JP2019104431A - 車両用のオイルパンガード - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な手法でガード板の近傍の開口を閉塞し、コスト増加を抑制しつつ床下部分の空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減する。【解決手段】ガード板48から車両後方側へ突き出す一対の取付部50b、52bの間に形成される開口56を塞ぐように、ガード板48とは別個のカバー板42がガード板48と共に取付部50b、52bを介してクロスメンバに取り付けられるため、床下部分の空力性能が改善されて燃費が向上するとともに車外騒音が低減される。その場合に、ガード板48とは別個のカバー板42をガード板48と共に取付部50b、52bを用いて取り付けるため、ガード板48としては従来のものをそのまま使用することが可能で、車種毎に適当な形状のカバー板42を用意するだけで良く、コスト増加を必要最小限に抑えつつ燃費および車外騒音を改善することができる。【選択図】図2

Description

本発明は車両用のオイルパンガードに係り、特に、簡便な手法で床下部分の空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減する技術に関するものである。
作動油を収容するオイルパンを下方からの衝撃から保護するために、そのオイルパンの下方位置にガード板が配置されるように、そのガード板が取付部を介して支持部材に取り付けられる車両用のオイルパンガードが知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、縦置き型の変速機の出力側にトランスファが設けられた前後輪駆動車両に関するものであり、変速機を含むパワートレーンユニットのケース、またはクロスメンバ等のフレームにオイルパンガードが取り付けられ、悪路走行時やオフロード走行時における路面(岩など)との接触や飛び石などからオイルパンやその収容部品を保護するようになっている。この特許文献1では、パワートレーンユニットのケースやクロスメンバが支持部材に相当する。
特開2016−203963号公報
ところで、このような従来のオイルパンガードにおいては、ガード板の近傍に路面に向かって開口が形成される場合がある。床下部分には、空力性能を改善するためにアンダーカバーが設けられる場合があるが、オイルパンの下方部分には、強度が高い金属等にて構成されるガード板を別個に設ける必要があり、ガード板の取付部付近に開口が形成される場合があった。このように開口が形成されると、空力性能が損なわれて燃費が低下したり車外騒音が悪化したりするが、近年、燃費や車外騒音に対する要求が厳しくなり、その改善が求められていた。これに対し、例えば開口を含めて覆蓋できるようにガード板やアンダーカバーの形状を最適化することが考えられるが、車両底部の構造は車種毎に相違しているため、車種毎にガード板やアンダーカバーの最適形状を新たに設計し直すとコストが大幅に高くなるという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、簡便な手法でガード板の近傍の開口を閉塞し、コスト増加を抑制しつつ床下部分の空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、作動油を収容するオイルパンを下方からの衝撃から保護するために、そのオイルパンの下方位置にガード板が配置されるように、そのガード板が取付部を介して支持部材に取り付けられる車両用のオイルパンガードであり、前記ガード板の近傍に路面に向かって形成される開口を塞ぐように、そのガード板とは別個のカバー板がそのガード板と共に前記取付部を介して前記支持部材に取り付けられることを特徴とする。
なお、支持部材は、クロスメンバ等の車両のフレームや、オイルパンが設けられた変速機等のケースなどである。
第2発明は、(a) 一対の取付軸部材と、(b) その一対の取付軸部材に跨がってその取付軸部材の軸方向の中間部分に取り付けられたガード板と、を有し、(c) 作動油を収容するオイルパンを下方からの衝撃から保護するために、そのオイルパンの下方位置に前記ガード板が配置されるように、前記一対の取付軸部材が水平方向へ離間する姿勢で、前記ガード板の両側へ突き出す前記一対の取付軸部材の両端部をそれぞれ取付部として用いて支持部材に取り付けられる車両用のオイルパンガードであり、(d) 前記ガード板から同じ方向へ突き出す一対の前記取付部の間に路面に向かって形成される開口を塞ぐように、そのガード板とは別個のカバー板がそのガード板と共に前記取付部を介して前記支持部材に取り付けられることを特徴とする。
