JP2008100893A - 製鋼スラグの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発生直後の製鋼スラグを利材化可能な状態まで速やかに処理し、且つ環境面でも好ましい形態・条件で処理する。
【解決手段】溶融スラグなどを、金属ボール群を収容した回転ドラム内に注入し、スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させて冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする工程Aと、この工程Aで得られたスラグ粉砕物を炭酸ガスと接触させ、スラグ粉砕物中の未炭酸化Caを炭酸ガスと反応させる工程Bとを有する。耐久性がある簡易な設備で速やかに粒状スラグにまで処理でき、地金回収用の破砕処理やエージング処理も不要であり、且つ土木材料に用いても高pH溶出水を生じないなど、環境に優しいスラグ製品が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鋼工程で発生した溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態のスラグを利材化可能な状態まで処理するためのスラグ処理方法に関するものである。
鉄鋼製造プロセスの製鋼工程では、大量のスラグが副産物として生成する。この製鋼スラグの一部は土木材料やセメント原料などとして利材化されている。
製鋼スラグは、製鋼工程において溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態で排出され、これを冷却した後、所定の処理(後述するような粉砕処理やエージング処理など)を施して製品化されるが、スラグを処理し或いは利材化する上で、以下のような種々の問題がある。
(1)作業環境面での問題
上記のようなスラグ処理のための一連の工程において、まず、精錬容器から溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態で排出されたスラグは、ドライピットや冷却ヤードまで搬送されて自然放冷で冷却されるが、この際のスラグの搬送やハンドリングでは高熱作業が避けられない。また、後述するような破砕処理やエージング処理を経たスラグは飛散しやすく、ハンドリングする際に粉塵が生じて厳しい作業環境となる。
(2)処理コストや処理スペースの問題
製鋼スラグは大量に発生するものであるため、上述したような製品化するまでの一連の処理や搬送・ハンドリングには多大なコストがかかり、また、冷却作業ヤード、粉砕処理などのための仮置き場、エージングヤードなどのために広大なスペースが必要となる。
(3)難処理性スラグの問題
製鋼スラグのなかには、冷却中に析出したCaOや未滓化CaOが水和時に膨張して粉化し、或いは冷却中に2CaO・SiOが生成して相変態により粉化することによって、微粉状になるスラグが存在する。このように微粉状になった製鋼スラグは取扱や処理が難しく、また特にスラグを土木用途として用いる場合には、アルカリ性が強いことから適用分野が限定されるという問題がある。
(4)地金回収に伴う問題
製鋼スラグには地金(鉄分)が多く含まれており、資源の有効利用と原料コストの面から、これを極力回収する必要がある。しかし、地金を高効率に回収するにはスラグを粉砕機などで粉砕する必要があり、手間とコスト(設備コスト、処理コスト)がかかる。
(5)熱エネルギー回収の問題
さきに述べたように、精錬容器から排出された溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態の製鋼スラグは、そのままドライピットや冷却ヤードまで搬送されて自然放冷で冷却される。したがって、スラグからの顕熱回収は殆ど行われておらず、膨大な熱エネルギーが回収されることなく放出されている。
(6)エージングに伴う問題
製鋼スラグには遊離CaOが含まれており、そのまま利材化すると遊離CaOが水と反応してスラグが膨張(さらに粉化)する問題があり、これを防止するために大気中でのエージングや蒸気エージングを行う必要がある。しかし、これらのエージングには専用の広大なスペースが必要であること、大気中でのエージングには長い期間(6ヶ月以上)が必要であること、蒸気エージングには処理コストがかかること、などの問題がある。
(7)利材化した場合の環境問題
製鋼スラグはCaOなどのアルカリ成分を多く含むため、土木材料などに用いた場合に、そのアルカリ分によって高pHの溶出水が生じやすく、環境保全の面で問題がある。また、スラグがアルカリ分により膨張粉化した場合、粉塵が発生するという問題もある。
従来、製鋼スラグの処理方法として、溶融状態の製鋼スラグを直に粒状化するための方法や設備が、例えば、特許文献1〜3などに示されている。
特開昭57−136086号公報 特開2003−146712号公報 特開2003−328015号公報
しかし、これらの従来技術は、処理設備に高温スラグによる負荷に耐え得るような耐久性をもたせることが難しく、また、単に溶融状態の製鋼スラグを粒状化するだけの技術であるため、上述したような製鋼スラグに関する種々の問題を部分的にしか解決できない。
