JP2017088654A - エポキシ樹脂硬化促進剤、及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性に優れるエポキシ樹脂硬化促進剤、及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物の提供。【解決手段】式(1)又は式(2)で表されるホスホニウム塩を含むエポキシ樹脂硬化促進剤。P+R1R2R3−CH2−CH(R4)−COO−X−OCO−Y−COO−(1)[R1〜R3はC1〜8のアルキル基又はC6〜10のアリール基;R4はH又はC1〜4のアルキル基;X及びYは2価の有機基]【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂硬化促進剤に関し、さらに詳しくは、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止に適したエポキシ樹脂硬化促進剤、及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
発光ダイオードなどの発光素子は、従来の白熱灯などに比べて、消費電力が小さく、寿命が長いことなどから、近年、種々の表示用あるいは照明用に使用されるようになってきた。ところで、発光ダイオードは、ガリウム砒素化合物などからなるpn接合素子に電流を流すことで素子を発光させるものであるが、その素子を酸素や水分あるいは機械的損傷から保護するために、通常、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂組成物で封止されている。受光素子についても同様である。
従来、半導体封止用樹脂組成物としては、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂に、酸無水物系硬化剤とイミダゾール類、DBU及びその有機酸塩、アンモニウムあるいはホスホニウムのカルボン酸塩などの硬化促進剤を加えたものが、硬化性が良く、かつ封止成型しやすいことから、広く実用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
従来、半導体封止用樹脂組成物としては、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂に、酸無水物系硬化剤とイミダゾール類、DBU及びその有機酸塩、アンモニウムあるいはホスホニウムのカルボン酸塩などの硬化促進剤を加えたものが、硬化性が良く、かつ封止成型しやすいことから、広く実用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかしながら、半導体封止用樹脂組成物に、イミダゾール類、DBU類あるいはアンモニウム塩類などの窒素原子を有する硬化促進剤を使用した場合は、該樹脂組成物を高温で硬化させたり、また、該樹脂組成物で封止した半導体装置を長期間使用すると、該樹脂組成物が熱により黄変し、透明性が低下する問題がある。
これらの問題を解決するために、テトラブチルホスホニウムオクチル酸塩を硬化促進剤とする液状のエポキシ樹脂組成物が提案されているが、硬化反応が早く硬化発熱により若干の着色があるため、更なる透明性の向上が求められている(特許文献3参照)。
これらの問題を解決するために、テトラブチルホスホニウムオクチル酸塩を硬化促進剤とする液状のエポキシ樹脂組成物が提案されているが、硬化反応が早く硬化発熱により若干の着色があるため、更なる透明性の向上が求められている(特許文献3参照)。
そこで、透明性に優れるエポキシ樹脂硬化促進剤、及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスホニウム塩(A)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)である。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスホニウム塩(A)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)である。
[式(1)、及び(2)中、R1〜R3は炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基、R4は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、X、及びYは2価の有機基を表す。]
本発明は第4級ホスホニウムを有するため、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を硬化促進することができる。
またホスホニウムカチオンとカルボン酸、又はリン酸アニオンを同一分子内に有し、かつ分子内でカチオン/アニオン間で相互作用することができる。これによりエポキシ樹脂と硬化剤の反応速度をコントロールすることができ、硬化発熱が抑制されるため、硬化時の熱着色が小さく透明性に優れる。
また、ホスホニウムカチオンとカルボン酸、又はリン酸アニオンを同一分子内に有し、分子量も大きくブリードアウトが制限されるため耐熱透明性、及び耐光透明性に優れる。
またホスホニウムカチオンとカルボン酸、又はリン酸アニオンを同一分子内に有し、かつ分子内でカチオン/アニオン間で相互作用することができる。これによりエポキシ樹脂と硬化剤の反応速度をコントロールすることができ、硬化発熱が抑制されるため、硬化時の熱着色が小さく透明性に優れる。
また、ホスホニウムカチオンとカルボン酸、又はリン酸アニオンを同一分子内に有し、分子量も大きくブリードアウトが制限されるため耐熱透明性、及び耐光透明性に優れる。
このため本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、硬化後の透明性、耐熱透明性、及び耐光透明性に優れる。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、下記一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスホニウム塩(A)を含むことを特徴とする。
[式(1)、及び(2)中、R1〜R3は炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基、R4は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、X、及びYは2価の有機基を表す。]
