JP6355089B2 - 杭支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、杭を用いて建造物を支持する杭支持構造に関する。
杭を用いて建造物を支持する杭支持構造は、軟弱地盤または荷重の大きな建造物の支持構造として広く利用されており、べた基礎などよりも支持力が高い支持構造として知られる。しかし、実際には、杭支持構造が採用された建造物であっても、大規模地震の発生等により不同沈下が生じる場合があり問題であった。
これに対し、杭支持構造の改善技術が種々提案されている。たとえば下記特許文献1には、支持杭で支持された建物の基礎部分が地盤中に根入れされている杭基礎構造において、同建物の基礎スラブが上下2重に構築された杭基礎構造が開示されている。上記杭基礎構造における上側の基礎スラブは、建物と一体化され、該基礎スラブに支持杭の上端を根入れして固定されている。一方、下側の基礎スラブは、上側の基礎スラブと縁切りされ、地盤上に地盤と共に沈下可能に構築されている。上下2重の基礎スラブは相互間で360°全方向に水平力を伝達可能な関係に配置されている。
特許文献1には従来の杭基礎構造について以下のとおり説明されている。即ち、一般的な杭基礎構造によれば、杭で支持された建物が建てられた表層地盤において沈下が生じた場合、支持杭は比較的に沈下し難く、結果的に基礎底面と地盤とが離れてしまい、当該基礎底面には地盤からの水平力が伝達されない場合がある。そのため、水平抵抗ももっぱら杭が負担するよう、当該杭を充分太くするとともに本数を増加するよう設計されていた。これに対し、特許文献1に開示される杭基礎構造であれば、地盤沈下に伴って地盤と共に下側の基礎スラブを下方へ移動させることができ、当該下側の基礎スラブが受けた水平力を上側の基礎スラブに伝達させることが可能である。この結果、上記杭基礎構造は、支持杭および基礎スラブ(基礎底面)の両方で水平力に対し抵抗することができると説明されている。
特開2003−64698号公報
しかしながら平成23年に発生した東日本大震災または平成28年に発生した熊本地震等の大震災において、未だ、杭の損傷や支持杭を有する建造物の不同沈下の例が多く報告されており改善が求められている。
支持杭における支持力は、大別すると、先端が硬質地盤(支持地盤)に埋設されたことによる鉛直荷重に対する支持力、および中間部から杭頭にかけて地盤との間で発生する摩擦力による支持力の2つが挙げられる。本発明者の検討によれば、上記2つの支持力のいずれかまたは両方が不足すると、支持杭(特に杭頭またはその近傍)が損傷し、または一部の支持杭が支持地盤に押し込まれるとともに他の支持杭が引き抜かれる支持変位等が発生し、支持力が低下する傾向にあることがわかった。複数の支持杭の支持力が不均一になることによって不同沈下が発生する。
ここで、上記鉛直荷重の支持力の不足は、支持杭の設計不備により先端が支持層に到達していないケース、または旧建築基準法により設計された既存の支持杭であって現在の基準に満たさないケース等が想定される。また、上記摩擦力による支持力の不足としては、支持杭を施工する際の打設工事によって地盤の緩みが発生し、打設された支持杭の周辺の地盤強度が、事前の調査によって測定された地盤強度を下回ってしまったケース、または地震振動により地盤が緩み、地震前と比較して摩擦力が低下したケース等が挙げられる。
これに対し、特許文献1に開示される杭基礎構造は、地盤沈下が生じた場合に下側の基礎スラブが下方に移動することで水平力に対する基礎底面の抵抗を担保するに過ぎず、上述する支持杭の支持力の不足の問題に充分に対応するものではなかった。尚、特許文献1では、水平力を確保し難い砂質地盤等において水平摩擦力を確保するために上下の基礎スラブ間にジャッキを設置し、下側の基礎スラブへ強制的な押し下げ力を加えて地盤との水平摩擦力を確保してもよいことが記載されている。しかしながら、水平摩擦力が得られる程度に、強制的に下側の基礎スラブを下方に押し下げたとしても、それ以外の効果(たとえば鉛直荷重に対する杭の支持力を増大させ、または地盤と杭との摩擦力を増大させる等の効果)を得られるものではなかった。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、杭と地盤との摩擦力の不足を補い、必要に応じて、さらに杭の鉛直荷重に対する支持力の不足を補うことで、杭の支持力を維持して建造物の不同沈下を防止することを可能とする杭支持構造を提供するものである。
本発明の杭支持構造は、複数の杭と、前記杭の杭頭と建造物とを連係する上部構造部と、前記上部構造部を水平方向に繋ぐ基礎梁と、前記杭および前記上部構造部と縁切りされているとともに少なくとも一部が前記基礎梁の下方に位置し前記基礎梁と対面する平板状構造部と、前記平板状構造部の下方に配置された発泡樹脂ブロックと、前記基礎梁と前記平板状構造部との間に配置されたジャッキと、を備え、前記ジャッキが、前記基礎梁または前記平板状構造部の少なくとも一方を押圧し、前記平板状構造部の下方に存在する表層地盤を圧密可能であることを特徴とする。
