JP6301800B2 - 車両内装部材の製造方法および端末処理装置 - Google Patents

車両内装部材の製造方法および端末処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、基材の表面を覆う表皮材を備え、該表皮材の端末を基材の裏面に巻き込んで固着した車両内装部材の製造方法および端末処理装置に関するものである。
自動車等の車両における乗員室内には、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアトリム、ピラーガーニッシュ等の各種の車両内装部材が配設されている。この車両内装部材は、乗員室内の質感や雰囲気に大きく寄与する部材であるため、所要形状に成形された合成樹脂製の基材の外側に、表皮材を装着して質感を向上したものがある。このような表皮材としては、種々材質のものが実用化されており、例えば織布製、編布製、合成樹脂製または本革製のもの等が挙げられる。
前記基材に表皮材を装着する際には、基材の表面の全体領域よりも適宜大きく成形した表皮材を、基材の表面に貼着する。次に、基材の端縁から延出させるように余した表皮材の端末を、基材の裏側に巻き込んで、この端末を接着剤やタッカー等で基材の裏面に固定する表皮材の端末処理を行っている。基材における直線的な端縁においては、例えば特許文献1に示すように表皮材の端末処理を、処理装置によって自動的に行うように機械化が図られている。しかし、基材の湾曲したコーナー端縁においては、該コーナー端縁を基準として表皮材を単に折り曲げるだけでは表皮材の端末にしわができてしまうことから、表皮材の端末処理を機械化することが難しい。従って、基材のコーナー端縁における表皮材の端末処理は、手作業によって行われているのが実情である。
特開平6−23841号公報
手作業による基材のコーナー端縁における表皮材の端末処理は、基材のコーナー端縁で折り曲げた表皮材の端末を裏側に引っ張りながら、例えば端末を手繰り寄せることで基材の裏面に複数のひだを作って、該表皮材の端末がコーナー端縁でしわにならないように伸ばしている。そして、表皮材の端末は、コーナー端縁を覆う部分を伸ばした状態を保ちつつ基材の裏面に溶着される。このように、手作業による基材のコーナー端縁における表皮材の端末処理は、非常に手間がかかり、製造効率が悪い。しかも、作業者の技量によるところが大きいので、コーナー端縁における表皮材の仕上がりが安定せず、得られる車両内装部材の表面品質のばらつきが大きくなってしまうといった難点がある。
すなわち本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、表皮材が基材のコーナー端縁に仕上がりよく巻き込まれた車両内装部材の製造方法および端末処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の車両内装部材の製造方法は、
基材の表面を表皮材で覆うと共に、基材の表側から裏側に巻き込んだ該表皮材の端末を該基材の裏面に固着して得られる車両内装部材の製造方法であって、
巻き込み手段における櫛歯状に並列配置された複数の保持部によって、前記表皮材の端末を保持し、
前記保持部を前記基材の裏面に沿って移動することで、基材における外方へ凸になるように湾曲する凸状コーナー端縁の外側から該凸状コーナー端縁の湾曲中心側に向けて前記表皮材の端末を引っ張り、
案内手段に設けられた案内溝に各保持部で保持した前記端末を押し込んで、該端末を基材の裏側で寄せるように案内し、
前記保持部を前記湾曲中心側に移動して、前記端末における前記凸状コーナー端縁を覆う部分が伸びた状態になるまで引っ張り、
前記基材の裏面に巻き込まれた前記端末を、固着手段によって該基材の裏面に固着するようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、巻き込み手段の保持部に保持した表皮材の端末を案内手段の案内溝に押し込むことで、案内溝によって案内されて端末が寄せられるから、該端末を基材の裏側で畳むことができる。このように、基材の凸状コーナー端縁に表皮材を巻き付けることで生じる該表皮材の余剰部分を寄せて基材の裏面で折り畳んだ状態で固着しているので、表皮材を基材の凸状コーナー端縁にしわが生じないように巻き付けることができる。また、表皮材における基材の凸状コーナー端縁への端末巻き付け作業を、巻き込み手段、案内手段および固着手段によって自動化することができ、表皮材の端末の巻き付けにかかる手間を軽減することができる。しかも、巻き込み手段の保持部と案内手段の案内溝との関係が一定になることにより、基材の裏面で表皮材の端末を畳んだ状態を安定して形成することができ、また巻き込み手段によって該端末を安定して引っ張ることができるから、凸状コーナー端縁に巻き付けた表皮材の仕上がり状態が安定し、得られる車両内装部材の品質を向上することができる。
請求項2に係る発明では、前記案内手段は、前記案内溝に対して前記保持部で保持した前記端末を押し込む前記巻き込み手段の移動に応じて、前記湾曲中心側に向けて移動するようにしたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、巻き込み手段の保持部で保持した表皮材の端末を案内手段の案内溝に押し込む際に、巻き込み手段の移動に応じて案内手段を移動させることで、表皮材の端末をより安定して畳むことができる。これにより、基材の凸状コーナー端縁に巻き付けた表皮材の仕上がりをよりきれいにすることができる。
請求項3に係る発明では、前記案内手段は、前記固着手段で前記端末を前記基材の裏面に固着する前に、前記案内溝から前記保持部で保持した前記端末が抜ける位置まで退避するようにしたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、固着手段によって表皮材の端末を基材の裏面に固着する際に、案内手段が固着手段の邪魔にならず、該端末をより確実に基材に固着することができる。
