JP6370208B2 - 車両内装部材の製造方法および製造装置 - Google Patents

車両内装部材の製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6370208B2
JP6370208B2 JP2014257674A JP2014257674A JP6370208B2 JP 6370208 B2 JP6370208 B2 JP 6370208B2 JP 2014257674 A JP2014257674 A JP 2014257674A JP 2014257674 A JP2014257674 A JP 2014257674A JP 6370208 B2 JP6370208 B2 JP 6370208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
base material
common
skin material
slide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014257674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016117198A (ja
Inventor
央和 杉浦
央和 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Original Assignee
Inoac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoac Corp filed Critical Inoac Corp
Priority to JP2014257674A priority Critical patent/JP6370208B2/ja
Publication of JP2016117198A publication Critical patent/JP2016117198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6370208B2 publication Critical patent/JP6370208B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

この発明は、基材の表面に接合した表皮材の端末部を、該基材の裏側に巻き込んで固定する車両内装部材の製造方法および製造装置に関するものである。
自動車等の車両における乗員室内には、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアトリム、ピラーガーニッシュ等の各種の車両内装部材が配設されている。この車両内装部材は、乗員室内の質感や雰囲気に大きく寄与する部材であるため、所要形状に成形された合成樹脂製の基材の外側に、表皮材を装着して質感を向上したものがある。このような表皮材としては、種々材質のものが実用化されており、例えば織布製、編布製、合成樹脂製または本革製のもの等が挙げられる。
前述した表皮材付きの車両内装部材を製造するには、まず型装置において基材を射出成形等で成形し、型装置から取り出した基材を、該基材の表面よりも適宜大きく形成された表皮材と重ね合わせてセット治具にセットする(例えば特許文献1参照)。次に、基材の端縁から延出する表皮材の端末部を、手作業により基材の裏面に向けて折り返して、端末部に加熱した加圧治具を押し当てて基材と端末部とを溶着することで、裏側に巻き込んだ端末部を基材に固定している。
特開昭62−211127号公報
基材を型装置で成形した後に型装置のコア型に基材をセットしたままでは、表皮材を貼り付けおよび該表皮材の端末部の巻き込みの両方を行うことができないので、表皮材の端末の巻き込みを、専用のセット治具で行っている。このため、基材を型装置から取り出してセット治具にセットし直す手間がかかり、車両内装部材の製造効率の低下を招いている。
すなわち本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、基材の成形から表皮材の端末部の巻き込みまでを効率よく行うことができる車両内装部材の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の車両内装部材の製造方法は、
基材の表面に接合した表皮材の端末部が、該基材の裏側に巻き込まれて固定される車両内装部材の製造方法において、
共通型と一次型とで画成される第1キャビティに樹脂を注入して基材を成形し、
前記共通型に前記基材を保持したまま前記一次型から二次型に型替えし、
前記共通型と前記二次型とで挟んで前記基材に表皮材を重ね合わせると共に、基材の表面に表皮材を接合し、
前記共通型において前記基材の縁部を成形したコア型部をコアバックすることで画成される折曲スペースに向けて、基材の端縁から延出する表皮材の端末部を、前記二次型に設けられた折曲手段で該基材の端縁に沿って折り曲げ、
前記折曲スペースに向けて移動するスライド型部により、前記表皮材の端末部を前記基材の裏側に向けて折り込み、
前記基材の裏側に前記スライド型部により画成される第2キャビティに樹脂を注入し、当該樹脂により前記表皮材の端末部を基材に固定するようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、共通型と一次型とにより基材を成形し、共通型に基材を保持したまま一次型から二次型に型替えして、共通型と二次型とによって、表皮材の基材への貼付け、表皮材の基材への巻き込みおよび巻き込んだ表皮材の基材への固定を行っている。すなわち、基材を成形した型から取り出して、表皮材の巻き込みを行うための治具に基材を改めてセットする手間や、表皮材の端末部を基材の裏側に巻き込む手間や、基材の裏側に巻き込んだ表皮材の端末部を固定する手間などを省略できる。このように、共通型と組み合わせる型を一次型または二次型に型替えすることで、共通型と一次型とによる基材の成形から、共通型と二次型とによる表皮材の貼付、表皮材の基材への巻き込みおよび表皮材の固定までの一連の加工を行うことができ、表皮材の基材への巻き込み処理がなされた車両内装部材を効率よく製造することができる。また、得られる車両内装部材は、基材の縁部に巻き込んだ表皮材の端末部を成形した樹脂で強固に固定しているので、該端末部の剥がれなどを防止できる。
