JP6361520B2 - デリバリパイプ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のデリバリパイプは、内燃機関のスロットルボディに固定されると共に燃料噴射弁の燃料入口側の端部に取り付けられる有底筒状のキャップ部と、そのキャップ部から径方向へ延びる管状のジョイント部を備えている。そのジョイント部には、燃料タンクから汲み上げられた燃料が流れる配管が接続される。デリバリパイプは、配管からジョイント部に供給された燃料を、キャップ部を経由して燃料噴射弁の燃料入口に供給する。
或いは、デリバリパイプのジョイント部と内燃機関の補機類とが干渉しないように、内燃機関の補機類の搭載位置を変更しなければならない。
なお、本明細書において、デリバリパイプが固定される内燃機関とは、スロットルボディ、インテークマニホールド、吸気管、排気管、シリンダヘッドおよびシリンダ本体などを総称していうものとする。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図10を参照して説明する。なお、図6,7では、燃料噴射弁10を2点鎖線で示している。
図1に示すように、デリバリパイプ1は、燃料噴射弁10に接続されると共に、図示していないボルトにより吸気管20に固定される。デリバリパイプ1は、車両の燃料タンク2からポンプ3によって汲み上げられ配管4を通じて供給された燃料を燃料噴射弁10の燃料入口11(図10参照)に供給する。本実施形態の燃料タンク2は、特許請求の範囲に記載の「燃料供給源」の一例に相当する。
メインパイプ30は、その外壁から径外方向に延びる固定部31を有する。固定部31には、ボルト(図示していない)を取り付けるためのボルト孔32が設けられている。このボルト孔32に通したボルトを吸気管20に設けられたねじ穴(図示していない)に螺合することにより、メインパイプ30は吸気管20に取り付けられる。また、固定部31は、ボルト孔32と平行に突出する位置決めピン33を有する。この位置決めピン33を吸気管20に設けられた穴(図示していない)に差し込むことにより、ボルト孔32に通したボルトを軸としたメインパイプ30の回転が防がれる。
メインパイプ30は、燃料噴射弁10の燃料入口11へ燃料を供給する第1燃料通路35を有する。第1燃料通路35から燃料噴射弁10の燃料入口11へ供給された燃料は、燃料噴射弁10の内側流路14を通り、噴孔15から噴射される(図2参照)。なお、メインパイプ30の内壁と燃料噴射弁10の外壁との間に設けられた第1のOリング16は、メインパイプ30の内壁と燃料噴射弁10の外壁との間からの燃料漏れを防いでいる。
フィードパイプ40の内筒部42は、メインパイプ30の内側に嵌合可能である。フィードパイプ40は、内筒部42の内側に第2燃料通路45を有する。メインパイプ30の第1燃料通路35とフィードパイプ40の第2燃料通路45とは連通している。なお、メインパイプ30の内壁とフィードパイプ40の外壁との間に設けられた第2のOリング46は、フィードパイプ40の内筒部42の外壁とメインパイプ30の内壁との間からの燃料漏れを防いでいる。
なお、腕部47と爪部48は、後述する凸部60に対し、フィードパイプ40の周方向にずれた位置に設けられている。
配管接続用パイプ50は、上述した燃料タンク2から燃料を供給する配管4に接続可能である(図1参照)。その配管4から供給される燃料は、第3燃料通路51、第2燃料通路45および第1燃料通路35を経由し、燃料噴射弁10の燃料入口11に供給される。
フィードパイプ40の内筒部42に対して径方向に向き合うメインパイプ30の内壁には、径外方向に凹む複数の凹部70が設けられている。本実施形態では、4個の凹部70が例示されているが、凹部70は少なくとも2個以上設けられていればよい。
また、本実施形態では、複数の凸部60と複数の凹部70は、いずれも周方向に等間隔に設けられている。そのため、隣り合う凸部60と凸部60の角度、又は隣り合う凹部70と凹部70の角度(本実施形態では90°)にて、メインパイプ30とフィードパイプ40は相対回転角を変えて組み付けることが可能である。
この状態で、図1に示すように、燃料噴射弁10のノズル部12を吸気管20の孔22に挿入し、メインパイプ30から延びる固定部31を吸気管20にボルト止めする。これにより、燃料噴射弁10とデリバリパイプ1は吸気管20に固定される。
(1)第1実施形態では、フィードパイプ40の内筒部42の外壁に少なくとも1個の凸部60が設けられる。また、メインパイプ30の内壁の周方向に複数個の凹部70が設けられる。その凸部60と凹部70は嵌合可能である。
これにより、複数の凹部70と凸部60とを嵌合する位置を変えることにより、メインパイプ30とフィードパイプ40との相対回転角が変わる。そのため、デリバリパイプ1は、内燃機関に固定されるメインパイプ30に対し、フィードパイプ40から延びる配管接続用パイプ50の向きを変えることが可能である。したがって、デリバリパイプ1は、内燃機関の補機類の搭載位置等に応じて配管接続用パイプ50の向きを変えることにより、種々の内燃機関に取り付けることができる。
