JP6372538B2 - 溶融スラグの処理装置および溶融スラグの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融スラグの処理装置および溶融スラグの処理方法に関する。
近年、地球温暖化防止のため、鉄鋼製造プロセスにおいても、より一層の省エネルギー化およびCO排出削減が求められている。また、省エネルギー化だけでなく、排出されるCOの固定化技術や再利用技術も要求されている。
鉄鋼製造プロセスにおいて排出される溶融スラグの排熱は、現状では未利用であり、この排熱を回収できれば大きな省エネルギー効果が期待できる。また、一方で、溶融スラグに含まれるCaOは、COとの反応により炭酸カルシウム(CaCO)となるため、溶融スラグはCO固定化物質としても期待されている。
溶融スラグの排熱回収方法としては、例えば、特許文献1〜3には、溶融スラグを風砕して高温の粒状スラグとした後に熱回収する方法が開示されている。
また、CO固定化に関しては、例えば、特許文献4には、高温の凝固スラグにCOガスを吹き付けて、下記反応式(1)および(2)のように炭酸カルシウム化またはカルシウムフェライト化して固定化する方法が開示されている。
CaO+CO → CaCO・・・(1)
2FeO+2CaO+CO → CO+2CaO・Fe・・・(2)
特開昭59−44578号公報 特開昭56−53301号公報 特開昭58−168886号公報 特開2009−227494号公報
例えば、特許文献1〜3に記載の技術と、特許文献4に記載の技術とを組み合わせて、COガスを用いた風砕処理によって溶融スラグを微粒子化しつつ、スラグとCOとの反応によりCOを固定化できれば、CO排出削減において非常に有益となる。
しかし、特許文献1〜3に記載されているような風砕処理は、大量の溶融スラグを処理するプロセスとしては不向きである。理由の1つに、風砕処理によるスラグの微粒子化に要するエネルギーが大きいことがある。
例えば、COガスを用いた風砕処理により粒径2.5mm以下のスラグ粒子を作成する場合、下記風砕スラグ粒径予測式(Lubanskaの式)から計算されるスラグ1t当り必要ガス量は5t以上となり、処理するスラグ質量の5倍以上ものCOガスを吹き付ける必要がある。
一方で、上述した式(1)により溶融スラグ中のCaOと反応させて固定化できるCOガス量は0.1〜0.3t程度であり、上記風砕処理に用いるCOガス量よりも遥かに少ない。すなわち、風砕処理に要するCOガスの大部分は、上述した式(1)による反応ではなく、スラグ微粒子化に必要な運動エネルギーを与えるために供給されている。
なお、特許文献4に記載された技術によれば、スラグ凝固装置にて凝固させた後のスラグにCOガスを吹き付けるので、風砕処理のようにスラグに対して過剰なCOガスを吹き付ける必要はない。
しかし、特許文献4に記載されているようなスラグ凝固装置を用いると、スラグ凝固サイズが大きくなり、破砕して粒状化したとしても風砕スラグほど細かく微粒子化することができない。そのため、COガスとの接触面積が少なくなり、固定化できるCOガス量が少なくなる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、過剰なガスを吹き付けることなく溶融スラグを処理できる溶融スラグの処理装置および溶融スラグの処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、流下する溶融スラグに固体粒子を投射することで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[15]を提供する。
[1]スラグ鍋またはスラグ樋から流下する溶融スラグに対して固体粒子を投射する投射装置と、上記固体粒子が上記溶融スラグと衝突することにより生成して飛散したスラグ粒子および上記固体粒子の表面にスラグが付着した粒子であるスラグ付着固体粒子を取り込む導入管と、を備える溶融スラグの処理装置。
[2]上記投射装置は、回転体を回転させることにより上記固体粒子を投射する投射装置である、上記[1]に記載の溶融スラグの処理装置。
[3]酸化性ガスを含む冷却ガスを、上記スラグ粒子および上記スラグ付着固体粒子に吹き付ける送風装置を更に備える、上記[1]または[2]に記載の溶融スラグの処理装置。
[4]上記投射装置による上記固体粒子の投射方向と、上記送風装置による上記冷却ガスの送風方向とが異なる、上記[3]に記載の溶融スラグの処理装置。
[5]上記送風装置は、上記固体粒子が上記溶融スラグと衝突する位置の下方位置に向けて、上記冷却ガスを送風する、上記[3]または[4]に記載の溶融スラグの処理装置。
[6]上記導入管に取り込まれた上記スラグ粒子および上記スラグ付着固体粒子から熱回収を行なう熱回収装置を更に備える、上記[1]または[2]に記載の溶融スラグの処理装置。
[7]上記導入管に取り込まれた上記スラグ粒子および上記スラグ付着固体粒子から熱回収を行なう熱回収装置を更に備える、上記[3]〜[5]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置。