請求項2に係る発明では、加熱手段で前記基材の表面を加熱して、前記表皮材を該基材の表面に溶着するようにしたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、接着剤を用いることなく基材の表面に表皮材を溶着により接合すると共に、基材の裏側に巻き込んだ表皮材の端末部を樹脂成形により固定しているので、得られる車両内装部材の揮発性有機化合物を低減することができる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項3に係る発明の車両内装部材の製造装置は、
基材の表面に接合した表皮材の端末部が、該基材の裏側に巻き込まれて固定される車両内装部材の製造装置において、
前記基材の裏面を成形すると共に成形した基材を保持し得る共通型と、
前記共通型との型閉めにより第1キャビティを画成し、該第1キャビティでの基材の成形に際して該基材の表面を成形する一次型と、
前記第1キャビティで成形された前記基材を保持した前記共通型との型閉めにより、該基材の表面に表皮材を重ねる二次型とを備え、
前記共通型に設けられ、前記第1キャビティでの前記基材の成形に際して該基材の縁部を成形する成形位置と、この成形位置からコアバックして基材の縁部の周りに折曲スペースを画成するコアバッグ位置との間で移動するコア型部と、
前記二次型に設けられ、前記共通型との型閉めに際して、前記基材の端縁から延出する表皮材の端末部を前記折曲スペースに向けて折り曲げる折曲手段と、
前記共通型に設けられ、前記成形位置にある前記コア型部に隣接した待機位置と、この待機位置から前記折曲スペースに向けて変位して、前記折曲手段で折り曲げられた前記表皮材の端末部を前記基材の縁部裏側へ折り込むと共に該基材の縁部裏側に第2キャビティを画成するスライド位置との間で移動するスライド型部と、
前記スライド型部により前記第2キャビティに折り込まれた前記表皮材の端末部を前記基材に固定する樹脂を、該第2キャビティに注入する注入部とを備え、
前記共通型に対して、前記一次型または前記二次型を型替え可能に構成したことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、共通型と一次型とにより基材を成形し、共通型に基材を保持したまま一次型から二次型に型替えして、共通型と二次型とによって、表皮材の基材への貼付け、表皮材の基材への巻き込みおよび巻き込んだ表皮材の基材への固定を行うことができる。すなわち、基材を成形した型から取り出して、表皮材の巻き込みを行うための治具に基材を改めてセットする手間や、表皮材の端末部を基材の裏側に巻き込む手間や、基材の裏側に巻き込んだ表皮材の端末部を固定する手間などを省略できる。このように、共通型と組み合わせる型を一次型または二次型に型替えすることで、共通型と一次型とによる基材の成形から、共通型と二次型とによる表皮材の貼付、表皮材の基材への巻き込みおよび表皮材の固定までの一連の加工を1つの製造装置で行うことができ、表皮材の基材への巻き込み処理がなされた車両内装部材を効率よく製造することができる。また、得られる車両内装部材は、基材の縁部に巻き込んだ表皮材の端末部を成形した樹脂で強固に固定しているので、該端末部の剥がれなどを防止できる。
請求項4に係る発明では、型開きした前記共通型に保持された前記基材の表面を加熱する加熱手段が設けられ、
前記加熱手段によって表面が加熱された前記基材と該基材の表面に重ね合わせた前記表皮材とを、前記共通型と前記二次型とで挟んで溶着するよう構成したことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、接着剤を用いることなく基材の表面に表皮材を溶着により接合すると共に、基材の裏側に巻き込んだ表皮材の端末部を樹脂成形により固定することで、得られる車両内装部材の揮発性有機化合物を低減することができる。
請求項5に係る発明では、前記折曲手段は、前記共通型と前記二次型とを型閉じした際に該共通型に保持された前記基材の端縁と該折曲手段の先端が並ぶ通常位置と、この通常位置より共通型側へ突出する突出位置との間で進退移動するよう構成され、
前記共通型と前記二次型との型閉じに際して、前記突出位置とした前記折曲手段で前記表皮材の端末部を折り曲げることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、進退移動可能に構成された折曲手段により、基材の表面に重なる表皮材の端末部を適切に折り曲げることができる。
請求項6に係る発明では、前記注入部は、前記スライド型部に設けられ、該注入部の上流が該スライド型部のスライド位置で前記二次型に設けられた二次注入部に連通するよう構成されたことを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、二次型の二次注入部およびスライド型部の注入部を介して第2キャビティに樹脂を注入する構成とすることで、共通型側の構成が複雑になるのを防止できる。
本発明に係る車両内装部材の製造方法によれば、基材の成形から表皮材の端末部の巻き込みまでを効率よく行うことができる。本発明に係る車両内装部材の製造装置によれば、基材の成形から表皮材の端末部の巻き込みまでを効率よく行うことができる。
本発明の好適な実施例に係る製造装置を示す概略断面図である。 実施例の車両内装部材の製造工程を説明する説明図であって、(a)は共通型と一次型とを型開きした状態を示し、(b)は共通型と一次型とを型閉めした状態を示し、(c)は基材の成形後に共通型と一次型とを型開きした状態を示す。 実施例の車両内装部材の製造工程を説明する説明図であって、(a)は共通型と二次型とを型開きした状態を示し、(b)は共通型と二次型との型閉め途中を示し、(c)は共通型と二次型とを型閉めした状態を示す。 実施例の車両内装部材の製造工程を説明する説明図であって、(a)はスライド型部により表皮材の端末部を折り込んでいる途中を示し、(b)はスライド型部により第2キャビティを画成した状態を示し、(c)は共通型と二次型とを型開きして、車両内装部材を取り出した状態を示す。 図4(b)の要部拡大図である。
次に、本発明に係る車両内装部材の製造方法および製造装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、本発明に係る製造方法および製造装置は、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアトリム、ピラーガーニッシュ等の各種の車両内装部材に適用可能である。
