JP6354701B2 - 高純度メマンチン塩酸塩の製造法 - Google Patents

高純度メマンチン塩酸塩の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP6354701B2
JP6354701B2 JP2015161703A JP2015161703A JP6354701B2 JP 6354701 B2 JP6354701 B2 JP 6354701B2 JP 2015161703 A JP2015161703 A JP 2015161703A JP 2015161703 A JP2015161703 A JP 2015161703A JP 6354701 B2 JP6354701 B2 JP 6354701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
added
dimethyladamantane
mmol
memantine hydrochloride
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015161703A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017039656A5 (ja
JP2017039656A (ja
Inventor
菅原 一幸
一幸 菅原
遠藤 満
満 遠藤
洋介 田口
洋介 田口
佳祐 櫛部
佳祐 櫛部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015161703A priority Critical patent/JP6354701B2/ja
Publication of JP2017039656A publication Critical patent/JP2017039656A/ja
Publication of JP2017039656A5 publication Critical patent/JP2017039656A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6354701B2 publication Critical patent/JP6354701B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、メマンチン塩酸塩の製造法に関する。
NMDA受容体拮抗薬であるメマンチン塩酸塩は、アルツハイマー型認知症治療のための医薬の有効成分として有用である(特許文献1、非特許文献1〜3)。メマンチン塩酸塩は、例えば、1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンとホルムアミドを反応させ、1−N−ホルミル−3,5−ジメチルアダマンタンを得た後、塩酸と反応させることにより得ることができる(特許文献1)。しかし、この方法は収率があまり高くなく、メマンチン塩酸塩を医薬として使用するためには、メマンチン塩酸塩を高純度で得ることに加え、工業的に効率よく、安価、安全に製造する技術が求められていた。
そこで、上記課題に対して、ホルムアミドに代えて、安価でかつ安全な尿素を原料に使用したメマンチン塩酸塩の製造法が報告されている。
例えば、特許文献2では、1−クロロ−3,5−ジメチルアダマンタンと尿素を、無溶媒中、封管内で220℃に加熱して反応させ、反応終了後に、水および濃塩酸を加えてpHを3〜5に調整し、エーテルで洗浄後、水酸化ナトリウムを添加することでpHを12〜13とし、エーテルで抽出、引き続く、塩化水素ガスの導入により、メマンチン塩酸塩を得ている。この方法は、1−クロロ−3,5−ジメチルアダマンタンと尿素を無溶媒下で反応させるため、かなりの高温条件(220℃)で溶融状態とする必要があり、これにより、原料の揮発、昇華を防ぐために封管条件が必要となる。工業的に上記の反応条件(高温、封管)を実施することは、一般的な装置では難しいため、この製造法は使用装置の観点、および、エネルギー消費(コスト)の面で課題があると言える。
また、特許文献3には、1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンと尿素を、多価アルコール溶媒中で25〜200℃に加熱して反応させ、反応終了後、水酸化ナトリウムを添加し、50〜200℃で加アルコール分解を行い、水の添加後にクロロホルムで抽出し、引き続く、有機層の濃縮、塩酸による塩酸塩化により、メマンチン塩酸塩を得たと記載されている。ところが、この方法による1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンと尿素との反応を本発明者らが追試したところ、反応により得られるはずの1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンは得られなかった(比較例1)。この結果は、反応溶媒に多価アルコールを使用しているため、多価アルコールと原料の1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンが反応してしまい、対応するジメチルアダマンチルエーテルを生成してしまったことによるものと考えられる。
次に、特許文献4では、1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンと尿素を、ギ酸溶媒中で50〜180℃に加熱して反応させ、反応終了後、無機酸水溶液を添加してpH1〜3の条件下、加水分解を実施した後、無機塩基水溶液を添加することで塩基性に調整し、引き続く、有機溶媒での抽出、塩酸添加による塩酸塩化により、メマンチン塩酸塩を得ている。ところが、この方法も本発明者らが追試したところ、得られるはずのメマンチンは得られなかった(比較例2)。この結果もまた、反応溶媒にギ酸を使用しているため、ギ酸と原料の1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンが反応してしまうことによるものと考えられる。
さらに、特許文献5では、酢酸溶媒中、1,3−ジメチルアダマンタンと発煙硝酸を10〜30℃で混合し、次いで尿素の水溶液を加えて90〜125℃に加熱して反応させ、反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、トルエンを用いて50〜85℃で
抽出、引き続く、塩酸添加による塩酸塩化でメマンチン塩酸塩を得ている。特許文献5では、使用する発煙硝酸が、大気汚染物質、および人体に有毒な二酸化窒素ガスを多く発生させることから、環境および作業者に対して有害であり、工業的に大量に使用する上で安全性に課題がある。
特許第2821233号公報 特開昭4918860号公報 中国公開第1400205号明細書 米国特許第7355080号明細書 ラトビア特許第13186号明細書
Journal of the American Medical Association 291(3): 317-324, 2004. Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry 80(6): 600-607, 2009. New England Journal of Medicine 348(14): 1333-1341, 2003.
