以下に、本発明に係る情報処理装置、プログラム、情報処理システム及び情報表示方法について、その実施形態である監視システムを示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
以下に、実施形態1に係る監視システムについて説明する。図1は、実施形態1に係る監視システムの構成を示すブロック図である。本実施形態1の監視システムは、個人住宅又は集合住宅の各居室(以下、まとめて住居という)で生活している高齢者又は心身障害者等(以下、監視対象者という)の健康状態を監視する(見守る)システムである。なお、本実施形態1では、監視対象者は独居しているものとする。
本実施形態1の監視システムは、各住居に設置されたコントローラ(情報処理装置)1、本監視システムを運営する事業者が管理する監視サーバ3、各住居に住む監視対象者の状態の通知及び通報(警告)を受ける携帯端末装置2等を備える。コントローラ1、携帯端末装置2及び監視サーバ3はそれぞれ、インターネット等のネットワークNに接続可能であり、ネットワークNを介して各種情報を送受信する。監視サーバ3は、各住居に設置された複数のコントローラ1から逐次受信する各監視対象者の状態情報及び警告情報を蓄積すると共に携帯端末装置2へ送信する。携帯端末装置2は、例えば医療関係者、監視対象者の家族等が携帯する端末であり、携帯端末装置2の所有者は、監視サーバ3から送信される状態情報及び警告情報により各監視対象者の状態を把握できる。
各住居の各部屋には人の有無を検知する人感センサ、監視対象者が手動で操作する緊急ボタン等が設けてある。本実施形態1では、トイレに人感センサ(トイレ用人感センサ)51及び緊急ボタン(トイレ用緊急ボタン)52が設けてあり、寝室にベッドセンサ61、緊急ボタン(寝室用緊急ボタン)62及び枕動作装置63が設けてあり、リビングに人感センサ(リビング用人感センサ)71、緊急ボタン(リビング用緊急ボタン)72及び温度センサ73が設けてある。人感センサ及び緊急ボタン等は、これらの部屋以外の部屋(例えば浴室、台所、玄関等)にも設けてあってもよい。
人感センサ51,71は、所定の検知範囲内に人が存在するか否かを検知するセンサであり、例えば赤外線、超音波、可視光線等を出射してその反射波を検知することにより人の存在を検知する。即ち、トイレ用人感センサ51はトイレ内における人の有無を検知し、リビング用人感センサ71はリビング内における人の有無を検知する。人感センサ51,71は、人が存在していない状態から人の存在を検知した場合、又は人が存在している状態から人の不在を検知した場合、検知信号をコントローラ1へ出力する。これにより、トイレ用人感センサ51は、監視対象者のトイレの使用状況(排尿の状況)を検知する検知部として機能する。
なお、人感センサ51,71による人の検知方法はこれに限らない。また、トイレ用人感センサ51の代わりに、トイレ(便所)の使用の有無を検知するセンサを用いてもよい。例えば、トイレ(便座)への着座を検知するセンサ、流水(排水)の実行を検知するセンサ等を用いてもよい。また、監視対象者が手動でトイレの使用状況を入力するボタン(例えば、排尿後に操作するボタン、排便後に操作するボタン)を用いてもよい。例えば、流水の実行を指示するボタンとして排尿後に操作すべき「小ボタン」及び排便後に操作すべき「大ボタン」を有するトイレの場合、これらのボタンを用いることができる。このようなセンサ又はボタンを用いた場合には、トイレ内への入退室状況だけでなく、トイレの使用状況も把握できる。
緊急ボタン52,62,72は、監視対象者が自身の判断で救援を希望する場合に手動で操作するボタンである。緊急ボタン52,62,72は、監視対象者によって操作された場合、所定の信号をコントローラ1へ出力する。
温度センサ73は、リビングの壁面又は天井面等に設けられており、リビング内の温度を検知する。温度センサ73は、例えばコントローラ1からの指示に従って温度を検知し、検知した温度情報をコントローラ1へ出力する。なお、温度センサ73は、例えばリビングに設置された空調装置(図示せず)に設けてある温度センサを用いることができる。また空調装置は、コントローラ1からの指示に従って、冷房動作又は暖房動作の実行及び停止が可能に構成されていてもよい。
ベッドセンサ61は、寝室に設置されたベッドに対する入床及び出床、並びに、ベッドに在床している人の心拍数及び呼吸状態を検知するセンサである。ベッドセンサ61は、例えばベッドの床とその上のマットとの間に配置されたエアマット内の空気圧を検知することにより、人の入床及び出床、在床中の人の心拍数及び呼吸状態を検知する。ベッドセンサ61は、例えばコンデンサマイクロホン、ピエゾ抵抗効果を利用した圧力センサ、圧電効果を利用した圧力センサ等を使用する。ベッドセンサ61は、ベッドへの入床を検知した場合、又はベッドからの出床を検知した場合、それぞれの状態を示す検知信号をコントローラ1へ出力する。またベッドセンサ61は、定期的に在床中の人の心拍数及び呼吸状態を検知し、検知した心拍数及び呼吸状態を示す検知信号をコントローラ1へ出力する。
枕動作装置63は、在床中の人が使用する枕をベッドの床に対して平行な状態で、在床中の人に対して左右方向に、又は円形、楕円形、八の字形状等を描くように動作させる装置である。枕動作装置63は、枕を動作させる駆動部63b(図2参照)を有しており、駆動部63bは、例えば枕の内部に設けてあってもよく、枕とその下のマットとの間に設置されていてもよい。枕動作装置63は例えば、対向配置された2枚の平板の間にレールを設け、駆動部63bが、上方の平板(在床中の人の頭側の平板)をレールに沿って下方の平板に対して平行移動させることにより、枕を動作させる構成とすることができる。枕動作装置63は、コントローラ1からの指示に従って駆動部63bを動作させ、枕を動作させる。なお、在床中(睡眠中)の人(監視対象者)が無呼吸状態となった場合に、このように枕を動作させることによって気道の確保が可能となり、無呼吸状態が解消されることがある。
図1には、一戸の住居に設置されたコントローラ1及び人感センサ51,71等を示しているが、コントローラ1及び人感センサ51,71等は、複数の住居に設置されていてもよい。また各住居のコントローラ1はそれぞれネットワークNに接続可能である。
図2は、コントローラ1の内部構成を示すブロック図である。コントローラ1は、制御部10、RAM(Random Access Memory)11、記憶部12、通信部13、接続部14等を有する。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等である。制御部10は、記憶部12に記憶してある制御プログラムを適宜RAM11に読み出して実行することにより種々の処理を行うと共に、コントローラ1が備える上述した各部の動作を制御する。
RAM11は、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、フラッシュメモリ等であり、制御部10による各種の制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等であり、制御部10が実行する制御プログラム及び各種データを予め記憶している。また記憶部12には、コントローラ1にて監視される監視対象者の情報等が記憶されている。監視対象者の情報には、監視対象者の氏名が含まれており、監視対象者に対象者ID(IDentification)が割り当てられている場合には対象者IDも含まれる。更に記憶部12には、ネットワークNを介して監視サーバ3と通信する際に用いるサーバ情報が記憶されている。サーバ情報は、監視サーバ3に割り当てられている電子メールアドレス、IP(Internet Protocol)アドレス等である。
通信部13は、ネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して各種の通信装置との間で通信を行う。例えば、通信部13は、制御部10からの指示に従って、ネットワークNを介して監視サーバ3へ情報を送信する。なお、通信部13は、無線通信にてネットワークNに接続する構成でもよく、所定の信号線を介した有線通信にてネットワークNに接続する構成でもよい。
接続部14には、住居内の各部屋に設けられた人感センサ51,71、緊急ボタン52,62,72、ベッドセンサ61、枕動作装置63、温度センサ73等が接続される。接続部14は、所定の信号線を介して上述した各機器との接続が行われる構成でもよく、上述した各機器との間で無線通信が行われる構成でもよい。