請求項4に係る発明では、前記案内溝への前記保持部による前記端末の押し込みにより該端末を案内してから、前記案内手段が前記巻き込み手段から離れた位置まで退避した後に、該巻き込み手段により該端末を前記湾曲中心側に引っ張るようにしたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、表皮材の端末を基材の裏面で寄せた状態で更に該端末を引っ張ることで、基材の凸状コーナー端縁に巻き付けた表皮材の仕上がりをよりきれいにすることができる。
請求項5に係る発明では、前記固着手段は、前記複数の保持部の間から前記基材の裏面に対して接離するよう進退移動する固着部を有し、前記端末を保持した該保持部の間から挿入して該端末を前記基材の裏面に押し付けた固着部によって、端末と基材とを溶着またはタッカー止めするようにしたことを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、保持部で表皮材の端末を保持した状態で該保持部間に挿入した固着部によって該端末を基材に溶着またはタッカー止めしているので、表皮材が弛むことを防止でき、基材の凸状コーナー端縁に巻き付けた表皮材の仕上がりをよりきれいにし、この状態を維持することができる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項6に係る発明の端末処理装置は、
車両内装部材を構成する基材の表側を覆う表皮材において該基材より延出する端末を、基材の表側から裏側に巻き込んで該基材の裏面に固着する端末処理装置であって、
前記表皮材の端末を保持する複数の保持部を有し、前記基材における外方へ凸になるように湾曲する凸状コーナー端縁の外側位置から該凸状コーナー端縁の湾曲中心側に向けて前記保持部を移動可能な巻き込み手段と、
前記巻き込み手段の移動経路上に配設されると共に、並列配置された前記複数の保持部の夫々に対応して該保持部を受け入れ可能な案内溝を有し、各保持部で保持した前記端末の案内溝への押し込みにより、該端末を基材の裏側で寄せるように案内する案内手段と、
前記巻き込み手段により前記コーナー端縁に巻き掛けて前記基材の裏面に引っ張った前記表皮材の端末を、該基材の裏面に固着する固着手段とを備えたことを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、巻き込み手段の保持部に保持した表皮材の端末を案内手段の案内溝に押し込むことで、案内溝によって案内されて端末が寄せられるから、該端末を基材の裏側で畳むことができる。このように、基材の凸状コーナー端縁に表皮材を巻き付けることで生じる該表皮材の余剰部分を寄せて基材の裏面で折り畳んだ状態で固着しているので、表皮材を基材の凸状コーナー端縁にしわが生じないように巻き付けることができる。また、表皮材における基材の凸状コーナー端縁への端末巻き付け作業を、巻き込み手段、案内手段および固着手段によって自動化することができ、表皮材の端末の巻き付けにかかる手間を軽減することができる。しかも、巻き込み手段の保持部と案内手段の案内溝との関係が一定になることにより、基材の裏面で表皮材の端末を畳んだ状態を安定して形成することができ、また巻き込み手段によって該端末を安定して引っ張ることができるから、凸状コーナー端縁に巻き付けた表皮材の仕上がり状態が安定し、得られる車両内装部材の品質を向上することができる。
本発明に係る車両内装部材の製造方法および端末処理装置によれば、表皮材の端末を基材のコーナー端縁に仕上がりよく巻き込んだ車両内装部材を簡単に得ることができる。
本発明の好適な実施例に係る車両内装部材を示す背面図である。 (a)は本発明の好適な実施例に係る端末処理装置を示す平面図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。 実施例の一般端末処理部を説明する側断面図である。 実施例のコーナー端末処理の各工程を説明する平面図であり、(a)はコーナー端末を巻き込み前の状況であり、(b)は保持部でコーナー端末を案内溝に押し込み開始した状況であり、(c)は保持部を前進させると共に案内手段を前進させた状況を示し、(d)は案内手段を退避位置に退避させると共に保持部を更に前進させた状況を示し、(e)は保持部を停止して、固着ヘッドを下降させる状況を示し、(f)は固着ヘッドでコーナー端末を基材の裏面に押し付けて溶着している状況を示し、(g)はコーナー端末を基材の裏面に巻き込んだ状況を示す。 実施例のコーナー端末処理の各工程を説明する側断面図であり、(a)はコーナー端末を巻き込み前の状況であり、(b)は保持部でコーナー端末を案内溝に押し込んだ状況であり、(c)は保持部を前進させると共に案内手段を前進させた状況を示し、(d)は案内手段を退避位置に退避させると共に保持部を更に前進させた状況を示し、(e)は保持部を停止して、固着ヘッドを下降させる状況を示し、(f)は固着ヘッドでコーナー端末を基材の裏面に押し付けて溶着している状況を示し、(g)はコーナー端末を基材の裏面に巻き込んだ状況を示す。 変更例に係るコーナー端末処理を説明する断面図であって、タッカーにより基材へ針を打ち込んで、コーナー端末を基材にタッカー止めしている状況を示す。
次に、本発明に係る車両内装部材の製造方法および端末処理装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、実施例に係る車両内装部材10は、板状の基材12と、この基材12の表側を覆う表皮材16とから構成され、基材12の表面12aに表皮材16が接着剤等によって接合されている。車両内装部材10は、基材12よりも表皮材16を一回り大きく形成して、基材12の端縁13,14から外方へ延出するように余した表皮材16の端末17,18を、端末処理装置によって基材12の裏面12bに巻き込んで該裏面12bに溶着などで固着している。これにより、車両内装部材10では、表皮材16を基材12から剥離し難くすると共に、基材12の端縁13,14を表皮材16で覆って見栄えを向上させている。