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決し、純度の高いメマンチン塩酸塩の、高効率かつ安価、安全な製造法を提供することにある。
本発明者らは、純度の高いメマンチン塩酸塩の、高効率かつ安価、安全な製造法について鋭意研究を重ねた結果、非プロトン性極性溶媒中で、1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンと尿素またはチオ尿素を反応させ、引き続く加水分解(鹸化)、塩酸塩化を行うことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下:
(a)1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンと、尿素またはチオ尿素を、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンまたは1−チオカルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの溶液を得る工程;および
(b)上記工程(a)で得られた溶液に塩基または酸を加えて、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンまたは1−チオカルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンをメマンチンまたはその塩に分解する工程
を含んで成る。
上記方法においては、前記工程(b)の後、以下:
(c)上記工程(b)で得られた反応液に水または塩基水溶液を加え、塩基性液を得る工程
を含み得、また前記工程(c)の後、以下:
(d)上記工程(c)で得られた塩基性液から、有機溶媒を用いてメマンチンを有機層に抽出する工程
をさらに含み得る。
また、上記方法においては、前記工程(d)の後、以下:
(e)上記工程(d)で得られた有機層に塩化水素または塩酸を加え、メマンチン塩酸塩
の沈殿を得る工程;および
(f)メマンチン塩酸塩を回収する工程
を含み得る。
上記方法においては、工程(a)の反応温度が100〜140℃であることが好ましい。
また、非プロトン性極性溶媒が1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンに対して2〜5倍量(v/w)使用されることが好ましい。
本発明によれば、安価でかつ取り扱いが容易な尿素またはチオ尿素を使用し、高効率かつ安価、安全な製造法によって、高純度のメマンチン塩酸塩を提供することが可能となる。
また、本発明は、比較的穏やかな反応条件下で反応が進行することから、特別な装置を必要とせず、安全性に加え、設備コスト、およびエネルギー消費コストも低く抑えられるという利点を有する。
本発明を実施して高純度のメマンチン塩酸塩を製造する方法は下記のとおりである。
(工程(a))
使用される1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンとしては、特に制限はないが、例えば1−クロロ−3,5−ジメチルアダマンタン、1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンが挙げられる。これらのうち、好ましくは1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタンである。
使用する尿素化合物は尿素またはチオ尿素であるが、好ましくは尿素である。
使用する尿素化合物の量に特に制限はないが、反応の進行を速めるため、使用する1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンに対して過剰量用いるのが好ましく、生産コストとのバランスを考慮すると、より好ましくは2〜7倍量(mol/mol)、最も好ましくは3〜6倍量(mol/mol)である。
使用される溶媒は、非プロトン性極性溶媒であれば特に制限はないが、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、グリム(エチレングリコールジメチルエーテル)、ジグリム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。上記のうち、反応の進行は100℃より低い温度では遅くなるため、沸点が100℃以上のものが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジグリム、ジメチルスルホキシドが挙げられる。上記のうち、より好ましくは工程(b)の条件下(塩基、酸の存在下)での安定性が高い、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジグリム、ジメチルスルホキシドであり、最も好ましくは、N−メチルピロリドン、ジグリムである。
使用される溶媒の量は、特に制限されるものではないが、使用する1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンに対して通常2〜10倍量(v[mL]/w[g])が使用される。反応容積効率を考慮すると、2〜5倍量(v/w)が好ましく、より好ましくは2〜3倍量(v/w)である。
反応温度は特に制限はないが、反応の進行を速めるため、通常、80℃〜溶媒の沸点温
度の範囲で行われ、一般的な設備での製造を考慮すると、好ましくは100〜140℃、最も好ましくは反応液の着色が薄い110〜130℃である。また、反応時間も特に制限はなく、反応物質、溶媒量、反応温度等の反応条件によって変わるが、通常は1〜15時間である。
(工程(b))
使用される塩基は特に制限はないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、これらのうち、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、最も好ましくは水酸化ナトリウムである。
使用される酸は特に制限はないが、例えば、ギ酸、酢酸等の有機酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられ、これらのうち、好ましくは酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸であり、最も好ましくは臭化水素酸である。