コントローラ1は、上述した構成のほかに、制御部10からの指示に従って各種情報を表示する表示部、コントローラ1に対する各種操作を受け付ける操作部等を有する構成でもよい。
なお、枕動作装置63は、コントローラ1の接続部14に接続するための接続部63a及び駆動部63b等を有する。枕動作装置63は、コントローラ1が接続部14から出力する枕動作実行指示を接続部63aにて取得し、取得した枕動作実行指示に従って駆動部63bにて枕を動作させる。
図3は、監視サーバ3の内部構成を示すブロック図である。監視サーバ3は、制御部30、RAM31、記憶部32、通信部33等を有する。
制御部30は、CPU又はMPU等である。制御部30は、記憶部32に記憶してある制御プログラムを適宜RAM31に読み出して実行することにより種々の処理を行うと共に、監視サーバ3が備える上述した各部の動作を制御する。
RAM31は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等であり、制御部30による各種の制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
記憶部32は、HDD又はフラッシュメモリ等であり、制御部30が実行する制御プログラム及び各種データを予め記憶している。また記憶部32は、コントローラ1から適宜送信されてくる監視対象者の状態情報及び警告情報が蓄積される監視情報テーブル32aを記憶している。
図4は、監視情報テーブル32aの格納内容を示す模式図である。監視情報テーブル32aには、本実施形態1の監視システムにて健康状態が監視される監視対象者の情報が記憶される。具体的には、各監視対象者について、対象者ID、氏名、年齢、住所、状態情報、警告情報、対応状況等が対応付けて監視情報テーブル32aに記憶される。対象者IDの欄には、各監視対象者に割り当てられた対象者IDが格納される。なお、対象者IDの代わりに、各監視対象者を識別するための識別情報を用いる構成でもよい。氏名、年齢及び住所の各欄には、各監視対象者の氏名、年齢及び住所が格納される。対象者ID、氏名、年齢及び住所の各欄の内容は、各監視対象者に対して本実施形態1の監視システムによる監視が開始される際に、制御部30によって格納される。なお、これらの情報に変更があった場合、制御部30によって適宜更新される。
また状態情報の欄には、コントローラ1から送信された各監視対象者の状態情報が格納される。状態情報は、監視サーバ3がコントローラ1から状態情報を受信した日時と共に格納されてもよい。なお、状態情報は、監視対象者の状態を示す情報であり、例えば、起床中(出床中)であること、就寝中(入床中、在床中、睡眠中)であること、トイレの使用状況等を示す情報である。警告情報の欄には、コントローラ1から送信された各監視対象者の警告情報が格納される。警告情報は、監視サーバ3がコントローラ1から警告情報を受信した日時と共に格納されてもよい。なお、警告情報は、監視対象者の状態を示す情報のうちで早期に対応を要する状態を示す情報であり、例えば、監視対象者がトイレに長時間存在すること、室内の高温状態が長時間継続していること、監視対象者が無呼吸状態であること等を示す情報である。状態情報及び警告情報の各欄の内容は、コントローラ1から送信された状態情報及び警告情報を監視サーバ3が受信する都度、制御部30によって順次格納(蓄積)される。
更に対応状況の欄には、コントローラ1から受信した警告情報に対して対応済みである場合には「済」が格納され、未対応である場合には「未」が格納される。なお、制御部30は、コントローラ1から受信した警告情報を監視情報テーブル32aの警告情報の欄に格納した場合、対応する対応状況の欄に「未」を格納する。また制御部30は、例えば携帯端末装置2を介して「対応済み」が入力された場合に、対応状況の欄の内容を「未」から「済」に更新する。なお、携帯端末装置2の所有者が医療関係者である場合、この医療関係者は、監視サーバ3から通知された警告情報に従って適切な処置を行った後、携帯端末装置2の操作部24a(図5参照)を介して「対応済み」を入力する。また、携帯端末装置2の所有者が監視対象者の家族である場合、この家族は、監視サーバ3から通知された警告情報に従って、例えば所定の医療関係者への連絡又は救急搬送の依頼等を行った後、携帯端末装置2の操作部24aを介して「対応済み」を入力する。携帯端末装置2を介して入力された「対応済み」の情報は、携帯端末装置2から監視サーバ3へ送信され、監視サーバ3の制御部30は、受信した情報に基づいて監視情報テーブル32aの対応状況の欄を更新する。
なお、記憶部32には、監視対象者に関する状態情報及び警告情報を送信する通報先情報が更に記憶されている。通報先情報は、携帯端末装置2又はパーソナルコンピュータ等の通信装置に割り当てられている電子メールアドレス等、通報先の装置と通信する際に用いられる情報である。なお、通報先情報は、監視対象者毎に異なる構成でもよく、この場合、各監視対象者の通報先情報は監視情報テーブル32aに登録されていてもよい。
通信部33は、ネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して各種の通信装置との間で通信を行う。例えば、通信部33は、制御部30からの指示に従って、ネットワークNを介して携帯端末装置2へ情報を送信し、コントローラ1から送信された情報をネットワークNを介して受信する。通信部33は、無線通信にてネットワークNに接続する構成でもよく、所定の信号線を介した有線通信にてネットワークNに接続する構成でもよい。
監視サーバ3は、上述した構成のほかに、制御部30からの指示に従って各種情報を表示する表示部、監視サーバ3に対する各種操作を受け付ける操作部等を有する構成でもよい。
図5は、携帯端末装置2の内部構成を示すブロック図である。携帯端末装置2は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の通信装置である。携帯端末装置2は、制御部20、RAM21、記憶部22、通信部23、タッチパネル24等を有する。
制御部20は、CPU又はMPU等である。制御部20は、記憶部22に記憶してある制御プログラムを適宜RAM21に読み出して実行することにより種々の処理を行うと共に、携帯端末装置2が備える上述した各部の動作を制御する。
RAM21は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等であり、制御部20による各種の制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
記憶部22は、HDD又はフラッシュメモリ等であり、制御部20が実行する制御プログラム及び各種データを予め記憶している。また記憶部22は、本発明に係るプログラムである監視処理アプリケーションプログラム(以下、監視処理アプリという)22aを記憶している。なお、監視処理アプリ22aは、予め記憶部22に記憶されていてもよいし、ネットワークNを介して所定のウェブサーバからダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
更に記憶部22は、監視サーバ3から適宜送信されてくる監視対象者の状態情報及び警告情報が蓄積される監視情報テーブル22bを記憶している。監視情報テーブル22bは、監視サーバ3の記憶部32に記憶される監視情報テーブル32aの構成と同一の構成を有する。監視情報テーブル22bは、監視サーバ3の制御部30が監視情報テーブル32aを更新する処理と同様の処理を携帯端末装置2の制御部20が行うことによって逐次更新される構成でもよい。また、監視情報テーブル22bは、例えば制御部20が監視処理アプリ22aを実行した際に、ネットワークNを介して監視サーバ3から最新の監視情報テーブル32aを取得し、記憶部22に記憶される構成でもよい。
通信部23は、ネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して各種の通信装置との間で通信を行う。例えば、通信部23は、監視サーバ3から送信された情報をネットワークNを介して受信する。
タッチパネル24は、操作部24a及び表示部24bを備える。
操作部24aは、携帯端末装置2の所有者が携帯端末装置2を操作するために必要な各種の操作キーを有し、操作された操作キーに対応した情報を受け付け、受け付けた情報を制御部20へ送出する。制御部20は操作部24aから取得する情報に従って各種処理を実行する。
表示部24bは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であり、制御部20からの指示に従って各種情報を表示する。なお、操作部24a及び表示部24bは別体に構成されていてもよい。