本発明の杭支持構造によれば、ジャッキにより基礎梁または平板状構造部を押圧することによって、ジャッキの押力が平板状構造部側(下方向)に作用し、上部構造部と縁切りされた上記平板状構造部を下方に押し下げ、当該平板状構造部の下方の表層地盤を適度に圧密し得る。これによって、表層地盤の緩みを改善し、杭と地盤との摩擦力を高めて杭の支持力を増大させ、もって杭の支持力を維持して建造物の不同沈下を防止することができる。
また、本発明の杭支持構造によれば、上述のとおり充分に表層地盤を圧密することによって、当該地盤に支持力を発生させ得る。かかる状態でさらにジャッキにより基礎梁または平板状構造部を押圧することで、ジャッキの押力が平板状構造部側(下方向)ではなく建造物側(上方向)に作用するに至り、建造物に対する支持力が発生する。この結果、鉛直荷重の支持負担が分散され、支持杭の支持負担が軽減されるとともに、杭支持構造全体として支持力が増大する。支持負担が軽減された支持杭は、支持力が良好に維持されるとともに破損が回避され、建造物を安定して支持することができる。
本発明の第一実施形態にかかる杭支持構造の一例を示す上面模式図である。 図1に示す杭支持構造のII−II断面図である。 本発明に用いられる排水材の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態にかかる杭支持構造の一例を示す上面模式図である。 図4に示す杭支持構造のIV−IV断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること等を許容する。図示する本発明の実施態様は、理解容易のために、特定の部材を全体において比較的大きく図示する場合、または小さく図示する場合などがあるが、いずれも本発明の各構成の寸法比率を何ら限定するものではない。
本発明または本明細書の記載に関し、特段の断りなく上下という場合には、任意の地点から天方向を上方向とし、上記天方向に対し相対的に下向きの方向を下方という。
また本発明の説明において、不同沈下を防止するとは、正常な建造物が不同沈下することを防止すること、または既に不同沈下した建造物がさらに大きく傾斜しないよう防止することのいずれも包含する。
<第一実施形態>
以下に、本発明の隣接建物保護構造の第一実施形態について図1から図3を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施形態にかかる杭支持構造100の一例を示す上面模式図である。図2は、図1に示す杭支持構造100のII−II断面図である。図2は、杭支持構造100の上部に配置された床80を含む建造物200についても併せて示している。また図2では、紙面手前側に配置された弾性部材65を図示省略し、発泡樹脂ブロック50を図示している。図3は、本発明に用いられる排水材70の一実施形態を示す斜視図である。
はじめに、図1および図2を用いて、本実施形態の杭支持構造100の概要について説明する。本実施形態にかかる杭支持構造100は、複数の杭10を有し、杭10の杭頭12と建造物200とを連係する上部構造部20が設けられている。隣り合う上部構造部20、20は基礎梁30により水平方向に繋がれている。基礎梁30の下方には、杭10および上部構造部20と縁切りされている平板状構造部40が設けられている。上面視において、地下空間110を介して基礎梁30の直下に、平板状構造部40の一部が存在しており、その間に、ジャッキ60が配置されている。ジャッキ60は、基礎梁30または平板状構造部40の少なくとも一方を押圧し、平板状構造部40の下方に存在する表層地盤120を圧密可能である。平板状構造部40の下方には、発泡樹脂ブロックが配置されており、ジャッキ60により平板状構造部40に対し直接または間接の押力の一部を吸収し、また分散可能に構成されている。
かかる構成を有する杭支持構造100において、ジャッキ60が基礎橋30または平板状構造部40の少なくとも一方を押圧した場合、ジャッキ60の押圧に起因する力(当該力を本明細書ではジャッキ60の押力ともいう)が以下のとおり作用する。
建造物側の応力よりも表層地盤120側の応力が小さい場合には、ジャッキ60の押力は下方に作用し、平板状構造部40は発泡樹脂体50とともに下方に押し込まれる。その結果、発泡樹脂体50の下方における表層地盤120は、圧縮されて圧密がなされ軟弱性が改善される。これにより表層地盤120と杭10との摩擦力が増大して杭10の支持力が増大し、建造物200の支持力が改善される。ここでいう圧密とは、ジャッキの押力により表層地盤120が圧縮されて表層地盤120を構成する土砂の体積が減少することを意味する。
また、表層地盤120側の応力が建造物側の応力を超える場合には、ジャッキ60の押力は上方に作用し、建造物200の支持力として還元され得る。例えば本実施形態では、基礎梁30を覆って床80が設けられており、上方に作用するジャッキ60の押力が、基礎梁30を介して上部構造部に伝搬され、これによって建造物200の荷重支持の一部を担う。この結果、建造物200の荷重を支持する杭10の負担を低減させることができ、杭10の破損等が防止される。
