JP6368074B2 - ごま微細化加工品及びその製造方法、ごま微細化加工品の渋み抑制方法、ごま微細化加工品の濃厚感向上方法、ごま微細化加工品のクリーミー感向上方法、ごま微細化加工品の白度向上方法、ごま微細化加工品の渋み抑制及び濃厚感・クリーミー感・白度向上方法 - Google Patents

ごま微細化加工品及びその製造方法、ごま微細化加工品の渋み抑制方法、ごま微細化加工品の濃厚感向上方法、ごま微細化加工品のクリーミー感向上方法、ごま微細化加工品の白度向上方法、ごま微細化加工品の渋み抑制及び濃厚感・クリーミー感・白度向上方法 Download PDF

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本発明は、ごま微細化加工品及びその製造方法、ごま微細化加工品の渋み抑制方法、ごま微細化加工品の濃厚感向上方法、ごま微細化加工品のクリーミー感向上方法、ごま微細化加工品の白度向上方法、ごま微細化加工品の渋み抑制及び濃厚感・クリーミー感・白度向上方法に関するものである。
近年、健康に対する関心は高まりつつあり、出来るだけ健康によい食品を摂取しようとする人々が確実に増えている。健康によい食品の代表例としては、「ごま」を挙げることができる。ごまはその良好な風味と豊富な栄養が好まれ、古くから様々な調味料に利用されてきた。なかでも、ごまペーストやごま粉砕物などのごま加工品を含有したしゃぶしゃぶや焼き肉のたれ類、ドレッシング等の液状調味料の市場は拡大傾向にあり、様々な商品が販売されている。
ここで、上記のごまペーストは、通常、原料となるごま種子を精選、洗浄、焙煎した後、一般的に知られているコロイドミル、ロールミル、ボールミルなどと呼ばれる粉砕機を用いて擂り潰し加工をすることにより製造される(例えば、特許文献1参照)。そして、このような加工法によると、50%積算径(d50;メジアン径)が数百μm程度のごま粒子を含有するごまペーストが得られることが知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、このようなごまペーストは分離・沈澱しやすいものであることから、それを防止するために適量のエタノールを添加したり(例えば、特許文献3参照)、乳化剤を添加したりすることも(例えば、特許文献4参照)、従来行われている。
ただし、コロイドミル、ロールミル、ボールミル等の粉砕機を用いた場合、分離・沈殿を十分に抑制する程度までごま種子を細かくすることは困難である。そこで、ごまペースト中のごま粒子をよりいっそう微細化できるビーズミル等の粉砕機を用いてごまペーストを製造する手法が、従来提案されている(例えば、特許文献5、6参照)。
特開2000−14337公報 特開2000−93115公報 特開2006−25658号公報 特開平10−313817号公報 特開2004−159606号公報 特開2008−220276号公報
ところが、特許文献5、6の従来技術のような手法にて、油分に富むごま原料を数μmオーダーまで微細化してごまペーストを製造しようとした場合、微細化加工に非常に長い時間がかかってしまい、生産性やコスト性が著しく低下するおそれがある。また、仮にこのような手法でごまペーストを製造できたとしても、油分をかなり多く含む製品となることが不可避である。そのため、上記従来技術のごまペーストを用いてごま入り液体調味料を作製する際に、水や、醤油・食酢などの液体調味液中に均一に分散させることが難しくなり、増粘剤や乳化剤等といった添加剤を使用する必要性が生じてしまう。よって、添加剤に依存せずに分散性のよいごま入り液体調味料を作製できる技術が望まれている。
また、ごまペーストは濃厚な食感を備えていることが良好とされるが、これについては例えばごま原料の配合量を増やすこと等によりある程度実現可能と考えられる。その一方で、上記従来技術のごまペーストの場合、ごま原料の増量が1つの原因となって風味を悪化(例えばごま特有の渋みを増加)させてしまう可能性がある。なお、ごまは健康によい成分を含む一方で油分を多く含むものであることから、ごまペースト中のごま原料を増量すると、低カロリーでヘルシーな製品が実現されにくくなる。よって、近年における消費者の健康志向やダイエット志向の高まりを考慮する場合には、濃厚感を損なわない範囲でごまペースト中のごま原料を減らして、低カロリー化を図りたいという要望もある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、濃厚感を損なわずに良好な風味を有しており、添加剤に依存しなくても優れた分散性を発揮し、しかも生産性及びコスト性に優れたごま微細化加工品及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、濃厚感を損なわずにごま微細化加工品の渋みを確実に抑制することができる方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ごま微細化加工品の濃厚感を向上することができる方法、ごま微細化加工品のクリーミー感を向上することができる方法、ごま微細化加工品の白度を向上することができる方法、あるいはごま微細化加工品の渋みを確実に抑制しかつ濃厚感・クリーミー感・白度を向上することができる方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ごま微細化加工品における「溶媒とごま微粒子との含有比率」及び「ごま微粒子の粒度」に着目し、その適正化を図ることを思い付いた。