以下に、本実施形態1の監視システムにおいて、上述した構成を有する各機器が行う処理についてフローチャートに基づき説明する。まず、コントローラ1が、トイレ用人感センサ51からの検知信号を取得した場合に行う処理について説明する。図6は、コントローラ1が行う処理の手順を示すフローチャートである。コントローラ1の制御部10は、トイレ用人感センサ51から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるトイレへの入室を検知したか否かを判断する(S1)。具体的には、制御部10は、トイレ内において人が存在していない状態から人の存在をトイレ用人感センサ51にて検知したか否かを判断する。
トイレへの入室を検知していないと判断した場合(S1:NO)、制御部10は、待機する。トイレへの入室を検知したと判断した場合(S1:YES)、制御部10は、この時点の日時情報を含む入室情報を記憶部12に記憶する(S2)。コントローラ1は、絶対日時(年月日、時、分、秒)を示す時計を制御部10の内部又は外部に有しており、制御部10は、この時計によって、監視対象者によるトイレの入室日時を取得する。
コントローラ1の制御部10は、トイレ用人感センサ51から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるトイレからの退室を検知したか否かを判断する(S3)。具体的には、制御部10は、トイレ内において人が存在している状態から人の不在をトイレ用人感センサ51にて検知したか否かを判断する。トイレからの退室を検知していないと判断した場合(S3:NO)、制御部10は、監視対象者がトイレに入室してから所定時間(例えば1時間)が経過したか否かを判断する(S4)。所定時間が経過していないと判断した場合(S4:NO)、制御部10は、ステップS3に処理を戻す。
所定時間が経過したと判断した場合(S4:YES)、コントローラ1の制御部10は、監視対象者が所定時間以上トイレに居ることを示す警告情報を監視サーバ3へ送信する(S5)。具体的には、制御部10は、監視対象者の対象者ID又は氏名等の識別情報と、監視対象者が長時間にわたってトイレに居ることを示す状態情報と、この情報は警告すべき情報であることを示す情報とを含む警告情報を送信する。また制御部10は、記憶部12に記憶してあるサーバ情報を用いて監視サーバ3への送信処理を行う。警告情報を送信した場合、制御部10は処理を終了する。
監視対象者のトイレからの退室を検知したと判断した場合(S3:YES)、コントローラ1の制御部10は、この時点の日時情報を含む退室情報を記憶部12に記憶する(S6)。退室情報を記憶した場合、制御部(算出部)10は、順次記憶部12に記憶した入室情報及び退室情報に基づいて、監視対象者のトイレの使用頻度を算出する(S7)。例えば制御部10は、午前0時から午後11時59分59秒までの1日において、午前0時から退室情報を記憶した時点までの時間と、その時点までのトイレの使用回数(具体的には、入室情報及び退室情報のペア数)とに基づいて、トイレの使用頻度を算出する。これにより、制御部10は、トイレの使用頻度(排尿の頻度)に関する頻度情報を取得する取得部として機能する。
コントローラ1の制御部(比較部)10は、算出した使用頻度を所定閾値と比較し、使用頻度が所定閾値以上であるか否かを判断する(S8)。なお、所定閾値は、一般的な数値に基づいて予め決定されて記憶部12に記憶されている。使用頻度が所定閾値以上であると判断した場合(S8:YES)、制御部(出力部)10は、監視対象者のトイレの使用頻度が多いことを示す警告情報を監視サーバ3へ送信(出力)する(S9)。具体的には、制御部10は、監視対象者の識別情報と、監視対象者のトイレの使用頻度が多いことを示す状態情報と、この情報は警告すべき情報であることを示す情報とを含む警告情報を送信する。なお、トイレの使用頻度が多い場合、監視対象者は脱水状態を発症している可能性がある。よって、制御部10は、状態情報として、脱水状態の疑いがあることを示す情報を含む警告情報を送信してもよい。
使用頻度が所定閾値未満であると判断した場合(S8:NO)、コントローラ1の制御部10は、監視対象者によるトイレの使用を示す状態情報を監視サーバ3へ送信する(S10)。具体的には、制御部10は、ステップS2で記憶部12に記憶した入室情報に含まれる入室日時から、ステップS6で記憶部12に記憶した退室情報に含まれる退室日時までトイレを使用したことを示す状態情報を、監視対象者の識別情報と共に送信する。
ステップS9で警告情報を送信した場合、又はステップS10で状態情報を送信した場合、制御部10は、ステップS1に処理を戻し、監視対象者のトイレへの入室を検知した場合、上述した処理を繰り返す。
図6に示した処理では、コントローラ1は、午前0時から退室情報を記憶部12に記憶した時点までにおける監視対象者のトイレの使用頻度に基づいて、警告情報を監視サーバ3へ送信すべきか否かを判断していた。このほかに、コントローラ1は、監視対象者によるトイレの使用間隔(排尿の間隔)に基づいて、警告情報を監視サーバ3へ送信すべきか否かを判断する構成としてもよい。具体的には、コントローラ1は、午前0時から退室情報を記憶部12に記憶した時点までにおける監視対象者のトイレの使用間隔の平均値を算出し、使用間隔の平均値が所定時間未満である場合に、警告情報を送信する構成としてもよい。トイレの使用間隔が短い場合、トイレの使用頻度が多くなるので、このような構成とした場合であっても、同様の効果が得られる。なお、トイレの使用間隔の平均値ではなく、それぞれのトイレの使用間隔を用いてもよい。例えばコントローラ1は、トイレの入室情報を記憶部12に記憶した場合に、直近のトイレの退室時刻(日時)からの経過時間を算出し、算出した経過時間(トイレの使用間隔)に基づいて判断してもよい。
また、コントローラ1は、所定の時間帯毎に監視対象者によるトイレの使用頻度又は使用間隔を算出し、時間帯毎に異なる閾値と比較する構成としてもよい。例えば、コントローラ1は、昼間の時間帯又は夜間の時間帯毎に、あるいは、監視対象者が起床中である時間帯又は就寝中である時間帯毎に、トイレの使用頻度又は使用間隔を算出し、それぞれの時間帯に応じた閾値との比較処理によって、警告情報を送信すべきか否かを判断する構成としてもよい。この場合、昼間又は夜間、起床中又は就寝中等のように監視対象者の環境及び状況が異なる場合であっても、それぞれの環境及び状況により適した判断結果が得られ、警告すべき状態を確実に警告(通報)できる。
更に、コントローラ1は、記憶部12に蓄積したトイレの入室情報及び退室情報から、夜間の時間帯(例えば、午後9時から午前6時までの時間帯)における入室情報及び退室情報を抽出し、夜間の時間帯におけるトイレの使用間隔を算出する。具体的には、トイレの退室時刻(日時)から次のトイレの入室時刻(日時)までの経過時間(トイレの使用間隔)を算出する。なお、算出した経過時間が複数ある場合、コントローラ1は、経過時間の平均値を算出してもよい。そして、コントローラ1は、算出した経過時間(トイレの使用間隔)に基づいて、警告情報を監視サーバ3へ送信すべきか否かを判断する構成としてもよい。
警告情報を送信すべきか否かの判断基準となる閾値は、予め記憶部12に記憶してある構成のほかに、監視対象者の過去の履歴に基づいて決定して記憶部12に記憶される構成でもよい。具体的には、コントローラ1は、記憶部12に順次記憶した入室情報及び退室情報に基づいて、監視対象者のトイレの使用頻度の平均値(又は使用間隔の平均値)を算出し、算出した使用頻度の平均値に基づいて、判断基準に用いる閾値を決定してもよい。また、この場合にも、所定の時間帯毎に使用頻度の平均値を算出し、所定の時間帯毎の閾値を決定してもよい。このように監視対象者の過去の履歴に基づいて決定された閾値を用いる場合、監視対象者の体質等を反映した判断処理が可能となる。
次に、コントローラ1が、ベッドセンサ61からの検知信号を取得した場合に行う処理について説明する。図7は、コントローラ1が行う処理の手順を示すフローチャートである。コントローラ1の制御部10は、ベッドセンサ61から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるベッドへの入床を検知したか否かを判断する(S21)。具体的には、制御部10は、監視対象者がベッドに入床したことをベッドセンサ61にて検知したか否かを判断する。
