JP6370067B2 - 摩擦防融性を有する芯鞘複合繊維及び同繊維を使用した織編物 - Google Patents

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本発明は、体育館などの床面と激しく摩擦したときに発生する熱量を芯部の結晶性α−オレフィン及び共重合ポリオレフィンが素早く吸収して、鞘部の溶融による穴あきを抑制する摩擦防融性を有する芯鞘複合繊維に関するものである。
ポリエステル繊維やナイロン繊維などの合成繊維のみから構成された織編物が、特にスポーツ用衣料などの被服として使用されたとき、体育館などの床面と激しく摩擦した際に発生する摩擦熱により、合成繊維表面に溶融穴が生じ、着用者の皮膚が裂傷するなどの問題がある。このような問題は、近年の木の床面をもつ屋内運動場や人工芝の球技場などの増加により特に増大している。
そこで上記のような合成繊維の問題を改良するために、合成繊維に木綿を交撚、交織または交編などにより混合して織編物の溶融穴を防止する方法がある。この方法では、繊維表面に摩擦熱が生じても木綿が溶融せずに残るため、溶融穴の発生を防止できるが、合成繊維側の溶融は抑制できずに、織編物表面に合成繊維の溶融跡が生じてしまう。また、体育館などの屋内運動場における激しい運動の際や夏期の高温多湿時には多量の汗が生じ、肌側が濡れてべとついたり、生地が体にまとわりついたりして不快感が生じやすい。さらに、合成繊維と木綿とは染色性が大きく異なるため、生地を均一に染色することが困難となり、加工賃が高くなるという問題がある。
また、特許文献1には、合成繊維製の織編物に対し各種の耐摩擦溶融加工を施す手法が記載されている。その一般的な例としては、シリコンを主成分とする仕上げ剤を合成繊維製の織編物に付与して同織編物表面の平滑性を向上させ、床面などとの摩擦抵抗を低減させる表面処理を施している。しかしながら、繰り返し洗濯することにより表面処理加工が落ち、平滑性が低下するという問題がある。
特許文献2には、鞘部に200℃以上の重合体、芯部にメタロセン系触媒を用いて重合された共重合ポリエチレンを用いた芯鞘型複合繊維を使った織編物が記載されている。床面などとの摩擦で発生した熱を芯部のポリエチレンが融解吸熱するため、鞘部の温度上昇を防ぎ、溶融穴発生の防止している。しかしながら、摩擦防融性の不足があり、さらに仮撚加工時における捲縮性が問題となっている。
特開平8−284073号公報 特開2000−096350号公報
本発明の目的は、このような従来技術における問題点を解決するものである。具体的には、体育館や人工芝の球技場などでの運動時に床面と摩擦したときに発生する摩擦熱による溶融穴の発生を抑制し、着用者の皮膚の裂傷などを防止する芯鞘複合繊維及び織編物を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芯部の重合体が鞘部の重合体よりも融点が30℃以上低い芯鞘複合繊維であって、前記芯部の重合体は融点が20〜50℃の結晶性α−オレフィンを1.0〜30.0wt%含有するオレフィン系重合体であり、芯部に使用されるオレフィン系重合体が127℃以上の融点を有し、前記鞘部が200℃以上の融点を有する熱可塑性重合体であり、芯部と鞘部との質量複合比率において芯部重合体の比率が5wt%以上であり、芯部直径Dに対する繊維直径D′の比が1.4≦D′/Dであることを特徴とする芯鞘複合繊維にすることによって、摩擦によって与えられた熱エネルギーを芯部に分散されている結晶性α−オレフィンが受け取って吸熱融解し、さらに芯部を形成するオレフィン系重合体が吸熱融解を繰り返すことで繊維表面上の温度上昇を防ぎ、鞘部の溶融による穴あきの発生を防ぐことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、芯部に使用されるオレフィン系重合体が、好ましくは鞘部の重合体よりも融点が30℃以上低く、より好ましくは170℃以下の融点を有する共重合ポリエチレンもしくは共重合プロピレンであることを特徴とする上記の芯鞘複合繊維である。
また、本発明は、鞘部に使用される熱可塑性重合体が、好ましくは240℃以上の融点を有し、より好ましくは主たる繰り返し単位がポリエチレンテレフタレートの繰り返し単位から構成されるポリエステル重合体することを特徴とする上記の芯鞘複合繊維である。
さらに、本発明は好ましくは芯部と鞘部の質量複合比率が5:95〜40:60であり、より好ましくは断面形状が同心円型であることを特徴とする上記の芯鞘複合繊維である。
そして、本発明は上記の芯鞘複合繊維を10wt%以上含有することを特徴とする繊維構造体を包含する。
本発明により得られる複合繊維は、芯部の分散された結晶性α−オレフィンが融解による吸熱反応を起こし、さらに芯部を形成するオレフィン系重合体が吸熱融解を繰り返すことにより、繊維表面上の温度上昇を防ぎ、鞘部の溶融による穴あきの発生を防止できるだけでなく、かつ従来品と比較して、仮撚加工時の条件設定の幅が広がり、捲縮伸長率の高い繊維が得られるため、衣料全般に適している。