杭構造が採用される場合、表層地盤が軟弱地盤である場合が多いことを鑑みれば、本発明の作用効果のパターンの一つとして以下の二段階の作用が想定される。即ち、ジャッキ60により基礎梁30または平板状構造部40の少なくとも一方を押圧した場合、第一段階としてジャッキの押力が下方に作用して表層地盤120が圧密される。そして当該圧密が充分に進むことで表層地盤120に支持力が発生したとき、第二段階としてジャッキの押力が上方に作用することとなり、建造物200の荷重支持の一部がジャッキ60の押力で賄われ、結果として、杭10の支持負担を軽減することができる。
また異なる作用効果としては、何らかの原因で複数の杭10の一部が破損し、または支持力が低下した場合、問題となる杭10の近傍のジャッキ60を選択的に操作して当該問題となる杭10の支持負担を軽減させてもよい。これにより、問題となる杭10と、他の杭10との支持力の均衡を図り、不同沈下を防止することができる。
また正常時において杭10との摩擦力が発生していた場合であっても、地震発生などにより、液状化が発生し、表層地盤120が脆弱化する場合がある。そのような場合にジャッキを操作して基礎梁30または平板状構造部40の少なくとも一方を押圧することで、表層地盤120の圧密を図ってもよい。
次に、本実施形態の杭支持構造100の構成およびこれに関連する構成について詳細に説明する。
杭支持構造100は、杭10により建造物200の荷重の少なくとも一部を支持する構造を有する。杭10は、一般的な構造物の荷重支持のために地盤に埋設される杭であり、先端が支持層に埋設される支持杭、先端が支持層まで到達せずにもっぱら地盤との摩擦力により構造物を支持する摩擦杭、またはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。本実施形態では、複数の杭10は、いずれも支持地盤130まで到達するとともに、中間部が表層地盤120に位置する支持杭である。
杭10の上端は、杭頭12を構成している。本実施形態における杭10の杭頭12は、杭10の本体部分よりも径が大きく側面視において略T字状の形態である。ただし、杭頭12はこれに限定されず、杭10の上端であって上部構造部20と連係する部分を杭頭12と称する。したがって、外観上、上下方向に略同径の棒状の杭10であっても、その上端は杭頭12をなす。杭頭12と上部構造部20とが連係することによって、建造物200の荷重が杭10に伝達される。換言すると、杭頭12と上部構造部20とは、建造物20の荷重が杭10に伝達され得る範囲において直接または間接的に連係されている。本実施形態では、杭頭12の上面と上部構造部20の下面とが直接に当接し物理的破壊なしに互いが離間できないよう連係されている。
上部構造部20は、杭頭12と建造物200とを直接または間接に連係している。本実施形態における上部構造部20は、図2に示すとおり垂直方向において、建造物200と杭頭12との間に上部構造部20の一部が配置されており、建造物200の荷重が上部構造部20を介して杭頭12に効率よく伝達されるよう構成されている。上部構造部20の例としては、柱と柱を結ぶ地中梁、柱、または壁構造などが挙げられる。本実施形態では上記地中梁(柱については図示省略)が上部構造部20である例を示している。地中梁である上部構造部20は、建造物200の最下層(本実施形態では1階)の床面の外縁に沿って設けられるとともに、上記外縁より内側の領域において格子状に設けられている。本実施形態では、上記最下層の床80の下面が上部構造部20と基礎梁30とに下支えされている。
基礎梁30は、水平方向において隣り合う上部構造部20の所定の箇所を繋ぐ水平部材である。基礎梁30は、床80と比較して剛性が高く、一般的に上部構造部20の曲げモーメントまたはせん断力の一部を負担し得る部材で構成される。そのため、基礎梁30は、表層地盤120を圧密し、または建造物200の一部を支持可能な力がかかった場合にも、容易に破損することがない。ここで、上記力とは、ジャッキ60の押力またはこれに対する応力を指す。たとえば基礎梁30は、H型鋼、鉄筋コンクリート造などの高剛性の部材を用いてなる高剛性構造が採用されるとよい。
図1に示す本実施形態における基礎梁30は、対向する上部構造部20それぞれを架け渡すよう十字状に設けられている。ただし基礎梁30は、これに限定されず、対向する上部構造部20の任意の箇所において、一文字状に架け渡されてもよい。
基礎梁30の下方には、平板状構造部40が配置されている。より具体的には、ジャッキ60は、十字状の基礎梁30の交差部分の下方に配置されている。平板状構造部40は、適度な面積を有する平板状の部材であって、杭10および上部構造部20と縁切りされている。即ち、平板状構造部40は、杭10および上部構造部20に対し応力の分断が図られている。したがって、ジャッキ60の押力が下方に作用した場合、平板状構造部40は、発泡樹脂体50とともに下方に移動し、表層地盤120を圧密させ得る。本実施形態では、平板状構造部40は、図2に示す通り、杭頭12よりも地表GL側に位置しており、かかる位置から下方に移動可能とするため、周囲に位置する杭頭12に接触しない形状および寸法に設計されている。より詳しくは、本実施形態の杭支持構造100は、図2に示すとおり、上面視において、四方に杭頭12が配置され上部構造部20(地中梁)に囲まれた領域(以下、囲み領域ともいう)の内側に、平板状構造部40が配置されている。囲み領域は、当該囲み領域の中心側に対向する杭頭12の頂点13を直線で結ぶことで仮想的に画定することができ、上部構造部20は、囲み領域の面積よりも小さい面積で構成されている。これによって、これによって、上部構造部20が下方に移動しても杭頭12と接触することが防止されている。