一般式(1)、及び(2)中のR1〜R3を構成する炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、及び2−プロピルペンチル基等が挙げられる。
R1〜R3を構成する炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基等が挙げられる。
R1〜R3としては、入手のしやすさ、溶解性、及び硬化後の透明性の観点から、好ましくは、炭素数3〜8のアルキル基、及び炭素数6〜10のアリール基、さらに好ましくは炭素数3〜8のアルキル基、及びフェニル基、特に好ましくは炭素数3〜8のアルキル基である。
一般式(1)、及び(2)中のR4を構成する炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
R4としては、入手のしやすさ、合成のし易さの観点から、好ましくは、水素、及びメチル基である。
R4としては、入手のしやすさ、合成のし易さの観点から、好ましくは、水素、及びメチル基である。
一般式(1)、及び(2)中のXを構成する2価の有機基としては、例えば、2価の炭素数1〜8のアルキレン基(X1)、2価の炭素数6〜15のアリーレン基(X2)、(X1)及び(X2)中の炭素結合間にエーテル結合が含まれる2価の有機基(X3)等が挙げられる。
2価の炭素数1〜8のアルキレン基(X1)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、1,2−シクロヘキシレン基、及び1,4−シクロヘキシレン基等が挙げられる。
2価の炭素数6〜15のアリーレン基(X2)としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、ビフェニレン基、−CH2−Ph−、−Ph−CH2−Ph−、−Ph−C(CH3)2−Ph−等が挙げられる。
エーテル結合が含まれる2価の有機基(X3)としては、例えば、―CH2CH2−O−CH2CH2−、―CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、及び−Ph−O−Ph−等が挙げられる。
Xとしては、入手のしやすさ、合成のし易さの観点から、好ましくは2価の炭素数1〜8のアルキレン基(X1)、及びエーテル結合が含まれる2価の有機基(X3)、さらに好ましくは2価の炭素数1〜4のアルキレン基、特に好ましくはエチレン基である。
一般式(1)中のYを構成する2価の有機基としては、一般式(1)中のXと同様のものが使用できる。
Yとしては、入手のしやすさ、合成のし易さの観点から、好ましくは2価の炭素数1〜8のアルキレン基、及び2価の炭素数6〜14のアリーレン基、さらに好ましくはエチレン基、1,2−プロピレン基、−CH=CH−、1,2−シクロヘキシレン基、及び1,2−フェニレン基である。
Yとしては、入手のしやすさ、合成のし易さの観点から、好ましくは2価の炭素数1〜8のアルキレン基、及び2価の炭素数6〜14のアリーレン基、さらに好ましくはエチレン基、1,2−プロピレン基、−CH=CH−、1,2−シクロヘキシレン基、及び1,2−フェニレン基である。
ホスホニウム塩(A)の合成方法は、特に限定されないが、例えば、一般式(3)で表される3級ホスフィン(P)と、下記一般式(4)で表されるアクリル酸エステル化合物(AC1)、又は下記一般式(5)で表されるアクリル酸エステル化合物(AC2)との付加反応によって合成することができる。
[式(3)中、R1〜R3は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表す]
[式(4)中、R4は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、X、及びYは2価の有機基を表す。]
[式(5)中、R4は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは2価の有機基を表す。]
3級ホスフィン(P)としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、2−(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル、ジエチルフェニルホスフィン等が挙げられる。
式(3)中のR1〜R3は、アクリル酸エステル化合物(AC1)、及びアクリル酸エステル化合物(AC2)と容易に反応させる観点から、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、さらに好ましくは炭素数3〜8のアルキル基である。
式(3)中のR1〜R3は、アクリル酸エステル化合物(AC1)、及びアクリル酸エステル化合物(AC2)と容易に反応させる観点から、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、さらに好ましくは炭素数3〜8のアルキル基である。
アクリル酸エステル化合物(AC1)の合成方法は、特に限定されないが、例えば、一般式(6)で表される水酸基含有アクリル酸エステル化合物(AC−OH)と、下記一般式(7)で酸無水物(SM)との付加反応によって合成することができる。
[式(6)中、R4は水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは2価の有機基を表す。]
[式(7)中、Yは2価の有機基を表す。]
水酸基含有アクリル酸エステル化合物(AC−OH)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで(メタ)アクリレートはアクリレート、及びメタクリレートのことをさす。
酸無水物(SM)としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
水酸基含有アクリル酸エステル化合物(AC−OH)と酸無水物(SM)の付加反応の製造条件としては温度0〜150℃にて1〜20時間であり、反応を速やかに収率良く完結するために、触媒、及び反応溶媒を使用することが好ましい。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、DBU等のアミン化合物が使用できる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、THF、MEK、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、キシレン等が好ましい。
