口部に樹脂汚れが存在する場合、光半導体素子搭載用基板上の露出した金属表面のはんだ濡れ性、めっき性、ダイボンドペースト接着力をそれぞれ向上させる目的で、製造プロセスに樹脂汚れの除去工程が追加される。除去工程の一例として、電解脱脂処理、浸漬脱脂処理を行ない、その後、残った汚れ成分を高圧水洗、メディアブラスト、エアガン等で除去する方法がある。特に限定されないが、脱脂処理においては作業時間が短時間であるという観点から、電解脱脂処理を用いることが好ましい。また、残った汚れ成分の除去工程であるデフラッシュ工程においては、高圧水洗、メディアブラスト、エアガン等で汚れ成分を除去する方法がある。樹脂部へのダメージが少ないという観点から、高圧水洗、エアガン噴射を用いることが好ましい。デフラッシュ工程を行なうことで、その後の光半導体素子実装工程でのロスが低減できる。
図3は、本実施形態に係る樹脂汚れの除去工程示す概略図である。まず、図3に示すように、トランスファー成形後、リードフレーム501上に形成された光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなるリフレクター500とは別に樹脂汚れ502が付着している場合、作製した光半導体素子搭載用基板を水酸化ナトリウム溶液に浸漬することによりアルカリ電解脱脂を行う。図3は、リードフレーム501を陰極にしてアルカリ電解脱脂槽でアルカリ電解脱脂した状態を示す図である。成型時に発生した樹脂汚れ502は、アルカリ電解脱脂により電気化学反応で端子表面から発生する水素ガス503によりリードフレーム501から浮き上がりその一部は除去される。アルカリ電解脱脂処理を行うことで、後工程でのエアブロー506によるデフラッシュによる効果が出やすくなる。図3はアルカリ電解脱脂後に樹脂汚れ502の一部が除去された状態を示す図である。
次いで、図3に示すように、エアブロー506の衝撃によりデフラッシュを行い、残った樹脂汚れ502を除去する。図3は、デフラッシュ後の樹脂汚れ502が完全に除去された状態を示す図である。なお、デフラッシュの方法は、エアブローに限らない。
[光半導体装置]
本発明の光半導体装置は、上記光半導体素子搭載用基板と、光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、凹部を充填して光半導体素子を封止する封止樹脂部とを備えるものである。
図4は、本発明の光半導体素子搭載用基板110に光半導体素子100を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。図4に示すように、光半導体素子100は、光半導体素子搭載用基板110の光半導体素子搭載領域(凹部)200の所定位置に搭載され、金属配線105とボンディングワイヤ102により電気的に接続される。図5及び図6は、本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図5及び6に示すように、光半導体装置は、光半導体素子搭載用基板110と、光半導体素子搭載用基板110の凹部200内の所定位置に設けられた光半導体素子100と、凹部200を充填して光半導体素子を封止する蛍光体106を含む透明封止樹脂101からなる封止樹脂部とを備えており、光半導体素子100と金属配線105とがボンディングワイヤ102又ははんだバンプ107により電気的に接続されている。光半導体素子100として、例えば、基板上にGaAlN、ZnS、SnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成したものが好適に用いられるが、これに特に限定されない。発光ピーク波長が360nm〜520nmのいずれかにあるものが好ましいが、350nm〜800nmのいずれかのものも使用することができる。特に、本発明の効果を最大限に発揮するためには、光半導体素子は400nm〜480nmの可視光の短波長領域に発光ピーク波長を有するものが好ましい。そのような光半導体素子であれば、蛍光体により波長が変換される前の光(光半導体素子から直接の発光)を、本発明のリフレクターで効率よく反射することで反射率の向上に大きく寄与することができる。光半導体素子としては、特に窒化ガリウム系化合物半導体を用いることが好ましい。
図7もまた、本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図7に示す光半導体装置では、リフレクター303が形成されたリード304上の所定位置にダイボンド材306を介してLED素子300が配置され、LED素子300とリード304とがボンディングワイヤ301により電気的に接続され、蛍光体305を含む透明封止樹脂302によりLED素子300が封止されている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<光反射用熱硬化性樹脂タブレットの作製>
(実施例1〜6、比較例1〜3)
表1に示した配合比(質量部)に従い、各成分を加え、ミキサーを用いて十分混合した後、ミキシングロールにより30℃で溶融混練し、冷却、粉砕を行い、次いで、室温(25℃)0.7MPa、2秒の条件で加圧加工を行い、実施例1〜6及び比較例1〜3の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを作製した。
<光反射用熱硬化性樹脂タブレットの評価>
得られた光反射用熱硬化性樹脂タブレットをMTEX社製トランスファー成形機「ATOM−FX」を用い、成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、直径50mm×1mmの円形試験片を得た。試験片に対し、下記の評価を行った。評価結果を表2〜5に示す。
(光反射率及び彩度)
試験片を、分光測色計(コニカミノルタジャパン株式会社、製品名「CM600d」)を用いて、波長450nmにおける試験片の初期光反射率、及び、b*(彩度)を測定した。
(曲げ強度)
得られた光反射用熱硬化性樹脂タブレットを、トランスファー成形機により金型温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間300秒で直径4mm×12.5mm×126mmに加熱成形し、150℃で2時間の後硬化を行い、試験片を作製した。試験片の曲げ強度は、曲げ試験機(株式会社エー・アンド・デイの製品名「テンシロン」)を用いて25℃で測定した。
(ガラス転移温度及び熱膨張率)
得られた光反射用熱硬化性樹脂タブレットを、トランスファ成形機により金型温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間300秒で直径4mm、長さ20mmの円柱状に加熱成形し、150℃で2時間の後硬化を行い、試験片を作製した。試験片に対して、熱機械分析装置TMA8140(理学電気株式会社製商品名)を用いて昇温速度3℃/min、測定温度範囲0〜250℃で熱膨張量を測定し、低温側の直線の接線と高温側の直線の接線との交点をガラス転移温度とした。
Figure 2019108457
表1中、*1〜17は以下の通りである。
*1:トリグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100、日産化学工業株式会社製、商品名:TEPIC−S)