ジャッキ60は、重量物を上下方向の少なくとも一方に押圧可能な装置である。基礎梁30と平板状構造部40との間に配置することによって、基礎梁30または平板状構造部40の少なくとも一方を押圧可能である。基礎梁30と平板状構造部40とは、ジャッキ60を介して、ジャッキ60の押圧に対する応力が伝達可能に、直接または間接に連続している。そのため、ジャッキ60が基礎梁30または平板状構造部40の少なくとも一方を押圧したとき、建造物200側の応力および表層地盤120側の応力の大小関係により、ジャッキ60の押力が上下方向のどちらに作用するかが決まる。本実施形態では、複数の杭10を有する杭基礎において複数のジャッキ60を均等配置した例を示す。本実施形態では、図1に示すとおり、ジャッキ60は、対向する上部構造部20の間に略中央に配置されているが、図示省略する変形例として、いずれか一方の上部構造部20寄りにジャッキ60が配置されてもよい。
本実施形態では、ジャッキ60の上下方向の寸法が、基礎梁30の底面および平板状構造部40の上面の距離に対応しているため、ジャッキ60は、基礎梁30および平板状構造部40に直接に当接するよう配置されている。図示省略する本実施形態の変形例として、基礎梁30の底面および平板状構造部40の上面の距離が、ジャッキ60の上下方向の寸法を上回る場合には、ジャッキ60と、基礎梁30および/または平板状構造部40との間に、剛性のある支柱を挟んでもよい。剛性のある支柱とは、ジャッキ60の押圧により変形しない程度の剛性のある部材で構成された支柱であればよく、たとえば、断面円形等の中空筒状鋼部材、上記中空筒状鋼部材の内部にコンクリートが充填されたコンクリート充填筒状部材、または断面H型のH鋼などが挙げられる。
ジャッキ60が重量物を押圧する機構は特に限定されず、たとえばエアー式ジャッキまたは油圧式ジャッキなどが例示される。1つのジャッキ60の押圧力は、特に限定されないが、本発明の所期の課題を鑑みれば、1t以上150t以下の範囲であることが好ましい。ジャッキの圧力が1t未満であると、表層地盤120の圧密や建造物200の荷重支持が充分に果たされないか、または設置するジャッキ数が多くなりすぎ経済的に不利益が発生する可能性がある。ジャッキの圧力が150tを超える場合は、基礎梁30、平板状構造部40、またはその周囲の構造が、ジャッキ60の押圧に耐えきれず破損する虞がある。1つの杭支持構造100において、ジャッキ60は複数個所に設けられることが好ましく、建造物200の荷重を勘案して、ジャッキ60の設置数を決定するとよい。例えば、建造物200の荷重(t)100%に対するジャッキ60の総押圧力(t)の比率が1%以上30%以下となるよう、ジャッキ60の押圧力および設置数を決定するとよい。上記総押圧力(t)の比率の下限は、2%以上あることがより好ましく、3%以上あることがさらに好ましい。また上記総押圧力(t)の比率の上限は、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。上記総押圧力(t)が上記下限以上であることにより、ジャッキ60の押圧により表層地盤120を圧密し、かつ建造物200の荷重支持に関する杭10の負担軽減を充分になし得る。また上記総押圧力(t)が上記上限以下であることにより、建造物200の荷重支持を杭10とともに分担しつつジャッキ60の配置による経済的不利益が発生することを防止する。ここでジャッキ60の総押圧力(t)とは、杭支持構造100に用いられる各ジャッキ60の最大押圧力(t)の総和を意味する。
本実施形態におけるジャッキ60は、図2に示すとおり、基礎梁30および平板状構造部40との間に存在する地中空間110に配置されている。ジャッキ60の操作者は、地中空間110に入りジャッキ60を操作してもよいし、外部からジャッキ60を遠隔操作することもできる。
杭支持構造100において、平板状構造部40の下方には、発泡樹脂ブロック50が埋設されている。これによって、杭支持構造100は、ジャッキ60の押力が局所的にかかる平板状構造部40の破損を回避しつつ、以下の作用効果を発揮可能である。即ち、発泡樹脂ブロック50は、平板状構造部40を介して伝達されたジャッキ60の押力を、軟弱地盤である表層地盤120に対して良好に伝達する。そして表層地盤120が充分に圧密化され支持力を発揮するに至った場合には、平板状構造部40に局所的にかかる押力を吸収し、表層地盤120の反力で建造物200の一部を支持可能な程度に、ジャッキ50の押力を上方に作用させることができる。かかる趣旨から、発泡樹脂ブロック50は、軟弱地盤である表層地盤120よりも硬く(密度が大きく)、建造物200の支持力を発揮するに至った表層地盤120よりも柔軟である(密度が小さい)ものを選択するとよい。具体的には、建造物200の荷重、並びに表層地盤120および支持地盤130の密度等を勘案して、発泡樹脂ブロック50の圧縮強度を適宜決定するとよい。一般的には、発泡樹脂ブロック50の圧縮強度は30kN/m2以上200kN/m2以下であることが好ましく、50kN/m2以上180kN/m2以下であることがより好ましい。