したがって本発明の目的は、上述したような製鋼スラグの処理や利材化に関する種々の問題を解決し、製鋼工程で発生した直後のスラグを利材化可能な状態まで速やかに処理することができ、且つ環境対策の面でも好ましい形態・条件で処理を行うことができる製鋼スラグの処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下のとおりである。
[1]製鋼工程で発生し、未だ溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態にあるスラグを、金属ボール群が収容された回転ドラム内に注入し、該スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させることで冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする工程(A)と、
該工程(A)で得られたスラグ粉砕物を炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスと接触させ、スラグ粉砕物中に含まれる未炭酸化Caを炭酸ガスと反応させる工程(B)を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[2]上記[1]の処理方法において、工程(B)を経たスラグ粉砕物をスラグ製品として出荷し又は使用することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[3]上記[1]又は[2]の処理方法において、さらに、工程(A)と工程(B)の間に、スラグ粉砕物から地金を回収する工程(C)を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの処理方法において、さらに、工程(A)と工程(B)の間に、水を添加してスラグ粉砕物中のカルシウム分を水和させる工程(D)を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの処理方法において、工程(A)の途中又は/及び工程(A)が完了した段階で、回転ドラム内に水を注入し、回転ドラム内で発生した蒸気を取り出して顕熱回収を行うことを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの処理方法において、工程(A)で得られるスラグ粉砕物が、粒径10mm以下の割合が80mass%以上の粒度を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの処理方法において、スラグ粉砕物が500℃以下の温度で回転ドラムから排出されることを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの処理方法において、工程(B)でスラグ粉砕物に接触させる炭酸ガス含有ガスが鉄鋼製造プロセスで発生する副生ガスであり、該工程(B)でCO濃度が低減した前記副生ガスを、燃料ガス又は還元ガスとして系外に供給することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[9]上記[8]の処理方法において、副生ガスが高炉ガスであり、CO濃度が低減した高炉ガスを燃料ガス又は還元ガスとして高炉又は/及び他のガス使用設備に供給することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[10]上記[2]〜[9]のいずれかの処理方法において、スラグ粉砕物を、路盤材、土工材、覆砂材、海域深掘部敷設材、海域深掘部穴埋め材、浚渫土砂改良材、土壌改良材、地盤改良材、舗装用原料、セメント原料、水和固化体用骨材の中から選ばれる1種以上のスラグ製品として出荷し又は使用することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[11]製鋼工程で発生し、未だ溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態にあるスラグを、金属ボール群が収容された回転ドラム内に注入し、該スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させることで冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする工程(A)を有し、