上記のように、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンまたは1−チオカルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの分解反応は塩基および酸によって実施可能である。しかしながら、塩基を使用した分解の場合、本発明における反応条件ではガラスの腐食が進行することに加えて、分解時の副生物である気体状アンモニアが多くの金属に対して腐食性を有するため、使用可能な装置材質が制限される。一方で、酸を使用した分解では、一般的に使用されるグラスライニング反応釜で反応が可能なため、分解に使用するのは酸の方が好ましい。
使用される塩基または酸の量は特に制限はないが、反応の進行を速めるため、使用する1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンに対して過剰量用いるのが好ましく、生産コストとのバランスを考慮すると、より好ましくは4〜12倍量(mol/mol)である。
反応温度は特に制限はないが、通常、80℃〜溶媒の沸点温度の範囲であり、一般的な設備での製造を考慮すると、好ましくは100〜140℃、最も好ましくは100〜120℃である。また、反応時間も特に制限はなく、反応物質、溶媒量、反応温度等の反応条件によって変わるが、通常は1〜30時間である。
(工程(c))
使用する水または塩基性水溶液の量は、次工程の抽出操作が問題なく行える量であれば特に制限はないが、反応容積効率を考慮すると、使用する1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンに対して5〜20倍量(v/w)が好ましく、より好ましくは5〜10倍量(v/w)である。
使用される塩基としては、水に可溶なものであれば特に制限はないが、水酸化ナトリウムが好ましい。
塩基液のpHはpH9以上が好ましく、メマンチンの水への溶解度を下げ、抽出効率を上げるために、より好ましくはpH12以上である。
(工程(d))
使用される有機溶媒は抽出操作が問題なく行えるものであれば特に制限はないが、非水溶性有機溶媒が好ましく、より好ましくはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系有機溶媒であり、工業的製造を考慮すると、帯電性が低く、上記の中で最も汎用されるトルエンが最も好ましい。
抽出時の温度は、20〜30℃が好ましいが、特に制限されるものではない。
(工程(e))
加える塩化水素の形態は気体状でも溶液でも良く、好ましくは濃塩酸である。
塩酸塩化時の温度は、25℃以下が好ましいが、特に制限されるものではない。
(工程(f))
メマンチン塩酸塩の沈殿物は、濾過等の当業界において知られているいずれかの手段によって回収されるが、その方法に特に制限はない。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの調製
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン2.00g(8.2mmol)、尿素2.96g(49.4mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド4mLを加え、140℃下で2時間撹拌した(無色透明液)。反応液の1H NMR分析から、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの生成を確認した(転化率48%)。
(実施例2)1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの調製
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン2.00g(8.2mmol)、尿素2.96g(49.4mmol)、N,N−ジメチルイミダゾリジノン4mLを加え、140℃下で2時間撹拌した(無色透明液)。反応液の1H NMR分析から、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの生成を確認した(転化率51%)。
(実施例3)メマンチン塩酸塩の製造
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン2.00g(8.2mmol)、尿素2.96g(49.4mmol)、ジグリム4mLを加え、140℃下で2時間撹拌した(白色濁液)。室温まで反応液を冷却し、ジグリム6mL、水酸化ナトリウム3.25g(81.3mmol)を加えて140℃下で6時間撹拌した(白色濁溶液)。反応液を室温まで冷却後、水20mL、トルエン10mLを加えて16時間激しく撹拌し、10分間静置した。水層を除去後(pH12.0)、得られた有機層に濃塩酸0.78mL(9.0mmol)を添加し、5℃で19時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩1.48gを得た(収率83%、GC純度99.9%)。
(実施例4)メマンチン塩酸塩の製造
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン1.00g(4.1mmol)、尿素0.99g(16.5mmol)、ジグリム2mLを加え、140℃下で4時間撹拌した(褐色溶液)。室温まで反応液を冷却し、ジグリム5mL、水酸化ナトリウム1.67g(41.8mmol)を加えて140℃下で2時間撹拌した(濃褐色スラリー)。反応液を室温まで冷却後、水15mL、トルエン10mLを加えて15分間激しく撹拌し、1時間静置した。水層を除去後(pH12.5)、得られた有機層に濃塩酸0.39mL(4.5mmol)を添加し、10℃で20時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン1mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩0.79gを得た(収率89%、GC純度99.7%)。
(実施例5)メマンチン塩酸塩の製造
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン1.00g(4.1mmol)、尿素0.99g(16.5mmol)、NMP 2mLを加え、140℃下で4時間撹拌した(褐色溶液)。室温まで反応液を冷却し、NMP 5mL、水酸化ナトリウム