これにより、複数の凸部60と複数の凹部70が嵌合する。したがって、デリバリパイプ1は、メインパイプ30とフィードパイプ40とのがたつきを防ぎ、これらを安定して接続することが可能である。
これにより、隣り合う凸部60と凸部60、又は隣り合う凹部70と凹部70の角度にて、メインパイプ30とフィードパイプ40は相対回転角を変えて組み付けることが可能になる。
これにより、メインパイプ30とフィードパイプ40を組み付ける際、これらを軸方向に移動することにより、凸部60と凹部70とを容易に嵌合することが可能である。
また、凸部60と凹部70は、メインパイプ30とフィードパイプ40とを組み付けた後に、メインパイプ30とフィードパイプ40との相対回転を確実に規制することが可能である。
これにより、凸部60と凹部70に角張った箇所が形成されない。そのため、デリバリパイプ1は、メインパイプ30とフィードパイプ40を組み付ける際、または組付けた後にも、凸部60と凹部70が摩耗することを抑制することができる。
これにより、フィードパイプ40とメインパイプ30をスナップフィットにより容易に組み付けることができる。
これにより、腕部47、爪部48及び凸部60が設けられたフィードパイプ40を樹脂射出形成する際、型抜き工程において、腕部47と爪部48を形成する金型の部位と、凸部60を形成する金型の部位とが干渉することを防ぐことができる。したがって、樹脂射出形成の際、金型からフィードパイプ40を容易に型抜きすることができる。
また、フィードパイプ40を径方向から見たとき、腕部47と爪部48に凸部60が隠れることなく、凸部60を視認することが可能である。したがって、このフィードパイプ40は、凸部60の製品検査を容易に行うことができる。
本発明の第2実施形態のデリバリパイプ1の断面図を図11に示す。第2実施形態では、フィードパイプ40の内筒部42の外壁に1個の凸部60が設けられている。また、フィードパイプ40の内筒部42に対して径方向に向き合うメインパイプ30の内壁に3個の凹部70が設けられている。なお、第2実施形態では、3個の凹部70が例示されているが、凹部70は少なくとも2個以上設けられていればよい。
本発明の第3実施形態のデリバリパイプ1の断面図を図12に示す。第3実施形態では、フィードパイプ40の内筒部42の外壁に4個の凹部71−74が設けられている。また、フィードパイプ40の内筒部42に対して径方向に向き合うメインパイプ30の内壁に4個の凸部61−64が設けられている。なお、凸部61−64の個数は、少なくとも1個以上、且つ、凹部71−74の個数以下であればよい。
なお、メインパイプ30の内壁に1個のみ凸部を設けた場合には、メインパイプ30とフィードパイプ40の相対回転角を4方向に変えて組み付けることが可能である。
本発明の第4実施形態のデリバリパイプ1の断面図を図13に示す。第4実施形態では、フィードパイプ40の内筒部42の外壁に設けられた凸部60と、メインパイプ30の内壁に設けられた凹部70は、いずれもメインパイプ30及びフィードパイプ40の軸に垂直な断面が矩形状である。凸部60は、凹部70の内側に嵌合可能な大きさである。また、複数の凸部60は同一の形状であり、複数の凹部70も同一の形状である。
第4実施形態では、複数の凸部60と複数の凹部70は、いずれも周方向に等間隔で設けられている。そのため、隣り合う凸部60と凸部60の角度、又は隣り合う凹部70と凹部70の角度(本実施形態では90°)にて、メインパイプ30とフィードパイプ40は相対回転角を変えて組み付けることが可能である。
本発明の第5実施形態のデリバリパイプ1の断面図を図14に示す。第5実施形態では、フィードパイプ40の外筒部43からメインパイプ30側へ延びる複数の腕部47は、内筒部42の外壁に設けられた凸部60に対し、フィードパイプ40の径方向に重なる位置に設けられる。
一般に、フィードパイプ40とメインパイプ30とを組み付ける際、凸部60又は凹部70の位置を視認することは困難である。そこで、第5実施形態では、上述した構成により、フィードパイプ40とメインパイプ30とを組み付ける際、腕部47及び爪部48の位置に基づき、その内側に凸部60が位置していることを認識することが可能である。したがって、凸部60と凹部70を容易に嵌合することができる。
本発明の第6実施形態のデリバリパイプ1の断面図を図15に示す。第6実施形態では、複数のメインパイプ301,302が連結管80によって接続されている。連結管80は、一方のメインパイプ301が有する第1燃料通路35と、他方のメインパイプ302が有する第1燃料通路35とを連通する連通路81を有している。
他方のメインパイプ302は、有底筒状に形成されている。そのため、第1燃料通路35は、燃料噴射弁10とは反対側が閉塞されている。配管接続用パイプ50に供給された燃料は、配管接続用パイプ50が有する第3燃料通路51、フィードパイプ40が有する第2燃料通路45、及び、一方のメインパイプ301が有する第1燃料通路35を経由し、一方の燃料噴射弁10の燃料入口11に供給される。また、一方のメインパイプ301が有する第1燃料通路35の燃料は、連通路81を経由し、他方のメインパイプ302が有する第1燃料通路35から他方の燃料噴射弁10の燃料入口11に供給される。