該工程(A)で得られたスラグ粉砕物を、排煙脱硫剤、炭酸固化体用原料、水和固化体用骨材、水底改質材、水中土木材料の中から選ばれる1種以上のスラグ製品として出荷し又は使用することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[12]上記[11]の処理方法において、製鋼工程で発生したスラグが脱硫スラグであり、工程(A)で得られたスラグ粉砕物を排煙脱硫剤として出荷し又は使用することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[13]上記[11]又は[12]のいずれかの処理方法において、さらに、工程(A)に続き、スラグ粉砕物から地金を回収する工程(C)を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[14]上記[11]〜[13]のいずれかの処理方法において、さらに、工程(A)に続き、水を添加してスラグ粉砕物中のカルシウム分を水和させる工程(D)を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[15]上記[11]〜[14]のいずれかの処理方法において、工程(A)の途中又は/及び工程(A)が完了した段階で、回転ドラム内に水を注入し、回転ドラム内で発生した蒸気を取り出して顕熱回収を行うことを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[16]上記[11]〜[15]のいずれかの処理方法において、工程(A)で得られるスラグ粉砕物が、粒径10mm以下の割合が80mass%以上の粒度を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
[17]上記[11]〜[16]のいずれかの処理方法において、スラグ粉砕物が500℃以下の温度で回転ドラムから排出されることを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
本発明に係る製鋼スラグの処理方法によれば、製鋼工程で発生した直後のスラグを、耐久性を有する簡易な設備を用いて速やかに粒状スラグにまで処理することができ、地金回収のための新たな破砕処理やエージング処理も全く不要であり、しかも土木材料として用いても高pH溶出水を生じないなど、環境に優しいスラグ製品を得ることができる。
本発明の第一の処理方法では、製鋼工程で発生し、未だ溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態にあるスラグを、金属ボール群が収容された回転ドラム内に注入し、スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させることで冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする冷却・粉砕処理工程(A)と、この冷却・粉砕処理工程(A)で得られたスラグ粉砕物を炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスと接触させ、スラグ粉砕物中に含まれる未炭酸化Caを炭酸ガスと反応させる炭酸化処理工程(B)とを有し、さらに好ましくは、前記冷却・粉砕処理工程(A)と炭酸化処理工程(B)の間で、水を添加してスラグ粉砕物中のカルシウム分を水和させる水和工程(D)と、スラグ粉砕物から地金を回収する工程(C)のいずれか又は両方を有し、また、前記冷却・粉砕処理工程(A)の途中又は/及び冷却・粉砕処理工程(A)が完了した段階で回転ドラム内に水を注入し、回転ドラム内で発生した蒸気を取り出して顕熱回収を行う。そして、前記炭酸化処理工程(B)を経たスラグ粉砕物をスラグ製品として出荷し又は使用するものである。
本発明が処理対象とする製鋼スラグには、例えば、溶銑予備処理で発生するスラグ(脱珪スラグ、脱硫スラグ、脱燐スラグなど)、転炉吹錬(脱炭処理)で発生する脱炭スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグなどがあるが、これらに限定されない。これらスラグの大部分は、精錬容器から排滓する際に溶融状態であるが、半溶融状態や高温固相状態のものもある。
図1は、本発明の第一の処理方法の一実施形態(処理フロー)を示している。
製鋼工程で発生した溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態のスラグ(以下、便宜上「溶融スラグx」という)は、スラグ鍋などのスラグ保持容器に排滓され、冷却・粉砕処理工程(A)を行うスラグ処理設備まで搬送される。
図2は、このスラグ処理設備の一実施形態を示す縦断面図である。このスラグ処理設備は、金属ボール群2が収容された回転ドラム1を備えている。
前記回転ドラム1は、回転可能に支持された横型ドラム(通常、直径が数m〜十数m程度のドラム)であって、ドラム軸が処理済みスラグの排出方向に対して下向きの傾きθを有している。回転ドラム1は、外周に櫛歯状に隙間5が形成されたカゴ状の内筒部3と、その外側の外筒部4からなる2重筒構造を有し、内筒部3と外筒部4が一体として回転可能に支持され、駆動装置(図示せず)により低速回転する。前記金属ボール群2は内筒部3内に収容され、回転ドラム1の回転に伴い内筒部3内でランダムに転動する。
回転ドラム1の一端部は、固定側に支持された端蓋6で閉じられ、この端蓋6にスラグ注入口7が設けられている。回転ドラム1の他端側の端蓋8であって、内筒部3と外筒部4間の空間Sに面した部分には、処理済みスラグ(スラグ粉砕物)を回転ドラム外に排出するためのスラグ排出口9が、端蓋8の周方向で適当な間隔で形成されている。