前記基材12は、車両内装部材10の形状を形作ると共に該車両内装部材10の剛性を担保する硬質な板状部材であって、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂からインジェクション成形などによって所要形状に成形される。基材12は、直線またはゆるく湾曲する端縁(一般端縁13という)と、互いに交差する方向に延在する2つの一般端縁13,13を繋ぎ、外方へ凸となるように一般端縁よりも大きな曲率(一般端末13よりも小さい曲率半径)で湾曲する凸状コーナー端縁14とによって、その外形が多辺形状に形成されている。また、基材12は、表皮材16が接合される表面12aが平坦に形成される一方で、該基材12の裏面12bに、車両内装部材10を車体等に取り付けるための取付部などの各種造作物(何れも図示せず)が、前記端縁13,14から離した位置に形成されている。
前記表皮材16は、車両内装部材10の車室側に臨む表面(意匠面)を形成する部材であって、例えば本革の風合いを出すために、弾力性を有していたり、シボ加工や擬似ステッチなどが表側に形成されることがある。実施例の表皮材16は、該表皮材16の表面を構成する柔軟な表層部と、この表層部の裏側に設けられ、弾力性を有する発泡体等からなる裏層部とを有する多層構造であり、全体として可撓性および伸縮性を有している。表層部は、ポリウレタン、オレフィン系(TPO)、塩化ビニル系またはスチレン系のエラストマー、あるいは、ポリウレタンや塩化ビニル系の合成皮革などを用いることができる。裏層部をなす発泡体としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系材料からなるフォーム、あるいはスチレンフォームなどを用いることができる。なお、裏層部としては、不織布や織物なども用いることができる。表皮材16は、表層部上で裏層部をなす発泡体を発泡成形することで接合したり、接着剤やフレームラミネーション等で接合したりすること等によって、表層部と裏層部とが一体化される。表皮材16としては、ポリウレタン合成皮革からなる表層部に、ポリウレタンフォームからなる裏層部を積層したものが、伸縮性および弾力性に優れているので好ましい。
図2(a)に示すように、実施例に係る端末処理装置は、表皮材16および基材12を重ね合わせた状態で保持する設置台20と、表皮材16において基材12の一般端縁13より外方へ延出する端末(一般端末17という)を該一般端縁13に巻き込む一般処理部22と、表皮材16において基材12の凸状コーナー端縁14より外方へ延出する端末(コーナー端末18という)を該凸状コーナー端縁14に巻き込むコーナー処理部30とを備えている。端末処理装置は、基材12の各辺(各一般端縁13)に対応して少なくとも1基の一般処理部22を設けると共に、各コーナー端縁14に対応して1基のコーナー処理部30を設けている。なお、基材12における短手の一般端縁13に対応して1基の一般処理部22が配設され、基材12における長手の一般端縁13に対応して複数基(実施例では2基)の一般処理部22が配設されている。
前記設置台20は、基材12の表面12aに重ね合わせて接合した表皮材16と基材12とを保持する台状の受け治具であり、基材12の裏面12bを露出させた姿勢で位置規制するようになっている(図5参照)。設置台20は、基材12の外形全体(実施例)または一部範囲と相似させて、該基材12の外形より表皮材16の厚み(表皮厚)分程度大きい開口形状で凹状に形成された設置凹部21を有し、この設置凹部21に表皮材16および基材12の順に収容される。設置凹部21は、基材12と表皮材16とを重ね合わせた車両内装部材10の厚みと略同一深さで凹設され、設置凹部21に収容した基材12の裏面12bと設置台20における該設置凹部21の周囲とが略同一面上に揃うようになっている。そして、設置台20は、表側に表皮材16を重ね合わせた基材12を設置凹部21に収容した際に、基材12の端縁13,14から外方へ延出する表皮材16の端末17,18を、設置凹部21の周壁によって該端縁13,14に沿って折り曲げて基材12の裏側に向けて立ち上がるように支持している。
図2(a)および図3に示すように、前記一般処理部22は、平板状の巻き込み体24と、この巻き込み体24を往復移動するシリンダ等のアクチュエータからなる一般駆動部26とを有している。一般処理部22は、対応の一般端末13より外方へ延出する表皮材16の一般端末17を巻き込み体24で押して、該一般端縁13を支点として基材12の裏面12bに巻き込むよう構成される。巻き込み体24は、表皮材16の一般端末17を押す当接縁24aが、基材12における対応の一般端縁13の延在形状に合わせて形成されると共に、その板面が基材12の裏面12bと並行するように配置されている。巻き込み体24は、一般駆動部26の駆動により、その全体が設置凹部21の外側(設置凹部21に設置された基材12の対応する一般端縁13の外側)に退避した後退位置と、設置凹部21の開口内側(設置凹部21に設置された基材12の裏面12b)に重なる前進位置との間でスライド移動するよう構成される。巻き込み体24は、基材12の裏面12bから表皮厚程度離間する高さ位置を、基材12の裏面12bに沿って平行に移動し、前記前進位置において、設置凹部21に設置された基材12の裏面12bと相対して、該基材12の裏面12bとの間に一般端末13を挟み込むようになっている。また、巻き込み体24には、当接縁24a側に偏倚した位置に厚み方向に貫通して複数の固着口25が設けられており、この固着口25を介して接合手段の接合部28を差し込み可能になっている(図3参照)。なお、巻き込み体24には、複数の固着口25が当接縁24aに沿って並ぶように配置されている。接合手段は、ロボットハンド等の移動機構によって接合部28を三次元的に移動し得るように構成されている。実施例では、接合部28で発生させた微細な超音波振動による超音波溶着によって、前進位置にある巻き込み体24で押さえた一般端末17を基材12の裏面12bに固着している。