第3発明は、第2発明の車両用のオイルパンガードにおいて、(a) 前記一対の取付軸部材は、車両の幅方向へ離間する姿勢で配置されており、(b) 前記ガード板から車両の前後方向へ突き出す前記一対の取付軸部材の両端部がそれぞれ前記取付部として用いられ、(c) 前記車両の前後方向の少なくとも一方へ突き出す一対の前記取付部の間に形成される開口を塞ぐように、その一対の取付部に跨がって前記カバー板が配設されていることを特徴とする。
第4発明は、第3発明の車両用のオイルパンガードにおいて、(a) 前記ガード板よりも車両前側部分および左右両側部分は、前記車両用のオイルパンガードとは別のアンダーカバーによって覆蓋されており、(b) 前記カバー板は、前記ガード板よりも車両後側部分に形成される開口を塞ぐように配設されていることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの車両用のオイルパンガードにおいて、(a) 前記取付部には、前記ガード板と平行な平面に対して垂直方向に取付ボルトが立設されており、その取付ボルトを介して前記支持部材に取り付けられる一方、(b) 前記カバー板には前記取付ボルトが挿通させられる挿通穴が設けられており、(c) 前記カバー板は、前記挿通穴内に前記取付ボルトが挿通させられるように前記取付部に配置されることにより予め定められた組付状態に位置決めされることを特徴とする。
第6発明は、第5発明の車両用のオイルパンガードにおいて、前記予め定められた組付状態は、前記カバー板および前記ガード板が互いに略平行で且つ境界部分で重ね合わされる状態であることを特徴とする。
なお、略平行は、カバー板およびガード板が厳密に平行である必要はなく、±10°以下で互いに傾斜していても差し支えない趣旨である。
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの車両用のオイルパンガードにおいて、前記車両用のオイルパンガードは、縦置き型の変速機と、その変速機の出力側に設けられて駆動力を前輪および後輪に分配するトランスファと、を有する前後輪駆動車両用のもので、前記変速機の下部に設けられたオイルパンを保護するためにそのオイルパンの下方位置に配設されることを特徴とする。
第1発明の車両用のオイルパンガードにおいては、ガード板の近傍に形成される開口を塞ぐように、そのガード板とは別個のカバー板がガード板と共に取付部を介して支持部材に取り付けられるため、床下部分の空力性能が改善されて燃費が向上するとともに車外騒音が低減される。その場合に、ガード板とは別個のカバー板をガード板と共に取付部を用いて支持部材に取り付ければ良いため、ガード板としては従来のものをそのまま使用することが可能で、車種毎に適当な形状のカバー板を用意するだけで良く、コスト増加を必要最小限に抑えつつ燃費および車外騒音を改善することができる。
第2発明は、一対の取付軸部材に跨がってガード板が取り付けられているとともに、オイルパンの下方位置にガード板が配置されるように一対の取付軸部材が水平方向へ離間する姿勢で、ガード板から突き出す一対の取付軸部材の両端部をそれぞれ取付部として用いて支持部材に取り付けられる場合で、ガード板から同じ方向へ突き出す一対の取付部の間に形成される開口を塞ぐように、そのガード板とは別個のカバー板がガード板と共に取付部を介して支持部材に取り付けられるため、実質的に第1発明の一実施態様に相当し、第1発明と同様の作用効果が得られる。
第3発明は、一対の取付軸部材が車両の幅方向へ離間する姿勢で配置されており、ガード板から車両の前後方向へ突き出す一対の取付軸部材の両端部がそれぞれ取付部として用いられる場合で、車両の前後方向の少なくとも一方へ突き出す一対の取付部の間に形成される開口を塞ぐようにその一対の取付部に跨がってカバー板が配設されているため、カバー板によって開口を確実に塞ぐことが可能で、空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減するという効果が適切に得られる。
第4発明は、ガード板よりも車両前側部分および左右両側部分がアンダーカバーによって覆蓋されている場合で、ガード板よりも車両後側部分に形成される開口を塞ぐようにカバー板が設けられることにより、アンダーカバー、ガード板、およびカバー板によって床下部分が略全面的に塞がれるため、空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減するという効果が適切に得られる。