また、外筒部4の内周面には、空間Sに入ったスラグ粉砕物を前記スラグ排出口9方向に案内するためのガイド板(図示せず)が設けられている。
さらに、前記端蓋6には、回転ドラム1内に水を供給し、金属ボール群2を水で冷却し或いはスラグ破砕物に水をかけて冷却・水和(カルシウム分の水和)させたりするための水供給部10が設けられ、この水供給部10には水供給管11から水が供給されるようになっている。
また、回転ドラム1の他端側(スラグ排出口9側)には、供給された水により生じる蒸気を回収するための蒸気回収部12(例えば、蒸気回収フード、蒸気導管、吸引ブロワ等)が設けられ、回転ドラム1内の蒸気を吸引ブロワなどにより取り出し、回収できるようにしている。
前記金属ボール群2は、スラグを冷却・粉砕するためのもので、各金属ボール20は、一般に中実の鋼ボールで構成されるが、他の金属で構成されたものでもよい。金属ボール20の大きさや個数に特に制限はなく、冷却能力、粉砕能力、ボールの寿命などの観点から適切な大きさや個数が選択される。例えば、金属ボール群2は、各金属ボール20の直径が10〜15cm程度であって、数百個〜数千個程度の金属ボール20からなるものとすることができる。
以上のようなスラグ処理設備は構造が非常に単純であり、回転ドラムの耐熱性や耐摩耗性などに十分配慮するだけで、高い耐久性を維持することができる。
前記冷却・粉砕処理工程(A)では、回転ドラム1を低速で回転(通常、1〜5回転/min)させた状態で、スラグ保持容器に保持された溶融スラグxをスラグ注入口7から回転ドラム1(内筒部3)内に投入する。溶融スラグxは金属ボール群2の上面に落下した後、金属ボール群2の内部にしみ込んでいき、その過程で各金属ボール20との接触で冷却・固化されるとともに、転動する金属ボール群2による圧潰・衝撃作用により粉砕されてスラグ粉砕物yとなる。このような回転ドラム1によるスラグ処理は、半溶融状態や溶融していない固相状態のスラグを対象とする場合でも、問題なく行うことができ、細粒のスラグ粉砕物yが得られる。
このスラグ粉砕物yは、内筒部3外周の櫛歯状の隙間5から外筒部4内に排出(隙間5から落下)された後、外筒部4の内周面に形成されたガイドにより軸線方向に移動させられ、スラグ排出口9から外筒部4(回転ドラム1)外に排出される。
スラグ粉砕物yの粒度は、回転ドラム内での処理時間などによっても異なるが、粒径10mm以下の割合が80mass%以上の粒度にすることが容易に可能である。従来行われているスラグの粉砕処理はエネルギー効率が非常に低く、多大なエネルギーを費やして処理を行っていたものであるが、本発明によれば、そのような粉砕処理を全く行うことなく、回転ドラム1を駆動させるエネルギーだけで、従来の粉砕処理スラグ相当のスラグ粉砕物yを得ることができる。
また、スラグ粉砕物yは、一般に500℃以下の温度で回転ドラム1から排出され、このためその後のハンドリングも容易であり、また、磁選による地金回収も問題なく行うことができる。
前記冷却・粉砕処理工程(A)の途中又は/及び冷却・粉砕処理工程(A)が完了した段階で、(1)溶融スラグxとの接触により高温(通常、数百℃)になった金属ボール群2を水で冷却する、(2)スラグ粉砕物yに水をかけて冷却し且つカルシウム分を水和させる、のうちの少なくとも1つを目的として、水供給部10から回転ドラム1内に水を供給(注水)することができる。ここで、スラグ粉砕物yに水が添加されれば、カルシウム分の水和が生じて実質的なエージングがなされることになる。
ここで、冷却・粉砕処理工程(A)の途中の段階とは、冷却・粉砕処理工程(A)でスラグが固化し又は降温した段階であり、スラグが未だ溶融若しくは半溶融又は高温状態にあるときは、水蒸気爆発のおそれがあるので、水の供給は避けた方がよい。また、冷却・粉砕処理工程(A)が実質的に完了した段階としては、例えば、スラグ粉砕物yを回転ドラム1から排出した後の段階、スラグ粉砕物yが未だ回転ドラム1内にある段階、のいずれでもよい。
水の注水によって回転ドラム1内で蒸気が発生するが、この発生した低圧蒸気は回転ドラム1外に取り出され、蒸気回収部12から熱回収を行う適宜な手段に送られ、顕熱回収が行われる。これにより、回転ドラム1に供給された高温スラグの顕熱の相当量を熱回収することができる。
冷却・粉砕処理工程(A)で得られたスラグ粉砕物yは、含有する地金(Fe)分が少ない場合にはそのまま炭酸化処理工程(B)に送られてもよいが、通常は地金回収工程(C)に送られる。回転ドラム1から排出されたスラグ粉砕物yは粒度が十分に小さいため、そのままで磁選機などを用いて高効率の地金回収を行うことができる。
このような地金回収工程(C)を経たスラグ粉砕物y(若しくは地金回収工程(C)を経ないスラグ粉砕物y)は炭酸化処理工程(B)に送られ、ここで、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスと接触させ、スラグ粉砕物y中に含まれる未炭酸化Ca(CaO、Ca(OH))を炭酸ガスと反応させる。これにより未炭酸化Caは炭酸カルシウムとなり、土木材料などとして利用した場合でも高pH溶出水を生じないスラグ製品を得ることができる。また、遊離CaOも炭酸化されるので、エージング処理も全く不要となる。