図2,図4および図5に示すように、前記コーナー処理部30は、表皮材16において前記凸状コーナー端縁14を被覆するコーナー端末18を保持する保持部34を有する巻き込み手段32と、保持部34で保持されたコーナー端末18を寄せるように案内する案内手段36と、基材12の裏面12bに巻き込まれたコーナー端末18を基材12の裏面12bに固着する固着手段40とを備えている。コーナー処理部30は、コーナー端末18を巻き込み手段32で保持して基材12の裏側に折り返すように引っ張り、この際に巻き込み手段32で保持したコーナー端末18を案内手段36の案内溝38に押し込むことで、コーナー端末18を波状に寄せるように案内している。そして、コーナー処理部30は、波状に寄せられたコーナー端末18を基材12の裏側で折り畳んだ状態になるように、固着手段40の固着部44で押さえ付けて固着するよう構成される。
図2(b)に示すように、前記巻き込み手段32は、シリンダ等のアクチュエータからなる巻き込み駆動部35によって進退移動されるブロック状の巻き込み本体33と、この巻き込み本体33から突出して、櫛歯状に並列配置された複数の保持部34とを有している。巻き込み本体33は、巻き込み駆動部35によって、基材12の凸状コーナー端縁14の外側位置と、該外側位置から凸状コーナー端縁14の湾曲中心側(巻き込み方向という)に移動した巻き込み位置との間で、基材12の裏面12bに沿って往復移動するよう構成される。ここで、巻き込み本体33は、凸状コーナー端縁14の中央部および該凸状コーナー端縁14の湾曲中心を結んだライン(巻き込みライン)に沿う直線的な移動経路で、基材12の裏面12bと平行に移動するようになっている。また、巻き込み手段32は、前記外側位置で全ての保持部34の先端が設置凹部21の外側に退避して、設置凹部21の開口縁から立ち上がるコーナー端末18に該保持部34の先端が相対するようになっている。巻き込み手段32は、前記外側位置から巻き込み方向前側に移動することで、保持部34が設置凹部21の開口内側に重なり、該設置凹部21に設置された基材12の裏面12bに重なる。このように、実施例の巻き込み手段32は、巻き込み本体33の移動につれて該巻き込み本体33に配設された保持部34が巻き込み方向前後に移動するよう構成されている。巻き込み手段32は、コーナー端末18におけるコーナー端縁14からの延出寸法よりも、巻き込み位置において保持部34の先端がコーナー端縁14から離れた位置まで移動するように構成され、巻き込み手段32によってコーナー端末18を引っ張って伸張させ得るようになっている。ここで、外側位置から巻き込み位置へ巻き込み方向前側に向かう巻き込み手段32(保持部34)の移動を前進といい、巻き込み位置から外側位置へ巻き込み方向後側に向かう巻き込み手段32(保持部34)の移動を後退という。
図2(b)に示すように、複数の保持部34は、巻き込み本体33の前記巻き込み方向前側に向く面から突出するように設けられ、前記巻き込みラインに沿って直線的に延在している。また、複数の保持部34は、凸状コーナー端縁14の中央部を通る接線方向(巻き込みラインに直交して基材12の裏面に沿う方向)に互いに間隔をあけて櫛歯状に並列配置されており、実施例では5本の保持部34が一定間隔で並んでいる。ここで、隣り合う保持部34の間隔は、表皮厚以上になるよう設定されており、実施例では表皮厚の2倍程度に設定されている。実施例の巻き込み手段32は、複数の保持部34のうちで中央にある保持部34が前記巻き込みライン上に位置すると共に、この中央の保持部34を挟んで他の保持部が対称な位置関係で配置されている。
実施例では、各保持部34が棒状体で構成されており、コーナー端末18を保持する先端が尖った形状になっている。すなわち、実施例の巻き込み手段32は、コーナー端末18に保持部34における尖った先端を食い込ませて引っ掛けることで、保持部34の前進に際して外れないようにコーナー端末18を保持している。図2(b)に示すように、複数の保持部34は、中央の保持部34を除く両側の保持部34の先端が、凸状コーナー端縁14の延在ラインに合わせて位置するように形成され、最も外側の保持部と比べてその内側に隣り合う保持部の先端が、巻き込み方向後側に位置している。複数の保持部34のうちで中央にある保持部34は、他の保持部34よりも先端が巻き込み方向前側に位置しており、巻き込み手段32はコーナー端末18の中央部を優先して引っ張り得るようになっている。各保持部34は、巻き込み本体33から突出寸法がコーナー端末18におけるコーナー端縁14からの延出寸法よりも長くなるように設定されている。すなわち、巻き込み手段32は、巻き込み位置において保持部34が基材12の裏面12bに重なる一方で、巻き込み本体33が基材12の裏面12bに重ならないように構成される。
図4および図5に示すように、前記案内手段36は、シリンダ等のアクチュエータを有する案内駆動部(図示せず)によって進退移動されるブロック状体であり、複数の保持部34に対応する数だけ設けられた複数の案内溝38を有している。案内手段36は、巻き込み手段32の前記巻き込み方向前側に該巻き込み手段32と対向するように配置され、巻き込み手段32の前進移動経路上に位置し得るようになっている。案内手段36は、巻き込み手段32と協働して、コーナー端末18を巻き込み方向と交差すると共に基材12の裏面12bに沿う方向(凸状コーナー端縁14の中央部を通る接線方向)へ寄せるように案内すると共に、固着手段40による固着に際して邪魔にならないように移動するようになっている。案内手段36は、凸状コーナー端縁14に近接する受け位置と、この受け位置から前記巻き込み方向前側に移動して前記巻き込み位置まで到来した巻き込み手段32より外れるように退避可能な退避位置との間で、基材12の裏面12bに沿って往復移動するよう構成される。