JP2009227495A - スラグ処理方法 - Google Patents

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克博 岩崎
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Abstract

【課題】精錬工程等で生じたスラグを、破砕機などによる破砕処理を行うことなく、比較的不規則な形状で且つ非晶質ないし結晶化度の低いスラグに粒状化する。
【解決手段】溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付け、スラグを粒状化する。粉粒体の運動エネルギーを利用してスラグを粒状に粉砕するので、従来の風砕法に比べてスラグに吹き付けるガスの流速を小さくでき、比較的不規則な形状の異形スラグ粒子を得ることができる。一方において、粉粒体+キャリアガスの吹き付けにより大きな冷却作用が得られ、スラグは徐冷ではなく急冷されるため、非晶質ないし結晶化度の低いスラグ粒子とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鋼製造プロセスなどで発生するスラグを粒状化処理するための方法に関する。
鉄鋼製造プロセスで発生するスラグは、種々の形態に加工した状態で、セメント原料、骨材、海洋土木材、路盤材、水中環境改善材などの用途に用いられる。
粒状のスラグを得る方法としては、(1)溶融スラグを散水冷却または放冷により冷却した後、粒状に破砕処理する方法、(2)溶融スラグを水砕法により冷却・粒状化する方法、(3)溶融スラグを風砕法により冷却・粒状化する方法、などがある。
しかし、上記(1)の方法では、冷却したスラグを破砕機により破砕処理する必要があり、処理コストがかかる。また、散水冷却する場合には、廃水が発生するため、その廃水処理に手間とコストがかかる。一方、放冷(徐冷)する場合には、品質的にスラグが結晶化しやすいため、粉化したり、膨張性が大きくなったりするという問題がある。また、高塩基度スラグを徐冷すると、ダイカルシウムシリケート相による粉化や、スラグ中溶解ガスの析出による気泡の生成などがあり、スラグを利用する上で問題となる。
上記(2)の方法では、大量の廃水が発生し、その廃水処理に手間とコストがかかる。
上記(3)の方法では、真球に近い球形状の風砕スラグが得られるが、この風砕スラグは安息角がきわめて小さいため、ヤードでの保存やトラック等での搬送に支障があり、このため利用が大幅に制限される。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、溶解工程や精錬工程等で生じたスラグを、破砕機などによる破砕処理を行うことなく、比較的不規則な形状で且つ非晶質ないし結晶化度の低いスラグに粒状化させることができるスラグ処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、スラグを粒状化するだけでなく、粉化や水和膨張を生じにくい性状に改質することができるスラグ処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、さらにスラグ顕熱を効率的に回収することができるスラグ処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付け、スラグを粒状化することを特徴とするスラグ処理方法。
[2]上記[1]のスラグ処理方法において、溶融状態または赤熱状態のスラグに、粉粒体を酸化性のキャリアガスとともに吹き付け、スラグを粒状化するとともに、スラグ成分の一部を酸化させる改質処理を施すことを特徴とするスラグ処理方法。
[3]上記[2]のスラグ処理方法において、酸化性のキャリアガスが、酸素、二酸化炭素および水蒸気の中から選ばれる1種以上を含むガス、酸素、二酸化炭素のいずれかであることを特徴とするスラグ処理方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかのスラグ処理方法において、板状、柱状または細片状のいずれかの形態にされたスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付けることを特徴とするスラグ処理方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかのスラグ処理方法において、粒状化したスラグを、さらに冷媒と接触させ、冷却することを特徴とするスラグ処理方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかのスラグ処理方法において、スラグとの接触により昇温したキャリアガスまたは/および冷媒を、熱源用流体として回収することを特徴とするスラグ処理方法。
[7]溶融状態のスラグを回転する冷却ドラムに接触させて冷却し、板状、柱状または細片状のいずれかの形態の高温スラグとして排出するスラグ冷却処理装置を用い、溶融状態のスラグを冷却処理し、該冷却処理後の高温スラグに対して、上記[1]〜[6]のいずれかの処理を行うことを特徴とするスラグ処理方法。
[8]溶融状態のスラグを回転する1対の冷却ロールで圧延しつつ冷却し、板状、柱状または細片状のいずれかの形態の高温スラグとして排出するスラグ冷却処理装置を用い、溶融状態のスラグを冷却処理し、該冷却処理後の高温スラグに対して、上記[1]〜[6]のいずれかの処理を行うことを特徴とするスラグ処理方法。