なお、炭酸化処理工程(B)を経たスラグ粉砕物yの形態は、処理前と変わりなくスラグ粒子が分離した状態にある形態のほかに、(1)複数のスラグ粒子が凝集して結合(炭酸カルシウムをバインダーとして結合)した形態、(2)複数(比較的多数)のスラグ粒子が造粒物状に結合(炭酸カルシウムをバインダーとして結合)した形態、のいずれであってもよい。
スラグ粉砕物yを炭酸化処理する方法は任意であるが、例えば、(1)炭酸化処理用の回転ドラム(例えば、ロータリーキルン式ドラム)内でスラグ粉砕物yに炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを接触させる方式、(2)処理容器内のスラグ粉砕物yに炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより流動層を形成する方式、(3)スラグ粉砕物yが置かれた固定床(例えば、スラグ粉砕物yが充填された充填層)に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを供給する(吹き込む)方式、などが挙げられる。
これらのうち、(2)の方式はスラグ粉砕物yの粒度が比較的小さい場合(例えば、粒径2mm以下)に適しており、一方、(3)の方式はスラグ粉砕物yの粒度が比較的大きい場合(例えば、粒径2mm超)に適している。また、(1)の方式は、いずれの粒度でも好適に適用できる。
図3は、上記(1)の方式の一実施形態を示すもので、軸方向で傾きを有するロータリーキルン式の回転ドラム13内に、一端側(高所側のドラム端部)からスラグ粉砕物yを供給し、他端側(低所側のドラム端部)から炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガス(以下、便宜上「CO含有ガス」という)を供給する。回転ドラム13内では、スラグ粉砕物yがドラム他端方向に移動しつつ、向流式にCO含有ガスと接触して炭酸化処理がなされ、ドラム他端側から排出される。この方式では、処理後のスラグ粉砕物yは、スラグ粒子が凝集・結合したもの或いは造粒されたものが得られやすい。
また、図4は上記(2)の方式の一実施形態を示すもので、14は下部にガス分散板140を備え、その上部に流動層形成用の空間141を構成した処理容器、15はこの処理容器14内にスラグ粉砕物yを供給するための供給装置、16は処理容器14(分散板140の下方の風箱142)内にCO含有ガスを供給するためのガス供給導管、17は処理容器14からCO含有ガスを排出するためのガス排出導管、18は処理容器14内から処理済みのスラグ粉砕物yを取り出すためのスラグ排出管である。この方式によれば、処理容器14の空間141内に供給装置15からスラグ粉砕物yが供給され、一方、ガス供給導管16から風箱142内に供給されたCO含有ガスは分散板140から空間141に吹き出され、スラグ粉砕物yの流動層が形成される。そして、この流動層においてスラグ粉砕物yの炭酸化処理がなされる。処理を終えたスラグ粉砕物yは、スラグ排出管18から順次排出される。
また、流動層を用いる他の方式としては、例えば、流動層を形成するスラグ粉砕物yをCO含有ガスに随伴させて処理容器外に排出し、サイクロンなどでスラグ粉砕物yを回収する方式などでもよい。
スラグ粉砕物yをCOと接触させて未炭酸化Caを効率的に炭酸化させるには、スラグ粉砕物yが適度な水分を含んでいること(好ましくは、スラグ粒子が表面付着水を有すること)が必要である。スラグ粒子の回りに存在する水に対してスラグ側から溶け出したCaイオンと、CO含有ガス側から溶解したCOとが反応することで、炭酸化反応が効率的に進行するからである。したがって、炭酸化処理が施されるスラグ粉砕物yには、必要に応じて水が添加される。炭酸化処理が施されるスラグ粉砕物yの水分量(含水率)は、3〜30mass%、好ましくは6〜12mass%程度が適当である。なお、回転ドラム1内で水が添加されることでカルシウム分が水和したスラグ粉砕物yは、水酸化カルシウムがCOと反応(炭酸化反応)することで相当量の水が生じるので、この水を必要な水分の少なくとも一部として利用することができる。
なお、炭酸化処理は、水分の蒸発を避けるために、100℃以下のスラグ粉砕物yに対して行われることが好ましい。
炭酸化処理でスラグ粉砕物yに接触させる炭酸ガスや炭酸ガス含有ガスは、その種類を問わないが、炭酸ガス含有ガスについては、処理効率の面からCO濃度が5vol%以上のものが好ましい。