案内手段36は、前記巻き込みラインに沿う直線的な移動経路で、基材12の裏面12bと平行に移動するようになっている。なお、実施例の案内手段36は、基材12の裏面12bに載置されている。ここで、受け位置から退避位置へ巻き込み方向前側に向かう案内手段36の移動を前進といい、退避位置から受け位置へ巻き込み方向後側に向かう案内手段36の移動を後退という。案内手段36は、巻き込み手段32に対向する受け面36aが、基材12の凸状コーナー端縁14に合わせて延在するように外側へ向けた凸形状で形成されており、前記受け位置において凸状コーナー端縁14の内側に沿って受け面36aが配置される。なお、案内手段36は、設置台20への基材12の設置時には設置凹部21の開口内側から外れた位置に退避可能になっている。
前記案内手段36は、巻き込み手段32の外側位置から巻き込み位置までの移動に応じて、適宜タイミングで移動または移動停止するよう制御される。例えば、コーナー処理部30は、巻き込み手段32(保持部34)の前進時に、案内手段36を停止または該巻き込み手段32より遅い速度で前進するよう制御することで、保持部34(保持部34で保持したコーナー端末18)を案内溝38に挿入することができる。また、コーナー処理部30は、巻き込み手段32(保持部34)の前進と同じ速度で案内手段36を前進するよう制御することで、保持部34と案内溝38との相対的な位置関係を変化させないように前進させることができる。更に、コーナー処理部30は、巻き込み手段32を停止したり、巻き込み手段32(保持部34)の前進よりも早い速度で案内手段36を前進させるよう制御することで、巻き込み手段32から案内手段36を離して、例えば保持部34(保持手段34で保持したコーナー端末18)を案内溝38から抜き出すことができる。
図2(b)に示すように、前記案内手段36には、複数の案内溝38が、凸状コーナー端縁14の中央部を通る接線方向(巻き込みラインに直交して基材12の裏面12bに沿う方向)に互いに間隔をあけて並列して形成されている。実施例の案内手段36には、5本の保持部34に対応して5条の案内溝38が一定間隔で並んでいる。各案内溝38は、案内手段36の受け面36aに開口すると共に基材12の裏面12bに臨む下面が開口するスリット状に形成されて、巻き込み方向(対応する保持部34の外側位置から巻き込み位置に向けた移動方向)に延在するよう開設されている。すなわち、各案内溝38は、対応する保持部34の先端に受け面36aに開設された受入開口が臨み、巻き込み手段32(保持部34)の前進に伴って保持部34を受け入れ可能になっている。各案内溝38は、その溝幅が保持部34の太さ(巻き込みラインと直交すると共に基材12の裏面12bに沿う方向)と表皮厚とを足し合わせた寸法以上に設定されて、保持部34で保持されたコーナー端末18を受け入れ可能に構成される。そして、案内手段36は、前記コーナー端末18において保持部34に保持されて案内溝38に挿入される保持部位と受け面36aに移動規制される非保持部位とで巻き込み方向前後に差を生じさせることで、コーナー端末18を寄せて波状になるように案内している。すなわち、案内手段36は、コーナー端末18を基材12の裏面12bで折り畳むためのきっかけを形成するようになっている。ここで、案内溝38の深さ(受け面36aから巻き込み方向の延在寸法)は、保持部34で保持したコーナー端末18を受け入れて前記きっかけを形成し得る寸法であれば特に限定されない。
前記巻き込み手段32は、複数の保持部34の先端位置を調節することで、コーナー端末18を引っ張り開始のタイミングおよび引っ張り力を凸状コーナー端縁14の延在方向で変化させることができる。例えば巻き込み手段32は、先端を結んだラインが凸状コーナー端縁14の延在ラインに合致するように複数の保持部34の先端位置を設定することで、複数の保持部34がコーナー端末18に略同じタイミングで引っ張ることができる。保持部34は、隣り合う保持部34の先端よりも凸状コーナー端縁14の延在ラインより内側に位置するように先端位置を設定することで、隣り合う保持部34による保持部位よりもコーナー端末18の保持部位を先行させるように引っ張ることができる。また、コーナー処理部30は、巻き込み方向における保持部34の先端位置と、案内溝38における受入開口の前後位置によって、各保持部34が案内手段36の対応する案内溝38に挿入されるタイミングを調節することができる。実施例では、複数の保持部34のうちで凸状コーナー端縁の延在方向中央部を通る保持部34は、コーナー端末18を保持する先端が他の保持部34よりも湾曲中心側に位置するよう構成されている。
図4および図5に示すように、前記固着手段40は、シリンダ等のアクチュエータを有する固着駆動部(図示せず)によって基材12の裏面12bに対して接離するよう進退移動される固着ヘッド42を有している。固着ヘッド42は、基材12の厚み方向に延びる櫛歯状の固着部44を複数有し、複数の固着部44は、凸状コーナー端縁14の中央部を通る接線方向(巻き込みラインに直交して基材12の裏面12bに沿う方向)に互いに間隔をあけて並列配置されている。各固着部44は、基材12の厚み方向に延在すると共に、巻き込み手段32の保持部34の延在方向(巻き込み方向)に板面が延在する板状に形成されており、隣り合う保持部34,34の間隔よりも厚み(固着部厚)が小さく設定されている。すなわち、固着ヘッド42は、固着部44を隣り合う保持部34の間に挿入可能に構成されている。実施例の固着ヘッド42は、隣り合う保持部34,34の間に対応した固着部44だけでなく、最も外側に位置する保持部34の外側に対応する固着部44を有し、5本の保持部34に合わせて板面が平行する6個の固着部44を備えている(図4(f)参照)。