発泡樹脂ブロック50は、比較的軽量で、適度な圧縮強度を有するものであればよく、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、または上述した樹脂の2以上を含む混合樹脂からなる発泡樹脂体を挙げることができる。特に、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、若しくはポリプロピレン系樹脂、または上述した樹脂の2以上を含む混合樹脂からなる発泡樹脂体が好ましい。
発泡樹脂ブロック50は、上下方向における力の伝達および吸収の効率を良くするために、平板状構造部40に対し直接または間接に連続して配置されていることが好ましい。本実施形態では、図2に示すとおり、発泡樹脂ブロック50の上面と平板状構造部40とは直接に当接して積層されている。たとえば、表層地盤120の所定の位置に埋設された発泡樹脂ブロック50の上面に所定の厚みのコンクリートを打って平板状構造部40を形成することによって、発泡樹脂ブロック50に密着した平板状構造部40を設けることができる。尚、発泡樹脂ブロック50の下には、砂利、砂、養生シートまたはモルタルなどの1つまたは複数からなる下地層を適宜形成するとよい。
本実施形態にかかる杭支持構造100は、図1に示すとおり、発泡樹脂ブロック50の少なくとも一部が、ジャッキ60の直下に配置されている。これによってジャッキ60の押力、または当該押力に対する応力が、発泡樹脂ブロック50に効率良く伝達される。また、発泡樹脂ブロック50とジャッキ60との間には、平板状構造部40が配置されており、平板状構造部40側に作用したジャッキ60の押力を発泡樹脂体50において効率よく吸収分散させることができるため、平板状構造部40の破損が良好に回避される。
発泡樹脂ブロック50の形状は特に限定されず、たとえば所定厚みの板状体、直方体、若しくは立方体等であってもよく、また任意形状のブロックを組合せて所望の形状の発泡樹脂ブロック50を形成してもよい。好ましい態様としては、平板状構造部40の厚みよりも発泡樹脂ブロック50の厚みが大きい方が好ましい。ここで厚みとは、上下方向の寸法である。
平板状構造部40と発泡樹脂ブロック50との間において、ジャッキ60の押力、および表層地盤120側からの応力を充分に伝達させるという観点から、発泡樹脂ブロック50の上面の面積は、平板状構造部40の下面の面積に対し60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、実質的に100%であることが特に好ましい。
本実施形態では、少なくとも平板状構造部40または発泡樹脂ブロック50の一方または両方の側面に沿って、弾性部材65を備える。これによって、平板状構造部40または発泡樹脂ブロック50がジャッキ60の押力によって下方に押し下げられる際又は地震の影響等により、水平方向に位置ずれして杭10に接触し、破損することを防止し得る。特に本実施形態のように、杭頭12が杭10の本体よりも大きいT字型である場合には、平板状構造部40または発泡樹脂ブロック50の少しの位置ずれで接触する虞があるため、弾性部材65を備えることは好ましい。
弾性部材65は、平板状構造部40または発泡樹脂ブロック50の全方向の側面に設けられることが望ましい。本実施形態では、発泡樹脂ブロック50の四方の側面に当接する板状の弾性部材65が設けられている。本実施形態における弾性部材65は、杭頭12と発泡樹脂ブロック50との間に配置されており、両者が直接に接触することが回避されて、両者が近接したときに緩衝材となりうる。
弾性部材65としては、適度な弾性変形を示す部材を意味し、たとえば発泡樹脂体や不ゴムなどが挙げられるが、軽量かつ加工性が良好であって取り扱いに優れる上、地盤中に埋設した状態で経年劣化がし難いという観点からは、特に発泡樹脂体が好ましい。
弾性部材65は、さらに以下に述べるとおり排水機能を備えることが好ましい。即ち、本実施形態における弾性部材65は、側面または内部の少なくとも一方に形成され上下方向に連通する排水路72を有しており、排水材70としての効果をも発揮する。好ましくは、発泡樹脂体からなる弾性部材65に上述する排水機能が付加されているとよい。
図3に排水材70の一例を示す。排水材70は、所定厚み板状の形体であって、複数の排水路72を備える。
