JP6350907B2 - 変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、変速機に係り、特に変速機ケースの底部のドレインボルトを保護する変速機に関する。
車両に搭載された変速機においては、変速機ケースの内部に潤滑油(オイル)が注入され、また、排出口にドレインボルトが取り付けられている。ドレインボルトは、潤滑油をより速く且つ確実に排出するために、変速機ケースの最底部に配置される。また、ドレインボルトは、その排出方向が、大別すると、下向きと横向きとの2パターンに分けられるが、潤滑油の排出性と作業性の観点から、下向きに設定することが望ましい。
このような変速機としては、例えば、以下の先行技術文献がある。
特開2012−149534号公報
特許文献1に係る内燃機関のクランクケースは、二輪車のクランクケースであって、ドレインボルトの頭部の高さよりもクランクケースの外方側に突出するドレインボルトガード部を、ドレインボルトに接近した位置でドレインボルトの頭部よりもクランクケースの外方側に向かって突出した構造である。
ところで、従来、下向きのドレインボルトにあっては、横向きよりも車輪からの飛び石等が当たる可能性が高く、飛び石がドレインボルトに当たると、ドレインボルトが緩み、潤滑油が漏れるおそれがある。
この対策として、飛び石が当たることを防止する専用の壁(カバー等)を設定するか、ドレインボルトを横向きにするといった方法が採られている。
しかしながら、専用の壁(カバー等)等を設定すると、重量が大きくなる上、部品点数が増加し、しかも、組付工数も増加する。また、ドレインボルトを横向きにすると、潤滑油の排出性の低下及び周囲への飛散を招くおそれがあり、改善が望まれていた。
そこで、この発明は、ドレインボルトを保護し、ドレインボルトの耐久性を向上する変速機を提供することを目的とする。
この発明は、変速機ケースの底に潤滑油を外部に排出する排出孔を備え、前記排出孔を閉塞するドレインボルトを前記排出孔に備える変速機において、前記変速機ケースは、複数のケースを結合して構成され、前記複数のケースは、それぞれ、複数のボルトにて相互に結合されるフランジを備え、前記変速機ケースの底には前記変速機ケースの外方側に突出する補強リブを複数配置するとともに前記変速機ケースを車体に連結するマウント部材を配置し、前記排出孔は、前記補強リブ同士の間に配置されるとともに前記複数のケースのいずれかのケースに形成され、前記ドレインボルトは、前記排出孔が形成された前記ケースの前記フランジと前記マウント部材との間に配置され、前記補強リブは、前記ドレインボルトよりも下方に突出して配置され、前記マウント部材は、前記排出孔の側方に配置され且つ前記排出孔よりも下方に突出されて、前記排出孔が形成された前記ケースの底面に取り付けられたことを特徴とする。
この発明は、異物がドレインボルトに当たるのを防止して、ドレインボルトを保護し、ドレインボルトの耐久性を向上できる。
図1は車両前部の底面図である。(実施例) 図2はパワーユニットの底面図である。(実施例) 図3はドレインボルト部位の拡大底面図である。(実施例) 図4は図3のドレインボルト部位の側面図である。(実施例) 図5はトルクロッドの取付部位の側面図である。(実施例) 図6は図3のVI−VI線によるドレインボルト部位の断面図である。(実施例)
この発明は、異物がドレインボルトに当たるのを防止して、ドレインボルトを保護し、ドレインボルトの耐久性を向上する目的を、排出孔を補強リブ同士の間に配置し、補強リブをドレインボルトよりも下方に突出させて実現するものである。
図1〜図6は、この発明の実施例を示すものである。
図1、図2に示すように、車両1の前部には、車体2にパワートレイン3が横置きに搭載される。車両1は、例えば、四輪自動車であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車である。
車体2は、車両前後方向Xに延びる左サイドフレーム4及び右サイドフレーム5と、この左サイドフレーム4と右サイドフレーム5とを連結するように車両左右方向Yに延びるクロス部材6とを備える。
パワートレイン3は、右側のエンジン7と、このエンジン7に連結された左側の変速機8とからなる。
変速機8には、左右の車軸9・9を介して左右の車輪10・10が連結される。
変速機8は、変速機ケース11を備える。
図2に示すように、変速機ケース11は、ケース側取付用フランジ12がエンジン7のエンジン側取付用フランジ13に複数の取付ボルト14によって取り付けられる。