そして、溶媒の含有量をごま微粒子の含有量に比較してかなり多めに設定し、かつ、ごま微粒子を特定の手法により微粉砕化して極めて小さい粒度とすれば、濃厚感を損なわずにごま特有の渋みを抑制することができ、良好な風味を付与できることを新たに知見した。そして、本発明者らは上記の知見に基づいてさらに鋭意研究を進めることにより、下記の発明を完成させるに至ったのである。
上記の課題を解決するための手段[1]〜[]を以下に列挙する。
[1]70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを容器内で回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工したものであって、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であることを特徴とするごま微細化加工品。
]前記ごま微粒子は、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる前記湿式微粉砕機で微粉砕化加工したものであることを特徴とする手段に記載のごま微細化加工品。
]手段1または2に記載のごま微細化加工品の製造方法であって、15重量%以上30重量%以下のごま原料に70重量%以上85重量%以下の水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して、湿式微粉砕機でそれらを回転させて微粉砕化加工する工程を経て製造されることを特徴とするごま微細化加工品の製造方法。
[4]70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の渋みを抑制することを特徴とするごま微細化加工品の渋み抑制方法
[5]70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の濃厚感を向上することを特徴とするごま微細化加工品の濃厚感向上方法。
[6]70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子のクリーミー感を向上することを特徴とするごま微細化加工品のクリーミー感向上方法。
[7]70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の白度を向上することを特徴とするごま微細化加工品の白度向上方法。
[8]70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の渋みを抑制しつつ濃厚感、クリーミー感及び白度を向上することを特徴とするごま微細化加工品の渋み抑制及び濃厚感・クリーミー感・白度向上方法。
以上詳述したように、請求項1、2に記載の発明によると、濃厚感を損なわずに良好な風味を有しており、添加剤に依存しなくても優れた分散性を発揮し、しかも生産性及びコスト性に優れたごま微細化加工品を提供することができる。請求項に記載の発明によると、優れた諸特性を有する上記のごま微細化加工品を容易にかつ確実に得ることができる製造方法を提供することができる。請求項に記載の発明によると、濃厚感を損なわずにごま微細化加工品の渋みを確実に抑制することができる方法を提供することができる。請求項5に記載の発明によると、ごま微粒子の濃厚感を向上することができる方法を提供することができる。請求項6に記載の発明によると、ごま微粒子のクリーミー感を向上することができる方法を提供することができる。請求項7に記載の発明によると、ごま微粒子の白度を向上することができる方法を提供することができる。請求項8に記載の発明によると、ごま微細化加工品の渋みを確実に抑制しかつ濃厚感・クリーミー感・白度を向上することができる方法を提供することができる。
以下、本発明のごま微細化加工品について詳細に説明する。
本発明のごま微細化加工品は、相対的に多量の水系溶媒と、相対的に少量のごま微粒子とを含有してなり、より具体的にいうと、水系溶媒中にごま微粒子が均一に分散された乳化物の性状を呈している。なお、本明細書中において水系溶媒とは、水、食酢水溶液、エチルアルコール水溶液などといった、いわゆるプロトン性極性溶媒のうち、飲食に適するもののことを意味している。
本発明においてごま微粒子の原料となるごま(一般的にセサナムインディカムL(Sesamum Indicum L.))としては、特に制限はなく、白ごま、黒ごま、あるいは両者を任意の比率で併用したものを用いることができる。ただし、外観性がよくて、ごま特有の渋みが少ないごま微細化加工品を得たい場合には、白ごまを選択することが好適である。ごま原料は、外皮が着いた状態のごま種子であってもよいほか、外皮を除去した状態のごま種子であってもよい。また、ごま原料は、ごま種子そのものではなく、ある程度細かく挽いたものであってもよい。さらに、ごま原料は必要に応じてあらかじめ焙煎されてもよい。