[8]上記スラグ粒子および上記スラグ付着固体粒子に吹き付けられた上記冷却ガスを、上記熱回収装置に導入して熱回収を行なう、上記[7]に記載の溶融スラグの処理装置。
[9]上記導入管が、冷媒を用いて冷却できる冷却構造を有し、上記導入管の冷却に用いた上記冷媒を上記熱回収装置に導入して熱回収を行なう、上記[6]または[7]に記載の溶融スラグの処理装置。
[10]上記固体粒子が上記溶融スラグと衝突する位置の下方位置に配置され、上記導入管に取り込まれなかった残存スラグを上記導入管に送り込む残存スラグ送り装置を更に備える、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置。
[11]上記固体粒子が、粒状の凝固スラグを含む、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置。
[12]上記固体粒子が、金属粒子を含む、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置。
[13]上記スラグ粒子および上記スラグ付着固体粒子をサイズ毎に篩分けするスクリーニング装置と、上記スクリーニング装置で篩分けされた粒子を上記投射装置に循環供給する搬送装置と、を更に備える上記[1]〜[12]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置。
[14]上記スラグ付着固体粒子からスラグを剥離させて分離する分離装置を更に備える、上記[1]〜[13]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置。
[15]上記[1]〜[14]のいずれかに記載の溶融スラグの処理装置を用いて、溶融スラグを連続的に固化処理する、溶融スラグの処理方法。
本発明によれば、過剰なガスを吹き付けることなく溶融スラグを処理できる溶融スラグの処理装置および溶融スラグの処理方法を提供できる。
流下する溶融スラグに対する固体粒子の投射によって、スラグ粒子およびスラグ付着固体粒子が飛散した状態を示す概略図である。 第1の実施形態の溶融スラグの処理装置の全体構成を示す概略図である。 投射装置による固体粒子の投射方向と、送風装置による冷却ガスの送風方向とを示す概略図である。 送風装置の位置を変更した変形例1を示す概略図である。 残存スラグ送り装置を追加した変形例2を示す概略図である。 第2の実施形態の溶融スラグの処理装置の全体構成を示す概略図である。 第3の実施形態の溶融スラグの処理装置の全体構成を示す概略図である。
[概要]
まず、図1に基づいて、本発明の概要を説明する。
図1は、流下する溶融スラグ1に対する固体粒子2の投射によって、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4が飛散した状態を示す概略図である。
図1に示すように、スラグ鍋11から流下する溶融スラグ1に対して、後述する投射装置12(図2〜図7参照)から固体粒子2が投射される。投射された固体粒子2が溶融スラグ1と衝突することにより、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4が生成して、飛散する。より詳細には、投射された固体粒子2の衝突エネルギーによって、溶融スラグ1は、微粒子化され、スラグ粒子3となって飛散すると共に、固体粒子2の表面にも付着して飛散する。こうして、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4が飛散する。スラグ付着固体粒子4は、固体粒子2の表面にスラグが付着した粒子である。飛散したスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4は、後述する導入管13(図2〜図7参照)に取り込まれる。
スラグ粒子3と、スラグ付着固体粒子4におけるスラグとは、いずれも、飛散直後は半溶融状態である可能性もあるが、その飛散過程で冷却されて、固化すると考えられる。固体粒子2は、その表面に付着したスラグを冷やす冷媒としても機能する。
なお、スラグ付着固体粒子4におけるスラグ(固体粒子2の表面に付着したスラグ)は、その後の過程で、固体粒子2の表面から剥離して、微粒子化したスラグとして得られる。このようにスラグ付着固体粒子4から剥離したスラグも、以下、特に断りのない限り、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に含まれるものとする。
こうして、本発明によれば、固体粒子2の投射によって、過剰なガスを吹き付けることなく、溶融スラグ1を粉砕できる。
例えば、溶融スラグ1を微粒子化するためにCOガスを用いる場合、CO固定化のために必要なCOガス量に対して過剰にCOガスを供給しなければならない。しかし、本発明によれば、COガスは、溶融スラグ1の微粒子化には使用せずに、得られたスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に吹き付けて、固定化に特化して使用できる。