図4(c)に示すように、実施例に係る車両内装部材10は、板状の基材12と、この基材12の表側を覆う表皮材14とから構成されている。車両内装部材10は、基材12より一回り大きい表皮材14の端末部14aが基材12の表側から裏側に巻き込まれて、基材12の裏面に二次樹脂(樹脂)からなる固定部16で固着されている。なお、実施例の車両内装部材10は、基材12の縁部が緩く湾曲して、全体として裏側が凹となる形状で形成されている。車両内装部材10は、表皮材14の端末部14aを基材12の裏側に巻き込むことで、表皮材14を基材12から剥離し難くすると共に、基材12の端縁を表皮材14で覆って見栄えを向上している。
前記基材12は、車両内装部材10の形状を形作ると共に該車両内装部材10の剛性を担保する硬質な板状部材であって、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂(一次樹脂)を射出成形することで所要形状に形成されている。基材12は、表皮材14が接合される表面が凹凸のない滑らかな平坦面で形成される一方で、該基材12の裏面に、車両内装部材10を車体等に取り付けるための取付ボスなどの各種造作物(何れも図示せず)が、端縁から離した位置に形成されている。
前記表皮材14は、車両内装部材10の車室側に臨む表面(意匠面)を構成する部材であって、例えば本革の風合いを出すために、弾力性を有していたり、シボ加工やステッチ模様などが表側に形成されることがある。実施例の表皮材14は、該表皮材14の表面を構成する柔軟な表層部と、この表層部の裏側に設けられ、弾力性を有する発泡体等からなる裏層部とを有する多層構造であり、全体として可撓性および伸縮性を有している。表層部は、ポリウレタン、オレフィン系(TPO)、塩化ビニル系またはスチレン系のエラストマー、あるいは、ポリウレタンや塩化ビニル系の合成皮革などを用いることができる。裏層部としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系材料からなるフォーム、あるいはスチレンフォームなどの発泡体、不織布や織物などを用いることができる。
図1に示すように、前記車両内装部材10を製造する製造装置20は、コア型としての共通型22と、キャビ型として一次型24および二次型26とを備え、共通型22と組み合わせるキャビ型を一次型24または二次型26に切り替え可能に構成されている。実施例の製造装置20は、2基の共通型22,22が上下に並べて配設されると共に、一次型24および二次型26が上下に並べて配設されている。製造装置20は、2基の共通型22,22を支持するベース28が回転やスライドなどで移動することで、夫々の共通型22,22を一次型24または二次型26に対向配置するように切り替えている。また、製造装置20は、向かい合わせた共通型22とキャビ型24,26とを相対的に近接・離間移動することで型閉じ・型開きするよう構成され、実施例では、共通型22を対向するキャビ型24,26に向けて左右方向へ移動することで開閉している。なお、製造装置20の説明において、得るべき車両内装部材10の縁部に対応する部位から該車両内装部材10の中央部へ向かう方向を内側といい、型22,24,26の開閉方向と直交する方向において装置中央側に対応している。また、得るべき車両内装部材10の中央部から該車両内装部材10の縁部に対応する部位へ向かう方向を外側といい、型22,24,26の開閉方向と直交する方向において装置縁部側に対応している。
図2(b)に示すように、型閉めした共通型22と一次型24の間には、基材12の外形に合わせた第1キャビティ30が画成される。一次型24には、基材12用一次樹脂を注入する一次型注入部32が、第1キャビティ30に連通するように設けられている。第1キャビティ30には、一次型注入部32の上流側に接続した射出機(図示せず)から一次型注入部32を通じて一次樹脂(樹脂)が注入される。第1キャビティ30では、共通型22の型面36a,38aで基材12の裏面を主に規定すると共に、一次型24の一次型面24aで基材12の表面を主に規定して、一次樹脂から基材12を成形する。また、共通型22と一次型24とを型開きした際には、第1キャビティ30で成形された基材12が共通型22に保持されて該共通型22に残るようになっており(図2(c)参照)、基材12と共に共通型22を一次型24から二次型26に対向するように切り替え移動できる。共通型22は、裏側へ開放した凹形状の基材12に嵌ったり、基材12の裏面に形成された前記造作物との係合などにより、基材12を成形した姿勢のまま保持している。
前記二次型26は、車両内装部材10の表面に合わせて形成された二次型面26a(図1参照)を有する。そして、二次型26と共通型22が型閉じした際に、共通型22に裏面側が保持された基材12と該二次型26との間に表皮材14を挟んで、基材12の表面に表皮材14を重ね合わせるように構成されている(図3(c)参照)。二次型26には、表皮材14を前記二次型面26aに重なるように保持する保持手段が設けられ、集積部から取出手段(何れも図示せず)で1枚ずつ取り出した表皮材14を、該取出手段により保持手段にセットしている。保持手段は、例えばピン状の突片で構成され、突片を表皮材14の端末部14aに開設された保持孔に嵌め合わせて、表皮材14を展張した状態で保持するようになっている。なお、実施例では、巻き込みを行わない基材12の縁部に対応する表皮材14の端末部14aを保持手段で保持して、巻き込みを行う基材12の縁部に対応する端末部14aをフリーにした状態で二次型26に表皮材14をセットしている。また、共通型22に保持された基材12の表面を加熱する加熱手段34が設けられている(図1および図3(a)参照)。加熱手段34は、表皮材14を集積部から取り出す取出手段に配設されており、加熱手段34は、取出手段で保持手段にセットした表皮材14と、共通型22に保持された基材12との間に該取出手段で位置付けられて、基材12の表面と共に表皮材14を加熱する。製造装置20では、共通型22と二次型26とを型閉じした際に、加熱手段34で表面が加熱溶融された基材12とこの基材12に重なる表皮材14とを挟持して、基材12と表皮材14とを溶着により接合している(図3(c)参照)。なお、加熱手段34としては、面状ヒーターなどの熱源を用いることができる。