本発明のごま微細化加工品は、70重量%以上95重量%以下の水系溶媒と、5重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有してなる。水系溶媒の含有量が70重量%未満あるいはごま微粒子の含有量が30重量%超であると、ごま微粒子の含有量が多くなる結果、油分が多くなってしまい、低カロリーでヘルシーな製品が実現されにくくなる。また、この場合にはごま微粒子をある程度微粒子化しないと、ごま特有の渋みを十分に抑制できない可能性がある。逆に、水系溶媒の含有量が95重量%超あるいはごま微粒子の含有量が5重量%未満であると、ごま微粒子の含有量が少なくなりすぎてしまい、ごま微粒子を相当程度微粒子化したとしても、濃厚感やクリーミーな食感を十分に付与できない可能性がある。なお、ごま微細化加工品における水系溶媒は、70重量%以上85重量%以下であることが好ましく、77重量%以上82重量%以下であることがより好ましい。ごま微細化加工品におけるごま微粒子は、15重量%以上30重量%以下であることが好ましく、18重量%以上23重量%以下であることがより好ましい。
本発明のごま微細化加工品におけるごま微粒子は、通常よくあるごま微粒子と比べてかなり粒子径の小さい微細な粉末の集合体からなる。このような粉末の集合体としての大きさ(粒子径)を論ずるにあたり、本発明ではその大きさ(粒子径)毎の存在比率の分布(即ち粒度分布)をもって表現している。ここで「n%積算径」といった場合には、例えば従来公知のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、ごま微粒子を含むスラリー中の固形分の粒子径分布を測定したときに、粒子径の頻度(%)を小さいほうから累積してその累積がn%であるときの粒子径のことを意味する。
本発明では、ごま微細化加工品におけるごま微粒子の粒度分布を表すものとして、具体的には「50%積算径(d50;メジアン径)」、「90%積算径(d90)」という指標を用いて規定している。そして、本発明では当該ごま微粒子は、50%積算径が5.0μm以下かつ90%積算径が20.0μm以下という条件を満たすものとなっている。ごま微粒子の50%積算径は好ましくは4.60μm以下であり、90%積算径が18.39μm以下である。その理由は、ごま微粒子の粒度をこのような範囲に設定した場合に、渋みを確実に抑制することが可能となり、風味が向上するからである。ちなみに、従来からあるごま微細化加工品においては、非常に細かいものであっても、一般的に50%積算径の値は10μm超となっている。
ここで、70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有したごま微細化加工品である場合には、当該ごま微粒子は、50%積算径が3.33μm以下かつ90%積算径が11.49μm以下であることが好適である。その理由は、このような粒度範囲に設定することにより、渋みを確実に抑制することができることに加え、クリーミーな食感及び濃厚感を確実に付与することができるからである。なお、50%積算径及び90%積算径の下限値については特に限定されないが、生産性及びコスト性を考慮すると、例えば前者は0.1μm以上であることがよく、後者は1.0μm以上であることがよい。
本発明のごま微細化加工品は、相対的に少量のごま原料に相対的に多量の水系溶媒を添加した状態で上記ごま原料を微粉砕することにより製造される。より詳しくいうと、本発明のごま微細化加工品は、5重量%以上30重量%以下のごま原料に70重量%以上95重量%以下の水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を経て製造される。
このような湿式微粉砕機の好適例としては、いわゆるビーズミルを挙げることができる。なお、湿式微粉砕機を用いた微粉砕化処理によれば、所望とする微粉末を確実にかつ効率よく得ることができるばかりでなく、微粉末の温度をあまり上昇させることなく得ることができるという利点がある。
ビーズミルとは、液体中の粒子をナノメートルサイズまで粉砕・分散する装置のことをいう。処理室とも呼ばれる容器の中には、直径1mm以下の酸化物セラミック製ビーズ(粉砕メディア)が70%〜95%程度充填される。この状態で、処理室の回転子を5m/秒〜15m/秒程度の速度で回転させることにより、ビーズに運動を与える。そして、液体に被粉砕物である粗粉末を混ぜたスラリーをあらかじめ作製しておき、そのスラリーを容器内にポンプで順次送り込むようにする。すると、容器内でのビーズ同士の衝突により、被粉砕物がさらに細かく微粉砕されてスラリー中に分散する。微粉砕処理の後、スラリーとビーズとは、処理室の出口にある分離手段等により分離される。