また、炭酸化処理によりガス中の炭酸ガス濃度が低減するので、COやHなどを含むガスの場合には結果的にガスのカロリーが高まることになる。したがって、例えば、鉄鋼製造プロセスで発生する副生ガスを用い、この炭酸化処理工程(B)でCO濃度が低減した前記副生ガスを、燃料ガス又は還元ガスとして系外に供給することもできる。ここで、系外とは炭酸化処理のためのガス系統外という意味である。また、副生ガス(炭酸ガス含有ガス)として高炉ガスを用い、炭酸化処理によりCO濃度が低減した高炉ガスを燃料ガス又は還元ガスとして高炉又は/及び他のガス使用設備に供給することもでき、これにより製鉄所内での省資源・省エネルギー化を促進できる。
本発明では、さらに、冷却・粉砕処理工程(A)と炭酸化処理工程(B)の間に、水を添加してスラグ粉砕物y中のカルシウム分を水和させる水和工程(D)を有していてもよい。さきに述べたように、回転ドラム1での水の添加によりスラグ粉砕物yのカルシウム分が水和する場合もあるが、独立した水和工程(D)を設けることにより、スラグ粉砕物y中のカルシウム分の水和がより確実に行われるようにし、実質的なエージング効果を高めるものである。
図5は、その一実施形態(処理フロー)を示すもので、冷却・粉砕処理工程(A)で生成したスラグ粉砕物yを水和工程(D)で水和処理し、その後、図1と同様に、必要に応じて地金回収工程(C)で地金の回収を行った後、炭酸化処理工程(B)で炭酸化処理するものである。さきに述べたように、カルシウム分が水和したスラグ粉砕物yは、炭酸化処理工程(B)において水酸化カルシウムがCOと反応(炭酸化反応)することで相当量の水が生じるので、この水を炭酸化処理に必要な水分の少なくとも一部として利用することができる。
前記水和工程(D)は、スラグ粉砕物yが凝集固結しないような方法で行うことが好ましく、例えば、水和処理用の回転ドラム内にスラグ粉砕物yと水を入れ、混練するなどの方法を採ることができる。
なお、スラグ粉砕物yの水和処理は、処理の安定性の面から400℃以下の温度(スラグ粉砕物yの温度)で行うことが好ましい。本発明では、スラグ粉砕物yは冷却・粉砕処理工程(A)において500℃以下の温度で排出されるので、工程間での搬送等による温度低下を考慮すれば、ほぼ上記温度条件を満足することができる。
なお、その他の構成については、図1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
炭酸化処理工程(B)を経たスラグ粉砕物yは、スラグ製品として出荷し又は使用される。スラグ製品としての用途は、例えば、
路盤材、土工材、覆砂材(人工砂)、海域深掘部敷設材、海域深掘部穴埋め材、浚渫土砂改良材、土壌改良材、地盤改良材、舗装用原料、セメント原料、水和固化体用骨材(水和固化体には所謂水和硬化体も含まれる)などである。
本発明によれば、以下に示すように従来のスラグ処理・利材化に関連する課題を全て解決することができる。
(1)作業環境面での問題の解決
精錬容器から排出された溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態で排出されたスラグをそのままスラグ処理設備に搬送し、回転ドラム1による処理だけで500℃以下のスラグ粉砕物yが得られ、かつエージング処理も不要となるので、従来のような「(排滓)→冷却作業→粉砕処理→エージング」という一連の工程に伴う高熱作業や粉塵作業が殆どなくなり、作業環境が大きく改善できる。
(2)処理コストや処理スペースの問題の解決
溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態のスラグを直接スラグ粉砕物yとし、且つ安定な炭酸化処理スラグとするため、従来のような「(排滓)→冷却作業→粉砕処理→エージング」が全く不要になり、大量に発生する製鋼スラグを低コストに製品化することができ、また、冷却作業ヤード、粉砕処理などのための仮置き場、エージングヤードなどのためのスペースも全く不要となる。
(3)難処理性スラグの問題の解決
固相状態の微粉として生成する製鋼スラグでも問題なく処理し、製品化することができ、また、アルカリ分による問題も解消できる。
(4)地金回収に伴う問題の解決
回転ドラム1で得られたスラグ粉砕物yは、粉砕処理することなく地金回収することができ、地金の回収のための手間とコスト(設備コスト、処理コスト)を低減できる。
(5)熱エネルギー回収の問題の解決
回転ドラム1から蒸気を取り出し、その顕熱を回収できるので、実質的に溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態の製鋼スラグから相当量の顕熱回収を行うことができる。
(6)エージングに伴う問題の解決
製鋼スラグのエージングが全く不要になり、そのためのコストや専用スペースも不要になる。
(7)利材化した場合の環境問題の解決
炭酸化処理によりスラグ中のCaOが安定なCaCOとして固定されるため、土木材料などに用いた場合でも、スラグ中のアルカリ分によって高pHの溶出水が発生するのを防止できる。また、スラグがアルカリ分により膨張粉化することも防止できる。
次に、本発明の第二の処理方法について説明する。