また、溶融スラグ1の流下条件(流下量、流下スピード等)および固体粒子2の投射条件(投射角、投射スピード等)を一定にすることで、溶融スラグ1の処理を均質に行なえるという効果も期待できる。
なお、使用する固体粒子2としては、特に限定されないが、例えば、粒状の凝固スラグが挙げられる。凝固スラグを用いることで、溶融スラグ1を固化する際の成分変化が少なくなる。
また、固体粒子2として、金属粒子を用いてもよく、その具体例としては、鉄球、カットワイヤーなどが挙げられる。スラグ付着固体粒子4からスラグを分離する際に、固体粒子2と付着した凝固スラグとの圧縮強度が同程度であると、破砕およびスクリーニング処理による分離が難しい場合がある。そこで、固体粒子2として、圧縮強度が高い金属粒子を用いることで、付着したスラグを分離しやすくなる。
次に、図2〜図7に基づいて、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されない。
[第1の実施形態]
図2は、第1の実施形態の溶融スラグの処理装置101の全体構成を示す概略図である。図2に示す溶融スラグの処理装置101(以下、単に「処理装置101」ともいう)は、溶融スラグ1を流下させるスラグ鍋11を有する。例えば、スラグ鍋11を傾転して溶融スラグ1を流下させるが、スラグ樋(図示せず)から流下させてもよい。
処理装置101は、更に、投射装置12を有する。投射装置12は、スラグ鍋11から流下する溶融スラグ1に対して、固体粒子2を投射する。投射装置12としては、固体粒子2を投射できれば特に限定されないが、例えば、鋼板のショットブラスト処理に用いられている固体投射機などを使用できる。
投射装置12は、一例として、回転体12aを有し、この回転体12aを回転させることにより固体粒子2を投射する投射装置である。回転体12aは、例えば羽根車であり、一般的に電動機により駆動される。回転体12aの回転によって、固体粒子2は、加速されて、所定方向に投射される。また、回転する回転体12aによって、固体粒子2を、一定間隔で等量ずつ連続的に投射することができる。
回転体12aにより固体粒子2を投射する投射装置12は、回転体12aの運動エネルギーによって直接的に固体粒子2が加速されるため、例えば、ガスなどの流動媒体を用いて固体粒子2を間接的に加速させる装置に比べて、固体粒子2の投射を効率良く行なうことができる。
図2に示す回転体12aは、回転軸方向が水平方向であって、図2中において時計回りに回転する。この場合、回転体12aにより投射された固体粒子2は、流下する溶融スラグ1に対して、溶融スラグ1の流下方向と同一方向(図2中、上側から下側に向かう方向)で、衝突する。
回転体12aの回転方向は、時計回りに限定されず、反時計回りに回転させてもよい。この場合、回転体12aにより投射された固体粒子2は、流下する溶融スラグ1に対して、溶融スラグ1の流下方向とは逆方向(図2中、下側から上側に向かう方向)から衝突する。
更に、回転体12aの回転軸方向は、水平方向に限定されず、鉛直方向であってもよい。この場合、回転体12aは、水平方向に設置され、流下する溶融スラグ1に対して、固体粒子2を水平方向に衝突させることができる。
なお、図2には、回転体12aの回転により固体粒子2を投射する方式の投射装置12を示したが、投射装置12としては、これに限定されず、ばね等を利用して固体粒子2を投射するその他の機械式の投射装置であってもよい。
また、投射装置12の台数は、1台に限定されることはなく、2台以上の投射装置12を設置してもよい。
図1に基づいて説明したように、スラグ鍋11から流下した溶融スラグ1は、投射装置12から固体粒子2が投射されることによって、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4となって、固体粒子2の投射方向に飛散する。こうして、溶融スラグ1は、連続的に固化処理される。
投射装置12の投射方向には、パイプ状の部材である導入管13が設けられている。飛散したスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4は、導入管13の一端側の開口から、高温状態のまま取り込まれる。
なお、以下では、導入管13において、飛散したスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4が取り込まれる側の開口を「入口」と呼び、他端側の開口を「出口」と呼ぶ。
導入管13の材質は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼などの耐熱性に優れた金属が挙げられる。また、導入管13の肉厚は、薄すぎると熱により変形しやすくなり、厚すぎると重量が増加して支障をきたす場合があることから、10〜50mm程度が好ましい。なお、導入管13における、飛散したスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4が直接接触する部分は熱負荷が大きくなるため、例えば裏手にリブ等の補強部材を設ける方法も、導入管13の熱変形を抑える方法として有効である。