第5発明は、取付ボルトが取付部に立設されているとともに、カバー板には取付ボルトが挿通させられる挿通穴が設けられており、その挿通穴内に取付ボルトが挿通させられることによりカバー板が取付部に対して所定の組付状態に位置決めされるため、カバー板によって開口を適切に塞ぐことができるとともに、カバー板を含めたオイルパンガードの取付作業を容易に行なうことができる。
第6発明では、カバー板およびガード板が互いに略平行で且つ境界部分で重ね合わされる状態でカバー板がオイルパンガードに組み付けられるため、カバー板により開口を確実に塞ぐことが可能で、空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減するという効果が適切に得られる。
第7発明は、縦置き型の変速機の出力側にトランスファが配設された前後輪駆動車両用のオイルパンガードに関するもので、オフロード走行時や悪路走行時等にガード板によってオイルパンを適切に保護しつつ、カバー板の存在で空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減することができる。
本発明の一実施例であるオイルパンガードが設けられた前後輪駆動車両のパワートレーンユニットを説明する概略構成図である。 図1のオイルパンガードを単独で示した斜視図である。 図2のオイルパンガードの本体の斜視図である。 図3のオイルパンガードの本体に取り付けられるカバー板の斜視図である。 図1の前後輪駆動車両のオイルパンガード配設部分を路面側から見た底面図である。 オイルパンガードの他の実施例を説明する図で、図2に対応する斜視図である。
本発明のオイルパンガードは、例えばオフロード走行や悪路走行が可能な前後輪駆動車両に設けられるが、通常の前後輪駆動車両や前輪駆動車両、後輪駆動車両に設けることもできる。また、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載したエンジン駆動車両の他、電動モータを駆動力源として走行する電気自動車、エンジンおよび電動モータを駆動力源として備えているハイブリッド車両など、種々の車両に適用できる。オイルパンは、例えば変速機等の動力伝達装置の下部に設けられて、変速制御や潤滑などに用いられる作動油を収容しているが、電動モータを冷却するための作動油を収容するものでも良いなど、種々のオイルパンに適用できる。
オイルパンガードのガード板は、例えば平板形状の金属板材が好適に用いられるが、冷却等のために空気を流通させるスリットや切り起こし傾斜部などが設けられても良い。ガード板の近傍の開口は、例えばガード板から突き出す取付部の存在に起因して形成される。ガード板は、例えば水平方向(水平方向成分を有する方向)へ離間して配設される一対の取付軸部材に跨がって、その取付軸部材の軸方向の中間部分に取り付けられて、オイルパンの下方位置に配設されるが、1本或いは3本以上の取付軸部材を用いてガード板を配設することもできるし、ガード板の4隅等に取付部を溶接などで固定したものでも良い。また、ガード板の一部を曲げ加工するなどして取付部を設けることもできるなど、種々の態様が可能である。
カバー板としては、例えば平板形状の金属板材が用いられるが、ガード板のような強度は必要ないため、合成樹脂等の金属以外のカバー板を採用することもできる。波板形状等の平板形状以外のカバー板を採用することも可能である。ガード板についても同様である。カバー板は、予めねじ締結や溶接、リベット、かしめなどの固定手段でオイルパンガードのガード板や取付部に固定しておいても良いが、ガード板の取付部をねじによって支持部材に取り付ける場合、取付部と支持部材との間にカバー板を挟み込むなどしてねじにより共締めしても良い。
ガード板が一対の取付軸部材に取り付けられる場合、例えば一対の取付軸部材は車両の幅方向(幅方向成分を有する方向)へ離間する姿勢で配置され、車両の前後方向の少なくとも一方へ突き出す一対の取付部の間に形成される開口を塞ぐようにカバー板が配設される。カバー板は、車両前後方向の何れか一方に配設するだけでも良いが、前後方向の両方に開口が形成される場合は、その両方に配設することもできる。一対の取付軸部材を車両の前後方向へ離間させて配置することも可能で、その場合は、例えば車両の左右方向の少なくとも一方へ突き出す一対の取付部の間など、ガード板の近傍に形成される開口を塞ぐようにカバー板が配設される。一対の取付軸部材は、例えば互いに略平行になる姿勢で配設されるが、オイルパンの形状や車両の床下部分の構造等に応じて互いに傾斜する姿勢で配設することもできる。ガード板は、例えばその両側部において一対の取付軸部材に取り付けられるが、中間部分の2箇所を一対の取付軸部材に取り付けることもできるなど、種々の態様が可能である。ガード板は、例えばねじ締結や溶接、リベット、かしめなどの固定手段で予め取付軸部材等に固設される。