本発明の芯鞘複合繊維における重要な特徴の一つが、芯部に結晶性α−オレフィンが含有されることである。結晶性α−オレフィンは一般に10〜80℃の範囲に融点を持つ熱可塑性重合体であるが、本発明の芯鞘複合繊維に用いる場合、融点が20℃未満では芯部を形成するオレフィン系重合体への溶融混練が困難となるため、20℃以上の融点を有する結晶性α−オレフィンを選択することが必要である。また、50℃を超える結晶性α−オレフィンでは、芯部を形成するオレフィン系重合体の融点との差が小さくなることで段階を追った芯部での吸熱融解が困難となり、摩擦防融性能が不十分となり適さない。従って、本発明で用いる結晶性α−オレフィンの融点は、20〜50℃であることが重要であり、好ましくは30〜50℃である。そのような結晶性α−オレフィンとして、例えば、出光興産社製「エルクリスタ C−4100」などが挙げられる。
本発明の芯鞘複合繊維の芯部の重合体には、結晶性α−オレフィンとの相溶性や溶融成形性の点からオレフィン系重合体を用いることが必要である。該オレフィン系重合体は、前記結晶性α−オレフィンを溶融混練できる重合体であれば何ら問題はなく、共重合ポリエチレンまたは単一ポリエチレン、共重合ポリプロピレンまたは単一ポリプロピレンなどを用いることができる。なかでも、結晶性α−オレフィンと相溶性に優れ、かつ価格が安く汎用性が高い点から、170℃以下の融点を有する共重合ポリエチレンもしくは共重合ポリプロピレンが好ましい。
前記芯部のオレフィン系重合体において、前記結晶性α−オレフィンが1.0〜30.0wt%含有されることが重要である。1.0wt%未満では該オレフィン系重合体内での分散性不良による摩擦防融性低下となり、30wt%を超える場合には高速曳糸性の不足となるため適さない。好ましくは5.0〜15.0wt%である。
一方、本発明で鞘部に使用される重合体は、200℃以上の融点を有する熱可塑性重合体であることが必要である。融点が200℃未満の場合には摩擦熱による耐熱性が低くなるため用いることができない。耐熱性を上げるという点から、240℃以上の融点を持つ熱可塑性重合体が好ましい。一般的な衣料用途に使用されるポリアミド、あるいはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましく、主たる繰り返し単位がポリエチレンテレフタレートの繰り返し単位から構成されるポリエステル重合体であっても何ら問題ない。
また、前記芯部のオレフィン系重合体の融点が、前記鞘部の熱可塑性重合体よりも30℃以上低いことが好ましい。該2種類の重合体の融点の差が30℃未満の場合には、発生した摩擦熱の授受が困難となり好ましくない。より好ましくは、芯部の重合体の融点が、鞘部の重合体よりも50℃以上低い場合である。
本発明の芯鞘複合繊維において、芯部と鞘部の質量複合比率が5:95〜40:60であることが好ましく、より好ましくは7:93〜20:80である。芯部重合体の比率が5wt%未満の場合は十分な摩擦防融性能が得られず、40%を超える場合は、製糸工程性が悪化するおそれがあるため好ましくない。
また、本発明の芯鞘複合繊維において、芯部直径Dに対する繊維直径D′の比が1.4≦D′/Dであることが好ましい。D′/Dが1.4未満の場合は摩擦熱による耐熱性が不足する上、紡糸性の悪化及び仮撚加工により風合いも不十分となるため好ましくない。
本発明の芯鞘複合繊維の断面形状は、円形、異形など任意の形状を選択することができるが、鞘部の厚みが確保できる観点から同心円型であることが好ましい。
上記した複合繊維においては、繊維の太さは特に限定されず、任意の太さにすることができる。また、長繊維のみならず短繊維でも発明の効果が期待される。
本発明の芯鞘複合繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、芯部及び/または鞘部を形成する重合体中に、他の熱可塑性樹脂、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤及びその他の添加剤の1種または2種以上を含有してもよい。
次に、本発明の複合繊維の製造方法について以下説明する。
まず芯部重合体と鞘部重合体をそれぞれ別の押出機で溶融押出し、各々紡糸ヘッドへ導入し、目的とする個々の複合形状を形成させる紡糸口金を経由して溶融紡糸させることにより製造することができる。また、最終製品に求められる品質や良好な工程通過性を確保するために、最適な紡糸・延伸方法を選択することができる。より具体的には、スピンドロー方式や、紡糸原糸を採取した後に別工程で延伸を行う2−Step方式、また延伸を行わず非延伸糸のまま引き取り速度が2000m/分以上の速度で捲取る方式においても、任意の糸加工工程を通過させた後に製品化することで、良好な遮熱効果及び発色性を有する該複合繊維製品を得ることができる。
本発明の製造方法の紡糸工程において、通常の溶融紡糸装置を用いて口金より紡出する。また、口金の形状や大きさによって、得られる繊維の断面形状や径を任意に設定することが可能である。