前記共通型22は、表皮材14の端末部14aが巻き込まれる縁部を除く基材12の裏面の大部分を成形する本体型面36a(図1参照)が設けられた共通型本体36を備え、第1キャビティ30で成形した基材12を共通型本体36で保持するようになっている(図2(c)参照)。また、共通型22は、表皮材14の端末部14aが巻き込まれる基材12の縁部裏面を成形するコア型面38a(図1参照)が設けられたコア型部38と、表皮材14の端末部14aを基材12の裏側へ折り込むと共に基材12の縁部裏側に第2キャビティ42を画成するスライド型部40とを備えている。なお、コア型部38およびスライド型部40は、表皮材14の端末部14aを巻き込む基材12の縁部に対応して、共通型22に設けられている。
前記コア型部38は、共通型本体36の本体型面36aとコア型面38aが揃って前記第1キャビティ30を画成する成形位置(図2参照)と、この成形位置からコアバックしたコアバック位置(図3(b)および(c)参照)との間でコア作動手段44によって移動するよう構成されている。実施例では、コア型部38に連結したシリンダからなるコア作動手段44が用いられ、対向した二次型26に対して近接・離間する方向(共通型22と二次型26との対向方向)へコア作動手段44によってコア型部38を移動している。すなわち、コア型部38は、型22,26の開閉方向(基材12の共通型22からの型抜き方向)へ往復移動し、第1キャビティ30に一次樹脂を注入して基材12を成形する際に前記成形位置に位置付けられ、表皮材14の端末部14aが巻き込まれる基材12の縁部裏面を成形する。また、コア型部38は、前記コアバック位置において共通型本体36で保持された基材12の縁部から裏側へ離間して、該基材12の縁部の周りに表皮材14の端末部14aを折り込むための折曲スペース46を画成するようになっている。コア型部38は、共通型22と一次型24とを型閉めした際に、コア型面38aの外周部が一次型24における一次型面24aの外周部と当接し、コア型面38aと一次型面24aとがなす第1キャビティ30の角隅部で基材12の端縁(折込端縁という)12aを成形している。共通型本体36には、得られた車両内装部材10を共通型22から排出する脱型手段(図示せず)が配設され、脱型手段によって車両内装部材10を型開きした二次型26側へ向けて押し出して、共通型本体36に嵌った基材12を取り外す。ここで、製造装置20は、車両内装部材10を得た後に、コア型部38をコアバック位置から成形位置に移動して、コア型面38aで前記固定部16を押して車両内装部材10を共通型22から脱型してもよい。この場合は、コア型部38が脱型手段として機能するので、共通型本体36の脱型手段を省略することも可能である。
前記スライド型部40は、前記成形位置にあるコア型部38に隣接した待機位置(図2参照)と、この待機位置から前記折曲スペース46に向けて変位したスライド位置(図4(b)参照)との間でスライド作動手段48によって往復移動するよう構成される。実施例では、スライド型部40に連結したシリンダからなるスライド作動手段48が用いられ、共通型22と二次型26との対向方向と直交する方向へスライド作動手段48によりスライド型部40を移動している。すなわち、スライド型部40は、型22,26の開閉方向と直交する方向(コア型部38の移動方向と直交する方向)へ往復移動するように配設される。スライド型部40は、前記待機位置においてコア型部38よりも外側に位置付けられて、共通型本体36で保持された基材12の折込端縁12aから離間した外側に配置される。また、スライド型部40は、前記スライド位置において、共通型本体36で保持された基材12の折込端縁12aを越えて折曲スペース46の内側へ移動し、基材12の縁部裏側に臨むように位置付けられる。
前記スライド型部40には、共通型本体36に保持された基材12の折込端縁12aに対応した位置に該スライド型部40の移動方向に延在する折込面部40aが形成されている(図5参照)。また、スライド型部40は、折込面部40aよりも待機位置からスライド位置へ向けた移動方向前側へ延出する成形面部40bを備え、成形面部40bが折込面部40aよりも二次型26から離間する側に偏倚して形成されている。すなわち、スライド型部40は、スライド位置で折曲スペース46に位置する先端部が、二次型26側が凹む段状に形成されている。スライド型部40は、待機位置からスライド位置に向けた移動経路が、二次型26に設けられた折曲部材(折曲手段)50で折曲スペース46に向けて折り曲げられて基材12の折込端縁12aよりも裏側へ延出する表皮材14の端末部14aと交差するようになっている。スライド型部40の先端部は、待機位置からスライド位置に向けた移動途中で、折曲スペース46に折り曲げられた表皮材14の端末部14aに当接し、スライド位置に向けた移動につれて該端末部14aを基材12の折込端縁12aから内側へ折り込むように押す(図4(a)参照)。また、スライド型部40は、基材12の折込端縁12aの裏側に重なった折込面部40aで、基材12の折込端縁12aとの間に表皮材14の端末部14aにおける根元部分を挟むように配置されている(図4(b)参照)。これにより、スライド型部40は、スライド位置に向けた移動につれて折込面部40aで端末部14aを内側に向けて引っ張るように撫で付ける。
前記スライド型部40は、スライド位置において、成形面部40bが基材12の縁部裏面から離間するように配置され、成形面部40bと基材12の縁部との間に第2キャビティ42を画成するようになっている(図4(b)および図5参照)。ここで、スライド型部40は、スライド位置において、先端部が共通型本体36に当接すると共に、折込面部40aが基材12の折込端縁12aで折り返した表皮材14の端末部14aにおける根元部分を基材12との間に挟むように当接して、第2キャビティ42を封止している。また、スライド型部40の先端部は、スライド位置で共通型本体36に設けられた支持凹部37に嵌合することで、該スライド型部40の移動方向と交差する方向の変位が規制される。支持凹部37は、共通型本体36においてスライド型部40に対向する位置に、スライド型部40の待機位置側に開口する凹形状に形成されると共に、略矩形状のスライド型部40の先端部外形に合わせた開口形状で形成されている。