[9]溶融状態のスラグを回転するアトマイズ用ドラムのドラム面に供給して粒状に飛散させ、該飛散中の粒状高温スラグに対して、上記[1]〜[6]のいずれかの処理を行うことを特徴とするスラグ処理方法。
本発明のスラグ処理方法によれば、溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグに対して粉粒体をキャリアガスとともに吹き付けて衝突させ、粉粒体の運動エネルギーを利用してスラグを粒状に粉砕するので、従来の風砕法に比べてスラグに吹き付けるガス(キャリアガス)の流速を小さくでき、このため風砕法のような微細・球形ではなく、比較的不規則な形状の異形スラグ粒子を得ることができる。一方において、粉粒体+キャリアガスの吹き付けにより大きな冷却作用が得られ、スラグは徐冷ではなく急冷されるため、非晶質ないし結晶化度の低いスラグ粒子とすることができる。
また、キャリアガスとして酸化性ガスを用いることにより、スラグ中の鉄分やFeOが酸化されてフェライト相に改質され、これがスラグ中のカルシウムと結合してカルシウムフェライトが生成されることで、粉化原因となるダイカルシウムシリケート相の生成が抑制されるとともに、カルシウムフェライトなどの生成を通じて遊離CaOの量も少なくなるので、粉化や水和膨張が生じにくい粒状スラグを得ることができる。
また、比表面積を大きくした形態(板状、柱状または細片状のいずれかの形態)にされたスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付け衝突させることにより、スラグの粉砕や改質の効率を高めることができる。
また、粒状化したスラグを、さらに冷媒と接触させて冷却することにより、ダイカルシウムシリケート相や遊離CaO、遊離MgOの晶出を抑制し、スラグ品質をより高めることができる。
また、高温スラグとの接触により昇温したキャリアガスや冷媒などを、熱源用流体として回収することにより、スラグ顕熱を効率的に回収することができる。
本発明のスラグ処理方法は、溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付けて衝突させ、スラグを粒状化するものである。ここで、本発明においてスラグを粒状化するとは、数十mm程度の粗大粒とする場合も含まれる。
処理の対象となる溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグは、鉄鋼製造プロセス等をはじめとする種々のプロセスの溶解工程や精錬工程で生じた際の顕熱を保有した高温状態のスラグである。赤熱状態のスラグとは、表層が凝固または半凝固状態であり、内部が溶融状態にあるようなスラグを指す。この状態をスラグ温度で言うと、一般にスラグ表面温度が700℃以上の状態である。また、高温凝固状態のスラグとは、少なくとも表面温度が400℃以上であるような高温スラグであることが好ましい。
また、スラグの種類に制限はなく、例えば、高炉スラグ、製鋼スラグ(例えば、転炉脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱珪スラグ、脱硫スラグ、電気炉スラグ、鋳造スラグなど)、溶融還元スラグ(例えば、鉄鉱石、Cr鉱石、Ni鉱石、Mn鉱石などの溶融還元により生じるスラグ)、その他の製錬炉や精錬炉から発生するスラグ、ごみ焼却灰溶融スラグ、廃棄物ガス化溶融スラグなど、種々のスラグを対象とすることができる。
粉粒体のキャリアガスの種類に特別な制限はなく、例えば、空気、酸素富化空気、酸素、窒素などの任意のガスを用いることができる。また、これらを予熱したガスや水蒸気を含ませたガスなどを用いてもよい。
また、キャリアガスに添加する粉粒体の種類にも特別な制限はなく、例えば、スラグ、ダスト、スラッジ、砂などの1種以上を用いることができるが、得られる粒状スラグの品質やスラグの有効利用の面からはスラグ(スラグ粉)が特に好ましい。
また、キャリアガスとして酸化性ガスを用いることにより、スラグを改質して品質を高めることができるので好ましい。すなわち、キャリアガスとして酸化性ガスを用いることにより、スラグ中の鉄分やFeOが酸化されてフェライト相に改質され、これがスラグ中のカルシウムと結合してカルシウムフェライトが生成されることで、粉化原因となるダイカルシウムシリケート相の生成が抑制されるとともに、カルシウムフェライトなどの生成を通じて遊離CaOの量も少なくなるので、粉化や水和膨張が生じにくいスラグを得ることができる。また、スラグのなかでも、製鋼スラグはダイカルシウムシリケート相による粉化や、遊離CaO、遊離MgOによる水和膨張を生じやすいので、そのような改質処理の対象として特に好適である。
通常、酸化性ガスとしては、酸素、二酸化炭素および水蒸気の中から選ばれる1種以上を含むガス、酸素、二酸化炭素のいずれかを用いる。具体的には、例えば、空気、酸素富化空気、酸素、二酸化炭素、二酸化炭素含有ガス、水蒸気含有ガスなどの1種以上を用いることができる。本発明では処理対象が高温状態のスラグであるため、二酸化炭素(CO)や水蒸気(HO)を含むガスを用いても、上述したようなスラグの改質作用(酸化作用)が得られる。また、二酸化炭素は、スラグ温度が低下してきた段階で遊離CaOや遊離MgOを炭酸化させることにより、また、水蒸気は遊離CaOや遊離MgOを水酸化物に改質することにより、遊離CaOや遊離MgOを低減させる効果も得られる。