本実施形態における弾性部材65は、排水路72として、側面に設けられた切欠溝72a、72b、および内部を貫通する貫通孔72cを備え、排水材70をなしている。排水材70は、このように、1以上の上下方向に連通し地盤中の水分が流通し得るスペースを備える。排水路70は、切欠溝72aおよび貫通孔72cのように弾性部材65の上端から下端まで連続していてもよいし、切欠溝72bのように、弾性部材65の中間部において上下方向に連通していてもよい。
尚、本実施形態では、上下方向に略直線状に延びる幅方向略均一の排水路70を例示したが、排水路70はこれに限定されず、上下方向に蛇行するなど、任意の箇所で湾曲や屈曲をし、または幅寸法が不均一であってもよい。本実施形態では排水材70は、発泡樹脂ブロック50の4つの側面全部に沿って配置されているが、排水材70の配置位置は、いずれか任意の側面に沿って選択的に配置されてもよい。
このように発泡樹脂ブロック50または平板状構造部40に沿って排水材70が配置されることで、大地震の発生により地盤の液状化が生じた場合に、杭支持構造100の周囲の間隙水が液状化の鎮静とともに下方に速やかに排水される。ここで液状化とは、地震振動により地盤に剪断力がかかり、地盤中に保持されていた間隙水の圧力が増加して地盤を構成する土砂粒子同士の剪断応力が減少し、土砂粒子が液体状になる現象をいう。
また、排水路70の上端開口が、任意の空間に面している態様が採用されることにより、さらに好ましい効果が発揮される。即ち、かかる態様によれば、地盤の液状化により発生した間隙水が排水路70を通じて当該空間に導かれ、表層地盤120における間隙水の一部を一時的に貯留することができる。表層地盤120において間隙水の水圧が高まることによって、排水路70を通じて上方の空間に押し出される。これによって、杭支持構造100の周囲の間隙水の増大を抑制し、液状化による表層地盤120の極度な軟弱化を防止することができ、また表層地盤120と杭10との摩擦力が著しく低下することを防止することができる。
より具体的には、本実施形態では、図2に示すとおり排水材70の上端面が地下空間110に面しており、図2および図3から理解されるとおり、当該上端面に設けられた側面排水路72aの上端開口721および内部排水路72cの上端開口722が地下空間110に面する。そのため、側面排水路72a、または内部排水路72cの下端から入水した間隙水を、上端開口721、または上端開口722から地下空間110に導き、放出させることができる。
尚、図示省略するが、上部が地下空間110に突出するよう排水材70を配置するとともに、側面排水路72bの上端領域を地下空間110に面するよう構成することによって、当該上端領域を地下空間110に面して開口する上端開口となすことができる。この場合にも、側面排水路72bの地盤に面する部分から入水した間隙水を、地下空間110に導き放出させることができる。
排水路70の上端開口が、面する任意の空間とは、地下空間110に限定されず、間隙水が放水可能なスペースを有する空間であればよい。たとえば、任意の空間は、地上(屋外空間)であってもよく、かかる態様は、後述する第二実施態様において詳細に説明する。
尚、図示省略するが、排水路72に土砂が入って入水または排水が困難になることを回避するために、排水路72の開口を、透水性であり、かつ砂や礫が通過できない程度の網目の部材で被覆するとよい。上記網目の部材としては、たとえば不織布、布織物、樹脂製の適度なメッシュの網などを挙げることができるが、これに限定されない。かかる観点からは、たとえば、排水材70は、袋状に形成された不織布、布織物または樹脂製の網で全体が覆れていてもよい。
また、図示省略するが、排水材70には、さらに上下方向に交差する方向(横方向)に連通する排水路、排水材70の厚み方向において貫通する貫通孔、または排水材70の側面から内部に向かって陥没する穴部が1または複数、設けられていてもよい。このように、排水材70に入水可能な空隙を設けることで、間隙水を当該空隙に一時的に貯留することが可能であり杭支持構造100の周囲の間隙水の増大を抑制することができる。
<第二実施形態>
次に、図4および図5を用いて、本発明の第二実施形態である杭支持構造300について説明する。図4は、本発明の第二実施形態にかかる杭支持構造の一例を示す上面模式図である。図5は、図4に示す杭支持構造のIV−IV断面図である。図5は、杭支持構造300の上部に配置された床80を含む建造物200についても併せて示している。また図5では、図4に示すジャッキ60c、並びにジャッキ60cの下方に設けられた平板状構造部40、発泡樹脂ブロック50、および排水材70を図示省略している。また図5では、紙面手前側に配置された排水材70を図示省略し、発泡樹脂ブロック50を図示している。
本実施形態にかかる杭支持構造300は、複数の杭10を有し、杭10の杭頭12と建造物200とを連係する上部構造部20が設けられている。本実施形態では、基礎梁30が上部構造部20の一部を兼ねている。即ち、本実施形態における基礎梁30は、図示省略する柱間を結んでなる地中梁の一部をなしている。