上記一対の取付軸部材は、例えば丸パイプ材にて構成され、その丸パイプ材の両端部がそれぞれ径方向に押圧されて扁平に潰されることにより取付部が形成される。この場合、一対の取付軸部材を含むオイルパンガードを軽量で簡単且つ安価に構成することができる。丸パイプ材の代わりに、金属板材を円筒状に丸めて取付軸部材として用いることもできるし、中実の丸棒材、或いは断面が角形の棒材や中空材を取付軸部材として用いることも可能である。また、ガード板が取り付けられる取付軸部材の端部に、別体に構成された取付部を固設して支持部材に固定することもできる。
車両の床下部分は、オイルパンガードの周辺部分をアンダーカバーによって覆蓋することが望ましく、そのオイルパンガードのガード板およびアンダーカバーによって覆蓋することができなかった開口部分を塞ぐようにカバー板が配設される。アンダーカバーは、例えばガード板よりも車両前側部分および左右両側部分を覆蓋するように設けられ、車両後側部分がカバー板によって塞がれるが、アンダーカバーの覆蓋部位は適宜定められ、アンダーカバーおよびガード板から外れた開口部分をカバー板によって塞げば良い。開口が一つの場合、1枚のカバー板で塞ぐことが望ましいが、複数枚のカバー板を用いて塞ぐことも可能である。
オイルパンガードの取付部には、例えばガード板と平行な平面に対して垂直方向に取付ボルトが立設され、その取付ボルトを介して支持部材に取り付けられるが、取付ボルトの立設方向は適宜定められるとともに、取付部にナット部材を固設して別個の取付ボルトで支持部材に固定することもできるなど、取付ボルトによる固定方法は適宜定められる。ねじ締結の他に、溶接等の他の固設手段で取付部を支持部材に固定しても良い。必要に応じて取付部と支持部材との間にゴムブッシュ等の弾性体を介在させることもできる。取付部に取付ボルトが立設される場合、その取付ボルトを位置決めピンとして用いてカバー板を位置決めすることができるが、取付ボルトとは別に位置決めピン等の位置決め部を設けてカバー板を位置決めすることもできる。ガード板やカバー板に位置決め部を設けることも可能である。カバー板は、例えばガード板と略平行で且つ境界部分で重ね合わされる状態でオイルパンガードに配設されるが、ガード板と略面一になるように突き合わせて配設することもできるし、ガード板との間に多少の隙間があっても良い。また、ガード板に対して例えば10°〜30°程度の角度で上方または下方へ折れ曲がる姿勢でカバー板を配設することもできるなど、種々の態様が可能である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例であるオイルパンガード10が設けられた前後輪駆動車両のパワートレーンユニット12を説明する概略構成図である。パワートレーンユニット12は、エンジン14、トルクコンバータ16、自動変速機18、およびトランスファ20が、その順番で車両前側から後方へ向かって設けられた縦置き型のユニットで、複数のケース部材がボルト等により一体的に結合されたユニットケース22内に収容されている。エンジン14は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。自動変速機18は、回転軸が車両前後方向と略平行になる姿勢で配設された縦置き型で、複数の油圧式摩擦係合装置の係合解放状態に応じて変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる遊星歯車式、平行軸式等の有段変速機である。トランスファ20は、遊星歯車装置等の差動機構により駆動力を差動回転可能に前輪および後輪へ分配するもので、これにより前後輪駆動で走行できる。トランスファ20はまた、ハイロー切換可能な副変速機構およびデフロック機構を備えており、例えばローギヤでのデフロック前後輪駆動によりオフロード走行や悪路走行を行なうことができる。自動変速機18およびトランスファ20は動力伝達装置に相当する。