さらに、二酸化炭素や水蒸気が金属鉄や酸化鉄に作用すると、下記反応(但し、FeO1.5=1/2・Fe)により可燃性ガスであるCOやHが生成し、
Fe+1/2・O→FeO
Fe+CO→FeO+CO
Fe+HO→FeO+H
FeO+1/4・O→FeO1.5
FeO+1/4・CO→FeO1.5+1/2・CO
FeO+1/2・HO→FeO1.5+1/2・H
これらのガス成分が排出ガス中に含まれることになる。これらのガス成分は周囲の空気で酸化・発熱するので、キャリアガスから熱回収する場合に、回収熱量を増大させることができる。
また、予熱された酸化性ガスを用いることにより、改質反応をさらに促進させることができる。
本発明のスラグ処理では、比表面積を大きくした形態、すなわち板状、柱状または細片状のいずれかの形態にされたスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付けることにより、スラグを粒状化させることが好ましい。スラグの比表面積を大きくした状態で粉粒体+キャリアガスを吹き付けた方が、スラグの粉砕や改質の効率を高めることができるからである。
スラグに粉粒体+キャリアガスを吹き付け、スラグを粒状化させる方法としては、処理対象が溶融状態のスラグの場合には、例えば、図1の実施形態に示すように、スラグ鍋1などから溶融スラグSを板状または柱状に流下させ、この流下途中の溶融スラグSに対して、吹付ノズル2から粉粒体+キャリアガスを吹き付ければよい。この実施形態では、供給配管3により供給されるキャリアガス(例えば、圧縮空気)に対して、切出装置4を備えた粉粒体貯留槽5から粉粒体(例えば、スラグ粉)が切り出され、粉粒体+キャリアガスが供給配管3を通じて吹付ノズル2に供給される。流化する溶融スラグSに対して吹付ノズル2により側方から粉粒体+キャリアガスが吹き付けられることにより、溶融スラグSは粒状化され且つ冷却され、粒状スラグSyが得られる。
なお、この実施形態では、上記のように粉粒体+キャリアガスが溶融スラグSに吹き付けられるスラグ処理部がカバー6で覆われ、このカバー6にキャリアガスを回収するためのガス吸引管7が接続され、このガス吸引管7には熱交換器8、集塵機9、吸引ファン10が設けられ、この吸引ファン10によりカバー6内のキャリアガスがガス吸引管7を通じて吸引される。キャリアガスは熱交換器8で熱媒と熱交換されることにより、スラグ顕熱が回収される。例えば、熱媒として水を用い、キャリアガスとの熱交換により蒸気を得る。キャリアガスは集塵機9で集塵された後、放散される。
図2は他の実施形態を示すもので、高速回転するドラム20(アトマイズ用ドラム)のドラム面200に対して、スラグ鍋1などから溶融スラグSを注湯することによりスラグを飛散させ、この飛散した溶融スラグSに対して、吹付ノズル2から粉粒体+キャリアガスを吹き付けるようにするものである。この実施形態でも、供給配管3により供給されるキャリアガス(例えば、圧縮空気)に対して、切出装置4を備えた粉粒体貯留槽5から粉粒体(例えば、スラグ粉)が切り出され、粉粒体+キャリアガスが供給配管3を通じて吹付ノズル2に供給される。飛散した溶融スラグSに対して吹付ノズル2により上方から粉粒体+キャリアガスが吹き付けられることにより、溶融スラグSは粒状化され且つ冷却され、粒状スラグSyが得られる。なお、このように上方から粉粒体+キャリアガスを吹き付ける方式では、固気比を高くできる利点がある。
この実施形態でも、上記のように粉粒体+キャリアガスが溶融スラグSに吹き付けられるスラグ処理部がカバー6で覆われ、このカバー6にキャリアガスを回収するためのガス吸引管7が接続され、このガス吸引管7には熱交換器8、集塵機9、吸引ファン10が設けられ、この吸引ファン10によりカバー6内のキャリアガスがガス吸引管7を通じて吸引される。キャリアガスは熱交換器8で熱媒と熱交換されることにより、スラグ顕熱が回収される。例えば、熱媒として水を用い、キャリアガスとの熱交換により蒸気を得る。キャリアガスは集塵機9で集塵された後、放散される。図において、15は粒状スラグSyを受け入れるためにバケットである。
また、処理対象が赤熱状態または高温凝固状態のスラグの場合には、例えば、図3の実施形態に示すように、回転式の冷却ドラム11a,11bを備えたスラグ冷却処理装置13で溶融スラグSを冷却して板状等の形態の赤熱状態または高温凝固状態のスラグSxとし、このスラグSxに対して、吹付ノズル2から粉粒体+キャリアガスを吹き付ければよい。これによりスラグSxには粉砕されて粒状化し、粒状スラグSyが得られる。なお、この図3の実施形態については、後に詳述する。
粉粒体+キャリアガスの吹き付けによるスラグの粒状化は、粉粒体+キャリアガスがスラグを引きちぎる(スラグが溶融状態の場合にはスラグの表面張力に抗して引きちぎる)ことにより進行するため、引きちぎる力が大きいほど、粒状化したスラグ粒子径は小さくなる。そして、粉粒体+キャリアガスのスラグに対する衝突速度を大きくし、固気比(粉粒体とキャリアガスの質量比)を大きくするほど、スラグに衝突する粉粒体+キャリアガスの運動量が大きくなり、スラグを引きちぎる力が強くなる。