本発明の第二の処理方法は、製鋼工程で発生し、未だ溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態にあるスラグを、金属ボール群が収容された回転ドラム内に注入し、スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させることで冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする冷却・粉砕処理工程(A)を有し、この工程(A)で得られたスラグ粉砕物を、排煙脱硫剤、炭酸固化体用原料、水和固化体用骨材、水底改質材、水中土木材料の中から選ばれる1種以上のスラグ製品として出荷し又は使用するものである。また、好ましくは、前記冷却・粉砕処理工程(A)に続き、水を添加してスラグ粉砕物中のカルシウム分を水和させる水和工程(D)と、スラグ粉砕物から地金を回収する工程(C)のいずれか又は両方を有し、また、前記冷却・粉砕処理工程(A)の途中又は/及び冷却・粉砕処理工程(A)が完了した段階で回転ドラム内に水を注入し、回転ドラム内で発生した蒸気を取り出して顕熱回収を行う。
図6および図7は、それぞれ本発明の第二の処理方法の実施形態(処理フロー)を示しており、これらの処理フローと各工程の詳細は、炭酸化処理工程(B)が無い点を除き図1、図5の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
このような本発明の第二の処理方法で得られるスラグ製品は、アルカリ分を適度に含んでいるが、このアルカリ分を利用できる用途又はアルカリ分が含まれていても問題がない用途向けのスラグ製品とする。
本発明者らは、特に、脱硫スラグを冷却・粉砕工程(A)で処理して得られたスラグ粉砕物yが、排煙脱硫剤として高い脱硫性能を有していることを見出した。したがって、脱硫スラグのスラグ粉砕物yは、例えば、脱硫処理が必要な発生ガス(例えば、製鉄所内の焼結工場の発生ガスなど)の排煙脱硫剤として出荷し又は使用することが好ましい。
また、スラグ粉砕物yは、上記排煙脱硫剤以外に、炭酸固化体用原料、水和固化体用骨材(水和固化体には所謂水和硬化体も含まれる)、水底改質材、水中土木材料等として出荷し又は使用することができる。
ここで、スラグ粉砕物yを原料とする炭酸固化体とは、水分を添加したスラグ粉砕物yを型枠などに充填し、その充填層に炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスを吹き込んで炭酸化処理することにより、生成した炭酸カルシウムをバインダーとして充填層全体を固結させたものである。
また、水底改質材(底質改良材)とは、水底に敷設してアルカリ分を適度に溶出させることにより、底質の改善を行うための資材である。このような水底改質材の使用形態としては、例えば、(1)海域、淡水域又は汽水域の底質を構成する有機性堆積物の上に敷設する(覆砂)、(2)海域、淡水域又は汽水域の底質を構成する有機性堆積物中に混ぜ込む、(3)通常の有機性堆積物のほかに残餌や排泄物が堆積した魚介類の養殖場下の底質を改善するために、上記(1)又は(2)の形態で底質に敷設し又は混ぜ込む、(4)航路浚渫などで生じた浚渫土砂を再使用する際に、改質材として浚渫土砂に混ぜ込む、などが挙げられる。
水中土木材料とは、水中の構造物(潜堤など)、基礎、基盤などを構成するための材料であり、スラグ粉砕物yを用いることにより波浪安定性にすぐれた構造物(潜堤など)、基礎、基盤を構成することができる。
また、スラグ粉砕物yを水和固化体用の骨材として用いる場合には、比較的塩基度が低いスラグを冷却・粉砕工程(A)で処理して得られたスラグ粉砕物yを水和工程(D)で処理したものが好ましい。
本発明の第一の処理方法の一実施形態(処理フロー)を示す説明図 本発明の工程(A)の実施に供されるスラグ処理設備の一実施形態を示す縦断面図 本発明の工程(B)の実施に供される炭酸化処理設備の一実施形態を示す説明図 本発明の工程(B)の実施に供される炭酸化処理設備の他の実施形態を示す説明図 本発明の第一の処理方法の他の実施形態(処理フロー)を示す説明図 本発明の第二の処理方法の一実施形態(処理フロー)を示す説明図 本発明の第二の処理方法の他の実施形態(処理フロー)を示す説明図
符号の説明
1 回転ドラム
2 金属ボール群
3 内筒部
4 外筒部
5 隙間
6 端蓋
7 スラグ注入口
8 端蓋
9 スラグ排出口
10 水供給部
11 水供給管
12 蒸気回収部
13 回転ドラム
14 処理容器
15 供給装置
16 ガス供給導管
17 ガス排出導管
18 スラグ排出管
20 金属ボール
140 ガス分散板
141 空間
142 風箱
A 冷却・粉砕処理工程
B 炭酸化処理工程
C 地金回収工程
D 水和工程
x 溶融スラグ
y スラグ粉砕物

Claims (17)

  1. 製鋼工程で発生し、未だ溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態にあるスラグを、金属ボール群が収容された回転ドラム内に注入し、該スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させることで冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする工程(A)と、