自動変速機18の下部には、鉄板等から成る金属製のオイルパン24がユニットケース22にボルト等により一体的に固定されている。オイルパン24内には、自動変速機18の変速制御やトルクコンバータ16のロックアップ制御、或いは自動変速機18およびトランスファ20を含む各部の潤滑等に用いられる作動油が収容されており、機械式ポンプ等により汲み上げられてバルブボデー26等へ送られる。バルブボデー26は、変速制御やロックアップ制御などに用いられる複数のソレノイドバルブ等を備えており、オイルパン24の内部に収容されている。そして、そのバルブボデー26等を収容しているオイルパン24の下方位置にはオイルパンガード10が配設され、オフロード走行時や悪路走行時における路面(岩など)との接触や飛び石などによる下方からの衝撃から、オイルパン24やその収容部品(バルブボデー26など)を保護するようになっている。本実施例では、車両のフレームの一部を構成するように車両の幅方向に略水平に設けられた一対のクロスメンバ28、30に跨がってオイルパンガード10が配設されている。クロスメンバ28、30は、オイルパンガード10を支持する支持部材に相当し、一方のクロスメンバ28はオイルパン24よりも車両前側に設けらており、他方のクロスメンバ30はオイルパン24よりも車両後側に設けられている。
図2は、オイルパンガード10を単独で示した斜視図で、図3はオイルパンガード10の本体40を示した斜視図であり、図4はオイルパンガード10の本体40に取り付けられるカバー板42の斜視図である。すなわち、オイルパンガード10は、本体40にカバー板42を組み付けたもので、本体40は一対の取付軸部材44、46と、その取付軸部材44、46に跨がって固定されたガード板48とを有する。一対の取付軸部材44、46は丸パイプ材にて構成されているとともに、車両幅方向で且つ水平方向へ互いに略平行に離間させられた状態で、この一対の取付軸部材44、46の軸方向の中間部分にガード板48が固設されている。ガード板48は、略長方形の平板状の金属板材で、取付軸部材44、46の下端面(外周面)に接するように略水平に配設されているとともに、車両幅方向の両側部48a、48bが取付軸部材44、46の外周面に倣って上方へ湾曲させられ、略密着する状態で溶接等により一体的に固定されている。
取付軸部材44、46の軸方向の両端部、すなわちガード板48から車両の前後方向へ突き出す部分は、それぞれ径方向に押圧されて扁平に潰されることにより、取付部50a、50b、52a、52b(以下、特に区別しない場合は取付部50、52という)が形成されている。取付部50、52は、クランク状に折り曲げられて取付軸部材44、46の軸心から車両の下方側へオフセットした位置に略水平に設けられており、取付軸部材44、46がオイルパン24と干渉しない所定の高さ位置に保持される。また、取付部50、52は、平坦に押し潰された後に両側部が略直角に下方へ折り曲げられ、断面が浅いU字形状(皿形状)とされて所定の曲げ強度が確保されている。これ等の取付部50、52には、ガード板48と平行な平面(略水平面)に対して垂直方向、具体的には車両上下方向の上方へ突き出すように、取付ボルト54が溶接などで立設されており、前記クロスメンバ28、30に設けられたブラケット等にナットを用いてねじ締結され、一体的に連結されるようになっている。
カバー板42は、ガード板48から車両後方側へ突き出す一対の取付部50b、52bの間に路面に向かって形成される開口56を塞ぐためのもので、それ等の取付部50b、52bに跨がって配設される。図5は、カバー板42が配設されたオイルパンガード10がクロスメンバ28、30に連結された配設部分を路面側から見た車両の底面図で、車両の床下部分には、オイルパンガード10の周辺部分を覆蓋するようにアンダーカバー70が配設されている。アンダーカバー70は、合成樹脂等から成る複数(実施例は3枚)の板状部材70a、70b、70cを備えており、それぞれクロスメンバ28、30等に取り付けられている。板状部材70aは、ガード板48よりも車両前側部分を覆蓋するもので、オイルパンガード10の車両前側の取付部50a、52a、およびそれ等の間の空間部分を含めて覆蓋している。また、板状部材70bはガード板48よりも車両左側部分(図5における上方側)を覆蓋しており、板状部材70cはガード板48よりも車両右側部分(図5における下方側)を覆蓋している。したがって、ガード板48よりも車両後側部分、すなわち一対の取付部50b、52bの間の部分が路面に向かって形成される開口56として残り、その開口56がカバー板42によって塞がれる。なお、図5から明らかなように、一対の取付軸部材44、46は完全に平行ではなく、車両の床下構造に合わせて車両後方側が互いに接近するように僅かに傾斜させられており、ガード板48やカバー板42も完全な長方形ではなく、車両幅方向の寸法が連続的に変化している。