微粉砕処理の際には、常時冷却水を流通させるなどの方法により、被粉砕物を含むスラリーの温度の上昇を抑制することが好ましい。具体的には、スラリーの温度が40℃以下を保つようにすることが好ましく、特には35℃以下を保つようにすることがより好ましい。このようにすると、熱による風味の劣化が抑えられるとともに、渋みの発生を抑制することもできるため、風味のよいごま微細化加工品が得やすくなるからである。
湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程の出発原料について、5重量%以上30重量%以下のごま原料に、70重量%以上95重量%以下の水系溶媒を添加したものを用いる理由は以下のとおりである。即ち、水系溶媒の含有量が70重量%未満あるいはごま原料の含有量が30重量%超であると、ごま原料の含有量が多くなる結果、油分や固形分が多くなってスラリー粘度が高くなるため、回転する容器内でのスラリー摺動抵抗が大きくなる。よって、湿式微粉砕機の負荷が大きくなる結果、ごま原料を十分に微粒子化するのに時間がかかり、生産性が著しく低下するおそれがある。勿論、このような場合には、低カロリーでヘルシーな製品が実現されにくくなるほか、ごま特有の渋みを十分に抑制できない可能性がある。逆に、水系溶媒の含有量が95重量%超あるいはごま原料の含有量が5重量%未満であると、スラリー摺動抵抗の増大という問題は起こらないものの、ごま原料の含有量が少なくなりすぎてしまい、ごま原料を相当程度微粒子化したとしても、濃厚感やクリーミーな食感を十分に付与できない可能性がある。なお、出発原料における水系溶媒は、70重量%以上85重量%以下であることが好ましく、77重量%以上82重量%以下であることがより好ましい。出発原料におけるごま原料は、15重量%以上30重量%以下であることが好ましく、18重量%以上23重量%以下であることがより好ましい。
本発明のごま微細化加工品は、ペースト状あるいは乳化状の練ごま製品などとしてそのまま食されてもよいが、例えば水や液体調味液などと混合された状態の製品(即ちごま微細化加工品入り液体調味料)として食されてもよい。ここで、ごま微細化加工品入り液体調味料の具体例としては、ごまだれ、ごま入りつゆ、ごま入りドレッシング、ごま入りポン酢などを挙げることができる。
液体調味料を構成しうる成分としては、例えば、旨味成分、塩味成分、甘味成分、酸味成分などがあり、具体的には出汁抽出液、食塩、糖類、醤油、食酢、油脂類、柑橘類、エキス類などがある。出汁抽出液とは、肉類、魚介類、野菜類、キノコ類、海藻類などに含まれる旨味成分(アミノ酸や核酸など)を抽出した液体のことを指すものであって、一般的には調味料に旨味や香味を与えるために添加される。好適な出汁抽出液としては、魚節から抽出した液体を挙げることができる。一般的にエキス類とは、食品として用いられる農、水、畜産物を原料として、衛生的管理の下に抽出または搾汁、自己消化、酵素処理、精製、濃縮等を行うことにより製造されたものであって、原料由来の成分を含有するものを指す。
以下、実施形態のごま微細化加工品及びその製造方法をより具体化して行った試験例について説明する。
(1)試験例1
ここでは、ごま微細化加工品を何種類か作製し、その粒度分布の好適範囲を決定するための評価試験を行った。
A.ごま微細化加工品サンプルの調製
この試験では以下の手順でごま微細化加工品を作製した。ここでは、湿式微粉砕機として、直径0.5mmのジルコニア製ビーズを原料加工処理室に85%充填したビーズミル(アシザワ・ファインテック社製、商品名「スターミル ラボスターミニ LMZ015」)を用いた。そして、あらかじめ粗粉砕した所定粒度の原料ごま(d50=8.4μm、d90=50.5μm)を含む液と、水(水系溶媒)とを配合してなるスラリーを出発原料とした。粗粉砕にあたっては、溶媒を混合しておらず、前記原料ごま液は、ごま100%である。特に本試験例では、原料ごま液と水との配合比率を一定にした。具体的には、原料ごま液30gと水70gとを配合して、トータル100gとした。この出発原料を54.5g/分程度の速度で原料加工処理室に順次導入し、微粉砕加工処理を所定時間行った。そして、この操作中に、スラリーを経時的にサンプリングし、表1に示すような複数種類のごま微細化加工品サンプルとした。具体的には、処理時間を5種類設定し、短いものから順に「実施例1A」、「実施例1B」、「実施例1C」、「実施例1D」及び「実施例1E」のサンプルとした。一方、処理時間を0分としたもの、即ち微粉砕加工処理を行う前の状態のものを「比較例1」のサンプル(即ちコントロール品のサンプル)とした。なお、ここでは原料ごま液と水との配合比率を重量比で30:70としたが、この比率は微粉砕加工処理の前後で殆ど変らず、得られたサンプルにおいても30:70のままであった。