固着ヘッド42は、巻き込み位置にある巻き込み手段32の保持部34,34間を通して該保持部34で保持しているコーナー端末18を固着部44によって基材12の裏面12bに押し付ける固着位置と、基材12の裏面12bから遠ざけて、巻き込み手段32および案内手段36の移動経路から外した待機位置との間で移動するよう構成される。ここで、実施例の固着手段40は、前記固着位置において、加熱した固着部の夫々をコーナー端末18に押し付けて該コーナー端末18および基材12を熱溶着するようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、実施例の作用について説明する。前述した端末処理装置を用いて基材12に表皮材16を巻き付けて車両内装部材10を製造する場合は、表皮材16および基材12を設置台20の設置凹部21にまず設置する。ここで、表面12aに表皮材16を接着剤等により貼り付けた基材12を、該基材12の裏面12bが外側に臨むように設置凹部21に設置しても、表皮材16を設置凹部21に設置した後に、表皮材16の裏面または/および基材12の表面12aに接着剤等を塗布して、基材12を表皮材16の裏面に重ね合わせて設置凹部21に設置してもよい。このように、基材12と表皮材16とを設置凹部21に設置する前に予め接合しても、基材12と表皮材16とを設置凹部21で接合しても、何れであってもよい。表皮材16および基材12を設置凹部21に設置することで、基材12の外形に合わせて開口するよう形成された設置凹部21の周壁によって、基材12の端縁13,14から延出する表皮材16の端末17,18が基材12の裏側に向けて立てた状態になるように屈曲されてこの状態で保持される。
端末の巻き込み処理は、一般処理部22によって一般端末17から行われる。図3に示すように、一般処理部22の夫々において、一般駆動部26の駆動により後退位置に退避している巻き込み体24を前進位置に向けて前進することで、一般端末17を巻き込み体24の当接縁24aで押して基材12の裏面12bに折り返す。巻き込み体24を更に前進することで、一般端末17を基材12の裏面12bと巻き込み体24との間に挟んで押し撫でることになり、巻き込み体24の前進につれて一般端末17を引っ張ることができる。そして、巻き込み体24が前進位置に到達すると、一般駆動部26を駆動停止し、接合手段の接合部28を巻き込み体24の固着口25から挿入し、固着口25に臨む一般端末17に接合部28を押し当てて超音波溶着を行うことで、一般端末17と基材12とを固着する。超音波溶着を固着口25の夫々を介して行うことで、巻き込み体24で一般端末17を引っ張った状態で保持したまま、一般端末17の延出端側が一般端縁13に沿った複数箇所で固着し得る。このように、巻き込み体24によって一般端末17を引っ張りつつ押さえ付けた状態で固着するので、一般端縁13にしわが生じないように張った状態で一般端末17を巻き付けることができ、基材12の裏側において一般端末17の浮き上がりを防止することができる。
次に、各コーナー処理部30によってコーナー端末18の巻き込み処理が夫々行われる。外側位置に退避している巻き込み本体33を巻き込み駆動部35によって巻き込み位置に向けて移動すると(図4(a)および図5(a)参照)、凸状コーナー端縁14に立ち上がっているコーナー端末18に保持部34の先端が引っ掛かる。この際に、案内手段36が受け位置にあってコーナー端末18を受け面36aで内側から支持しているので、保持部34の夫々で適切に保持させることができる。保持部34が更に前進すると、コーナー端末18において保持部34で保持された5箇所の保持部位が案内溝38に夫々押し込まれる一方で、コーナー端末18において隣り合う保持部34,34間の4箇所の非保持部位が受け面36aに移動規制される(図4(b)および図5(b)参照)。そして、保持部位と非保持部位との間で生じる前後位置の差によって、コーナー端末18が凸状コーナー端縁14の中央部を通る接線方向に手繰り寄せられて波状に変形するように案内される。保持部34の前進に応じて案内手段36を前進することで、コーナー端末18において保持部34で保持された保持部位を案内溝38に夫々押し込んだ状態を保ったまま、または更に押し込みつつ全体的に前進させて、案内溝38の案内によって波状に変形されたコーナー端末18の変形状態を維持または更に変形させつつ、コーナー端末18を基材12の裏側に折り返すように引っ張る(図4(c)および図5(c)参照)。これにより、案内溝38の案内によってきっかけが作られたコーナー端末18の変形状態がある程度規定される。
前記案内手段36の前進速度を保持部34の前進速度よりも速くして、案内溝38からコーナー端末18の保持部位を外して、案内手段36を保持部34と干渉しない退避位置まで移動する(図4(d)および図5(d)参照)。案内溝38からコーナー端末18の保持部位を外した状態で保持部34を更に前進して、変形状態にあるコーナー端末18を基材12の裏側に折り返すように更に引っ張って、表皮材16における凸状コーナー端縁14を被覆する部分(端縁被覆部分という)を更に伸ばす。巻き込み駆動部35を駆動停止して、保持部34でコーナー端末18を引っ張った状態を保ったまま停止し、固着手段40の固着ヘッド42を基材12の裏面12bに向けて近接させるように移動する(図4(e)および図5(e)参照)。固着ヘッド42の近接移動に伴って、該固着ヘッド42の固着部44が隣り合う保持部34,34の間および最も外側の保持部34の外側を通って、該保持部34で保持されたコーナー端末18を基材12の裏面12bに押し付ける(図4(f)および図5(f)参照)。ここで、コーナー端末18において保持部34,34間の非保持部位に形成された波状の変形部分が固着部44によって押し潰されて基材12の裏面12bに沿わせて折り畳んだ状態となる。そして、固着部によって、コーナー端末18と基材12とを熱溶着することで、コーナー端末が基材の裏側で折り畳まれた状態で固着される(図4(g)および図5(g)参照)。固着部44によるコーナー端末18の押し付けに伴って保持部34からコーナー端末18が外れるように設定されているが、固着部44によってコーナー端末18を基材12の裏面12bに押し付けると共に溶着しているので、基材12の裏面12bに折り返したコーナー端末18を張った状態のまま弛みなく固着することができる。