アクリル酸エステル化合物(AC2)としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドフォスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシッドフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルアシッドフォスフェート、及び4−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアシッドフォスフェート等が挙げられる。ここで(メタ)アクリロイルはアクリロイル、及びメタクリロイルのことをさす。
3級ホスフィン(P)とアクリル酸エステル化合物(AC1)、又はアクリル酸化合物エステル(AC2)との付加反応の製造条件としては温度0〜150℃にて1〜20時間であり、反応を速やかに収率良く完結するために、反応溶媒を使用することが好ましい。
反応溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム、THF、アセトン、酢酸エチル等が好ましい。溶媒の量は特に限定されるものではない。
反応溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム、THF、アセトン、酢酸エチル等が好ましい。溶媒の量は特に限定されるものではない。
3級ホスフィン(X)とアクリル酸化合物(AC1)、又はアクリル酸化合物(AC2)の付加反応時のモル比は、精製の容易さの観点から、通常30/70〜70/30であり、好ましくは40/60〜60/40である。
また本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、公知の溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
溶媒を含有する場合、この含有量は適宜決定でき、たとえば、ホスホニウム塩(A)の重量に基づいて5〜500重量%である。
溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
溶媒を含有する場合、この含有量は適宜決定でき、たとえば、ホスホニウム塩(A)の重量に基づいて5〜500重量%である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を必須成分として含むことを特徴とする。エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を含むため、加熱により硬化することができ、また透明性に優れる。エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は1種単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)としては、エポキシ樹脂(B)、酸無水物硬化剤(C)、及びエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の組み合わせが挙げられる。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)としては、エポキシ樹脂(B)、酸無水物硬化剤(C)、及びエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の組み合わせが挙げられる。
エポキシ樹脂(B)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の透明性に優れたものが挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。これらのほかに、本発明の目的に反しない範囲において、他のエポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂などを併用することもできる。
酸無水物硬化剤(C)としては、例えば、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物などの従来から公知の無色又は淡黄色の酸無水物が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。酸無水物系硬化剤(C)の使用割合は、前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ基1当量に対して、通常、0.7〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量である。この範囲外では、硬化物の物性が低下したり、硬化物が着色したりすることがあるので好ましくない。
エポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の配合量は、加熱硬化速度及び着色の観点から、エポキシ樹脂(B)100質量部に対して、通常、0.3〜5.0質量部、好ましくは0.5〜3.0質量部である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、前記のエポキシ樹脂(B)、酸無水物硬化剤(C)及びエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を必須の成分とするが、必要に応じてフェノール系酸化防止剤などの変色防止剤、微細シリカ粉などの光散乱剤、染料などの着色剤、エポキシシラン系、ビニルシラン系、チタネート系などのシリカ粉との相溶性を向上させるカップリング剤、ステアリン酸及びその金属塩などの成型金型から脱型しやすくさせる内部離型剤などが配合されていてもよい。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)、及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止材料用に主に使用される半導体封止用エポキシ製造用として適している。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<実施例1>