1.70g(44.3mmol)を加えて140℃下で2時間撹拌した(濃褐色スラリー)。反応液を室温まで冷却後、水15mL、トルエン10mLを加えて20分間激しく撹拌し、2時間静置した。水層を除去後(pH12.5)、得られた有機層に濃塩酸0.55mL(6.4mmol)を添加し、10℃で20時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン1mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩0.63gを得た(収率71%、GC純度99.9%)。
(実施例6)メマンチン塩酸塩の製造
200mLフラスコに1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン10.00g(41.1mmol)、尿素9.88g(164.5mmol)、NMP 20mLを加え、120℃下で8時間撹拌した(黄色溶液)。室温まで反応液を冷却し、NMP 20mL、水酸化ナトリウム16.48g(412.1mmol)を加えて120℃下で12時間撹拌した(薄黄色スラリー)。反応液を室温まで冷却後、水150mLを加えて500mL分液ロートに移送し、トルエン100mLを加えて2分間激しく振盪した。15分間静置し、水層を除去後(pH13.0)、有機層に水50mLを加え、2分間激しく振盪、15分静置し、水層を除去した。得られた有機層を200mLフラスコに移送し、15℃以下に冷却後、濃塩酸4.58g(45.2mmol)を添加し、5℃で15時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン10mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩7.86gを得た(収率89%、GC純度99.9%)。
(実施例7)メマンチン塩酸塩の製造
200mLフラスコに1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン10.00g(41.1mmol)、尿素9.88g(164.5mmol)、NMP 20mLを加え、120℃下で8時間撹拌した(黄色溶液)。室温まで反応液を冷却し、NMP 20mL、水酸化カリウム26.84g(86%、411.4mmol)を加えて120℃下で12時間撹拌した(薄黄色スラリー)。反応液を室温まで冷却後、水100mLを加えて500mL分液ロートに移送し、トルエン100mLを加えて2分間激しく振盪した。20分間静置し、水層を除去後(pH13.0)、有機層に水50mLを加え、2分間激しく振盪、20分静置し、水層を除去した。得られた有機層を200mLフラスコに移送し、15℃以下に冷却後、濃塩酸4.58g(45.2mmol)を添加し、5℃で16時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン10mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩7.80gを得た(収率88%、GC純度99.9%)。
(実施例8)メマンチン塩酸塩の製造
5Lフラスコに1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン300.00g(1233.7mmol)、尿素296.37g(4934.6mmol)、NMP 600mLを加え、120℃下で4時間撹拌した(黄色溶液)。室温まで反応液を冷却し、NMP 1500mL、水酸化ナトリウム493.46g(12336.5mmol)を加えて120℃下で6時間撹拌した(薄黄色スラリー)。反応液を室温まで冷却後、水2000mLを加えて10Lフラスコに移送し、更に水3400mLと、トルエン1500mLを加えて20分間激しく撹拌した。1時間静置し、水層と有機層に分液した。水層を10Lフラスコに戻し、トルエン1500mLを加えて20分間激しく撹拌した。20分間静置し、水層を除去した(pH12.5)。有機層を合わせ、水900mLを加え、20分間激しく撹拌、20分静置し、水層を除去した。得られた有機層を15℃以下に冷却後、濃塩酸137.44g(1357.0mmol)を添加し、25℃で16時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン300mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩258.62gを得た(収率97%、GC純度99.8%)。
(実施例9)メマンチン塩酸塩の製造
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン3.00g(12.3mmol)、チオ尿素3.76g(49.4mmol)、NMP 6mLを加え、140℃下で3時間撹拌した(褐色溶液)。室温まで反応液を冷却し、NMP 9mL、水酸化ナトリウム4.98g(124.5mmol)を加えて140℃下で23時間撹拌した(濃褐色スラリー)。反応液を室温まで冷却後、水39mLを加えて100mL分液ロートに移送し、トルエン30mLを加えて2分間激しく振盪した。5分間静置し、水層を除去後(pH12.0)、有機層に水10mLを加え、2分間激しく振盪、5分静置し、水層を除去した。得られた有機層を100mL試験管に移送し、15℃以下に冷却後、濃塩酸1.2mL(13.6mmol)を添加し、5℃で20時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン3mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩1.25gを得た(収率47%)。
(実施例10)メマンチン塩酸塩の製造
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン5.00g(20.6mmol)、尿素4.94g(82.2mmol)、NMP10mLを加え、120℃下で5時間撹拌した(黄色溶液)。室温まで反応液を冷却し、酢酸10.19g(169.6mmol)を加えて加熱還流下で5時間撹拌した(薄黄色溶液)。反応液を10℃以下に冷却後、5N水酸化ナトリウム水溶液35mL、トルエン25mLを加えて5分間激しく撹拌し、5分間静置した。水層を除去後(pH12.0)、得られた有機層に濃塩酸1.94mL(22.6mmol)を添加し、25℃で14時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン5mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩2.81gを得た(収率63%)。