前述したコーナー端末18の巻き込み処理によれば、巻き込み手段32の保持部34に保持した表皮材16のコーナー端末18を案内手段36の案内溝38に押し込むことで、案内溝38によって案内されてコーナー端末18が寄せられるから、コーナー端末18を基材12の裏側で畳むことができる。すなわち、湾曲する凸状コーナー端縁14に沿ってコーナー端末18を巻き掛けることによって生じるコーナー端末18の余剰部分を、ひだを作るように手繰り寄せて折り畳む作業を、巻き込み手段32と案内手段36との協働によって機械的に行うことができる。そして、基材12の凸状コーナー端縁14に表皮材16のコーナー端末18を巻き付けることで生じる該コーナー端末18の余剰部分を寄せて基材12の裏面で折り畳んだ状態で固着しているので、表皮材16を凸状コーナー端縁14にしわが生じないように巻き付けることができる。しかも、コーナー端末18を凸状コーナー端縁14にしわなく巻き付けるために、該コーナー端末18にスリット等を形成する必要がない。また、コーナー端末18の凸状コーナー端縁14への巻き付けの一連の工程を、巻き込み手段32、案内手段36および固着手段40によって自動化することができ、コーナー端末18巻き付けにかかる手間を軽減することができる。従って、車両内装部材10の製造効率を飛躍的に向上させることができる。
前述したコーナー端末18の巻き込み処理によれば、巻き込み手段32の保持部34と案内手段36の案内溝38との関係が一定になることから、コーナー端末18を常に同じように寄せることができ、基材12の裏面12bでコーナー端末18を畳んだ状態を安定して形成することができる。また、巻き込み手段32によってコーナー端末18を設定した力で安定して引っ張ることができるから、凸状コーナー端縁14に巻き付けた表皮材16の仕上がり状態が安定し、得られる車両内装部材10の品質を向上することができる。しかも、巻き込み手段32によれば、手作業ではかけることが困難な力でコーナー端末18を継続的に引っ張ることができるから、表皮材16の端末被覆部分を適切に伸ばして、該端末被覆部分でのしわの発生をより好適に防止することができる。
前記巻き込み手段32の保持部34で保持したコーナー端末18を案内手段36の案内溝38に押し込む際に、保持部34の移動に応じて案内手段36を移動させることで、コーナー端末18をより安定して畳むことができる。すなわち、保持部34の保持部位が案内溝38に押し込まれることで波状に寄せられるコーナー端末18の変形状態が崩れないように維持しつつ、コーナー端末18を凸状コーナー端縁14で折り返すように内側に引っ張ることができ、コーナー端末18の変形状態を適切に保つことができる。これにより、基材12の凸状コーナー端縁14に巻き付けた表皮材16の仕上がりをよりきれいにすることができる。しかも、案内手段36の案内溝38の案内よってコーナー端末18を波状に変形するよう案内した後に、コーナー端末18を案内溝38から外した状態で更に引っ張ることで、波状に寄せられて癖付けされたコーナー端末18の変形状態に従って前記端末被覆部分が凸状コーナー端縁14の延在方向に寄せられつつ内側に伸ばされることになり、凸状コーナー端縁14に巻き付けた表皮材16の仕上がりをよりきれいにすることができる。
前記固着手段40によってコーナー端末18を基材12に固着する前に、案内手段36が保持部34および巻き込み本体33から離れた退避位置に退避させているので、コーナー端末18が案内溝38から抜け出て全体的に外方に露出させることができる。また、案内手段36が、基材12の裏面12bに近接移動してくる固着ヘッド42の邪魔にならず、案内手段36と固着ヘッド42との干渉を防止することができる。従って、コーナー端末18をより確実に基材12に固着することができる。しかも、保持部34でコーナー端末18を保持した状態で該保持部34,34間に挿入した固着部44で押し付けて該コーナー端末18を基材12に溶着しているので、コーナー端末18が弛むことを防止でき、基材12の凸状コーナー端縁14に巻き付けた表皮材16の仕上がりをよりきれいにし、この状態を維持することができる。
前記凸状コーナー端縁14の延在方向中央部を通る中央の保持部34を、他の保持部34よりも先端が湾曲中心側に位置させているので、コーナー端末18の中央部を優先して引っ張り、コーナー端末18をバランスよく引っ張ることができる。また、複数の保持部34は、凸状コーナー端縁14の延在方向中央部を通って該凸状コーナー端縁14の湾曲中心側に向かうラインに沿って移動して、コーナー端末18を凸状コーナー端縁14で基材12の裏側に折り返すように引っ張るので、コーナー端末18をバランスよく引っ張ることができる。これによって、基材12の凸状コーナー端縁14に巻き付けた表皮材16の仕上がりをよりきれいにすることができる。
(変更例)
前述した実施例の構成に限定されず、例えば以下のようにも変更可能である。
(1)保持部は、表皮材の端末を保持して引っ張ることができる構成であれば、実施例の構成に限定されず、保持部の先端に表皮材の端末を把持する把持手段を設けたりするなど、適宜の構成を採用し得る。また、保持部の形状は、棒状体に限られず、板状であってもよい。
(2)複数の保持部は、全てが巻き込み方向に延在する構成に限られず、凸状コーナー端縁の形状やコーナー端末に合わせて適宜調節される。例えば、保持部を、凸状コーナー端縁に重なるときに該重なり部位を通る接線と直交する向きに延在するよう構成などでもよい。なお、案内溝は、対応する保持部の延在向きおよびその移動方向に合わせて形成される。
(3)実施例では、巻き込み本体を移動することで保持部を変位させたが、複数の保持部自体が一体的または独立して移動する構成であってもよい。