カバー板42は、1枚の金属板材を曲げ加工したもので、略長方形の平板状の閉塞部58と、その閉塞部58の両側部であって車両後側の部分に上方へオフセットするように設けられた一対のフランジ部60とを有し、閉塞部58が一対の取付部50b、52bの間に嵌まり込むように組み付けられて、一対のフランジ部60が取付部50b、52b上に載置される。フランジ部60には、前記取付ボルト54が挿通させられる挿通穴62が設けられており、その挿通穴62内を取付ボルト54が挿通させられるように取付部50b、52b上に載置されることにより、閉塞部58がガード板48と同様に略水平になり且つ閉塞部58の車両前側端部がガード板48と略面接触するように重ね合わされる組付状態に位置決めされる。閉塞部58の車両前側端部は、ガード板48との境界部分に相当する。カバー板42は、このような組付状態で、オイルパンガード10が取付ボルト54を介してクロスメンバ28、30に連結される際に、フランジ部60が取付部50b、52bとクロスメンバ30のブラケット等との間で挟まれて共締めされることにより、本体40と共にクロスメンバ30に一体的に取り付けられる。必要に応じて、カバー板42を予め溶接などで取付部50b、52bやガード板48に固定しておいても良い。
このように本実施例の車両用のオイルパンガード10は、一対の取付軸部材44、46に跨がってガード板48が取り付けられているとともに、オイルパン24の下方位置にガード板48が配置されるように一対の取付軸部材44、46が車両幅方向へ離間する姿勢で、ガード板48から車両前後方向へ突き出す両端部をそれぞれ取付部50、52として用いてクロスメンバ28、30に取り付けられる。これにより、オフロード走行時や悪路走行時に、オイルパン24が路面(岩など)と接触したり飛び石が当たったりすることがガード板48によって防止され、オイルパン24やその収容部品(バルブボデー26など)が保護される。
一方、ガード板48から車両後方側へ突き出す一対の取付部50b、52bの間に形成される開口56を塞ぐように、そのガード板48とは別個のカバー板42がガード板48と共に取付部50b、52bを介してクロスメンバ30に取り付けられるため、床下部分の空力性能が改善されて燃費が向上するとともに車外騒音が低減される。その場合に、ガード板48とは別個のカバー板42をガード板48と共に取付部50b、52bを用いてクロスメンバ30に取り付けるだけで良いため、ガード板48としては従来のものをそのまま使用することが可能で、車種毎に適当な形状のカバー板42を用意するだけで良く、コスト増加を必要最小限に抑えつつ燃費および車外騒音を改善することができる。
また、カバー板42は、一対のフランジ部60を介して一対の取付部50b、52bに跨がって配設されているため、取付部50b、52bの間の開口56を確実に塞ぐことが可能で、空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減するという効果が適切に得られる。
また、ガード板48よりも車両前側部分および左右両側部分がアンダーカバー70によって覆蓋されており、ガード板48よりも車両後側部分に形成される開口56を塞ぐようにカバー板42が設けられることにより、アンダーカバー70、ガード板48、およびカバー板42によって床下部分が略全面的に塞がれるため、空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減するという効果が適切に得られる。
また、取付ボルト54が取付部50、52に立設されているとともに、カバー板42のフランジ部60には取付ボルト54が挿通させられる挿通穴62が設けられており、その挿通穴62内に取付ボルト54が挿通させられることによりカバー板42が取付部50b、52bに対して所定の組付状態に位置決めされるため、カバー板42によって開口56を適切に塞ぐことができるとともに、カバー板42を含めたオイルパンガード10の取付作業を容易に行なうことができる。
また、カバー板42およびガード板48が互いに略平行で且つ境界部分で面接触するように重ね合わされる状態で、カバー板42がオイルパンガード10の本体40に組み付けられるため、カバー板42により開口56を確実に塞ぐことが可能で、空力性能を改善して燃費を向上させるとともに車外騒音を低減するという効果が適切に得られる。
また、一対の取付軸部材44、46として丸パイプ材が用いられ、その丸パイプ材の両端部がそれぞれ径方向に押圧されて扁平に潰されることにより取付部50、52が形成されているため、一対の取付軸部材44、46を含むオイルパンガード10を軽量で簡単且つ安価に構成することができる。
