JP6364357B2 - 埋設管の吊下し配管工法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1に記載された門型フレームを用いた埋設工法では、掘削溝の掘削やガス管の吊り下しや配管のセットや溶接と検査等の各工程等が互いに干渉するので工事の進捗がスムーズに進まない欠点がある。
本発明による埋設管の吊下し配管工法では、掘削溝内の埋設位置より上方において、吊り治具で吊り下げ支持した溶接済みの既設の管の先端側に、互いに接合した複数の追加の管を別の吊り治具で吊り下げ支持して突き合わせて溶接し、そして、その後方に設けた既設の管同士の溶接部の前側または後側を1つの吊り治具で吊り下げた状態から当該1つの吊り治具を降下させることで、これらの既設の管を埋設位置に載置することができる。
そのため、既設の管と追加の管との溶接及び検査位置と、それより後方に設けた既設の管の溶接部の前側または後側を支持する1つの吊り治具の吊り下しによる複数の既設の管の埋設位置と、敷設した既設の管の埋戻し位置等の各工種が互いに干渉することがなく、同時にまたは連続して処理できるため、工事の進捗を向上できる。しかも、掘削溝内の埋設位置の上方でこれらの処理を行うためにスプレッド工法と比較して作業帯幅を縮小できると共に会所や土留めも必要なく、占有する作業帯の幅が狭い現場でも施工できる。
しかも、複数の追加の管は掘削溝内の受け台に載置した後で、別の吊り治具によって吊り上げ、後方の既設の管との芯合わせと溶接を行うため操作が容易であり、別の吊り治具による追加の管の吊り下げに大型重機や多くの作業員等を必要としない。しかも別の吊り治具で追加の管を支持した後は受け台を撤去できる。
これによって各管は溶接部の前後を2つの吊り治具で確実に吊り下げ支持できる。
掘削溝内に追加の管を載置させるための受け台を置くと共に、受け台に設けた溶接用基板は段部に延びているため、作業員は段部に立って既設の管と別の吊り治具で支持した追加の管とを溶接できる。
配管の敷設を促進するために、追加した管の本数と同一の数の既に溶接した既設の管を1つの吊り治具で掘削溝内の埋設位置に下すことで、効率良く管の溶接と埋設を進めることができる。
しかも、掘削溝内の埋設位置の上方でこれらの処理を行うために作業帯幅を縮小できるため、作業帯の幅に制限がある場所でも効率良く工事を行える。また、掘削溝内に溶接のための会所等を設ける必要がなく大型重機や多数の作業員が必要でないので、構成や作業が簡単で施工コストが低廉になる。
図1、図3、図4において、例えば鋼管からなる所定長さのガス管2の埋設装置1は、地盤を掘り下げて形成されていてガス管2を埋設するための掘削溝3と、掘削溝3の長手方向に直交する方向に跨って配設された簡易な組み立て分解式の仮門型フレーム4とを備えている。掘削溝3は例えば断面視で段部付きの凹溝からなり、ガス管2を埋設するための幅の狭い底部溝3aと、その上側に形成されていて拡径された段部3bを有する幅広の拡径溝3cとを形成している。
なお、吊り治具10は手動または特許文献1に示すような機械的手段によって支持バー12に沿って移動可能とする。
図5〜図7に示すガス管2の埋設装置1において、既に溶接済みの既設のガス管2を符号2Aで示し、新たに連結する追加のガス管2を符号2Bで示すものとする。図5に示すように既設のガス管2Aは互いに溶接によって連結されており、一部のガス管2Aは既に埋設され、他の一部のガス管2Aは掘削溝3内の埋設位置に載置され、残りの一部のガス管2Aは複数の吊り治具10によって埋設位置より高い位置に吊り下げ支持されている。
そして、追加のガス管2Bは、複数、例えば2本のガス管2Bが互いに溶接された状態で、掘削溝3内で受け台9上に載置され、そして別の吊り治具10によって吊り下げ支持される。
上述した各ガス管2A、2Bは、長さ方向両端部近傍を2つの吊り治具10でそれぞれ支持されている。また、各ガス管2A、2Bをそれぞれ連結する溶接部の前後位置も吊り治具10によって支持されている。なお、図5〜図7において、各吊り治具10は模式的に上向きの↑で示されている。
なお、本明細書において、図5に示すガス管2の配列方向において追加のガス管2Bを連結する方向を前方、前側といい、既に溶接されていて規定の土被り位置である埋設位置に埋設または敷設されたガス管2Aの方向を後方、後側というものとする。図5に示すガス管2の配管において、各ガス管2(2A、2B)はそれぞれ規定の径と長さ、例えば外径φ:300mm×長さL:12000mmを有している。
これらの吊り治具10は既設のガス管2A同士の溶接部の前後位置を吊っており、更に最も先端側のガス管2Aの先端も吊っている。これらの既設のガス管2Aは吊り治具10によって規定の土被り位置より上方に支持されている。また、各吊り治具10は仮門型フレーム4の支持バー12にそれぞれ支持されているものとする。
この状態から、図6(a)に示すように、予め互いに溶接して直線状をなす2本の追加のガス管2Bを図示しないクレーン等を用いて各載置台8の凹部8a上に設置する。
そして、図6(b)に示すように、各載置台8上の追加のガス管2Bの両端近傍を吊り治具10j,10k、10l、10mでそれぞれ吊り下げる。そして追加のガス管2Bをその後方側に位置する既設のガス管2Aと突き合わせて、吊り治具10j〜10mを上下左右に微小移動させて追加のガス管2Bの芯合わせを行う。