ベッドへの入床を検知していないと判断した場合(S21:NO)、コントローラ1の制御部10は待機する。ベッドへの入床を検知したと判断した場合(S21:YES)、制御部10は、監視対象者がベッドに入床したことを示す状態情報を監視サーバ3へ送信する(S22)。具体的には、制御部10は、ベッドへの入床を検知した時点の日時情報を時計にて取得し、取得した日時情報が示す日時に入床したことを示す状態情報を、監視対象者の識別情報と共に送信する。また制御部10は、記憶部12に記憶してあるサーバ情報を用いて監視サーバ3への送信処理を行う。
コントローラ1の制御部10は、ベッドセンサ61から出力される検知信号に基づいて、監視対象者の無呼吸状態を検知したか否かを判断する(S23)。具体的には、制御部10は、ベッドセンサ61から定期的に出力されてくる呼吸状態を示す検知信号に基づいて、監視対象者が無呼吸状態となっているか否かを判断する。これにより、制御部10は、在床する監視対象者の無呼吸状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部として機能する。
無呼吸状態を検知していないと判断した場合(S23:NO)、制御部10は、ベッドセンサ61から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるベッドからの出床を検知したか否かを判断する(S24)。具体的には、制御部10は、監視対象者がベッドから出床したことをベッドセンサ61にて検知したか否かを判断する。
ベッドからの出床を検知していないと判断した場合(S24:NO)、コントローラ1の制御部10は、監視対象者が入床してから所定時間(例えば10時間)が経過したか否かを判断する(S26)。所定時間が経過していないと判断した場合(S26:NO)、制御部10は、ステップS23に処理を戻す。所定時間が経過したと判断した場合(S26:YES)、制御部10は、監視対象者が所定時間以上ベッドに在床していることを示す警告情報を監視サーバ3へ送信する(S27)。具体的には、制御部10は、監視対象者の識別情報と、監視対象者が長時間に起きてこないことを示す状態情報と、この情報は警告すべき情報であることを示す情報とを含む警告情報を送信する。
ベッドからの出床を検知したと判断した場合(S24:YES)、コントローラ1の制御部10は、監視対象者がベッドから出床したこと(起床したこと)を示す状態情報を監視サーバ3へ送信する(S25)。具体的には、制御部10は、ベッドからの出床を検知した時点の日時情報を時計にて取得し、取得した日時情報が示す日時に出床したことを示す状態情報を、監視対象者の識別情報と共に送信する。
無呼吸状態を検知したと判断した場合(S23:YES)、コントローラ1の制御部10は、接続部14から枕動作装置63に対して枕動作実行指示を出力し、枕動作装置63にて枕を動作させる(S28)。制御部10は、枕動作装置63にて例えば30秒間枕を動作させる。なお、枕動作装置63は、ベッドセンサ61と連動して動作する構成であってもよい。この場合、ベッドセンサ61からの検知信号が枕動作装置63へ入力され、監視対象者の無呼吸状態を示す検知信号が入力された場合に、枕動作装置63が枕を動作させる構成とすることができる。またこのとき、枕動作装置63は、監視対象者が無呼吸状態となったことによって枕を動作させたことを示す動作情報をコントローラ1へ送信する。このときコントローラ1の制御部10は、このような動作情報を取得する動作情報取得部として機能する。
枕動作装置63によって枕を動作させた後、コントローラ1の制御部10は、ベッドセンサ61から出力される検知信号に基づいて、監視対象者が無呼吸状態であるか否かを再度検知し、監視対象者の無呼吸状態が継続しているか否かを判断する(S29)。無呼吸状態が継続していないと判断した場合(S29:NO)、即ち無呼吸状態が解消された場合、制御部10は、ステップS24に処理を移行する。無呼吸状態が継続していると判断した場合(S29:YES)、制御部10は、監視対象者の無呼吸状態を検知してから所定時間(例えば1分間)が経過したか否かを判断する(S30)。なお、制御部10は、枕動作装置63によって枕を動作させてから所定時間(例えば30秒間)が経過したか否かを判断する構成でもよい。
所定時間が経過していないと判断した場合(S30:NO)、コントローラ1の制御部10は、ステップS29に処理を戻し、所定時間が経過するか、監視対象者の無呼吸状態が解消されるまで、ステップS29,S30の処理を繰り返す。所定時間が経過したと判断した場合(S30:YES)、制御部10は、監視対象者が無呼吸状態であることを示す警告情報を監視サーバ3へ送信する(S31)。具体的には、制御部10は、監視対象者の識別情報と、監視対象者が無呼吸状態であることを示す状態情報と、この情報は警告すべき情報であることを示す情報とを含む警告情報を送信する。ステップS25で状態情報を送信した場合、ステップS27又はS31で警告情報を送信した場合、制御部10は処理を終了する。
上述した処理により、コントローラ1は、在床する監視対象者が無呼吸状態となった場合、監視対象者が使用する枕を動作させたにもかかわらず、所定時間が経過しても無呼吸状態が解消されなかったときに警告情報を監視サーバ3へ出力する。監視対象者が無呼吸状態となった場合、枕を動作させることによって無呼吸状態が解消されることがある。よって、枕を動作させることによって無呼吸状態が解消された場合には警告情報を出力せず、枕を動作させても無呼吸状態が解消されなかった場合に警告情報を出力する。これにより、通報が必要である場合にのみ警告を行うことが可能となり、警告情報を取得した人は、無呼吸状態に対する適切な対応を早期に行うことが可能となる。
コントローラ1は、上述した処理のほかに、ベッドセンサ61にて定期的に検知する監視対象者の心拍数を状態情報として監視サーバ3へ送信する処理を行う構成を有してもよい。また、コントローラ1は、ベッドセンサ61からの検知信号に基づいて、監視対象者が所定時間以上ベッドに入床していないことを検知し、この状態を示す警告情報を監視サーバ3へ送信する処理を行う構成を有してもよい。監視対象者が長時間ベッドに入床していない場合(長時間離床している場合)、監視対象者が住居のどこかで倒れている可能性がある。従って、このような状態を示す警告情報を監視サーバ3へ送信することにより、早期の対応が可能となる。
上述した構成により、コントローラ1は、ベッドに在床する監視対象者の無呼吸状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部、前記監視対象者が無呼吸状態となった場合に前記監視対象者が使用する枕を動作させる駆動装置が前記枕を動作させたことを示す動作情報を取得する動作情報取得部を備える。またコントローラ1は、前記状態情報取得部が前記状態情報を取得した後に前記動作情報取得部が前記動作情報を取得した場合、所定時間が経過するまでの間、前記状態情報取得部が前記状態情報の取得を継続するか否かを判断する判断部、該判断部によって前記状態情報取得部が前記状態情報の取得を継続したと判断された場合、警告情報を出力する出力部を備える。
次に、コントローラ1が、リビング用人感センサ71からの検知信号を取得した場合に行う処理について説明する。図8及び図9は、コントローラ1が行う処理の手順を示すフローチャートである。コントローラ1の制御部10は、リビング用人感センサ71から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるリビングへの入室を検知したか否かを判断する(S41)。具体的には、制御部10は、リビング内において人が存在していない状態から人の存在をリビング用人感センサ71にて検知したか否かを判断する。
リビングへの入室を検知していないと判断した場合(S41:NO)、制御部10は、待機する。リビングへの入室を検知したと判断した場合(S41:YES)、制御部10は、時計が示す時刻に基づいて、温度センサ73にてリビングの温度を検出する温度検出タイミングが到来したか否かを判断する(S42)。温度検出タイミングは例えば5分毎又は10分毎等とすることができる。温度検出タイミングが到来していないと判断した場合(S42:NO)、制御部10は、温度検出タイミングが到来するまで待機する。温度検出タイミングが到来したと判断した場合(S42:YES)、制御部10は、接続部14から温度センサ73に対して温度検出指示を出力し、温度センサ73にて検出したリビングの温度を示す温度情報を取得する(S43)。
なお、温度センサ73は、温度検出タイミングを計時する時計又はタイマ等の計時部を有し、計時部にて計時した温度検出タイミングでリビングの温度を検出する構成でもよい。この場合、温度センサ73は、計時部にて計時した温度検出タイミングで温度を検出し、検出した温度の温度情報を随時コントローラ1へ出力する。