(実施例11)メマンチン塩酸塩の製造
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン3.00g(12.3mmol)、尿素2.96g(49.4mmol)、NMP 6mLを加え、120℃下で4時間撹拌した(黄色溶液)。室温まで反応液を冷却し、水6mLを加えた後、氷浴で冷却しながら濃硫酸5.25g(52.5mmol)を加えて加熱還流下で18時間撹拌した(淡黄色溶液)。反応液を室温に冷却後、水30mL、水酸化ナトリウム5.98g(148.1mmol)を加え、200mL分液ロートへ移送した。トルエン30mLを加えて1分間激しく振盪し、5分間静置した。水層を除去後(pH12.0)、得られた有機層に濃塩酸1.41g(13.6mmol)を添加し、25℃で17時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン3mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩2.14gを得た(収率80%、GC純度99.9%)。
(実施例12)メマンチン塩酸塩の製造
300mLフラスコに1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン20.00g(82.2mmol)、尿素19.76g(329.0mmol)、NMP 40mLを加え、120℃下で5時間撹拌した(黄色溶液)。50℃以下まで反応液を冷却し、濃塩酸72.82g(699.0mmol)を加えて加熱還流下で9時間撹拌した(淡黄色スラリー)。反応液を1Lフラスコに移送し、10℃以下に冷却後、5N水酸化ナトリウム水溶液210mLを加え、1L分液ロートへ移送した。トルエン200mLを加えて2分間激しく振盪し、5分間静置した。水層を除去後(pH13.0)、有機層を300mLフラスコに移送し、濃塩酸9.42g(90.5mmol)を添加し、25℃で21時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン20mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩13.33gを得た(収率75%、GC純度99.9%)。
(実施例13)メマンチン塩酸塩の製造
300mLフラスコに1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン20.00g(82.2mmol)、尿素19.76g(329.0mmol)、NMP 40mLを加え、120℃下で4時間撹拌した(黄色溶液)。室温まで反応液を冷却し、48%臭化水素酸117.84g(699.1mmol)を加えて加熱還流下で14時間撹拌した(淡黄色溶液)。水100mLを加えて、氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム39.47g(986.9mmol)を加えた。反応液を1L分液ロートへ移送し、水100mL、トルエン200mLを加え、1分間激しく振盪し、20分間静置した。水層を除去後(pH12.5)、有機層を300mLフラスコに移送し、濃塩酸9.16g(90.5mmol)を添加し、25℃で15時間撹拌した。得られたスラリーを吸引濾過し、ケーキをトルエン20mLで2回洗浄後、得られたメマンチン塩酸塩湿結晶を減圧乾燥することで、メマンチン塩酸塩16.05gを得た(収率91%、GC純度99.9%)。
(比較例1)メマンチン塩酸塩の製造(特許文献3トレース実験)
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン1.00g(4.1mmol)、尿素1.48g(24.7mmol)、エチレングリコール8mLを加え、80℃下で30時間撹拌したが、反応液のガスクロマトグラフィー分析で1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンに対応するピークは確認されなかった。
(比較例2)メマンチン塩酸塩の製造(特許文献4トレース実験)
100mL試験管に1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン2.00g(8.2mmol)、尿素1.73g(28.8mmol)、80%ギ酸1.6mLを加え、85℃下で9時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、濃塩酸1.9mLを加え、85℃で3時間撹拌した。反応液を氷冷しながら、30%水酸化ナトリウム水溶液を6mL加えた(pH13)。トルエン15mL、水5mLを加えて10分撹拌し、5分静置後、水層を除去した。得られた有機層のガスクロマトグラフィー分析でメマンチンに対応するピークは確認されなかった。

Claims (4)

  1. メマンチン塩酸塩の製造法であって、
    (a)1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンと、尿素またはチオ尿素を、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンまたは1−チオカルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンの溶液を得る工程であって、ここで非プロトン性極性溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、グリム、ジグリム、またはジメチルスルホキシドである、上記工程;および
    (b)上記工程(a)で得られた溶液に塩基または酸を加えて、1−カルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンまたは1−チオカルバミド−3,5−ジメチルアダマンタンをメマンチンまたはその塩に分解する工程
    を含んで成る方法。