これらのスラリーの固形分の粒度分布については、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名「マイクロトラックMT3300」)にて測定を行った。なお、微粉砕加工処理を通じて15℃程度の冷却水を常時流すことにより、スラリーの温度上昇を抑制した。実際に微粉砕処理時におけるスラリーの温度を測定したところ、32℃程度に保たれていた。表1に粒度分布の測定結果を示す。なお、この試験ではB型粘度計による粘度(Pa・s)の測定(測定温度25℃)も行った。併せて表1にその結果を示す。
比較例1のサンプルは、微粉砕加工処理を開始する前のものであって、測定の結果、d50=8.4μm、d90=50.5μmの粒度分布を有していた。ちなみに、粘度は0.026Pa・sと極めて低く、ペースト状ではなく流動性の高いさらさらの液体の性状を呈していた。
実施例1Aのサンプルを測定した結果、d50=4.85μm、d90=19.79μmの粒度分布を有していた。ちなみに、粘度は3.28Pa・sであり、比較例1よりはいくぶん粘度が高くなっていた。性状としては比較的ゆるいペースト状と言いうるものであった。
実施例1Bのサンプルを測定した結果、d50=4.60μm、d90=18.39μmの粒度分布を有していた。ちなみに、粘度は5.80Pa・sであり、性状としては一般的なマヨネーズよりも若干ゆるい程度のペースト状と言いうるものであった。
実施例1Cのサンプルを測定した結果、d50=3.33μm、d90=11.49μmの粒度分布を有していた。ちなみに、粘度は93.8Pa・sと実施例1Bの10倍以上となり、性状としてはかなり粘凋なペースト状と言いうるものであった。
実施例1Dのサンプルを測定した結果、d50=2.28μm、d90=6.93μmの粒度分布を有していた。ちなみに、粘度は95.5Pa・sとなり、かなり粘凋なペースト状であった。
実施例1Eのサンプルを測定した結果、d50=2.95μm、d90=8.29μmの粒度分布を有していた。ちなみに、粘度は100.0Pa・sとなり、かなり粘凋なペースト状であった。
B.ごま微細化加工品サンプルに対する官能検査による評価
次に、製造直後の各サンプルに関して、風味に関する一指標である「渋み抑制度」、食感に関する一指標である「クリーミー度」、食感に関する一指標である「濃厚感」の3項目につき、5名の官能検査官による官能検査を行って評価した。その結果を表1に示す。なお、同様の官能検査を、製造後常温で3日間保存したものについても実施した。
「渋み抑制度」の項目については、絶対評価として、◎(渋みが十分に抑制され、渋みを全く感じない)、○(渋みがかなり抑制され、殆ど渋みを感じない)、×(渋みが十分に抑制されているとは言い難く、渋みを感じる)の3段階で評価した。
「クリーミー度」の項目については、絶対評価として、◎(非常にクリーミーで食感が極めてよい)、○(クリーミーで食感がよい)、×(クリーミーとは言い難くざらついた食感となる)の3段階で評価した。
「濃厚感」の項目については、絶対評価として、◎(非常に濃厚で食感が極めてよい)、○(濃厚で食感がよい)、×(濃厚とは言い難く薄い食感となる)の3段階で評価した。
表1にて明らかなように、コントロール品である比較例1のサンプルの「渋み抑制度」の評価は、製造直後及び保存3日後の両方において「×」(渋みが十分に抑制されているとは言い難く、渋みを感じる)であった。一方、実施例1A〜1Eでは、製造直後及び保存3日後の両方において、「渋み抑制度」に関する評価が確実に向上(即ち「○」か「◎」)していた。なかでも、実施例1B〜1Eでは、製造直後及び保存3日後の両方において「◎」となり、極めて高い評価結果となった。
つまり、上記の評価結果から、ごま微粒子のd50が約5.0μm以下、かつd90が約20.0μm以下になると、渋みがかなり抑制され、殆ど渋みを感じなくなり、3日保存後でもこの渋み抑制効果が維持されることが実証された。さらに、ごま微粒子のd50が約4.60μm以下、かつd90が約18.39μm以下になると、渋みが十分に抑制され、渋みを全く感じなくなり、3日保存後でもこの渋み抑制効果が維持されることが実証された。
次に、コントロール品である比較例1のサンプルの「クリーミー度」の評価は、製造直後及び保存3日後の両方において「×」(クリーミーとは言い難くざらついた食感となる)であった。一方、実施例1A〜1Eでは、製造直後及び保存3日後の両方において、「クリーミー度」に関する評価が確実に向上(即ち「○」か「◎」)していた。なかでも、実施例1C〜1Eでは、製造直後及び保存3日後の両方において「◎」となり、極めて高い評価結果となった。
つまり、上記の評価結果から、ごま微粒子のd50が約5.0μm以下、かつd90が約20.0μm以下になると、クリーミーで食感がよくなり、3日保存後でもこのクリーミー度向上効果が維持されることが実証された。さらに、ごま微粒子のd50が約3.33μm以下、かつd90が約11.49μm以下になると、非常にクリーミーで食感が極めてよくなり、3日保存後でもこのクリーミー度向上効果が維持されることが実証された。