以上の観点から、粉粒体とキャリアガスの質量比(=粉粒体/キャリアガス)、すなわち固気比は10以上、望ましくは30以上、より望ましくは70以上とすることが好ましい。溶融スラグに対して、図1に示すような形態で粉粒体+キャリアガスを吹き付けて粒状化処理を行い、その際の固気比と粒状化したスラグの平均粒径との関係を調べた結果を図4に示す。この試験では、粉粒体として粒径5mm以下のスラグ粉、キャリアガスとして圧縮空気をそれぞれ用い、溶融スラグ流の厚さを50mm、溶融スラグに対する粉粒体+キャリアガスの衝突流速を60〜90m/secとした。図4によれば、固気比が10以上で粒状化が可能であり、また、固気比が20以上で粗骨材レベルの粒径20mm以下、特に70以上でスラグを細骨材レベルの粒径5mm以下まで大部分を小さい粒径に安定して粒状化できることが判る。なお、固気比の上限は特にないが、設備能力などの面から150〜200程度が実質的な上限となる。
スラグに対する粉粒体+キャリアガスの衝突流速の上限は、200m/sec程度とすることが好ましい。従来行われている風砕スラグの製造では、空気などのアトマイズガスを亜音速〜音速程度の衝突流速で溶融スラグに衝突させてスラグを粒状化させているが、このような超高速のアトマイズガスでスラグを粒状化させると、ほぼ真球に近い球状のスラグ粒子となり、このようなスラグはさきに述べたように安息角が非常に小さく、ハンドリングに大きな問題を生じる。これに対して、衝突流速が200m/sec以下であれば、粒状化されたスラグ粒子は風砕スラグのような球状にはならず、安息角も十分に大きい。
一方、スラグを適切に粒状化させるため、スラグに対する粉粒体+キャリアガスの衝突流速は少なくとも10m/sec以上、望ましくは粗骨材レベルの粒径20mm以下にできる20m/sec以上、さらに望ましくは細骨材レベルの粒径5mm以下に半分以上できる50m/sec以上とすることが好ましい。溶融スラグに対して、図1に示すような形態で粉粒体+キャリアガスを吹き付けて粒状化処理を行い、その際のスラグに対する粉粒体+キャリアガスの衝突流速と粒状化したスラグの平均粒径との関係を調べた結果を図5に示す。この試験では、粉粒体として粒径5mm以下のスラグ粉、キャリアガスとして圧縮空気をそれぞれ用い、溶融スラグ流の厚さを50mm、固気比70〜100とした。図5によれば、衝突流速が10m/sec以上で粒状化が可能であり、また、衝突流速が20m/sec以上で粗骨材レベルの粒径20mm以下、特に70m/sec以上で細骨材レベルの粒径5mm以下に半分以上、スラグを小さい粒径に安定して粒状化できることが判る。
また、本発明のスラグ処理方法では、上記のように粒状化処理したスラグをさらに水や水蒸気などの冷媒と接触させ、冷却することが好ましい。
さらに、本発明のスラグ処理方法では、スラグとの接触により昇温したキャリアガスまたは/および冷媒を、熱源用流体として回収することが好ましく、これによりスラグ顕熱を効率的に回収でき、製鉄所等のエネルギー効率を高め且つCOガス発生量を削減することができる。回収された水蒸気等の流体は、例えば、原料・燃料・副原料・廃棄物等の乾燥・予熱用熱源、給湯機用熱源、蓄熱材への供給熱源、吸着式冷凍機の再生用熱源、炭酸ガスその他の吸着装置の吸着材再生熱源などとして利用することができる。
また、冷媒として水や水蒸気を用いる場合、スラグとの接触により発生または昇温した水蒸気が、例えば120℃以上の過熱蒸気であれば、熱源用流体として非常に有用であるので、冷媒が接触することでそのような過熱蒸気を生じさせるような高温スラグを冷却対象とすることが好ましい。具体的には、冷却対象となるスラグは表面温度が200℃以上、望ましくは300℃以上、さらに望ましくは400℃以上であることが好ましい。冷媒として水を用いる場合には、スラグ温度が低いと廃水が出やすく、この観点からはスラグ表面温度は300℃以上、望ましくは400℃以上が好ましい。また、スラグ表面温度が400℃以上であれば、発生する水蒸気温度も高くなるので、スラグのエージング効果も期待できる。
水蒸気などを熱源用流体として回収するには、冷媒によるスラグの冷却処理を気密性のある処理容器内で行うことが好ましく、この処理容器から熱源用流体として水蒸気を取り出す。
本発明のスラグ処理法では、溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグに対して粉粒体をキャリアガスとともに吹き付け、粉粒体の運動エネルギーを利用してスラグを粒状に粉砕するので、従来の風砕法に比べてキャリアガスの流速を小さくでき、このため風砕法のような微細・球形(例えば、粒径1mm以下、形状係数:1)ではなく、比較的不規則な形状で且つ粒径の大きいスラグ粒子(例えば、粒径20mm以下、形状係数:2以上)を得ることができる。一方において、粉粒体+キャリアガスの吹き付けにより大きな冷却作用が得られ、スラグは徐冷ではなく急冷されるため、非晶質ないし結晶化度が低いのスラグ粒子とすることができる。また、キャリアガスとして酸化性ガスを用いることにより、粉化や水和膨張が生じにくい粒状スラグを得ることができる。
本発明のスラグ処理において、粉粒体+キャリアガスを吹き付ける対象としては、溶融スラグをある程度冷却して赤熱状態または高温凝固状態とした板状等のスラグの方が、比表面積の確保、ハンドリングの容易性などの点から好ましい。
溶融スラグを冷却して板状等の赤熱状態または高温凝固状態のスラグとするには、溶融スラグに下記(イ)または(ロ)の冷却処理を施すことが好ましい。したがって、溶融スラグに下記(イ)または(ロ)の冷却処理を施し、この冷却処理後の赤熱状態または高温凝固状態のスラグに本発明の粒状化処理を施すことが好ましい。
(イ)溶融スラグを回転する冷却ドラムに接触させて冷却し、板状、柱状または細片状の高温スラグとして排出するスラグ冷却処理装置を用い、溶融スラグを冷却処理することで赤熱状態または高温凝固状態のスラグとする。