本発明で得られる複合繊維は、各種繊維集合体として用いることができる。ここで繊維集合体とは、本発明の繊維単独よりなる織編物、不織布はもちろんのこと、本発明の繊維を一部に使用してなる織編物や不織布、例えば、天然繊維、化学繊維、合成繊維など他の繊維との交編織布、あるいは混紡糸、混繊糸として用いた織編物、混綿不織布などであってもよいが、織編物や不織布に占める本発明繊維の割合は10wt%以上、好ましくは30wt%以上であることが好ましい。
本発明の芯鞘複合繊維の主な用途としては、長繊維では単独でまたは一部に使用して織編物などを作成し、良好な風合を発現させた衣料用素材とすることができる。衣料用素材として用いる際に仮撚加工を施すことが好ましく、この点において本発明の複合繊維は捲縮性に優れる。特許文献2に示されるような従来技術では仮撚加工時にパンク、すなわち鞘部が割れて芯部が繊維表面に露出してしまい熱固定が不安定となるため、撚りを戻した際に膨らみを持たせることが困難であった。一方、本発明の複合繊維はパンクが生じにくく加工条件をより自由に設定できるため、捲縮伸長率を高めることができ、十分な膨らみを持った繊維が得られる。
本発明で得られた複合繊維は、変退色、添付汚染、液汚染の洗濯堅牢度が4級以上であることが好ましい。そのいずれかが3級以下であった場合、取扱い性の点から一般衣料用途としては好ましくない。
また、本発明で得られた複合繊維は耐光堅牢度が4級以上であることが好ましい。耐光堅牢度が3級以下であった場合、取扱い性の点から一般衣料用途としては好ましくない。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定されたものである。
<摩擦防融性>
ロータ型摩擦防融試験機を用い、試験片(3.5cm×8.5cm)をアームに取り付け、次に桜木のローラーを1800rpmで回転させて、試験片を2.0kg荷重でローラーに接着させて試験片が溶融した時間を測定した。
<紡糸性>
以下の基準に従って紡糸性評価を行った。
◎:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が何ら発生せず、しかも得られたポリエステル繊維には毛羽・ループが全く発生していないなど、紡糸性が極めて良好である。
○:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が1回以下の頻度で発生し、得られたポリエステル繊維に毛羽・ループが全く発生していないか、あるいは僅かに発生したものの、紡糸性がほぼ良好である。
△:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が2回から3回まで発生し、紡糸性が不良である。
×:24hrの連続紡糸を行い、紡糸時の断糸が3回よりも多く発生し、紡糸性が極めて不良である。
<捲縮伸長率>
(1)試料のサンプリング:手動検尺機で0.044cN/dtex(0.05g/d)の張力下で11110dtex(10000d)の小カセを作った。前記においてdtexはデシテックスのことであり、dはデニールのことであり、以下においても同一である。
(2)小カセ(10gの荷重を掛けた状態で)に少量の水を掛け小カセを均一化した後、90℃恒温槽内に入れ(90℃、30分間)リラックス処理後、荷重を除去し乾燥した。
(3)乾燥後の小カセに10gの荷重を掛け、5分経過後スケールの付いた測定装置にてカセ長を測定した。これをL1とする。
(4)上記小カセに1000g(0.0088cN/dtex)(0.01g/d)の荷重を掛け、30秒後のカセ長を測定した。これをL2とする。
(5)算出式
K1(捲縮伸長率)=(L2−L1)/L2×100で算出した。
<実施例1>
芯部に融点42℃の結晶性α−オレフィン5.0wt%を含有するポリエチレン(PE)を、鞘部にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて、芯部と鞘部の質量複合比率10:90の条件で、孔数24個(孔径0.25mmφ)の口金を用いて紡糸温度260℃、単孔吐出量=1.23g/分で紡出し、温度25℃、湿度60%の冷却風を0.4m/秒の速度で紡出糸条に吹付け糸条を60℃以下にした後、紡糸口金下方1.2mの位置に設置した長さ1.0m、入口ガイド系8mm、出口ガイド系10mm、内径30mmφチューブヒーター(内温185℃)に導入してチューブヒーター内で延伸した後、チューブヒーターから出てきた糸条にオイリングノズルで給油し2個の引き取りローラーを介して3500m/分の速度で捲取り、得られた同心円型の複合繊維を用いて目付け200g/mの筒編地を精錬した後、種々の測定を実施した。摩擦防融性、紡糸性、捲縮伸長率は、表1に示した。該複合繊維の摩擦防融性は29sと非常に優れており、紡糸性、捲縮性についても優れた結果となった。また、仮撚加工後に染色したところ従来のポリエステル繊維と同程度の発色性を示していた。また、得られた該複合繊維の洗濯堅牢度及び耐光堅牢度は4級以上であり、何ら問題のないものであった。