(4)保持部の移動方向は、凸状コーナー端縁の中央部から該凸状コーナー端縁の湾曲中心に向かうラインに沿う方向に限られず、凸状コーナー端縁の内側に位置する湾曲中心側に向かう方向であれば、凸状コーナー端縁の形状やコーナー端末に合わせて適宜調節することができる。
(5)表皮材の端末を基材に固着する方法としては、超音波溶着や熱溶着に限られず、基材または/および表皮材に予め付与した接着剤によって固着手段による押し付けにより接合したり、固着手段としてのタッカーによって針で止めるなどを採用し得る。図6に示すように、固着手段としてのタッカー40は、隣り合う保持部34,34の間から基材12の裏面に対して接離するよう進退移動可能な固着部42を有している。コーナー端末18を保持した保持部34,34の間から挿入して該コーナー端末18を基材12の裏面に押し付けた固着部42によって、表皮材16のコーナー端末18を介して基材12に針42を打ち込み、コーナー端末18と基材12とをタッカー止めするようになっている。これにより、針42における2つの針部50a,50aを接続する頭部50bによりコーナー端末18が挟み込まれ、該コーナー端末18が基材12の裏面12bにタッカー止めされる。この際、巻き込み手段32で基材12の裏面に沿うよう折り返されて保持部34で保持されたコーナー端末18を、基材12にタッカー止めするので、コーナー端末18が弛むことを防止でき、基材12の凸状コーナー端縁14に巻き付けた表皮材16の仕上がりをきれいにし、この状態を維持することができる。ここで、針42は、前記頭部42bが互いに平行となる向きで基材12へ打込んだり、該頭部42bが互いに交差する向きで基材12へ打込んだりしてもよい。なお、針の形状は略コ字型に限られず、例えば、鋲のような形状であってもよい。
(6)実施例では、表層部と裏層部とを有する積層構造の表皮材を例に挙げて説明したが、裏層部のない表皮材であってもよい。また実施例では、表皮材の端末における凸状コーナー端縁を覆う部分を伸長させたが、該端末の凸状コーナー端縁を覆う部分をしわがないよう張った状態とすればよい。すなわち、本発明における「伸びた状態」とは、しわがないよう張った状態も含んでいる。
(7)実施例では、端末にスリットのない表皮材を用いたが、一般端末やコーナー端末と一般端末との境界などの、巻き込みに際して端末の引っ張りに影響がない部位にスリットを設けた表皮材を用いてもよい。なお、スリットは、表皮材の端末において基材の裏面に巻き込まれる寸法より小さく設定される。
12 基材,12a 表面,12b 裏面,14 凸状コーナー端縁,16 表皮材,
18 コーナー端末(端末),32 巻き込み手段,34 保持部,36 案内手段,
38 案内溝,40 固着手段,44 固着部

Claims (6)

  1. 基材の表面を表皮材で覆うと共に、基材の表側から裏側に巻き込んだ該表皮材の端末を該基材の裏面に固着して得られる車両内装部材の製造方法であって、
    巻き込み手段における櫛歯状に並列配置された複数の保持部によって、前記表皮材の端末を保持し、
    前記保持部を前記基材の裏面に沿って移動することで、基材における外方へ凸になるように湾曲する凸状コーナー端縁の外側から該凸状コーナー端縁の湾曲中心側に向けて前記表皮材の端末を引っ張り、
    案内手段に設けられた案内溝に各保持部で保持した前記端末を押し込んで、該端末を基材の裏側で寄せるように案内し、
    前記保持部を前記湾曲中心側に移動して、前記端末における前記凸状コーナー端縁を覆う部分が伸びた状態になるまで引っ張り、
    前記基材の裏面に巻き込まれた前記端末を、固着手段によって該基材の裏面に固着するようにした
    ことを特徴とする車両内装部材の製造方法。
  2. 前記案内手段は、前記案内溝に対して前記保持部で保持した前記端末を押し込む前記巻き込み手段の移動に応じて、前記湾曲中心側に向けて移動するようにした請求項1記載の車両内装部材の製造方法。
  3. 前記案内手段は、前記固着手段で前記端末を前記基材の裏面に固着する前に、前記案内溝から前記保持部で保持した前記端末が抜ける位置まで退避するようにした請求項1または2記載の車両内装部材の製造方法。
  4. 前記案内溝への前記保持部による前記端末の押し込みにより該端末を案内してから、前記案内手段が前記巻き込み手段から離れた位置まで退避した後に、該巻き込み手段により該端末を前記湾曲中心側に引っ張るようにした請求項1〜3の何れか一項に記載の車両内装部材の製造方法。
  5. 前記固着手段は、前記複数の保持部の間から前記基材の裏面に対して接離するよう進退移動する固着部を有し、前記端末を保持した該保持部の間から挿入して該端末を前記基材の裏面に押し付けた固着部によって、端末と基材とを溶着またはタッカー止めするようにした請求項1〜4の何れか一項に記載の車両内装部材の製造方法。
  6. 車両内装部材を構成する基材の表側を覆う表皮材において該基材より延出する端末を、基材の表側から裏側に巻き込んで該基材の裏面に固着する端末処理装置であって、
    前記表皮材の端末を保持する複数の保持部を有し、前記基材における外方へ凸になるように湾曲する凸状コーナー端縁の外側位置から該凸状コーナー端縁の湾曲中心側に向けて前記保持部を移動可能な巻き込み手段と、
    前記巻き込み手段の移動経路上に配設されると共に、並列配置された前記複数の保持部の夫々に対応して該保持部を受け入れ可能な案内溝を有し、各保持部で保持した前記端末の案内溝への押し込みにより、該端末を基材の裏側で寄せるように案内する案内手段と、
    前記巻き込み手段により前記コーナー端縁に巻き掛けて前記基材の裏面に引っ張った前記表皮材の端末を、該基材の裏面に固着する固着手段とを備えた
    ことを特徴とする端末処理装置。
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