前記二次型26には、共通型22と該二次型26との型閉めに際して、基材12の折込端縁12aから外方へ延出する表皮材14の端末部14aを、前記折曲スペース46に向けて折り曲げる折曲部材(折曲手段)50が設けられている(図3参照)。折曲部材50は、共通型22と二次型26とを型閉じした際に該共通型22に保持された基材12の折込端縁12aと該折曲部材50の先端(共通型22に臨む端)が並ぶ通常位置(図3(a)参照)と、この通常位置より共通型22側へ突出する突出位置(図3(b)参照)との間で折曲作動手段52によって進退移動するよう構成される。実施例では、折曲部材50に連結したシリンダからなる折曲作動手段52が用いられ、対向した共通型22に対して近接・離間する方向(共通型22と二次型26との対向方向)へ折曲作動手段52により折曲部材50を移動している。折曲部材50は、内側に臨む当接面50aが該折曲部材50の移動方向に延在する平面で形成されると共に、共通型22に臨む先端面50bが、内側から外側へ向かうにつれて共通型22から離間するように傾斜形成されている(図5参照)。このように、折曲部材50は、先端面50bを傾斜形成することで、共通型22と二次型26とを型閉じしたもとで折曲スペース46に移動されるスライド型部40との干渉を防止している。折曲部材50は、当接面50aと先端面50bとがなす角隅部で前記先端を構成しており、実施例では当該先端が円弧状に面取りされて、表皮材14に当接した際に該表皮材14の傷付けを防止している。
前記折曲部材50は、共通型22のコア型部38に対向するように配設され、当接面50aが、共通型22に保持された基材12の折込端縁12aに巻き込む表皮材14の折り位置に合わせて延在している(図5参照)。折曲部材50の当接面50aは、前記通常位置において、二次型26の本体部分と共に表皮材14の表面形状に合わせた二次型面26aを構成すると共に、該折曲部材50の先端が該二次型26のパーティングラインに位置付けられる。すなわち、通常位置にある折曲部材50は、共通型22と二次型26とを型閉めした際に折曲スペース46に突出せず、待機位置からスライド位置へ向けて移動するスライド型部40と干渉しないようになっている。折曲部材50は、前記突出位置において、二次型26のパーティングラインを越えて共通型22側へ突出するように位置付けられる。これにより、共通型22と二次型26とを型閉じする際に、二次型26の本体部分が表皮材14の表面に当接する前に、折曲部材50が表皮材14の端末部14aに当接するようになっている。ここで、二次型26には、表皮材14が保持手段で保持されて、その端末部14aが折曲部材50の共通型22側に重なるようにセットされており(図3(a)参照)、折曲部材50を通常位置から突出位置に移動することで、端末部14aを共通型22側へ折り曲げできる。
前記スライド型部40には、前記第2キャビティ42に樹脂を注入するスライド注入部(注入部)54が設けられ、実施例ではスライド注入部54としてノーズゲートが用いられている(図5参照)。スライド注入部54は、下流端の第2キャビティ42への注入口がスライド型部40の成形面部40bに開口すると共に、上流端の導入口がスライド型部40の折込面部40aにおける二次型26に臨む部位に開口している。スライド注入部54の注入口は、スライド型部40の折込面部40aで基材12の縁部裏側に折り込まれた表皮材14の端末部14aに相対する位置に設けられている。実施例では、スライド注入部54の注入口がスライド型部40の移動方向に沿う面とこの移動方向と交差する面との段状に形成された成形面部40bにおける凹隅部分に開口している。スライド注入部54は、スライド型部40がスライド位置に配置されると共に共通型22と二次型26とを型閉めすると、前記導入口が二次型26に設けられたバルブゲートからなる二次注入部27の下流端に連通する。そして、二次注入部27の上流に接続された射出機(図示せず)から供給される二次樹脂(樹脂)が、二次注入部27およびスライド注入部54を通って第2キャビティ42に注入され、この二次樹脂を第2キャビティ42で成形固化することで、表皮材14の端末部14aを基材12に固定する固定部16が形成される。ここで、第2キャビティ42に注入する二次樹脂は、基材12を構成する一次樹脂と同じであってもよいが、表皮材14の端末部14aを基材12に固定することができれば二次樹脂の種類は特に限定されない。
次に、前記製造装置20を用いた車両内装部材10の製造方法について説明する。共通型22と一次型24とを型閉じして、第1キャビティ30を画成する(図2(a)および(b))。このとき、コア型部38は成形位置に配置されると共に、スライド型部40は待機位置に配置される。射出機により一次型注入部32を介して第1キャビティ30に一次樹脂を注入し、第1キャビティ30において一次樹脂を成形固化することで、基材12を形成する。共通型22と一次型24とを型開けすると、共通型22の共通型本体36に保持されて基材12が共通型22にそのままの状態で残り、共通型本体36で裏側が保持された基材12の表面が露出する(図2(c))。
前記基材12を保持したまま共通型22を移動することで、一次型24から二次型26に対向するように型替えする(図3(a))。二次型26には、取出手段で集積部から取り出した表皮材14が、保持手段に係合させて、二次型面26aの共通型22側を覆うようにセットされる。取出手段に配設された加熱手段34を、型開きした共通型22と二次型26との間に配置して、加熱手段によって、二次型26側に露出する基材12の表面を加熱して溶融すると共に、二次型26にセットされた表皮材14を加熱して軟化する。なお、二次型26への表皮材14のセットは、基材12を保持した共通型22を二次型26に対向配置する前、共通型22の移動中または共通型22を二次型26に対向配置した後の何れのタイミングであってもよい。実施例では、取出手段に配設された加熱手段34で基材12を加熱するので、基材12を保持した共通型22を二次型26に対向配置した後に表皮材14を二次型26にセットしている。
次に、共通型22に保持された基材12の折込端縁12aから外側へ延出する表皮材14の端末部14aを、二次型26の折曲部材50で裏側へ折り曲げる。ここで、折曲部材50による表皮材14の端末部14aの折り曲げに際して、共通型22のコア型部38が成形位置から前記二次型26と離れるコアバック位置に移動し、表皮材14を巻き込む基材12の縁部の周りに折曲スペース46を画成する(図3(b))。共通型22と二次型26とを型閉めして、通常位置から突出位置に移動した折曲部材50で押すことで、基材12の折込端縁12aから外方へ延出する表皮材14の端末部14aを該折込端縁12aを支点にして折曲スペース46に向けて折り曲げる。共通型22と二次型26との型閉めが完了すると、二次型26の二次型面26aが表皮材14の表面に当接して、共通型22の共通型本体36と二次型26との間に基材12および表皮材14を挟んで、表皮材14を所定形状に成形すると共に、加熱手段34により溶融した基材12の表面に表皮材14を溶着により接合する(図3(c))。なお、共通型22と二次型26との型閉めが完了したときには、折曲部材50は通常位置に戻り、該折曲部材50の当接面50aが二次型面26aの縁を構成している。また、共通型22と二次型26との型閉めが完了すると、表皮材14の端末部14aが基材12の折込端縁12aから二次型26と離間する方向へ延出するように折り曲げられて、該端末部14aが折曲スペース46に配置される。