*2:テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化株式会社製、商品名:リカシッドTH)
*3:ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化株式会社製、商品名リカシッドHH)
*4:式(1)の構造を有する化合物(水素化テレフタル酸と1,2−無水トリメリット酸との反応物)
*6:テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボラート
*7:ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド
*8:酸化チタン(石原産業株式会社製、商品名:CR−63)
*9:中空粒子(スリーエム ジャパン株式会社製、商品名:S60−HS)
*10:溶融シリカ(デンカ株式会社製、商品名:FB−950)
*11:溶融シリカ(デンカ株式会社製、商品名:S0−25R)
*12:フェノール系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル)
*13:リン系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン)
*14:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
*15:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
*16:チオフェン誘導体(BASF社製、2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)
*17:畜光顔料(根本特殊化学株式会社製、SrAl2O4:Eu,Dy)
表1に示したように、本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットは、比較例の光反射用熱硬化性樹脂タブレットに比べて450nm光反射率が高い。また、彩度b*が比較例よりも格段に低く、耐黄変性に優れることがわかる。本発明の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いて光半導体素子搭載用基板を作製することにより、従来よりも効率よく光を反射するリフレクターを備えた光半導体装置を製造でき、輝度の更なる向上に寄与できる。
100…光半導体素子、101…透明封止樹脂、102…ボンディングワイヤ、103…光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物(リフレクター)、104…Ni/Agめっき、105…金属配線、106…蛍光体、107…はんだバンプ、110…光半導体素子搭載用基板、200…光半導体素子搭載領域、150…樹脂注入口、151…金型、300…LED素子、301…ボンディングワイヤ、302…透明封止樹脂、303…リフレクター、304…リード、305…蛍光体、306…ダイボンド材、500…光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物(リフレクター)、501…リードフレーム(電極)、502…樹脂汚れ、503…電極から発生した水素ガス、506…エアブローの様子。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、白色顔料、及び蛍光染料を含有する光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  2. 前記蛍光染料が、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、トリアジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、キサントン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チオフェン誘導体、クマリン誘導体、及びナフタルイミド誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  3. さらに酸化防止剤を含有する、請求項1又は2に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  4. 前記エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基との反応可能な硬化剤中の活性基が0.3〜1.8当量である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  5. 成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、厚さ1mmに成形した硬化物の450nmでの反射率が80%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  6. エポキシ樹脂、硬化剤及び白色顔料を含有し、成形金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、厚さ1mmに成形した硬化物の彩度bの値が2.0以下である光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  7. 前記白色顔料が酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、鉛白、カオリン、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫化亜鉛及び中空粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレット。
  8. 底面及び壁面から構成される凹部を有し、前記凹部の底面が光半導体素子搭載部であり、
    前記凹部の壁面の少なくとも一部が請求項1〜7のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなる、光半導体素子搭載用基板。
  9. 底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板の製造方法であって、
    前記凹部の壁面の少なくとも一部を、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレットを用いて形成する工程を備える、光半導体素子搭載用基板の製造方法。
  10. 底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板と、前記光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、前記凹部を充填して前記光半導体素子を封止する封止樹脂部と、を備え、
    前記凹部の壁面の少なくとも一部が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光反射用熱硬化性樹脂タブレットの硬化物からなる、光半導体装置。
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