更に、処理装置101には、送風装置18が設けられている。送風装置18は、冷却ガスを、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に吹き付ける。
冷却ガスとしては、上述した反応式(1)および(2)に基づき、空気(酸素)やCO等の酸化性ガスを含むガスを用いることが好ましい。
上述したように、固体粒子2の投射によって過剰なガスを吹き付けることなく溶融スラグ1を微粒子化できるため、COガスをその固定化のみに特化して使用できる。
図3は、投射装置12による固体粒子2の投射方向Dと、送風装置18による冷却ガスの送風方向Dとを示す概略図である。
冷却ガスは、溶融スラグ1に対してではなく、固体粒子2の投射により微粒子化したスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に対して吹き付けられる。
ここで、投射装置12の投射方向Dと送風装置18の送風方向Dとが同じである場合、冷却ガスは、主として溶融スラグ1に対して吹き付けられてしまい、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に対して吹き付けられにくくなるおそれがある。
このため、投射装置12の投射方向Dと送風装置18の送風方向Dとは、図3に示すように、互いに異なることが好ましい。なお、図3では、一例として、導入管13の入口近傍に送風装置18が配置されている。
〈変形例1〉
図4は、送風装置18の位置を変更した変形例1を示す概略図である。
送風装置18は、図4に示すように、固体粒子2が溶融スラグ1と衝突する位置の下方位置に向けて冷却ガスを送風するように配置されてもよい。このような配置を採用することにより、溶融スラグ1の一部が固体粒子2と衝突せずに落下した場合においても、この落下した溶融スラグ1は、送風装置18から送風される冷却ガスにより、スラグ粒子3となって、導入管13の入口に導入される。こうして、溶融スラグ1の回収量を増加させることができる。
〈変形例2〉
図5は、残存スラグ送り装置24を追加した変形例を示す概略図である。
上述したように、溶融スラグ1の一部は、投射された固体粒子2と衝突せずに、残存スラグとして落下して、導入管13に取り込まれない場合が考えられる。
このような場合を考慮して、図5に示すように、投射された固体粒子2が溶融スラグ1と衝突する位置の下方位置に、残存スラグ送り装置24を配置してもよい。
残存スラグ送り装置24は、固体粒子2と衝突せずに落下して導入管13に取り込まれなかった残存スラグを、導入管13の入口に送り込む。残存スラグ送り装置24が残存スラグを導入管13に送り込むための機構としては、例えば、回転ロールが挙げられるが、これに限定されるものではない。
ここで、再び、図2に示す処理装置101の説明に戻る。
処理装置101においては、導入管13の出口から分岐して、分岐管19が設けられている。送風装置18からスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に吹き付けられた冷却ガスは、熱交換され、分岐管19を通って回収される。
もっとも、導入管13に取り込まれたスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4の熱を、送風装置18からの冷却ガスだけで回収することは、接触時間が短い等の理由から、困難であり、後述する熱回収装置14を用いて、別途、熱回収が行なわれる。
導入管13は、入口側よりも出口側の方が下方に位置するように傾斜している。導入管13の出口側には、熱回収装置14が配置されている。
このため、導入管13の入口から取り込まれた高温のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4は、自重によって導入管13の内部を滑落し、導入管13の出口で排出されて、熱回収装置14におけるチャンバ15の内部に充填される。
熱回収装置14では、チャンバ15の内部に充填された高温のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に対して、例えば、ポンプ17を用いて冷却ガスを送風して熱交換し、熱交換後のガスを回収する。こうして、熱回収が行なわれる。
熱回収装置14で使用する冷却ガスとしては、特に限定されないが、上述した送風装置18から送風される冷却ガスと同様に、空気(酸素)やCO等の酸化性ガスを含むガスを用いることが好ましい。熱回収装置14においても、COガスの固定化を行なうことができる。
熱回収装置14は、例えば、向流充填層方式や流動層方式などで設計する。
熱回収装置14は、スラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4を、例えば、バッチ式または連続式で取り込む。一例として、チャンバ15の導入口には、ロータリーフィーダ16が取り付けられている。ロータリーフィーダ16は、導入管13の出口で排出された高温のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4をチャンバ15の内部に送り込むと共に、チャンバ15に充填されたスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4の熱を、チャンバ15の導入口から漏らさないようにシールする。