前記コア型部38の成形位置からコアバック位置への移動は、共通型22と二次型26との型閉じに先立って行っても、共通型22と二次型26との型閉め中に行ってもよく、折曲部材50で表皮材14の端末部14aを折り曲げるタイミングで折曲スペース46が確保されていればよい。また、折曲部材50の通常位置から突出位置への移動は、共通型22と二次型26とを型閉めする前であっても、共通型22と二次型26との型閉め中であっても、更には共通型22と二次型26との型締め後の何れであってもよい。例えば共通型22と二次型26との型閉めに際して、保持手段で凹状の二次型面26aを覆うように保持された表皮材14に基材12の表面が接触した後のタイミングで、突出位置にある折曲部材50の当接面50aが表皮材14の端末部14aにおける根元部分に当接するようにできる。この場合は、表皮材14の表面が二次型面26aに当接するまでに亘って、折曲部材50で基材12の縁部に対して押し撫でつつ表皮材14の縁を保持することができ、表皮材14に外側へ向けてテンションをかけて表皮材14におけるシワの発生などを防止することができる。なお、折曲部材50は、表皮材を押さえた状態で共通型22と二次型26との型閉めに伴い、突出位置から通常位置に移動してもよく、基材12の折込端縁12aを越えて折曲スペース46まで突出した後に該端縁12aに並ぶ位置まで戻すなど、適宜の動作態様を採用できる。
次に、折曲部材50で折曲スペース46に折り曲げられた表皮材14の端末部14aを、スライド型部40によって基材12の縁部裏側へ向けて折り込む。スライド型部40を待機位置からスライド位置に向けて移動することで、折曲スペース46に延出する表皮材14の端末部14aを先端部で押して内側へ折り込む(図4(a))。スライド型部40のスライド位置に向けた移動により、該スライド型部40の折込面部40aが基材12の折込端縁12aに重なると、該折込端縁12aと折込面部40aとの間に挟まれて表皮材14の端末部14aがスライド型部40の移動方向に延在するように折り込まれる。そして、スライド型部40のスライド位置に向けた移動に伴って、表皮材14の端末部14aを内側へ引っ張ってテンションをかけた状態で保持するから、基材12の折込端縁12aを覆う表皮材14の折り目にシワが発生するのを防止できる。
前記スライド型部40をスライド位置に配置すると、該スライド型部40の成形面部40bにより基材12の縁部裏側に第2キャビティ42が画成され、スライド型部40の待機位置からスライド位置への移動に伴って折り込まれた表皮材14の端末部14aが第2キャビティ42に配置される(図4(b)参照)。この際、表皮材14の端末部14aは、スライド型部40の折込面部40aと基材12の折込端縁12aとの間に挟まれて保持されている。射出機により二次注入部27およびスライド注入部54を介して第2キャビティ42に二次樹脂を注入し、第2キャビティ42において二次樹脂を成形固化することで、基材12の縁部裏面に固定部16を形成する。固定部16は、表皮材14の端末部14aを内包して基材12の縁部裏面に固着するように形成され、これにより表皮材14の端末部14aがスライド型部40の折込面部40aで保持されてシワ無く伸ばした状態を保ったまま基材12の縁部に巻き込んで固定される。そして、共通型22と二次型26とを型開きして、得られた車両内装部材10を脱型手段で共通型22から取り出す。ここで、一方の共通型22および一次型24による基材12の成形と、他方の共通型22および二次型26による表皮材14の巻き付けとは、同時に進行しており、キャビ型24,26の型替えにより基材12の成形から表皮材14の巻き付けまでの一連の工程が順次繰り返される。
〔実施例の作用〕
次に、実施例の作用について説明する。前述した製造方法および製造装置20によれば、共通型22と一次型24とにより基材12を成形し、共通型22に基材12を保持したまま一次型24から二次型26に型替えして、共通型22と二次型26とによって、表皮材14の基材12への貼付、表皮材14の基材12への巻き込みおよび巻き込んだ表皮材14の基材12への固定を行うことができる。すなわち、基材12を成形した型から取り出して、表皮材14の巻き込みを行うための治具に基材12を改めてセットする手間がかからない。また、二次型26の折曲部材50と共通型22のスライド型部40とによって、表皮材14の端末部14aを基材12の裏側へ巻き込み、巻き込んだ表皮材14の端末部14aを二次樹脂の型成形により基材12に固定している。すなわち、表皮材14の端末部14aを基材12の裏側に巻き込む手間や、基材12の裏側に巻き込んだ表皮材14の端末部14aを固定する手間なども省略できる。このように、共通型22と組み合わせるキャビ型を一次型24または二次型26に型替えすることで、共通型22と一次型24とによる基材12の成形から、共通型22と二次型26とによる表皮材14の基材12への貼付、表皮材14の基材12への巻き込みおよび表皮材14の固定までの一連の加工を1つの製造装置20で行うことができる。従って、表皮材14の基材12への巻き込み処理がなされた車両内装部材10を効率よく製造することができる。
得られる車両内装部材10は、基材12の縁部に巻き込んだ表皮材14の端末部14aを型成形した二次樹脂で基材12に対して強固に固定することができる。従って、車両内装部材10は、表皮材14の端末部14aの剥がれなどを防止でき、見栄えおよび品質を向上することができる。また、表皮材14の端末部14aは、共通型22と二次型26との型成形により基材12に固定されるので、基材12の裏側に巻き込んだ表皮材14の端末部14aを固定するために、接着剤を塗布したり、接着テープを貼り付けたり、タッカー止めしたり、加熱する治具で溶着するなどの手間がかからない。しかも、接着剤を用いることなく基材12の表面に表皮材14を溶着により接合すると共に、基材12の裏側に巻き込んだ表皮材14の端末部14aを樹脂成形による固定部16で固定しているので、得られる車両内装部材10の揮発性有機化合物(VOC)を低減することができる。