第6実施形態のデリバリパイプ1は、多気筒の内燃機関に適用することが可能である。
本発明の第7実施形態のデリバリパイプ1の断面図を図16に示す。なお、図16では、燃料噴射弁10を2点鎖線で示している。第7実施形態では、フィードパイプ40は、有底筒状に形成され、底部41と、その底部41から筒状に延びる筒部49とを有する。フィードパイプ40の筒部49は、メインパイプ30の外周に嵌合可能である。フィードパイプ40の筒部49の内壁とメインパイプ30の外壁との間に設けられたOリング461は、フィードパイプ40の筒部49とメインパイプ30の外壁との間からの燃料漏れを防いでいる。
凸部60と凹部70は、いずれもメインパイプ30及びフィードパイプ40の軸方向に延びている。凸部60は、凹部70の内側に嵌合可能な大きさである。また、複数の凸部60は同一の形状であり、複数の凹部70も同一の形状である。そのため、メインパイプ30とフィードパイプ40は、隣り合う凸部60と凸部60の角度、又は隣り合う凹部70と凹部70の角度にて、相対回転角を変えて組み付けることが可能である。したがって、デリバリパイプ1は、メインパイプ30の固定部31に対し、配管接続用パイプ50が延びる方向を変えることができる。
これにより、複数の凹部70と凸部60とを嵌合する位置を変えることにより、メインパイプ30とフィードパイプ40との相対回転角を変えて組み付けることが可能である。
(1)上述した実施形態では、吸気管20に取り付けられる燃料噴射弁10に燃料を供給するデリバリパイプ1について説明した。これに対し、他の実施形態では、デリバリパイプ1が燃料を供給する燃料噴射弁は、例えばスロットルボディ、インテークマニホールド、排気管、シリンダヘッドまたはシリンダ本体などに取り付けられるものであってもよい。
このように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
30,301,302・・・メインパイプ
35・・・第1燃料通路
40・・・フィードパイプ
45・・・第2燃料通路
50・・・配管接続用パイプ
51・・・第3燃料通路
60・・・凸部
70・・・凹部
Claims (8)
- 内燃機関(20)に固定され、燃料供給源(2)から配管(4)を通じて供給される燃料を燃料噴射弁(10)に供給するデリバリパイプであって、
前記内燃機関に固定可能であると共に前記燃料噴射弁に接続可能であり、前記燃料噴射弁が有する燃料入口(11)へ燃料を供給する第1燃料通路(35)を有する筒状のメインパイプ(30,301,302)と、
前記メインパイプの内側または外側に嵌合し、前記第1燃料通路に連通する第2燃料通路(45)を有する有底筒状のフィードパイプ(40)と、
前記フィードパイプから前記フィードパイプの軸に対し交差する方向に延びて前記配管に接続可能であり、前記第2燃料通路に連通する第3燃料通路(51)を有する配管接続用パイプ(50)と、
前記メインパイプと前記フィードパイプとが径方向に向き合う内壁又は外壁の一方に少なくとも1個設けられた凸部(60−64)と、
前記メインパイプと前記フィードパイプとが径方向に向き合う内壁又は外壁の他方の周方向に複数個設けられ、前記凸部に嵌合可能な凹部(70−74)と、を備えることを特徴とするデリバリパイプ。 - 複数の前記凹部の数と、前記凸部の数とは同一であることを特徴とする請求項1に記載のデリバリパイプ。
- 前記凸部(60)は、前記メインパイプと前記フィードパイプとが径方向に向き合う内壁又は外壁の一方に、複数個が周方向に等間隔で設けられ、
前記凹部(70)は、前記メインパイプと前記フィードパイプとが径方向に向き合う内壁又は外壁の他方に、複数個が周方向に等間隔で設けられることを特徴とする請求項2に記載のデリバリパイプ。 - 前記凸部と前記凹部は、前記メインパイプ及び前記フィードパイプの軸方向に延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデリバリパイプ。
- 前記凸部と前記凹部は、前記メインパイプ及び前記フィードパイプの軸に垂直な断面が円弧状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のデリバリパイプ。
- 前記フィードパイプ及び前記メインパイプの一方から他方へ延びる腕部(47)と、
前記腕部の先端に設けられ、前記フィードパイプ及び前記メインパイプの他方の外壁に設けられた段差部に嵌合する爪部(48)と、を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のデリバリパイプ。 - 前記腕部及び前記爪部は、前記凸部又は前記凹部に対し、前記フィードパイプ及び前記メインパイプの周方向にずれた位置に設けられることを特徴とする請求項6に記載のデリバリパイプ。
- 前記腕部及び前記爪部は、前記凸部又は前記凹部に対し、前記フィードパイプ及び前記メインパイプの径方向に重なる位置に設けられることを特徴とする請求項6に記載のデリバリパイプ。
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