熱回収装置14で熱回収された後のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4は、チャンバ15から取り出され、その後、分離装置20に移送される。分離装置20は、後述するスクリーニング装置21の上流側に配置されている。
分離装置20は、スラグ付着固体粒子4から、固体粒子2の表面に付着していた凝固スラグを、剥離させて分離する。以下では、固体粒子2の表面から剥離したスラグを便宜的に「剥離スラグ」とも言う。
分離装置20としては、特に限定されず、従来公知の装置を使用でき、例えば、回転自在なドラムにスラグ付着固体粒子4を投入して回転させることで、回転時の衝撃によって、固体粒子2の表面のスラグを破砕して剥離させる方式などが挙げられる。このとき、スラグ粒子3も併せて投入されることは妨げられない。
なお、固体粒子2として粒状の凝固スラグを使用している場合には、必ずしも分離装置20での分離を行なわなくてもよい。
その後、剥離スラグおよびスラグ粒子3の少なくとも一部が、微粒子化されたスラグ22として回収される。このとき、例えば、固体粒子2が直径3mmの鉄球である場合、目が3mm未満の篩を用いることで、この鉄球よりも微粒なスラグ22のみを分離できる。
ところで、回収されたスラグ22は、うず高く積まれて搬送および保管されるが、このとき、スラグ22の形状が真球状であると、表面どうしが滑り合ってしまい、うまく積むことができない場合がある。
しかし、固体粒子2の表面から剥離した剥離スラグの形状は、真球状にはなりにくいため、この剥離スラグを含むスラグ22は、滑り合って積めないという事態を回避できる効果も期待できる。
熱回収装置14で熱回収を行なった後の固体粒子2は、低温化していることから、投射装置12に循環供給することで、再び、溶融スラグ1に投射するための固体粒子2として使用できる。
しかし、熱回収した後の固体粒子2は、分離装置20を経ていたとしても、その表面には、剥離しきらなかったスラグが残存している場合がある(すなわち、いまだ、スラグ付着固体粒子4である場合がある)。そのようなスラグ付着固体粒子4は、表面に残存しているスラグの分だけ固体粒子2よりも粗大化しており、投射装置12での処理が不安定になるおそれがある。
また、固体粒子2として粒状の凝固スラグを使用している場合は、スラグ22として回収されなかったスラグ粒子3(例えば、比較的大きいスラグ粒子3)も、投射装置12に循環供給して、固体粒子2として使用できる。しかし、この場合も、やはり、固体粒子2の径よりも粗大な場合は、投射装置12での処理が不安定となり得る。
そこで、投射装置12で使用するのに適したサイズの粒子だけを循環利用するために、サイズ毎に篩分けを行なうスクリーニング装置21を用いて、分離装置20を経たスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4のスクリーニング処理(篩分け)を行なう。
スクリーニング装置21での篩分けの後、循環利用する粒子については、搬送装置23によって投射装置12まで搬送されて、溶融スラグ1に対して投射される。
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態の溶融スラグの処理装置102の全体構成を示す概略図である。第2の実施形態においては、上述した第1の実施形態と同一の部分は同一の符号で示し、説明を省略する。なお、図4に基づいて説明した変形例1および図5に基づいて説明した変形例2は、第2の実施形態においても適用できる。
図6に示すように、第2の実施形態の処理装置102では、送風装置18からスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4に吹き付けられた冷却ガスを、熱回収装置14に導入して、熱回収のための冷却ガスとして再利用する。
送風装置18からの冷却ガスは、高温のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4の表面に対して吹き付けられるが、上述したように、これら粒子の表面と冷却ガスとの接触時間が短いため、十分に熱を回収することは困難である。そこで、この冷却ガスを、下流側に配置される熱回収装置14に導入することで、送風装置18からの吹き付け時に回収されなかった熱を回収することができる。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態の溶融スラグの処理装置103の全体構成を示す概略図である。第3の実施形態においては、上述した第1の実施形態および第2の実施形態と同一の部分は同一の符号で示し、説明を省略する。なお、図4に基づいて説明した変形例1および図5に基づいて説明した変形例2は、第3の実施形態においても適用できる。