以下の説明において、一つのジャッキ60、並びにそのジャッキ60の下方に設けられた平板状構造部40、発泡樹脂ブロック50、および排水材70の組み合わせを、ジャッキユニットと呼ぶ場合がある。尚、杭支持構造300の以下の説明では、主として上述する杭支持構造100と異なる点について説明し、同様の構成(たとえば、ジャッキ60、平板状構造部40、発泡樹脂体50、および排水材70等の基本的な構成)は、本実施形態での説明が割愛され、杭支持構造100に関する説明を適宜参照される。
杭支持構造300は、複数の杭10を有する杭基礎において複数のジャッキ60を不均等に配置した態様(以下、上記例を不均等配置態様ともいう)を示す。即ち、本実施形態においてジャッキ60は、特定の一または複数の杭10の近傍に偏って配置されている。より具体的には、杭支持構造300は、図4に示すように、ジャッキ60aを備えるジャッキユニットが杭頭12aの近傍に設けられるとともに、ジャッキ60b、60cが、杭頭12bの近傍に設けられており、他の杭頭12の近傍にはジャッキユニットが配置されていない。
不均等配置態様である杭支持構造300は、たとえば、杭基礎を有する既存の建造物200において、不同沈下が確認され、または不同沈下の虞がある場合に、沈下した(または沈下の虞のある)領域に設けられている特定の一または複数の杭10の近傍に、後付にて、ジャッキユニットを構築することで実施される。これによって、建造物200の不同沈下が進むことを防止し、また支持力の低下した杭10の負担を軽減することが可能である。もちろん、建造物200を新築する際に、不均等配置態様である杭支持構造300を実施してもよい。たとえば、建造物200が面方向において荷重に顕著な偏りがある場合、または建造物200の下方の表層地盤120の一部が顕著に軟弱化しているなどの事情から杭10の構築に問題がある場合等には、予め、問題となりそうな杭10の近傍に選択的にジャッキユニットを設けておくとよい。
杭支持構造300における複数のジャッキユニットは、それぞれ、独立のジャッキ60、平板状構造部40、発泡樹脂ブロック50、および排水材70等の部材を有している。図4に示すとおり各ジャッキユニットは、平面視上、地中梁である上部構造部20の外縁よりも外側に、その一部が張り出している。このように外側に張り出した部分(以下、外縁張出し部分ともいう)は、上方が地盤面GLとなっている。本実施形態では、外縁張出し部分に設けられた排水材70の一部が、発泡樹脂ブロック50の側面から地盤面GLまで延在している。そのため、図3に参照される排水材70は、排水路72の上端開口が地上(屋外空間)に面して開口し、排水路70を通じて、間隙水を地上に放水させることが可能である。地上に間隙水を放水可能な本態様によれば、表層地盤120において液状化が発生した際に、多量の間隙水を表層地盤120から除去することが可能である。
以上に本発明の第一実施形態および第二実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。本発明の杭支持構造は、建造物を新築する際に併せて構築してもよいし、杭基礎が採用された既存の建造物に対し、後付けで構築することもできる。杭支持構造の構築方法は特に限定されないが、たとえば一例として、建造物を新築する際には、まず、杭を打設し、当該杭の上端に杭頭を設けた後、地中梁、柱、または壁等の上部構造部を構築するとともに、所定の領域において地盤の一部を掘って発泡樹脂ブロックを埋設し、当該発泡樹脂ブロック上にコンクリートを打って平板状構造部を形成し、当該平板状構造部と適度な距離を確保した高さにおいて上部構造部を水平方向に繋ぐ基礎梁を形成し、その後に平板状構造部と基礎梁との間にジャッキを配置することで杭基礎構造を構築することができる。また杭基礎を備える建造物200に対し後付で杭支持構造を構築する場合には、一例として、基礎梁の下方であって杭または上部構造部と連続する床スラブ等がある場合には、予め当該床スラブを削除した上、所定の領域において地盤の一部を掘って発泡樹脂ブロックを埋設し、当該発泡樹脂ブロック上にコンクリートを打って平板状構造部を形成し、当該平板状構造部と基礎梁との間にジャッキを配置することで杭基礎構造を構築することができる。
尚、ジャッキアップにより、地盤の圧密が進み平板状部材と基礎梁との間に配置されたジャッキのストロークが不足した場合には、ジャッキの上または下に剛性のあるスペーサを挟むことで、ジャッキの押力を上方また下方に作用させることが可能である。
本発明の杭支持構造において、ジャッキを操作するタイミングは、特に限定されない。
たとえば、大地震が発生する等して、建造物の不同沈下が目視または体感された場合、適宜、建造物の傾斜を測定し、沈下が著しい領域近傍のジャッキを操作してジャッキアップし、当該領域下方の地盤を圧密し、杭との摩擦力を確保することができる。また、支持力が発揮される程度にさらに地盤を圧密し、ジャッキの押力を上方に作用させて建造物の荷重支持の一部をジャッキによって負担させることもできる。これにより建造部物の不同沈下の被害を最低限に抑制し、さらなる不同沈下の発生を防止することができる。
また別の態様としては、建造物の傾斜角度および傾斜方向を測定可能な手段を設け、建造物が所定の閾値以上の角度で傾斜した場合に、傾斜の下端方向に位置する1つまたは複数のジャッキを操作し、上述と同様にジャッキアップするとよい。