コントローラ1の制御部10は、温度センサ73にて検出したリビングの温度が所定温度(高温閾値、例えば30℃)以上であるか否かを判断する(S44)。リビングの温度が高温閾値以上であると判断した場合(S44:YES)、制御部10は、接続部14を介して空調装置と通信し、空調装置による冷房動作が実行中であるか否かを判断する(S45)。冷房動作が実行中であると判断した場合(S45:YES)、制御部10はステップS48に処理を移行する。
冷房動作が実行中でないと判断した場合(S45:NO)、コントローラ1の制御部10は、接続部14から空調装置に対して冷房動作指示を出力し、空調装置による冷房動作を実行させる(S46)。そして制御部10は、リビングの空調装置による冷房動作を実行させたことを示す状態情報を監視サーバ3へ送信する(S47)。具体的には、制御部10は、冷房動作を実行させた時点の日時情報を時計にて取得し、取得した日時情報が示す日時に冷房動作を開始させたことを示す状態情報を、監視対象者の識別情報と共に送信する。なお、空調装置がコントローラ1によって制御できない構成である場合、制御部10は、ステップS46,S47の処理をスキップする。
コントローラ1の制御部10は、温度センサ73にてリビングの温度を再度検出し、高温閾値以上の高温状態が継続しているか否かを判断する(S48)。高温状態が継続していないと判断した場合(S48:NO)、即ち高温状態が解消された場合、制御部10は、ステップS58に処理を移行する。高温状態が継続していると判断した場合(S48:YES)、制御部10は、リビングの温度が高温閾値以上であることを検出してから所定時間(例えば30分間)が経過したか否かを判断する(S49)。なお、制御部10は、空調装置による冷房動作を開始させてから所定時間(例えば30分間)が経過したか否かを判断する構成でもよい。
所定時間が経過していないと判断した場合(S49:NO)、コントローラ1の制御部10は、ステップS48に処理を戻し、所定時間が経過するか、リビングの高温状態が解消するまで、ステップS48,S49の処理を繰り返す。所定時間が経過したと判断した場合(S49:YES)、制御部10は、リビングが高温状態であることを示す警告情報を監視サーバ3へ送信する(S50)。具体的には、制御部10は、監視対象者の識別情報と、監視対象者の住居(リビング)が高温状態であることを示す状態情報と、この情報は警告すべき情報であることを示す情報とを含む警告情報を送信する。
ステップS44で、リビングの温度が高温閾値以上でないと判断した場合(S44:NO)、コントローラ1の制御部10は、ステップS43で温度センサ73にて検出したリビングの温度が所定温度(低温閾値、例えば10℃)以下であるか否かを判断する(S51)。リビングの温度が低温閾値以下でないと判断した場合(S51:NO)、制御部10は、ステップS58に処理を移行する。リビングの温度が低温閾値以下であると判断した場合(S51:YES)、制御部10は、接続部14を介して空調装置と通信し、空調装置による暖房動作が実行中であるか否かを判断する(S52)。暖房動作が実行中であると判断した場合(S52:YES)、制御部10はステップS55に処理を移行する。
暖房動作が実行中でないと判断した場合(S52:NO)、コントローラ1の制御部10は、接続部14から空調装置に対して暖房動作指示を出力し、空調装置による暖房動作を実行させる(S53)。そして制御部10は、リビングの空調装置による暖房動作を実行させたことを示す状態情報を監視サーバ3へ送信する(S54)。具体的には、制御部10は、暖房動作を実行させた時点の日時情報を時計にて取得し、取得した日時情報が示す日時に暖房動作を開始させたことを示す状態情報を、監視対象者の識別情報と共に送信する。なお、空調装置がコントローラ1によって制御できない構成である場合、制御部10は、ステップS53,S54の処理をスキップする。
コントローラ1の制御部10は、温度センサ73にてリビングの温度を再度検出し、低温閾値以下の低温状態が継続しているか否かを判断する(S55)。低温状態が継続していないと判断した場合(S55:NO)、即ち低温状態が解消された場合、制御部10は、ステップS58に処理を移行する。低温状態が継続していると判断した場合(S55:YES)、制御部10は、リビングの温度が低温閾値以下であることを検出してから所定時間(例えば30分間)が経過したか否かを判断する(S56)。なお、制御部10は、空調装置による暖房動作を開始させてから所定時間(例えば30分間)が経過したか否かを判断する構成でもよい。
所定時間が経過していないと判断した場合(S56:NO)、コントローラ1の制御部10は、ステップS55に処理を戻し、所定時間が経過するか、リビングの低温状態が解消するまで、ステップS55,S56の処理を繰り返す。所定時間が経過したと判断した場合(S56:YES)、制御部10は、リビングが低温状態であることを示す警告情報を監視サーバ3へ送信する(S57)。具体的には、制御部10は、監視対象者の識別情報と、監視対象者の住居(リビング)が低温状態であることを示す状態情報と、この情報は警告すべき情報であることを示す情報とを含む警告情報を送信する。
ステップS58においてコントローラ1の制御部10は、リビング用人感センサ71から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるリビングからの退室を検知したか否かを判断する(S58)。具体的には、制御部10は、リビング内において人が存在している状態から人の不在をリビング用人感センサ71にて検知したか否かを判断する。リビングからの退室を検知していないと判断した場合(S58:NO)、制御部10は、ステップS42に処理を戻し、上述した処理を繰り返す。リビングからの退室を検知したと判断した場合(S58:YES)、制御部10は処理を終了する。なお、ステップS50又はS57で警告情報を送信した場合、制御部10は処理を終了する。
コントローラ1は、上述した処理のほかに、リビングの温度だけでなく湿度も検出し、検出した温度及び湿度に応じて警告情報を監視サーバ3へ送信する構成を有してもよい。特に夏場はリビングの温度だけでなく湿度によっても熱中症を発症する場合がある。従って、リビングの温度だけでなく湿度も考慮して警告情報を監視サーバ3へ送信することにより、早期の対応が可能となる。また、コントローラ1は、定期的に検出するリビングの温度を状態情報として監視サーバ3へ送信してもよい。
また、コントローラ1は、図6〜図9に示した処理のほかに、各緊急ボタン52,62,72が監視対象者によって操作された場合、各緊急ボタン52,62,72が操作されたことを示す警告情報を監視サーバ3へ送信する処理を行う。これにより、監視対象者が自身の判断で緊急ボタン52,62,72を操作した場合にも確実に警告(通報)できる。
次に、上述した処理によりコントローラ1が送信した状態情報及び警告情報を監視サーバ3が受信した場合に、監視サーバ3が行う処理について説明する。図10は、監視サーバ3が行う処理の手順を示すフローチャートである。
監視サーバ3の制御部30は、コントローラ1から送信された状態情報を、ネットワークNを介して通信部33にて受信したか否かを判断している(S61)。なお、監視サーバ3の制御部30は、図6中のステップS10、図7中のステップS22,S25、図8及び図9中のステップS47,S54でコントローラ1が送信した状態情報を受信する。状態情報を受信していないと判断した場合(S61:NO)、制御部30は、ステップS64に処理を移行する。
状態情報を受信したと判断した場合(S61:YES)、監視サーバ3の制御部30は、受信した状態情報に基づいて監視情報テーブル32aを更新する(S62)。具体的には、制御部30は、監視情報テーブル32aにおいて、状態情報と共にコントローラ1から受信した監視対象者の識別情報(対象者ID及び氏名)に対応する状態情報の欄に、受信した状態情報を格納する。なお、制御部30は、受信した状態情報を受信日時と共に受信日時の順に監視情報テーブル32aの状態情報の欄に蓄積しており、これにより、各監視対象者の状態情報の履歴が蓄積される。
監視サーバ3の制御部30は、ステップS61で受信した状態情報を、ネットワークNを介して携帯端末装置2へ送信する(S63)。具体的には、制御部30は、コントローラ1から受信した状態情報及び監視対象者の識別情報を、記憶部32に記憶してある通報先情報を用いて通信部33にて携帯端末装置2へ転送する。