(ロ)溶融スラグを回転する1対の冷却ドラムで圧延しつつ冷却し、板状、柱状または細片状の高温スラグとして排出するスラグ冷却処理装置を用い、溶融スラグを冷却処理することで赤熱状態または高温凝固状態のスラグとする。
まず、上記(イ)のスラグの冷却処理法について説明する。
この冷却処理法では、例えば、水平方向で並列し、対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラムを備えたスラグ冷却処理装置を用いる。この方式では、1対の冷却ドラムの上部外周面間に上方から溶融スラグが供給され、スラグ液溜まりが形成される。このスラグ液溜まりから、回転する冷却ドラムの表面に付着することで溶融スラグが持ち出され、この溶融スラグは冷却ドラム面に付着した状態で適度な凝固状態(例えば、半凝固状態または表層のみ凝固した状態)まで冷却された後、所定のドラム回転位置において自重により冷却ドラム面から剥離し、板状、柱状または細片状(塊状)の赤熱状態または高温凝固状態の高温スラグとして回収される。
図3は、そのようなスラグ冷却処理装置13を用いて溶融スラグを冷却することで、板状、柱状または細片状(塊状)の赤熱状態または高温凝固状態の高温スラグとし、この高温スラグに対して本発明の粒状化処理を施す場合の一実施形態を示している。
前記スラグ冷却処理装置13は、水平方向で並列し、対向する外周部分が上向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラム11a,11bを備えている。この冷却ドラム11a,11bは、駆動装置(図示せず)により上記の回転方向に回転駆動する。
前記冷却ドラム11a,11bの内部には、冷媒を通すための流路を有する内部冷却機構(図示せず)が設けられ、この内部冷却機構に対する冷媒供給部と冷媒排出部がドラム軸の各端部に各々設けられている。また、通常は、冷却ドラム幅方向の両端側には、冷却ドラム11a,11bの上部外周面間に形成される断面V溝状の凹部(スラグ液溜まりAが形成される凹部)の両端を塞ぐための堰板(図示せず)が、冷却ドラム11a,11bの端面に接するようにして設けられる。
前記冷却ドラム11a,11bの上方には、冷却ドラム11a,11bの上部外周面間(断面V溝状の凹部)に溶融スラグSを供給するためのタンディッシュ12が配置される。このタンディッシュ12には、スラグ鍋1から溶融スラグSが供給される。
各冷却ドラム11a,11bの側方(外側)には、冷却されて冷却ドラム面から剥離したスラグSxを受け取り、搬送するための搬送コンベア14が配置されている。冷却ドラム11a,11bの表面に付着して冷却されるスラグは、冷却ドラム面がドラム下方側に回り込み始める回転位置において自重により冷却ドラム面から剥離するので、本実施形態の搬送コンベア14は、このようして剥離するスラグSxを受けられるような高さ位置に配置されている。
前記各搬送コンベア14の出側には、それぞれ粉粒体+キャリアガスの吹き付け機構が設けられている。この各吹き付け機構は、搬送コンベア14から払い出されたスラグSxに対して、上方から粉粒体+キャリアガスを吹き付けて粒状化させるための吹付ノズル2を有している。そして、各吹き付け機構では、図1の実施形態と同様に、供給配管3により供給されるキャリアガス(例えば、圧縮空気)に対して、切出装置4を備えた粉粒体貯留槽5から粉粒体(例えば、スラグ粉)が切り出され、粉粒体+キャリアガスが供給配管3を通じて吹付ノズル2に供給される。搬送コンベア14から払い出されたスラグSxに対して吹付ノズル2により上方から粉粒体+キャリアガスが吹き付けられることにより、スラグSxは粒状化され且つ冷却され、粒状スラグSyが得られる。図において、15は粒状スラグSyを受け入れるためにバケットである。
なお、この実施形態でも、上記のように粉粒体+キャリアガスが溶融スラグSに吹き付けられるスラグ処理部がカバー6で覆われ、このカバー6にキャリアガスを回収するためのガス吸引管7が接続され、このガス吸引管7には熱交換器8、集塵機9、吸引ファン10が設けられ、この吸引ファン10によりカバー6内のキャリアガスがガス吸引管7を通じて吸引される。キャリアガスは熱交換器8で熱媒と熱交換されることにより、スラグ顕熱が回収される。例えば、熱媒として水を用い、キャリアガスとの熱交換により蒸気を得る。キャリアガスは集塵機9で集塵された後、放散される。なお、図3では、片側のカバー6に関してのみ、これらの構成を図示してある。
得られた粒状スラグSyについては、さらに、その顕熱回収を行ってもよく、この顕熱回収は、例えば、図3に示すような熱交換用の筒状処理容器16を用いて行うことができる。この筒状処理容器16は、一端側にスラグ装入部160、他端側にスラグ取出部161と蒸気取出部162を備えるとともに、一端側から他端側に向かって下向きに傾斜し、筒軸を中心に回転可能である。この筒状処理容器16の基本構造は、所謂ローターキルンなどの構造と同様であり、筒状処理容器16内に装入された材料(スラグ)は、長手方向で傾斜した筒状処理容器が回転することにより、容器長手方向で順次移送される。筒状処理容器16内のスラグ移送方向上流部には、冷媒供給機構163が設置されている。この冷媒供給機構163には、図示しない供給管を通じて水や蒸気などの冷媒が供給される。
なお、カバー6により回収されるキャリアガスを、粒状スラグSyとともに筒状処理容器16内に導入してもよい。