滴下ロート、及び還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコにトリブチルホスフィン(東京化成工業株式会社社製)202部、及びイソプロパノール500部を入れ、10℃に冷却しながら2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(共栄社化学株式会社製)196部を投入攪拌した。ついで60℃で3時間反応させた。ついで溶剤を減圧除去することで粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q−1)を得た{一般式(2):R1=Bu、R2=Bu、R3=Bu、R4=H、X=エチレン基}。
滴下ロート、及び還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコにトリブチルホスフィン(東京化成工業株式会社社製)202部、及びイソプロパノール500部を入れ、10℃に冷却しながら2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(共栄社化学株式会社製)196部を投入攪拌した。ついで60℃で3時間反応させた。ついで溶剤を減圧除去することで粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q−1)を得た{一般式(2):R1=Bu、R2=Bu、R3=Bu、R4=H、X=エチレン基}。
<実施例2>
実施例1における2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート196部をコハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)(東京化成工業株式会社社製)216部に変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−2)を得た{一般式(1):R1=Bu、R2=Bu、R3=Bu、R4=H、X=エチレン基、Y=エチレン基}。
実施例1における2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート196部をコハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)(東京化成工業株式会社社製)216部に変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−2)を得た{一般式(1):R1=Bu、R2=Bu、R3=Bu、R4=H、X=エチレン基、Y=エチレン基}。
<実施例3>
実施例1におけるトリブチルホスフィン202部をトリオクチルホスフィン(東京化成工業株式会社社製)370部に、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート196部をヘキサヒドロフタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)(共栄社化学株式会社製)280部に変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−3)を得た{一般式(1):R1=Oct、R2=Oct、R3=Oct、R4=Me、X=エチレン基、Y=シクロヘキシレン基}。
実施例1におけるトリブチルホスフィン202部をトリオクチルホスフィン(東京化成工業株式会社社製)370部に、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート196部をヘキサヒドロフタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)(共栄社化学株式会社製)280部に変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂硬化促進剤(Q−3)を得た{一般式(1):R1=Oct、R2=Oct、R3=Oct、R4=Me、X=エチレン基、Y=シクロヘキシレン基}。
<比較例1>
滴下ロート、及び還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコにテトラブチルホスホニウムヒドロキシド(40%水溶液)(東京化成工業株式会社社製)690部、及びイソプロパノール500部を入れ、10℃でオクチル酸(東京化成工業株式会社社製)144部を投入攪拌した。ついで50℃で1時間反応後、イソプロパノール、及び水を減圧除去することで比較の下記一般式(8)で表される4級ホスホニウム塩を含有する粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−1)を得た。
滴下ロート、及び還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコにテトラブチルホスホニウムヒドロキシド(40%水溶液)(東京化成工業株式会社社製)690部、及びイソプロパノール500部を入れ、10℃でオクチル酸(東京化成工業株式会社社製)144部を投入攪拌した。ついで50℃で1時間反応後、イソプロパノール、及び水を減圧除去することで比較の下記一般式(8)で表される4級ホスホニウム塩を含有する粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−1)を得た。
<比較例2>
比較例1におけるオクチル酸144部をリン酸ジブチル(東京化成工業株式会社社製)210部に変更した以外は比較例1と同様にして比較の下記一般式(9)で表される4級ホスホニウム塩を含有する粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−2)を得た。
比較例1におけるオクチル酸144部をリン酸ジブチル(東京化成工業株式会社社製)210部に変更した以外は比較例1と同様にして比較の下記一般式(9)で表される4級ホスホニウム塩を含有する粘調液体のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−2)を得た。
<性能評価>
実施例1〜3で作成した本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q−1)〜(Q−3)、及び比較例1〜2で作成した比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−1)〜(Q’−2)の硬化性、及び透明性について以下の方法で評価した。