    該工程(A)で得られたスラグ粉砕物を炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスと接触させ、スラグ粉砕物中に含まれる未炭酸化Caを炭酸ガスと反応させる工程(B)を有することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  2. 工程(B)を経たスラグ粉砕物をスラグ製品として出荷し又は使用することを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの処理方法。
  3. さらに、工程(A)と工程(B)の間に、スラグ粉砕物から地金を回収する工程(C)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の製鋼スラグの処理方法。
  4. さらに、工程(A)と工程(B)の間に、水を添加してスラグ粉砕物中のカルシウム分を水和させる工程(D)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  5. 工程(A)の途中又は/及び工程(A)が完了した段階で、回転ドラム内に水を注入し、回転ドラム内で発生した蒸気を取り出して顕熱回収を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  6. 工程(A)で得られるスラグ粉砕物が、粒径10mm以下の割合が80mass%以上の粒度を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  7. スラグ粉砕物が500℃以下の温度で回転ドラムから排出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  8. 工程(B)でスラグ粉砕物に接触させる炭酸ガス含有ガスが鉄鋼製造プロセスで発生する副生ガスであり、該工程(B)でCO濃度が低減した前記副生ガスを、燃料ガス又は還元ガスとして系外に供給することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  9. 副生ガスが高炉ガスであり、CO濃度が低減した高炉ガスを燃料ガス又は還元ガスとして高炉又は/及び他のガス使用設備に供給することを特徴とする請求項8に記載の製鋼スラグの処理方法。
  10. スラグ粉砕物を、路盤材、土工材、覆砂材、海域深掘部敷設材、海域深掘部穴埋め材、浚渫土砂改良材、土壌改良材、地盤改良材、舗装用原料、セメント原料、水和固化体用骨材の中から選ばれる1種以上のスラグ製品として出荷し又は使用することを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  11. 製鋼工程で発生し、未だ溶融状態、半溶融状態又は高温固相状態にあるスラグを、金属ボール群が収容された回転ドラム内に注入し、該スラグを回転ドラム内で転動する金属ボール群と接触させることで冷却するとともに、転動する金属ボール群による物理的作用により粉砕してスラグ粉砕物とする工程(A)を有し、
    該工程(A)で得られたスラグ粉砕物を、排煙脱硫剤、炭酸固化体用原料、水和固化体用骨材、水底改質材、水中土木材料の中から選ばれる1種以上のスラグ製品として出荷し又は使用することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  12. 製鋼工程で発生したスラグが脱硫スラグであり、工程(A)で得られたスラグ粉砕物を排煙脱硫剤として出荷し又は使用することを特徴とする請求項11に記載の製鋼スラグの処理方法。
  13. さらに、工程(A)に続き、スラグ粉砕物から地金を回収する工程(C)を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の製鋼スラグの処理方法。
  14. さらに、工程(A)に続き、水を添加してスラグ粉砕物中のカルシウム分を水和させる工程(D)を有することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  15. 工程(A)の途中又は/及び工程(A)が完了した段階で、回転ドラム内に水を注入し、回転ドラム内で発生した蒸気を取り出して顕熱回収を行うことを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  16. 工程(A)で得られるスラグ粉砕物が、粒径10mm以下の割合が80mass%以上の粒度を有することを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  17. スラグ粉砕物が500℃以下の温度で回転ドラムから排出されることを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
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