本実施形態では、対向する外周部分が上向きに回転する冷却ドラム11a,11bの上部外周面間(断面V溝状の凹部)に、タンディッシュ12から溶融スラグSが供給され、スラグ液溜まりAが形成される。溶融スラグSは、回転する冷却ドラム11a,11bの表面に付着することでスラグ液溜まりAから持ち出される。溶融スラグSは冷却ドラム面に付着した状態で適度な凝固状態(赤熱状態)まで冷却された後、所定のドラム回転位置において自重により冷却ドラム面から自然に剥離し、この剥離したスラグSxはそのまま搬送コンベア14に受け取られ、搬送される。この搬送コンベア14から払い出されたスラグSxに対して、吹付ノズル2により上方から粉粒体+キャリアガスが吹き付けられ、本発明によるスラグの粒状化処理が行われ、粒状スラグSyが得られる。
また、スラグ顕熱回収用の筒状処理容器16が設けられる場合には、粒状スラグSyが筒状処理容器16に装入されるとともに、この筒状処理容器16内には、冷媒供給機構163から水や水蒸気などの冷媒が供給されてスラグSyが冷却される。冷媒が水の場合にはスラグとの接触により水蒸気となる。この水蒸気と容器内を移動するスラグが熱交換することで、スラグSyがさらに冷却されるとともに、スラグSy中に未だ遊離CaOが残存している場合には水蒸気により水和反応を生じるエージング処理がなされる。この際、筒状処理容器16の回転によりスラグが撹拌されるので、水蒸気との接触が促進され、遊離CaOの水和反応が効率的に生じることになる。また、水和反応する際の体積膨張(密度の低下による体積膨張)によりスラグが砕け(崩壊する)、新しい遊離CaOがスラグ表面に露出して水蒸気と接触し、さらに水和反応が進み、スラグはさらに砕けて細粒化が進む。
筒状処理容器16内での処理を終えたスラグSyは、スラグ取出部161から取り出されるとともに、水蒸気が蒸気取出部162から取り出され、熱源用流体として利用される。
なお、熱交換用の処理容器としては、本実施形態のような方式のものに限らず、例えば、充填層式、移動床式、流動層式など、適宜な方式のものを用いることができる。
なお、吹付ノズル2によるスラグSxに対する粉粒体+キャリアガスの吹き付けは、例えば、スラグSxを搬送コンベア14から一旦バケットなどの容器に受け入れ、その後、バケット内や他の設備で行うようにしてもよい。
また、スラグ冷却処理装置としては、図6(装置を模式的に示す正面図)に示すような冷却ドラム11a,11bの上方に堰を有する装置を用いてもよい。このスラグ冷却処理装置は、1対の冷却ドラム11a,11bの上方に各々冷却ドラム18a,18bからなる堰17を設け、これら1対の冷却ドラム11a,11bの上部外周面間と1対の冷却ドラム18a,18b(堰17)間にスラグ液溜まり部Gを形成する。前記冷却ドラム18a,18bは、下部外周面が反スラグ液溜まり部G方向に回転する回転方向を有する。各冷却ドラム18a,18bと冷却ドラム11a,11b間には、スラグ液溜まり部G内の溶融スラグSが押し出される開口19を有し、この開口19からスラグが押し出されることにより、非溶融状態の高温スラグSxが得られる。
前記冷却ドラム11a,11bおよび冷却ドラム18a,18b(堰17)の幅方向の両端側には、スラグ液溜まり部Gの両端を塞ぐための堰板22が、冷却ドラム11a,11bおよび冷却ドラム18a,18bの端面に接するようにして設けられている。この堰板22は、適当な支持部材を介して装置本体(基体)に支持される。
なお、前記堰17は、冷却ドラム18a,18bではなく、固定式の壁体で構成してもよい。
このような冷却処理装置では、1対の冷却ドラム11a,11bの上部外周面間と1対の冷却ドラム18a,18b(堰17)間にスラグ液溜まり部Gを形成することで、スラグ液溜まり部Gでの溶融スラグの滞留時間を長くできるので、溶融スラグの冷却を効果的に促進させることができ、適切に冷却されたスラグを開口19から押し出すことができる。また、本実施形態のように堰17を、下部外周面が反スラグ液溜まり部G方向に回転する回転方向を有する冷却ドラム18a,18bで構成することにより、溶融スラグの冷却をより効果的に促進することができ、厚肉のスラグ凝固体をより安定的に得ることができる。
また、図6に示すような冷却ドラム18a,18b(堰17)を有する冷却処理装置において、冷却ドラム18a,18bの外周面に溝を設け、柱状または細片状(塊状)の高温スラグが得られるようにしてもよい。図7および図8(装置の一部を模式的に示す正面図および側面図)は、そのような冷却処理装置の一例を示すもので、冷却ドラム18a,18bの外周面に複数の環状溝180をドラム長手方向で間隔的に形成するともに、これら環状溝180の底面をドラム周方向で凹凸状(歯車状)に構成し、冷却ドラム18a,18bの外周面を冷却ドラム11a,11bの外周面に当接させることで、環状溝180により孔型状の開口19が形成されるようにしたものである。この実施形態では、環状溝180の底面の凹部により開口19が間欠的に大きくなる。
本実施形態では、環状溝180で形成される複数の孔型状の開口19からスラグSxが押し出される。このスラグSxは、環状溝180の底面の凹部により開口19が間欠的に大きくなるので、塊状部bが数珠状に連なるような形状で押し出される。このような形状のスラグSxは、冷却ドラム11a,11bから剥離した後、自重によって塊状に分離するか、或いは小さい外力により簡単に塊状に分離する。
なお、図8では、環状溝180の底面に形成される凹凸を省略してあるが、底面の凸部位置を仮想線で示してある。