次に、コントロール品である比較例1のサンプルの「濃厚感」の評価は、製造直後及び保存3日後の両方において「×」(濃厚とは言い難く薄い食感となる)であった。一方、実施例1A〜1Eでは、製造直後及び保存3日後の両方において、「濃厚感」に関する評価が確実に向上(即ち「○」か「◎」)していた。なかでも、実施例1C〜1Eでは、製造直後及び保存3日後の両方において「◎」となり、極めて高い評価結果となった。
つまり、上記の評価結果から、ごま微粒子のd50が約5.0μm以下、かつd90が約20.0μm以下になると、濃厚で食感がよいものとなり、3日保存後でもこの濃厚感向上効果が維持されることが実証された。さらに、ごま微粒子のd50が約3.33μm以下、かつd90が約11.49μm以下になると、非常に濃厚で食感が極めてよくなり、3日保存後でもこの濃厚感向上効果が維持されることが実証された。
C.その他の評価
各実施例1A〜1E及び比較例1のサンプルの外観検査を行ったところ、各実施例1A〜1Eでは均一に乳化・分散されたペーストの性状となり、その状態は製造3日後においても殆ど変らず、分散性(乳化安定性)が高いと結論付けられた(表1にて「〇」で示す)。しかし、比較例1では各実施例1A〜1Eとは異なり、製造直後から固液が分離してペーストの様相を呈さず、分散性が低いと結論付けられた(表1にて「×」で示す)。また、白度については、大きな差は認められなかったものの、各実施例1A〜1Eのほうが白度が高くなる傾向があった。
Figure 0006368074
(2)試験例2〜8
A.ごま微細化加工品サンプルの調製
この試験では、基本的に上記試験例1の手順に準拠してごま微細化加工品を作製した。ただし、ここでは出発原料スラリーにおける原料ごま液と水との配合比率を変更し、表2、表3に示すような複数種類のごま微細化加工品サンプルを得た。具体的には以下のとおりである。即ち、原料ごま液と水との配合比率を重量比で23:77とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行ったものを「実施例2A」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例2」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例2Aの粒度分布は、d50=2.03μm、d90=9.31μmであり、比較例2の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
原料ごま液と水との配合比率を重量比で20:80とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行うとともに、処理時間を短く設定したものを「実施例3A」、長く設定したものを「実施例3B」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例3」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例3Aの粒度分布は、d50=2.64μm、d90=19.22μmであり、実施例3Bの粒度分布は、d50=2.31μm、d90=8.12μmであり、比較例3の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
原料ごま液と水との配合比率を重量比で18:82とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行ったものを「実施例4A」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例4」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例4Aの粒度分布は、d50=2.90μm、d90=9.19μmであり、比較例4の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
原料ごま液と水との配合比率を重量比で15:85とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行ったものを「実施例5A」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例5」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例5Aの粒度分布は、d50=2.95μm、d90=9.42μmであり、比較例5の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
原料ごま液と水との配合比率を重量比で13:87とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行ったものを「実施例6A」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例6」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例6Aの粒度分布は、d50=2.55μm、d90=6.78μmであり、比較例6の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