  2. 前記工程(b)で酸を使用した場合は、得られた反応液に塩基水溶液を加えることで、前記工程(b)で塩基を使用した場合は、得られた反応液に水または塩基水溶液を加えることで、塩基性水層を得る工程(c)をさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)の反応温度が100〜140℃である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 非プロトン性極性溶媒が1−ハロゲノ−3,5−ジメチルアダマンタンに対して2〜5倍量(v/w)使用される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
JP2015161703A 2015-08-19 2015-08-19 高純度メマンチン塩酸塩の製造法 Active JP6354701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015161703A JP6354701B2 (ja) 2015-08-19 2015-08-19 高純度メマンチン塩酸塩の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015161703A JP6354701B2 (ja) 2015-08-19 2015-08-19 高純度メマンチン塩酸塩の製造法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017039656A JP2017039656A (ja) 2017-02-23
JP2017039656A5 JP2017039656A5 (ja) 2017-11-30
JP6354701B2 true JP6354701B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=58202884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015161703A Active JP6354701B2 (ja) 2015-08-19 2015-08-19 高純度メマンチン塩酸塩の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6354701B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7305644A (ja) * 1972-04-20 1973-10-23
CN1400205A (zh) * 2002-08-30 2003-03-05 中国科学院广州化学研究所 美金刚胺盐酸盐的制备方法
CN1240668C (zh) * 2003-09-10 2006-02-08 上海医药工业研究院 一种新的盐酸美金刚制备方法
CN102093228B (zh) * 2011-01-18 2013-12-11 广东工业大学 一种1,3-金刚烷二胺的合成方法
CN103664640A (zh) * 2013-12-18 2014-03-26 成都医路康医学技术服务有限公司 盐酸美金刚的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017039656A (ja) 2017-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6964595B2 (ja) リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの新規の製造方法
JP5235683B2 (ja) アダマンタンアミン類の調製方法
KR20170131524A (ko) 리튬비스플루오로설포닐이미드의 제조 방법
CN107641106A (zh) 法匹拉韦中间体以及法匹拉韦的合成方法
CN103724261A (zh) 一种硫酸羟基氯喹啉的工业化新方法
CN104177388B (zh) 一种桥联双酰胺基稀土胺化物及其制备方法和应用
US9919990B2 (en) Method for manufacturing methyl fluoride
JP2015500325A5 (ja)
TWI482749B (zh) 由二氟乙腈製備2,2-二氟乙胺及其鹽類之方法
JP6354701B2 (ja) 高純度メマンチン塩酸塩の製造法
JPWO2011001976A1 (ja) スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−l−セリンの製造法
CN109721496A (zh) 一种3-硝基邻二甲苯的合成方法
CN108530301A (zh) 一种2,4,6-三氟苄胺的合成方法
KR20080019151A (ko) 카르보스티릴 화합물의 제조 방법
US20080194822A1 (en) Imiquimod production process
CN105237414B (zh) ivacaftor中间体及其制备方法和用途
JP5652008B2 (ja) o−トリジンスルホンの製造方法
CN104030938A (zh) 盐酸丙帕他莫的制备方法
TWI237015B (en) Process for the preparation of quaternary alkylammonium salts represented by R1R2R3R4N+ to BF4-
JP4500983B2 (ja) 6−アルコキシ−2−ナフタレンチオールおよびその製造方法
JPH10330313A (ja) 安息香酸誘導体の製造方法
JP2004067544A (ja) 高純度ビス−(1(2)h−テトラゾール−5−イル)アミンの製造方法
JP2000128868A (ja) テトラアルキルフルオロホルムアミジニウムトリフルオロアセテ―ト及びその製造方法
JP4695277B2 (ja) イミダゾリジノン誘導体の製造方法
CN111848502A (zh) (5-溴-2-甲基吡啶-4-基)甲醇的合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171013

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171013

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171013

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6354701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150