また、図9(装置を模式的に示す正面図)に示すように、冷却処理装置は単一の冷却ドラムを備えたものでもよい。この冷却処理装置は、冷却ドラム11と、冷却ドラム径方向の一方の側に配置される樋21を有している。この樋21は、その先端部が冷却ドラム11のドラム面110に接するか若しくは近接するように設けられ、樋21の先端部分とドラム面110とによりスラグ液溜まり部Gを形成し、冷却ドラム11の回転に伴い、スラグ液溜まり部G内の溶融スラグSがドラム面110に付着して持ち出されるようにしてある。スラグ液溜まり部Gを形成するために、樋21の先端部分は上側(水平状)に屈曲ないし湾曲した受け皿状の形態を有するとともに、樋21の先端部が下部ドラム面に接するか若しくは近接している。
また、スラグ液溜まり部Gを形成する樋の先端部分の側壁210は、溶融スラグSを保持するために、所定の高さを有している。
前記冷却ドラム11は、駆動装置(図示せず)により、その上部ドラム面が反樋方向に回転するように回転駆動する。冷却ドラム11の内部には、冷媒を通すための流路を有する内部冷却機構(図示せず)が設けられ、この内部冷却機構に対する冷媒供給部と冷媒排出部がドラム軸の各端部に各々設けられている。なお、冷媒には一般に水(冷却水)が用いられるが、他の流体(液体または気体)を用いてもよい。
樋21の先端部は、ドラム面110に接してもよいし、小さい間隙を形成してドラム面110に近接させてもよい。後者の場合には、溶融スラグSが漏れない程度の隙間をもって近接させることが好ましいが、溶融スラグSの漏れを確実に防止するため、その間隙部分に対して樋21の下方に設けられたガス噴射手段30からパージガスを噴射することが好ましい。
以上のような冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理では、樋21に供給された溶融スラグSはスラグ液溜まり部Gに流入し、ここで適当な時間滞留することで冷却された後、冷却ドラム11のドラム面110に付着して持ち出され、ドラム面110に付着した状態で適度な凝固状態(例えば、半凝固状態または片面若しくは両面の表層のみが凝固した状態)まで冷却された後、所定のドラム回転位置において自重により冷却ドラム面から自然に剥離し、冷却ドラム径方向の他方の側に排出される。
以上のような単一の冷却ドラム11を有する冷却処理装置では、冷却ドラム11に溶融スラグSによる大きな落下荷重がかからないため、冷却ドラム11を損耗させることなく溶融スラグSを大量処理することができる。また、単一の冷却ドラム11のドラム面110から剥離した冷却処理済みのスラグSxが一方向に排出されるので、冷却処理済みスラグの取り扱い・後処理などが容易である。
なお、単一の冷却ドラム11を有する冷却処理装置は、適当な高さの樋21から冷却ドラム11の上部ドラム面に溶融スラグSを供給する方式、スラグ液溜まり部Gを形成することなく、溶融スラグSが樋21の先端部からドラム面110に直接供給されるようにする方式、などを適用してもよい。
次に、上記(ロ)のスラグの冷却処理方法について説明すると、この冷却処理法では、例えば、図10(装置を模式的に示す正面図)に示すように、水平方向で間隙68を有して並列し、対向する外周部分が下向きに回転する回転方向を有する1対の冷却ドラム60a,60bを備えた冷却処理装置を用い、1対の冷却ドラム60a,60bの上部外周面間に溶融スラグSを供給してスラグ液溜まりAを形成し、このスラグ液溜まりA内の溶融スラグまたは/およびスラグ液溜まりAに流入途中の溶融スラグSを冷却手段61で冷却するとともに、スラグ液溜まりAから間隙68内に流入する溶融スラグを1対の冷却ドラム60a,60bで冷却しつつ圧延し、少なくとも表層が凝固したスラグを間隙68から下方に抜き出す。
前記冷却ドラム60a,60bは、駆動装置(図示せず)により上記の回転方向に回転駆動する。前記冷却ドラム60a,60bの内部には、冷媒を通すための流路を有する内部冷却機構(図示せず)が設けられ、この内部冷却機構に対する冷媒供給部と冷媒排出部がドラム軸の各端部に各々設けられている。なお、冷媒には一般に水(冷却水)が用いられるが、他の流体(液体または気体)を用いてもよい。
冷却ドラム幅方向の両端側には、冷却ドラム60a,60bの上部外周面間に形成される断面V溝状の凹部(スラグ液溜まりAが形成される凹部)の両端を塞ぐための堰板67が、冷却ドラム60a,60bの端面に接するようにして設けられている。この堰板67は、適当な支持部材を介して装置本体(基体)に支持される。
1対の冷却ドラム60a,60bの下方には、冷却ドラム60a,60bに冷却されつつ圧延されて間隙68から抜き出されたスラグSxを受け取り、搬送するための搬送コンベア64が配置されている。
冷却ドラム60a,60bの上側には、スラグ液溜まりA内の溶融スラグSまたは/およびスラグ液溜まりAに流入途中の溶融スラグSを冷却するための冷却手段61が設けられている。この冷却手段61は、例えば、溶融スラグSに流体または/および粉体を供給する手段で構成することができる。
また、必要に応じて、冷却ドラム60a,60bと搬送コンベア64との間に、冷却ドラム60a,60bの間隙68から抜き出されたスラグSxを冷却するための冷却装置65を設けることができる。この冷却装置65は、例えば、スラグSxに水や空気などの冷却用流体を吹き付けるノズルなどにより構成できる。