前記製造装置20は、二次型26に共通型22へ向けて進退移動可能に構成された折曲部材50により、共通型22に保持された基材12の折込端縁12aから延出する表皮材14の端末部14aを折り曲げている。すなわち、折曲部材50の進退移動により、該折曲部材50の先端と表皮材14の表面に当接する二次型26の二次型面26aとの位置関係を変更することができるから、折曲部材50が表皮材14の端末部14aを折り曲げるタイミングを、二次型面26aが表皮材14の表面に当たるタイミングよりも早くするなど、両タイミングを適宜調節することができる。これにより、車両内装部材10の表面をなす表皮材14の表面部分にシワなどの表面不良が生じることを防止でき、表皮材14の端末部14aを基材12の折込端縁12aに沿って密着するように適切に折り曲げて、表皮材14で覆われる車両内装部材10の縁部の見栄えをより向上することができる。
前記製造装置20は、二次型26の二次注入部27およびスライド型部40のスライド注入部54を介して第2キャビティ42に二次樹脂を注入するので、共通型本体36などのスライド型部40以外の部分に二次樹脂の注入機構を設けなくてもよい。すなわち、共通型22は、コア型部38とスライド型部40との複数の動作部分が設けられると共に、共通型22自体が型替えや開閉移動する構成であるが、二次型26の二次注入部27およびスライド型部40のスライド注入部54を介して第2キャビティ42に二次樹脂を注入する構成とすることで、共通型22側の構成が複雑になるのを防止できる。
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1)折曲手段としては、共通型に対して進退移動する構成に限らず、表皮材の端末部根元部分に対応した二次型面など、二次型に固定的に設けられた部分であってもよい。
(2)基材の表面への表皮材の接合は、溶着に限らず、接着剤や粘着テープによる接着であってもよく、また溶着と接着とを併用してもよい。表皮材を接着により接合する場合は、加熱手段に代えてまたはこれに加えて、基材の表面および/または表皮材の裏面に接着剤や粘着テープを付与する手段を設ければよい。
(3)型の開閉は、共通型を移動する構成に限らず、キャビ型側を移動しても、共通型とキャビ型との両方を相互に近接・離間移動してもよい。
(4)一次型と二次型との型替えは、共通型を移動する構成に限らず、キャビ型側を移動することで型替えを行ってもよい。
(5)コア型部、スライド型部および折曲手段を動かす作動手段は、実施例の構成に限らず、共通型および二次型の一方に設けられたアンギュラピンと共通型および二次型の他方に設けられたガイド孔との係合による構成など、その他の形態を採用し得る。
(6)表皮材を二次型にセットする態様に限らず、共通型にセットするなど、その他の形態を採用し得る。
12 基材,12a 端縁(折込端縁),14 表皮材,14a 端末部,22 共通型,
24 一次型,26 二次型,27 二次注入部,30 第1キャビティ,
34 加熱手段,38 コア型部,40 スライド型部,46 折曲スペース,
50 折曲手段,54 スライド注入部(注入部)

Claims (6)

  1. 基材の表面に接合した表皮材の端末部が、該基材の裏側に巻き込まれて固定される車両内装部材の製造方法において、
    共通型と一次型とで画成される第1キャビティに樹脂を注入して基材を成形し、
    前記共通型に前記基材を保持したまま前記一次型から二次型に型替えし、
    前記共通型と前記二次型とで挟んで前記基材に表皮材を重ね合わせると共に、基材の表面に表皮材を接合し、
    前記共通型において前記基材の縁部を成形したコア型部をコアバックすることで画成される折曲スペースに向けて、基材の端縁から延出する表皮材の端末部を、前記二次型に設けられた折曲手段で該基材の端縁に沿って折り曲げ、
    前記折曲スペースに向けて移動するスライド型部により、前記表皮材の端末部を前記基材の裏側に向けて折り込み、
    前記基材の裏側に前記スライド型部により画成される第2キャビティに樹脂を注入し、当該樹脂により前記表皮材の端末部を基材に固定するようにした
    ことを特徴とする車両内装部材の製造方法。
  2. 加熱手段(34)で前記基材(12)の表面を加熱して、前記表皮材(14)を該基材(12)の表面に溶着するようにした請求項1記載の車両内装部材の製造方法。
  3. 基材の表面に接合した表皮材の端末部が、該基材の裏側に巻き込まれて固定される車両内装部材の製造装置において、
    前記基材の裏面を成形すると共に成形した基材を保持し得る共通型と、
    前記共通型との型閉めにより第1キャビティを画成し、該第1キャビティでの基材の成形に際して該基材の表面を成形する一次型と、
    前記第1キャビティで成形された前記基材を保持した前記共通型との型閉めにより、該基材の表面に表皮材を重ねる二次型とを備え、
    前記共通型に設けられ、前記第1キャビティでの前記基材の成形に際して該基材の縁部を成形する成形位置と、この成形位置からコアバックして基材の縁部の周りに折曲スペースを画成するコアバッグ位置との間で移動するコア型部と、
    前記二次型に設けられ、前記共通型との型閉めに際して、前記基材の端縁から延出する表皮材の端末部を前記折曲スペースに向けて折り曲げる折曲手段と、
    前記共通型に設けられ、前記成形位置にある前記コア型部に隣接した待機位置と、この待機位置から前記折曲スペースに向けて変位して、前記折曲手段で折り曲げられた前記表皮材の端末部を前記基材の縁部裏側へ折り込むと共に該基材の縁部裏側に第2キャビティを画成するスライド位置との間で移動するスライド型部と、
    前記スライド型部により前記第2キャビティに折り込まれた前記表皮材の端末部を前記基材に固定する樹脂を、該第2キャビティに注入する注入部とを備え、
    前記共通型に対して、前記一次型または前記二次型を型替え可能に構成した
    ことを特徴とする車両内装部材の製造装置。
  4. 型開きした前記共通型に保持された前記基材の表面を加熱する加熱手段が設けられ、
    前記加熱手段によって表面が加熱された前記基材と該基材の表面に重ね合わせた前記表皮材とを、前記共通型と前記二次型とで挟んで溶着するよう構成した請求項3記載の車両内装部材の製造装置。
  5. 前記折曲手段は、前記共通型と前記二次型とを型閉じした際に該共通型に保持された前記基材の端縁と該折曲手段の先端が並ぶ通常位置と、この通常位置より共通型側へ突出する突出位置との間で進退移動するよう構成され、