変速機ケース11は、エンジン7に近い側のライトケース15と、エンジン7から離れた側のレフトケース16とを備え、ライトケース15のライトケース側フランジ15Aとレフトケース16のレフトケース側フランジ16Aとを複数の連結ボルト17によって連結して構成される。
また、変速機ケース11は、図2に示すように、変速機収容部18と、デファレンシャル収納部19とを備える。
図3に示すように、変速機ケース11のライトケース15の底部(底面)には、潤滑油を外部に排出する円形状の排出孔20が備えられるとともに、この排出孔20を閉塞するドレインボルト21が排出孔20に螺着して備えられる。
また、変速機ケース11のライトケース15の底部には、変速機ケース11の外方側に突出する補強リブ22が複数形成される。
この実施例において、複数の補強リブ22としては、図3に示すように、排出孔20を間に挟んで配置するように、ドレインボルト21に隣接する一側(前側)補強リブ23と他側(後側)補強リブ24とが配置される。
一側補強リブ23・他側補強リブ24は、図3に示すように、それぞれ、所定の幅Wで形成され、円形状の排出孔20の前側部位・後側部位を覆うように、円弧形状の一側湾曲部25・他側湾曲部26を備える。
更に、一側補強リブ23・他側補強リブ24の下端23B・下端24Bは、図6に示すように、ドレインボルト21の下面21Bよりも距離Hだけ下方に突出される。
このような構造により、一側補強リブ23・他側補強リブ24が壁となり、飛来する異物(石など)がドレインボルト21に当たることを防止することができる。これにより、ドレインボルト21を保護し、ドレインボルト21の耐久性を向上することができる。
また、図3に示すように、変速機ケース11のライトケース15の底部には、変速機ケース11の後部を車体2のクロス部材6に連結するマウント部材27が配置される。変速機8の後部は、マウント部材27を介してクロス部材6に弾性支持される。
マウント部材27は、ライトケース15の底部に取付ボルト28によって取り付けられるトルクロッドブラケット29と、このトルクロッドブラケット29に連結され且つクロス部材6に連結されるトルクロッド30とから構成される。
マウント部材27は、図2、図3に示すように、排出孔20の側方に配置され且つ排出孔20よりも下方に突出される。
このような構造により、マウント部材27によって側方からの異物に対しても、ドレインボルト21を保護することができる。
更に、図3に示すように、排出孔20に隣接する一側補強リブ23・他側補強リブ24は、車両左右方向Yに延びる。
このような構造により、ドレインボルト21に隣接する一側補強リブ23・他側補強リブ24を車両左右方向Yに延ばすことで、車両前方から飛来する異物に対して、ドレインボルト21を確実に保護することができる。
この発明に係る変速機を、各種車両に適用可能である。
1 車両
2 車体
3 パワートレイン
4 左サイドフレーム
5 右サイドフレーム
6 クロス部材
7 エンジン
8 変速機
11 変速機ケース
15 ライトケース
16 レフトケース
20 排出孔
21 ドレインボルト
22 補強リブ
23 一側補強リブ
24 他側補強リブ
25 一側湾曲部
26 他側湾曲部
27 マウント部材
29 トルクロッドブラケット
30 トルクロッド

Claims (2)

  1. 変速機ケースの底に潤滑油を外部に排出する排出孔を備え、
    前記排出孔を閉塞するドレインボルトを前記排出孔に備える変速機において、
    前記変速機ケースは、複数のケースを結合して構成され、
    前記複数のケースは、それぞれ、複数のボルトにて相互に結合されるフランジを備え、
    前記変速機ケースの底には前記変速機ケースの外方側に突出する補強リブを複数配置するとともに前記変速機ケースを車体に連結するマウント部材を配置し、
    前記排出孔は、前記補強リブ同士の間に配置されるとともに前記複数のケースのいずれかのケースに形成され、
    前記ドレインボルトは、前記排出孔が形成された前記ケースの前記フランジと前記マウント部材との間に配置され、
    前記補強リブは、前記ドレインボルトよりも下方に突出して配置され、
    前記マウント部材は、前記排出孔の側方に配置され且つ前記排出孔よりも下方に突出されて、前記排出孔が形成された前記ケースの底面に取り付けられたことを特徴とする変速機。
  2. 前記排出孔に隣接する前記補強リブは、車両左右方向に延び、
    前記排出孔が形成された前記ケースの前記フランジと前記マウント部材とは、車両前後方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
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