以上のような冷却処理装置を用いた溶融スラグの冷却処理では、対向する外周部分が下向きに回転する冷却ドラム60a,60bの上部外周面間(断面V溝状の凹部)に溶融スラグSが供給され、スラグ液溜まりAが形成される。このスラグ液溜まりA内の溶融スラグSまたは/およびスラグ液溜まりAに流入途中の溶融スラグSが冷却手段61で冷却されるとともに、スラグ液溜まりAから間隙68内に流入する溶融スラグSが1対の冷却ドラム60a,60bで冷却されつつ圧延される。この圧延により、粘性のある溶融スラグSが冷却ドラム幅方向で展伸され、効率的な冷却を行うことができる。
以上のような冷却手段61で冷却され、さらに冷却ドラム60a,60bにより冷却された溶融スラグSは、少なくとも表層が凝固した板状のスラグSxとして間隙68から下方に抜き出される。このスラグSxは、必要に応じて冷却装置65でさらに冷却される。
本発明の一実施形態を模式的に示す説明図 本発明の他の実施形態を模式的に示す説明図 本発明の他の実施形態を模式的に示す説明図 スラグに粉粒体+キャリアガスを吹き付けて粒状化する際に、粉粒体+キャリアガスの固気比と粒状化したスラグの平均粒径との関係を示すグラフ スラグに粉粒体+キャリアガスを吹き付けて粒状化する際に、粉粒体+キャリアガスの衝突流速と粒状化したスラグの平均粒径との関係を示すグラフ 本発明法を適用する非溶融状態の高温スラグを得るために好適な溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図 本発明法を適用する非溶融状態の高温スラグを得るために好適な溶融スラグの冷却処理装置の他の実施形態の一部を模式的に示す正面図 図7に示す実施形態の一部を模式的に示す側面図 本発明法を適用する非溶融状態の高温スラグを得るために好適な溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図 本発明法を適用する非溶融状態の高温スラグを得るために好適な溶融スラグの冷却処理装置および冷却処理方法の他の実施形態を模式的に示す正面図
符号の説明
1 スラグ鍋
2 吹付ノズル
3 供給配管
4 切出装置
5 粉粒体貯留槽
6 カバー
7 ガス吸引管
8 熱交換器
9 集塵機
10 吸引ファン
11,11a,11b 冷却ドラム
12 タンディッシュ
13 スラグ冷却処理装置
14 搬送コンベア
15 バケット
16 筒状処理容器
17 堰
18a,18b 冷却ドラム
19 開口
20 ドラム
21 樋
22 堰板
30 ガス噴射手段
60a,60b 冷却ドラム
61 冷却手段
64 搬送コンベア
65 冷却装置
67 堰板
68 間隙
110 ドラム面
160 スラグ装入部
161 スラグ取出部
162 蒸気取出部
163 冷媒供給機構
180 環状溝
200 ドラム面
210 側壁
S 溶融スラグ
Sx スラグ
Sy 粒状スラグ
A スラグ液溜まり
G スラグ液溜まり部

Claims (9)

  1. 溶融状態、赤熱状態、高温凝固状態のいずれかのスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付け、スラグを粒状化することを特徴とするスラグ処理方法。
  2. 溶融状態または赤熱状態のスラグに、粉粒体を酸化性のキャリアガスとともに吹き付け、スラグを粒状化するとともに、スラグ成分の一部を酸化させる改質処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のスラグ処理方法。
  3. 酸化性のキャリアガスが、酸素、二酸化炭素および水蒸気の中から選ばれる1種以上を含むガス、酸素、二酸化炭素のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のスラグ処理方法。
  4. 板状、柱状または細片状のいずれかの形態にされたスラグに、粉粒体をキャリアガスとともに吹き付けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスラグ処理方法。
  5. 粒状化したスラグを、さらに冷媒と接触させ、冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスラグ処理方法。
  6. スラグとの接触により昇温したキャリアガスまたは/および冷媒を、熱源用流体として回収することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスラグ処理方法。
  7. 溶融状態のスラグを回転する冷却ドラムに接触させて冷却し、板状、柱状または細片状のいずれかの形態の高温スラグとして排出するスラグ冷却処理装置を用い、溶融状態のスラグを冷却処理し、該冷却処理後の高温スラグに対して、請求項1〜6のいずれかに記載の処理を行うことを特徴とするスラグ処理方法。
  8. 溶融状態のスラグを回転する1対の冷却ロールで圧延しつつ冷却し、板状、柱状または細片状のいずれかの形態の高温スラグとして排出するスラグ冷却処理装置を用い、溶融状態のスラグを冷却処理し、該冷却処理後の高温スラグに対して、請求項1〜6のいずれかに記載の処理を行うことを特徴とするスラグ処理方法。
  9. 溶融状態のスラグを回転するアトマイズ用ドラムのドラム面に供給して粒状に飛散させ、該飛散中の粒状高温スラグに対して、請求項1〜6のいずれかに記載の処理を行うことを特徴とするスラグ処理方法。
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