また本発明は、杭基礎を有する既存の建造物において後付して実施することもできる。上記後付する場合、さらに以下のようにジャッキを操作する態様が含まれる。即ち、大地震が発生する等して、不同沈下が確認された建造物において、少なくとも傾斜の下端方向に位置する杭の近傍に、発泡樹脂体、平板状構造部、およびジャッキを設けて杭支持構造を構成し、ジャッキを操作して上述と同様にジャッキアップするとよい。
また、不同沈下が発生しない場合であっても、大地震などが発生し、杭の損傷や表層地盤の軟弱化などにより杭の支持力の低下の虞がある場合には、ジャッキの一部または全部を操作して表層地盤を圧密し、杭と表層地盤との摩擦力を増大させて支持力を向上させるとともに、必要に応じてさらに圧密化して表層地盤に支持力をもたせ、ジャッキの押力を上方に作用させるとよい。これによって、杭の支持力の低下の虞のある建造物の損壊や不同沈下を未然に防止することができる。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)複数の杭と、
前記杭の杭頭と建造物とを連係する上部構造部と、
前記上部構造部を水平方向に繋ぐ基礎梁と、
前記杭および前記上部構造部と縁切りされているとともに少なくとも一部が前記基礎梁の下方に位置し前記基礎梁と対面する平板状構造部と、
前記平板状構造部の下方に配置された発泡樹脂ブロックと、
前記基礎梁と前記平板状構造部との間に配置されたジャッキと、を備え、
前記ジャッキが、前記基礎梁または前記平板状構造部の少なくとも一方を押圧し、前記平板状構造部の下方に存在する表層地盤を圧密可能であることを特徴とする杭支持構造。
(2)少なくとも前記平板状構造部または前記発泡樹脂ブロックの一方または両方の側面に沿って、弾性部材を備える上記(1)に記載の杭支持構造。
(3)前記弾性部材は、側面または内部の少なくとも一方に形成され上下方向に連通する排水路を有する上記(2)に記載の杭支持構造。
(4)前記排水路の上端開口が、任意の空間に面している請求項3に記載の杭支持構造。
(5)前記発泡樹脂ブロックの少なくとも一部が、前記ジャッキの直下に配置されている上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の杭支持構造。
(6)前記発泡樹脂ブロックは、前記平板状構造部に対し直接または間接に連続して配置されている上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の杭支持構造。
(7)前記発泡樹脂ブロックの上面の面積は、前記平板状構造部の下面の面積に対し60%以上である上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の杭支持構造。
10 杭
12 杭頭
13 頂点
20 上部構造部
30 基礎梁
40 平板状構造部
50 発泡樹脂ブロック
60 ジャッキ
65 弾性部材
70 排水材
72 排水路
72a 側面排水路
72b 側面排水路
72c 内部排水路
74 正面
75 底面
76 背面
77 上面
78 側面
80 床
100、300 杭支持構造
110 地下空間
120 表層地盤
130 支持地盤
200 建造物
721、722 上端開口
GL 地盤面

Claims (7)

  1. 複数の杭と、
    前記杭の杭頭と建造物とを連係する上部構造部と、
    前記上部構造部を水平方向に繋ぐ基礎梁と、
    前記杭および前記上部構造部と縁切りされているとともに少なくとも一部が前記基礎梁の下方に位置し前記基礎梁と対面する平板状構造部と、
    前記平板状構造部の下方に配置された発泡樹脂ブロックと、
    前記基礎梁と前記平板状構造部との間に配置されたジャッキと、を備え、
    前記ジャッキが、前記基礎梁または前記平板状構造部の少なくとも一方を押圧し、前記平板状構造部の下方に存在する表層地盤を圧密可能であることを特徴とする杭支持構造。
  2. 少なくとも前記平板状構造部または前記発泡樹脂ブロックの一方または両方の側面に沿って、弾性部材を備える請求項1に記載の杭支持構造。
  3. 前記弾性部材は、側面または内部の少なくとも一方に形成され上下方向に連通する排水路を有する請求項2に記載の杭支持構造。
  4. 前記排水路の上端開口が、任意の空間に面している請求項3に記載の杭支持構造。
  5. 前記発泡樹脂ブロックの少なくとも一部が、前記ジャッキの直下に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の杭支持構造。
  6. 前記発泡樹脂ブロックは、前記平板状構造部に対し直接または間接に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の杭支持構造。
  7. 前記発泡樹脂ブロックの上面の面積は、前記平板状構造部の下面の面積に対し60%以上である請求項1から6のいずれか一項に記載の杭支持構造。
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