図7に示すように、第3の実施形態の処理装置103では、導入管13が、冷媒を用いて冷却できる冷却構造を有する。導入管13を通過する時点のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4は1000℃前後の高温状態にあるため、これら高温粒子からの輻射熱や接触伝熱によって、導入管13の内壁が高温化する場合がある。そこで、導入管13に冷却構造を設けて、導入管13の内壁を保護する。
この冷却構造としては、特に限定されないが、例えば、導入管13の外壁側にフィンを形成して、このフィンに当てるように冷媒を流通させる構造;導入管13の外周にパイプを這わせて、このパイプ内に冷媒を流通させる構造;等が挙げられる。冷媒としては、例えば、冷却ガスが挙げられるが、冷却水などの液体を用いてもよい。
そして、導入管13の冷却に用いた冷媒を、下流側に配置される熱回収装置14に導入することで、この冷媒を用いて、チャンバ15に充填されたスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4の熱を回収することができる。
なお、冷媒として冷却水を用いることで、チャンバ15のスラグ粒子3およびスラグ付着固体粒子4が濡れることは差し支えない。
1:溶融スラグ
2:固体粒子
3:スラグ粒子
4:スラグ付着固体粒子
11:スラグ鍋
12:投射装置
12a:回転体
13:導入管
14:熱回収装置
15:チャンバ
16:ロータリーフィーダ
17:ポンプ
18:送風装置
19:分岐管
20:分離装置
21:スクリーニング装置
22:スラグ
23:搬送装置
24:残存スラグ送り装置
101:溶融スラグの処理装置(第1の実施形態)
102:溶融スラグの処理装置(第2の実施形態)
103:溶融スラグの処理装置(第3の実施形態)
:投射方向
:送風方向

Claims (12)

  1. スラグ鍋またはスラグ樋から流下する溶融スラグに対して固体粒子を投射する投射装置と、前記固体粒子が前記溶融スラグと衝突することにより生成して飛散したスラグ粒子および前記固体粒子の表面にスラグが付着した粒子であるスラグ付着固体粒子を取り込む導入管と、を備え、
    酸化性ガスを含む冷却ガスを、前記スラグ粒子および前記スラグ付着固体粒子に吹き付ける送風装置を更に備え、
    前記送風装置は、前記固体粒子が前記溶融スラグと衝突する位置の下方位置に向けて、前記固体粒子の投射とは別に、前記冷却ガスを送風し、
    前記送風装置による前記冷却ガスの送風方向は、前記固体粒子と衝突せずに落下した前記溶融スラグが、前記送風装置から送風される前記冷却ガスにより、前記スラグ粒子となって、前記導入管の入口に導入される方向である、溶融スラグの処理装置。
  2. 前記投射装置は、回転体を回転させることにより前記固体粒子を投射する投射装置である、請求項1に記載の溶融スラグの処理装置。
  3. 前記投射装置による前記固体粒子の投射方向と、前記送風装置による前記冷却ガスの送風方向とが異なる、請求項1または2に記載の溶融スラグの処理装置。
  4. 前記導入管に取り込まれた前記スラグ粒子および前記スラグ付着固体粒子から熱回収を行なう熱回収装置を更に備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置。
  5. 前記スラグ粒子および前記スラグ付着固体粒子に吹き付けられた前記冷却ガスを、前記熱回収装置に導入して熱回収を行なう、請求項4に記載の溶融スラグの処理装置。
  6. 前記導入管が、冷媒を用いて冷却できる冷却構造を有し、
    前記導入管の冷却に用いた前記冷媒を前記熱回収装置に導入して熱回収を行なう、請求項4に記載の溶融スラグの処理装置。
  7. 前記固体粒子が前記溶融スラグと衝突する位置の下方位置に配置され、前記導入管に取り込まれなかった残存スラグを前記導入管に送り込む残存スラグ送り装置を更に備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置。
  8. 前記固体粒子が、粒状の凝固スラグを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置。
  9. 前記固体粒子が、金属粒子を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置。
  10. 前記スラグ粒子および前記スラグ付着固体粒子をサイズ毎に篩分けするスクリーニング装置と、前記スクリーニング装置で篩分けされた粒子を前記投射装置に循環供給する搬送装置と、を更に備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置。
  11. 前記スラグ付着固体粒子からスラグを剥離させて分離する分離装置を更に備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶融スラグの処理装置を用いて、溶融スラグを連続的に固化処理する、溶融スラグの処理方法。
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