次に監視サーバ3の制御部30は、コントローラ1から送信された警告情報を、ネットワークNを介して通信部33にて受信したか否かを判断する(S64)。なお、監視サーバ3の制御部30は、図6中のステップS5,S9、図7中のステップS27、S31、図8及び図9中のステップS50、S57でコントローラ1が送信した警告情報を受信する。警告情報を受信していないと判断した場合(S64:NO)、制御部30は、ステップS61に処理を戻す。
警告情報を受信したと判断した場合(S64:YES)、監視サーバ3の制御部30は、受信した警告情報に基づいて監視情報テーブル32aを更新する(S65)。具体的には、制御部30は、監視情報テーブル32aにおいて、コントローラ1から受信した警告情報に含まれる監視対象者の識別情報(対象者ID及び氏名)に対応する警告情報の欄に受信した警告情報(警告すべき状態情報)を格納し、対応する対応状況の欄に「未」を格納する。なお、制御部30は、受信した警告情報を受信日時と共に受信日時の順に監視情報テーブル32aの警告情報の欄に蓄積しており、これにより、各監視対象者の警告情報の履歴が蓄積される。
監視サーバ3の制御部30は、ステップS64で受信した警告情報を、ネットワークNを介して携帯端末装置2へ送信する(S66)。具体的には、制御部30は、コントローラ1から受信した警告情報を、記憶部32に記憶してある通報先情報を用いて通信部33にて携帯端末装置2へ転送する。
上述した処理により、監視サーバ3は、各住居に設置されたコントローラ1から送信された各監視対象者の状態情報及び警告情報を監視情報テーブル32aに蓄積すると共に携帯端末装置2へ転送する。
次に、上述した処理により監視サーバ3が送信(転送)した状態情報及び警告情報を携帯端末装置2が受信した場合に、携帯端末装置2が行う処理について説明する。図11は、携帯端末装置2が行う処理の手順を示すフローチャート、図12及び図13は、携帯端末装置2の表示画面例を示す模式図である。
携帯端末装置2の制御部(第1表示制御部)20は、記憶部22に記憶してある監視処理アプリ22aを実行した場合、監視情報テーブル22bの格納内容に基づいて、監視システムにて監視している監視対象者の状態を示す表示画面をタッチパネル24(表示部24b)に表示する(S71)。なお、制御部20は、監視処理アプリ22aを実行した場合に、最新の監視情報テーブル32aを監視サーバ3から取得し、監視情報テーブル22bとして記憶部22に記憶する構成でもよい。
図12Aには、監視対象者の状態を示す状態表示画面の初期状態の例を示す。図12Aに示す例では、表示部24bの表示領域の下端に横長のメニュー領域が設けてあり、メニュー領域には、表示画面を1つ前の状態に戻すためのボタンB1、及びホーム画面の表示(監視処理アプリ22aの終了)を指示するためのボタンB2等が常時表示されている。
メニュー領域以外の領域は、監視処理アプリ22aに係る表示画面、具体的には状態表示画面の表示領域となる。状態表示画面は、携帯端末装置2が監視サーバ3から受信した状態情報を表示するための通常表示領域(第1領域)24b1と、携帯端末装置2が監視サーバ3から受信した警告情報を表示するための警告表示領域(第2領域)24b2とを有する。なお、図12Aに示すように、状態表示画面は初期状態では全体が通常表示領域24b1となっている。通常表示領域24b1には、監視情報テーブル22bに格納してある各監視対象者の氏名、住所及び状態情報等を含む対象者情報が表示される。なお、通常表示領域24b1に表示される対象者情報はこれらに限らない。監視対象者の状態情報として、住居(例えばリビング)の温度及び空調装置の動作状態を示す情報が監視情報テーブル22bに格納されている場合には、これらの情報も対象者情報に含めて通常表示領域24b1に表示される。
また、監視対象者の状態情報は、それぞれの状態を示すアイコン(標識)で表示される。監視対象者の状態を示すアイコンには、例えば、監視対象者が起床中であることを示すアイコンI1、就寝中であることを示すアイコンI2、外出中であることを示すアイコンI3、監視対象者の住居の空調装置が動作中であることを示すアイコンI4等がある。このように監視対象者の状態をアイコンにて表示することにより、各監視対象者の状態の把握が容易となる。また、監視対象者が多数いる場合、通常表示領域24b1にスクロールバーが設けられ、タッチパネル24(操作部24a)にてスクロールバーを操作することにより全ての監視対象者の対象者情報を確認できるように構成してある。
なお、それぞれのアイコンを表示するためのアイコン情報(画像データ)は、例えば監視処理アプリ22aに予め組み込まれている。よって、携帯端末装置2の制御部20は、監視対象者の状態情報を表示する際に、それぞれの状態情報に応じたアイコン情報を選択し、各監視対象者の状態を示すアイコンを表示する。なお、監視サーバ3から送信されてくる状態情報に、状態情報に応じたアイコンを表示するためのアイコン情報が含まれていてもよい。この場合、携帯端末装置2の制御部20は、監視サーバ3から受信したアイコン情報に基づいて、各監視対象者の状態を示すアイコンを表示すればよい。
図12Aに示すような状態表示画面を表示部24bに表示した携帯端末装置2において、制御部20は、監視サーバ3から送信された状態情報を、ネットワークNを介して通信部23にて受信したか否かを判断している(S72)。なお、携帯端末装置2の制御部20は、図10中のステップS63で監視サーバ3が送信した状態情報を受信する。状態情報を受信していないと判断した場合(S72:NO)、制御部20は、ステップS75に処理を移行する。
状態情報を受信したと判断した場合(S72:YES)、携帯端末装置2の制御部20は、受信した状態情報に基づいて監視情報テーブル22bを更新する(S73)。具体的には、制御部20は、監視情報テーブル22bにおいて、状態情報と共に監視サーバ3から受信した監視対象者の識別情報(対象者ID及び氏名)に対応する状態情報の欄に、受信した状態情報を格納する。なお、制御部20は、受信した状態情報を受信日時と共に受信日時の順に監視情報テーブル22bの状態情報の欄に蓄積しており、これにより、各監視対象者の状態情報の履歴が蓄積される。
携帯端末装置2の制御部20は、監視情報テーブル22bの更新内容に基づいて、状態表示画面の通常表示領域24b1に表示中の対象者情報を更新する(S74)。具体的には、制御部20は、表示部24bに表示中の通常表示領域24b1において、ステップS73で状態情報を更新された監視対象者の対象者情報を特定し、特定した対象者情報における状態情報を、更新された状態情報に変更する。例えば、監視対象者の状態が起床中から就寝中に変化した場合、起床中であることを示すアイコンI1の表示が就寝中であることを示すアイコンI2の表示に切り替えられる。
次に携帯端末装置2の制御部(取得部)20は、監視サーバ3から送信された警告情報を、ネットワークNを介して通信部23にて受信したか否かを判断する(S75)。なお、携帯端末装置2の制御部20は、図10中のステップS66で監視サーバ3が送信した警告情報を受信する。警告情報を受信していないと判断した場合(S75:NO)、制御部20は、ステップS72に処理を戻す。
警告情報を受信したと判断した場合(S75:YES)、携帯端末装置2の制御部20は、受信した警告情報に基づいて監視情報テーブル22bを更新する(S76)。具体的には、制御部20は、監視情報テーブル22bにおいて、監視サーバ3から受信した警告情報に含まれる監視対象者の識別情報(対象者ID及び氏名)に対応する警告情報の欄に受信した警告情報(警告すべき状態情報)を格納し、対応する対応状況の欄に「未」を格納する。なお、制御部20は、受信した警告情報を受信日時と共に受信日時の順に監視情報テーブル22bの警告情報の欄に蓄積しており、これにより、各監視対象者の警告情報の履歴が蓄積される。
携帯端末装置2の制御部20は、表示部24bに表示中の状態表示画面に警告表示領域24b2があるか否かを判断し(S77)、ないと判断した場合(S77:NO)、状態表示画面に警告表示領域24b2を生成する(S78)。図12Bに示す状態表示画面では、制御部20は、通常表示領域24b1の上側に警告表示領域24b2を生成し、警告表示領域24b2の分だけ通常表示領域24b1を縮小する。なお、制御部20は、警告表示領域24b2を通常表示領域24b1の下側、左側又は右側に生成する構成でもよい。警告表示領域24b2があると判断した場合(S77:YES)、制御部20は、ステップS78の処理をスキップする。