原料ごま液と水との配合比率を重量比で10:90とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行ったものを「実施例7A」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例7」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例7Aの粒度分布は、d50=2.65μm、d90=9.01μmであり、比較例7の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
原料ごま液と水との配合比率を重量比で5:95とした場合において、微粉砕加工処理を所定時間行ったものを「実施例8A」のサンプルとする一方、処理時間を0分としたものを「比較例8」のサンプルとした。上記試験例1と同様の方法で測定した結果、実施例8Aの粒度分布は、d50=2.19μm、d90=6.49μmであり、比較例8の粒度分布は、d50=8.40μm、d90=50.5μmであった。
B.ごま微細化加工品サンプルに対する官能検査による評価
次に、製造直後及び保存3日後の各サンプルに関して、「渋み抑制度」、「クリーミー度」、「濃厚感」の3項目につき、上記試験例1の手順に準拠して官能検査を行い、評価を行った。その結果を表2、表3に示す。
表2、表3にて明らかなように、コントロール品である比較例2〜8のサンプルの「渋み抑制度」の評価は、製造直後及び保存3日後の両方において「×」(渋みが十分に抑制されているとは言い難く、渋みを感じる)であった。一方、微粉砕加工を行った全ての実施例2A〜8Aでは、製造直後及び保存3日後の両方において「◎」となり、「渋み抑制度」に関する評価が極めて高くなるという結果が得られた。つまり、試験例1のときよりごま微粒子の配合比率が低くても(重量比で5重量%〜23重量%であっても)、処理時間を長め(45分以上)に設定してごま微粒子を十分に微粒子化する(即ちd50が約3.0μm以下、かつd90が約10.0μm以下にする)ことで、渋みが十分に抑制され、渋みを全く感じなくなり、3日保存後でもこの渋み抑制効果が維持されることが実証された。
次に、コントロール品である比較例2〜8のサンプルの「クリーミー度」の評価は、製造直後及び保存3日後の両方において「×」(クリーミーとは言い難くざらついた食感となる)であった。一方、微粉砕加工を行った全ての実施例2A〜8Aでは、製造直後及び保存3日後の両方において「〇または◎」となり、「クリーミー度」に関する評価が高くなるという結果が得られた。つまり、試験例1のときよりごま微粒子の配合比率が低くても(重量比で5重量%〜23重量%であっても)、例えば処理時間を長めに設定してごま微粒子を十分に微粒子化する(即ちd50が約3.0μm以下、かつd90が約20.0μm以下にする)ことで、クリーミーで食感がよくなり、3日保存後でもこのクリーミー度向上効果が維持されることが実証された。そして、とりわけごま微粒子の粒度分布をd50=約3.0μm以下、かつd90=約10.0μm以下にすることで、より確実にクリーミー度向上効果が奏されることが実証された。
次に、コントロール品である比較例2〜8のサンプルの「濃厚感」の評価は、製造直後及び保存3日後の両方において「×」(濃厚とは言い難く薄い食感となる)であった。一方、微粉砕加工を行った全ての実施例2A〜8Aでは、製造直後及び保存3日後の両方において「〇または◎」となり、「濃厚感」に関する評価が高くなるという結果が得られた。つまり、試験例1のときよりごま微粒子の配合比率が低くても(重量比で5重量%〜23重量%であっても)、例えば処理時間を長めに設定してごま微粒子を十分に微粒子化する(即ちd50が約3.0μm以下、かつd90が約20.0μm以下にする)ことで、濃厚で食感がよくなり、3日保存後でもこの濃厚感向上効果が維持されることが実証された。そして、いくつかの実施例2A、3B、4A、5Aでは、「◎」というさらによい結果が得られた。即ち、ごま微粒子の配合比率が重量比で5重量%〜15重量%の場合、ごま微粒子の粒度分布をd50=約3.0μm以下、かつd90=約10.0μm以下にすることで、より確実に濃厚感向上効果が奏されることが実証された。
C.その他の評価
各実施例2A〜8A及び各比較例2〜8のサンプルの外観検査を行ったところ、各実施例2A〜8Aでは均一に乳化・分散されたペーストの性状となり、その状態は製造3日後においても殆ど変らず、分散性(乳化安定性)が高いと結論付けられた(表2、表3にて「〇」で示す)。しかし、比較例2〜8では各実施例2A〜8Aとは異なり、製造直後から固液が分離してペーストの様相を呈さず、分散性が低いと結論付けられた(表2、表3にて「×」で示す)。また、白度については、大きな差は認められなかったものの、各実施例2A〜8Aのほうが白度が高くなる傾向があった。