    前記共通型と前記二次型との型閉じに際して、前記突出位置とした前記折曲手段で前記表皮材の端末部を折り曲げる請求項3または4記載の車両内装部材の製造装置。
  6. 前記注入部は、前記スライド型部に設けられ、該注入部の上流が該スライド型部のスライド位置で前記二次型に設けられた二次注入部に連通するよう構成された請求項3〜5の何れか一項に記載の車両内装部材の製造装置。
JP2014257674A 2014-12-19 2014-12-19 車両内装部材の製造方法および製造装置 Active JP6370208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014257674A JP6370208B2 (ja) 2014-12-19 2014-12-19 車両内装部材の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014257674A JP6370208B2 (ja) 2014-12-19 2014-12-19 車両内装部材の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016117198A JP2016117198A (ja) 2016-06-30
JP6370208B2 true JP6370208B2 (ja) 2018-08-08

Family

ID=56242682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014257674A Active JP6370208B2 (ja) 2014-12-19 2014-12-19 車両内装部材の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6370208B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101932636B1 (ko) * 2016-12-21 2019-03-15 주식회사 성우하이텍 복합소재의 성형장치, 및 성형방법
JP6966073B2 (ja) * 2017-12-05 2021-11-10 南条装備工業株式会社 樹脂成形装置及び樹脂成形方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2523161B2 (ja) * 1988-06-21 1996-08-07 日本プラスト株式会社 表皮体付き合成樹脂製品の製造方法
JP3029947B2 (ja) * 1993-03-18 2000-04-10 高島屋日発工業株式会社 表皮一体積層体製造用の金型装置
JP3565961B2 (ja) * 1995-11-10 2004-09-15 出光石油化学株式会社 積層成形品の製造方法と製造用金型
JP3810498B2 (ja) * 1996-11-29 2006-08-16 株式会社イノアックコーポレーション 表皮貼込み成形型及びこれを用いた表皮貼込み成形方法
JP3806778B2 (ja) * 1996-12-26 2006-08-09 三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社 部分表皮材貼り成形用金型装置及びこれを用いた部分表皮材貼り成型方法
JP2003154542A (ja) * 2001-11-19 2003-05-27 T S Tec Kk 部分表皮貼り樹脂成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016117198A (ja) 2016-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4576024B2 (ja) 表皮一体成形品の製造方法および装置
KR102036132B1 (ko) 감싸기 금형장치와 이를 이용한 내장재 제조방법
WO2006028206A1 (ja) 表装材にダブルステッチを施してなる車両用内装材及びその製造方法
JP5714333B2 (ja) 車両内装部材の製造方法
JP6370208B2 (ja) 車両内装部材の製造方法および製造装置
KR102165285B1 (ko) 리얼 스티치가 형성된 내장재의 인서트 사출 공법
KR102036129B1 (ko) 감싸기 금형장치와 이를 이용한 내장재 제조방법
JP6215023B2 (ja) 車両用内装材の製造方法
JP6722430B2 (ja) 車両用シート及びその製造方法
WO2013111680A1 (ja) 表皮付き樹脂成形品の製造方法
KR102066509B1 (ko) 리얼 스티치가 스킨과 코어에 일체로 형성되는 내장재 제조방법
JP3565961B2 (ja) 積層成形品の製造方法と製造用金型
JP5814788B2 (ja) 樹脂製表皮材の製造方法
KR102099808B1 (ko) 리얼 스티치가 스킨과 코어에 일체로 형성되는 내장재 제조방법
JP4403928B2 (ja) 加飾樹脂成形品及び加飾樹脂成形品の製造方法
JP4884164B2 (ja) 表皮貼り込み製品の製造方法
CN106003526A (zh) 车辆用座椅用的发泡成形体的制造方法及制造装置
JP2007125700A (ja) 貼り合わせシート材の成形方法および成形装置
JP6301800B2 (ja) 車両内装部材の製造方法および端末処理装置
JP6548815B2 (ja) インストルメントパネルの成形方法、インストルメントパネル、および、インストルメントパネルの成形装置
JP6894768B2 (ja) 車両内装部材の製造方法および車両内装部材製造用圧着装置
JP6398852B2 (ja) ステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法
JP2016068349A (ja) 車両内装部材およびその製造方法
JPH07290466A (ja) 表皮一体発泡成形品の製造方法及び製造装置
JP6223806B2 (ja) 成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6370208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250