なお、上記実施例では平板材がそのままガード板48として一対の取付軸部材44、46に固設されていたが、例えば図6に示すオイルパンガード80のように、オイルパン24の冷却等のために空気を流通させる複数(図では6個)の切り起こし傾斜部82等をガード板48に設けることも可能である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、80:オイルパンガード 18:自動変速機(変速機) 20:トランスファ 24:オイルパン 28、30:クロスメンバ(支持部材) 42:カバー板 44、46:取付軸部材 48:ガード板 50a、50b、52a、52b:取付部 54:取付ボルト 56:開口 62:挿通穴 70:アンダーカバー

Claims (7)

  1. 作動油を収容するオイルパンを下方からの衝撃から保護するために、該オイルパンの下方位置にガード板が配置されるように、該ガード板が取付部を介して支持部材に取り付けられる車両用のオイルパンガードであり、
    前記ガード板の近傍に路面に向かって形成される開口を塞ぐように、該ガード板とは別個のカバー板が該ガード板と共に前記取付部を介して前記支持部材に取り付けられる
    ことを特徴とする車両用のオイルパンガード。
  2. 一対の取付軸部材と、
    該一対の取付軸部材に跨がって該取付軸部材の軸方向の中間部分に取り付けられたガード板と、
    を有し、作動油を収容するオイルパンを下方からの衝撃から保護するために、該オイルパンの下方位置に前記ガード板が配置されるように、前記一対の取付軸部材が水平方向へ離間する姿勢で、前記ガード板の両側へ突き出す前記一対の取付軸部材の両端部をそれぞれ取付部として用いて支持部材に取り付けられる車両用のオイルパンガードであり、
    前記ガード板から同じ方向へ突き出す一対の前記取付部の間に路面に向かって形成される開口を塞ぐように、該ガード板とは別個のカバー板が該ガード板と共に前記取付部を介して前記支持部材に取り付けられる
    ことを特徴とする車両用のオイルパンガード。
  3. 前記一対の取付軸部材は、車両の幅方向へ離間する姿勢で配置されており、
    前記ガード板から車両の前後方向へ突き出す前記一対の取付軸部材の両端部がそれぞれ前記取付部として用いられ、
    前記車両の前後方向の少なくとも一方へ突き出す一対の前記取付部の間に形成される開口を塞ぐように、該一対の取付部に跨がって前記カバー板が配設されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用のオイルパンガード。
  4. 前記ガード板よりも車両前側部分および左右両側部分は、前記車両用のオイルパンガードとは別のアンダーカバーによって覆蓋されており、
    前記カバー板は、前記ガード板よりも車両後側部分に形成される開口を塞ぐように配設されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用のオイルパンガード。
  5. 前記取付部には、前記ガード板と平行な平面に対して垂直方向に取付ボルトが立設されており、該取付ボルトを介して前記支持部材に取り付けられる一方、
    前記カバー板には前記取付ボルトが挿通させられる挿通穴が設けられており、
    前記カバー板は、前記挿通穴内に前記取付ボルトが挿通させられるように前記取付部に配置されることにより予め定められた組付状態に位置決めされる
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用のオイルパンガード。
  6. 前記予め定められた組付状態は、前記カバー板および前記ガード板が互いに略平行で且つ境界部分で重ね合わされる状態である
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両用のオイルパンガード。
  7. 前記車両用のオイルパンガードは、縦置き型の変速機と、該変速機の出力側に設けられて駆動力を前輪および後輪に分配するトランスファと、を有する前後輪駆動車両用のもので、前記変速機の下部に設けられたオイルパンを保護するために該オイルパンの下方位置に配設される
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用のオイルパンガード。
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