Figure 0006368074
Figure 0006368074
(3)試験例9
次に、ごま微細化加工品を用いて実際にごま微細化加工品入りたれを作製して評価試験を行った。
A.ごま微細化加工品入りたれのサンプルの作製
ここでは、上記実施例1Dのごま微細化加工品(d50=2.28μm、d90=6.93μm、粘度=95.5Pa・s)を用いるとともに、水、砂糖、食塩、液体調味液(醤油、食酢、出汁抽出液等)を配合して乳化処理を行うことにより、実施例9のごま微細化加工品入りたれを作製した。
B.たれサンプルに対する評価結果
製造直後のサンプルにつき官能検査を行い、「渋み抑制度」、「クリーミー度」、「濃厚感」の3項目を評価した結果、いずれも高い評価となった。即ち、「渋みが十分に抑制され渋みを全く感じないことに加え、非常にクリーミーで食感が極めてよく、非常に濃厚で食感が極めてよい」ごま微細化加工品入りたれを製造することができることがわかった。また、製造直後及び保存3日後に目視による外観検査を行い、サンプルの白度等を評価した結果、白度が高く均一に分散していて好ましい外観を備えていることがわかった。
(4)まとめ
上述したように、本実施形態の上記実施例によると、濃厚感を損なわずに良好な風味を有しており、添加剤に依存しなくても優れた分散性を発揮し、しかも生産性及びコスト性に優れたごま微細化加工品、及びごま微細化加工品入り液体調味料を提供することができる。また、上記実施例の製造方法によると、優れた諸特性を有する上記のごま微細化加工品を容易にかつ確実に得ることができる。
なお、本発明の実施形態は発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて以下のように変更してもよい。例えば、上記実施形態では本発明のごま微細化加工品入り液体調味料を「ごま微細化加工品入りたれ」として具体化したが、例えば「ごま微細化加工品入りぽん酢」、「ごま微細化加工品入りドレッシング」、「ごま微細化加工品入りつゆ」等として具体化することもできる。

Claims (8)

  1. 70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、
    前記ごま微粒子は、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを容器内で回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工したものであって、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下である
    ことを特徴とするごま微細化加工品。
  2. 前記ごま微粒子は、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる前記湿式微粉砕機で微粉砕化加工したものであることを特徴とする請求項1に記載のごま微細化加工品。
  3. 請求項1または2に記載のごま微細化加工品の製造方法であって、
    15重量%以上30重量%以下のごま原料に70重量%以上85重量%以下の水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して、湿式微粉砕機でそれらを回転させて微粉砕化加工する工程を経て製造されることを特徴とするごま微細化加工品の製造方法。
  4. 70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の渋みを抑制することを特徴とするごま微細化加工品の渋み抑制方法。
  5. 70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の濃厚感を向上することを特徴とするごま微細化加工品の濃厚感向上方法。
  6. 70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子のクリーミー感を向上することを特徴とするごま微細化加工品のクリーミー感向上方法。
  7. 70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の白度を向上することを特徴とするごま微細化加工品の白度向上方法。
  8. 70重量%以上85重量%以下の水系溶媒と、15重量%以上30重量%以下のごま微粒子とを含有し、前記ごま微粒子は、50%積算径(d50;メジアン径)が3.33μm以下かつ90%積算径(d90)が11.49μm以下であるごま微細化加工品を製造するにあたり、ごま原料に前記水系溶媒を添加したものを球状の無機粉砕媒体とともに容器内に収納して回転させる湿式微粉砕機で微粉砕化加工する工程を行うことで、前記ごま微粒子の渋みを抑制しつつ濃厚感、クリーミー感及び白度を向上することを特徴とするごま微細化加工品の渋み抑制及び濃厚感・クリーミー感・白度向上方法。
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