<実施例2〜6>
次に芯部及び鞘部ポリマー、芯部に含有する結晶性α−オレフィンの融点と含有量を表1に示す通り変更し、実施例1と同様の手法で紡糸して84T/24fの該複合繊維フィラメントを得た。得られた繊維の物性を表1に示した。いずれも良好な摩擦防融性能、紡糸性及び捲縮伸長率が得られ、何ら問題のない品質であった。なお、表1において、「PP」はポリプロピレン、「Ny6」はナイロン6のことであり、実施例4の鞘部に用いた「変性PET」は、ジカルボン酸成分のうち88.3モル%がテレフタル酸であり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.7モル%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を5.0モル%、アジピン酸を5.0モル%、それぞれ含んだ全カルボン酸成分と、エチレングリコール、及び艶消剤として酸化チタンを添加し、エステル交換反応及び重縮合反応を行うことで得られた変性ポリエチレンテレフタレートである。
<比較例1>
芯部に結晶性α−オレフィンを含有しないオレフィン系重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合繊維フィラメントを得た。芯部に結晶性α−オレフィンを含有しないため、十分な摩擦防融性能が得られなかった。さらに、得られた複合繊維の仮撚糸は捲縮伸長率が低い結果であった。
<比較例2>
80℃の融点を持つ結晶性α−オレフィンを10.0wt%用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合繊維フィラメントを得た。紡糸性及び捲縮伸長率はまずまずのものが得られたが、結晶性α−オレフィンの融点が高すぎるため、十分な摩擦防融性能が得られなかった。
<比較例3>
芯部のポリマーとして用いるために、Ny6に融点10℃の結晶性α−オレフィンを溶融混練することを試みたが、紡糸試験できるポリマーを得ることができなかった。
<比較例4>
芯部に結晶性α−オレフィンを40.0wt%含有した芯部オレフィン系重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして複合繊維フィラメントを得ようとしたが、紡糸性が極端に悪化し、原糸を得ることができなかった。
<比較例5>
鞘部にナイロン12(Ny12)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合繊維フィラメントを得た。鞘部の重合体が、融点が200℃に満たないNy12であり、鞘部の耐熱性が低いため、十分な摩擦防融性能は得られなかった。
本発明の複合繊維は、木の床面を持つ屋内運動場や人工芝の球技場などでスライディングや転倒などにより衣料表面に摩擦熱がかかった場合、溶融穴の発生を抑制して着用者の皮膚の裂傷などを防止するため、スポーツウェアなどの一般的な衣料に適している。

Claims (7)

  1. 芯部の重合体が鞘部の重合体よりも融点が30℃以上低い芯鞘複合繊維であって、前記芯部の重合体は融点が20〜50℃の結晶性α−オレフィンを1.0〜30.0wt%含有するオレフィン系重合体であり、芯部に使用されるオレフィン系重合体が127℃以上の融点を有し、前記鞘部が200℃以上の融点を有する熱可塑性重合体であり、芯部と鞘部との質量複合比率において芯部重合体の比率が5wt%以上であり、芯部直径Dに対する繊維直径D′の比が1.4≦D′/Dであることを特徴とする芯鞘複合繊維。
  2. 前記芯部に使用されるオレフィン系重合体が、127℃以上170℃以下の融点を有する共重合ポリエチレンもしくは共重合ポリプロピレンであることを特徴とする、請求項1に記載の芯鞘複合繊維。
  3. 前記鞘部の熱可塑性重合体が、240℃以上の融点を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の芯鞘複合繊維。
  4. 前記鞘部の熱可塑性重合体が、主たる繰り返し単位がポリエチレンテレフタレートの繰り返し単位から構成されるポリエステル重合体であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の芯鞘複合繊維。
  5. 芯部と鞘部との質量複合比率が5:95〜40:60である、請求項1〜のいずれか1項に記載の芯鞘複合繊維。
  6. 断面形状が同心円型であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の芯鞘複合繊維。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の芯鞘複合繊維を10wt%以上含有することを特徴とする、繊維構造体。
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