携帯端末装置2の制御部(第2表示制御部)20は、監視情報テーブル22bの更新内容に基づいて、状態表示画面の警告表示領域24b2に警告情報を表示する(S79)。具体的には、制御部20は、状態表示画面に生成した警告表示領域24b2に、ステップS76で監視情報テーブル22bに格納した警告情報を、対応する監視対象者の氏名及び住所と共に表示する。なお、警告表示領域24b2に表示される情報はこれらに限らない。図12Bに示す例では、警告情報は、警告すべき監視対象者の状態を示すアイコン(標識)及びメッセージで表示されている。なお、監視対象者の状態を示すアイコンには、例えば、監視対象者がトイレに長時間存在すること(トイレ長時間)を示すアイコンI5、室内の高温状態が長時間継続していること(高温異常)を示すアイコンI6等がある。
図14は、警告すべき監視対象者の状態を示すアイコンの他の例を示す模式図である。図14Aには、監視対象者に脱水状態の疑いがある状態を示すアイコンを表示し、図14Bには、監視対象者が無呼吸状態であることを示すアイコンを示す。このように、監視対象者の状態をアイコンにて表示することにより、各監視対象者の状態の把握が容易となる。特に、図14に示すように、アイコンに感嘆符(エクスクラメーションマーク)を含めることにより、監視対象者が早期の対応を要する状態であることを容易に通知できる。
また、警告すべき監視対象者の状態を示す各アイコンについても、アイコンを表示するためのアイコン情報(画像データ)は、例えば監視処理アプリ22aに予め組み込まれている。よって、携帯端末装置2の制御部20は、警告情報を表示する際に、各監視対象者の状態に応じたアイコン情報を選択し、選択したアイコン情報に基づいて各アイコンを表示する。なお、監視サーバ3から送信されてくる警告情報に、各状態(警告すべき状態)に応じたアイコンを表示するためのアイコン情報が含まれていてもよい。この場合、携帯端末装置2の制御部20は、監視サーバ3から受信したアイコン情報に基づいて、各監視対象者の状態を示すアイコンを表示すればよい。
次に携帯端末装置2の制御部(移動表示部)20は、状態表示画面の通常表示領域24b1において、ステップS76で警告情報を格納された監視対象者の対象者情報の表示位置を移動させる(S80)。具体的には、制御部20は、通常表示領域24b1において、ステップS76で警告情報を格納された監視対象者の対象者情報を特定し、特定した対象者情報を、通常表示領域24b1内の所定領域に移動させる。図12Bに示す例では、制御部20は、通常表示領域24b1内の上端側(警告表示領域24b2側)に移動させている。なお、図12Bには、監視対象者「上田太郎様」に対する警告情報を携帯端末装置2が受信した場合の例を示す。警告情報が出された監視対象者の対象者情報を移動させる領域は、通常表示領域24b1に表示されている多数の対象者情報において携帯端末装置2のユーザが見つけ易い領域であれば、通常表示領域24b1内の上端側の領域は限らない。
携帯端末装置2の制御部20は、ステップS80で表示位置を移動させた対象者情報の表示態様を変更する(S81)。図12Bに示す例では、制御部20は、通常表示領域24b1において、ステップS80で表示位置を移動させた対象者情報の上に、警告を示すマークMを重ねて表示している。これにより、通常表示領域24b1に表示中の多数の対象者情報において、警告情報が出されている監視対象者の対象者情報を、他の対象者情報と容易に判別可能となる。
携帯端末装置2の制御部20は、ステップS81の処理後、ステップS72に処理を戻し、監視サーバ3から送信された状態情報又は警告情報を受信する都度、上述した処理を繰り返す。なお、制御部20は、警告情報を受信する都度、受信した警告情報を表示させるために状態表示画面中の警告表示領域24b2を拡大し、これに伴って通常表示領域24b1を縮小する。図12Bに示す例では、警告表示領域24b2に1つの警告情報が表示してあり、図13に示す例では、警告表示領域24b2に2つの警告情報が表示してある。このように表示すべき警告情報の数に応じて、警告表示領域24b2を拡大させることにより、携帯端末装置2のユーザに警告情報をより確実に通知することができる。
また、携帯端末装置2の制御部20は、通常表示領域24b1の大きさを縮小する際に、通常表示領域24b1に表示される各対象者情報の表示領域及び表示フォント等を小さくする構成としてもよい。またこのとき、制御部20は、通常表示領域24b1に表示されている対象者情報のうちで、警告情報を通知されていない監視対象者の対象者情報の表示領域及び表示フォントのみを小さくしてもよい。更に、制御部20は、通常表示領域24b1に表示されている対象者情報のうちで、警告情報を通知されている監視対象者の対象者情報の表示領域及び表示フォントを大きくしてもよい。
また、携帯端末装置2の制御部20は、監視情報テーブル22bの対応状況の欄を「済」に更新した場合、即ち警告情報に対する対応が行われた場合、対応する警告情報の警告表示領域24b2での表示を終了する。なお、制御部20は、警告表示領域24b2に表示中の警告情報の表示を終了させた場合、表示を終了させた警告情報の分、警告表示領域24b2を縮小し、これに伴って通常表示領域24b1を拡大する。即ち、警告表示領域24b2は、まだ対応が行われていない警告情報の数に応じて拡大又は縮小される。
更に、携帯端末装置2の制御部20は、警告表示領域24b2における警告情報の表示を終了した監視対象者について、通常表示領域24b1に表示中の対象者情報を元の位置に戻す。制御部20は、通常表示領域24b1に表示する各対象者情報を、例えば各監視対象者の対象者ID順に又は氏名のあいうえお順等の所定の順序で表示する。従って、制御部20は、警告情報の表示を終了した監視対象者の対象者情報を、所定の順序に従った位置に表示を戻す。
なお、携帯端末装置2の制御部20は、監視情報テーブル22bの対応状況の欄を「済」に更新した場合、対応する監視対象者の識別情報と、対応状況を「済」に更新したことを示す情報とを監視サーバ3へ通知する。監視サーバ3の制御部30は、通知された情報に基づいて、記憶部32に記憶してある監視情報テーブル32aの対応状況の欄を更新する。これにより、監視サーバ3の監視情報テーブル32aにおいても、各警告情報に応じた対応が行われたか否かを管理できる。
図11に示す処理では、携帯端末装置2は、状態表示画面の警告表示領域24b2に、監視サーバ3から受信した警告情報をそのまま表示する構成であったが、これに限らない。例えば、携帯端末装置2は、監視サーバ3からトイレの使用頻度が多いことを示す警告情報を受信した場合に、脱水状態の疑いがあることを示す警告情報に変更して表示してもよい。具体的には、携帯端末装置2は、図14Aに示すアイコンを含む警告情報を警告表示領域24b2に表示させる構成でもよい。この場合、携帯端末装置2にて警告情報を受信したユーザ(例えば医療関係者)は、監視対象者における脱水状態の発症を早期に把握でき、適切な処置を早期に行うことができる。
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る監視システムについて説明する。図15は、実施形態2の監視システムの構成を示すブロック図である。上述した実施形態1の監視システムでは、各住居に設置してあるコントローラ1が、各住居の監視対象者に関する状態情報及び警告情報を監視サーバ3へ送信し、監視サーバ3で管理される構成であった。本実施形態2の監視システムは、マンション又はアパート等の集合住宅に1つの中継サーバ4を設け、集合住宅の各住居(居室)に設置されたコントローラ1が送信する各監視対象者に関する状態情報及び警告情報を中継サーバ4が監視サーバ3へ送信する構成である。なお、本実施形態2でも、監視対象者は集合住宅の各居室に独居しているものとする。
本実施形態2の監視システムは、各住居に設置された複数のコントローラ1、各コントローラ1から監視対象者の状態情報及び警告情報を受信する中継サーバ4を備える。また、図15には図示を省略しているが、本実施形態2の監視システムは、監視サーバ3及び携帯端末装置2を備える。なお、本実施形態2の監視システムにおいて、コントローラ1が各監視対象者に関する状態情報及び警告情報を監視サーバ3へ送信する送信処理を中継サーバ4が中継する構成以外の構成については、上述の実施形態1の監視システムと同様である。よって、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
中継サーバ4は、制御部40、RAM41、記憶部42、通信部43、接続部44等を有する。
制御部40は、CPU又はMPU等である。制御部40は、記憶部42に記憶してある制御プログラムを適宜RAM41に読み出して実行することにより種々の処理を行うと共に、中継サーバ4が備える上述した各部の動作を制御する。