この状態で、溶接位置に基台6と溶接用基板7を設置して、既設のガス管2Aの先端部と追加のガス管2Bの後端部とを突き合わせて溶接する。
なお、仮門型フレーム4は各支柱が発泡樹脂製の基材11を積み上げただけであるから、支持バー12と共に簡単に取り外して分解できる。同様に、受け台9も基台6と載置台8は発泡樹脂製であるから溶接用基板7と共に取り外すことが容易である。
こうして、2本の追加のガス管2Bを溶接で追加する(これによって追加のガス管2Bは既設のガス管2Aになる)と共に、後方の2本の既設のガス管2Aが底部溝3a内の規定土被り位置に載置させられ、1サイクルのガス管2の吊下し配管工法が終了する。
また、2本の既設のガス管2Aを埋設位置に降下させる後側の吊り治具10aに代えて、前側の吊り治具10bによって2本の既設のガス管2Aを支持して埋設位置に降下させるようにしてもよい。
また、掘削溝3の掘削位置と、後端側の既設のガス管2Aの規定土被り位置への吊り下し位置と、追加のガス管2Bの受け台9への設置位置と、先端側の既設のガス管2Aと追加のガス管2Bとの溶接及び検査位置と、掘削溝3内の規定土被り位置に設置したガス管2の埋戻し位置とがそれぞれ作業帯の長手方向に異なる。そのため、各工程が互いに干渉しない位置で施工できるため、工事の進捗効率を向上できる。
しかも、本実施形態による埋設装置1では、既設のガス管2Aと追加のガス管2Bとの溶接に際し、吊り治具10でガス管2Aとガス管2Bを吊り上げた状態で突合せ溶接できる。しかも、段部3bに載置した溶接用基板7上で作業者が溶接できるので、溶接作業が容易である。
また、開削埋設工法のように掘削溝3内の地中で溶接せず、吊り治具10で掘削溝3の上方に吊り上げた状態で互いのガス管2A,2Bを溶接するため、会所等を設ける必要がなく、更にスプレッド工法のように大型重機や大量の作業員を投入する必要もないので、比較的低コストで施工できる。
例えば、上述した実施形態では、追加の2本のガス管2Bを予め溶接して接合した後、受け台9の載置台8の凹部8a上に載置するようにしたが、追加のガス管2Bは2本に限定されることなく、1本または3本以上の複数本を予め溶接して載置台8の凹部8aに載置するようにしてもよい。追加のガス管2Bを3本とした場合、最も後方に設けた1本の吊り治具10で支持する既設のガス管2Aも3本として同時に支持高さから規定の土被り位置まで降下させることが好ましい。
本変形例では、掘削溝22は段付きの掘削溝3に代えて底部に向けて先細となるテーパー状の両側面を形成した断面台形状を形成している。そして、仮門型フレーム4として、掘削溝22の両側に1段の基材11を載置し、その上に支持バー12を設置した。
これらの場合、上述した実施形態における段付き形状の掘削溝3と比較して掘削する断面積が比較的大きくなる。しかも既設のガス管2Aと追加のガス管2Bとの溶接時に作業者が底部に降りて或いは底部に溶接足場を形成して溶接することになるが、これらの場合でも溶接部に会所や土留めを設ける必要はなく、作業帯の幅はスプレッド工法等よりも狭く設定できる。
また、吊り治具10としてチェーンブロック14に代えて他の公知の昇降機構を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、掘削溝3の上方でガス管2を順次溶接して掘削溝3内の土被り位置に埋設する工法について説明したが、本発明はガス管2に限ることなく水道管や配線収納用管等、各種の鋼管製の管を埋設する埋設管の吊下し工法に適用できる。
2、2A,2B ガス管
3、22 掘削溝
3a 底部溝
3b 段部
3c 拡径溝
4 仮門型フレーム
6 基台
7 溶接用基板
8 載置台
8a 凹部
9、23 受け台
10、10a〜10m 吊り治具
11 基材
12 支持バー
Claims (4)
- 掘削溝内の埋設位置より上方で吊り治具によって吊り下げる溶接済みの既設の管の先端側に、予め互いに接合した複数の追加の管を別の吊り治具で吊り下げる工程と、
前記既設の管に前記複数の追加の管を溶接する工程と、
前記既設の管同士の溶接部の前側または後側を吊り下げ支持する最も後端側の1つの吊り治具を掘削溝内に吊り下すことによって前記溶接部の前後の既設の管を埋設位置に載置する工程と、を備え、
前記複数の追加の管を前記掘削溝内に載置された受け台上に載置した後に、前記別の吊り治具で吊り下げ支持するようにしたことを特徴とする埋設管の吊下し配管工法。 - 前記掘削溝は段部付き凹部形状であり、前記受け台と共に前記段部に溶接用基板を載置するようにした請求項1に記載された埋設管の吊下し配管工法。
- 前記埋設位置に下す前の前記既設の管と複数の追加の管とは、それぞれの管の溶接部の前後をそれぞれ前記吊り治具で吊り下げ支持している請求項1または2に記載された埋設管の吊下し配管工法。
- 最も後端側の1つの前記吊り治具で吊り下す前記既設の管の本数と前記追加の管の本数とを同一に設定した請求項1から3のいずれか1項に記載された埋設管の吊下し配管工法。
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