実施例1〜3で作成した本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q−1)〜(Q−3)、及び比較例1〜2で作成した比較のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q’−1)〜(Q’−2)の硬化性、及び透明性について以下の方法で評価した。
脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P、株式会社ダイセル製)100部、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物(東京化成工業株式会社社製)120部、及び各例で得られたエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)1.0部を均一溶解することで半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)を得た。
<硬化性>
半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)4gを入れた20mlの試験管を120℃のオイルバスに入れ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)がゲル化するまでの硬化時間を測定した。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)4gを入れた20mlの試験管を120℃のオイルバスに入れ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)がゲル化するまでの硬化時間を測定した。
<透明性>
離型剤を塗布したガラス板2枚を0.5cmの隙間になるようにして、その間に半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)を流し込み、130℃で5時間硬化した。硬化後、ガラス板をはずすことで硬化物(S1)を得た。
各硬化物の波長400nmにおける光透過率を、紫外可視分光光度計により測定した。
離型剤を塗布したガラス板2枚を0.5cmの隙間になるようにして、その間に半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)を流し込み、130℃で5時間硬化した。硬化後、ガラス板をはずすことで硬化物(S1)を得た。
各硬化物の波長400nmにおける光透過率を、紫外可視分光光度計により測定した。
<耐熱透明性>
上記<透明性>の試験で作成した硬化物(S1)を、順風乾燥機で150℃の条件化、30時間の熱処理を実施した。この耐熱試験後のサンプルの波長400nmにおける光透過率の紫外可視分光光度計により測定し、耐熱試験前後の光透過率の変化率を算出した。
上記<透明性>の試験で作成した硬化物(S1)を、順風乾燥機で150℃の条件化、30時間の熱処理を実施した。この耐熱試験後のサンプルの波長400nmにおける光透過率の紫外可視分光光度計により測定し、耐熱試験前後の光透過率の変化率を算出した。
<耐光透明性>
上記<透明性>の試験で作成した硬化物(S1)を、耐光性促進試験機(SUV−131W:岩崎電気社製)で、60℃の条件下、60W/m2の照射を24時間実施した。この耐光試験後のサンプルの波長400nmにおける光透過率の紫外可視分光光度計により測定し、耐光試験前後の光透過率の変化率を算出した。
上記<透明性>の試験で作成した硬化物(S1)を、耐光性促進試験機(SUV−131W:岩崎電気社製)で、60℃の条件下、60W/m2の照射を24時間実施した。この耐光試験後のサンプルの波長400nmにおける光透過率の紫外可視分光光度計により測定し、耐光試験前後の光透過率の変化率を算出した。
実施例1〜3及び比較例1〜2で得たエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の同一分子内にアニオンとカチオンを含有する実施例1〜3のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)は、十分な硬化性を持っており、さらに硬化後の透明性に優れていることが分かる。また耐熱透明性、及び耐光透明性にも優れることが分かる。
一方、同一分子内にアニオンとカチオンを含有しない比較例1、及び2は、硬化発熱による過昇温により透明性に劣っている。また耐熱試験、及び耐光試験時にアニオン/カチオンが移動しやすいため耐熱透明性、及び耐光透明性に劣ることがわかる。
一方、同一分子内にアニオンとカチオンを含有しない比較例1、及び2は、硬化発熱による過昇温により透明性に劣っている。また耐熱試験、及び耐光試験時にアニオン/カチオンが移動しやすいため耐熱透明性、及び耐光透明性に劣ることがわかる。
本発明のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)、及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)は、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止材料用に主に使用される半導体封止用エポキシ製造用として有用である。
Claims (4)
- 一般式(1)、及び(2)において、R1〜R3が炭素数3〜8のアルキル基、R4が水素、又はメチル基である請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)。
- 一般式(1)、及び(2)において、Xが炭素数1〜4の2価のアルキレン基である請求項1、又は2に記載のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化促進剤(Q)を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物(S)。
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WO2021210384A1 (ja) * | 2020-04-14 | 2021-10-21 | サンアプロ株式会社 | エポキシ樹脂組成物 |
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- 2015-11-04 JP JP2015216466A patent/JP2017088654A/ja active Pending
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