RAM41は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等であり、制御部40による各種の制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
記憶部42は、HDD又はフラッシュメモリ等であり、制御部40が実行する制御プログラム及び各種データを予め記憶している。また記憶部42は、コントローラ1から適宜送信されてくる監視対象者の状態情報及び警告情報が蓄積される監視情報テーブル42aを記憶している。監視情報テーブル42aは、上述の実施形態1で説明した監視サーバ3の記憶部32に記憶される監視情報テーブル32aの構成と同一の構成を有する。また、監視情報テーブル42aは、上述の実施形態1で監視サーバ3の制御部30がコントローラ1から受信した情報に基づいて監視情報テーブル32aを更新する処理と同様の処理を中継サーバ4の制御部40が行うことによって逐次更新される。更に記憶部42には、ネットワークNを介して監視サーバ3と通信する際に用いるサーバ情報が記憶されている。サーバ情報は、監視サーバ3に割り当てられている電子メールアドレス、IPアドレス等である。
通信部43は、ネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して各種の通信装置との間で通信を行う。例えば、通信部43は、制御部40からの指示に従って、ネットワークNを介して監視サーバ3へ情報を送信する。通信部43は、無線通信にてネットワークNに接続する構成でもよく、所定の信号線を介した有線通信にてネットワークNに接続する構成でもよい。
接続部44は、集合住宅内の各住居に設置されているコントローラ1と接続するためのインタフェースであり、所定の信号線を介して各コントローラ1との接続が行われる構成でもよく、各コントローラ1との間で無線通信が行われる構成でもよい。
本実施形態2の監視システムにおいて、中継サーバ4の制御部40は、上述の実施形態1の監視サーバ3の制御部30が行う処理、具体的には、図10に示す処理と同様の処理を行う。これにより、中継サーバ4は、各住居に設置されたコントローラ1から送信された各監視対象者の状態情報及び警告情報を自装置の監視情報テーブル42aに蓄積すると共に監視サーバ3へ転送する。
(実施形態3)
以下に、実施形態3に係る監視システムについて説明する。図16は、実施形態3の監視システムの構成を示すブロック図である。上述した実施形態1,2の監視システムでは、監視対象者はそれぞれ独居しているものとし、各住居には監視対象者が1人しかいない状況を想定していた。本実施形態3の監視システムでは、各住居に複数の監視対象者が存在する状況を想定する。
本実施形態3の監視システムは、上述した実施形態1の監視システムが備える各機器のほかに、トイレ及びリビングに対象者識別装置53,74が設けてある。対象者識別装置53,74は、トイレ又はリビング内に存在する人が、この住居に住む監視対象者の誰であるかを識別できる装置である。例えば、対象者識別装置53,74は、トイレ又はリビングに設けられた無線機と、各監視対象者が携帯する携帯無線機とで構成することができる。無線機及び携帯無線機で構成される対象者識別装置53,74では、例えば、無線機が定期的に所定信号を出力し、携帯無線機が、無線機から出力された所定信号を受信した場合、自機の識別情報を含む返信信号を出力する。また無線機が、携帯無線機が出力した返信信号を受信した場合、返信信号に含まれる識別情報に基づいて、自機と通信可能な範囲内に存在する携帯無線機、即ち、この携帯無線機を携帯する監視対象者を特定する。これにより、住居に複数の監視対象者が住んでいる場合であっても、トイレ又はリビングに居る監視対象者を識別することができる。なお、携帯無線機は例えばIC(Integrated circuit)タグを用いることができる。また、対象者識別装置53,74は、指紋認証、顔認証、網膜認証、静脈認証等の生体認証によって各監視対象者を識別する構成でもよい。
また、本実施形態3の監視システムでは、各住居に住む複数の監視対象者のそれぞれに対してベッドセンサ61a,61b及び枕動作装置63a,63bが設けてある。図16では、ベッドセンサ61a,61b及び枕動作装置63a,63bがそれぞれ2つずつ設けてある例を示すが、ベッドセンサ61a,61b及び枕動作装置63a,63bは、住居に住む監視対象者の数だけそれぞれ設けられる。
ベッドセンサ61a,61b及び枕動作装置63a,63bはそれぞれコントローラ1に接続されている。コントローラ1の制御部10は、ベッドセンサ61a,61b及び枕動作装置63a,63bのそれぞれから出力された信号を接続部14を介して取得するので、取得した信号が、ベッドセンサ61a,61b及び枕動作装置63a,63bのいずれからの信号であるかを把握できる。よって、制御部10は、ベッドセンサ61a,61bからの検知信号を取得した場合、図7に示す処理と同一の処理を行い、それぞれのベッドセンサ61a,61bが設置されたベッドで就寝中の監視対象者の状態を監視できる。
またコントローラ1の制御部10は、トイレ用人感センサ51からの検知信号を取得した場合、図6に示す処理と同様の処理を行う。なお、本実施形態3のコントローラ1の制御部10が行う処理は、図6に示す処理と若干異なる。図17は、実施形態3のコントローラ1が行う処理の手順の一部を示すフローチャートである。本実施形態3のコントローラ1の制御部10は、トイレ用人感センサ51から取得した検知信号に基づいて、監視対象者によるトイレへの入室を検知したか否かを判断する(S1)。制御部10は、トイレへの入室を検知していないと判断した場合(S1:NO)、待機し、トイレへの入室を検知したと判断した場合(S1:YES)、対象者識別装置53にてトイレに入室した監視対象者を特定(識別)する(S91)。これにより、コントローラ1は、トイレに入室中の監視対象者を把握できる。その後、制御部10は、図6中のステップS2以降の処理と同じ処理を行う。なお、図6中のステップS5,S9では、制御部10は、ステップS91で特定した監視対象者の識別情報を含む警告情報を監視サーバ3へ送信する。また、図6中のステップS10では、制御部10は、ステップS91で特定した監視対象者の識別情報と共に監視対象者の状態情報を監視サーバ3へ送信する。
またコントローラ1の制御部10は、リビング用人感センサ71からの検知信号を取得した場合、図8及び図9に示す処理と同様の処理を行う。なお、本実施形態3のコントローラ1の制御部10が行う処理は、図8及び図9に示す処理と若干異なる。図18は、実施形態3のコントローラ1が行う処理の手順の一部を示すフローチャートである。本実施形態3のコントローラ1の制御部10は、リビング用人感センサ71から出力される検知信号に基づいて、監視対象者によるリビングへの入室を検知したか否かを判断する(S41)。制御部10は、リビングへの入室を検知していないと判断した場合(S41:NO)、待機し、リビングへの入室を検知したと判断した場合(S41:YES)、対象者識別装置74にてリビングに入室した監視対象者を特定(識別)する(S92)。これにより、コントローラ1は、リビングに入室中の監視対象者を把握できる。その後、制御部10は、図8及び図9中のステップS42以降の処理と同じ処理を行う。なお、図8及び図9中のステップS50,S57では、制御部10は、ステップS92で特定した監視対象者の識別情報を含む警告情報を監視サーバ3へ送信する。また、図8及び図9中のステップS47,S54では、制御部10は、ステップS92で特定した監視対象者の識別情報と共に監視対象者の状態情報を監視サーバ3へ送信する。
上述した処理により、本実施形態3の監視システムでは、住居に複数の監視対象者が住んでいる場合であっても、コントローラ1は、各監視対象者の状態を監視し、各監視対象者の状態情報及び警告情報を監視サーバ3へ送信できる。よって、監視サーバ3に送信された状態情報及び警告情報は携帯端末装置2へ送信され、携帯端末装置2の所有者に各監視対象者の状態を通知及び通報できる。
本実施形態3の監視システムは、例えば、トイレ、リビング及び風呂等が共同で使用され、複数の寝室を備える施設でも導入可能である。
また、本実施形態3の構成は、上述した実施形態2の監視システムにも適用できる。即ち、集合住宅の各居室に複数の監視対象者が住んでいる状況であっても、本実施形態3の構成を適用することにより、各監視対象者の状態を把握できる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。